以下、本発明の好ましい実施形態として、本発明に係るゲーム装置をいわゆるアーケード型のガンシューティングゲーム装置に適用した場合について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係るゲーム装置の概観図である。ゲーム装置Aは、表示手段としての2つのモニタ1と、LED2と、ガンコントローラ3と、足蹴り入力装置4と、を備えて構成されている。
モニタ1は、ゲーム画像を表示するものであり、比較的大型の液晶パネルからなる。2つのモニタ1は、互いに画面を横方向に近接させて配置されており、これら2つの画面にわたってゲーム画像全体が表示される。
LED2は、ガンコントローラ3をモニタ1の画面に向けて照準を定めた場合の画面上における照準位置を光学的に検出するために用いられる。LED2は、誤検出を防ぐために赤外線LEDが適用され、少なくとも2個のLED2がモニタ1の画面近傍から画面前方に赤外光を発するように設置されている。
ガンコントローラ3は、プレイヤが画面に表示された後述の標的に照準を定め、当該照準に向けてあたかも銃で撃つような操作を行うためのものである。図2に示すように、ガンコントローラ3は、トリガ31およびトリガスイッチ32を備え、プレイヤによってトリガ31が操作されると、それに連動してトリガスイッチ32から信号が出力されるように構成されている。ガンコントローラ3はまた、撮像素子33および画像処理部34を備えている。撮像素子33の入射側には、光学レンズとともに赤外光のみを通す赤外線フィルタが設けられている(図示略)。撮像素子33および画像処理部34は、モニタ1の画面に向けられたガンコントローラ3の照準位置を特定するためのものである。詳細は後述するが、プレイヤがモニタ1の画面にガンコントローラ3の照準を定め、トリガ31の操作を行うと、このトリガ操作に連動して、仮想ゲーム空間内でプレイヤキャラクタが照準に向けて弾を発射させるようなゲーム画像がモニタ1の画面に表示される。なお、ガンコントローラ3には、たとえば武器の種類を変更するなど他の操作を行うための操作ボタン等が設けられていてもよい。
本実施形態では、図1に示すように、4つのガンコントローラ3が設けられている。これらガンコントローラ3は、ステージ5の左右に2つずつ配置されている。ゲーム装置Aは、1人でプレイする、あるいは2人で同時にプレイすることが可能とされている。そして、ゲーム装置Aにおいては、たとえば、ゲーム中に所定の条件を満たしたときに、1人のプレイヤが2つのガンコントローラ3を使用することができるように設定されている。
足蹴り入力装置4は、プレイヤの足を用いた蹴り操作によって入力(以下、適宜「キック入力」という)するためのものであり、モニタ1の手前側(プレイヤ側)下方に配置されている。図3に示すように、足蹴り入力装置4は、プレイヤが蹴り操作を行うためのキックペダル41と、当該蹴り操作を検出するためのペダルスイッチ42とを備えている。キックペダル41は、たとえばアクリル樹脂によって矩形状に形成された透明パネル412が矩形状の枠体411によって支持された構成とされている。透明パネル412は、プレイヤが直接足で蹴り付ける部分であり、下方に向かうほどモニタ1から遠ざかるように傾斜した姿勢で枠体411に支持されている。枠体411は、透明パネル412の奥方側(モニタ1側)への移動を規制する段部411aを有している。また、枠体411の四隅には、透明パネル412の正面側への移動を規制する止め金具413が取り付けられている。段部411aと止め金具413との間隔は、透明パネル412の厚みより少し大とされている。これにより、透明パネル412は、段部411aと止め金具413との間で傾斜姿勢を保ったまま、手前側ないし奥方側に変位可能となっている。段部411aと透明パネル412との間には、たとえばスプリングによって構成された弾性部材(図示略)が介装されている。上記弾性部材が複数個所に適宜設けられることにより、透明パネル412は、常時、プレイヤが立つべき手前側に付勢されている。これにより、キックペダル41への蹴り操作に対して適度なクリック感(入力感覚)を有する。なお、キックペダル41は、プレイヤによって強く蹴りつけられる場合の衝撃荷重にも耐え得る強度を有している。
ペダルスイッチ42は、枠体411の段部411aに設けられており、段部411aと透明パネル412との間に位置している。ペダルスイッチ42は、たとえば、圧電素子、および当該圧電素子への荷重を抵抗変化として検出する回路を含む荷重センサ(圧力センサ)によって構成されている。ペダルスイッチ42は、上記弾性部材の付勢力に抗して所定以上の荷重で透明パネル412に蹴り操作(キック入力)がなされ、透明パネル412が奥方側へ変位すると、キック入力を検出することが可能である。本実施形態では、4個のペダルスイッチ42が設けられており、これらペダルスイッチ42は、透明パネル412の四辺に対応するように略均等に配置されている。詳細については後述するが、いずれかのペダルスイッチ42によって入力が検出されると、ペダルスイッチ42からペダル操作信号が出力される。また、足蹴り入力装置4については、ゲームの進行において所定の条件が成立したときに、キック入力を検出することが可能となっている。すなわち、ゲームの進行において所定の条件が成立していないときに、プレイヤがキック入力を行ったとしても、キック入力は検出されない。
図1に示すように、キックペダル41の奥方には、発光パネル43が設けられている。発光パネル43は、たとえばLEDを内蔵しており、所定の条件に応じて複数の異なる色(たとえば青色および赤色)の光を各色別に点灯可能に構成されている。発光パネル43が点灯すると、プレイヤは、透明パネル412を通じて発光パネル43の点灯状態を視認することができる。
本実施形態では、図1に示すように、2つの足蹴り入力装置4が左右に並んで設けられている。そして、2人で同時にプレイする場合には、各プレイヤが足蹴り入力装置4を使用することができる。
