以下、一実施形態の吸込み口体を備えた電気掃除機について、図1〜図20を参照して詳細に説明する。
図1中符号1は一実施形態に係る吸込み口体11を備えた例えばキャニスタ型の電気掃除機を示している。この電気掃除機1は、掃除機本体2と、吸塵風路体5とを具備している。この電気掃除機1は、その電動送風機4の能力や各部の気密性の向上等により、真空度が例えば1.6Kpa〜2.8Kpa具体的には2.0Kpaと従来と比較して数倍高く設定されていて、それにより、絨毯を掃除する場合に、その起毛部の根元等に深く入り込んだ砂塵等の塵をも容易に吸出して掃除ができるように構成されている。
本体車輪3が取付けられた掃除機本体2の後部に電動送風機4が内蔵されている。掃除機本体2の前部は電動送風機4の上流側となっており、この前部に図示しない塵分離手段及びこの手段で分離された塵を溜める集塵部等が設けられている。塵分離手段には、そこに吸引された塵の慣性エネルギーを利用して塵と空気を分離するサイクロン式等の慣性分離式の塵分離装置を好適に用いることができるが、紙パックを用いてもよく、或いは粗塵を空気から分離する紙パックと、粗塵以外の塵を慣性分離により空気と分離する塵分離装置を併用した塵分離手段を用いることも可能である。
図1に示すように吸塵風路体5は、可撓性の吸塵ホース6と、延長管7と、吸込み口体11とを備えている。
吸塵ホース6の一端部6aは、電動送風機4の上流側でかつ掃除機本体2が有した吸塵口2bに、取外し可能に差込み接続されている。この接続により吸塵ホース6内と前記塵分離手段とが連通される。吸塵口2bは例えば掃除機本体2がその前部上面に備えた開閉蓋2aに設けられている。延長管7が着脱可能に嵌合して連結される吸塵ホース6の他端部(先端部)6bに、延長管7を介して吸込み口体11を移動操作するためのハンドル8が設けられている。このハンドル8に電動送風機4の運転や後述の回転清掃体71の駆動等を指令する手元スイッチ9が取付けられている。
延長管7は外管7aと内管7bとを例えば伸縮可能に組み合わせて形成されている。外管7aは吸塵ホース6の他端部6bに着脱可能に嵌合して接続されている。この外管7aの他端(先端)から突出された内管7bの先端部7cに、後述する吸込み口体11の接続管35が着脱可能に嵌合して接続されている。
電動送風機4の運転に伴い、吸込み口体11の下面に開口している後述の吸込み開口17を通って吸込まれた含塵空気が、吸込み口体11、延長管7、吸塵ホース6を、この記載順に通過し吸塵口2bを通って掃除機本体2内に導かれる。それにより、掃除機本体2内で空気と塵が分離されて、塵が集塵部内に溜められる一方で、電動送風機4に吸込まれるとともにこの電動送風機4から排出された空気が、掃除機本体2に設けられた図示しない排気部から掃除機本体2の外部に放出される。
次に、吸込み口体11について説明する。吸込み口体11は、図2に示すように平面視形状が略T字状をなしていて、掃除対象である部屋の絨毯、畳、フローリング等の被掃除面を掃除するのに好適な床用である。図2〜図6等に示すように吸込み口体11は、吸込みヘッド12と、接続管35と、シャッタ46と、係合手段と、ストッパ58と、保持手段等を備えている。これとともに、吸込み口体11の吸込みヘッド12に、回転清掃体71、駆動装置、前車輪76、及び後車輪77等が取付けられている。
吸込みヘッド12は、図4に示すように上ケース14と、下ケース16と、連結部21等を備えている。
上ケース14は、合成樹脂製であり、主として吸込みヘッド12の上壁部を担っている。この上ケース14の長手方向(吸込みヘッド12の幅方向)中央部に、部材取付け部15が上向きに膨出して形成されている。
下ケース16は、合成樹脂製であり、主として吸込みヘッド12の底壁を担っている。この底壁をなした下ケース16は被掃除面に対向される。この下ケース16の前部下面に吸込み開口17(図3及び図6等参照)が開口されている。吸込み開口17は下ケース16の長手方向(吸込みヘッド12の幅方向)に延びている。
図3に示すように吸込みヘッド12の底壁(下ケース16の下面をなす壁部)は、吸込み開口17の後縁17bを境に、この後縁17bより前側の底壁前部領域16aと、後縁17bより後側の底壁後部領域16bとに分けられている。後縁17bはその中央部に後方に凹んだ後縁中央部17cを有している。後縁中央部17cは、連結管22の前端縁22aに下側から連続している。したがって、この後縁中央部17cの真上に連結管22の前端開口22bが連続して位置されている(図20参照)。
底壁前部領域16aは、吸込み開口17の前縁17aより前側に位置された前端部位16afと、これに連続して吸込み開口17の左右両側に位置された側方部位16asとからなる。このため、底壁前部領域16aは吸込み開口17の前側及び左右両側の三方を囲んで設けられている。底壁後部領域16bは略平坦である。
図20等に示すように底壁前部領域16aのうちで少なくとも前端部位16afは、底壁後部領域16bに対して高い位置に設けられている。なお、本実施形態において底壁前部領域16aの側方部位16asは、底壁後部領域16bと略同じ高さであるが、この側方部位16asを前端部位16afと同様に底壁後部領域16bに対して高い位置に設けることも可能である。図20中符号H1は底壁後部領域16bの下面に対する前端部位16afの下面の高さ位置の差を示している。前端部位16afの被掃除面に対する離間距離は前記高さ位置の差H1より長い。
