JP5647558B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータ装置に関する。
インバータ装置を構成するスイッチング素子としてIGBTを用いた場合、高出力時の損失は小さいという特徴を有し、インバータ装置を構成するスイッチング素子としてMOSFETを用いた場合、高周波スイッチングが可能であり、低出力時の損失が小さいという特徴を有している。これらの関係を考慮し、上側アームのスイッチング素子としてIGBTを用い、下側アームのスイッチング素子としてMOSFETを用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、省エネルギー化が進む昨今、低出力時における効率が重要視される場面が増えてきており、上側および下側のアームにMOSFETを用いた電力変換装置の需要も高まっている。その中でも、SJ(Super Junction)構造のMOSFETは、p層とn層のチャージをバランスさせることで、従来の素子よりも低オン抵抗化、高耐圧化が可能である。
一方で、MOSFETは、大きな負荷を駆動する際にMOSFETに逆並列接続されている還流(寄生)ダイオードにリカバリ(逆回復)電流が流れて損失が発生するという問題がある。そのため、所定のタイミングで還流ダイオードに逆電圧を印加して還流ダイオードの逆回復を図る手法や、還流ダイオードにリカバリ電流の小さいSiC(炭化珪素)やGaN(窒化ガリウム)系材料、またはダイヤモンド等のワイドバンドギャップ(以下、「WBG」という)半導体によって形成されたダイオードを用いる手法(例えば、特許文献2)や、スイッチング素子にWBG半導体を用いた電力変換装置が考えられている。
WBG半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子やダイオード素子の小型化が可能である。また、耐熱性が高く、電力損失も低いという特徴を有している。このようなWBG半導体の中でも、SiCにより形成されたパワー半導体素子は、従来のSi(珪素)により形成されたパワー半導体素子に比べ10倍の絶縁強度を持ち、リカバリ特性が良いため、小型化、高速スイッチング化、高効率化が可能であるといったメリットがあり、今後様々な利用が期待されている。
特開2007−74858号公報 特開2008−92663号公報
上述したように、インバータ装置のスイッチング素子としてWBG半導体素子を適用した場合、低損失化、高耐圧化等の利点がある。しかしながら、SiCにより形成されたMOSFETのようなWBG半導体素子は高価であり、インバータ装置のスイッチング素子を全てWBG半導体素子として構成すると、インバータ装置のコスト上昇を抑制するのが難しい、という問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コスト上昇を抑制しつつ、低損失化と高耐圧化とを両立可能なインバータ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるインバータ装置は、負荷あるいは直流母線に流れる電流を検出する電流検出手段もしくは前記直流母線の直流電圧を検出する電圧検出手段の少なくとも1つを具備し、前記直流電圧をスイッチングして前記負荷に供給する交流電圧を生成するインバータ装置であって、前記直流電圧の印加方向に沿って上流側の第1のMOSFETと下流側の第2のMOSFETとが直列に接続されたアームを1つあるいは複数備えて構成されるスイッチング回路と、前記電流あるいは前記直流電圧の少なくとも1つに基づいて、前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETの駆動信号を生成して出力し、前記スイッチング回路を駆動制御する駆動制御部と、前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうちの少なくとも1つに設けられ、前記駆動信号に基づいて当該MOSFETをターンオフさせる際のゲート電圧の浮き上がりを抑制するゲート電位安定化回路と、を備え、前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうち、1つ以上のMOSFETがワイドバンドギャップ半導体により形成され、残りのMOSFETがSuper Junction構造を有し、前記ゲート電位安定化回路は、直列に接続された第1および第2のトランジスタと、前記第1および第2のトランジスタの接続点から駆動用電源による電源電圧が印加されるベースと、前記電荷の放電経路に設けられたOFF用ゲート抵抗に流れる電流が流れ込むエミッタとを有する第3のトランジスタと、を備えて構成されることを特徴とする。
本発明によれば、コスト上昇を抑制しつつ、低損失化と高耐圧化とを両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかるインバータ装置の一構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかるPWM信号の生成過程の一例を示すフロー図である。 図3は、実施の形態1にかかるPWM信号の論理の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかる補助転流回路の一構成例を示す図である。 図5は、上側および下側アーム駆動用PWM信号と上側および下側アーム電流波形の一例を示す図である。 図6は、実施の形態1にかかる補助転流回路の動作の一例を示す図である。 図7は、各相電流の大きさと転流時間との関係を示す図である。 図8は、上側および下側アームの両方に対応する補助転流回路を備える例を示す図である。 図9は、誤オン防止の対策回路である電位安定用回路例を示す図である。 図10は、実施の形態2にかかるインバータ装置の一構成例を示す図である。 図11は、実施の形態2にかかる逆バイアス回路の一構成例を示す図である。 図12は、上側アーム駆動用PWM信号およびスイッチング制御信号Vsgnと下側アームの各部電圧波形の一例を示す図である。 図13は、実施の形態3にかかるインバータ装置のスイッチングパターンを示す図である。 図14は、実施の形態3にかかるインバータ装置のインバータ回転角と電圧指令ベクトルの関係を示す図である。 図15は、実施の形態3にかかるインバータ装置のPWM信号パターンの一例を示す図である。 図16は、実施の形態にかかるインバータ装置を空気調和機に適用した一例を示す図である。 図17は、実施の形態にかかるインバータ装置を冷蔵庫に適用した一例を示す図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかるインバータ装置について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるインバータ装置の一構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかるインバータ装置1は、直流電圧電源3から入力端子P(正側端子)と入力端子N(負側端子)との間に直流電圧Vdcが印加され、電動機8へ電力を供給している。
