JP4958572B2 - 掃除機用吸込具および電気掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、掃除機用吸込具および電気掃除機に関するものである。
従来の掃除機用吸込具は、電動機等で回転駆動される1本の回転ブラシを備え、その回転ブラシの外周長手方向に設けた清掃片で、被掃除面の塵埃を掻き上げるようにしていた。しかしながら、回転ブラシが1本だけでは、十分被掃除面を清掃できないため、回転ブラシを2本平行に備えたものが発明された。ところが2本の回転ブラシのそれぞれを回転させるために電動機を2個用いると、掃除機用吸込具が重くなり、掃除機用吸込具の操作性が悪くなるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示された掃除機用吸込具50では、図11に示すように、電動機51で回転駆動されるとともに外周に清掃片52を設けた第1の回転ブラシ53と、同じく外周に清掃片54を設けた第2の回転ブラシ55とが平行に設けられ、清掃片52と清掃片54同士をオーバーラップさせて第1の回転ブラシ53の回転力を第2の回転ブラシ55に伝達して第2の回転ブラシ55を回転させるようにしている。
また、特許文献2に開示された掃除機用吸込具60では、図12に示すように、回転方向および回転数を異にする複数個の回転ブラシ61、62が被掃除面に平行に配設され、回転ブラシ61、62のブレード61b、62bが回転棒61a、62aに捻って取り付けられている。そして、この掃除機用吸込具60では、第1の回転ブラシ61の一端が、ギア63および、プーリ64、ベルト65およびプーリ66よりなる伝達機構を介して電動機68に接続されており、他端の回転軸端61cが軸受69により支承されている。また、第2の回転ブラシ62は、一端がギア70を介してギア63に螺合し、他端の回転軸端62cが軸受69に支承されている。そして、このように構成された掃除機用吸込具60の第1および第2の回転ブラシ61、62は、ギア63、70を介して互いに反対方向に回転されるようになっている。
特開2003−125991号公報 特開平5−111449号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された掃除機用吸込具50の構成では、清掃片52、54同士をオーバーラップさせて第1の回転ブラシ53の回転力を第2の回転ブラシ55に伝達して第2の回転ブラシ55を回転させているため、特に、被掃除面が絨毯などの場合、清掃片54が絨毯に食い込みやすくなって第2の回転ブラシ55が回転しにくくなり、連続的な回転が得られず、掃除性能を十分発揮できないという問題があった。
また、清掃片54が絨毯に食い込むことにより、第2の回転ブラシ55に大きな負荷が加わるため、それを回転駆動する第1の回転ブラシ53の回転力が低下したり、第1の回転ブラシ53を回転駆動する電動機51にも過大な負荷が加わり、電動機51が異常に発熱したり、焼損するなどの課題があった。
また、上記特許文献2に記載された掃除機用吸込具60の構成では、第1および第2の回転ブラシ61、62は、ギア63、70を介して互いに反対方向に回転されており、連続的な回転は得られるが、被掃除面が絨毯などの場合に、ブレード61b、62bが絨毯に食い込みやすくなって回転しにくくなるため、ギア63、70や軸受69に過大な負荷が加わり、損耗等により機械的故障を引き起こしやすいなどの問題があった。特に、掃除機用吸込具60の場合には、第1および第2の回転ブラシ61、62のブレード61b、62bが回転棒61a、62aに捻って形成されているため、ギア63、70や軸受69に軸方向の負荷も加わり、被掃除面の変化によってこの軸方向の負荷が変化するため、より機械的故障を引き起こしやすくなっている。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、第1の回転ブラシを回転駆動する際に、第2の回転ブラシを連続的に円滑に回転駆動させ、進退移動時の走行性能と塵埃除去性能に優れた掃除機用吸込具および電気掃除機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る掃除機用吸込具は、底面に吸込開口部が形成され、被掃除面上を進退動される吸込具本体と、前記開口部内に回転自在に、軸芯が前記吸込具本体の進退方向に垂直に軸支され、周面の長手方向に沿って複数条の第1の清掃片を有する第1の回転ブラシと、前記第1の回転ブラシを回転駆動する駆動源と、前記開口部内に回転自在に、前記第1の回転ブラシと平行に軸支され、周面の長手方向に複数条の第2の清掃片を有する第2の回転ブラシとを備え、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成されるとともに、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片と逆形状の、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成され、前記第1の回転ブラシの一端側と前記第2の回転ブラシの一端側を所定の間隔を隔てて回転自在に保持する連結支持材と、前記第1の回転ブラシの他端側と前記第2の回転ブラシの他端側を所定の間隔を隔てて回転自在に保持する軸心保持材とで前記吸込具本体に着脱自在に固定され、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴い、前記第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされて、前記第1の清掃片によって回転方向の背面側から押圧されることにより、前記第2の回転ブラシが前記第1の回転ブラシにより円滑に回転駆動されることを特徴とするものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴って、第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされ、背面側から押圧されることにより、第1の回転ブラシの回転に伴い円滑に回転駆動され、進退移動時の走行性能と塵埃除去性能に優れたものとすることができる。
しかも、第2の回転ブラシの回転に、ギアを介さずに、第1の回転ブラシの回転力を利用しているため、被掃除面が絨毯などの場合に、第2の回転ブラシが回転しにくくなっても、第2の回転ブラシを軸支する部分に過大な負荷が加わることもなく、機械的故障を引き起こすこともない。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成された第1の清掃片を有する第1の回転ブラシが回転駆動される際に、同じく長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に(第1の清掃片とは逆方向の形状)に形成された第2の清掃片を有する第2の回転ブラシが、この複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされ、背面側から押圧されて、第1の回転ブラシとは逆方向に円滑に回転駆動されることになる。したがって、連続的で円滑な第1および第2の回転ブラシの回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に除塵することができ、このことによって掃除機用吸込具の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片および前記第2の回転ブラシの第2の清掃片において、回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状が、前記第1の回転ブラシおよび前記第2の回転ブラシの長手方向の中間点を挟んで左右対称であることを特徴とするものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1の回転ブラシおよび第2の回転ブラシの軸方向に加わる荷重(スラスト荷重)の変動をなくし、軸方向の荷重バランスに変化を生じることがない。したがって、掃除機用吸込具の塵埃除去性能とともに走行性能をも向上させることができる。