JP5648892B2 - 光ファイバ水素センサ及びそれを備えた光ファイバ水素センサシステム - Google Patents

光ファイバ水素センサ及びそれを備えた光ファイバ水素センサシステム Download PDF

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本発明は、光ファイバ水素センサ及びそれを備えた光ファイバ水素センサシステムに関する。
光ファイバは、元来は光通信用の低損失光導波路として開発されたものであるが、電気的に無放電、無誘導、高絶縁、及び高耐圧であること、また、化学的に耐食性に優れていること、さらに、細径で且つ軽量であると共に可撓性にも優れること等、センサ用途に有利な特徴を有している。そのため、光ファイバを用いたセンシングが活発に研究され、多くの種類の光ファイバセンサが開発されて実用化されている。
光ファイバセンサを利用形態で分類すると、(1)受動型、(2)伝送路型、及び(3)機能型に大別することができる。(1)受動型は、従来の電気式センサの電線部分を光電変換器で光ファイバに置き換えたもの、或いは、被測定物体の放射する光を検出器まで導くもの等である。(2)伝送路型は、光ファイバの先端部又は中間部にトランスデューサを設けたものである。(3)機能型は、トランスデューサ部に光ファイバ自身の特性変化を利用したものである。
光ファイバセンサを被測定対象で分類すると、物理量センサ及び化学量センサに大別することができる。
光ファイバセンサを測定対象数で分類すると、一点のみの計測を行う単独型及び多点的乃至連続的に計測を行う分布型に大別することができる。
光ファイバセンサを、それに使用する光ファイバの種類で分類すると、光の偏光、位相などを検出する用途のシングルモードファイバ、及び光量を検出する用途の伝送光量の多いマルチモードファイバに大別することができる。
光ファイバセンサを、それに使用する光ファイバの材質で分類すると、石英製、多成分ガラス製、及びプラスチック製に大別することができる。多成分ガラス製の光ファイバセンサは、光ファイバの径や開口数を大きくすることが容易にできるため、光ファイバと光源やセンサとの結合効率が優れ、また安価であるという長所を有する。プラスチック製の光ファイバセンサは、石英製のものに比べてファイバ径が太く、トランスデューサ部の光ファイバの先端部への固定が容易であるという長所を有し、伝送距離が非常に短く且つ損失を無視することができる用途では比較的多く使用されている。ここで、トランスデューサとは、検知すべき物理量や化学量或いはその変化を光信号に変換するデバイスであり、例えば、圧力センサにおけるダイヤフラムや化学センサにおける感応膜が挙げられる。なお、トランスデューサ部とは、トランスデューサとそれを担持するための基体や構造体を含めたものを意味する。
光ファイバセンサを光検出方法で分類すると、トランスデューサを透過した光を検出する透過型、及びトランスデューサ又はトランスデューサに付設された反射膜や反射板等の反射体による反射光を検出する反射型に大別することができる。
ところで、化学量測定用光ファイバセンサのセンシング対象は、主として、ガス種、液体種、酸素濃度、イオン種、pH、或いは、生物種等である。このうちガスをセンシング対象とする光ファイバセンサとしては、例えば、その防爆性の長所を活かした爆発性ガス濃度測定用のガスセンサが挙げられる。また、かかるセンシング対象の爆発性ガスとしては水素ガスが代表的であり、透過型の光ファイバセンサが特許文献1に、分布型の光ファイバセンサとして、白金触媒をトランスデューサとしたものが特許文献2に、及び水素吸蔵膜をトランスデューサとしたものが特許文献3にそれぞれ開示されている。また、反射型の光ファイバセンサとして、水素感応調光ミラーをプローブにしたものが特許文献4に、トランスデューサ部として誘電体多層膜・導光体・金属膜の3層構造体を用いたものが特許文献5に、及び光ファイバのコア上にクラッドとして固体化合物半導体と触媒金属とをゾル−ゲル法で形成したものが特許文献6にそれぞれ開示されている。さらに、最近の光ファイバを用いた水素センサの開発動向が非特許文献1に報告されている。
特開平05−196569号公報 特開2005−351651号公報 特開2009−53045号公報 特開2005−265590号公報 特開2007−263847号公報 特開2003−166938号公報
岡崎慎司・横山隆・中川英元・朝倉祝治著、「光ファイバを用いた水素センサの開発動向」、表面技術、第57巻、第4号、pp.8−14、2006年
しかしながら、透過型の光ファイバセンサを構成した場合、トランスデューサ部が複雑となり、サイズが大型化してしまうという問題がある。
また、反射型の光ファイバセンサを構成した場合、トランスデューサ部の検知能力が経時的に低下したり、或いは、ファイバ端面にトランスデューサを設けた構成では、その設置時の加工温度が光ファイバにより制限を受けるため、ファイバ端面とトランスデューサとの密着性が低下し、トランスデューサの品質劣化を引き起こすという問題がある。
さらに、非特許文献1に開示されている水素感応膜を用いた光ファイバセンサでは、水素感応膜の感度の温度依存性のため、特に室温以下での測定においては水素感応膜の加熱機構を別途付加する必要があり、それによってトランスデューサ部が大型化すると共に、加熱機構を駆動する制御回路も必要であり、装置構成が複雑化するという問題がある。
本発明の課題は、光ファイバ水素センサにおいて、水素感応体の感度の温度依存性を補償することができ、しかも、トランスデューサ部を小型とすることができるようにすることである。
本発明の光ファイバ水素センサは、
センシング光を伝送するセンシング光用光ファイバと、