インバータ装置1は、直流電圧Vdcをスイッチングして電動機8に供給する交流電圧を生成するスイッチング回路2と、スイッチング回路2を駆動制御する駆動制御部9と、直流電圧Vdcを検出する電圧検出手段6と、電動機8に流れる電流を検出する電流検出手段7とを備えている。また、駆動制御部9は、スイッチング回路2を駆動する駆動部4と、駆動部4に与えるPWM信号を制御する制御部5とを備えている。
スイッチング回路2は、直流電圧Vdcの印加方向に沿って上流側(高電圧側)となる各相上側アーム2up,2vp,2wpと、各相上側アーム2up,2vp,2wpに対応し、直流電圧Vdcの印加方向に沿って下流側(低電圧側)となる各相下側アーム2un,2vn,2wnとにより構成される三相のアームを備えている。
各相上側アーム2up,2vp,2wpは、それぞれ、SJ構造の第1のMOSFET(以下、「SJ−MOSFET」という)21u,21v,21wおよび各SJ−MOSFET21u,21v,21wに逆並列に接続された寄生ダイオード23u,23v,23wからなるMOS型半導体素子対と、各MOS型半導体素子対に並列に接続された補助転流回路25u,25v,25wとを備えている。
各相下側アーム2un,2vn,2wnは、それぞれ、SiCにより構成された第2のMOSFET(以下、「SiC−MOSFET」という)22u,22v,22wおよび各SiC−MOSFET22u,22v,22wに逆並列に接続された寄生ダイオード24u,24v,24wからなるMOS型半導体素子対と、各SiC−MOSFET22u,22v,22wのゲート−ソース間に接続されたゲート電位安定化回路26u,26v,26wとを備えている。
補助転流回路25u,25v,25wは、負荷(ここでは、電動機8)に蓄えられたエネルギーによって寄生ダイオードに順方向電流を転流させることにより、SJ−MOSFET21u,21v,21wのオンに伴って流れる逆回復電流(リカバリ電流)を抑制する機能を有している。
ゲート電位安定化回路26u,26v,26wは、SiC−MOSFET22u,22v,22wのオフ時におけるゲート電圧の浮き上がり(以下、「ゲート浮き」という)を抑制することにより、スレッシュホールド電圧Vthの低さに起因する誤オンを防止する機能を有している。
電流検出手段7は、電動機8のu相電流Iuを検出する電流検出素子7aと、w相電流Iwを検出する電流検出素子7bとを備えている。本実施の形態では、電流検出素子7a,7bの両端電圧を検出して制御部5に取り込み、制御部5に内蔵されるA/D変換器等により、その電圧値を表す数値のデータに変換し、電動機8に流れるu相電流Iuおよびw相電流Iwのデータ(情報)に換算すると共に、「3相電流の総和が0になる」といった3相平衡インバータの特徴等を利用し、v相電流Ivのデータ(情報)を求める。なお、電動機8に流れる各相電流を導出する方法により本発明が限定されるものではない。また、電流検出手段7は、三相分の電流検出素子を備える構成とすることも可能である。
電圧検出手段6は、抵抗・コンデンサ等から成る分圧回路、A/D変換器、増幅器等で構成され、直流電圧Vdcを検出する。本実施の形態では、上述した電流検出の場合と同様に、制御部5に内蔵されるA/D変換器等により、直流電圧Vdcのデータ(情報)に変換する。なお、直流電圧Vdcを導出する方法により本発明が限定されるものではない。
制御部5は、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)を用いた電動機駆動制御を行う。本実施の形態では、磁極位置センサを付加せず、各相電流Iu,Iv,Iwおよび直流電圧Vdcに基づいて、各SJ−MOSFET21u,21v,21wおよび各SiC−MOSFET22u,22v,22wを駆動する各PWM信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnの基となる各PWM原信号Tup,Tun,Tvp,Tvn,Twp,Twnを作成すると共に、各補助転流回路25u,25v,25wを駆動する各補助転流回路駆動信号Su,Sv,Swの基となる各補助転流回路駆動原信号Tsu,Tsv,Tswを作成し、スイッチング回路2を駆動制御する。
駆動部4は、例えばバッファやロジックIC、レベルシフト回路等により構成され、各PWM原信号Tup,Tun,Tvp,Tvn,Twp,Twnに基づいて、各PWM信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを生成すると共に、各補助転流回路駆動原信号Tsu,Tsv,Tswに基づいて、各補助転流回路駆動信号Su,Sv,Swを生成し、スイッチング回路2を駆動する。なお、駆動部4は、制御部5内に駆動部4の機能を内蔵する場合等は、適宜省略することも可能である。その場合は、制御部5が各PWM信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnおよび各補助転流回路駆動信号Su,Sv,Swを生成し、スイッチング回路2を直接駆動制御すればよい。
つぎに、各相電流Iu,Iv,Iwおよび直流電圧Vdcに基づいて、スイッチング回路2に出力する各PWM信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを生成する過程について、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1にかかるPWM信号の生成過程の一例を示すフロー図である。
制御部5は、まず、電流検出手段7により検出された検出値に基づいて、各相電流Iu,Iv,Iwを算出する(ステップST101)。
つぎに、制御部5は、各相電流値を座標変換して励磁電流成分(γ軸電流)Iγとトルク電流成分(δ軸電流)Iδとを算出する。具体的には、次式(1)に示すような変換行列[C1]と各相電流Iu,Iv,Iwとを乗算することにより励磁電流Iγとトルク電流Iδとを算出する(ステップST102)。ただし、(1)式中のθは、インバータ回転角を示し、回転方向が時計回りの場合を示している。
Figure 0005647558
なお、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサを用いる場合、回転子の電気角周波数とインバータ装置の回転周波数とはほぼ一致するので、回転子の電気角周波数とインバータ装置とが同一周波数で回転する座標系をdq座標系と一般的に称する。一方、本実施の形態のように、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサを用いない場合は、dq軸座標を正確に捉えることができず、実際にはdq座標系に対して位相差Δθだけずれてインバータ装置が運転される。このような場合を想定して、一般的にはインバータ装置の出力電圧と同一周波数で回転する座標系をγδ座標系と称し、回転座標系とは区別して扱うこととしている。本実施の形態では、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサを用いない場合の例を示しているので、この慣例を踏襲してγおよびδを添え字としている。
図2に戻り、励磁電流Iγ、トルク電流Iδおよび外部からの周波数指令f*から速度制御を含む各種ベクトル制御を行い、例えば次式(2)を用いて次回のγ軸電圧指令Vγ*およびδ軸電圧指令Vδ*を求める(ステップST103)。
Figure 0005647558
