JP5651649B2 - 物体位置検知装置 - Google Patents
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ここで、一般に、レーダ装置は、反射波に基づいて物体を検知していることから、物体の前後方向の位置判定の精度は高いが、左右方向の位置判定の精度は低くなってしまう。一方、カメラは、物体の左右方向の位置判定の精度が高くなる。
また、簡素な構成で、レーダ装置によって検知された左右方向に移動する物体に対して、カメラで撮像された画像とのパターンマッチング処理を容易に行うことが可能になる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、物体位置検知装置のブロック図である。
同図に示すように、物体位置検知装置1は、例えば駆動源としての内燃機関21の駆動力を、オートマチックトランスミッション(AT)あるいは無段自動変速機(CVT)等のトランスミッション(T/M)22を介して車両の駆動輪に伝達して走行する車両に搭載されている。この車両は、物体位置検知装置1のほかに、ブレーキアクチュエータ23、ステアリングアクチュエータ24、及び報知装置25を備えている。
尚、以下の説明において、車両の進行方向前方向、後方向を、単に前後方向、車両の進行方向に向かって左右の方向を単に左右方向等と称して説明する。
レーダ装置2は、例えばレーザ光やミリ波等の電磁波を自車両の進行方向前方に向けて発信すると共に、この発信した電磁波が自車両の外部の物体(電磁波検知物体、例えば、構造物、歩行者、他車両等)によって反射されたときに生じた反射波を受信し、発信した電磁波と受信した電磁波(反射波)とを混合してビート信号を生成し、電子制御装置10へ出力する。
物体検出部11は、レーダ装置2から入力されるビート信号に基づいて、電磁波を反射した物体の位置、速度、加速度、反射レベル等を算出する。さらに、物体の移動方向を算出する。そして、算出したこれらの情報を移動物標判別部12、及び物体抽出部13へ出力する。尚、物体の速度は、時間差を持ってレーダ装置2により検出され物体の位置情報に基づいて算出される自車両との相対速度と、自車両の速度とから算出することができる。
さらに、物体抽出部13は、設定された統合範囲R1に含まれる画素の輝度値に基づいてエッジ抽出により画像データ上の物体(特定物体)を抽出し、抽出した物体に対して、予め記憶しておいた人体及び車両のモデル画像とパターンマッチング処理を行い、抽出した物体が人体又は車両のモデル画像とマッチングするか否かを判別する。また、物体抽出部13も、抽出した物体が左右方向に移動している物体であるか否かを判別する。そして、これらの判別結果を特定物判別部14へ出力する。
図2(a)〜図2(c)は、統合範囲の大きさを設定するにあたっての説明図である。
図2(a)に示すように、物体抽出部13で設定される統合範囲R1は、物体検出部11から入力された位置情報の位置P1を中心にして所定の大きさに設定される。このとき、物体が静止している場合は、その所定の大きさは変化しないようになっている。
ここで、拡大される統合範囲R1の幅は、物体検出部11から入力された位置情報の位置P1を中心にして左右均等に拡大してもよいし、位置P1から物体の進行方向分だけ拡大してもよい。
ここで、統合範囲R1の大きさを決定する物体の移動速度、移動加速度、物体検知からの経過時間等の情報は、物体抽出部13のメモリー(不図示)に記録される。この記録は、随時更新される。
また、車両制御部15は、歩行者又は車両との接触可能性の大きさに応じて、報知装置25による警報の出力タイミング及び出力内容の少なくとも何れかを制御する。
次に、図3に基づいて、物体抽出部13の処理方法、及び統合範囲の設定方法についてより具体的に説明する。
図3は、制御処理装置の処理方法を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、物体検出部11が、レーダ装置2から入力されるビート信号に基づいて、電磁波を反射した物体の位置、速度、加速度、反射レベル等を算出する。さらに、物体の移動方向を算出する(ST101)。
そして、物体検出部11による算出結果、及び物体抽出部13による検出結果の少なくとも何れか一方の結果が、自車両に対して物体が左右方向に移動しているとされたのか否かを判断する(ST103)。
ここで、物体が左右方向に移動している場合に加算されるカウント値は必ずしも「1」とは限らない。すなわち、加算される値は、物体の移動速度、移動加速度、物体検知からの経過時間等の情報に基づいて設定される。例えば、物体の移動速度、移動加速度が速ければ速いほど、加算される値が大きくなる。また、物体検知からの経過時間が長ければ長いほど、加算される値が大きくなる。
ST106における判断が「No」である場合、つまり、左右方向への移動カウント値が「0」のままである場合、物体抽出部13は、設定された統合範囲R1に含まれる画像データ上の物体に対して、予め記憶しておいた人体及び車両のモデル画像とパターンマッチング処理を行い、抽出した物体が人体又は車両のモデル画像とマッチングするか否かを判別する(ST107)。