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1または2のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状または略U字状に形成されるとともに、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片と逆形状の略V字状または略U字状に形成され、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴い、前記第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされて、前記第1の清掃片によって回転方向の背面側から押圧されることにより、前記第2の回転ブラシが前記第1の回転ブラシにより円滑に回転駆動されることを特徴とするものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、略V字状または略U字状に形成された第1の清掃片を有する第1の回転ブラシが回転駆動される際に、同じく略V字状または略U字状(第1の清掃片とは逆方向の略V字状または略U字状)に形成された第2の清掃片を有する第2の回転ブラシが、この複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされ、背面側から押圧されて、第1の回転ブラシとは逆方向に円滑に回転駆動されることになる。したがって、連続的で円滑な第1および第2の回転ブラシの回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に除塵することができ、このことによって掃除機用吸込具の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、長手方向の一端側から他端側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略螺旋状に形成されるとともに、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片と逆形状の略螺旋状に形成され、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴い、前記第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされて、前記第1の清掃片によって回転方向の背面側から押圧されることにより、前記第2の回転ブラシが前記第1の回転ブラシにより円滑に回転駆動されることを特徴とするものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、略螺旋状に形成された第1の清掃片を有する第1の回転ブラシが回転駆動される際に、同じく略螺旋状(第1の清掃片とは逆方向の略螺旋状)に形成された第2の清掃片を有する第2の回転ブラシが、この複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされ、背面側から押圧されて、第1の回転ブラシとは逆方向に円滑に回転駆動されることになる。したがって、連続的で円滑な第1および第2の回転ブラシの回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に除塵することができ、このことによって掃除機用吸込具の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシが、管状または棒状の軸芯材を備え、前記軸芯材の外周面から外方に突出する複数のリブ条部が設けられ、2つの隣り合うリブ条部を1対として、その互いに対向する面に他方側に向けて突出する鍔条部が形成され、前記第1の清掃片の基端部が、隣り合う一対のリブ条部と鍔状部との間に形成された空間内に挿着されているものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1の清掃片は、基端部が装着空間内に挿入されることで、簡単に第1の回転ブラシの軸芯材に組み付けられ、また、交換が必要な時には、この装着空間内から抜き出されることで、簡単に軸芯材から取り外される。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシの対をなすリブ条部のうち、回転方向に対して背面側に位置するリブ条部の鍔条部に、外方に向けて突出して前記第1の清掃片を背面側から支持する支持条部が形成されているものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1の清掃片は、回転駆動される際に、背面側から支持条部により支持され、背面側に撓むのが抑制され、効果的に被掃除面上の塵埃を掻き上げるとともに、掃除機用吸込具を前進する回転力を被掃除面に作用させて自走性を向上させることができる。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、前記第2の回転ブラシが、管状または棒状の軸芯材を備え、前記軸芯材の外周面から外方に突出する複数のリブ条部が設けられ、2つの隣り合うリブ条部を1対として、その互いに対向する面に他方側に向けて突出する鍔条部が形成され、前記第2の清掃片の基端部が、隣り合う一対のリブ条部と鍔状部との間に形成された空間内に挿着されているものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第2の清掃片は、基端部が装着空間内に挿入されることで、簡単に第2の回転ブラシの軸芯材に組み付けられ、また、交換が必要な時には、この装着空間内から抜き出されることで、簡単に軸芯材から取り外される。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、前記第2の回転ブラシの前記第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの前記複数条の繊維状部、あるいは前記鍔条部が形成されていない面同士が対向して隣り合う前記リブ条部の間に噛み合わされるものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片(リブ条部)の間には、鍔条部が形成されていないため、第2の清掃片を確実に第1の回転ブラシの複数条の繊維状部、あるいは前記鍔条部が形成されていないリブ条部の間に噛み合わせることができる。
本発明の請求項に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、回転駆動された時における前記第2の清掃片と被掃除面との接触抵抗が、前記第1の清掃片と被掃除面との接触抵抗より小さく設定されるものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第2の回転ブラシに加わる負荷が減り、それにより第2の回転ブラシを回転駆動する第1の回転ブラシに加わる負荷も減り、第1および第2の回転ブラシが効率よく回転し、塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
本発明の請求項10に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片および前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、それぞれ基端部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部を備えて構成されるものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1および第2の回転ブラシが回転駆動された際に、第1および第2の清掃片に備えられた繊維状部により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間に弾き飛ばし、掻き上げて、確実に除塵することができる。
本発明の請求項11に係る掃除機用吸込具は、上記請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具において、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、基端部から延出されたブレード状部を備えて構成されるとともに、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、基端部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部を備えて構成されるものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1および第2の回転ブラシが回転駆動された際に、第1の清掃片に備えられたブレード状部と第2の清掃片に備えられた繊維状部とにより、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間に弾き飛ばし、掻き上げて、確実に除塵することができる。また、第1の清掃片のブレード部は、第2の清掃片の繊維状部より撓みにくいため、掃除機用吸込具の前方方向への自走性を高めることができる。
