JP5651950B2 - レール装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レール装置に関し、例えば、有軌道台車等の軌道走行体を支持すると共に案内するレール装置に関するものである。
特許文献1で開示された従来技術においては、基準側レール部と、変位側レール部と、基準側レール部と変位側レール部との間に設置された可動レール部とを具備したレール装置が開示されている。基準側レール部のレール材と可動レール部のスライドレール材の間に所定の許容隙間が形成され、可動レール部のスライドレール材と変位側レール部のレール材の間に所定の許容隙間が形成されている。また、基準側レール部と可動レール部の間、及び可動レール部と変位側レール部との間には、スライドレール材の移動限を規制する移動規制手段がそれぞれ設けられおり、移動規制手段はこれらの許容隙間に対応してスライドレール材の移動限を規制している。従って、気温が上昇し変位側レール部及び構造部材が昇温され、変位側レール材の端部がスライドレール材側に変位しても、両許容隙間とスライドレール材の基準側レール材側への移動により変位側レール材の端部の変位を吸収することが可能である。そして、変位側レール材の伸びがさらに大きい場合には、可動レール部のスライドレール材を直列に追加配置すればよいとしている。
また、特許文献2で開示された従来技術においては、一対の走行用レールと、走行用レール間に介在される接続用レールとを備え、走行用レールはレール固定機構により支持され、接続用レールはレール支持機構により昇降可能に支持されると共に、レール軸線方向にスライド可能に支持されている。従って、一対の走行用レールが相対接近する方向に変位したとき、走行用レールの端部に備えられる上向きの傾斜面及び接続用レールの端部に備えられる下向きの傾斜面が当接し、相対接近による圧縮力によって接続用レールは上昇する。よって、接続用レールの変形や破損を防止できるとしている。
特開2004−84259号公報 特開2005−89983号公報
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、変位側レール材が許容隙間内で変位する場合には、両許容隙間とスライドレール材の基準側レール材側への移動によりこの変位を吸収することが可能であるが、変位側レール材が許容隙間を超えて変位する場合には、スライドレール材の移動限を規制する移動規制手段及びレール装置そのものが破損する恐れがある。この問題を解消しようとして可動レール部のスライドレール材を直列に追加配置すると、装置が大型化し部品点数が増えてしまう問題がある。
また、特許文献2で開示された従来技術においては、走行用レールが相対接近する方向に変位したとき、接続用レールは上昇するので接続用レールの変形や破損を防止することは可能である。しかし、気温変化などに起因する走行用レールの小さな変位の場合でも、異常検出されて搬送台車の走行停止が行われるので、その都度復旧作業が必要となる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、レールの変位が許容範囲内のときは正常とされ、レールが許容範囲を超えて変位したときに確実に異常であると認識でき、かつ、異常時にレールの破損を防止することができるレール装置の提供にある。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、複数の走行用レールと、前記走行用レール間に設置される接続用レールとにより、搬送台車の軌道を形成するレール装置であって、前記接続用レールは、前記搬送台車の車輪を支持する接続側レール上面を備え、前記走行用レールは、前記搬送台車の車輪を支持する走行側レール上面を備え、前記走行用レールの接続用レール側端部は上向き傾斜面である走行用レール側傾斜面を備え、前記接続用レール側端部と対向する前記接続用レールの走行用レール側端部は下向き傾斜面である接続用レール側傾斜面を備え、前記走行用レール側傾斜面と前記接続用レール側傾斜面は対向配置され、前記走行用レール側傾斜面と前記接続用レール側傾斜面との間には、前記走行用レールの軌道方向への変位を許容する隙間が設けられ、前記接続用レールは、軌道方向及び上方向へ移動可能に設けられ、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位の許容範囲が、前記接続用レールの両端部に設けられた前記隙間の長さ距離より小さく設定され、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲を超えたことを検知する検知手段を備え、前記検知手段と接続され、前記搬送台車の走行を制御する制御手段が設けられ、前記制御手段は、前記検知手段により、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲を超えたことが検知されると、前記搬送台車の走行を停止する制御を行い、前記走行用レールと前記接続用レールは、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲内において前記接続用レールの軌道方向の変位を許容しつつ上方向への変位を規制するとともに、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲を超える前記接続用レールの上方向への変位規制を解除する変位制限用プレートを介して連結されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、軌道方向における走行用レールが接近する方向への走行用レールの変位の許容範囲が接続用レールの両端部に設けられた隙間の長さ距離より小さく設定されているので、走行用レールが軌道方向における走行用レールが接近する方向へ許容範囲内で変位した場合には、隙間の長さ距離の範囲内で走行用レールが移動するだけでよく、この場合搬送台車は正常運行が可能である。