こうした前端部位16afによって吸込み開口17は、吸込みヘッド12の前端面、正確には下ケース16の前端面にも開放されている。なお、図3及び図20中符号16dは、吸込みヘッド12の両端部が壁際等に接するように配置された場合に、この壁際等の塵を吸い込むために、吸込み開口17の長手方向両端と連通して側方部位16asに設けられた吸引溝を示している。
下ケース16の後部の長手方向中央部に、後向きに突出された突出部位を有する部材取付け部18が一体に形成されている。部材取付け部18は底壁後部領域16bの一部をなしている。この部材取付け部18の幅方向中央部は、上方に夫々開放する円弧状溝部からなり、この溝部の前後両端は夫々開放されている。
上ケース14と下ケース16とは、これらの間に合成樹脂製等からなるバンパー19を挟んだ状態で、下ケース16を通って上ケース14に形成されたねじ受け部にねじ込まれた複数のねじにより連結されている。
連結部21は、例えば図7及び図14等に示すように連結管22と、第1回動部材24と、第2回動部材31を備えている。
連結管22は、合成樹脂製であって、吸込みヘッド12の後部でかつ幅方向中央部に配設され、その水平な中心軸線A(図13及び図20参照)は前後方向に延びている。連結管22は、その前端縁22a(図14参照)を上ケース14の部材取付け部15と下ケース16の部材取付け部18に凹凸嵌合して前後方向に位置決めされているとともに、回転できないように部材取付け部15,18で挟まれている。この連結管22の前後両端は夫々開口されていて、その前端開口は吸込み開口17の長手方向中央部に対し図6等に示すように後側から臨んで連通している。連結管22の後部は上ケース14から後方に突出されている。
第1回動部材24は、合成樹脂製であって、連結管22の後部外周に回転可能に取付けられている。したがって、第1回動部材24は水平に配設された連結管22の中心軸線Aの周りに回転可能であり、言い換えれば、吸込み口体11を正面から見て左右方向に回動可能である。この第1回動部材24は後向きに一体に突出された一対の接続腕部25を有している。これら接続腕部25の長手方向中間部に、図14及び図18に示すように半円形の第1軸受部位26が夫々一体に突設されている。
更に、一対の接続腕部25の根元部間にわたる部位はガイド部位27として用いられていて、このガイド部位27は図7等に示すように連結管22の上部後端を覆っている。ガイド部位27は連結管22の内周面上部に連続するガイド面27a(図16参照)を有している。このガイド面27aは後述の軸受部を中心に描かれる円弧状の面で形成されている。
第2回動部材31は合成樹脂により図14に示されるように略U字形状に成形されている。この第2回動部材31は、第1軸受部位26が突出された側(掃除機の標準的な使用状態では接続腕部25の下側)から第1回動部材24に組み合わされていて、この第2回動部材31を通ってねじ込まれたねじで第1回動部材24に連結されている。こうして連結された第1回動部材24と第2回動部材31とは回転体を構成している。この回転体は、前記中心軸線Aの回りに回動可能であり、したがって、吸込み口体11を正面から視認した状態で左右方向に回動可能である。
連結部21の一対の接続腕部25間は開放されている。これとともに、連結部21の第1回動部材24と第2回動部材31にわたる後面も開放されていて、この後面の開放部分はそれより前側の接続腕部25間の開放部分の後端に連続している。
図14及び図19等に示すように第2回動部材31は、その左右両側部の内面に半円形の第2軸受部位32を有している。これら第2軸受部位32は、第1回動部材24と第2回動部材31とがねじ止めされるに伴い、対応する位置の第1軸受部位26と合わさって円形の軸受部を形成する。連結部21が有した一対の前記軸受部は、第2回動部材31が接続腕部25の下側に配設された状態で、図13等に示すように連結管22の水平な中心軸線Aより下側に位置されている。
更に、第2回動部材31にその前端部内側に突出する規制部33が一体に形成されている。この規制部33は連結部21の前縁に沿って円弧状をなして延びていて、その両端に斜めの段差からなる規制面33aを有している。これら規制面33aは、前記軸受部の前側近傍に設けられている。
図6及び図14等に示すように合成樹脂製の接続管35の前側部位35aは後側部位35cに対して曲がっている。図15に示すように前側部位35aの両側壁は互に略平行であるとともに、前側部位35aはその風路断面積が接続管35の前端開口つまり入口35b側ほど大きくなるように形成されている。接続管35の入口35bの上縁にはフランジ36が外側に一体に張り出して設けられているとともに、入口35bの下縁にもフランジ36bが外側に一体に張り出して設けられている。更に、接続管35の前側部位35aの両側壁の下部外面に、枢軸部37が夫々一体に突設されている。これら枢軸部37は短い円筒状である。