本発明の請求項12に係る掃除機用吸込具は、上記請求項10または11に記載の掃除機用吸込具において、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片を構成する繊維状部が、第2の回転ブラシの長手方向に沿って間引かれ、複数の繊維束として断続的に形成されるものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第2の回転ブラシが柔軟に撓むことができるので、第2の回転ブラシに加わる負荷が減り、それにより第2の回転ブラシを回転駆動する第1の回転ブラシに加わる負荷も減り、第1および第2の回転ブラシが効率よく回転し、塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
本発明の請求項13に係る掃除機用吸込具は、上記請求項12に記載の掃除機用吸込具において、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片の繊維状部に断続的に起毛される複数の繊維束が、複数条の第2の清掃片において互いに重複しながらそれぞれの起毛位置がずらされ、全体として第2の回転ブラシの長手方向の全幅域をカバーしているものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、第1および第2の回転ブラシの回転により、被掃除面上の塵埃を第1および第2の回転ブラシの長手方向の全幅域において漏らさず、効率的に掻き上げることができるので、塵埃除去性能を向上させることができる。
本発明に係る電気掃除機は、電動送風機と、上記請求項1〜1のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具を備えたものである。
このように構成した掃除機用吸込具によれば、走行性能と塵埃除去性能に優れた掃除機用吸込具を用いることにより、操作性、掃除性能に優れた電気掃除機を提供することができる。
本発明の掃除機用吸込具および電気掃除機は、第1の回転ブラシを回転駆動する際に、第2の回転ブラシを連続的に円滑に回転駆動させ、進退移動時の走行性能と塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る掃除機用吸込具15について、図1〜図9を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体斜視図である。
本発明の電気掃除機は、図1に示すように、掃除機本体1の後方部に、電動送風機2を内蔵した電動送風機室3が配され、掃除機本体1の前方部に、吸引された塵埃を捕集する集塵袋(図示せず)を着脱自在に収納するとともに、電動送風機2の吸引側開口と連通する集塵室4が配されている。掃除機本体1の後方下部の左右両側に、1対の走行用車輪5が水平に配された走行軸に対して回転自在に取り付けられ、また、掃除機本体1の前方下部に、同じく走行用のキャスター6が垂直な軸心周りに回動自在に、且つ水平に配された走行軸に対して回転自在に取り付けられている。掃除機本体1の前面には、吸引ホース10の一端に設けられた接続ジョイント部11が着脱自在に接続されるとともに、集塵室4に連通する吸気口7が設けられている。
吸引ホース10の他端には、操作者が掃除の際に把持するとともに、掃除機本体1の運転を操作するための操作部14aを有する把手14を備えた先端ジョイント部12が設けられている。この吸引ホース10の先端ジョイント部12に、伸縮自在あるいは継ぎ自在に構成された延長管13の手元側の一端が着脱自在に接続され、さらに、その延長管13の先端側の他端が、本実施の形態1の掃除機用吸込具15に着脱自在に接続される。
掃除機本体1の前部から両側にかけての表面に、弾性材料からなるバンパー8が延設されており、掃除機本体1の走行時に、掃除機本体1が家具、柱などに衝突してもそれらに傷を付けないようにしている。掃除機本体1の後部上面に起伏可能に設けられた本体ハンドル9は、掃除機本体1を持ち運ぶ際に把持されるものである。
次に、本実施の形態1における掃除機用吸込具15の詳細な構成について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の外観斜視図であり、図3は、この掃除機用吸込具の底面側から見た斜視図であり、また、図4は、この掃除機用吸込具の下ケースを外し、底面側から見た平面図であり、図5は、この掃除機用吸込具の断面図(吸込具本体の左方側から見た状態)である。なお、図2以降の図において、掃除機用吸込具15の走行方向について、把手14を掴んだ操作者が掃除機用吸込具15を押し進める(前進させる)方向を前方(図2において左下方向)といい、操作者が掃除機用吸込具15を引き戻す(後退させる)方向を後方(図2において右上方向)という。また、掃除機用吸込具15を前進させる方向に向かって右側を右方(図2において左上方向)、左側を左方(図2において右下方向)という。
図2に示すように、掃除機用吸込具15の本体ケース17は、上ケース17aと、底面に開口部18を有する下ケース17bから構成され、上ケース17aの後方中央部には、接続管19が傾動自在に取着され、延長管13の先端がこの接続管19の開口端に着脱自在に嵌合固定される。また、下ケース17bの外周面には、ウレタン系樹脂などの弾性材料からなるノズルバンパー20が設けられており、家具(図示せず)などに当たったときの衝撃を和らげる機能を果たしている。
また、図3に示すように、下ケース17bの底面には、その中央左右端近傍に走行用の前輪21が1対、後方左右端近傍に走行用の後輪22が1対、それぞれ回転自在に取着されている。また、開口部18の後方中央に起伏安全スイッチ23が起伏可能に取着され、この起伏安全スイッチ23が被掃除面に接触し、その取着されている凹部内に倒れこんだ状態で、操作者が操作部14aを操作したときに、掃除機本体1の後述の第1および第2の回転ブラシ30、35が回転し、また、この起伏安全スイッチ23が被掃除面から離れて凹部内から起立した状態では、操作者が操作部14aを操作しても、第1および第2の回転ブラシ30、35が回転しないように構成されている。
掃除機用吸込具15の前部には、図4および図5に示すように、開口部18から掃除機用吸込具15の上方に向けて回転ブラシ収容空間としての回転ブラシ収容空間18aが形成され、この回転ブラシ収容空間18aの後方側は接続管19に連通している。そして、この回転ブラシ収容空間18a内の前方側に第1の回転ブラシ30が、後方側に第1の回転ブラシ30と平行に第2の回転ブラシ35が収容され、それぞれ掃除機用吸込具15に対して回転自在に、掃除機用吸込具15の進退方向に対して垂直に軸支されている。また、掃除機用吸込具15の回転ブラシ収容空間18aの後方側には、第1の回転ブラシ30を正転方向、すなわち掃除機用吸込具15を前進させる方向に第1の回転ブラシ30を回転駆動する駆動源としての電動機24が収納されている。
さらに、図4に示すように、第1の回転ブラシ30の一端側(左方端部)には外周面に凹凸が形成されたプーリ26が固着され、第2の回転ブラシ35の一端側(左方端部)には軸芯保持材27aが固着されている。そして、プーリ26の左端側に突出した図示しない回転軸を回転可能に支持するように取り付けられた連結支持材28が、第2の回転ブラシ35側の軸受部28aで第2の回転ブラシ35に固着された軸芯保持材27aを回転可能に支持し、第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35とがこの連結支持材28によって所定の間隔を隔てて、回転自在に保持された状態で吸込具本体16の上ケース17aの左端側の適所に固定されている。また、第1の回転ブラシ30の他端側(右方端部)および第2の回転ブラシ35の他端側(右方端部)にはそれぞれ軸芯保持材27b、27cが固着され、これらの軸芯保持材27b、27cが連結軸受材29を介して所定の間隔を隔てて、回転自在に保持された状態で吸込具本体16の上ケース17aの右端側の適所に固定されている。
そして、電動機24のシャフト24aに固着されたプーリ24bと、第1の回転ブラシ30の端部に固着されたプーリ26との間に張架されたベルト25を介して、電動機24(シャフト24a)の回転が第1の回転ブラシ30に伝達されるように構成されている。
