JP5652379B2 - 半導体基板の評価方法および評価用半導体基板 - Google Patents
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Description
シリコンウェーハ評価のために、構造の一例として特許文献1にガードリング付き構造が開示されており、基板析出との関連などが紹介されている。しかしガードリング構造ではガードリング側に印加する電圧の安定性が非常に重要であり、特に近年のデバイスは高集積化・高性能化が進み、非常に微小な欠陥、微量な汚染が影響するため、変動を出来るだけ小さく抑えたい。そのためガードリングを使わない構造を検討してきた。
しかしながら、固体撮像素子の白キズや暗電流の問題を改善するためにはpAレベルで接合リーク電流を評価する必要があり、上記の評価方法では精度の面で不十分だった。
したがって、高精度に接合リーク電流を評価することができ、半導体基板の評価をより精度良く行うことができる。
また、複数のPN接合を形成して接合リーク電流の測定・評価を行うので、接合リーク電流の面内分布を把握することができ、接合リーク電流の発生原因について詳細な検討が可能になる。
本発明における接合リーク電流測定では、例えばPN接合上に形成した電極等にプローブ(ニードル)を接触させて電圧を印加することで行う。この際、PN接合の面積を4mm2以下とすることにより、シート抵抗の影響により電極面内に均一な電界印加が出来なくなるのを防ぐことができる。
また、ウェル領域の形成によって接合リーク電流を増加させることができ、高精度で評価を行うことができる。
また、深さについては、2μm以下とすることで、それよりも深くまで形成するためにイオン注入の加速電圧が高くなり欠陥が導入されるのを防ぐことができる。
深さはウェル領域の範囲内、例えば1μm以下とすることができる。
また深さは深い必要はなく、イオン注入で制御可能な上記範囲とすることができる。
また、複数のPN接合を形成して接合リーク電流の測定・評価を行うことが可能であり、接合リーク電流の面内分布を把握することができ、接合リーク電流の発生原因について詳細な検討が可能になる。
このように4mm2以下のものであれば、接合リーク電流測定において、PN接合上に形成した電極等にプローブを接触して電圧を印加するにあたって、シート抵抗の影響により電極面内に均一な電界印加が出来なくなるのを防ぐことができる。
また、半導体基板の評価の観点では0.5mm2以上あれば足りるし、プローブの接触等の点からもそれ以上とするのが好ましい。
また、深さについては、2μm以下とすることで、イオン注入の加速電圧が高いことが原因で欠陥が導入されるのを防ぐことができる。
深さはウェル領域の範囲内、例えば1μm以下とすることができる。
また深さは深い必要はなく、イオン注入で制御可能な上記範囲とすることができる。
まず、本発明の評価用半導体基板について説明する。
図1は、本発明の評価用半導体基板の一例の概略を示している。図1に示すように、本発明の評価用半導体基板1においては、評価対象の半導体基板1’内に、半導体基板1’と同じ導電型のドーパントがイオン注入されたウェル領域2が形成されている。また、該ウェル領域2の周辺にも、半導体基板1’と同じ導電型のドーパントがイオン注入されたチャネルストップ層3が形成されている。そして、ウェル領域2の中には、ウェル領域2の導電型とは異なる導電型のドーパントが拡散された拡散層4が形成されており、ウェル領域内でPN接合5が形成されている。
そして、半導体基板1’の表面には分離酸化膜6が形成されており、各PN接合同士を分離している。上記チャネルストップ層3は分離酸化膜6の直下に位置している。
そして、特には、ドーパント濃度を1×1016atoms/cm3以上とすることで、ウェル領域としての効果をもたせることができる。これより低いと、半導体基板1’と同程度のドーパント濃度となってしまうからである。
なお、浅すぎると評価できる空乏層幅が小さくなり、半導体基板1’の評価として感度が低下してしまうので注意が必要である。
深さに関しては、当然ウェル内に形成するため、例えば1μm以下とすることができる。
また深さは深い必要はなく、イオン注入で制御可能な0.5μm以下とすることができる。
この分離酸化膜6の形成方法や厚さ等も特に限定されず、その都度決定することができる。例えば、熱酸化膜でもCVD膜でも良い。なお、厚さに関しては、特にはチャネルストップ層3が分離酸化膜上からイオン注入で形成されたものの場合、例えば100〜500nmの範囲のものとすることができる。このような範囲のものであれば、イオン注入の際に、一部のドーパントを適切に通過させて分離酸化膜6の直下にチャネルストップ層3を形成させることができるからである。
接合リーク電流の測定では、プローブを拡散層4に点接触させて電圧を印加することになるが、PN接合の面積を4mm2以下とすることで、シート抵抗の影響により均一な電界印加が出来なくなるのを防ぐことができる。