接続管35の後側部位35cは延長管7の先端部7c内側に着脱可能である。図14に示すように後側部位35cに、延長管7の先端部7cに設けられた図示しない給電端子に挿脱可能な給電ピン38が取付けられているとともに、図6及び図7等に示すように合成樹脂製のクランプ39が回動可能に取付けられている。
クランプ39は図示しないばねで付勢されていて、前記前側部位35a側の端部に押圧ボタン部39aを有しているとともに、給電ピン38側の端部にフック部39bを有している。フック部39bは、延長管7の先端部7cに設けられた図示しないフック受け部に係合して延長管7への接続管35の接続状態を維持する。このフック部39bの係合は押圧ボタン部39aが押された際に解除され、この状態で接続管35を引き動かすことにより、吸込み口体11と延長管7とが分離されるようになっている。
図4等に示すように接続管35の後側部位35cの外周に補助ブラシ41が着脱可能に取付けられている。この補助ブラシ41は、図6等に示すように接続管35の後側部位35cに嵌合された合成樹脂製の補助筒42、この補助筒42に回動自在に取付けられたブラシ体43、補助給電ピン44、及び図示しない補助給電端子等を備えている。
補助筒42の前部は接続管35の後側部位35cの外周に嵌合され、補助筒42の後部は延長管7の先端部7cの内側に着脱可能である。補助筒42の前端部はフック受け部42aを有していて、このフック受け部42aにクランプ39のフック部39bが着脱可能である。
したがって、接続管35に取付けられた補助ブラシ41のフック受け部42aにクランプ39のフック部39bを係合させることにより、補助筒42の前部は接続管35の後側部位35cの外周に嵌合した状態に保持される。この状態で補助筒42の後部を延長管7に挿入し接続することにより、この補助筒42を介して延長管7の先端部7cに接続管35が接続されている。この接続状態で、給電ピン38は図示しない補助給電端子に着脱可能に差し込み接続されるとともに、この補助給電端子に電気的に接続された補助給電ピン44が延長管7の図示しない給電端子に着脱可能に差し込み接続される。それにより、後述の清掃体駆動用の電動機72への通電が可能となっている。
補助ブラシ41は、クランプ39の押圧ボタン部39aが押された状態で、延長管7を吸込み口体11から離れる方向に動かすことによって、延長管7に保持された状態で吸込み口体11から分離でき、この状態で使用されるものである。しかし、この補助ブラシ41は省略して実施することが可能である。
接続管35は、その前側部位35aが連結部21の第1回動部材24と第2回動部材31の内側に納められた状態で、一対の枢軸部37に外側から嵌合された第1軸受部位26及び第2軸受部位32により形成された前記軸受部に支持されている。それにより、接続管35は、吸込みヘッド12に回動可能に取付けられている。これら一対の枢軸部37を通る軸線B(図15参照)は、前記軸受部の軸線をなしていて、第2回動部材31が接続腕部25の下側に配設された状態を平面視した場合に、前記中心軸線Aと直交する関係に設けられる。
この接続管35は、第2回動部材31が接続腕部25の下側に配設された状態(掃除機の標準的な使用状態)で、前記軸受部の周りに回動可能である。その回動により、図6及び図7に示した第1位置と図12及び図13に示した第2位置とにわたって上下方向に移動できる。
第1位置とは連結部21に対して接続管35が略直角となるように倒立された位置を指している。接続管35が上向きに回動されて第1位置に配設された状態では、後述するクランプ39の押圧ボタン部39aが第2回動部材31に後方から当接されるとともに、接続管35の前側部位35aが図6及び図7に示すように連結部21の連結管22の内部にその後側から挿入されるようになっている。
吸込み口体11は、接続管35を第1位置に保持する仮止め手段として保持突起51と保持凸部52を備えている。保持突起51(図15参照)は、接続管35の前側部位35aの一側壁外面に一体に突設されている。保持凸部52(図14及び図18参照)は左右の接続腕部25の内の一方の先端部に他方の接続腕部に向けて一体に突設されている。
接続管35が第2位置又は第3位置から上向きに回動されて第1位置に達する直前、及び第1位置から第2位置又は第3位置に向けて接続管35が下向きに回動された場合に、接続腕部25の弾性変形及びこの変形に基づく節度感を伴って、保持突起51は保持凸部52を乗り越え可能である。接続管35が第1位置に配置された状態で、保持突起51は保持凸部52に前側から引っ掛かって係合された状態にあり、この引っ掛かりによって接続管35が自立するように第1位置に仮止めされる。
第2位置とは、図12及び図13に示すように接続管35が連結部21に対してその後方に連続するように倒された位置を指している。接続管35が下向きに回動されて第2位置に配設された状態では、それ以上、下向きに接続管35が回動されないようにフランジ36bの下部が規制部33にその後側から当接される。これとともに、同状態では、接続管35の前側部位35aの上部が第1回動部材24のガイド部位27に対してその後方に離れて配置される。