一方、ST106における判断が「Yes」である場合、つまり、左右方向への移動カウント値が「1」以上である場合、この移動カウント値に応じて統合範囲R1の左右方向の幅を大きく設定する(ST108)。
図4は、縦軸を統合範囲R1の左右方向の幅とし、横軸を、移動カウント値、物体の移動速度又は移動加速度としたときの統合範囲の左右方向の幅の変化を示すグラフである。
すなわち、同図に示すように、移動カウント値が大きければ大きいほど、又は物体の移動速度、移動加速度が速ければ速いほど、統合範囲R1の左右方向の幅が大きく設定される。尚、物体検知からの経過時間が長ければ長いほど、統合範囲R1の左右方向の幅を大きく設定してもよい。
ST109における判断が「No」である場合、つまり、物体抽出部13で抽出した物体が人体又は車両のモデル画像とマッチングしない場合、物体抽出部13の処理が完了する。
したがって、上述の実施形態によれば、移動カウント値が大きければ大きいほど、又は物体の移動速度、移動加速度が速ければ速いほど、統合範囲R1の左右方向の幅を大きく設定し、レーダ装置2によって検知された物体に対するカメラ3aで撮像された画像とのパターンマッチング処理を行うようにしているので、物体が左右方向に移動し、レーダ装置2による物体の検知位置と、カメラ3aによる物体の検知位置との間に誤差が生じた場合であっても、レーダ装置2とカメラ3aを用いて物体を特定する精度を向上させることができる。
例えば、上述の実施形態では、物体位置検知装置1を、自車両と物体(歩行者、車両)との接触回避のための走行制御に用いる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、特定物体を先行車両とし、自車両を先行車両に追従して走行させる追従走行制御等、特定物体に対して自車両が取り得る各種の制御が可能である。
図5は、この実施形態の変形例におけるレーダ装置により検出された物体と、カメラにより撮像された物体とのマッチングを行う方法についての説明図である。
同図に示すように、レーダ装置2から入力されるビート信号に基づいて、物体検出部11で算出された物体の移動方向や移動速度、及びカメラユニット3により得られた画像データに基づく物体の移動方向や移動速度が所定時間、つまり、時間T=1から時間T=nに至る間、一定である場合、物体検出部11の位置情報の位置P1と、この位置P1から所定距離ずれている物体とをマッチングさせてもよい。
したがって、上述の変形例によれば、統合範囲R1を用いずに、レーダ装置2とカメラ3aを用いて物体を特定する精度を向上させることが可能になる。
2 レーダ装置
3 カメラユニット
3a カメラ
11 物体検出部
12 移動物標判別部
13 物体抽出部
14 特定物判別部
P1 位置
R1 統合範囲
Claims (3)
- 自車両周辺の所定範囲に向けて電磁波を発信すると共に、この電磁波が自車両周辺に存在する電磁波検知物体により反射されて生じる反射波を受信するレーダ装置と、
自車両周辺の所定範囲を撮像するカメラと、
前記カメラにより撮像された画像から特定物体を抽出する物体抽出部と、
前記レーダ装置により検知された前記電磁波検知物体、及び前記カメラにより抽出された前記特定物体の少なくとも何れか一方が左右方向に移動している移動物標であるか否かを判別する移動物標判別部と、
前記レーダ装置の判別結果と前記物体抽出部の抽出結果とに基づいて、前記レーダ装置により検知された前記電磁波検知物体が前記特定物体であるか否かを判定する特定物判別部とを備え、
前記物体抽出部は、
前記レーダ装置により検知された前記電磁波検知物体、及び前記カメラにより抽出された前記特定物体の何れか一方の物体を基準として所定の大きさの領域である統合範囲を設定し、この統合範囲内に前記電磁波検知物体、及び前記特定物体の何れか他方が存在する場合、前記電磁波検知物体が前記特定物体であると肯定判定し、
前記電磁波検知物体が左右方向に移動している移動物標であると前記移動物標判別部により判別された場合、及び前記特定物体が左右方向に移動している移動物標であると前記移動物標判別部により判別された場合の少なくとも何れか一方の場合、前記統合範囲を拡大することを特徴とする物体位置検知装置。 - 前記物体抽出部は、前記レーダ装置により検知された前記電磁波検知物体、及び前記カメラにより抽出された前記特定物体の少なくとも何れか一方の左右方向に移動している継続時間、移動速度、及び移動加速度の少なくとも何れか一方が大きいほど、前記統合範囲を拡大することを特徴とする請求項1に記載の物体位置検知装置。
- 前記物体抽出部は、前記レーダ装置により検知された前記電磁波検知物体の左右方向の移動量と、前記カメラにより抽出された前記特定物体の左右方向の移動量とが所定時間一定である場合、前記電磁波検知物体が前記特定物体であると肯定判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物体位置検知装置。
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