図4は、ゲーム装置Aの内部の電気的構成を示すブロック図である。ゲーム装置Aは、ハードウェアとして、CPU101、ROM102、RAM103、GPU104、VRAM105、ビデオインターフェース106、入力インターフェース107、および出力インターフェース108を備える。CPU101、ROM102、RAM103、GPU104、入力インターフェース107、および出力インターフェース108は、バス109を介して互いに接続されている。GPU104には、VRAM105およびビデオインターフェース106を介して2つのモニタ1が接続されている。入力インターフェース107には、トリガスイッチ32および画像処理部34ならびにペダルスイッチ42が接続される。出力インターフェース108には、照準位置検出用のLED2および発光パネル43が接続される。なお、バス109には、出力インターフェース108(オーディオインターフェース)を介してスピーカ6が接続されており(図1参照)、出力インターフェース108には、ステージ揺動用装置および電飾部の発光体(図示略)が接続されている。トリガスイッチ32、撮像素子33、および画像処理部34は、ガンコントローラ3全てに備えられているが、1つのガンコントローラ3にのみ図示し、その余のガンコントローラ3には図示を略する。
CPU101は、ROM102に記憶されたシステムプログラムおよびゲームプログラムを実行し、各種の入出力制御および演算処理を行う。たとえばCPU101は、ガンコントローラ3あるいはペダルスイッチ42から入力インターフェース107を介して入力される各種の信号および情報に応じて所定のゲーム画像をモニタ1に表示させるようGPU104に命令を送る。また、CPU101は、ゲームプログラムに規定された所定の条件に応じてステージ揺動用装置(図示略)や発光パネル43を動作させる。さらに、CPU101は、ゲームプログラムの実行時に、オーディオデータに基づいてスピーカ6に所定の音声信号を出力させる。
ROM102は、読み出し専用の半導体メモリである。このROM102には、ハードウェアの基本的な動作を制御するためのシステムプログラム、ゲームに関する各種の処理をCPU101に実行させるための命令を記したゲームプログラムが記憶されている。また、ROM102には、ゲーム用のCGデータおよびオーディオデータ、ならびに制御テーブルが記憶されている。さらに、ROM102には、後述する照準マークをゲーム画像に合成して表示(オーバーレイ表示)するためのレイヤーデータも記憶されている。
CGデータには、仮想ゲーム空間を生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャデータが含まれる。ポリゴンデータおよびテクスチャデータは、標的となる敵キャラクタやプレイヤに見立てたプレイヤキャラクタなどの動的キャラクタ、さらには背景や物体、銃などの静的オブジェクトを3次元形状モデルで表現するためのデータである。仮想ゲーム空間は、所定の3次元座標系に3次元形状モデルを配置することで生成される。仮想ゲーム空間には、仮想ゲーム空間を2次元として撮像する仮想的なカメラが配置される。仮想的なカメラが撮像した2次元画像はモニタ1に表示される。仮想的なカメラは、たとえばプレイヤキャラクタに配置される。この場合、プレイヤは仮想ゲーム空間を、プレイヤキャラクタの視点で見ることができる(一人称視点:ファースト・パーソン・シューティングゲーム)。制御テーブルには、たとえば敵キャラクタおよびプレイヤキャラクタのゲーム進行上における体力値および攻撃力といった各種のパラメータが規定されている。
ゲームプログラムには、仮想ゲーム空間を生成するプログラムが含まれるとともに、ゲーム進行状況に応じて敵キャラクタやプレイヤキャラクタの体力値や攻撃力を変化させるためのプログラムが含まれる。たとえばCPU101は、ゲームプログラムを実行することにより、所定のゲームステージごとにプレイヤキャラクタが進むべき仮想ゲーム空間を決定し、この仮想ゲーム空間内に生じた各種のイベントに応じてプレイヤキャラクタの体力値や攻撃力を増減させる。なお、ゲーム用のCGデータおよびオーディオデータならびにゲームプログラムは、たとえばハードディスク、光ディスクあるいはフラッシュメモリといった記録媒体に記録しておき、この記録媒体から読み取り装置を介して適宜読み出すようにしてもよい。
RAM103は、読み書き可能な半導体メモリであり、CPU101によるプログラムのロード、ならびにデータなどの一時的な記憶に用いられる。たとえばRAM103には、ROM102から読み出されたCGデータが記憶され、その後、そのCGデータがRAM103から呼び出されてGPU104へと転送される。
GPU104は、3次元の仮想ゲーム空間を生成し、この仮想ゲーム空間から2次元の画像を生成するといった画像の表示処理に必要な高速演算処理を行う。具体的にはまず、GPU104は、CPU101からの命令に応じてポリゴンデータに基づくモデリング処理を実行することにより、敵キャラクタや背景の3次元形状モデルを生成する。次に、GPU104は、テクスチャデータに基づくテクスチャマッピング処理を実行することにより、3次元形状モデルの表面に質感をもたせる。次に、GPU104は、レイアウト設定処理を実行することにより、3次元座標系の所定位置に3次元形状モデルを配置し、敵キャラクタや背景が存在する仮想ゲーム空間を生成する。このとき、3次元座標系の所定位置には、仮想的なカメラや光源も配置される。最終的に、GPU104は、仮想的なカメラに対する3次元形状モデルの相対的な位置や陰影具合まで計算するレンダリング処理を実行することにより、そのカメラで仮想ゲーム空間を撮像して得られる2次元画像を生成する。GPU104によって生成された2次元画像は、順次VRAM105に転送される。また、GPU104は、CPU101からの命令に応じて2次元画像に照準マークを合成する処理を行い、この照準マークを含む2次元画像をVRAM105に転送する。
VRAM105は、映像表示専用の半導体メモリである。たとえばVRAM105は、GPU104によって生成された2次元画像を一時的に保持するフレームバッファとして機能するほか、GPU104の各種処理に際して必要なデータも一時的に保持する。VRAM105に保持された2次元画像は、ビデオインターフェース106を介して1フレームずつモニタ1に転送される。