また、軌道方向における走行用レールが接近する方向への走行用レールの変位が許容範囲を超えたことを検知する検知手段及び走行用レールと接続用レールを連結する変位制限用プレートが備えられているので、軌道方向における走行用レールが接近する方向への走行用レールの変位が許容範囲を超えた場合には、軌道方向における走行用レールが接近する方向への走行用レールの変位が許容範囲を超えたことが検知されて異常と認識した上で、例えば、搬送台車の走行停止などの必要なアクションをとりつつ、接続用レールを軌道方向又は、上方向へ移動を行わせて装置の破損防止を図れる。従って、軌道方向における走行用レールが接近する方向への走行用レールの変位が許容範囲内のときは正常とされ、軌道方向における走行用レールが接近する方向への走行用レールの変位が許容範囲を超えたときに確実に異常であると認識でき、かつ、異常時にレールの破損を防止することができる。また、接続用レールの下向き傾斜面である接続用レール側傾斜面に対し走行用レールの上向き傾斜面である走行用レール側傾斜面が当接することにより、接続用レールを上昇させることができる。従って、レール装置の破損を確実に防止できる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のレール装置において、前記接続用レール側端部は、前記走行用レール側傾斜面と走行側レール下面により楔状に形成され、前記走行用レール側端部は、前記接続用レール側傾斜面と接続側レール上面により楔状に形成されことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、接続用レール側端部は走行用レール側傾斜面と走行側レール下面により楔状に形成され走行用レール側端部は接続用レール側傾斜面と接続側レール上面により楔状に形成されている。この下向きの接続用レール側傾斜面に対し上向きの走行用レール側傾斜面が当接し、接続用レールを上昇させることができる。従って、レール装置の破損を確実に防止できる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のレール装置において、前記走行用レールは、側面に設けられ前記搬送台車の案内ローラを案内する走行側ローラ案内面を備え、前記接続用レールは、側面に設けられ前記搬送台車の案内ローラを案内する接続側ローラ案内面を備え、前記走行側ローラ案内面は、前記走行用レール側傾斜面の水平に対する傾斜角度が第1傾斜角度に設定されるとともに、前記案内ローラが当接する範囲における前記走行用レール側傾斜面の傾斜角度は、前記第1傾斜角度よりも小さく設定され、前記接続側ローラ案内面は、前記接続用レール側傾斜面の水平に対する傾斜角度が第2傾斜角度に設定されるとともに、前記案内ローラが当接する範囲における前記接続用レール側傾斜面の傾斜角度は、前記第2傾斜角度よりも小さく設定されたことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、案内ローラが当接する範囲における走行用レール側傾斜面の傾斜角度は、第1傾斜角度よりも小さく設定され、案内ローラが当接する範囲における接続用レール側傾斜面の傾斜角度は、第2傾斜角度よりも小さく設定されているので、搬送台車の走行に伴い案内ローラが走行用レールから接続用レール、又は、接続用レールから走行用レールに乗り移るときに、案内ローラの衝撃を緩和することができ、ローラ摩耗を軽減することが可能である。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレール装置において、前記変位制限用プレートは前記走行用レールに固定されると共に、軌道方向に平行に形成された長孔を備え、前記長孔に前記接続用レールに固定された軸部材が摺動可能に挿通され、前記軸部材は、前記各走行用レールの前記許容範囲を超える変位に伴い破断可能に設けられたことを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、走行用レールと接続用レールは変位制限用プレートに形成された長孔と、長孔に挿通された軸部材によって長孔の範囲内で軌道方向への変位が可能となっており、走行用レールの変位に対し接続用レールの移動が片側に集中しないようにすることができる。
また、軸部材は、走行用レールの許容範囲を超える変位に伴い破断可能に設けられているので、許容範囲を超える変位に対しては、軸部材が破断することにより、走行用レールと接続用レールの規制が解除されて、走行用レール及び接続用レールは自由に移動可能となる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレール装置において、前記走行用レール側端部に接続用レール側当接部が当接面を下方に向けて配設され、前記接続用レール側端部に走行用レール側当接部が当接面を上方に向けて配設され、前記接続用レール側当接部は前記走行用レール側当接部上に載置されて、前記接続用レールが前記走行用レール上を前記当接面で当接しつつ、軌道方向へ摺動可能に設置され、前記検知手段は、前記走行用レールに設置されたセンサと、前記接続用レールに設けられた検出板で構成されたことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、接続用レール側当接部は走行用レール側当接部と当接面で当接しつつ、軌道方向へ摺動可能に設置されているので、接続用レール上を搬送台車が走行するとき、搬送台車の荷重を走行用レール側当接部で支えることができ強度強化を図れると共に、搬送台車の車輪が隙間を跨いで走行用レールから接続用レールに乗り移るときの衝撃を緩和することができる。
また、検知手段としては、センサ及び検出板で構成されているので、構成が簡単である。
本発明によれば、レールの変位が許容範囲内のときは正常とされ、レールが許容範囲を超えて変位したときに確実に異常であると認識でき、かつ、異常時にレールの破損を防止することができる。
本発明の実施形態に係るレール装置の全体構成を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るレール装置の側面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明の実施形態に係るレール装置における「接近する方向に変位した場合」の作用説明用の模式図である。(a)初期状態、(b)αだけ接近状態、(c)2αだけ接近状態、(d)2α以上接近し接続用レールが上昇した状態。 本発明の実施形態に係るレール装置における「離間する方向に変位した場合」の作用説明用の模式図である。(a)初期状態、(b)αだけ離間状態、(c)2αだけ離間状態、(d)2α以上離間し走行用レール及び接続用レールが離れた状態。