第1位置と第2位置との間に所定の第3位置が設定されている。図10及び図11に接続管35が第3位置に配置されて吸込みヘッド12に対して斜め上向きとなった状態を示す。第3位置に接続管35が傾けられ、掃除機が標準的な状態で使用される場合において吸塵ホース6が有したハンドル8の被掃除面からの高さは、(80±10)cmである。この範囲内でのハンドル8の高さ80cmは、JISに定められた吸込み口体11の走行荷重を測定するためにハンドル8の被掃除面から高さであるので、接続管35が第3位置に配置された状態でのハンドル8の高さはJISの規定に準じている。
そして、使用者が吸込み口体11を押し引きして行われる掃除機の使用状態での殆どの場面では、被掃除面に対するハンドル8の高さは、(80±10)cmの範囲であり、こうした掃除機の使用状態を本実施形態では標準的な使用状態と称している。なお、ベッド下などを掃除する場合は、接続管35が第2位置又はその近傍に配置された状態で使用される。又、図8及び図9は接続管35が第1位置と第3位置との間に配置されて後述のシャッタ46が引き出された状態を示している。
合成樹脂製のシャッタ46は、図14及び図17に示すように略U字状に成形されていて、その両端部に夫々半円状の係合溝47を有しているとともに、後縁から裏側に折れ曲がった係合縁48を有している。シャッタ46は、その係合溝47を図7等に示すように枢軸部37に上側から嵌合させることにより、接続管35の前側部位35aに上側から被さるように取付けられている。
シャッタ46は、枢軸部37を支点として前後方向に回動可能であって、この回動により引出し位置と収容位置とにわたって移動できる。
引出し位置に配置されたシャッタ46は、図8〜図13に示すように第1回動部材24のガイド部位27とこの後方に離間された接続管35の前側部位35aの上部とにわたって設けられている。それにより、シャッタ46は、吸込みヘッド12と接続管35の前端部との間を塞いでいる。言い換えれば、ガイド部位27と前側部位35aの上部との間に上向き開口(図示しない)が形成されることをシャッタ46は防止している。更に、シャッタ46が引出し位置に配置された状態でその係合縁48は、接続管35のフランジ36の上部にその後側から係合する。
収容位置に配置されたシャッタ46は、吸込みヘッド12内、詳しくは、図6及び図7に示すように連結部21の連結管22の内部に接続管35の前側部位35aとともに後側から挿入されている。この収容位置のシャッタ46は、吸込み開口17から接続管35の入口35bに至る風路をなす連結管22の内部を狭めるように配置されている。
このシャッタ46は、接続管35が第1位置に向けて上向きに回動される場合、その前側部位35aと後側部位35cの境(前側部位35aの根元)で押されて前方向に回動可能である。これとともに、シャッタ46は、接続管35が第1位置から第2位置及び第3位置に向けて下向きに回動される場合に、係合手段により後方向に回動可能である。したがって、シャッタ46は接続管35の上下方向の回動に連動して前後方向に回動可能である。この回動の際にシャッタ46の表面はガイド面27aを摺接する。
係合手段は第1係合部55と第2係合部56とで形成されている。第1係合部55は、接続管35の前端部、具体的には、図15及び図16に示すようにフランジ36の例えば上端に一体に突設された上向きの突起からなる。図16及び図17等に示すように第2係合部56は、シャッタ46の前端部に設けられた溝からなる。この溝は、シャッタ46の前端部の前面及び下面にわたって夫々開放して形成されている。
第1係合部55と第2係合部56は、接続管35の前部とシャッタ46のうちの少なくとも一方例えば主にシャッタ46の弾性変形を伴って係脱可能である。第1係合部55と第2係合部56の係合が維持された状態で接続管35が下向きに回動されることにより、前記シャッタ46は吸込みヘッド12のガイド部位27に対してその後方に引き出される。
シャッタ46の後向き回動を所定の位置で妨げるストッパ58が、吸込みヘッド12に設けられている。詳しくは、ストッパ58は、図5及び図14等に示すように第1回動部材24の接続腕部25の夫々に互に近付くように突設された凸部で形成されている。ストッパ58は保持凸部52より前側に位置されている。これらのストッパ58にはその前側からシャッタ46の後縁が接離可能である。接続管35が第1位置から下向きに回動されて第3位置に達した際に、ストッパ58はシャッタ46を受止め、それにより、シャッタ46の後向き回動が妨げられる。
吸込みヘッド12に保持手段が設けられている。この手段は第1保持部61と第2保持部62とで形成されている。
第1保持部61は、図16及び図18に示すようにガイド部位27の前端に第1回動部材24の内部に向けて突設された小突起で形成されている。なお、第1保持部61をなす小突起は複数設けても良い。第2保持部62はシャッタ46に設けられ、例えばシャッタ46の前縁が第2保持部62として利用されている。
第1保持部61と第2保持部62は、ガイド部位27とシャッタ46のうちの少なくとも一方例えば主にシャッタ46の弾性変形を伴って係脱可能である。第1保持部61と第2保持部62の係合が維持された状態でシャッタ46は引出し位置に保持される。又、第1保持部61と第2保持部62の係合が解除されて接続管35が上向きに回動されることにより、シャッタ46は収容位置に押込まれる。