モニタ1は、VRAM105から1フレームずつ2次元画像が転送されてくるのに応じて、たとえば60fpsのフレームレートで画面の書き換えを行う。これにより、モニタ1の画面には、ゲーム画像が表示される。2次元画像に照準マークが含まれる場合、画面上の所定位置には、照準マークがオーバーレイ表示される。照準マークは、プレイヤの操作によってモニタ1の画面に向けられたガンコントローラ3の照準位置を表す目印である。たとえば、画面全体に背景や敵キャラクタなどのオブジェクトが表示され、かつ、ガンコントローラ3が画面に向けられると、これらのオブジェクトに重なった状態で照準マークが表示される。なお、2つのモニタ1の画面には、たとえばゲームを行うプレイヤの人数やゲームモードに応じて異なるゲーム画像を表示するようにしてもよい。
撮像素子33は、複数のLED2の赤外光を捉えて2次元の撮像画像を出力するものであり、たとえばCCDイメージセンサあるいはCMOSイメージセンサが適用される。撮像素子33は、光学レンズおよび赤外線フィルタを介してLED2の赤外光を受光することにより、可視光などのノイズを含まない赤外光の輝点を捉えた撮像画像を画像処理部34に出力する。
画像処理部34は、撮像素子33からの撮像画像を画像処理し、この撮像画像内の輝点の位置に基づき、モニタ1の画面上におけるガンコントローラ3の照準位置を検出する。これにより、画像処理部34は、画面上における照準位置の座標を示した照準座標情報を出力する。このような画像処理部34による照準位置の検出処理は、周知の技術(特開平11−305935号公報記載の技術)によって実現される。
このようにして出力された照準座標情報がCPU101に伝えられると、モニタ1の画面には、ガンコントローラ3の照準位置に対応して照準マークが表示される。このとき、プレイヤによってトリガ31が操作されると、トリガスイッチ32からのトリガ操作信号がCPU101に伝えられる。そして、CPU101は、トリガ操作情報を取得し、モニタ1の画面には、照準位置に着弾したようなゲーム画像が表示される。一方、たとえば撮像画像の所定領域内に輝点を検出できなかった場合、画像処理部34は、照準位置が画面外にあると判断する。その結果、モニタ1の画面上には、照準マークが表示されない。
ペダルスイッチ42は、足蹴り入力装置4に対するキック入力が可能なときにプレイヤによってキックペダル41への適切な蹴り操作がなされると、当該蹴り操作に連動してペダル操作信号を出力する。ペダルスイッチ42からのペダル操作信号がCPU101に伝えられると、CPU101は、キック入力検出情報を取得する。当該検出情報は、入力タイミングと、入力強度(荷重)と、入力継続時間とを含む。たとえば、CPU101は、ペダルスイッチ42を介して入力を検出するとタイマを作動させ、ペダルスイッチ42による入力検出が継続している時間を計測し、入力継続時間を得る。これらキック入力検出情報に基づいて、モニタ1の画面には、標的となる動的キャラクタが踏みつけられたり、あるいは静的オブジェクトが蹴飛ばされたようなゲーム画像が表示される。
次に、上記構成のゲーム装置Aによって実行されるガンシューティングゲームの一例について、図5〜図21を参照して説明する。
ゲームが始まると、モニタ1の画面にはゲーム画像が映し出され、ゲームが進行する。ゲーム画像は仮想ゲーム空間を2次元画像としてモニタ1の画面に表示したものであり、ゲーム画像には、背景や物体などのオブジェクトが表示されるとともに、敵キャラクタなどの標的が表示される。プレイヤは、ガンコントローラ3をモニタ1の画面に向けて標的に照準を合わせ、トリガ31を引く操作を行う。ここで、たとえばCPU101は、トリガ操作情報を取得すると、画面に表示される2次元画像において標的が占める一定領域内に、照準位置の座標が入っているか否かを検出する。そして、CPU101は、当該一定領域内に照準位置が入っていれば弾が標的に命中したと判定し、当該一定領域内に照準位置が入っていなければ弾が標的に命中しなかったと判定する。なお、このような標的に弾が命中したか否かの判定手法は、周知の技術である。
プレイヤキャラクタと敵キャラクタには、それぞれ所定の体力値が設定され、かつ当該体力値が0になると倒れるように設定されている。CPU101は、プレイヤキャラクタや敵キャラクタの体力値、位置情報、攻撃力などのパラメータを管理している。プレイヤのトリガ31の操作により仮想ゲーム空間内の敵キャラクタに弾が命中したと判定されると、CPU101は、ゲームプログラムに規定された銃攻撃による演出処理を行い、モニタ1の画面には、敵キャラクタがダメージを受けるようなゲーム画像が表示される。そして、CPU101は、撃たれた敵キャラクタの体力値を所定数減少させ、その体力値が0になると敵キャラクタを倒した状態とする。図5は、プレイヤキャラクタの体力値や攻撃力などの各種パラメータの一例を表す。プレイヤキャラクタによる攻撃力は、武器の種類や攻撃内容に応じて異なる。図6は、敵キャラクタの体力値や攻撃力などの各種パラメータの一例を表す。これらプレイヤキャラクタおよび敵キャラクタに関するパラメータは、ROM102に記憶されており、ゲーム実行中にはROM102から読み出されてRAM103に記憶される。
ゲームの進行に際しては、1つのゲームステージごとに所定の仮想ゲーム空間が生成される。当該仮想ゲーム空間には、背景や物体などのオブジェクト、敵キャラクタなどが、あらかじめ決められた位置に配置されている。モニタ1に表示されるゲーム画像は、上述したように、プレイヤキャラクタに配置した仮想的なカメラから仮想ゲーム空間を撮像した2次元画像である。プレイヤキャラクタは、ゲームステージごとに、仮想ゲーム空間内において、たとえばプレイヤの操作によって選択されたコース、あるいはあらかじめ定められたコースを移動するように制御される。敵キャラクタは、ゲームステージごとに、仮想ゲーム空間内において、たとえばあらかじめ定められたコースを移動する、あるいは敵キャラクタに設定された周知のAI(人工知能)によって移動するように制御される。敵キャラクタは、たとえば死者が蘇ったゾンビとして設定されており、ゲーム画像中においてこのゾンビ(敵キャラクタ)がプレイヤキャラクタの体力値を0にしようと、プレイヤキャラクタに対して接近して攻撃を仕掛けてくる。敵キャラクタが仮想的なカメラ(プレイヤキャラクタ)から一定範囲(たとえば、3m:図6の攻撃行動範囲3mに対応)に近づくと、敵キャラクタからの攻撃によりプレイヤキャラクタがダメージを受けうる。そして、CPU101は、ダメージを受けたプレイヤキャラクタの体力値を所定数減少させ、その体力値が0になると、プレイヤキャラクタが倒れた状態となる。そして、プレイヤキャラクタが3回倒れると、ゲームが終了する。次々に迫ってくる敵キャラクタを素早く倒し、敵キャラクタからの攻撃をかわすことができれば、1つのゲームステージのクリアが成立し、次のゲームステージに進むことができる。なお、ゲーム画像中には、プレイヤキャラクタの全部又は一部が表示されていてもよいし、プレイヤキャラクタが持つ銃のみが表示されていてもよい。