前記センシング光用光ファイバからのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する金属、金属酸化物、又は、金属と金属酸化物との複合体からなる水素感応体、及び前記水素感応体を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する反射体を有するトランスデューサ部と、
前記トランスデューサ部の前記反射体で反射して前記水素感応体を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する信号光用光ファイバと、
前記トランスデューサ部の前記水素感応体の感度の温度依存性を補償するための温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバと、
を備え、
前記温度補償光用光ファイバは、前記トランスデューサ部の前記水素感応体に対して、前記水素感応体を活性化させる波長300〜480nmの近紫外光からなる温度補償光を照射するように設けられており、
前記センシング光用光ファイバ、前記信号光用光ファイバ、及び前記温度補償光用光ファイバは、それらの前記トランスデューサ部側の部分がバンドルに構成されている、又は、それらの前記トランスデューサ部側の部分が光ファイバ結合器を介して単一の混合光用光ファイバで構成されていることを特徴とする。
本発明の光ファイバ水素センサシステムは、
センシング光を発するセンシング光用光源と、
前記センシング光用光源からのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を伝送するセンシング光用光ファイバと、
前記センシング光用光ファイバからのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する金属、金属酸化物、又は、金属と金属酸化物との複合体からなる水素感応体、及び前記水素感応体を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する反射体を有するトランスデューサ部と、
前記トランスデューサ部の前記反射体で反射して前記水素感応体を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する信号光用光ファイバと、
前記信号光用光ファイバからの信号光を受光するように設けられ、その受光した信号光を検出する信号光検出器と、
前記トランスデューサ部の前記水素感応体の感度の温度依存性を補償するための前記水素感応体を活性化させる波長300〜480nmの近紫外光からなる温度補償光を発する温度補償光用光源と、
前記温度補償光用光源からの温度補償光を受光するように設けられ、その受光した温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバと、
を備え、
前記温度補償光用光ファイバは、前記トランスデューサ部の前記水素感応体に対して、前記温度補償光用光源からの温度補償光を照射するように設けられており、
前記センシング光用光ファイバ、前記信号光用光ファイバ、及び前記温度補償光用光ファイバは、それらの前記トランスデューサ部側の部分がバンドルに構成されている、又は、それらの前記トランスデューサ部側の部分が光ファイバ結合器を介して単一の混合光用光ファイバで構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、温度補償光を照射することにより水素感応体の感度の温度依存性を補償することができ、しかも、温度補償光を温度補償光用光ファイバにより伝送するのでトランスデューサ部を小型とすることができる。
実施形態1に係る光ファイバ水素センサシステムを示す構成図である。 (a)〜(c)は実施形態1のトランスデューサ部の変形例を示す図である。 実施形態1のプローブ用のホルダの構成図である。 実施形態2に係る光ファイバ水素センサシステムを示す構成図である。 実施形態2に係る光ファイバ水素センサシステムにおける光ファイバ水素センサの変形例を示すブロック図である。 試験評価2における温度補償光出力と応答時間(90%→50%)との関係を示すグラフである。 試験評価2における温度補償光出力と応答時間(90%→10%)との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る光ファイバ水素センサシステムAを示す。この光ファイバ水素センサシステムAは、燃料電池を使用する自動車や民生用発電システム等において水素ガスの漏出検知のために用いられるものである。
実施形態1に係る光ファイバ水素センサシステムAは、システム本体を構成する光ファイバ水素センサS、センシング光を発するセンシング光用光源5、信号光を検出する信号光検出器6、及び温度補償光を発する温度補償光用光源7を備える。
光ファイバ水素センサSは、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3、並びにトランスデューサ部4を備える。
センシング光用光ファイバ1は、コア及びクラッドが石英、多成分ガラス、又はアクリル樹脂等の樹脂の同一の材質で形成された構成であってもよく、また、コア及びクラッドが異なる材質で形成された構成であってもよい。センシング光用光ファイバ1は、センシング光を低損失で伝送可能な通信用に一般的に用いられているシングルモードファイバであることが好ましい。ファイバ本体は、例えば、モードフィールド径又はコア径が8〜10μm及びクラッド径が80〜125μmである。但し、センシング光用光ファイバ1はマルチモードファイバであってもよい。ファイバ本体は、前記の他、コア径が2〜980μm及びクラッド径が50〜1000μmの1本の光ファイバ又は複数本の光ファイバで構成されたファイバ群であってもよい。