以下、本発明の実施形態に係るレール装置10を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように、レール装置10は、複数の走行用レール11と走行用レール11間に設置された接続用レール34とを備え、それぞれ左右一対に敷設されて搬送台車Mを案内する軌道が形成されている。
接続用レール34の一端部に設置された走行用レール11を走行用レール11Aとし、接続用レール34の他端部に設置された走行用レール11を走行用レール11Bとすると、走行用レール11Aは、建屋T1と建屋T2に跨って設置され、接続用レール34と走行用レール11Bは、建屋T2内に設置されている。接続用レール34の一端部および接続用レール34の他端部は走行用レール側端部に相当する。建屋T1と建屋T2間の屋外スペースSに露出している走行用レール11Aは、外気温の影響を受け温度変化により軌道方向に伸縮(変位)する。建屋T1内及び建屋T2内は、空調等により一定温度に維持されている。従って、建屋T2内に設置された接続用レール34及び走行用レール11Bには温度変化による変位がほとんど生じない。
図2に示すように、レール装置10は、走行用レール11A、11B、走行用レール11A、11Bを支持するレール固定機構23、走行用レール11A、11B間に設置される接続用レール34、接続用レール34の昇降及び軌道方向への移動を支持するレール支持機構50、などから構成されている。
まず、走行用レール11Aについて説明する。
なお、走行用レール11Bは走行用レール11Aと同一構造なので走行用レール11Aについてのみ説明を行い、走行用レール11Aの説明を援用する。
走行用レール11Aは複数の部材が溶接により組み付けられることにより構成されている。図3に示すように、走行用レール11Aは、下部レール部材15と、上部レール部材16と、一対の支持部材17、18と、一対の案内部材19、20とを備えている。
下部レール部材15の上面には、一対の支持部材17、18が立設されて溶接により固定されており、一対の支持部材17、18の上端には、上部レール部材16が溶接により固定され、一対の支持部材17、18により上部レール部材16は支持されている。上部レール部材16の下面の両側付近には、一対の案内部材19、20が垂下されて溶接により固定されている。下部レール部材15、上部レール部材16、一対の支持部材17、18及び一対の案内部材19、20は、それぞれ鋼板からの切り出し又は打ち抜きにより製作されている。
走行用レール11Aの上面には搬送台車Mの車輪Hが当接する走行側レール上面12が形成されている。また、走行用レール11Aの案内部材19、20には、搬送台車Mが備える案内ローラKを案内する走行側ローラ案内面13がそれぞれ形成されている。案内ローラKが走行用レール11Aの両側から走行側ローラ案内面13に当接することにより、走行用レール11Aに対する搬送台車Mの横揺れの防止を行っている。
図2に示すように、走行用レール11Aの接続用レール側端部には、走行用レール側傾斜面14が形成されている。接続用レール側端部は、走行用レール側傾斜面14と走行側レール下面63により楔状に形成されている。走行用レール側傾斜面14は楔状の先端部から上方へ向けて傾斜する上向きの傾斜面であり、後述する接続用レール側傾斜面37と対向配置されている。走行用レール側傾斜面14は案内部材19、20の端部に形成されている。
走行用レール側傾斜面14は段付き形状をしており、走行用レール側傾斜面14における案内ローラKが当接する範囲を走行用レール側傾斜面14Bとし、それ以外を走行用レール側傾斜面14Aとする。そして、走行用レール側傾斜面14Aの水平に対する傾斜角度を第1傾斜角度β1とし、走行用レール側傾斜面14Bの水平に対する傾斜角度を傾斜角度γ1とすると、傾斜角度γ1は第1傾斜角度β1より小さく設定されている。すなわち、走行用レール側傾斜面14の内、走行用レール側傾斜面14Bを挟んで上下に位置する走行用レール側傾斜面14Aは第1傾斜角度β1で形成されているが、走行用レール側傾斜面14Bは第1傾斜角度β1より小さい傾斜角度γ1で形成されている。
この走行用レール側傾斜面14は、走行用レール11A、11Bが軌道方向において接近する方向に変位した場合に、接続用レール34を上昇させて、走行用レール11A、11B及び接続用レール34に接近の圧縮力による損傷を与えないようにするためのものである。
図1に示すように、走行用レール11Aの接続用レール側端部は、接続用レール34に対向して走行用レール側端面21が形成されている。この走行用レール側端面21は上部レール部材16の端部に形成されたものであり、走行側レール上面12に対し直角に形成されていると共に、走行側ローラ案内面13に対し傾斜して形成されている。
図2、図3に示すように、接続用レール34に対向して案内部材19、20の端部に、形成された走行用レール側傾斜面14は、上部レール部材16の端部に形成された走行用レール側端面21に倣って、軌道方向にずらして形成されている。すなわち、図2において、図示しないが、案内部材20に形成されている走行用レール側傾斜面14は、案内部材19に形成されている走行用レール側傾斜面14に対して、左側に所定距離だけずらして形成されている。
また、案内部材19、20間に配置されている支持部材17、18における接続用レール34に対向する端部には、傾斜面が形成されているが、走行用レール側端面21に倣って、軌道方向にずらして形成されている。また、この傾斜面は第1傾斜角度β1と同等の傾斜角度で形成されている。
次に、走行用レール11A、11Bを支持するレール固定機構23について説明する。
この実施形態では、レール固定機構23Aを走行用レール11A側とし、レール固定機構23Bを走行用レール11B側とする。
レール固定機構23Aは、図2、図3に示すように、スライドベース板24、一対の押え板27、スライドプレート26、スタンド板28、支持軸30、ブロック体31、及び支持板32などから構成されている。