つぎに、制御部5は、(1)式の逆行列[C1]-1である次式(3)を用いて各相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を求める(ステップST104)。
Figure 0005647558
つぎに、制御部5は、スイッチング回路2の各相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と電圧検出手段6により検出された直流電圧Vdcとの比率(直流電圧Vdcに対する各相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の比率)に基づいて、1キャリア周期中における各SJ−MOSFET21u,21v,21wおよび各SiC−MOSFET22u,22v,22wのON時間(あるいはOFF時間)を演算し、各PWM原信号Tup,Tun,Tvp,Tvn,Twp,Twnを生成する(ステップST105)。
そして、駆動部4は、制御部5から出力された各PWM原信号Tup,Tun,Tvp,Tvn,Twp,Twnに基づいて、各PWM信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを生成する(ステップST106)。以降、ステップST101〜ステップST106を繰り返すことにより、各PWM信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnが適時出力され、各SJ−MOSFET21u,21v,21wおよび各SiC−MOSFET22u,22v,22wが動作し、電動機8を駆動する。
図3は、実施の形態1にかかるPWM信号の論理の一例を示す図である。図3に示すように、各相の上側アーム2up,2vp,2wpのオン期間と下側アーム2un,2vn,2wnのオン期間とが同時に生じて短絡回路を形成しないように、各相の上側アーム(あるいは下側アーム)のターンオフと各相の下側アーム(あるいは上側アーム)のターンオンとの間に、デッドタイムTdが設けられている。
つぎに、補助転流回路25u,25v,25wについて説明する。図4は、実施の形態1にかかる補助転流回路の一構成例を示す図である。なお、各相の補助転流回路25u,25v,25wは、いずれも同一の構成であるので、図4では、各構成部に付した各符号の添え字u,v,wを省略している。
図4に示すように、実施の形態1にかかる補助転流回路25は、パルストランス252と、パルストランス252の一次側巻線に一次側電圧を印加する駆動用スイッチ(SW)253と、パルストランス252の二次側巻線に直列に接続された転流ダイオード(例えば、ショットキーバリアダイオード:SBD)251とを備えている。SBD251と寄生ダイオード23との向きが同一方向となるように、パルストランス252の二次側巻線とSBD251とからなる直列回路が寄生ダイオード23に並列に接続されている。駆動部4から出力される補助転流回路駆動信号により、パルストランス252の一次側巻線に一次側電圧が印加され、パルストランス252の二次側巻線に二次側起電力が誘導される。この二次側起電力によりSBD251がオンとなり、寄生ダイオード23がオフとなる。
図5は、上側および下側アーム駆動用PWM信号と上側および下側アーム電流波形の一例を示す図である。図5(a)は、上側アームに補助転流回路25を備えていない場合の例を示し、図5(b)は、上側アームに補助転流回路25を備えている場合の例を示している。なお、図5に示す例では、各SJ−MOSFETおよび各SiC−MOSFETのドレインからソース方向に流れる電流の向きを正として示している。
ここでは、補助転流回路25の動作の一例として、u相下側アーム2unのSiC−MOSFET22uおよびv相上側アーム2vpのSJ−MOSFET21vがオンの状態から、u相下側アーム2unのSiC−MOSFET22uがターンオフし、その後ターンオンする際の挙動を、図1、図5および図6を参照して説明する。図6は、実施の形態1にかかる補助転流回路の動作の一例を示す図である。図6(a)は、上側アームに補助転流回路25を備えていない場合の例を示し、図6(b)は、上側アームに補助転流回路25を備えている場合の例を示している。
u相上側アーム2upが補助転流回路25を備えていない場合(図5(a))、u相下側アーム2unのSiC−MOSFET22uおよびv相上側アーム2vpのSJ−MOSFET21vがオンの状態では、SJ−MOSFET21vから電動機8に電流が流れ、電動機8からSiC−MOSFET22uを経由して電源側に電流が流れている。そして、SiC−MOSFET22uがターンオフすると、電動機8に蓄えられたエネルギーに起因する電流がSJ−MOSFET21uの寄生ダイオード23uを順方向に流れる(図6(a)参照)。このとき、寄生ダイオード23uにキャリアが蓄積される。
つぎに、SiC−MOSFET22uがターンオンすると、寄生ダイオード23uに蓄積されたキャリアを放出し終えるまで、すなわち寄生ダイオード23uがオフするまでの期間、直流電圧Vdcを短絡する経路が形成される。この期間において、図5(a)に示すように、u相上側アーム2upおよびu相下側アーム2unに大きな短絡電流(リカバリ電流)が流れる。
一方、u相上側アーム2upが補助転流回路25を備えている場合(図5(b))、SiC−MOSFET22uがターンオンする前に、補助転流回路25のSW253をターンオンさせることにより、電動機8に蓄えられたエネルギーに起因する電流がSJ−MOSFET21uの寄生ダイオード23uよりもリカバリ特性が優れたSBD251に転流される。
そして、SW253のオン状態をSiC−MOSFET22uのターンオン以降まで維持することにより、寄生ダイオード23uがオフ状態に保たれる。この結果、SiC−MOSFET22uのターンオンにより、SBD251に起因したリカバリ電流が発生するが、SBD251は、寄生ダイオード23よりもリカバリ特性が優れているため、図5(b)に示すように、補助転流回路25を備えていない場合よりもリカバリ電流を抑制することができる。
なお、制御部5は、インバータ装置1から電動機8に流れる各相電流Iu,Iv,Iwの方向により、各相毎にリカバリ電流が発生するか否かを判断し、リカバリ電流が発生する場合のみ、その直前のデッドタイムTd期間に補助転流回路25を動作させることにより、転流動作に伴う損失を最小限に抑えるようにしている。
また、負荷電流(各相電流Iu,Iv,Iw)の大きさにより補助転流回路への転流にかかる時間が変化する。図7は、各相電流の大きさと転流時間との関係を示す図である。図7(a)は、負荷電流に対する転流時間の一例を示し、縦軸は負荷電流、横軸は転流時間をそれぞれ示している。また、図7(b)は、負荷電流の大きさ毎の補助転流回路駆動信号の一例を示している。
図7(a)に示すグラフの傾きは、パルストランス252のインダクタンス値によって変化する。また、寄生ダイオード23およびSBD251の特性によっても変化する。したがって、寄生ダイオード23、SBD251、およびパルストランス252の特性により補助転流回路駆動信号のパルス幅を変化させる必要があるが、必ずしも完全に転流動作を終える必要はなく、各ダイオードの特性、リカバリ電流の抑制量最適化、および高キャリア化する際のデッドタイムTdの短縮等を考慮して、補助転流回路駆動信号のパルス幅を調整すればよい。