前記連結部21に対して接続管35及びシャッタ46は以下のように組み付けられる。まず、接続管35の前側部位35aにその上側からシャッタ46を被せて、このシャッタ46を枢軸部37に回動可能に支持させる。次に、連結部21の第1回動部材24の接続腕部25間にシャッタ付の接続管35の前側部位35aが位置されるように、この前側部位35aを第1回動部材24の下側から組み付けて、枢軸部37を第1軸受部位26に係合させる。最後に、前記前側部位35aを下側から覆うように第2回動部材31を第1回動部材24に組み付けるとともに、その第2軸受部位32を枢軸部37に嵌合させて、この状態を維持するために第2回動部材31を第1回動部材24にねじ止めすることにより、組み立てを完了する。
なお、この組み立ての際、前記コネクタが装着されたリード線が、接続管35の枢軸部37のうちの一方から引き出される。更に、このリード線は、第1回動部材24内の風路から外れた中空部を通って、連結管22内の風路から外れた部位を通って外部に引き出される。これとともに、前記コネクタは吸込みヘッド12内に配線されて後述するモータ制御装置73の回路基板に接続される。
図3等に示すように吸込みヘッド12の底壁に、一対の前側支持部材例えば前車輪76と、好ましくは一対の後側支持部材例えば後車輪77が取付けられている。なお、後車輪77は単一であってもよい。又、被掃除面に接する前側支持部材及び後側支持部材は、車輪以外の部材例えば起毛布やモヘヤ等であってもよく、或いは底壁に一体に突設された凸部に起毛布やモヘヤを被着してなる構成などであっても差し支えないが、車輪とすることによって、被掃除面に対する吸込みヘッド12の走行性能を向上、即ち、吸込みヘッド12を押し引きする操作性を向上できる利点がある。
前車輪76は、吸込み開口17より後側の底壁後部領域16bでかつ前記軸受部及びその軸線Bの前側であって、しかも、連結管22の前端開口22bの両側近傍に夫々回転可能に取付けられている。ここに、両側近傍とは、前端開口22bの幅方向の端、言い換えれば、吸込み開口17の後縁中央部17cの端から30mmの範囲好ましくは20mmの範囲L(図3参照)を指している。
これら前車輪76の前端部は吸込み開口17内に僅かに突出されている。これとともに、これら前車輪76の下部は底壁後部領域16bから下方に突出されていて、その突出寸法H2(図20参照)は、従来一般的な車輪の突出寸法の数倍例えば3.0mm以上〜6.0mm具体例としては3.5mmである。更に、各前車輪76の幅W1(図3参照)は従来一般的な車輪より狭く、3mm〜10mm例えば10mmである。この幅W1は絨毯を掃除する場合に、絨毯の起毛に前車輪76が沈み込み易くするために定められている。これら前車輪76の最外周は起毛された外周部材で形成されている。
後車輪77は、前車輪76より後方に位置して底壁後部領域16bに取付けられている。具体的には、部材取付け部18の後端部に夫々回転可能に取付けられている。これら後車輪77の互いの離間寸法は前車輪76の互いの離間寸法より短い。後車輪77は、前車輪76より大径で、その下部は底壁後部領域16bから下方に突出されていて、その突出寸法H3(図20参照)は3.0mm以上であるが前車輪76の突出寸法より小さい。これら後車輪77の最外周は起毛された外周部材で形成されており、この外周部材が巻かれた部分の幅W3(図3参照)の大きさは、前車輪76の外周部材が巻かれた部分の幅と略同じである。更に、図20に示すように後車輪77の略真上に、軸線Bを有した枢軸部37及びこれを支持した前記軸受部が位置されている。
以上のように底壁後部領域16bに配設された前後合計4個の車輪によって被掃除面上に吸込み口体11を支持することが可能である。これとともに、これら前車輪76及び後車輪77は、連結管22又は接続管35の真下から吸込みヘッド12の幅方向にずれた位置に配設されている。そのため、車輪取付け部と連結管22又は接続管35とが上下方向に干渉しないことに伴い、こうした干渉を避けるためのスペースを吸込みヘッド12が要しないので、この吸込みヘッド12を上下方向に厚く形成する必要がなく、したがって、吸込み口体11の厚み方向にコンパクト化とそれに伴う軽量化をする上で有利である。
なお、図3及び図20中符号78は床面接触部材を示している。床面接触部材78は、底壁前部領域16aの前端部位16afと側方部位16asとがなす角部に夫々取付けられている。この床面接触部材78は、吸込み口体11を前方へ押し動かす際、吸込みヘッド12が前のめりになることを更に抑制し、吸込み口体11をより安定させて前進させるために設けられているが、省略することも可能である。
又、吸込みヘッド12の底壁に床面種別検知体として検知ローラ79が上下動可能に取付けられている。この検知ローラ79は、被掃除面が絨毯である場合、この絨毯の毛を押し退けて沈み込むように底壁下面から大きく突出され、又、被掃除面が畳又はフローリングである場合、この被掃除面で押し上げられる。そのため、こうした検知ローラ79の動きに連動する図示しない床面検知スイッチにより床面の種別が検知されるとともに、この検知情報にしたがって後述のモータ制御装置73が、後述の電動機72の回転を、検知された被掃除面に適合する速度に制御するようになっている。モータ制御装置73は、回路基板に複数の回路部品を搭載してなり、電動機72の回転を制御するために設けられている。