スライドベース板24はボルト25により設置面Gに固定されており、このスライドベース板24の上面側には、走行用レール11Aの長手方向と一致する案内溝24Aが形成されている。この案内溝24Aには、スライドプレート26が案内溝24Aに沿って移動できるように備えられ、スライドベース板24に取り付けられている一対の押え板27が、スライドプレート26が案内溝24Aから外れないように、スライドプレート26の両側付近の上面を押えている。このスライドプレート26には、上面に支持軸30が植設されたスタンド板28がボルト29により固定されている。
一方、走行用レール11Aの下面には、ブロック体31を備える支持板32が取り付けられており、ブロック体31と支持軸30とは固定されている。
従って、レール固定機構23Aは、走行用レール11Aが軌道方向に変位したときには、スライドプレート26が移動して走行用レール11Aを設置面Gに対して水平に進退させることが可能となっている。
また、図2における走行用レール11Bのレール固定機構23Bは、スタンド板28、
支持軸30、ブロック体31、及び支持板32を有している点でレール固定機構23Aと共通するが、レール固定機構23Bではスタンド板28がスライドベース板24に直接固定されており、その点が異なる。
従って、レール固定機構23Bにより走行用レール11Bは設置面Gに対して固定されている。
次に、接続用レール34について説明する。
接続用レール34は走行用レール11A、11B間に設置されるものであり、接続用レール34は、走行用レール11A、11Bが長手方向において接近する方向に変位したとき、接続用レール34を上昇させ、接近による圧縮力による走行用レール11A、11Bの変形や破損を防止する目的を有している。
接続用レール34は走行用レール11と同様に、複数の部材が溶接により組み付けられることにより構成されている。図4に示すように、接続用レール34は、下部レール部材40と、上部レール部材41と、一対の支持部材42、43と、一対の案内部材44、45とを備えている。
接続用レール34は図2及び図4に示すように、接続用レール34の上面には搬送台車Mの車輪Hが当接する接続側レール上面35が形成されている。また、接続用レール34の案内部材44、45には、搬送台車Mが備える案内ローラKを案内する接続側ローラ案内面36がそれぞれ形成されている。案内ローラKが接続用レール34の両側から接続側ローラ案内面36に当接することにより、接続用レール34に対する搬送台車Mの横揺れの防止を行っている。
走行用レール11A、11Bと対向する接続用レール34の走行用レール側端部には、接続用レール側傾斜面37がそれぞれ形成されている。走行用レール側端部は、接続用レール側傾斜面37と接続側レール上面35により楔状に形成されている。接続用レール側傾斜面37は楔状の先端部から下方へ向けて傾斜する下向きの傾斜面であり、走行用レール側傾斜面14と対向配置されている。接続用レール側傾斜面37は案内部材44、45の端部に形成されている。図2に示すように、接続用レール34は側面視逆向き台形状に形成されている。
接続用レール側傾斜面37は段付き形状をしており、接続用レール側傾斜面37における案内ローラKが当接する範囲を接続用レール側傾斜面37Bとし、それ以外を接続用レール側傾斜面37Aとする。そして、接続用レール側傾斜面37Aの水平に対する傾斜角度を第2傾斜角度β2とし、接続用レール側傾斜面37Bの水平に対する傾斜角度を傾斜角度γ2とすると、傾斜角度γ2は第2傾斜角度β2より小さく設定されている。すなわち、図2に示すように、接続用レール側傾斜面37の内、接続用レール側傾斜面37Bを挟んで上下に位置する接続用レール側傾斜面37Aは第2傾斜角度β2で形成されているが、接続用レール側傾斜面37Bは第2傾斜角度β2より小さい傾斜角度γ2で形成されている。
また、走行用レール側傾斜面14Aに対向して接続用レール側傾斜面37Aが設けられ、走行用レール側傾斜面14Bに対向して接続用レール側傾斜面37Bが設けられている。そして、接続用レール側傾斜面37Aに対応した第2傾斜角度β2と走行用レール側傾斜面14Aに対応した第1傾斜角度β1とは同一角度に設定されており、且つ、接続用レール側傾斜面37Bの傾斜角度γ2と走行用レール側傾斜面14Bの傾斜角度γ1とは同一角度に設定されている。
接続用レール側傾斜面37は走行用レール側傾斜面14とは隙間38を介して平行配置されている。
図1に示すように、接続用レール34の走行用レール11A、11B側端部は、走行用レール側端面21に対向して接続用レール側端面46がそれぞれ形成されている。この接続用レール側端面46は上部レール部材41の端部に形成されたものであり、接続側レール上面35に対し直角に形成されていると共に、接続側ローラ案内面36に対し傾斜して形成されている。また、走行用レール側端面21と接続用レール側端面46とは隙間38を介して平行配置されている。従って、図1に示すように、接続用レール34は平面視平行四辺形状に形成されている。
図2、図4に示すように、走行用レール11A、11Bに対向して案内部材44、45の端部に形成された接続用レール側傾斜面37は、上部レール部材41の両端部に形成された接続用レール側端面46に倣って、軌道方向にずらして形成されている。すなわち、図2において、図示しないが、案内部材45に形成されている接続用レール側傾斜面37は、案内部材44に形成されている接続用レール側傾斜面37に対して、左側に所定距離だけずらして形成されている。
また、案内部材44、45間に配置されている支持部材42、43における走行用レール11A、11Bに対向する端部には、傾斜面が形成されているが、接続用レール側端面46に倣って、軌道方向にずらして形成されている。また、この傾斜面は第2傾斜角度β2と同等の傾斜角度で形成されている。
次に、接続用レール34を軌道方向及び上方向へ移動可能に設けられたレール支持機構50を説明する。
図2及び図4に示すように、レール支持機構50は、スライドベース板51、スライドプレート52、一対の押え板53、一対のスタンド板54、一対の支持軸55、ガイドプレート56、支持フレーム57及び、一対のガイドロッド58から構成されている。