なお、上記説明では、SJ−MOSFET21u,21v,21wに対して補助転流回路25を付加しているが、SiC−MOSFET22u,22v,22wに対して補助転流回路25を付加する構成とすることも可能である。例えば、SiC−MOSFET22u,22v,22wの寄生ダイオード24u,24v,24wよりもリカバリ特性の優れたダイオードを用いた補助転流回路を付加すれば、下側アーム2un,2vn,2wnのリカバリ電流をも抑制することができる。
図8は、上側および下側アームの両方に対応する補助転流回路を備える例を示す図である。図8(a)および図8(b)は、いずれも二次側巻線を2つ備えたパルストランスを用いて上側および下側アームの両方に対応する補助転流回路25aあるいは補助転流回路25bを備える例を示している。図8に示すように、二次側巻線を2つ備えたパルストランス252aを用いて補助転流回路25aあるいは補助転流回路25bを構成することにより、上側および下側アームの両方にそれぞれ補助転流回路25を備える場合よりも低コスト化、基板面積削減による小型化を図ることができる。
つぎに、ゲート電位安定化回路26u,26v,26wについて説明する。SiC−MOSFETは、Si−MOSFETに比べスレッシュホールド電圧Vthが小さく誤オンしやすいといった問題がある。このため、本実施の形態では、各相下側アーム2un,2vn,2wnの各SiC−MOSFET22u,22v,22wのオフ時におけるゲート浮きを抑制することにより、スレッシュホールド電圧Vthの低さに起因する誤オンを防止するゲート電位安定化回路26u,26v,26wを付加する構成としている。
図9は、実施の形態1にかかるゲート電位安定化回路の構成例を示す図である。なお、各相のゲート電位安定化回路26u,26v,26wは、いずれも同一の構成であるので、図9では、各構成部に付した各符号の添え字u,v,wを省略している。
図9(a)は、本実施の形態にかかるゲート電位安定化回路26の最も基本的な構成を示す図である。図9(a)に示すように、実施の形態1にかかるゲート電位安定化回路26は、SiC−MOSFET22のゲートにOFF用ゲート抵抗262を介してpnp型バイポーラトランジスタ(SW)263のエミッタが接続され、pnp型バイポーラトランジスタ(SW)263のコレクタがSiC−MOSFET22のソースに接続されている。また、SiC−MOSFET22のゲートとpnp型バイポーラトランジスタ(SW)263のベースとの間にON用ゲート抵抗261が接続され構成されている。pnp型バイポーラトランジスタ263のベースには、駆動部4から下側アーム用PWM信号(Un,Vn,Wn)が入力される。
SiC−MOSFET22がターンオフする際にはpnp型バイポーラトランジスタ(SW)263のベースに負電圧が印加されてpnp型バイポーラトランジスタ(SW)263がオンし、OFF用ゲート抵抗262とpnp型バイポーラトランジスタ(SW)263のエミッタ−コレクタとを介して、SiC−MOSFET22のゲート−ドレイン間の帰還容量に充電された電荷が高速に放電される。これにより、SiC−MOSFET22のゲート浮きが抑制され、オフ時のゲート電位が安定し、誤オンを防止することができる。
さらに、図9(b)に示すように、SW263のベースに保護ダイオード267を付加することにより、pnp型バイポーラトランジスタ(SW)263を保護することができ、図9(c)に示すように、pnp型バイポーラトランジスタ(SW)263とnpn型バイポーラトランジスタ(SW)268とをダーリントン接続することにより、SiC−MOSFET22のゲート−ドレイン間の帰還容量に充電された電荷をさらに高速に放電させゲート浮きを抑制することが可能であり、さらに、図9(b)の構成と図9(c)の構成とを組合せた図9(d)の構成にすることにより、双方の効果を得ることが可能である。また、図9(c)に示したダーリントン接続の段数を増加することにより、さらに放電速度を向上させゲート浮きを抑制することも可能である。また、図9(e)に示すように、SiC−MOSFET22のゲートにON用ゲート抵抗261を介してnpn型バイポーラトランジスタ(SW)269のエミッタを接続し、npn型バイポーラトランジスタ(SW)269のコレクタを駆動部用電源Vccに接続することにより、SiC−MOSFET22のターンオン時の立ち上がりを高速化することも可能である。
以上説明したように、実施の形態1のインバータ装置によれば、各相上側アームのスイッチング素子としてSJ−MOSFETを適用し、各相下側アームのスイッチング素子としてSiC−MOSFETを適用したので、コストの上昇を抑制しつつ、低損失化、高耐圧化を図ると共に、信頼性の向上を図ることが可能となる。つまり、各相上側および下側アームのスイッチング素子としてSiC−MOSFETを適用する場合に比べて、低コストで実現でき、各相上側および下側アームのスイッチング素子としてSJ−MOSFETを適用する場合に比べて、補助転流回路数を減らすことができるので、基板の小型化や回路の単純化により信頼性の向上を図ることができる。また、SiC−MOSFETおよびSJ−MOSFETは共に耐電圧性が高いので、インバータ装置の高耐圧化にも適している。
また、各相上側アームに対して、SJ−MOSFETのオンに伴って流れるリカバリ電流を抑制する補助転流回路を付加したので、各相下側アームにリカバリ特性の優れたSiC−MOSFETを適用することと併せ、逆回復損失の低減を図ることができると共に、雑音端子電圧の抑制を図ることができ、EMC性能の向上が可能となる。
さらに、各相下側アームに対して、SiC−MOSFETのオフ時におけるゲート浮きを抑制するゲート電位安定化回路を付加したので、SiC−MOSFETのスレッシュホールド電圧Vthの低さに起因する誤オンを防止することができ、信頼性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施の形態1では、SJ−MOSFETを適用した上側アームに補助転流回路を付加しているが、SiC−MOSFETを適用した下側アームに補助転流回路を付加することも可能である。この場合は、SiC−MOSFETの寄生ダイオードよりもリカバリ特性の優れたダイオードを用いて補助転流回路を構成することにより、リカバリ電流がさらに抑制され、さらなる低損失化およびEMC性能の向上が可能である。
また、各相上側アームのスイッチング素子としてSJ−MOSFETを適用し、各相下側アームのスイッチング素子としてSiC‐MOSFETを適用したが、各相上側アームのスイッチング素子としてSiC−MOSFETを適用し、各相下側アームのスイッチング素子としてSJ‐MOSFETを適用することも可能である。また、各相上側アームのスイッチング素子のうちのいずれか1つあるいは2つをSiC−MOSFETとし、残りの上側アームのスイッチング素子および下側アームのスイッチング素子をSJ−MOSFETとしてもよく、各相下側アームのスイッチング素子のうちのいずれか1つあるいは2つをSiC−MOSFETとし、残りの下側アームのスイッチング素子および上側アームのスイッチング素子をSJ−MOSFETとしてもよい。いずれの場合でも、コストの上昇を抑制しつつ、低損失化および高耐圧化を両立させることが可能となるという効果を得ることができる。