さらには、半導体基板の評価の観点では0.5mm2以上あれば足りるし、プローブの接触等の点からも0.5mm2以上とするのが好ましい。
図2に本発明の半導体基板の評価方法のフローの一例を示す。なお、本発明は図2のフローに限定されず、複数のPN接合と、該PN接合を分離する分離酸化膜と、該分離酸化膜の下に位置するチャネルストップ層とを形成してからPN接合における接合リーク電流を測定して評価すれば良く、各々の具体的な工程については適宜決定することができる。後述するように、図2のフローであれば、特にはチャネルストップ層を簡便に形成することができる。
(工程1) 酸化膜の形成
まず、用意した評価対象の半導体基板1’にマスクとなる酸化膜9を形成する。この酸化膜9は熱酸化により形成してもCVDにより形成しても良いが、以下の点に注意する。
イオン注入時のマスクとして適切に機能するように、また、パターンが薄くなって実際の測定時にパターン認識が不可能とならないように、例えば100nm以上とすることができる。
さらに、例えば500nmより厚いと、イオン注入のイオンを完全にマスクしてしまい酸化膜9の直下にチャネルストップ層3が形成されにくい。
このように、工程1で形成した酸化膜9にフォトリソグラフィーを行い、酸化膜9の一部をドライエッチングないしはウエットエッチングにより窓明け処理を行う。上述したように、このとき窓明けした部分(開口部7)の面積がPN接合の面積に相当することになる。したがって開口部7の形成にあたっては、上述したように、各々、例えば0.5〜4mm2とすることができる。接合リーク電流の面内分布を求められるように、複数の開口部7を形成するが、具体的な形成数は特に限定されず、その都度決定することができる。
なお、開口部7以外の部分で残った酸化膜9が分離酸化膜6に相当する。
次に、この状態で、開口部7および分離酸化膜6の上から、イオン注入処理を行う。このイオン注入処理によって、半導体基板1’の導電型と同じ導電型のドーパントを注入し、開口部7の箇所にウェル領域2を形成する。このとき、同時に分離酸化膜6の直下にチャネルストップ層3を形成する。このような方法であれば、特には、ウェル領域2のみならずチャネルストップ層3も同時に形成することができるので簡便である。
このあと回復熱処理を行う。
このあと、PN接合形成のため、ウェル領域2の導電型とは異なる導電型のドーパントを拡散させ、拡散層4を形成する。このときの拡散はイオン注入処理でも、固体拡散処理でも良い。また、イオン注入処理を使った場合は、ウェル領域2の形成時における回復熱処理とを兼ねることができる。
以上のようにしてPN接合を形成することができ、評価用半導体基板1を得ることができる。
上記のようにして得た評価用半導体基板1に、必要に応じて、複数のPN接合上にフォトリソグラフィでアルミニウムや多結晶シリコン等からなる電極8を各々さらに形成し、該電極8にプローブを接触させて電圧を印加し、接合リーク電流の測定を行う。
本発明ではウェル領域2の周辺、すなわち、分離酸化膜6の直下にチャネルストップ層3を形成しているため、ウェル領域2の周辺に寄生空乏容量が発生するのを防ぐことができ、接合リーク電流の検出精度を向上することができる。
そして、このようにして得られた精度の高い接合リーク電流特性を用い、半導体基板を精度高く評価を行うことが可能である。
(実施例)
本発明の半導体基板の評価方法を実施した。
抵抗率10Ω・cm、ボロンドープ(濃度が1×1015atoms/cm3)、直径200mmのシリコンウェーハを材料として用意した。そして、まずこれをPyro雰囲気で1000℃、90分の熱処理を施し、200nmの酸化膜を形成した。
その後、リンガラスを塗布拡散し、リンを表面より拡散することでウェル領域内に拡散層を形成して、PN接合を形成した。
この条件で、ウェル領域はボロンの濃度が1×1017atoms/cm3、深さ1μmとなり、チャネルストップ層は酸化膜直下の濃度が1×1017atoms/cm3、深さ0.5μmとなり、拡散層は濃度が1×1019atoms/cm3、深さ0.4μmとなった。
このようにして、ウェーハ面内に形成された複数のPN接合を用い、接合リーク電流のウェーハ面内の分布を得ることができた。
その結果、上記のボロンの濃度が1×1017atoms/cm3のときよりも、接合リーク電流の値が一桁程度増加し、1×10−10〜1×10−11A程度となった。これはイオン注入時に導入された欠陥によるものであると推測される。
本発明の半導体基板の評価方法とは異なり、ウェル領域およびチャネルストップ層を形成することなく接合リーク電流の測定を行って半導体基板の評価を行った。
開口部が形成されたウェーハを実施例1と同様にして用意し、リンガラスを塗布拡散し、リンを表面より拡散することでウェーハ内に拡散層を形成して、PN接合を形成した。拡散層は濃度が1×1019atoms/cm3、深さ0.4μmとなった。
本発明の半導体基板の評価方法とは異なり、チャネルストップ層を形成することなく接合リーク電流の測定を行って半導体基板の評価を行った。
実施例1で用意したものと同様のシリコンウェーハをPyro雰囲気で1000℃、300分の熱処理を施し、800nmの酸化膜を形成した。