信号光用光ファイバ2は、コア及びクラッドが石英、多成分ガラス、又はアクリル樹脂等の樹脂の同一の材質で形成された構成であってもよく、また、コア及びクラッドが異なる材質で形成された構成であってもよい。信号光用光ファイバ2は、開口数が大きく、信号光を低損失で伝送可能な通信用グレーデッドインデックス型マルチモード光ファイバであることが好ましい。ファイバ本体は、例えば、コア径が50〜62.5μm及びクラッド径が80〜125μmである。信号光用光ファイバ2のファイバ本体は、前記の他、コア径が2〜980μm及びクラッド径が50〜1000μmの1本の光ファイバ又は複数本の光ファイバで構成されたファイバ群であってもよい。
温度補償光用光ファイバ3は、コア及びクラッドが石英で形成された構成であることが好ましい。温度補償光用光ファイバ3は、温度補償光が低損失で伝送可能なステップインデックスファイバであることが好ましい。ファイバ本体は、例えば、コア径が50〜120μm及びクラッド径が80〜125μmである。温度補償光用光ファイバ3のファイバ本体は、前記の他、コア径が2〜980μm及びクラッド径が50〜1000μmの1本の光ファイバ又は複数本の光ファイバで構成されたファイバ群であってもよい。
センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3は、それらの一端側の部分においてそれぞれ独立している一方、それらの他端側、つまり、トランスデューサ部4側の部分が保持具により束ねられ、或いは、固持されてバンドルBに構成されている。バンドルBは、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3の端面間で段差が形成されていてもよいが、製造上の観点及びトランスデューサ部4との間隔の位置合わせの作業性の観点から、研磨加工が施されることにより、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3の端面が面一に形成されていることが好ましい。
トランスデューサ部4は、平行平板状、或いは、湾曲乃至傾斜平板状の透明な基体42の一方の面に水素感応膜41(水素感応体)及び他方の面に反射膜43(反射体)がそれぞれ設けられた構造を有し、水素感応膜41が設けられた側がバンドルBに対向するセンシング光受光側となるように設けられている。
基体42は、センシング光に対して透明である物質、例えば、石英、ガラス、 Al23、LiF、CaAl24、LiNbO3、TiO2、SrTiO3、Y23、MgO、ZnSe、Si、或いは、PC樹脂、PMMA樹脂、MS樹脂、PS樹脂、透明ABS樹脂、SBC樹脂、PVC樹脂、PMP樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、フルオレン系PET樹脂、PEN樹脂、脂環式エポキシ樹脂、透明PI樹脂、透明PA樹脂、透明フッ素樹脂、PLA樹脂などの透明樹脂等で形成されている。基体42の平面視形状は、例えば、円形、方形等、特に限定されるものではない。基体42は、例えば、外径が1〜10mm、及び厚さが0.1〜3mmである。
水素感応膜41は、水素と反応して、その屈折率や吸収係数等の光学特性が変化する物質で形成されている。かかる物質として、具体的には、例えば、金属膜、金属酸化物、金属と金属酸化物との複合体等が挙げられる。金属膜としては、例えば、白金、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、イリジウム、銀、クロム、金等の膜が、金属酸化物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化ニッケル、酸化バナジウム等が、金属と金属酸化物との複合体としては、例えば、白金/酸化タングステンがそれぞれ挙げられる。従って、水素感応膜41は、センシング光用光ファイバ1からのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する構成を有する。水素感応膜41の膜厚は例えば0.1〜500μm、好ましくは0.1〜10μmである。水素感応膜41の形成は、水素感応膜41を担持するための基体42の片面に、例えば、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、スピンコート法、ゾル−ゲル法、ディッピング法等の半導体製造に用いる公知の薄膜形成技術によって行うことができる。
反射膜43は、センシング光を効率よく反射する物質、例えば、パラジウム、ニッケル、銀、クロム、金等を蒸着等して得られた金属膜や誘電体多層膜で形成されている。従って、反射膜43は、水素感応膜41を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する構成を有する。反射膜43の膜厚は例えば0.05〜10μmである。なお、反射膜43が反射体を構成するものに限られず、例えば金属板等が反射体を構成するものであってもよい。
トランスデューサ部4は、上記構成のみならず、図2(a)に示すように、基体42を有さず、反射板(反射体)43’のセンシング光受光側の面に水素感応膜41が積層されて設けられた構成であってもよい。この場合、反射板43’は、金属板で形成されていることが好ましい。また、図2(b)に示すように、基体42のセンシング光受光側の一方の面に反射膜43及び水素感応膜41が順に積層されて設けられた構成であってもよい。この場合、基体42は、透明であってもよく、また、不透明であってもよい。不透明な基体42としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素などの不透明セラミックス板;銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅などの金属板;テトラフルオロエチレンなどのプラスチック板等が挙げられる。さらに、図2(c)に示すように、基体42のセンシング光受光側の一方の面に水素感応膜41が並びに他方の面に別の水素感応膜41及び反射膜43が順に積層されてそれぞれ設けられた、つまり、水素感応膜41が基体42の片面のみならず両面に設けられた構成であってもよい。