次に、本実施の形態1における第1および第2の回転ブラシ30、35の詳細な構成について、図6および図7を用いて説明する。図6は、この掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの斜視図(吸込具本体から取り外し、底面側から見た状態)であり、図7は、本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの拡大断面図(吸込具本体の左方側から見た状態で、図の下方向が底面側)である。なお、図6以降の図において、矢印は、第1および第2の回転ブラシ30、35の回転方向を示している。
本実施の形態1においては、図3、図4および図6に示すように、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が、長手方向(軸心方向)の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状に形成されるとともに、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、第1の清掃片31と逆形状の略V字状に形成されている。そして、後で詳しく説明するように、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ30における複数条の第1の清掃片31あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされ、第1の清掃片31によって回転方向の背面側から押圧されることにより、第1の回転ブラシ30により円滑に回転駆動される。しかも、第2の回転ブラシ35の回転が、ギアなどを介さずに、第1の回転ブラシ30の回転力を利用して行われるため、被掃除面が絨毯などの場合に、第2の回転ブラシ35が回転しにくくなっても、第2の回転ブラシ35を支持する連結支持材28の軸受部28aや連結軸受材29など部分に過大な負荷が加わることもなく、これらの部分で機械的故障を引き起こすこともない。
さらに、本実施の形態1においては、第1の清掃片31ならびに第2の清掃片36における略V字形状が、それぞれ第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の長手方向の中間点を挟んで左右対称となるように構成されている。すなわち、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の中間点に略V字形状の頂点が位置している。そして、この略V字形状の頂点から、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の端部側に移行するにしたがって前進角側に変位する第1の清掃片31および第2の清掃片36の配列線を平面上に展開したときに、この配列線がほぼ直線状となっている。このように第1の清掃片31ならびに第2の清掃片36を構成することによって、軸方向(スラスト方向)の荷重バランスが崩れることなく、軸受部(連結支持材28の軸受部28aや連結軸受材29の軸受部)への負荷を軽減させることができ、より軽量な材料で軸受部および延いては掃除機用吸込具15を構成することができる。さらに、掃除機用吸込具15の走行性能を向上させることができる。
ここで、本実施の形態1の第1および第2の回転ブラシ30、35において、第1および第2の清掃片31、36の略V字形状の頂点は、図6に示すように、それぞれの両端が配される円周上の位置より回転方向に対して約90°後退した位置に設定されている。
第1の回転ブラシ30は、掃除機用吸込具15の進退方向に対して垂直な方向に長く、開口部18の左右幅寸法とほぼ同じ長さに設定された円管状の軸芯材32と、この軸芯材32とほぼ同じ長さに設定され、軸芯材32に挿着される複数条(本実施の形態1においては3条)の第1の清掃片31とを備えている。
軸芯材32には、その長手方向に沿って、図7に示すように、その外周面から外方に突出する複数のリブ条部32aが設けられ、2つの隣り合うリブ条部32aを一対として、その互いに対向する面に他方に向けて突出する鍔条部32bが形成され、この隣り合う一対のリブ条部32aと鍔条部32bとの間に、第1の清掃片31が挿着される挿着空間33が形成されている。
第1の清掃片31は、基端部31aと、この基端部31aから起毛された複数の繊維からなる繊維状部31bとを備えている。そして、この第1の清掃片31の基端部31aが軸芯材32に形成された装着空間33内に挿入、案内されて組み付けられ、第1の清掃片31の繊維状部31bが軸芯材32の鍔条部32bからその直径方向に突出している。このように、第1の清掃片31は、基端部31aが装着空間33内に挿入されることで、簡単に第1の回転ブラシ30の軸芯材32に組み付けられ、また、交換が必要な時には、この装着空間33内から抜き出されることで、簡単に軸芯材32から取り外される。
また、軸芯材32の対をなすリブ条部32aのうち、第1の回転ブラシ30の回転方向に対して背面側に位置するリブ条部32aの鍔条部32bに、外方に向けて突出する支持条部32cが形成され、第1の清掃片31を背面側から支持している。これにより、第1の清掃片31は回転駆動される際に、背面側から支持条部32cにより支持され、背面側に撓むのが抑制され、効果的に被掃除面上の塵埃を掻き上げるとともに、掃除機用吸込具15を前進する回転力を被掃除面に作用させて自走性を向上させることができる。
また、第2の回転ブラシ35は、第1の回転ブラシ30と同様に、掃除機用吸込具15の進退方向に対して垂直な方向に長く、開口部18の左右幅寸法とほぼ同じ長さに設定された円管状の軸芯材37と、この軸芯材37とほぼ同じ長さに設定され、軸芯材37に挿着される複数条(本実施の形態1においては3条)の第2の清掃片36とを備えている。
軸芯材37には、その長手方向に沿って、図7に示すように、その外周面から直径方向に突出する複数のリブ条部37aが設けられ、2つの隣り合うリブ条部37aを一対として、その互いに対向する面に他方に向けて突出する鍔条部37bが形成され、この隣り合う一対のリブ条部37aと鍔条部37bとの間に、第2の清掃片36が挿着される挿着空間38が形成されている。
第2の清掃片36は、基端部36aと、この基端部36aから起毛された複数の繊維からなる繊維状部36bとを備えている。そして、この第2の清掃片36の基端部36aが軸芯材37に形成された装着空間38内に挿入、案内されて組み付けられ、第2の清掃片36の繊維状部36bが軸芯材37の鍔条部37bからその直径方向に突出している。このように、第2の清掃片36は、基端部36aが装着空間38内に挿入されることで、簡単に第2の回転ブラシ35の軸芯材37に組み付けられ、また、交換が必要な時には、この装着空間38内から抜き出されることで、簡単に軸芯材37から取り外される。
本実施の形態1において、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36を構成する繊維状部36bが、第2の回転ブラシ35の長手方向に沿って間引かれ、複数の繊維束36cとして断続的に形成されている。そして、この複数の繊維束36cが、複数条の第2の清掃片36において互いに幅方向(第2の回転ブラシ35の長手方向)に重複しながらそれぞれの起毛位置がずらされ、全体として第2の回転ブラシ35の長手方向の全幅域をカバーしている。これにより、第2の回転ブラシ35が柔軟に撓むことができるので、第2の回転ブラシ35に加わる負荷が減り、それにより第2の回転ブラシ35を回転駆動する第1の回転ブラシ30に加わる負荷も減り、第1および第2の回転ブラシ30、35を効率よく回転させることができるとともに、第1および第2の回転ブラシ30、35の回転により被掃除面上の塵埃を効率的に掻き上げることができるので、塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。なお、繊維束36cの長手方向の長さは、上述したように、複数の繊維束36cが全体として第2の回転ブラシ35の長手方向の全幅域をカバーしていればよく、長手方向に形成される配設個数との関係で任意に設定されればよい。
そして、第1の回転ブラシ30の軸芯材32には、鍔条部32bが形成されていない面同士で対向するリブ条部32aの間に噛合空間34が形成されている。そして、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、この第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31あるいは噛合空間34に噛み合わされ、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の清掃片31によって回転方向の背面側から押圧されることにより、第2の回転ブラシ35は第1の回転ブラシ30により効果的に回転駆動される。
