JP5651642B2 - 物体位置検知装置 - Google Patents
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Description
ここで、一般に、レーダ装置は、反射波に基づいて物体を検知していることから、物体の前後方向の位置判定の精度は高いが、左右方向の位置判定の精度は低くなってしまう。一方、カメラは、物体の左右方向の位置判定の精度が高くなる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、物体位置検知装置のブロック図である。
同図に示すように、物体位置検知装置1は、例えば駆動源としての内燃機関21の駆動力を、オートマチックトランスミッション(AT)あるいは無段自動変速機(CVT)等のトランスミッション(T/M)22を介して車両の駆動輪に伝達して走行する車両に搭載されている。この車両は、物体位置検知装置1のほかに、ブレーキアクチュエータ23、ステアリングアクチュエータ24、及び報知装置25を備えている。
尚、以下の説明において、車両の進行方向前方向、後方向を、単に前後方向、車両の進行方向に向かって左右の方向を単に左右方向等と称して説明する。
レーダ装置2は、例えばレーザ光やミリ波等の電磁波を自車両の進行方向前方に向けて発信すると共に、この発信した電磁波が自車両の外部の物体(例えば、構造物、歩行者、他車両等)によって反射されたときに生じた反射波を受信し、発信した電磁波と受信した電磁波(反射波)とを混合してビート信号を生成し、電子制御装置10へ出力する。
物体検出部11は、レーダ装置2から入力されるビート信号に基づいて、電磁波を反射した物体の位置、速度、反射レベル等を算出する。そして、算出したこれらの情報を物体の前後方向位置情報(以下、単に前後位置情報という)としてレーダ故障判定部13へ出力すると共に、歩行者抽出部12へ出力する。尚、物体の速度は、時間差を持ってレーダ装置2により検出され物体の位置情報に基づいて算出される自車両との相対速度と、自車両の速度とから算出することができる。
図1、図2(a)に示すように、歩行者抽出部12には、カメラユニット3から画像データD1が入力されるとともに、物体検出部11から物体の位置情報が入力される。歩行者抽出部12は、入力された位置情報を中心にして所定の大きさの領域R1(以下、統合範囲R1という)を設定し、この統合範囲R1内の物体B1と、予め歩行者抽出部12に記憶されている歩行者の画像パターンP1とのマッチングを行う。
同図に示すように、画像パターンP1は、大きく、所定の高身長に設定されている大人パターンと、低身長に設定されている子供パターンとがある。大人パターンと子供パターンは、身長の他に歩幅等によっても振り分けることができる。
また、大人パターンと、子供パターンのそれぞれには、静止状態、歩き状態、走り状態、また、歩き状態、走り状態の場合、左右方向、前後方向、及び斜め方向に向いている複数の画像パターンP1がある。歩行者の向き等は、体、顔、足等の向きから判断できるようになっている。
尚、斜め移動については、画像パターンP1を用意せず、予め定められた左右方向の移動速度と、実際に検知される左右方向の移動速度との差に応じて歩行者が斜めに移動していると判断することも可能である。このことについての詳細は、後述する。
さらに、歩行者抽出部12は、画像データD1上の物体B1が歩行者であると判断された場合、その歩行者の左右方向位置情報(以下、単に左右位置情報という)を、歩行者情報統合部15へ出力する。
また、車両制御部16は、歩行者との接触可能性の大きさに応じて、報知装置25による警報の出力タイミング及び出力内容の少なくとも何れかを制御する。
次に、図2〜図5に基づいて、物体位置検知装置1の処理方法について説明する。
図4は、物体位置検知装置の処理方法を示すフローチャートである。
図1、図4に示すように、まず、レーダ装置2から入力されるビート信号に基づいて、物体検出部11が、電磁波を反射した物体B1の位置、速度、反射レベル等を算出する。そして、算出したこれらの情報から物体B1の前後位置情報を得る(ST101)。
続いて、レーダ故障判定部13により、レーダ装置2により特定される統合範囲R1内の物体B1とカメラユニット3により得られた画像データD1上の物体B1(歩行者)とのマッチングが不能か否かの判断を行う(ST103)。