図3及び図6等に示すように吸込みヘッド12の前部内側に回転清掃体71が回転自在に取付けられている。この回転清掃体71の下部は吸込み開口17に入り込んでいる。この回転清掃体71の下方への突出寸法H4(図20参照)は、前車輪76の突出寸法H1及び後車輪77の突出寸法H3より短く、このことと回転清掃体71の清掃部材は可撓変形が容易であるため、回転清掃体71は被掃除面に対する吸込み口体11の支持部材として機能するものではない。
吸込みヘッド12の後部内側は回転清掃体71が収められた部位から隔離されており、この後部に図5に示すように電動機72とモータ制御装置73が内蔵されている。電動機72とモータ制御装置73は連結部21の左右両側に振り分けて配設されている。
図3に示すように電動機72は、一対の前側支持部材である前車輪76と後側支持部材である後車輪77との間に配設されている。比較的重量がある電動機72を以上のように配置したことによって、各種の部品が取付けられた吸込みヘッド12の重心が、前車輪76と後車輪77との間に位置されることに伴い、吸込み口体11の被掃除面上での移動(走行)を安定させることができる。これとともに、吸込み口体11の走行安定性を確保するために、前車輪76と後車輪77とを前後方向に大きく隔てて底壁後部領域16bに取付けることを要さないので、吸込みヘッド12の前後方向のコンパクト化とそれに伴う軽量化を促進できる利点がある。
回転清掃体71を回転駆動させるために、電動機72と回転清掃体71とは伝動機構74(図5参照)を介して接続されている。したがって、電動機72及び伝動機構74は、回転清掃体71を回転駆動する駆動装置をなしている。
伝動機構74は、例えばベルト式のものであって、電動機72の回転軸に固定された駆動歯車と回転清掃体71が有した軸部の一端部に固定された従動歯車と、これら両歯車に巻き掛けられた歯付きベルトからなる。
この伝動機構74での駆動歯車の歯の数は10であるとともに従動歯車の歯の数は30に設定されている。このため、ギヤ比が3.0と従来のギヤ比2.5より大きく、それに応じて回転清掃体71の回転トルクが高められていることに伴い、電動機72に高トルクのモータを採用することに代えて、細径で軸長が比較的長い電動機72が使用されている。それにより、電動機72の軽量化、並びに吸込みヘッド12の厚み方向にコンパクト化とそれに伴う軽量化を促進できるので、吸込み口体11の小型軽量化が可能である。しかも、前記ギヤ比を得るために歯車列を用いて二段減速をする工夫を要さないので、二段減速をする歯車列を用いた構成に比較して伝動機構74の構成の単純化、及びそれに伴う軽量化なども促進することが可能である。
掃除の際、電動送風機4の運転により生じる吸込み力は吸込み口体11内に波及し、吸込み開口17を通って被掃除面上の含塵空気が吸込み口体11に吸込まれる。これとともに、掃除の際、ハンドル8を握った使用者により延長管7を介して吸込み口体11が前後方向に押し引きされるとともに、運転された電動機72の動力で回転清掃体71が回転される。このため、回転清掃体71により絨毯等の被掃除面の塵を掻き出しながら、この塵を空気と共に吸込み口体11に吸込んで掃除することができる。
電気掃除機1は、吸込み口体11内の真空度が従来と比較して数倍高くなる構成であるので、その高い真空圧によって、絨毯を掃除するときは、吸込み開口17が絨毯に吸付き易い。この場合、吸込みヘッド12の底壁と絨毯との間の真空度は、吸込み開口17の後縁中央部17cの周りが最も高く、この後縁中央部17cから各方向に離れるほど次第に低くなる。そのため、後縁中央部17cを中心として吸込みヘッド12は絨毯に吸付けられる。この場合、一対の前車輪76は、後縁中央部17cの両側近傍に夫々配設されているので、絨毯に深く入り込み易い。しかも、前車輪76の幅W1が狭いので、より容易に前車輪76が絨毯に深く入り込み易い。
それによって、吸込みヘッド12の底壁が絨毯に深く入り込んだ状態となり、それに応じて絨毯の起毛の根元に吸込み開口17がより近付けられる。更に、底壁後部領域16bに対する既述の底壁前部領域16aの高さ位置の関係により、被掃除面に対して吸込み開口17の前端部位16afは底壁後部領域16bよりも離間しているので、吸込みヘッド12が前方へ押し動かされるに伴って絨毯の起毛が前端部位16afを通って吸込み開口17に入り込み易い。
したがって、起毛の根元などの奥深くに入り込んでいる砂などの塵を容易かつ確実に吸込んで掃除することが可能である。これとともに、既述のように吸込み開口17に入り込んだ絨毯の毛が回転清掃体71に接し易いので、回転清掃体による塵の掻き出し性能が向上される。
又、前記構成の吸込み口体11は既述のように吸込みヘッド12が絨毯に吸付き易いにも拘らず、絨毯に沿って前方に軽く押し動かすことが可能である。