ゲームの進行において、敵キャラクタがプレイヤキャラクタから所定範囲内(たとえば、3m)の位置に近づくと、足蹴り入力装置4による入力が可能となる。図7は、敵キャラクタについてのキック入力処理の手順を示すフローチャートである。図8は、足蹴り入力装置4に対してプレイヤによってキック入力がなされる際のゲーム装置Aの概観図である。図9および図10は、ゲームの1場面におけるゲーム画像を示す図である。
図7に示すように、まず、敵キャラクタがプレイヤキャラクタから所定範囲内に位置するか否かが判定される(S10)。たとえば、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの位置情報と敵キャラクタの位置情報とに基づいて、CPU101によって敵キャラクタとプレイヤキャラクタとの距離が算出される。この距離が一定値以下であれば、敵キャラクタがプレイヤキャラクタから所定範囲内に位置すると判定する。敵キャラクタがプレイヤキャラクタから所定範囲内に位置しないと判定された場合(S10:NO)、キック入力が不可であるとしてキック入力処理は終了する。
敵キャラクタがプレイヤキャラクタから所定範囲内に位置すると判定された場合(S10:YES)、CPU101は、発光パネル43をたとえば青色に点灯させ(S11)、ペダルスイッチ42による入力の検出が可能となる。発光パネル43が青色に点灯すると、プレイヤは、足蹴り入力装置4に対する入力の検出が可能であることを知ることができる。ここで、発光パネル43の点灯(青色)は、本発明でいう報知手段を実現している。なお、発光パネル43の点灯に代えて、あるいは発光パネル43の点灯とともに、キック入力の検出が可能であることをスピーカ6による音声出力やモニタ1の画面中へのアイコン表示等によって報知してもよい。また、キック入力の検出が可能であることをプレイヤに知らせないようにしてもよい。
キック入力の検出が可能なときにプレイヤによってキックペダル41に蹴り操作(キック入力)がなされると(図8参照)、ペダルスイッチ42からキック操作信号が出力される。キック操作信号は、CPU101で処理されてキック入力検出情報として取得される(S12:YES)。次いで、CPU101は、発光パネル43をたとえば赤色に点灯させる(S13)。発光パネル43が赤色に点灯すると、プレイヤは、足蹴り入力装置4に対してキック入力が適切に行われ、当該キック入力が検出されたことを知ることができる。なお、発光パネル43(赤色)の点灯に代えて、キック入力が検出されたことをスピーカ6による音声出力によって報知してもよい。また、キック入力が検出されたことを、ステップS11において点灯済みの発光パネル43(青色)を消灯することによって報知してもよい。
CPU101は、キック入力検出情報に基づいて、敵キャラクタに対してゲームプログラムに規定された攻撃処理を行う(S14)。この攻撃処理は、プレイヤキャラクタの足による攻撃処理であり、そのような攻撃処理としては、たとえば、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを遠くに蹴飛ばして、あるいは敵キャラクタを踏みつけて(キック攻撃)ダメージを与えることが挙げられる。図9は、ステップS14によって敵キャラクタ10に対して攻撃処理が実行された場合のゲーム画像である。このように、ゲーム装置Aによれば、敵キャラクタ10との戦闘シーンにおいて、銃による攻撃とは別に敵キャラクタ10にキック攻撃を加えるといった演出が可能となる。したがって、銃攻撃だけを行う通常の銃撃戦とは別に、接近戦においては肉弾戦のような戦闘感覚を体感することができ、アクション要素の強い新しいゲームを楽しむことができる。なお、キック入力の検出が可能なときには、ゲーム画像中に攻撃処理を行う敵キャラクタに対して矢印などの指標を表示するなどにより、キック攻撃対象である敵キャラクタをプレイヤに知らせるようにしてもよい。
キック入力検出情報としては、上述したように、入力タイミング、入力強度、および入力継続時間を含む。このキック入力検出情報に応じて、敵キャラクタへの攻撃処理に変化をもたせてもよい。ここで、入力タイミングとは、ペダルスイッチ42による入力が可能となった時点(発光パネル43の青色点灯開始)を基準とした、キック入力が検出される時点のことである。たとえば、プレイヤの意思で入力タイミングを遅らせることにより、敵キャラクタを引き寄せてのカウンター攻撃を可能とし、より大きなダメージを敵キャラクタに与えるようにしてもよい。ただし、カウンター攻撃を狙う場合、敵キャラクタを引き寄せると、敵キャラクタから攻撃されるリスクも高まる。また、キックペダル41を強く蹴り込み、入力強度を強めることにより、敵キャラクタをより遠くまで蹴飛ばすようにしてもよい。この場合、キック攻撃によって敵との距離を十分にとってから、銃で撃つこともできる。図10は、敵キャラクタ10をより遠くまで蹴飛ばした後に銃で撃つ場合のゲーム画像である。さらに、キックペダル41を強く蹴り込み、所定以上の入力強度が検出される場合に限り、キック入力を受け付けてキック攻撃を行うようにしてもよい。この場合、キックペダル41を弱く蹴ったのではキック攻撃が空振りとなってしまい、却ってプレイヤにとって不利な状況となりうる。このように、キック入力検出情報に応じて敵キャラクタへの攻撃処理に変化をもたせれば、ゲームを進めるうえで独自の戦略性をもたせることができる。
なお、複数の敵キャラクタ10がプレイヤキャラクタから所定範囲内に位置する場合には、最も近い位置にいる敵キャラクタ10に攻撃処理を行う。この場合、キック入力を連続して行うことにより、近くにいる敵キャラクタ10に対して順にダメージを与えることができる。したがって、プレイヤは、キックによる連続攻撃を行うことによって、より一層の爽快感を得ることができる。