さらに、上側アームのスイッチング素子と下側アームのスイッチング素子とをモジュール化した、所謂2IN1モジュールを含む構成とすることも可能である。この場合、例えば、2IN1モジュール内の上側アームのスイッチング素子としてSJ−MOSFETを適用し、下側アームのスイッチング素子としてSiC‐MOSFETを適用することも可能であるし、上側アームのスイッチング素子としてSiC−MOSFETを適用し、下側アームのスイッチング素子としてSJ‐MOSFETを適用することも可能である。また、例えば、全てのアームのスイッチング素子を1つのパッケージの内部に備えたパワーモジュールにより構成することも可能である。さらに、これらの2IN1モジュールやパワーモジュールに補助転流回路あるいはゲート電位安定化回路を組み込むことも可能である。このように複数のスイッチング素子をモジュール化することにより、故障発生時に交換する部品が少なくなり、メンテナンス性の向上を図ることができる。
また、スイッチング素子を全てMOSFETにより構成したので、IGBTにより構成した場合の順方向電圧に伴う損失がなく、かつ高速スイッチングが可能である。
また、補助転流回路を構成するパルストランスにより、高圧側回路(スイッチング素子側)と低圧側回路(駆動部側)とが電気的に絶縁されるため、低圧側回路の設計が容易である。また、補助転流回路の低圧側回路の電源を駆動部の電源と共通の電源(駆動部用電源)とすることができ、電源回路を別途構成する必要がなく、コストの上昇を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態1では、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサを用いず、コストの上昇を抑制しているが、実施の形態1においてさらにこのようなセンサを用いることにより、回転子の電気角周波数とインバータ装置の回転周波数とはほぼ一致するので、高精度なPWM制御を行うことが可能となる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2にかかるインバータ装置の一構成例を示す図である。図10に示すように、実施の形態2にかかるインバータ装置1aのスイッチング回路2aでは、図1に示す実施の形態1の構成において各相下側アーム2un,2vn,2wnの各SiC−MOSFET22u,22v,22wに付加したゲート電位安定化回路26u,26v,26wに代えて、SiC−MOSFET22u,22v,22wのターンオフの際に、SiC−MOSFET22u,22v,22wのゲートに逆バイアスを印加する逆バイアス回路27u,27v,27wを付加した構成としている。なお、実施の形態1と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図11は、実施の形態2にかかる逆バイアス回路の一構成例を示す図である。なお、各相の逆バイアス回路27u,27v,27wは、いずれも同一の構成であるので、図11では、各構成部に付した各符号の添え字u,v,wを省略している。
図11に示すように、実施の形態2にかかる逆バイアス回路27は、駆動部用電源Vccにソースが接続されたp型MOSFET(ON駆動用スイッチ)271のドレインにON駆動時電流制限用抵抗272を介してSiC−MOSFET22のゲートが接続されている。また、SiC−MOSFET22のソースにカソードが接続されたダイオード257のアノードにソースが接続されたn型MOSFET(OFF駆動用スイッチ)274のドレインにOFF駆動時電流制限用抵抗273を介してSiC−MOSFET22のゲートが接続されている。ON駆動用スイッチ271のゲートおよびOFF駆動用スイッチ274のゲートにスイッチング制御信号Vsgnが入力される。なお、スイッチング制御信号Vsgnは、実施の形態1において説明したPWM信号の逆ロジックの信号である。つまり、スイッチング制御信号Vsgnが「Low」信号である場合には、SiC−MOSFET22が「ON」となり、スイッチング制御信号Vsgnが「High」信号である場合には、SiC−MOSFET22が「OFF」となる。したがって、以下の説明では、スイッチング制御信号Vsgnが「Low」である場合の電圧値を「ON電圧」、スイッチング制御信号Vsgnが「High」である場合の電圧値を「OFF電圧」という。また、図11では、ON駆動用スイッチ271としてp型MOSFETを適用しているが、例えばnpn型バイポーラトランジスタであってもよいし、OFF駆動用スイッチ274としてn型MOSFETを適用しているが、例えばpnp型バイポーラトランジスタであってもよい。
また、ソースがSiC−MOSFET22およびダイオード257のカソードの接続点に接続されたn型MOSFET(負バイアス発生スイッチ)277のドレインと、OFF駆動用スイッチ274のソースおよびダイオード257のアノードの接続点との間にコンデンサ276が接続され、負バイアス発生スイッチ277のドレインおよびコンデンサ276の接続点がツェナーダイオード278のアノードに接続され、ツェナーダイオード278のカソードが抵抗279を介して駆動部用電源Vccに接続されている。負バイアス発生スイッチ277のゲートに負バイアス駆動信号Vbiasが入力される。なお、スイッチング制御信号Vsgnおよび負バイアス駆動信号Vbiasは、駆動部4から同一の経路で出力することも可能である。また、図11では、負バイアス発生スイッチ277としてn型MOSFETを適用しているが、例えばpnp型バイポーラトランジスタであってもよい。
つぎに、逆バイアス回路27の動作について、図11および図12を参照して説明する。図12は、上側アーム駆動用PWM信号およびスイッチング制御信号Vsgnと下側アームの各部電圧波形の一例を示す図である。なお、図12に示す例では、スイッチング制御信号Vsgnのロジックに合わせて上側アーム駆動用PWM信号のロジックを反転して示している。つまり、図12に示す例では、上側アーム駆動用PWM信号が「Low」信号である場合には、上側アームのスイッチング素子(SJ−MOSFET21)が「ON」となり、上側アーム駆動用PWM信号が「High」信号である場合には、上側アームのスイッチング素子(SJ−MOSFET21)が「OFF」となる。したがって、以下の説明では、上側アーム駆動用PWM信号が「Low」である場合の電圧値を「ON電圧」、上側アーム駆動用PWM信号が「High」である場合の電圧値を「OFF電圧」という。
また、図12において、V1は、負バイアス発生スイッチ277のドレイン電圧を示し、V2は、OFF駆動用スイッチ274のソース電圧を示し、Vlgsは、SiC−MOSFET22のゲート電圧を示している。また、図12に示す例では、SiC−MOSFET22のソース電圧を0Vとして示している。
また、図12に示す例では、上側アーム駆動用PWM信号がOFF電圧であり、スイッチング制御信号VsgnがON電圧である期間をt1、スイッチング制御信号VsgnがOFF電圧に切り換わってから上側アーム駆動用PWM信号がON電圧に切り換わるまでのデッドタイムTd期間をt2、上側アーム駆動用PWM信号がON電圧に切り換わってからOFF電圧に切り換わるまでの期間をt3、上側アーム駆動用PWM信号がOFF電圧に切り換わってから上側アーム駆動用PWM信号がON電圧に切り換わるまでのデッドタイムTd期間をt4、上側アーム駆動用PWM信号がON電圧に切り換わった以降の期間をt5としている。