即ち、接続管35の枢軸部37が後車輪77の略真上に位置されていて同位置で軸受部に支持されているとともに、枢軸部37及び軸受部が連結管22の中心軸線Aより下側に位置されている。これにより、延長管7を経由して接続管35を加えられる力は、前車輪76と後車輪77間に斜め前下向きに作用するので、高い位置で斜め前下向きの力が加えられた場合のように前車輪76の前方に前記力が作用することがなく、前記斜め前下向きの力を一対の前車輪76と後車輪77で受けることができる。それに伴い、吸込みヘッド12が前のめりになることがない。これとともに、以上のように作用する力を分解したときの前向きの分力を、後車輪77に近い位置で吸込みヘッド12に作用させることができる。更に、前車輪76の幅W1及び後車輪77の幅W3は狭く絨毯に対する走行抵抗が小さい。
したがって、これらの理由によって、吸込みヘッド12が絨毯に深めに入り込むにも拘らず、軽い力で吸込み口体11を前方に押し動かすことができるので、操作性がよい。
なお、吸込み口体11を後方に引き戻す場合は、吸込みヘッド12が斜め後上向きに引張られることに伴いこの吸込みヘッド12の後部が絨毯から離れ易く、これら吸込みヘッド12と絨毯との間の真空度が低下するので、軽く引き戻すことができる。更に、底壁前部領域16aの前端部位16afにより吸込みヘッド12の前端の下側が開放されているので、この開放部を通して吸込みヘッド12の前方の塵を吸込むことも可能である。
又、前記吸込み口体11を用いて畳やフローリングを掃除する場合、吸込みヘッド12の底壁(フローリング対向面)は、一対の前車輪76及び後車輪77の突出高さに応じて畳やフローリングから離間される。この場合、3.0mm以上の離間距離がフローリング等と吸込みヘッド12の底壁との間に確保される。
それにより、フローリング等と吸込みヘッド12の底壁との間の隙間を通って吸込み開口17に吸込まれる含塵気流の流速を下げて、前記隙間を通る気流を原因とする騒音を低くできる。したがって、吸込み口体11内の真空度が従来と比較して数倍高い構成の電気掃除機1であるにも拘らず、フローリング等を静かに掃除することが可能である。そして、以上のように流速が低下しても、フローリング上の塵は単に載っているものが多く、その付着性が小さいので、既述の隙間が大きくなっても十分に吸込むことが可能である。
図6及び図7は電気掃除機1が格納された場合等における吸込み口体11の状態を示している。この状態では、接続管35が吸込みヘッド12に対して略90の角度をなして上向きに起立している。この場合、仮止め手段の保持突起51が保持凸部52に前側から引っ掛かっていて、接続管35は第1位置に仮止めされているので、この接続管35が第1位置から後方に倒れて下向きに回動することは防止されている。更に、図6及び図7に示した状態では、接続管35の前側部位35aが斜め前下向きとなって、連結部21の連結管22の内部(風路)に挿入されている。これとともに、シャッタ46は前側部位35aの根元で押されて連結部21の連結管22の内部に配置されていて、前側部位35aの第1係合部55とシャッタ46の第2係合部56とが引っ掛かって係合された状態にある。
電気掃除機1が格納された状態では電動送風機4は運転されないので、既述の位置に配設された接続管35の前側部位35a及びシャッタ46で連結管22内風路が狭められているにも拘らず、過大な騒音発生やシャッタ46への塵の引っ掛かりなどの問題は発生しない。なお、図6及び図7に示した状態、又はこの状態から接続管35を伴って第1回動部材24及び第2回動部材31からなる回転体を左方向又は右方向に回動させた状態で、電気掃除機1が使用されることがあるが、これは例外的な使用形態である。したがって、連結管22内風路が狭められていることによる既述の問題が起きることは例外的である。
電気掃除機1を標準的な状態で使用する場合、吸込み口体11の接続管35を、延長管7とともに吸込みヘッド12に対して、第1位置から後方に倒して、図10及び図12に示す第3位置と図13及び図14に示す第2位置との間に斜めに配設して使用される。
こうした使用状態とする際の初期の挙動は次の通りである。即ち、既述のように係合手段をなした第1係合部55と第2係合部56が係合された状態で、接続管35が第1位置から第3位置に向けて下向きに回動され、この接続管35の下向き回動にシャッタ46の後向き回動が連動される。これにより、シャッタ46は、ガイド部位27のガイド面27aを摺動しつつ、第1回動部材24が有した一対の接続腕部25間を閉じるようにガイド部位27に対して後向きに引き出される。こうしてシャッタ46が引き出された状態を図8及び図9に示す。
下向きに回動された接続管35が第3位置に達した時点で、接続腕部25が有したストッパ58がシャッタ46の後縁を受け止めるので、シャッタ46の後向き回動が妨げられる。つまり、シャッタ46の所定の引き出しが完了する。これと同時に、シャッタ46の前縁からなる第2保持部62がガイド部位27の第1保持部61にその後側から引っ掛かる。こうした係合により、シャッタ46は、その前後から第1保持部61とストッパ58とで挟まれた状態となって、引き出し位置に保持される。