スライドベース板51は、ボルト59により設置面Gに固定されており、このスライドベース板51の上面側には、接続用レール34の長手方向と一致する案内溝51Aが形成されている。この案内溝51Aには、スライドプレート52が案内溝51Aに沿って移動できるように備えられ、スライドベース板51に取り付けられている一対の押え板53が、スライドプレート52が案内溝51Aから外れないように、スライドプレート52の両側付近の上面を押えている。
このスライドプレート52には、一対のスタンド板54がボルト60により固定されており、これらのスタンド板54の上面には支持軸55がそれぞれ植設されている。これらの一対の支持軸55の上端を接続するようにガイドプレート56が取り付けられ、ガイドプレート56の前後の両端付近には、下方へ向けて一対のガイドロッド58が設けられており、このガイドロッド58は、ガイドプレート56のガイド孔に挿通されている。
従って、レール支持機構50は、接続用レール34が軌道方向に変位したときには、スライドプレート52が移動して接続用レール34を設置面Gに対して水平に進退させることが可能となっている。
また、接続用レール34は、走行用レール11A、11Bが許容範囲を超えて接近する方向に変位した場合に、走行用レール11A、11Bの走行用レール側傾斜面14と接続用レール34の接続用レール側傾斜面37が当接し、走行用レール11A、11B間に作用する圧縮力により接続用レール34は上昇する方向に移動されるが、ガイドプレート56のガイド孔により支持フレーム57に設けられたガイドロッド58が案内される。
図2に示すように、走行用レール11A、11B及び接続用レール34の下部には、変位制限用プレート22が設けられている。変位制限用プレート22は、走行用レール11Aと接続用レール34との間、および走行用レール11Bと接続用レール34との間を連結し、軌道方向への変位を規制する部材である。変位制限用プレート22は矩形の板部材で形成され、変位制限用プレート22の一方の端部は走行用レール11A、11Bに固定されている。また、変位制限用プレート22の他方の端部には軌道方向に平行な長孔22Aが形成されている。この長孔22Aに接続用レール34に固定された軸部材47が挿通され、軸部材47は長孔22Aの範囲内で摺動可能となっている。
ここで、長孔22Aの長さ距離を2α(αは正数)とすると、走行用レール11A、11Bの変位のない(ゼロ)標準状態においては、軸部材47は長さ距離2αの中間位置(標準位置)に配置されるように設定されている。図2は、軸部材47が長孔22Aの中間位置にある標準状態を表している。
従って、変位制限用プレート22が設けられていることにより、接続用レール34と走行用レール11A、11Bとは、この標準位置を基準として軌道方向にそれぞれ−α〜+αの範囲内で変位可能に配置されている。すなわち、図2において、この標準位置を基準として、軸部材47が長孔22Aに対し右側に変位する方向を−(マイナス)方向とし、左側に変位する方向を+(プラス)方向とすれば、軸部材47は長孔22Aに対し−α〜+αの範囲内で変位可能となっている。
これに伴い、走行用レール11A、11Bは、−2α〜+2αの範囲内で変位可能に配置されていることになる。なお、走行用レール11の変位については走行用レール11A、11Bが接近する方向に変位(伸びる方向に変位)して、接続用レール34との間の隙間38の長さ距離dがそれぞれ減少する場合を−方向の変位とし、走行用レール11A、11Bが離間する方向に変位(縮む方向に変位)して、接続用レール34との間の隙間38の長さ距離dがそれぞれ増加する場合を+(プラス)方向の変位とする。
この−2α〜+2αの範囲が、走行用レール11A、11Bの軌道方向への変位の許容範囲に相当する。長孔22Aは走行用レール11A、11Bの軌道方向への変位の許容範囲(−2α〜+2α)を設定する要素である。この許容範囲をRとすれば、許容範囲Rは、走行用レール11A、11Bの温度変化に基づく小さな変位を許容する長さに設定されている。
また、隙間38の長さ距離dについて、標準状態における隙間38の長さ距離をd1とすれば、隙間38の長さ距離d1は、長孔22Aの長さ距離2α×1/2=αと同等かやや大きく(d1≧α)設定されている。
走行用レール11A、11Bが接近する方向に−2αだけ変位した場合には、隙間38の長さ距離dはd=d1−αとなり、走行用レール11A、11Bと接続用レール34とは限りなく接近すると共に、接続用レール34の両端部で均等な隙間38(長さ距離(d1−α))を形成する。
また、走行用レール11A、11Bが離間する方向に+2αだけ変位した場合には、隙間38の長さ距離dはd=d1+αとなり、走行用レール11A、11Bと接続用レール34とは離間すると共に、接続用レール34の両端部で均等な隙間38(長さ距離(d1+α))を形成する。
ところで、走行用レール11A、11Bが許容範囲Rを超えて接近する方向又は離間する方向に変位した場合には、軸部材47は破断可能に設けられている。この軸部材47の破断に伴い、走行用レール11A、11Bと接続用レール34とは軌道方向の変位規制が解除され、走行用レール11A、11B及び接続用レール34は自由に移動可能となる。
また、接続用レール34には、検出板49が取り付けられ、検出板49と変位制限用プレート22に取り付けられた光式センサ48とで、走行用レール11A、11Bの許容範囲Rを超える変位の検知が行われる。光式センサ48と検出板49は、検知手段に相当する。
光式センサ48は制御手段としてのコントローラ39に接続されている。コントローラ39は搬送台車Mの走行を制御する機能を有し、光式センサ48からの検知信号に基づき搬送台車Mを走行あるいは停止させる制御を行う。
図2に示すように、検出板49の長手方向の長さ距離は2αに設定されており、標準状態においては、光式センサ48は検出板49の長手方向の中間位置に配置されている。この中間位置を基準として、光式センサ48に対し検出板49が−α〜+αの範囲内で変位する場合には、検出板49による遮光のため光式センサ48による検出は行われないが、光式センサ48に対し検出板49が−α〜+αの許容範囲を超えて変位したときには、検出板49による遮光が行われないので、光式センサ48はONとなり、検出信号を発生する。この検出信号は搬送台車Mの走行を制御するコントローラ39に送信され、走行停止などの必要な処置がとられる。