期間t1では、スイッチング制御信号VsgnがON電圧(つまり、Low信号)であるので、負バイアス発生スイッチ277はOFFとなり、負バイアス発生スイッチ277のドレイン電圧V1は、(駆動部用電源電圧Vcc)−(ツェナーダイオード278の両端電圧Vzd)となる。また、OFF駆動用スイッチ274もOFFとなり、OFF駆動用スイッチ274のソース電圧V2は、ダイオード275の順方向電圧Vfとなる。また、ON駆動用スイッチ271はONとなるので、SiC−MOSFET22のゲート電圧Vlgsは、駆動部用電源電圧Vccと等しい。このとき、コンデンサ276の両端電圧値は、(Vcc−Vzd−Vf)となる。
期間t2において、スイッチング制御信号VsgnがOFF電圧(つまり、High信号)に切り換わると、負バイアス発生スイッチ277はONとなり、負バイアス発生スイッチ277のドレイン電圧V1は、SiC−MOSFET22のソース電圧0Vとなる。また、ON駆動用スイッチ271はOFF、OFF駆動用スイッチ274はONとなる。これにより、SiC−MOSFET22がターンオフする。
このとき、コンデンサ276の両端電圧は、スイッチング制御信号VsgnがOFF電圧となる直前の電圧値を保とうとするので、OFF駆動用スイッチ274のソース電圧V2は、(SiC−MOSFET22のソース電圧0V)−(Vcc−Vzd−Vf)となり、SiC−MOSFET22のゲート電圧Vlgsは、マイナス電位となり、逆バイアスが印加される。なお、その後、時間の経過と共に、SiC−MOSFET22uのゲート容量、OFF駆動時電流制限用抵抗273、OFF駆動用スイッチ274、コンデンサ276、負バイアス発生スイッチ277を介して電流が流れ、OFF駆動用スイッチ274のソース電圧V2およびSiC−MOSFET22のゲート電圧Vlgsは徐々に上昇していく。なお、ツェナーダイオード278は、OFF駆動用スイッチ274のソース電圧V2の瞬間的な負電位を調節し、上側アーム駆動用PWM信号がON電圧に切り換わる際のノイズ発生時の負バイアス電圧を決めている。また、必要以上に負バイアス電圧を印加しないようにすると共に、抵抗279を介したコンデンサ276の充放電による損失を抑える作用がある。この損失が逆バイアス回路27の損失に対して無視できる程度のものならば、ツェナーダイオード278を省略することも可能である。
期間t3において、上側アーム駆動用PWM信号がON電圧に切り換わり、上側アームのスイッチング素子がターンオンすると、上側アームのスイッチング素子のドレインからソースに流れる電流が増加し、SiC−MOSFET22のソースからドレインに流れる電流は減少し、SiC−MOSFET22は完全にOFF状態になる。このとき、SiC−MOSFET22のドレイン−ソース間の寄生容量を充電するために、ドレイン−ソース間電圧が急速に上昇し、ゲート電圧Vlgsが一時的に持ち上がる。しかし、期間t2において、ゲート電圧Vlgsは、十分なマイナス電位となっているため、期間t3において、ゲート電圧Vlgsの持ち上がりが発生しても、SiC−MOSFET22のスレッシュホールド電圧Vthを超えることはなく、誤動作を防止できる。
期間t4において、上側アーム駆動用PWM信号がOFF電圧に切り換わり、上側アームのスイッチング素子がターンOFFする。
期間t5において、スイッチング制御信号VsgnがON電圧(つまり、Low信号)に切り換わると、負バイアス発生スイッチ277はOFF、ON駆動用スイッチ271はOFF、OFF駆動用スイッチ274はONとなる。負バイアス発生スイッチ277のドレイン電圧V1は、コンデンサ276の充電に伴い上昇してVcc−Vzdとなり、OFF駆動用スイッチ274のソース電圧V2はVfとなる。これにより、SiC−MOSFET22のゲート電圧Vlgsは、負バイアス発生スイッチ277のドレイン電圧V1の上昇に伴ってVccに上昇し、SiC−MOSFET22がターンオンする。
以上説明したように、実施の形態2にかかるインバータ装置によれば、各相下側アームに対して、SiC−MOSFETのターンオフの際に、SiC−MOSFETのゲートに逆バイアスを印加する逆バイアス回路を付加したので、実施の形態1の効果に加え、上側アームのスイッチング素子のターンオンの際にゲート電圧が上昇した場合でも誤オンを防止することができ、信頼性の向上を図ることができる。
また、逆バイアス回路の電源を駆動部および実施の形態1において説明した補助転流回路の電源と共通の電源(駆動部用電源)とすることができ、電源回路を別途構成する必要がなく、コストの上昇を抑制することができる。
さらに、実施の形態1と同様に、上側アームのスイッチング素子と下側アームのスイッチング素子とをモジュール化した、所謂2IN1モジュールを含む構成とすることも可能である。この場合、例えば、2IN1モジュール内の上側アームのスイッチング素子としてSJ−MOSFETを適用し、下側アームのスイッチング素子としてSiC‐MOSFETを適用することも可能であるし、上側アームのスイッチング素子としてSiC−MOSFETを適用し、下側アームのスイッチング素子としてSJ‐MOSFETを適用することも可能である。また、例えば、全てのアームのスイッチング素子を1つのパッケージの内部に備えたパワーモジュールにより構成することも可能である。さらに、これらの2IN1モジュールやパワーモジュールに補助転流回路、ゲート電位安定化回路、あるいは逆バイアス回路を組み込むことも可能である。このように複数のスイッチング素子をモジュール化することにより、故障発生時に交換する部品が少なくなり、メンテナンス性の向上を図ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかるインバータ装置の構成は、実施の形態1あるいは実施の形態2の構成と同一であるので、その詳細な説明を省略する。実施の形態1では、各相のキャリア周期毎に常にいずれかの相をスイッチングするPWM制御手法について説明したが、本実施の形態では、インバータ回転角の1周期を6つの区間に分割し、各区間毎にいずれか二相をスイッチングする二相変調PWM制御手法について説明する。
各相上側あるいは下側アームに供給される各PWM信号の論理は、直流電圧Vdcの正側に接続されたスイッチング素子がオンするか、負側に接続されたスイッチング素子がオンするかのどちらかであり、それらが3相分あるから、全部で8種類(2=8)のスイッチングパターンが存在する。図13は、実施の形態3にかかるインバータ装置のスイッチングパターンを示す図である。
図13では、各PWM信号Up,Vp,WpがONである状態の各上側アーム2up,2vp,2wpの論理を1、各PWM信号Up,Vp,WpがOFFである状態の各上側アーム2up,2vp,2wpの論理を0とし、(PWM信号Wpの論理,PWM信号Vpの論理,PWM信号Upの論理)=(W相上側アーム2wpの論理,V相上側アーム2vpの論理,U相上側アーム2upの論理)=(0,0,0)の場合をV、(0,0,1)の場合をV、(0,1,0)の場合をV、(0,1,1)の場合をV、(1,0,0)の場合をV、(1,0,1)の場合をV、(1,1,0)の場合をV、(1,1,1)の場合をVとしている。なお、V〜Vは、ベクトル長を持つ各スイッチングモードの電圧ベクトル(以下、「基本電圧ベクトル」という)であり、VおよびVは、ベクトル長を持たない電圧ベクトル(以下、「ゼロベクトル」という)である。