更に、接続管35は下向きの回動を継続し第3位置を越えて第2位置に向けて回動される。それに伴い、接続管35の下向きの回動に対するシャッタ46の後向き回動の連動が解除される。即ち、節度感を伴って係合手段の第1係合部55が第2係合部56から外れるので、シャッタ46がストッパ58で受け止められたままの状態に置き去られる一方で、接続管35は継続して下向きに回動される。係合手段の係合が外れた直後の状態を図10及び図11に示す。この状態では、接続管35の入口35bは略真正面を向いている。
前記係合手段での係合解除に伴い、接続管35の前側部位35aの上部は、シャッタ46の裏面に沿って後方向に移動される。これにより、前側部位35aの上部は、シャッタ46の後縁に対して前側部位35aの上部が連続するように後方に引き出される。
接続管35の下向き回動に伴い、この接続管35が例えば最大に倒されて第2位置に接続管35が達した状態を示した図12及び図13で代表するように、接続管35が第3位置と第2位置との間に配設された状態では、接続管35の前側部位35aの上部がガイド部位27の後方に離れることに伴い、吸込みヘッド12と接続管35の前端部との間は上向きに開口される。しかしながら、この開口が形成される位置には既にシャッタ46が引き出されているので、このシャッタ46によって前記上向きの開口が閉じられて、言い換えれば、前記上向きの開口が形成されることが防止されて、掃除中前記開口を通じて外気が吸込まれないようにできる。
掃除機の標準的な使用状態で接続管35は第2位置と第3位置との間に傾けられるので、接続管35が第3位置を超えて第1位置に向けて上向きに回動されない限り、シャッタ46が前方へ押し動かされることはない。したがって、既述の外気の吸込みを防止しつつ掃除を行うことができる。
こうした標準的な使用状態で、シャッタ46及び接続管35の前側部位35aは、図10〜図13に示すように連結管22の後側に外れていて、連結管22内風路を狭めることがないように配置されている。しかも、シャッタ46は保持手段によって前方向への回動を制限された状態にある。このため、接続管35のフランジ36とシャッタ46との摩擦で、シャッタ46が前方向に回動されて連結管22の内部に入り込むことを防止できる。
更に、吸込み口体11内の真空度が従来と比較して数倍高い構成の電気掃除機1であるにも拘らず、その高い真空圧によって、シャッタ46が前方向に回動され連結管22内に引き込まれることを防止できる。
したがって、吸込み開口17から接続管35の入口35bに至る含塵気流がシャッタ46で過大に乱されて大きな騒音を生じることが抑制されるとともに、前記含塵気流中の塵がシャッタ46に引っ掛かることも抑制できる。即ち、前記構成の吸込み口体11はその内部での塵詰まりを抑制しつつ低騒音で使用できる。なお、何らかの原因でシャッタ46が連結管22内に入り込むことがあったとしても、このシャッタ46の前縁が第2回動部材31の規制面33aに当たるので、シャッタ46はそれ以上前側に回動されることがない。
次に、掃除後に吸塵を停止した状態で、延長管7とともに吸込み口体11を格納する手順を説明する。この場合、第2位置と第3位置との間で斜めになっている接続管35を、これが接続されている延長管7とともに第1位置に向けて上向きに回動させればよい。
詳しくは、まず、図12及び図13に示した状態、又は図10及び図11に示した状態から接続管35を、第2位置を越えて第1位置に向けて上向きに回動させる。これに伴い、接続管35が第3位置を越えると同時に、この接続管35とシャッタ46とが係合手段で係合される。つまり、接続管35の上向き回動に伴いシャッタ46の裏面に沿って前側に移動された第1係合部55が、接続管35が第3位置を越えると同時に、シャッタ46の第2係合部56内に入り込んで係合する。
この直後に、接続管35の前側部位35aの根元がシャッタ46の後縁に当たってシャッタ46を前側に押すので、シャッタ46はストッパ58から前側に離される。これとともに、以上のように接続管35がシャッタ46を前方に押す力によって保持手段によるシャッタ46の保持が解除される。つまり、吸込みヘッド12の第1保持部61からシャッタ46の第2保持部62が節度感を伴って外されて、シャッタ46の前側に回動することが許される。
そのため、第2位置を越えた接続管35の上向き回動に連動してシャッタ46が前側に回動される。それにより、シャッタ46が接続管35の前側部位35aの上部とともに、連結部21の連結管22の内部に挿入されながら接続管35が第1位置に達する。このとき、節度感を伴って接続管35の保持突起51が連結部21の保持凸部52を乗り越えてこの保持凸部52に係合されるので、図6及び図7に示すように第1位置に回動された接続管35は保持手段により仮止めされる。そして、こうした状態で吸込み口体11は延長管7とともに格納される。
以上説明した実施形態によれば、絨毯に深く入り込んだ砂などの塵を掃除するのに好適で、絨毯の掃除でも軽い力で楽に押し引き操作ができるとともに、コンパクトで軽量化を図ることが可能であり、しかも、接続管35の前端部と吸込みヘッド12との間の上向きの開口を閉じるシャッタ46を原因として、掃除中に、吸込みヘッド12内の風路(正確には連結部21の連結管22の内部)が狭められることを抑制しつつ、過大な騒音発生及びシャッタ46への塵の引っ掛かりを抑制可能な吸込み口体11及びこれを備えた電気掃除機1を提供できる。