なお、本実施の形態1において、第2の清掃片36における繊維状部36bの鍔条部37bから突出した部分の長さ(突出代)は、第1の清掃片31における繊維状部31bの鍔条部32bから突出した部分の長さとほぼ同じに設定され、第2の清掃片36における繊維状部36bの繊維の太さも、第1の清掃片31における繊維状部31bの繊維の太さとほぼ同一に設定されている。
第2の清掃片36を構成する繊維状部36bが、複数の繊維束36cとして断続的に形成されているため、第2の清掃片36における繊維状部36bの繊維の本数は、第1の清掃片31における繊維状部31bの繊維の本数より少なく、第2の清掃片36においては第1の清掃片31に比較して繊維状部36bの腰が弱く、撓みやすくなっている。このため、回転駆動された時における第2の清掃片36と被掃除面との接触抵抗が、第1の清掃片31と被掃除面との接触抵抗より小さく設定されることになり、第2の回転ブラシ35に加わる負荷が減り、それにより第2の回転ブラシ35を回転駆動する第1の回転ブラシ30に加わる負荷も減り、第1および第2の回転ブラシ30、35が効率よく回転し、塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
次に、以上のように構成された掃除機用吸込具15と電気掃除機(掃除機本体1)の動作、作用について、図1、図8および図9を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの噛み合わせ状態の時間的変化を示す断面図(吸込具本体の左方側から見た状態で、図の下方向が底面側)であり、図9は、第1および第2の回転ブラシの斜視図(底面側から見た状態)と軸方向の各位置における噛み合わせ状態を示す断面図である。なお、図8においては、(a)〜(d)で第1および第2の回転ブラシ30、35が30°ずつ回転したときの噛み合わせ状態を、時間経過を追って示している。また、図9は、(a)が第1および第2の回転ブラシ30、35における右端位置での噛み合わせ状態を、(b)が右端位置から左端側に長手方向寸法の1/6寄った位置での噛み合わせ状態を、(c)が右端位置から左端側に長手方向寸法の1/3寄った位置での噛み合わせ状態を、(d)が長手方向の中間位置での噛み合わせ状態を示している。
掃除機本体1から図示しない電源コードを引き出し、その先端についた電源プラグ(図示せず)を部屋のコンセントに差し込んで、把手14に設けた操作部14aを操作して、電動送風機2および掃除機用吸込具15に内蔵された電動機24に通電すると、掃除機用吸込具15の下ケース17bの底面に設けられた開口部18に電動送風機2による吸引力が作用し、木床や絨毯などの被掃除面上の塵埃が第1および第2の清掃片31、36の繊維状部31b、36bにより掻き上げられ、吸引されて、延長管13、吸引ホース10を通って集塵室4に運ばれ、そこで捕集される。
先にも記したように、本実施の形態1の第1および第2の回転ブラシ30、35において、第1および第2の清掃片31、36の略V字形状の頂点は、図6に示すように、それぞれの両端が配される円周上の位置より回転方向に対して約90°後退した長手方向の中間位置に設定されている。
そして、第1および第2の回転ブラシ30、35の長手方向のある部分では、ある時期(例えば、図8における(a)〜(c)の時間帯)において、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ30における複数条の第1の清掃片31あるいは噛合空間34に連続的に噛み合わされ、第1の清掃片31によって回転方向の背面側から押圧されることにより、第1の回転ブラシ30により回転駆動される。そして、この第1の回転ブラシ30(第1の清掃片31)と第2の回転ブラシ35(第2の清掃片36)とが噛み合わされた状態が終わって、ある時期(例えば、図8における(d)の時間帯)、第1の清掃片31と第2の清掃片36とは互いに離間しているが、やがて直に図8における(a)の状態に戻り、第1および第2の回転ブラシ30、35が噛み合わされ始める。このように、長手方向のある部分を取ってみた場合、1回転する間のほぼ半分の時間帯において、第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35とが噛み合わされた状態が維持されている。
しかも、このような第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35(第1および第2の清掃片31、36)とが噛み合わされた状態が、図9における第1および第2の回転ブラシ30、35の長手方向のいずれかの位置(例えば、図9における(d)〜(b)の位置)において維持されている。そして、このように第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35とが噛み合わされた状態が、第1および第2の回転ブラシ30、35の回転に伴い、第1および第2の回転ブラシ30、35の外方(左右の端部側)から内方(中間位置側)に向けて変位していく。
このように、本実施の形態1における第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35によれば、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、その長手方向のいずれかの位置で第1の回転ブラシ30における複数条の第1の清掃片31あるいは噛合空間34に連続的に噛み合わされ、第1の清掃片31によって回転方向の背面側から押圧される状態が維持されることにより、第1の回転ブラシ30により連続的に、しかも円滑に回転駆動されることになる。
したがって、連続的で円滑な第1および第2の回転ブラシ30、35の回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35との間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に除塵することができ、このことによって掃除機用吸込具15の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。しかも、第1および第2の回転ブラシ30、35の第1および第2の清掃片31、36が、それぞれ逆方向に開いた、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字形状に形成されているため、被掃除面上の塵埃を吸塵力のより強い中央側に掻き上げ、より確実に外部に漏らすことなく除去することができる。
また、本実施の形態1によれば、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36の腰が弱く、絨毯上でも容易に撓んで、第2の清掃片36と被掃除面との接触抵抗が第1の清掃片31と被掃除面との接触抵抗より小さくなるので、第2の回転ブラシ35に加わる負荷が減り、それにより第2の回転ブラシ35を回転駆動する第1の回転ブラシ30に加わる負荷も減り、第1および第2の回転ブラシ30、35を効率よく回転されて、塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
また、電動機24で回転駆動される第1の回転ブラシ30を前方側に、第2の回転ブラシ35を後方側にそれぞれ配し、運転時に第1の回転ブラシ30を、吸込具本体16を前進させる方向に回転させ、第2の回転ブラシ35を第1の回転ブラシ30の回転方向と逆方向に回転させるようにしているので、掃除機用吸込具15を前方方向に移動させる力が効率よく、且つ強力に被掃除面に作用し、絨毯上であっても、掃除機用吸込具15を軽く操作できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る掃除機用吸込具15’について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態2における掃除機用吸込具の断面図である。なお、上記実施の形態1と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態2における掃除機用吸込具15’においては、図10に示すように、第1の回転ブラシ40に複数条の第1の清掃片41が、長手方向の一端側から他端側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略螺旋状に形成されるとともに、第2の回転ブラシ45に複数条の第2の清掃片46が、第1の回転ブラシ40の第1の清掃片41と逆形状の略螺旋状に形成されており、第2の回転ブラシ45の第2の清掃片46が、第1の回転ブラシ40の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ40における複数条の第1の清掃片41あるいはそれらの間に噛み合わされて、第1の清掃片41によって回転方向の背面側から押圧されることにより、第1の回転ブラシ40により回転駆動される。