キック入力によって所定の攻撃処理(S14)が行われると、発光パネル43が消灯し(S15)、キック入力処理は終了する。また、キック入力の検出が可能なときにプレイヤによってキック入力がなされない場合(S12:NO)、発光パネル43が消灯し(S15)、敵キャラクタについてのキック入力処理は終了する。
ゲームの進行に応じて、CPU101は、仮想ゲーム空間に敵キャラクタとは異なる標的(本発明でいう静的キャラクタ)を生成する。ここで、静的キャラクタとは、上述した背景や物体などの静的オブジェクトのうち、プレイヤのキック入力操作によってゲームの進行に反映されうるものをいう。静的キャラクタとしては、たとえばガソリン入りのドラム缶、あるいは扉などが挙げられる。静的キャラクタについては、所定の条件を満たすと、ゲームプログラムに規定された様々な演出処理を行うように設定されている。たとえばガソリン入りのドラム缶については、これに弾が命中すると、ガソリンに引火してドラム缶を爆発させることができ、周囲の敵キャラクタを同時に倒すことができる。また、扉については、扉がプレイヤキャラクタから所定範囲に位置するときにキック入力が検出されると、扉が開いて次のゲームステージに進むことができる。
ゲームの進行において、静的キャラクタが所定の範囲内にあるときには、足蹴り入力装置4による入力の検出が可能となる。図11は、静的キャラクタについてのキック入力処理の手順を示すフローチャートである。図12〜図15は、ゲームの1場面におけるゲーム画像を示す図である。
図11に示すように、まず、静的キャラクタが所定範囲内にあるか否かが判定される(S20)。たとえば、CPU101は、静的キャラクタの位置情報を取得し、当該位置情報があらかじめ設定された所定の範囲に入っていれば、静的キャラクタが所定範囲内にあると判定する。静的キャラクタが所定範囲内にないと判定された場合(S20:NO)、キック入力の検出が不可であるとしてキック入力処理は終了する。
静的キャラクタが所定範囲内にあると判定された場合(S20:YES)、CPU101は、発光パネル43を青色に点灯させ(S21)、ペダルスイッチ42による入力の検出が可能となる。なお、発光パネル43の点灯に代えて、キック入力の検出が可能であることをモニタ1の画面中にアイコン等によって表示してもよい。また、キック入力の検出が可能であることをプレイヤに知らせないようにしてもよい。
キック入力の検出が可能なときにプレイヤによってキックペダル41に蹴り操作(キック入力)がなされると、ペダルスイッチ42からキック操作信号が出力される。キック操作信号は、CPU101で処理されてキック入力検出情報として取得される(S22:YES)。次いで、CPU101は、発光パネル43をたとえば赤色に点灯させる(S23)。発光パネル43が赤色に点灯すると、プレイヤは、足蹴り入力装置4に対して入力が適切に行われたことを知ることができる。なお、発光パネル43(赤色)の点灯に代えて、キック入力が検出されたことをスピーカ6による音声出力によって報知してもよい。また、キック入力が検出されたことを、ステップS21において点灯済みの発光パネル43(青色)を消灯することによって報知してもよい。
CPU101は、キック入力検出情報に基づいて、ゲームプログラムに規定された演出処理を行う(S24)。この演出処理は、たとえば、対象となる静的キャラクタの種類に応じて、それぞれ異なるように設定されている。図12は、ステップS24において演出処理の対象となる静的キャラクタ11がガソリン入りのドラム缶である場合のゲーム画像である。この場合、静的キャラクタ11(ドラム缶)がプレイヤキャラクタから所定範囲に表示されているときにキック入力の検出が可能となる。足蹴り入力装置4によるプレイヤのキック入力が適切になされると、図13または図14に示すように、ドラム缶が蹴飛ばされて遠方まで転がり、ガソリンがこぼれる。そして、プレイヤがガンコントローラ3のトリガ操作を行い、このドラム缶に弾が命中すると、図15に示すように、ガソリンに引火して爆発させることができ、周囲にいる多くの敵キャラクタ10を吹き飛ばす(倒す)ことができる。すなわち、このような構成によれば、静的キャラクタ11を蹴飛ばすことを契機として、遠方にいる大量の敵キャラクタ10を同時に倒すことが可能になるため、ガンシューティングゲームにおいて独自の戦略性をもたせることができる。また、足蹴り入力装置4によるキック入力とガンコントローラ3によるトリガ操作とを組み合わせることによってゲームを進行させることができるので、従来にない新しいゲーム展開を楽しむことができる。なお、キック入力の検出が可能なときには、ゲーム画像中に演出処理の対象となる静的キャラクタに対して矢印などの指標を表示するなどにより、当該静的キャラクタをプレイヤに知らせるようにしてもよい。
図示説明は省略するが、演出処理の対象となる静的キャラクタが上記ドラム缶とは異なる場合について、演出処理の例を幾つか挙げる。仮想ゲーム空間に生成された演出処理の対象となる静的キャラクタが、たとえば坂道の上方にある岩である場合、プレイヤのキック入力が適切に行われると、岩が坂道を転がり落ちる。そうすると、坂道の下方にいる敵キャラクタにその岩をあてて倒すことができる。静的キャラクタが、たとえば梯子や吊り橋などの場合、キック入力が適切に行われると、梯子が倒れたり、吊り橋が落ちたりする。そうすると、梯子や吊り橋を使って接近してくる敵キャラクタから逃れることができる。静的キャラクタが、たとえばプレイヤキャラクタの目前にある扉である場合、キック入力が適切に行われると、扉が開いて次のゲームステージに進むことができる。その一方、これら例示した静的キャラクタについては、弾が命中しても何も起こらない。すなわち、これら静的キャラクタは、ガンコントローラ3のトリガ操作ではゲームの進行に反映されないものであるとともに、キック入力によってゲームの進行に反映されるものである。したがって、このような静的キャラクタが存在すると、プレイヤは、トリガ操作あるいはキック入力操作をゲームの進行状況に応じて適宜選択することにより、有利にゲームを進めることができる。なお、上記例の他に演出処理の対象となる静的キャラクタを設定してもよく、この場合にも、キック入力が適切になされると、当該静的キャラクタに応じて、ゲームプログラムに規定された演出処理が行われる。