図2に示すように、走行用レール側端部の上部には接続用レール側当接部61が当接面を下方に向けて配設され、接続用レール側端部の上部には走行用レール側当接部62が当接面を上方に向けて配設されている。走行用レール側当接部62の当接面は接続用レール側当接部61の当接面と当接している。図1に示すように、接続用レール側当接部61及び走行用レール側当接部62は、接続用レール34及び走行用レール11A、11Bの幅方向の中心部に設けられている。接続用レール側当接部61及び走行用レール側当接部62は、それぞれステンレス製のブロック体で形成されており、このブロック体を接続用レール34及び走行用レール11A、11Bに取り付けることにより形成されている。接続用レール側当接部61は走行用レール側当接部62上に載置されて、接続用レール34が走行用レール11A、11B上を当接面で当接しつつ、軌道方向へ摺動可能に設置されている。
以上の構成を有するレール装置10につき、その作用説明を図5及び図6に基づき行う。図5及び図6は、走行用レール11A、11Bの軌道方向への変位に伴う挙動を説明するための模式図である。
図5は、走行用レール11A、11Bが接近する方向に変位した場合を示している。
図5(a)に示すように、走行用レール11A、11Bが変位のない標準状態においては、走行用レール11A、11B及び接続用レール34は、標準位置に配置されている。すなわち、変位制限用プレート22の長孔22Aに挿通された軸部材47は、長孔22Aの長さ距離2αの中間位置に配置されている。また、光式センサ48は検出板49の長手方向の長さ距離2αの中間位置に配置されている。対向する走行用レール側傾斜面14と接続用レール側傾斜面37間には隙間38が形成され、隙間38は長さ距離d1となっている。接続用レール34と走行用レール11A、11Bは、上部にて接続用レール側当接部61と走行用レール側当接部62で当接されている。
次に、図5(b)に示すように、走行用レール11Aが外気温などの変化により−αだけ変位(伸びる方向に変位)すると、レール固定機構23Aのスライド機能により走行用レール11Aは走行用レール11Bの方向へ−αだけ移動する。このため、走行用レール11Aと接続用レール34間の隙間38が小さくなり(d=d1−α)、走行用レール11A側にある軸部材47と長孔22Aとの位置は、標準位置に対して+αだけ移動した位置となる。また、走行用レール11A側にある光式センサ48と検出板49との位置は、−αだけ移動した位置となる。
一方、走行用レール11Bと接続用レール34間の隙間38はそのままの状態(d=d1)が維持され、走行用レール11B側にある軸部材47と長孔22Aとの位置及び、光式センサ48と検出板49との位置も標準位置にある。
次に、図5(c)に示すように、走行用レール11Aが−2αだけ変位(伸びる方向に変位)すると、レール固定機構23A及びレール支持機構50のスライド機能により、接続用レール34は走行用レール11Aに押圧されて、走行用レール11Bの方向へ−αだけ移動する。このため、接続用レール34と走行用レール11B間の隙間38が小さくなり(d=d1−α)、走行用レール11B側にある軸部材47と長孔22Aとの位置は、標準位置に対して−αだけ移動した位置となる。また、走行用レール11B側にある光式センサ48と検出板49との位置は、+αだけ移動した位置となる。
一方、走行用レール11Aと接続用レール34間の隙間38の長さ距離(d=d1−α)と、走行用レール11A側にある軸部材47と長孔22Aとの位置及び、光式センサ48と検出板49との位置は、図5(b)における状態が維持される。
図5(a)〜図5(c)の状態は、レール装置10として正常な状態の範囲であり、搬送台車Mの走行が継続される。
次に、図5(d)に示すように、走行用レール11Aが−2αを超えて変位(伸びる方向に変位)すると、すなわち、許容範囲R(−2α〜+2αの範囲内の変位)を超えて変位した場合には、2つの軸部材47に応力が集中し、軸部材47は破断する。このため、走行用レール11A、11Bと接続用レール34とは軌道方向の変位規制が解除され、走行用レール11A、11B及び接続用レール34は自由に移動可能となる。と同時に、光式センサ48と検出板49との位置は許容範囲(−α〜+αの範囲)外にずれた位置となるので、光式センサ48はONとなり、検出信号を発生する。この検出信号は搬送台車Mの走行を制御するコントローラ39に送信され、コントローラ39は搬送台車Mの走行を停止する制御を行う。
また、走行用レール11Aが−2αを超えて更に変位すると、隙間38がなくなり走行用レール側傾斜面14と接続用レール側傾斜面37とは当接し、走行用レール側傾斜面14によって接続用レール側傾斜面37は両側から押圧されて、接続用レール34はレール支持機構50の昇降機能により上昇される。
図6は、走行用レール11A、11Bが離間する方向に変位した場合を示している。
図6(a)に示すように、走行用レール11A、11Bが変位のない標準状態にあるときには、図5(a)と同様であり、説明を省略する。
図6(b)に示すように、走行用レール11Aが外気温などの変化により+αだけ変位(縮む方向に変位)すると、レール固定機構23Aのスライド機能により走行用レール11Aは走行用レール11Bとは反対方向へ+αだけ移動する。このため、走行用レール11Aと接続用レール34間の隙間38が大きくなり(d=d1+α)、走行用レール11A側にある軸部材47と長孔22Aとの位置は、標準位置に対して−αだけ移動した位置となる。また、走行用レール11A側にある光式センサ48と検出板49との位置は、+αだけ移動した位置となる。
一方、走行用レール11Bと接続用レール34間の隙間38はそのままの状態(d=d1)が維持され、走行用レール11B側にある軸部材47と長孔22Aとの位置及び、光式センサ48と検出板49との位置も標準位置にある。
次に、図6(c)に示すように、走行用レール11Aが+2αだけ変位(縮む方向に変位)すると、レール固定機構23A及びレール支持機構50のスライド機能により、接続用レール34は走行用レール11Aに引っ張られて、走行用レール11Bとは反対方向へ+αだけ移動する。
このため、接続用レール34と走行用レール11B間の隙間38が大きくなり(d=d1+α)、走行用レール11B側にある軸部材47と長孔22Aとの位置は、標準位置に対して+αだけ移動した位置となる。また、走行用レール11B側にある光式センサ48と検出板49との位置は、−αだけ移動した位置となる。