図14は、V方向(U相方向)を基準としたインバータ回転角θと電圧指令ベクトルV*との関係を示す図である。図14に示すように、電圧指令ベクトルV*は、インバータ回転角θの1周期中において、π/3[rad]ずつ位相の異なる6つの基本電圧ベクトルV〜Vと、中央の2つのゼロベクトルVおよびVにより表すことができる。これらの6つの基本電圧ベクトルV〜Vと2つのゼロベクトルVおよびVとを適切に組み合わせて電圧指令ベクトルV*を生成することにより、電動機を円滑に回転させるための所望の電圧・周波数に対応した磁束を得ることができる。
図15は、実施の形態3にかかるインバータ装置のPWM信号パターンの一例を示す図である。図15に示す例では、上張付方式の二相変調PWM制御パターンの一例を示している。この例では、制御部5は、インバータ回転角θが0〜π/3[rad]の区間(図15(a))およびインバータ回転角θが5π/3〜2π[rad]の区間(図15(f))では、W相およびV相の上側アーム2wp,2vpのSJ−MOSFET21w,21vをスイッチングするように、各PWM信号Wp,Vpを制御し、インバータ回転角θがπ/3〜2π/3[rad]の区間(図15(b))およびインバータ回転角θが2π/3〜π[rad]の区間(図15(c))では、W相およびU相の上側アーム2wp,2upのSJ−MOSFET21w,21uをスイッチングするように、各PWM信号Wp,Upを制御し、インバータ回転角θがπ〜4π/3[rad]の区間(図15(d))およびインバータ回転角θが4π/3〜5π/3[rad]の区間(図15(e))では、V相およびU相の上側アーム2vp,2upのSJ−MOSFET21v,21uをスイッチングするように、各PWM信号Vp,Upを制御するようにしている。なお、各相下側アーム2un,2vn,2wnの各PWM信号Un,Vn,Wnは、実施の形態1および実施の形態2と同様に、それぞれが対応する上側アーム2up,2vp,2wpのPWM信号Up,Vp,Wpにより駆動されるSJ−MOSFET21u,21v,21wのオン期間と、各PWM信号Un,Vn,Wnにより駆動されるSiC−MOSFET22u,22v,22wのオン期間とが同時に生じて短絡回路を形成しないように、デッドタイムTdが設けられ制御されるようにすればよい。
このように、本実施の形態では、スイッチング回数の少ない、例えば上張付方式等の二相変調PWM制御を用いることにより、上側アーム2up,2vp,2wpのSJ−MOSFET21u,21v,21wによる逆回復損失を低減させ、下側アームに導通損失が小さいSiC−MOSFET22u,22v,22wを適用することにより、高効率化を図ることが可能である。
以上説明したように、実施の形態3にかかるインバータ装置によれば、二相変調PWM制御を用いて、インバータ回転角の1周期を6つの区間に分割し、各区間毎にいずれか二相をスイッチングするようにしたので、実施の形態1において説明した各相のキャリア周期毎に常にいずれかの相をスイッチングするPWM制御手法に比べてインバータ1回転当たりの逆回復損失および導通損失を低減させることができ、実施の形態1において説明した補助転流回路をSJ−MOSFETに付加することと合わせ、実施の形態1よりもさらに低損失化を図ることができると共に、雑音端子電圧の抑制を図ることができ、EMC性能のさらなる向上が可能となる。
また、スイッチング回数が減少することにより、逆回復損失および導通損失を低減させることができるので、条件によっては、実施の形態1において説明した補助転流回路を省略した構成とすることも可能である。この場合、補助転流回路を構成する構成部品の減少により、よりコストの低減およびインバータ装置の小型化が可能となる。
さらに、実施の形態1および実施の形態2と同様に、上側アームのスイッチング素子と下側アームのスイッチング素子とをモジュール化した、所謂2IN1モジュールを含む構成とすることも可能である。この場合、例えば、2IN1モジュール内の上側アームのスイッチング素子としてSJ−MOSFETを適用し、下側アームのスイッチング素子としてSiC‐MOSFETを適用することも可能であるし、上側アームのスイッチング素子としてSiC−MOSFETを適用し、下側アームのスイッチング素子としてSJ‐MOSFETを適用することも可能である。また、例えば、全てのアームのスイッチング素子を1つのパッケージの内部に備えたパワーモジュールにより構成することも可能である。さらに、これらの2IN1モジュールやパワーモジュールに補助転流回路、ゲート電位安定化回路、あるいは逆バイアス回路を組み込むことも可能である。このように複数のスイッチング素子をモジュール化することにより、故障発生時に交換する部品が少なくなり、メンテナンス性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施の形態では、三相電動機の駆動に用いる例について説明したが、例えば、駆動制御対象となる負荷が単相負荷である場合においても適用可能であることは言うまでもない。
また、上述した実施の形態では、電動機の各相に流れる各相電流を検出して、各相電流に基づく各制御を行う例について説明したが、電流検出手段を各相下側アームの直流母線経路に流れる電流を検出するように構成してもよいし(3シャント方式)、直流電圧電源の負極に流れる直流母線電流を検出するように構成してもよく(1シャント方式)、それぞれの構成において各電流に応じて各制御を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、インバータ装置から電動機に流れる各相電流の方向により、各相毎にリカバリ電流が発生するか否かを判断し、リカバリ電流が発生する場合のみ、その直前のデッドタイムTd期間に補助転流回路を動作させるものとして説明したが、あらかじめ各PWM信号の制御順序が決まれば、リカバリ電流が発生するタイミングを特定できるので、各相電流の方向からリカバリ電流が発生するか否かを判断することなく、各PWM信号の制御順序のみに基づいて補助転流回路の動作を制御することも可能である。このようにすれば、演算処理が簡易となり、演算処理にかかる負荷を軽減することができる。
また、上述した実施の形態では、電圧検出回路および電流検出回路の両方を用いて各制御を行う例を示しているが、簡易な制御であれば、いずれか一方のみを用いる構成とすることも可能である。この場合は、検出系の回路を削減することができ、また、演算処理にかかる負荷を軽減することができる。
また、上述した実施の形態において説明したSiC−MOSFETに代えて、他のワイドバンドギャップ(WBG)半導体により形成されたMOSFETを適用することも可能である。他のWBG半導体としては、例えば、GaN(窒化ガリウム)系材料、またはダイヤモンド等がある。
このようなWBG半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子やダイオード素子の小型化が可能であり、これら小型化されたスイッチング素子やダイオード素子を用いることにより、これらの素子を組み込んだインバータ装置やモジュールの小型化が可能となる。
また、耐熱性も高いため、ヒートシンクの放熱フィンの小型化が可能であり、インバータ装置やモジュールの一層の小型化が可能になる。