キック入力によって所定の演出処理(S24)が行われると、発光パネル43が消灯し(S25)、キック入力処理は終了する。また、キック入力が可能なときにプレイヤによってキック入力がなされない場合(S22:NO)、発光パネル43が消灯し(S25)、静的キャラクタについてのキック入力処理は終了する。
ゲームの進行に応じて、CPU101は、仮想ゲーム空間に上記した敵キャラクタとは異なる特別な敵キャラクタ(本発明でいう特別キャラクタに相当し、以下、「特別敵キャラクタ」という)を生成する。
ゲームプログラムには、特別敵キャラクタに応じた属性が設定されている。上記した敵キャラクタ(以下、適宜「通常の敵キャラクタ」という)については、弾が命中すると所定のダメージが与えられるだけであるが、特別敵キャラクタについては、弾が命中すると、当該特別敵キャラクタに応じてゲームプログラムに規定された専用の演出処理が行われる。特別敵キャラクタは、たとえばモニタ1の画面上において通常の敵キャラクタと識別可能に表示される。特別敵キャラクタの態様の具体例としては、通常の敵キャラクタよりも大きいサイズとして表示されることや、特殊な服装やアイテムを身につけて表示されることが挙げられる。なお、特別敵キャラクタと通常の敵キャラクタとをその外観において識別することができないようにしてもよい。
次に、特別敵キャラクタに弾が命中したときに行われる演出処理の一例を説明する。ここでは、ある特別敵キャラクタの所定部位に弾が命中したときに限り、足蹴り入力装置4に対するキック入力が可能となり、キック入力が適切に行われるとプレイヤにとって有利な状況になる場合について、説明する。
図16は、特別敵キャラクタについての演出処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートを参照しながら、プレイヤの操作等に応じたゲームの進行状況の変化を説明する。
図16に示すように、まず、ガンコントローラ3によってトリガ操作がなされたか否かを検出する(S30)。すなわち、CPU101によってトリガスイッチ32からのトリガ操作信号の有無を検出する。
トリガ操作信号が検出された場合(S30:YES)、弾が敵キャラクタに命中したか否かを判定する(S31)。ここで、敵キャラクタとは、通常の敵キャラクタと特別敵キャラクタとを含むものである。
弾が敵キャラクタに命中したと判定された場合(S31:YES)、当該敵キャラクタが特別敵キャラクタであるか否かを判定する(S32)。
弾が命中した敵キャラクタが特別敵キャラクタであると判定された場合(S32:YES)、所定部位に弾が命中したか否かを判定する(S33)。ここで、所定部位とは、特別敵キャラクタに応じて、それぞれ設定されているものであり、たとえば脚部や腹部などが挙げられる。ここで、所定部位に弾が命中したと判定された場合(S33:YES)、専用の演出処理を行う(S34)。これは、足蹴り入力装置4によるキック入力を可能とするものであるが、演出処理の内容について、詳細は後述する。そして、ステップS34の専用の演出処理が実行されると、このルーチンを終了する。
ステップS33において、特別敵キャラクタに弾は命中したが、命中した部位が所定部位ではない場合(S33:NO)、通常の銃攻撃による演出処理を行い、特別敵キャラクタに対し図5のパラメータに基づいて所定のダメージを与える。そして、銃攻撃の演出処理が行われた後に、このルーチンは終了する。
ステップS32において、敵キャラクタに弾は命中したが、当該敵キャラクタが特別敵キャラクタでないと判定された場合(S32:NO)、銃攻撃による演出処理を行い(S35)、敵キャラクタに対し図5のパラメータに基づいて所定のダメージを与える。そして、銃攻撃の演出処理が行われた後に、このルーチンは終了する。
ステップS31において、トリガ操作信号は検出されたが、敵キャラクタに弾が命中していないと判定された場合(S31:NO)、演出処理に移行することなく、このルーチンは終了する。
ステップS30において、トリガ操作信号が検出されない場合(S30:NO)、演出処理に移行することなく、このルーチンは終了する。
図17は、特別敵キャラクタについての専用の演出処理(図16のステップS34の処理内容)の手順を示すフローチャートである。図18および図21は、ゲームの1場面におけるゲーム画像を示す図である。
まず、CPU101によってゲーム画像(映像)がゲーム進行時のものから専用の演出処理のものに切り替えられ、モニタ1の画面にプレイヤキャラクタが弾を発射させるゲーム画像(映像)ないし特別敵キャラクタが倒れてもがくなどのダメージを受けているゲーム画像(映像)が再生される(S40)。
次に、足蹴り入力装置4に対するキック入力が可能となり、CPU101は、発光パネル43を青色に点灯させるとともに、たとえばモニタ1の画面中に「踏め」という意味の合図(アイコン等)を表示する(S41)。図18は、ステップS41において「踏め」アイコン13が表示された場合の特別敵キャラクタ12を含むゲーム画像である。
キック入力の検出が可能なときにプレイヤによってキックペダル41に蹴り操作(キック入力)がなされると、ペダルスイッチ42からキック操作信号が出力される。キック操作信号は、CPU101で処理されてキック入力検出情報として取得される(S42:YES)。次いで、CPU101は、発光パネル43をたとえば赤色に点灯させる(S43)。
次に、CPU101は、タイマを作動させ、ペダルスイッチ42による入力検出の継続時間を測定する。ここで、プレイヤがキックペダル41を所定時間(第1継続時間:たとえば、1秒)を超えて踏み続けることができた場合(S44:YES)、特別敵キャラクタ12の頭を踏みつけたまま当該特別敵キャラクタ12の動きを封じることができる。そして、特別敵キャラクタの頭を踏みつけたゲーム画像(映像)が再生される(S45)。図19は、キック入力(第1入力)の継続時間や後述するガンコントローラ3の入力(第2入力)の有無に応じて決定される演出処理の種類を示し、図20は、演出処理の内容を示す。ステップS45の踏みつけ演出は、図19および図20における演出P2に相当する。一方、ステップS44においてキック入力の継続が短かった場合(第1継続時間以下)、特別敵キャラクタ12を蹴飛ばすゲーム画像(映像)が再生され(S52)、当該特別敵キャラクタに所定のダメージを与える。ステップS52の蹴り演出は、図19および図20における演出P1に相当する。