一方、走行用レール11Aと接続用レール34間の隙間38の長さ距離(d=d1+α)と、走行用レール11A側にある軸部材47と長孔22Aとの位置及び、光式センサ48と検出板49との位置は、図6(b)における状態が維持される。
図6(a)〜図6(c)の状態は、レール装置10として正常な状態の範囲であり、搬送台車Mの走行が継続される。
次に、図6(d)に示すように、走行用レール11Aが+2αを超えて変位(縮む方向に変位)すると、すなわち、許容範囲R(−2α〜+2αの範囲)を超えて変位した場合には、2つの軸部材47に応力が集中し、軸部材47は破断する。このため、走行用レール11A、11Bと接続用レール34とは軌道方向の変位規制が解除され、走行用レール11A、11B及び接続用レール34は自由に移動可能となる。と同時に、光式センサ48と検出板49との位置は許容範囲(−α〜+αの範囲)外にずれた位置となるので、光式センサ48はONとなり、検出信号を発生する。この検出信号は搬送台車Mの走行を制御するコントローラ39に送信され、コントローラ39は搬送台車Mの走行を停止する制御を行う。
また、走行用レール11Aが+2αを超えて更に変位すると、走行用レール11Aと接続用レール34との規制は解除されているので、走行用レール11Aのみが接続用レール34及び走行用レール11Bから離間する方向に移動する。
ところで、接続用レール側当接部61は走行用レール側当接部62上に載置されて、接続用レール34が走行用レール11A、11B上を当接面で当接しつつ、軌道方向へ摺動可能に設置されている。走行用レール11Aが許容範囲R(−2α〜+2αの範囲)内で変位する場合、すなわち図5(a)〜図5(c)の範囲内及び、図6(a)〜図6(c)の範囲内で走行用レール11A、11Bが変位する場合には、接続用レール側当接部61と走行用レール側当接部62とは当接したまま軌道方向へ摺動する。
本発明の実施形態に係るレール装置10によれば以下の効果を奏する。
(1)走行用レール11A、11Bが軌道方向へ許容範囲R(−2α〜+2αの範囲)内で変位した場合には、走行用レール側傾斜面14と接続用レール側傾斜面37との間に設けられた隙間38及び接続用レール34の軌道方向への移動により、変位を問題のないレベルに抑えて搬送台車Mを正常運行させることが可能である。また、走行用レール11A、11Bが許容範囲Rを超えて接近する方向に変位した場合には、光式センサ48からの検知信号に基づき、コントローラ39は異常と認識し搬送台車Mの走行を停止するように制御すると共に、走行用レール側傾斜面14が接続用レール側傾斜面37に両側より当接し、接続用レール34が走行用レール11A、11Bに対し上昇される。さらに、走行用レール11A、11Bが許容範囲Rを超えて離間する方向に変位した場合には、光式センサ48からの検知信号に基づき、コントローラ39は異常と認識し搬送台車Mの走行を停止するように制御すると共に、接続用レール34及び走行用レール11Bに対し走行用レール11Aが離間する方向に移動される。このように、温度変化等に伴う小さな変位に加えて、地震等の大きな変位が発生した場合でも、幅広く対応が可能であり、レール装置の破損を確実に防止することが可能である。
(2)レール装置10は、走行用レール11A、11B、走行用レール11A、11Bを支持するレール固定機構23、走行用レール11A、11B間に設置される接続用レール34、接続用レール34の昇降及び軌道方向への移動を支持するレール支持機構50、などから構成されたコンパクトな構成なので、従来技術と比較してレール装置の簡略化を図ることが可能である。
(3)案内ローラKが当接する範囲における走行用レール側傾斜面14Bの傾斜角度γ1は、第1傾斜角度β1よりも小さく設定され、案内ローラKが当接する範囲における接続用レール側傾斜面37Bの傾斜角度γ2は、第2傾斜角度β2よりも小さく設定されているので、搬送台車Mの走行に伴い案内ローラKが走行用レール11Bから接続用レール34、又は、接続用レール34から走行用レール11Aに乗り移るときに、案内ローラKの衝撃を緩和することができ、ローラ摩耗を軽減することが可能である。
(4)走行用レール11A、11Bと接続用レール34は変位制限用プレート22に形成された長孔22Aと、長孔22Aに挿通された軸部材47によって長孔22Aの範囲(−α〜+αの範囲)内で軌道方向への変位が可能となっており、走行用レール11A、11Bの変位に対し接続用レール34の移動が片側に集中しないようにすることができる。また、軸部材47は、走行用レール11A、11Bの許容範囲Rを超える変位に伴い破断可能に設けられているので、許容範囲Rを超える変位に対しては、軸部材47が破断することにより、走行用レール11A、11Bと接続用レール34の規制が解除されて、走行用レール11A、11B及び接続用レール34は自由に移動可能となる。さらに、変位制限用プレート22によって接続用レール34の横方向(左右方向)の位置ズレを防止することができる。
(5)走行用レール側端部の上部には接続用レール側当接部61が当接面を下方に向けて配設され、走行用レール11の接続用レール側端部の上部には走行用レール側当接部62が当接面を上方に向けて配設されている。接続用レール側当接部61は走行用レール側当接部62上に載置されて、接続用レール34が走行用レール11A、11B上を当接面で当接しつつ、軌道方向へ摺動可能に設置されている。従って、接続用レール34上を搬送台車Mが走行するとき、搬送台車Mの荷重を走行用レール側当接部62で支えることができ強度強化を図れると共に、搬送台車Mの車輪Hが隙間38を跨いで走行用レール11Bから接続用レール34に乗り移るときの衝撃を緩和することができる。
(6)検知手段としては、光式センサ48及び検出板49で構成されているので、構成が簡単である。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更しても良い。