その後、リンガラスを塗布拡散し、リンを表面より拡散することでウェル領域内に拡散層を形成して、PN接合を形成した。
この条件で、ウェル領域はボロンの濃度が1×1017atoms/cm3、深さ1μmとなり、拡散層は濃度が1×1019atoms/cm3、深さ0.4μmとなった。
3…チャネルストップ層、 4…拡散層、 5…PN接合、
6…分離酸化膜、 7…開口部、 8…電極、 9…酸化膜。
Claims (10)
- 接合リーク電流により半導体基板を評価する方法であって、
評価する半導体基板に、複数のPN接合と、該複数のPN接合同士を分離する分離酸化膜と、該分離酸化膜の下に位置するチャネルストップ層とを形成してから、前記複数のPN接合における接合リーク電流を測定して評価を行うことを特徴とする半導体基板の評価方法。 - 前記複数のPN接合の各々の面積を0.5〜4mm2とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の評価方法。
- 前記複数のPN接合と、分離酸化膜と、チャネルストップ層を形成するとき、
前記半導体基板の表面に酸化膜を形成し、
該形成した酸化膜の一部を除去することにより、複数の開口部を形成し、残された酸化膜を分離酸化膜とし、
該形成した複数の開口部および分離酸化膜上から前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントをイオン注入し、前記複数の開口部の各々にウェル領域を形成するとともに、前記分離酸化膜下にチャネルストップ層を形成し、
前記各々のウェル領域内に、該ウェル領域の導電型とは異なる導電型のドーパントを拡散して拡散層を形成して、前記複数のPN接合を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体基板の評価方法。 - 前記ウェル領域において、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントの濃度を1×1017atoms/cm3以下とすることを特徴とする請求項3に記載の半導体基板の評価方法。
- 前記ウェル領域において、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントの濃度を1×1016〜1×1017atoms/cm3とし、深さを2μm以下とし、
前記拡散層において、前記ウェル領域の導電型とは異なる導電型のドーパントの濃度を1×1018〜5×1020atoms/cm3とし、深さを1μm以下とし、
前記チャネルストップ層において、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントの濃度を1×1016〜1×1017atoms/cm3とし、深さを0.5μm以下とすることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の半導体基板の評価方法。 - 接合リーク電流により評価するための評価用半導体基板であって、
複数のPN接合と、該複数のPN接合同士を分離する分離酸化膜と、該分離酸化膜の下に位置するチャネルストップ層とが形成されたものであることを特徴とする評価用半導体基板。 - 前記複数のPN接合は、各々の面積が0.5〜4mm2のものであることを特徴とする請求項6に記載の評価用半導体基板。
- 前記PN接合は、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントがイオン注入されたウェル領域と、該ウェル領域内に形成され、該ウェル領域の導電型とは異なる導電型のドーパントが拡散された拡散層からなるものであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の評価用半導体基板。
- 前記ウェル領域は、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントの濃度が1×1017atoms/cm3以下のものであることを特徴とする請求項8に記載の評価用半導体基板。
- 前記ウェル領域は、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントの濃度が1×1016〜1×1017atoms/cm3であり、深さが2μm以下であり、
前記拡散層は、前記ウェル領域の導電型とは異なる導電型のドーパントの濃度が1×1018〜5×1020atoms/cm3であり、深さが1μm以下であり、
前記チャネルストップ層は、前記半導体基板の導電型と同じ導電型のドーパントの濃度が1×1016〜1×1017atoms/cm3であり、深さが0.5μm以下のものであることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の評価用半導体基板。
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