次に、プレイヤがキックペダル41をさらに踏み続け、ペダルスイッチ42による入力検出が上記第1継続時間よりも長い所定時間(第2継続時間:たとえば、3秒)を超えて継続したと判定された場合(S46:YES)、CPU101は、たとえばモニタ1の画面中に「撃て」という意味の合図(アイコン等)を表示する(S47)。図21は、ステップS47において「撃て」アイコン14が表示された場合の特別敵キャラクタ12を含むゲーム画像である。
次に、キック入力が最初に検出された時点から所定時間(第2入力受付時間:たとえば、4秒。つまり、第2継続時間が経過した時点から1秒)以内にガンコントローラ3の照準がモニタ1の画面に向けられた状態でトリガ操作がなされたか否かを検出する(S48)。ステップS48において第2入力受付時間にガンコントローラ3の入力が検出された場合(S48:YES)、発光パネル43が消灯し(S49)、特別敵キャラクタの頭を撃ち抜くゲーム画像(映像)が再生される(S50)。ステップS50の演出は、図19および図20における演出P3に相当する。これにより、特別敵キャラクタに大きなダメージを与えて倒すことができ(専用の演出処理の指令をすべてクリア)、プレイヤに特典を付与する処理が実行される(S51)。特典付与処理の例としては、仮想ゲーム空間内で使用されるダメージ回復のアイテム取得や2つ目の銃の取得などが挙げられる。ステップS51の特典付与処理が実行された後、専用の演出処理は終了する。専用の演出処理が終了すると、モニタ1の画面はゲーム進行時のゲーム画像に切り替わる。
ステップS48において第2入力受付時間にガンコントローラ3の入力が検出されなかった場合(S48:NO)、ステップS46においてペダルスイッチ42による入力検出が所定時間(第2継続時間)継続しなかった場合(S46:NO)、ステップS44においてペダルスイッチ42による入力検出が所定時間(第1継続時間)継続しなかった場合(S44:NO)、およびステップS42においてキック入力の検出が可能な所定時間内にプレイヤによってキック入力がなされなかった場合(S42:NO)については、それぞれ、専用の演出処理の指令をクリアできなかったことになる。これらの場合、いずれも発光パネル43が消灯し(S53)、専用の演出処理は終了する。専用の演出処理が終了すると、モニタ1の画面はゲーム進行時のゲーム画像に切り替わる。
上記構成によれば、特別敵キャラクタに対する銃攻撃を契機として、キック入力の検出が可能となり、指令に従ってキック入力がなされた場合にプレイヤに有利な状況が生じる。したがって、銃撃戦(ガンコントローラ3によるトリガ操作)とキック攻撃(足蹴り入力装置4によるキック入力)とを組み合わせた新しいゲームを楽しむことができる。
また、キック入力を受け付ける状態では、プレイヤが指令に従ってキック入力を継続させ、ペダルスイッチ42に対して、いわゆる長押しがなされると、蹴り演出から踏みつけ演出へと段階的に発展する。そして、指令に従ってトリガ操作が適切になされると、特別敵キャラクタに対してより大きなダメージを与えることができるので、多様なゲーム性を楽しむことができる。
また、上述したように、特別敵キャラクタと通常の敵キャラクタとが識別可能であることから、プレイヤは、特典付与のチャンスがある特別敵キャラクタの登場を期待しながらゲームを楽しむことができる。一方、特別敵キャラクタと通常の敵キャラクタとが外観上識別することができないようにされている場合、特別敵キャラクタについては、プレイヤが実際にゲームを行うことによって偶然発見できる要素が強い。したがって、ゲームを行う回数を増やすにつれて、特別敵キャラクタについての情報を増やすことができる傾向にある。これにより、プレイヤがゲームを繰り返し行うといったリピート効果を奏することが期待できる。
なお、図16のフローチャートを参照した上述の説明では、ステップS34の専用の演出処理はステップS32およびステップS33の判定を経て実行されていたが、これに代えて、ステップS32あるいはステップS33のいずれか一方の判定を省略してステップS34の処理を実行してもよい。たとえば、ステップS32がない場合には、弾が命中した敵キャラクタについて特別敵キャラクタであるか否かの判定を行わないので、通常の敵キャラクタであっても、脚部などの所定部位に弾が命中すればステップS34の処理を実行する。また、ステップS33がない場合には、特別敵キャラクタの所定部位に弾が命中したか否かの判定を行わないので、特別敵キャラクタに弾が命中すれば、当該特別敵キャラクタのいずれの部位に弾が命中してもステップS34の処理を実行する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
上記実施形態では、プレイヤが1人でプレイする場合について説明したが、これに限られない。上記実施形態のゲーム装置は、2人で同時にプレイすることができる構成とされているが、2人で同時にプレイする場合、たとえば足蹴り入力装置に対するキック入力の入力タイミングを合わせることで、たとえば特殊なアイテムを入手できたり、あるいは強力な攻撃ができるなど、2人同時プレイの場合に限った特別な演出処理を実行するようにしてもよい。
たとえば、特別キャラクタ(特別敵キャラクタ)の専用の演出処理については、2人同時プレイの場合、一方のプレイヤ(以下、「プレイヤA」という)によるキック入力(第1入力)の検出を契機として、他方のプレイヤ(以下、「プレイヤB」という)によるキック入力やトリガ操作(第2入力)の検出が可能となるようにしてもよい。図22は、プレイヤAによるキック入力(第1入力)の継続時間と、プレイヤBによるガンコントローラ3の入力(第2入力)の有無、あるいはキック入力(第2入力)の継続時間と、に応じて決定される演出処理の種類を示し、図23は、演出処理の内容を示す。