トランスデューサ部4は、バンドルBに接触して直接センシング光を受光するように設けられていてもよいが、バンドルBから空間を介してセンシング光を受光するように設けられていることが好ましい。トランスデューサ部4がバンドルBから空間をおいて設けられていると、水素感応膜41がセンシング光用光ファイバ1の出射端との間に空間を介して設けられることとなるので、水素感応膜41のセンシング光の透過する部分が空間に接触し、その空間中の気体や液体に含まれる水素に反応して状態変化を生じ、この変化をセンシング光の光学的変化として検出し易くなる。その空間の間隔は例えば0.1〜5mmである。また、この間隔は水素感応膜41表面での反射光と反射膜43からの反射光とを分離して信号光用光ファイバ2で受光できる距離であることが好ましい。
以上の構成の光ファイバ水素センサSは、センシング光用光ファイバ1が、センシング光を伝送し、水素感応膜41に対してそのセンシング光を照射するように設けられた構成を有し、また、信号光用光ファイバ2が、反射膜43で反射して水素感応体41を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する構成を有し、さらに、温度補償光用光ファイバ3が、温度補償光を伝送し、水素感応膜41に対してその温度補償光を照射するように設けられた構成を有する。また、バンドルBは、図3に示すファイバ保護及びトランスデューサ部固定用のホルダ10に、バンドル座屈防止用の図示しないブーツが被せられてファイバ挿入孔11に挿入装着されることによりシステム本体のプローブを構成する。
センシング光用光源5は、SCコネクタ14を介してセンシング光用光ファイバ1の一端の入射端に接続されている。センシング光用光源5は、水素感応膜41を透過すると共に、水素感応膜41の水素への感応、つまり、水素感応膜41による屈折率や吸収係数等の光学特性の変化を検知し、且つ反射膜43で反射する波長帯のセンシング光を発する光源である。センシング光用光源5としては、システム構成の小型化を考慮に入れれば、例えば、通信用に一般的に用いられている波長660nm帯、850nm帯、1310nm帯、又は1550nm帯のレーザーダイオード、スーパールミネッセントダイオード、発光ダイオード等が挙げられる。
信号光検出器6は、SCコネクタ14を介して信号光用光ファイバ2の一端の出射端に接続されている。従って、信号光検出器6は、信号光用光ファイバ2からの信号光を受光するように設けられ、その受光した信号光を検出する構成を有する。信号光検出器6としては、例えば、信号光波長、つまり、センシング光波長に感度を持つフォトダイオード等が挙げられる。なお、信号光検出器6は、図示しない水素ガス検知回路に接続されている。
温度補償光用光源7は、SCコネクタ14を介して温度補償光用光ファイバ3の一端の入射端に接続されている。温度補償光用光源7は、水素感応膜41の感度の温度依存性を補償する光であって、反射膜43で効率よく反射し且つ水素感応膜41に吸収されて水素感応膜41を活性化或いは発熱させる波長域の光を発する光源である。温度補償光用光源7が発する光としては、例えば、紫外光、可視光、赤外光等が挙げられるが、水素感応膜41の温度を上昇させると共に分子活性化により感度向上を図ることができることから紫外線が好ましく、温度補償光用光ファイバ3を伝搬する間に温度補償光用光ファイバ3の紫外吸収により大きな損失が生じないことから近紫外光(波長300〜480nm)がより好ましい。温度補償光用光源7としては、例えば、波長405nmのレーザーダイオード、スーパールミネッセントダイオード、発光ダイオード等が挙げられる。
以上の構成の光ファイバ水素センサシステムAは、センシング光用光ファイバ1が、センシング光用光源5からのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を伝送する構成を有し、また、温度補償光用光ファイバ3が、温度補償光用光源7からの温度補償光を受光するように設けられ、その受光した温度補償光を伝送する構成を有する。
そして、光ファイバ水素センサシステムAでは、センシング光用光源5がセンシング光を発すると、センシング光用光ファイバ1がそのセンシング光を受光し、それを伝送してバンドルBから出射する。トランスデューサ部4がセンシング光を受光すると、センシング光は、水素感応膜41及び基体42を順に透過した後、反射膜43で反射し、再び基体42及び水素感応膜41を順に透過する。バンドルBはトランスデューサ部4からのセンシング光の反射光を信号光として受光すると、信号光用光ファイバ2は、その信号光を伝送して信号光検出器6に出力する。信号光検出器6に入射した信号光は電気信号として水素ガス検知回路に入力される。
このとき、水素感応膜41の接触空間に水素ガスが存在しない場合、信号光検出器6には一定の基準信号光が入射し、水素ガス検知回路は、それを「水素ガス検知無し」と判断する。一方、水素感応膜41の接触空間に水素ガスが存在する場合、水素感応膜41が水素と反応して光学特性が変化することにより、センシング光がその光学特性の変化を検知し、信号光検出器6には基準信号光とは異なる異常信号光が入射し、水素ガス検知回路は、それを「水素ガス検知有り」と判断してアラームを発する。
また、この光ファイバ水素センサシステムAでは、温度補償光用光源7が温度補償光を発すると、温度補償光用光ファイバ3がその温度補償光を伝送してバンドルBから出射し、温度補償光は水素感応膜41に照射される。このとき、水素感応膜41は温度補償光を吸収して活性化或いは発熱するため、−30〜−20℃といった極低温雰囲気においても水素ガス検知感度を高く維持することができる。このとき、温度補償光の出力は5〜100mWとすることが好ましい。なお、水素感応膜41への温度補償光の照射は、常時行ってもよく、また、温度センサを設け、雰囲気温度が所定温度以下となった場合にのみ行ってもよい。