なお、この掃除機用吸込具15’の第1および第2の回転ブラシ40、45において、第1および第2の清掃片41、46がそれぞれ略螺旋形状に形成される以外の点については、上記の実施の形態1に示された第1および第2の清掃片31、36と同様である。すなわち、第1の回転ブラシ40は、軸芯材32と同様の断面形状を有する軸芯材42(ただし、リブ条部、鍔条部等が軸心に対して略螺旋状に形成されている)を備え、第1の清掃片41の基端部がこのリブ条部と鍔条部との間に形成された挿着空間内に挿着されるとともに、基端部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部41bが鍔条部から外方に突出している。また、第2の回転ブラシ45は、軸芯材37と同様の断面形状を有する軸芯材47(ただし、リブ条部、鍔条部等が軸心に対して略螺旋状に形成されている)を備え、第2の清掃片46の基端部がこのリブ条部と鍔条部との間に形成された挿着空間内に挿着されるとともに、基端部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部46bが長手方向に沿って間引かれて複数の繊維束46cとして断続的に形成され、鍔条部から外方に突出している。
このように構成された掃除機用吸込具15’にあっても、略螺旋状に形成された第1の清掃片41を有する第1の回転ブラシ40が回転駆動される際に、同じく略螺旋状(第1の清掃片41とは逆方向の略螺旋状)に形成された第2の清掃片46を有する第2の回転ブラシ45が、この複数条の第1の清掃片41あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされ、背面側から押圧されて、第1の回転ブラシ40とは逆方向に円滑に回転駆動されることになる。しかも、第2の清掃片46の繊維状部46bにおける繊維の本数が、全体として第1の清掃片41の繊維状部41bにおける繊維の本数より少なく、第2の清掃片46の腰が弱く設定されており、したがって、連続的で円滑な第1および第2の回転ブラシ40、45の回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシ40と第2の回転ブラシ45との間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に吸引することができ、このことによって掃除機用吸込具15’の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
また、電動送風機2を有する掃除機本体1に、塵埃除去性能に優れた上記の掃除機用吸込具15、15’を接続することにより、操作性、掃除性能に優れた電気掃除機を提供することができることは言うまでもない。
(上記実施の形態における変形例)
以下、上記の実施の形態1および2に例示された掃除機用吸込具15、15’に対する変形例について説明する。
(清掃片の形状について)
上記の実施の形態1では、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31および第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状に形成されていたが、第1の清掃片31および第2の清掃片36が、略U字状に形成されていてもよく、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ30における複数条の第1の清掃片31あるいはそれらの間(噛合空間34)に連続的に噛み合わされ、回転駆動されるので、当然ながら、上記と同様の効果が得られる。
また、上記の実施の形態1では、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31ならびに第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36における略V字形状が、それぞれ第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の長手方向の中間点を挟んで左右対称となるように構成されているが、頂点が長手方向の中間点に丁度位置していなくてもよく(多少中間点から外れて位置していてもよく)、さらに、頂点を挟んで左右対称に形成されていなくてもよい。要は、軸方向への荷重バランスの変動を抑制することができれば、どのような略V字形状あってもよく、略U字形状やその他の形状であってもよい。
さらに、この略V字形状の頂点から、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の端部側に移行するにしたがって前進角側に変位する第1の清掃片31および第2の清掃片36の配列線を平面上に展開したときに、この配列線が必ずしも直線状に形成される必要はなく、途中で変曲点を有する曲線状に形成されていてもよい。このように、上記の実施の形態1に示された配列形状から多少外れた略V字形状あるいは略U字形状であっても、軸方向への荷重バランスの変動を抑制することができ、第1および第2の回転ブラシ30、35を効率よく回転させることができ、塵埃除去性能を向上させることができる。ただ、最良の効率、性能向上を求めるならば、実施の形態1に示された配列形状とすることが望ましい。
なお、第1および第2清掃片31、36のいずれか一方が略V字状に形成され、他方が略U字状に形成されてもよく、また、双方が同じ略V字状または略U字状であって、若干曲率形状等の異なる略V字状または略U字状に形成されてもよいが、少なくとも、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第2の清掃片36が、複数条の第1の清掃片31あるいは噛合空間34に連続的に噛み合わされ、それによって回転駆動されることが肝要であり、そのような形状に第1および第2清掃片31、36の双方が設定される必要がある。このことは、略螺旋状に形成される、実施の形態2における第1および第2清掃片41、46においても同様である。
上記の実施の形態1では、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31および第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状に形成され、実施の形態2では、長手方向の一端側から他端側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略螺旋状に形成されていたが、本発明に係る第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35では、それらの清掃片31、36が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成されていればよい。すなわち、上記の略V字状や略U字状、略螺旋状のほか、略W字状であってもよく、波打ち状であってもよく、その形状は任意に設定されることができる。第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35がこのように構成されることにより、第2の回転ブラシ35が、複数条の第1の清掃片31の間に連続的に噛み合って、背面側から押圧されて、第1の回転ブラシ30とは逆方向に円滑に回転駆動されることになる。したがって、連続的で円滑な第1および第2の回転ブラシ30、35の回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35との間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に除塵することができ、このことによって掃除機用吸込具15の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
そして、さらに、第1および第2の清掃片31、36の形状が、第1および第2の回転ブラシ30、35の長手方向の中間点を挟んで左右対称に形成されていれば、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の軸方向に加わる荷重(スラスト荷重)の変動をなくし、荷重バランスに変化を生じることがなく、したがって、掃除機用吸込具15の塵埃除去性能とともに走行性能をも向上させることができる。