図22および図23に示す演出P1〜P3は、プレイヤAがキック入力(第1入力)を行った後、プレイヤBがガンコントローラ3の入力(第2入力)を行う場合の演出である。上記実施形態において図19および図20を参照して説明したケースは、1人のプレイヤがまずキック入力(第1入力)を行い、その後ガンコントローラ3の入力(第2入力)を行う場合であったが、図22および図23のケースは、プレイヤAがキック入力(第1入力)を行い、その後プレイヤBがガンコントローラ3の入力(第2入力)を行う点で相違する。
図22および図23に示す演出P4,P5は、プレイヤAがキック入力(第1入力)を行った後、プレイヤBがキック入力(第2入力)を行う場合の演出である。演出P4は、プレイヤA,Bが同時的にキック入力できた場合に実行される演出である。演出P5は、プレイヤA,Bが同時的に長押しによってキック入力できた場合に実行される演出である。プレイヤAによるキック入力(第1入力)の継続が第1継続時間(たとえば、1秒)以下であって、プレイヤAによるキック入力(第1入力)が最初に検出された時点から所定時間(第2入力受付時間:たとえば、1.5秒)以内にプレイヤBによるキック入力(第
2入力)が検出された場合、演出P4が実行される。一方、第2入力受付時間内にプレイ
ヤBによるキック入力が検出されなかった場合、第2入力がなされなかったものとして第2入力の受け付けを終了する。プレイヤAによるキック入力(第1入力)の継続が第1継続時間(たとえば、1秒)を超える場合であって、プレイヤAによるキック入力(第1入力)が最初に検出された時点から所定時間(第2入力受付時間:たとえば、3秒)以内にプレイヤBによるキック入力(第2入力)が検出された場合、演出P4または演出P5が実行される。ここで、プレイヤBによるキック入力(第2入力)の継続が第1継続時間(たとえば、1秒)以下である場合、演出P4が実行される。プレイヤBによるキック入力(第2入力)の継続が第1継続時間を超える場合、演出P5が実行される。一方、第2入力受付時間内にプレイヤBによるキック入力が検出されなかった場合、第2入力がなされなかったものとして第2入力の受け付けを終了する。
このような2人プレイ時の専用の演出処理によれば、キック入力とガンコントローラ3の入力との組み合わせによって多種類の演出が実行されるので、多様なゲーム性を楽しむことができる。また、プレイヤBが行う第2入力は、ガンコントローラ3による入力とキック入力とのいずれでもよい。プレイヤA,Bの同時的キック入力の成立は、ガンコントローラ3の入力より難易度が高いが、敵に与えるダメージが大きいというメリットがある。プレイヤBは、ゲーム状況に応じて自ら行う第2入力の種類を選択することができる。このことは、ゲームの興趣をより高めるうえで好適である。
なお、上記実施形態においては、キック入力の検出を所定の条件(たとえば敵キャラクタがプレイヤキャラクタから所定範囲内に位置)が成立している場合に限って行う構成例について説明したが、これに代えて、所定条件の成立の有無に関わらず、キック入力の検出を1フレームごとに実行するように構成してもよい。
上記実施形態では、キック入力処理の対象となる特定の標的(敵キャラクタ)が複数存在する場合、近くにいる敵キャラクタから順にキック入力処理の対象とするように構成されていた。これに代えて、たとえばガンコントローラの照準を合わせることにより、キック入力処理の対象とする特定の標的をプレイヤが選択できるようにしてもよい。
たとえば、プレイヤによるキック入力の態様に応じて、攻撃対象となる敵キャラクタを選択可能となるようにしてもよい。図24(a)は、入力継続時間の長短によって、キック攻撃(攻撃処理)を行うか、あるいは攻撃対象の選択を行うかが決定される場合の例である。図24(a)のケースでは、たとえばキック入力の入力継続時間が所定時間を超えるとき、攻撃対象を選択できる状態となる。攻撃対象となる敵キャラクタは、プレイヤのガンコントローラ3の操作によって選択される。このとき、図25に示すように、たとえば画面上のいずれかの敵キャラクタに照準を合わせると、照準の合った敵キャラクタが攻撃対象であるとして指標100が表示され、その状態でキック入力を解除すると、その敵キャラクタが攻撃対象として選択(決定)される。その後、プレイヤによるキック入力が適切になされると、図26に示すように、選択した攻撃対象に対してキック攻撃処理が実行される。図24(b)は、入力強度の強弱によって、キック攻撃(攻撃処理)を行うか、あるいは攻撃対象の選択を行うかが決定される場合の例である。図24(b)のケースでは、たとえばキック入力の入力強度が所定以下であるとき、攻撃対象を選択できる状態となる。敵キャラクタの選択などについては、図25および図26を参照して上述したのと同様に実行される。なお、図24〜図26を参照して説明した上記例の場合、所定条件の成立の有無に関わらず、キック入力の検出を1フレームごとに実行するように構成することが好ましい。
上記実施形態においては、キックペダルの奥方に発光パネルが設けられているが、この発光パネルに代えてサブモニタを設けてもよい。この場合、サブモニタの画面において、キック入力の検出が可能であること、キック入力が検出されたこと、またはその他の演出を映像として表示するように構成してもよい。
上記実施形態では、照準位置検出用として赤外光を発するLEDをモニタ(表示手段)の画面近傍に設け、ガンコントローラ側に撮像素子を設けていた。これに代えて、たとえばガンコントローラ側にLEDを設けるとともに、モニタの画面近傍に2つの撮像素子を設け、照準位置を検出するように構成してもよい。また、表示手段としてブラウン管方式のモニタを用いる場合、ラスタ走査方式によって照準位置を検出するように構成してもよい。
なお、上記実施形態において、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタの攻撃力や体力値などの各種パラメータについて、図5および図6に一例を挙げて説明したが、これらパラメータは図5および図6に記載した値に限られない。また、たとえば、特別キャラクタ(特別敵キャラクタ)について図6に記載のものとは異なる初期体力値(たとえば300)を有するものを含めて、複数種類の特別敵キャラクタが存在してもよい。複数種類の特別敵キャラクタが存在する場合、特別敵キャラクタについての専用演出の攻撃力は、その特別敵キャラクタの体力値が0になる値に設定していればよい。すなわち、「専用演出の攻撃力≧特別敵キャラクタの初期体力値」という関係にしておけばよい。