実施形態1に係る光ファイバ水素センサシステムAによれば、温度補償光を照射することにより水素感応膜41の温度依存性を補償することができ、しかも、温度補償光を温度補償光用光ファイバ3により伝送するのでトランスデューサ部4を小型とすることができる。また、温度補償のための電気ヒーターを用いないので、水素雰囲気下においても爆発の危険性がなく、安全にガス検知を行うことができる。
(実施形態2)
図4は実施形態2に係る光ファイバ水素センサシステムAを示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。この光ファイバ水素センサシステムAは、燃料電池を使用する自動車や民生用発電システム等において水素ガスの漏出検知のために用いられるものである。
実施形態2に係る光ファイバ水素センサシステムAでは、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3は、それらのトランスデューサ部4側の部分が光ファイバ結合器8を介して単一の混合光用光ファイバ9で構成されている。つまり、出射側の部分において、単一の混合光用光ファイバ9は、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3の3本の光ファイバを構成している。このような構造は、単一の混合光用光ファイバ9によりセンシング光、信号光、及び温度補償光の伝送が可能となるため、特に狭隘部にセンサプローブを挿入する場合等に有効である。
光ファイバ結合器8としては、例えば、バルクデバイス、ファイバデバイスが挙げられる。
バルクデバイスとしては、例えば、ハーフミラーやプリズム等の光学部品を用いてセンシング光と信号光と温度補償光とを結合し、単一の混合光用光ファイバ9によりセンシング光用光源5からのセンシング光及び温度補償光用光源7からの温度補償光をトランスデューサ部4の水素感応膜41まで導くと共にトランスデューサ部4からの信号光を信号光検出器6まで導く構成が挙げられる。
ファイバデバイスとしては、例えば、光通信に一般的に用いられているファイバカップラを使用した構成が挙げられる。例えば、図5に示すように、2×1(或いは1×2)のファイバカプラ15,16を2個使用し、センシング光を伝送するセンシング光用光ファイバ1及び信号光を伝送する信号光用光ファイバ2のそれぞれをSCコネクタ14を介して第1のファイバカプラ15に接続することによりそれらを結合し、第1のファイバカプラ15及び温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバ3のそれぞれをSCコネクタ14を介して第2のファイバカプラ16に接続することによりそれらを結合し、それによって3本の光ファイバを単一の混合光用光ファイバ9にまとめることができる。また、ファイバデバイスとしては、複数本の光ファイバをバンドルBとし、一端を固定及び端面を研磨した光コンバイナが挙げられる。
単一の混合光用光ファイバ9は、コア及びクラッドが石英又はアクリル樹脂等の樹脂で形成された構成であってもよく、また、コアが石英で及びクラッドがアクリル樹脂等の樹脂でそれぞれ形成された構成であってもよい。混合光用光ファイバ9は、ステップインデックス光ファイバであることが好ましい。ファイバ本体は、例えば、コア径が50〜120μm及びクラッド径が80〜125μmである。
その他の構成及び作用効果は実施形態1と同一である。
(その他の実施形態)
上記実施形態1では、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3のトランスデューサ部4側の部分がバンドルBに構成されたもの、並びに上記実施形態2では、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3のトランスデューサ部4側の部分が光ファイバ結合器8を介して単一の混合光用光ファイバ9で構成されたものとしたが、特にこれらに限定されるものではなく、センシング光用光ファイバ1、信号光用光ファイバ2、及び温度補償光用光ファイバ3がトランスデューサ部4側の部分においてもそれぞれ独立したものであってもよい。
上記実施形態1及び2では、トランスデューサ部4が、基体42に水素感応膜41及び反射膜43が設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、トランスデューサ部4が、基体42を有さず、水素感応体及び反射体の積層構造体で構成されていてもよい。
上記実施形態1及び2では、水素感応膜41の表面の反射光が信号光検出器6に達して幻惑されるのを防ぐために、トランスデューサ部4を、基体42の一方側に水素感応膜41及び他方側に反射膜43がそれぞれ設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、水素感応膜41の表面を反射防止膜(AR膜)で被覆したり、照射角を調整したり、或いは、信号光検出器6に幻惑防止措置を設ける等の手段を施すことにより、トランスデューサ部4を、基体42の一方側に反射膜43が設けられ、その上にさらに水素感応膜41が設けられた構成とすることもできる。
上記実施形態1及び2のトランスデューサ部4には温度補償光吸収層が設けられていてもよい。温度補償光吸収層は、温度補償光吸収膜や温度補償光吸収板としてトランスデューサ部4内に独立して構成されていてもよいが、例えば、センシング光に対して透明で且つ温度補償光に対して不透明な基体42、或いは、センシング光波長に対して高反射で且つ温度補強光波長に対して低反射の誘電体多層膜の反射膜43のように機能を兼ねて構成されていてもよい。温度補償光が紫外線の場合には、温度補償光吸収層として例えばZnSeやSiの膜や板を用いることができる。
(試験評価1)
<実施例1>