また、第1および第2の清掃片31、36が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成されるときの後退角側および/または前進角側への最大の変位量(変位角)は、第1および第2の清掃片31、36の条数とともに、任意に設定されればよい。第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、複数条の第1の清掃片31の間に連続的に噛み合って、背面側から押圧されて、第2の回転ブラシ35が第1の回転ブラシ30とは逆方向に円滑に回転駆動されるようであれば、第1および第2の清掃片31、36における後退角側および/または前進角側への最大の変位量(変位角)は、どのように設定されてもよい。
(軸芯材の断面形状について)
上記の実施の形態1および2では、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の軸芯材32、37は中空の円管状のものを用いたが、これに限らず、中空の多角管状のもの、中実の断面視円形または多角形の棒状のものなどを使用できる。また、管状、棒状に係らず、軸芯材32、37の表層側に、上記の実施の形態1および2において示した装着空間33、38に類似の溝条部を軸芯材32、37の長手方向に沿って形成し、この溝条部に清掃片31、36の基端部31a、36aを挿着することにより第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35を構成してもよい。この場合には、軸芯材32、37にリブ条部32a、37aなどを形成する必要はなくなる。
(清掃片の条数について)
上記の実施の形態1および2では、第1の回転ブラシ30の軸芯材32に3条の第1の清掃片31が挿着されるとともに、第2の回転ブラシ35の軸芯材37にも3条の第2の清掃片36が挿着されているが、第1の清掃片31および第2の清掃片36の数についてはそれぞれ3条に限定されることなく、2条あるいは4条以上であってもよい。この第1の清掃片31および第2の清掃片36の条数によって、第1の清掃片31および第2の清掃片36の軸芯材32、37におけるリブ条部32a、37aや鍔条部32b、37bの数や形状、あるいは、さらに、第1の清掃片31および第2の清掃片36における略V字状または略U字状の形状、すなわち、略V字形状または略U字形状における頂点の後退角または前進角(最大の変位角)等が適宜設定されることになる。
(第1の清掃片へのブレード状部の適用について)
上記の実施の形態1および2では、第1の清掃片31が基端部31aに起毛された複数の繊維からなる繊維状部31bを備えて構成されていたが、このような第1の清掃片31に代えて、基端部31aから延出される板状のブレード状部を備えて構成されるものや、基端部31aから延出された板状のブレード状部と、このブレード状部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部とを備えて構成されるものを用いてもよい。このようなブレード状部は、柔軟性と形状復帰性を有する材料により形成されるものであり、このようなブレード状部を有する第1の清掃片は、単に繊維状部31bを有する第1の清掃片31よりも容易に腰の強いものとすることが可能であり、掃除機用吸込具15の自走性および塵埃除去性能を向上させることができる。
(繊維状部の繊維の本数、太さおよび突出代について)
上記の実施の形態1および2では、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36を構成する繊維状部36bが、第2の回転ブラシ35の長手方向に沿って間引かれ、複数の繊維束36cとして断続的に形成され、この複数の繊維束36cが、複数条の第2の清掃片36において互いに重複しながらそれぞれの起毛位置をずらして、全体として第2の回転ブラシ35の長手方向の全幅域をカバーするように構成していたが、このような第2の清掃片36に代えて、第2の清掃片36の繊維状部36bに繊維束36cを形成せずに繊維の本数を全体に減らし、第1の清掃片31の繊維状部31bにおける繊維の本数より少なくしてもよい。また、このような第2の清掃片36に代えて、あるいは、複数の繊維束36cとして断続的に形成される特徴に加えて、第2の清掃片36の繊維状部36bを構成する繊維の太さを、第1の清掃片31の繊維状部31bを構成する繊維の太さより細くしてもよい。
さらに、上記の実施の形態1および2では、第2の清掃片36の繊維状部36bの鍔状部37bからの突出代を第1の清掃片31の繊維状部31bの鍔状部32bからの突出代と略同等とし、第2の清掃片36における繊維状部36bの突出代が、第1の清掃片31における繊維状部31bの突出代より長く設定されてもよい。いずれの形態を採っても、回転駆動された時における第2の清掃片36と被掃除面との接触抵抗が、第1の清掃片31と被掃除面との接触抵抗より小さく設定されることになり、第2の回転ブラシ35に加わる負荷が減り、それにより第2の回転ブラシ35を回転駆動する第1の回転ブラシ30に加わる負荷も減り、第1および第2の回転ブラシ30、35が効率よく回転し、塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
(第1の回転ブラシの配置について)
上記の実施の形態1および2では、電動機24で回転駆動される第1の回転ブラシ30を回転ブラシ収容空間18aの前方側に配し、第2の回転ブラシ35を回転ブラシ収容空間18aの後方側に配していたが、このような配置に代えて、電動機24で回転駆動される第1の回転ブラシ30を回転ブラシ収容空間18aの後方側に配し、第2の回転ブラシ35を回転ブラシ収容空間18aの前方側に配してもよい。このように構成した場合、運転時に第1の回転ブラシ30を逆転駆動、すなわち掃除機用吸込具15、15’の前方向への移動に逆らう方向に回転させるとともに、第2の回転ブラシ35を第1の回転ブラシ30の回転方向と逆方向に回転させることになる。なお、このような場合においても、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31は、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状または略U字状に形成されるとともに、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36は、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31と逆形状の略V字状または略U字状に形成されるものとする。
上記構成により、被掃除面が絨毯の場合は、電動機24によって回転駆動される第1の回転ブラシ30によって絨毯上の塵埃が確実に第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35との間に弾き飛ばされるので、塵埃が外部に漏れることなく確実に吸引されるとともに、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36は腰が弱いので、絨毯表面に当たって容易に撓み、第2の回転ブラシ35を回転駆動する第1の回転ブラシ30の回転を抑制することがない。また、被掃除面が木床などの場合は、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31の被掃除面から受ける負荷が軽いので、第1の回転ブラシ30が強力に回転し、それによって第2の回転ブラシ35も効率よく回転し、被掃除面上の塵埃を第2の回転ブラシ35と第1の回転ブラシ30の間に寄せながら、拭き磨き効果も遺憾なく発揮することができる。
以上のように、本発明にかかる掃除機用吸込具は、第1および第2の回転ブラシが効率よく回転し、塵埃除去性能に優れたもので、家庭用、業務用、店舗用の各種電気掃除機に使用することができる。
本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体斜視図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の外観斜視図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の底面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の下ケースを外し、底面側から見た平面図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の断面図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの斜視図(吸込具本体から取り外した状態)である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの拡大断面図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの噛み合わせ状態の時間的変化を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの斜視図と軸方向の各位置における噛み合わせ状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2における掃除機用吸込具の底面側から見た斜視図である。 従来の掃除機用吸込具のある実施形態を示す断面図である。 従来の掃除機用吸込具の他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 掃除機本体