そして、マッチした画像パターンP1を歩行者情報とし、この歩行者情報に基づいて、前後方向位置推定部14を参照し、前後位置情報を推定する。
尚、このとき使用される直前の前後位置情報とは、レーダ装置2が故障する前に検知した物体B1が、歩行者抽出部12によって歩行者であると判断された際(歩行者を検知した際の反射レベル)の前後位置情報であることはいうまでもない。以下、「直前の前後位置情報」という場合も同様である。
ここで、図5に基づいて、歩行者が斜め方向に移動していると判断する場合について詳述する。図5は、歩行者が斜めに移動していると判断する場合の説明図である。
まず、前後方向位置推定部14には、各歩行者情報ごとの前後方向の移動速度が設定されて記憶されているが、これに加え、左右方向の移動速度も大人、子供、歩き、走りに応じて設定されて記憶されている。尚、以下の説明において、前後方向位置推定部14に予め記憶されている左右方向の移動速度を、所定の左右方向移動速度値という。
ここで、歩行者が斜めに歩いていると判断するにあたって、画像パターンP1(図3参照)を参照する場合について前述したが、歩行者の左右方向の移動速度成分bと所定の左右方向移動速度値b’との差に応じて歩行者が斜めに歩いていると判断することも可能である。
そして、歩行者の前後方向の移動速度成分をcとしたとき、移動速度成分cを、
c=√(a 2 −b 2 )・・・(1)
により算出する。
したがって、上述の実施形態によれば、レーダ装置2の故障等により、このレーダ装置2による物体B1の前後方向の位置判定が困難になった場合であっても、歩行者の前後位置情報を高精度に推定することができる。
例えば、上述の実施形態では、レーダ装置2による物体B1の前後方向の位置判定が困難になった場合における歩行者の前後位置情報を推定する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、歩行者に代わって他の移動体、例えば、車両等の前後位置情報を推定する場合について、本発明を適用することも可能である。この場合、画像パターンP1として、車両の向き等の画像パターンを用意すればよい。
2 レーダ装置
3 カメラユニット
3a カメラ
13 レーダ故障判定部
14 前後方向位置推定部
B1 物体
Claims (5)
- 自車両周辺の所定範囲に向けて電磁波を発信すると共に、この電磁波が自車両周辺に存在する物体により反射されて生じる反射波を受信することにより、前記物体の前後方向位置を検知するレーダ装置と、
自車両周辺の所定範囲を撮像し、前記物体の左右方向位置を検知するカメラとを備え、
前記レーダ装置と前記カメラとの検知結果に基づいて、前記物体の前後左右位置を検知する物体位置検知装置において、
前記レーダ装置の故障判定を行うレーダ故障判定部を備え、
前記レーダ故障判定部により前記レーダ装置が故障したと判定された場合、前記カメラにより前記物体の移動方向を推定し、この推定された移動方向と前記レーダ装置により故障前に検知された前記物体の位置情報に基づいて、前記レーダ装置の故障前に検知されていた前記物体の前記レーダ装置の故障後における前後方向位置を推定することを特徴とする物体位置検知装置。 - 前記物体は歩行者であり、
前記カメラにより推定された前記移動方向と前記歩行者の移動状態とに基づいて、前記前後方向位置を推定することを特徴とする請求項1に記載の物体位置検知装置。 - 前記物体は歩行者であり、
前記カメラにより推定された前記移動方向と前記歩行者の身長とに基づいて、前記前後方向位置を推定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物体位置検知装置。 - 前記物体は歩行者であり、
前記カメラに推定された前記移動方向が斜め方向であると判断された場合、前記カメラにより検知された左右方向の移動に基づいて、前記前後方向位置を推定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の物体位置検知装置。 - 前記カメラに検知された左右方向の移動距離、及び移動速度の少なくとも一方が所定値以下である場合、前記歩行者の前記移動方向が斜め方向であると判断されることを特徴とする請求項4に記載の物体位置検知装置。
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