図1に示す実施形態1と同一の光ファイバ水素センサシステムAを構成した。
トランスデューサ部4は、まず、直径3mm及び厚さ0.5mmの石英基板(基体42)の一方の面に、電子ビーム蒸着法によって厚さ0.1μmの金薄膜の反射膜43を形成し、次いで、石英基板の他方の面に、ゾルーゲル法で形成した白金及び酸化タングステンを含む膜形成液をディッピング法により塗布し、それを500℃の温度で焼成することによって水素感応膜41を形成することにより作製した。
また、センシング光用光源5として波長1.31μmのレーザーダイオードピグテールモジュール(三菱電機社製 品番:FU−427SLD−FW1)、センシング光用光ファイバ1としてシングルモードファイバ(三菱電線工業社製 品番:SS9A1U)、信号光検出器6としてセンシング光の波長に感度を持つフォトダイオード(日本電気社製 品番:NDL5461P)、信号光用光ファイバ2としてマルチモードファイバ(三菱電線工業社製 品番:SG50A1U)、温度補償光用光源7として近紫外光源(405nmのレーザーダイオード、日亜化学工業社製 品番:NDHV220APA)、及び温度補償光用光ファイバ3としてステップインデックスファイバ(三菱電線工業社製 品番:ST100A)をそれぞれ用いた。バンドルBとトランスデューサ部4との間の空間の間隔を0.8mmとした。
そして、実施例1の光ファイバ水素センサシステムAが水素ガスの検知機能を有することを以下の方法で確認した。
室温雰囲気下において、センシング光用光源5から波長1.31μmのレーザー光を発し、それがセンシング光用光ファイバ1を介してトランスデューサ部4に達し、水素感応膜41を透過して反射膜43で反射した後に再び水素感応膜41を透過し、信号光用光ファイバ2を介して戻ってきた信号光の強度をモニタリングし、バンドルBとトランスデューサ部4との間に水素濃度1%及び窒素濃度99%の混合ガスを注入したときの応答時間及びその後に回復ガス(空気)を注入したときの回復時間をそれぞれ測定した。ここで、 応答時間とは、注入された水素を含む混合ガスにより水素感応膜41が反応し、光吸収増加により信号光の強度が低下する過渡現象において、混合ガス注入前の信号光の強度を100%及び混合ガス注入後の飽和した信号光の強度の最低値を0%としたときに、混合ガスを注入後に信号光が90%の強度から50%の強度に低下するまでの時間のことである。回復時間とは、混合ガスの供給を停止したことにより水素感応膜41が可逆反応し、光吸収減少により信号光の強度が混合ガス注入前の強度に回復する過渡現象において、混合ガス停止から90%の強度に到達するまでの時間のことである。
測定の結果、混合ガスを注入したときの応答時間は3秒で、回復時間は55秒であった。
また、温度補償機能を検証するため、トランスデューサ部4を−30℃に冷却した状態で、温度補償光用光源7から近紫外光(出力55mW)の温度補償光を発し、それを温度補償光用光ファイバ3を介してトランスデューサ部4の水素感応膜41に照射した場合について、上記と同一条件で応答時間及び回復時間を測定した。
測定の結果、混合ガスを注入したときの応答時間は6秒で、回復時間は35秒であった。
<実施例2>
図5に示す実施形態2の変形例と同一の光ファイバ水素センサシステムAを構成した。
実施例1と同様にトランスデューサ部4を作製した。
また、センシング光用光源5として波長1.31μmのレーザーダイオードピグテールモジュール、センシング光用光ファイバ1としてマルチモードファイバ(三菱電線工業社製 品番:ST50A)、信号光検出器6としてセンシング光の波長に感度を持つフォトダイオード、信号光用光ファイバ2としてマルチモードファイバ、温度補償光用光源7として近紫外光源(405nmのレーザーダイオード)、及び温度補償光用光ファイバ3としてステップインデックスファイバをそれぞれ用いた。バンドルBとトランスデューサ部4との間の空間の間隔を0.8mmとした。
実施例1と同一条件で水素検知機能の確認を行った。
その結果、ファイバカップラを光伝送路に介在させたため、信号光の出力強度は約1/4に減少したが、応答時間及び回復時間は実施例1とほぼ同一であった。また、実施例1と同一条件で温度補償機能も検証したが、これも実施例1と同様の良好な結果であった。
<比較例>
実施例1で用いたのと同一構成の光ファイバ水素センサシステムAを用い、水素感応膜41に温度補償光を照射せずに、トランスデューサ部4を−30℃に冷却した場合について、実施例1と同一条件で応答時間及び回復時間を測定した。
測定の結果、混合ガスを注入したときの応答時間は87秒で、回復ガスを注入したときの回復時間は599秒であった。これは、室温雰囲気下での測定結果と比較すると、応答時間が約30倍、及び回復時間が約10倍であり、応答時間及び回復時間ともに低温の影響を受けて著しく長くなっていることが分かる。
従って、温度補償光用光ファイバ3を介して近紫外光を温度補償光としてトランスデューサ部4の水素感応膜41に照射することにより、低温雰囲気(例えば−30℃)においても、水素感応膜41が室温雰囲気と同等の特性を示すことから、トランスデューサ部4に加熱機構を設けることなく温度補償を行うことができ、これにより、小型で広い温度範囲での水素検知が可能な光ファイバ水素センサSを得ることができる。
(試験評価2)
実施例1で用いたのと同一構成の光ファイバ水素センサシステムAを用い、トランスデューサ部4を−20℃に冷却し、温度補償光用光源8である405nmのレーザーダイオードからの近紫外光の温度補償光の出力を17mW、30mW、及び55mWのそれぞれとした場合における応答時間(90%→50%)及び応答時間(90%→10%)を測定した。ここで、応答時間(90%→50%)とは、混合ガスの注入前の信号光の強度を100%及び注入後の飽和した信号光の強度の最低値を0%として、混合ガス注入開始から信号光の強度が90%から50%に到達するまでの時間であり、応答時間(90%→10%)とは、混合ガス注入開始から信号光の強度が90%から10%に到達するまでの時間である。