○ 本発明の実施形態では、片側の走行用レール11Aのみが変位するとして説明したが、両側の走行用レール11A、11Bが共に変位しても構わない。この場合には、走行用レール11A、11Bの変位量を加算したものが、許容範囲R(−2α〜+2αの範囲)内にあれば、隙間38及び接続用レール34の軌道方向への移動により、変位を問題のないレベルに抑えて搬送台車Mを正常運行させることが可能である。また、走行用レール11A及び11Bの変位量を加算したものが、許容範囲R(−2α〜+2αの範囲)を超えて接近又は離間する方向に変位した場合には、検知手段からの検知信号に基づき、コントローラ39は異常と認識し搬送台車Mの走行を停止するように制御すると共に、接続用レール34を上昇させるか、或いは、走行用レール11A、11Bを離間する方向に移動させることができる。
○ 本発明の実施形態では、レール装置10を搬送台車Mの軌道上に1箇所設けるとして説明したが、複数箇所設けても良い。
○ 本発明の実施形態では、検知手段からの検知信号に基づき、コントローラ39は搬送台車Mの走行を停止するように制御するとして説明したが、コントローラ39が搬送台車Mの走行停止に加えて、アラームなどの警報装置を起動させるように制御しても良い。
○ 本発明の実施形態では、搬送台車Mとして説明したが、軌道上を走行する走行体であれば、どのようなものにも適用可能である。
10 レール装置
11 走行用レール
11A 走行用レール(一端側)
11B 走行用レール(他端側)
14 走行用レール側傾斜面
22 変位制限用プレート
22A 長孔
23A レール固定機構(11A側)
23B レール固定機構(11B側)
34 接続用レール
37 接続用レール側傾斜面
38 隙間
47 軸部材
48 光式センサ
49 検出板
50 レール支持機構
M 搬送台車
H 車輪
K 案内ローラ
2α 長孔の長さ距離
R 許容範囲(−2α〜+2α)

Claims (5)

  1. 複数の走行用レールと、前記走行用レール間に設置される接続用レールとにより、搬送台車の軌道を形成するレール装置であって、
    前記走行用レールは、前記搬送台車の車輪を支持する走行側レール上面を備え、
    前記接続用レールは、前記搬送台車の車輪を支持する接続側レール上面を備え、
    前記走行用レールの接続用レール側端部は上向き傾斜面である走行用レール側傾斜面を備え、
    前記接続用レール側端部と対向する前記接続用レールの走行用レール側端部は下向き傾斜面である接続用レール側傾斜面を備え、
    前記走行用レール側傾斜面と前記接続用レール側傾斜面は対向配置され、
    前記走行用レール側傾斜面と前記接続用レール側傾斜面との間には、前記走行用レールの軌道方向への変位を許容する隙間が設けられ、
    前記接続用レールは、軌道方向及び上方向へ移動可能に設けられ、
    軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位の許容範囲が、前記接続用レールの両端部に設けられた前記隙間の長さ距離より小さく設定され、
    軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲を超えたことを検知する検知手段を備え、
    前記検知手段と接続され、前記搬送台車の走行を制御する制御手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記検知手段により、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲を超えたことが検知されると、前記搬送台車の走行を停止する制御を行い、
    前記走行用レールと前記接続用レールは、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲内において前記接続用レールの軌道方向の変位を許容しつつ上方向への変位を規制するとともに、軌道方向における前記走行用レールが接近する方向への前記走行用レールの変位が前記許容範囲を超える前記接続用レールの上方向への変位規制を解除する変位制限用プレートを介して連結されることを特徴とするレール装置。
  2. 前記接続用レール側端部は、前記走行用レール側傾斜面と走行側レール下面により楔状に形成され、
    前記走行用レール側端部は、前記接続用レール側傾斜面と接続側レール上面により楔状に形成されことを特徴とする請求項1に記載のレール装置。
  3. 前記走行用レールは、側面に設けられ前記搬送台車の案内ローラを案内する走行側ローラ案内面を備え、
    前記接続用レールは、側面に設けられ前記搬送台車の案内ローラを案内する接続側ローラ案内面を備え、
    前記走行側ローラ案内面は、前記走行用レール側傾斜面の水平に対する傾斜角度が第1傾斜角度に設定されるとともに、前記案内ローラが当接する範囲における前記走行用レール側傾斜面の傾斜角度は、前記第1傾斜角度よりも小さく設定され、
    前記接続側ローラ案内面は、前記接続用レール側傾斜面の水平に対する傾斜角度が第2傾斜角度に設定されるとともに、前記案内ローラが当接する範囲における前記接続用レール側傾斜面の傾斜角度は、前記第2傾斜角度よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレール装置。
  4. 前記変位制限用プレートは前記走行用レールに固定されると共に、軌道方向に平行に形成された長孔を備え、前記長孔に前記接続用レールに固定された軸部材が摺動可能に挿通され、
    前記軸部材は、前記走行用レールの前記許容範囲を超える変位に伴い破断可能に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレール装置。
  5. 前記走行用レール側端部に接続用レール側当接部が当接面を下方に向けて配設され、
    前記接続用レール側端部に走行用レール側当接部が当接面を上方に向けて配設され、
    前記接続用レール側当接部は前記走行用レール側当接部上に載置されて、前記接続用レールが前記走行用レール上を前記当接面で当接しつつ、軌道方向へ摺動可能に設置され、
    前記検知手段は、前記走行用レールに設置されたセンサと、前記接続用レールに設けられた検出板で構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレール装置。
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