15 掃除機用吸込具
16 吸込具本体
17 本体ケース
18 開口部
18a 回転ブラシ収容空間
24 電動機(駆動源)
30 第1の回転ブラシ
31 第1の清掃片
31a 基端部
31b 繊維状部
32 軸芯材
32a リブ条部
32b 鍔条部
32c 支持条部
35 第2の回転ブラシ
36 第2の清掃片
36a 基端部
36b 繊維状部
36c 繊維束
37 軸芯材
37a リブ条部
37b 鍔条部

Claims (14)

  1. 底面に吸込開口部が形成され、被掃除面上を進退動される吸込具本体と、
    前記開口部内に回転自在に、軸芯が前記吸込具本体の進退方向に垂直に軸支され、周面の長手方向に沿って複数条の第1の清掃片を有する第1の回転ブラシと、
    前記第1の回転ブラシを回転駆動する駆動源と、
    前記開口部内に回転自在に、前記第1の回転ブラシと平行に軸支され、周面の長手方向に複数条の第2の清掃片を有する第2の回転ブラシとを備え、
    前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成されるとともに、
    前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片と逆形状の、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状に形成され、
    前記第1の回転ブラシの一端側と前記第2の回転ブラシの一端側を所定の間隔を隔てて回転自在に保持する連結支持材と、
    前記第1の回転ブラシの他端側と前記第2の回転ブラシの他端側を所定の間隔を隔てて回転自在に保持する軸心保持材とで前記吸込具本体に着脱自在に固定され、
    前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴い、前記第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされて、前記第1の清掃片によって回転方向の背面側から押圧されることにより、前記第2の回転ブラシが前記第1の回転ブラシにより円滑に回転駆動されることを特徴とする掃除機用吸込具。
  2. 前記第1の回転ブラシの第1の清掃片および前記第2の回転ブラシの第2の清掃片において、回転方向に対して後退角側および/または前進角側に連続的に変化する形状が、前記第1の回転ブラシおよび前記第2の回転ブラシの長手方向の中間点を挟んで左右対称であることを特徴とする請求項に記載の掃除機用吸込具。
  3. 前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状または略U字状に形成されるとともに、
    前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片と逆形状の略V字状または略U字状に形成され、
    前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴い、前記第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされて、前記第1の清掃片によって回転方向の背面側から押圧されることにより、前記第2の回転ブラシが前記第1の回転ブラシにより円滑に回転駆動されることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  4. 前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、長手方向の一端側から他端側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略螺旋状に形成されるとともに、
    前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの第1の清掃片と逆形状の略螺旋状に形成され、
    前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの回転駆動に伴い、前記第1の回転ブラシにおける複数条の第1の清掃片あるいはそれらの間に連続的に噛み合わされて、前記第1の清掃片によって回転方向の背面側から押圧されることにより、前記第2の回転ブラシが前記第1の回転ブラシにより円滑に回転駆動されることを特徴とする請求項1に記載の掃除機用吸込具。
  5. 前記第1の回転ブラシが、管状または棒状の軸芯材を備え、前記軸芯材の外周面から外方に突出する複数のリブ条部が設けられ、2つの隣り合うリブ条部を1対として、その互いに対向する面に他方側に向けて突出する鍔条部が形成され、前記第1の清掃片の基端部が、隣り合う一対のリブ条部と鍔状部との間に形成された空間内に挿着されている請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  6. 前記第1の回転ブラシの対をなすリブ条部のうち、回転方向に対して背面側に位置するリブ条部の鍔条部に、外方に向けて突出して前記第1の清掃片を背面側から支持する支持条部が形成されている請求項に記載の掃除機用吸込具。
  7. 前記第2の回転ブラシが、管状または棒状の軸芯材を備え、前記軸芯材の外周面から外方に突出する複数のリブ条部が設けられ、2つの隣り合うリブ条部を1対として、その互いに対向する面に他方側に向けて突出する鍔条部が形成され、前記第2の清掃片の基端部が、隣り合う一対のリブ条部と鍔状部との間に形成された空間内に挿着されている請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  8. 前記第2の回転ブラシの前記第2の清掃片が、前記第1の回転ブラシの前記複数条の繊維状部、あるいは前記鍔条部が形成されていない面同士が対向して隣り合う前記リブ条部の間に噛み合わされる請求項のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  9. 回転駆動された時における前記第2の清掃片と被掃除面との接触抵抗が、前記第1の清掃片と被掃除面との接触抵抗より小さく設定される請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  10. 前記第1の回転ブラシの第1の清掃片および前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、それぞれ基端部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部を備えて構成される請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  11. 前記第1の回転ブラシの第1の清掃片が、基端部から延出されたブレード状部を備えて構成されるとともに、前記第2の回転ブラシの第2の清掃片が、基端部から起毛された複数の繊維からなる繊維状部を備えて構成される請求項1〜のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  12. 前記第2の回転ブラシの第2の清掃片を構成する繊維状部が、第2の回転ブラシの長手方向に沿って間引かれ、複数の繊維束として断続的に形成される請求項1または1に記載の掃除機用吸込具。
  13. 前記第2の回転ブラシの第2の清掃片の繊維状部に断続的に起毛される複数の繊維束が、複数条の第2の清掃片において互いに重複しながらそれぞれの起毛位置をずらし、全体として第2の回転ブラシの長手方向の全幅域をカバーしている請求項1に記載の掃除機用吸込具。
  14. 電動送風機と、請求項1〜1のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具を備えた電気掃除機。
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