測定の結果、表1、図6及び7に示す通り、−20℃では、応答時間(90%→50%)は、温度補償光出力17mW時が16秒、30mW時が9秒、及び55mW時が12秒であった。応答時間(90%→10%)は、温度補償光出力17mW時が97秒、30mW時が45秒、及び55mW時が41秒であった。
また、トランスデューサ部4を−30℃に冷却し、近紫外光の温度補償光の出力を0mW(照射せず)、17mW、30mW、及び55mWのそれぞれとした場合における応答時間(90%→50%)及び応答時間(90%→10%)を測定した。
測定の結果、表1、図6及び7に示す通り、−30℃では、応答時間(90%→50%)は、温度補償光出力0mW時が87秒、17mW時が62秒、30mW時が17秒、及び55mW時が6秒であった。応答時間(90%→10%)は、温度補償光出力0mW時が599秒、17mW時が302秒、30mW時が108秒、及び55mW時が35秒であった。
Figure 0005648892
以上の通り、温度補償光の出力が高くなると応答時間が短くなる傾向があり、特に、雰囲気温度が−30℃の場合において、その傾向が顕著であることが分かる。
本発明は、小型のシステムで水素検知が必要となる領域、例えば水素と酸素とから電力を取り出すことのできる燃料電池を使用した自動車、民生用発電システム等で、厳しい車載環境、自然環境でも使用できる光ファイバ水素センサとして利用することができ、また、低損失の光ファイバを使うため、極遠方で水素検知が必要となるシステムで利用することができる。
A 光ファイバ水素センサシステム
S 光ファイバ水素センサ
1 センシング光用光ファイバ
2 信号光用光ファイバ
3 温度補償光用光ファイバ
4 トランスデューサ部
41 水素感応膜(水素感応体)
42 基体
43 反射膜(反射体)
43’反射板(反射体)
5 センシング光用光源
6 信号光検出器
7 温度補償光用光源
8 光ファイバ結合器
9 混合光用光ファイバ
10 ホルダ
11 ファイバ挿入孔
14 SCコネクタ
15,16 ファイバカプラ

Claims (12)

  1. センシング光を伝送するセンシング光用光ファイバと、
    前記センシング光用光ファイバからのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する金属、金属酸化物、又は、金属と金属酸化物との複合体からなる水素感応体、及び前記水素感応体を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する反射体を有するトランスデューサ部と、
    前記トランスデューサ部の前記反射体で反射して前記水素感応体を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する信号光用光ファイバと、
    前記トランスデューサ部の前記水素感応体の感度の温度依存性を補償するための温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバと、
    を備え、
    前記温度補償光用光ファイバは、前記トランスデューサ部の前記水素感応体に対して、前記水素感応体を活性化させる波長300〜480nmの近紫外光からなる温度補償光を照射するように設けられており、
    前記センシング光用光ファイバ、前記信号光用光ファイバ、及び前記温度補償光用光ファイバは、それらの前記トランスデューサ部側の部分がバンドルに構成されていることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  2. センシング光を伝送するセンシング光用光ファイバと、
    前記センシング光用光ファイバからのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する金属、金属酸化物、又は、金属と金属酸化物との複合体からなる水素感応体、及び前記水素感応体を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する反射体を有するトランスデューサ部と、
    前記トランスデューサ部の前記反射体で反射して前記水素感応体を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する信号光用光ファイバと、
    前記トランスデューサ部の前記水素感応体の感度の温度依存性を補償するための温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバと、
    を備え、
    前記温度補償光用光ファイバは、前記トランスデューサ部の前記水素感応体に対して、前記水素感応体を活性化させる波長300〜480nmの近紫外光からなる温度補償光を照射するように設けられており、
    前記センシング光用光ファイバ、前記信号光用光ファイバ、及び前記温度補償光用光ファイバは、それらの前記トランスデューサ部側の部分が光ファイバ結合器を介して単一の混合光用光ファイバで構成されていることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバ水素センサにおいて、
    前記トランスデューサ部の前記水素感応体は、前記センシング光用光ファイバの出射端との間に空間を介して設けられていることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の光ファイバ水素センサにおいて、
    前記トランスデューサ部は、前記水素感応体及び前記反射体が設けられた基体を有することを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  5. 請求項に記載の光ファイバ水素センサにおいて、
    前記トランスデューサ部は、前記基体のセンシング光受光側の一方の面に前記水素感応体が及び他方の面に前記反射体がそれぞれ設けられていることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  6. 請求項に記載の光ファイバ水素センサにおいて、
    前記トランスデューサ部は、前記基体のセンシング光受光側の一方の面に前記反射体及び前記水素感応体が順に積層されて設けられていることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  7. 請求項に記載の光ファイバ水素センサにおいて、
    前記トランスデューサ部は、前記基体のセンシング光受光側の一方の面に前記水素感応体が及び他方の面に別の前記水素感応体及び前記反射体が順に積層されてそれぞれ設けられていることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の光ファイバ水素センサにおいて、
    前記水素感応体が白金と酸化タングステンとの複合体からなることを特徴とする光ファイバ水素センサ。
  9. センシング光を発するセンシング光用光源と、
    前記センシング光用光源からのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を伝送するセンシング光用光ファイバと、
    前記センシング光用光ファイバからのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する金属、金属酸化物、又は、金属と金属酸化物との複合体からなる水素感応体、及び前記水素感応体を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する反射体を有するトランスデューサ部と、
    前記トランスデューサ部の前記反射体で反射して前記水素感応体を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する信号光用光ファイバと、
    前記信号光用光ファイバからの信号光を受光するように設けられ、その受光した信号光を検出する信号光検出器と、
    前記トランスデューサ部の前記水素感応体の感度の温度依存性を補償するための前記水素感応体を活性化させる波長300〜480nmの近紫外光からなる温度補償光を発する温度補償光用光源と、
    前記温度補償光用光源からの温度補償光を受光するように設けられ、その受光した温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバと、
    を備え、
    前記温度補償光用光ファイバは、前記トランスデューサ部の前記水素感応体に対して、前記温度補償光用光源からの温度補償光を照射するように設けられており、
    前記センシング光用光ファイバ、前記信号光用光ファイバ、及び前記温度補償光用光ファイバは、それらの前記トランスデューサ部側の部分がバンドルに構成されていることを特徴とする光ファイバ水素センサシステム。
  10. センシング光を発するセンシング光用光源と、
    前記センシング光用光源からのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を伝送するセンシング光用光ファイバと、
    前記センシング光用光ファイバからのセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を透過すると共に水素と反応すると特定の光学特性が変化する金属、金属酸化物、又は、金属と金属酸化物との複合体からなる水素感応体、及び前記水素感応体を透過したセンシング光を受光するように設けられ、その受光したセンシング光を反射する反射体を有するトランスデューサ部と、
    前記トランスデューサ部の前記反射体で反射して前記水素感応体を再び透過したセンシング光を信号光として受光するように設けられ、その受光した信号光を伝送する信号光用光ファイバと、
    前記信号光用光ファイバからの信号光を受光するように設けられ、その受光した信号光を検出する信号光検出器と、
    前記トランスデューサ部の前記水素感応体の感度の温度依存性を補償するための前記水素感応体を活性化させる波長300〜480nmの近紫外光からなる温度補償光を発する温度補償光用光源と、
    前記温度補償光用光源からの温度補償光を受光するように設けられ、その受光した温度補償光を伝送する温度補償光用光ファイバと、
    を備え、
    前記温度補償光用光ファイバは、前記トランスデューサ部の前記水素感応体に対して、前記温度補償光用光源からの温度補償光を照射するように設けられており、
    前記センシング光用光ファイバ、前記信号光用光ファイバ、及び前記温度補償光用光ファイバは、それらの前記トランスデューサ部側の部分が光ファイバ結合器を介して単一の混合光用光ファイバで構成されていることを特徴とする光ファイバ水素センサシステム。
  11. 請求項9又は10に記載の光ファイバ水素センサシステムにおいて、
    前記センシング光用光源は、前記水素感応体を透過すると共に、前記水素感応体の水素への感応を検知し、且つ前記反射体で反射する波長帯のセンシング光を発するように構成され、
    前記温度補償光用光源は、前記水素感応体に吸収される波長帯の温度補償光を発するように構成されていることを特徴とする光ファイバ水素センサシステム。
  12. 請求項9乃至11のいずれかに記載の光ファイバ水素センサシステムにおいて、
    前記水素感応体が白金と酸化タングステンとの複合体からなることを特徴とする光ファイバ水素センサシステム。
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