さらに、電力損失が低いため、スイッチング素子やダイオード素子の高効率化が可能であり、延いては、インバータ装置やモジュールの高効率化が可能になる。
また、上述した実施の形態にかかるインバータ装置は、例えば空気調和機や冷蔵庫等に適用して好適である。図16は、実施の形態にかかるインバータ装置を空気調和機に適用した一例を示す図である。また、図17は、実施の形態にかかるインバータ装置を冷蔵庫に適用した一例を示す図である。
図16に示すように、実施の形態にかかるインバータ装置を適用した空気調和機300は、室外機301および室内機304を備え、室外機301は、図示しない冷媒回路に接続され、冷凍サイクルを構成する冷媒圧縮機302、および、図示しない熱交換器に送風する送風機303を備えている。そして、これら冷媒圧縮機302および送風機303は、上述した実施の形態にかかるインバータ装置により制御されるモータにより回転駆動される。このように実施の形態にかかるインバータ装置を適用した空気調和機300においても、上述した実施の形態の効果を得ることができる。
図17に示すように、実施の形態にかかるインバータ装置を適用した冷蔵庫400は、図示しない冷媒回路に接続され冷凍サイクルを構成する冷媒圧縮機401、冷却室402、冷却室402内に設けられた冷却器403、冷却器403で生成された冷気を各冷蔵室および冷凍室に送る冷気循環用の送風機404を備えている。そして、冷媒圧縮機401および送風機404は、上述した実施の形態にかかるインバータ装置により制御されるモータにより回転駆動される。このように実施の形態にかかるインバータ装置を適用した冷蔵庫400においても、上述した実施の形態の効果を得ることができる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
1,1a インバータ装置
2,2a スイッチング回路
3 直流電圧電源
4 駆動部
5 制御部
6 電圧検出手段
7 電流検出手段
7a,7b 電流検出素子
8 電動機(負荷)
9 駆動制御部
2up,2vp,2wp 各相上側アーム
2un,2vn,2wn 各相下側アーム
21u,21v,21w 第1のMOSFET(上側アーム)
22,22u,22v,22w 第2のMOSFET(下側アーム)
23,23u,23v,23w (第1のMOSFETの)寄生ダイオード
24,24u,24v,24w (第2のMOSFETの)寄生ダイオード
25,25a,25u,25v,25w 補助転流回路
26,26u,26v,26w ゲート電位安定化回路
27,27u,27v,27w 逆バイアス回路
251,251u 転流ダイオード(ショットキーバリアダイオード:SBD)
252,252a,252u パルストランス
253,253u 駆動用スイッチ
261 ON用ゲート抵抗
262 OFF用ゲート抵抗
263 pnp型バイポーラトランジスタ(SW)
267 保護ダイオード
268 npn型バイポーラトランジスタ(SW)
269 npn型バイポーラトランジスタ(SW)
271 p型MOSFET(ON駆動用スイッチ)
272 ON駆動時電流制限用抵抗
273 OFF駆動時電流制限用抵抗
274 n型MOSFET(OFF駆動用スイッチ)
275 ダイオード
276 コンデンサ
277 負バイアス発生スイッチ
278 ツェナーダイオード
279 抵抗
300 空気調和機
301 室外機
302 冷媒圧縮機
303 送風機
304 室内機
400 冷蔵庫
401 冷媒圧縮機
402 冷却室
403 冷却器
404 送風機

Claims (12)

  1. 負荷あるいは直流母線に流れる電流を検出する電流検出手段もしくは前記直流母線の直流電圧を検出する電圧検出手段の少なくとも1つを具備し、前記直流電圧をスイッチングして前記負荷に供給する交流電圧を生成するインバータ装置であって、
    前記直流電圧の印加方向に沿って上流側の第1のMOSFETと下流側の第2のMOSFETとが直列に接続されたアームを1つあるいは複数備えて構成されるスイッチング回路と、
    前記電流あるいは前記直流電圧の少なくとも1つに基づいて、前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETの駆動信号を生成して出力し、前記スイッチング回路を駆動制御する駆動制御部と、
    前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうちの少なくとも1つに設けられ、前記駆動信号に基づいて当該MOSFETをターンオフさせる際のゲート電圧の浮き上がりを抑制するゲート電位安定化回路と、
    を備え、
    前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうち、1つ以上のMOSFETがワイドバンドギャップ半導体により形成され、残りのMOSFETがSuper Junction構造を有し、
    前記ゲート電位安定化回路は、
    直列に接続された第1および第2のトランジスタと、
    前記第1および第2のトランジスタの接続点から駆動用電源による電源電圧が印加されるベースと、前記電荷の放電経路に設けられたOFF用ゲート抵抗に流れる電流が流れ込むエミッタとを有する第3のトランジスタと、
    を備えて構成される
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記負荷に蓄えられたエネルギーによって前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETの寄生ダイオードに流れる順方向電流を転流させる補助転流回路を前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうちの少なくとも1つに備えることを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記補助転流回路は、
    パルストランスと、
    前記パルストランスの一次側巻線に一次側電圧を印加する駆動用スイッチと、
    前記パルストランスの二次側巻線に直列に接続された転流ダイオードと、
    を備え、
    前記パルストランスの二次側巻線と前記転流ダイオードとからなる直列回路が、前記転流ダイオードの極性の向きと前記寄生ダイオードの極性の向きとが同一方向となるように、前記寄生ダイオードに並列に接続され、前記駆動制御部から出力される補助転流回路駆動信号により、前記パルストランスの一次側巻線に一次側電圧が印加され、前記一次側電圧に応じて前記パルストランスの二次側巻線に誘導される二次側起電力により、前記順方向電流を前記転流ダイオードに転流することを特徴とする請求項に記載のインバータ装置。
  4. 前記一次側電圧は、前記駆動制御部の動作に用いる駆動部用電源から供給されることを特徴とする請求項に記載のインバータ装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記電流に基づいて、前記補助転流回路駆動信号の出力タイミングおよび出力パルス幅を制御することを特徴とする請求項またはに記載のインバータ装置。
  6. 前記駆動制御部は、前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうち、前記補助転流回路駆動信号の出力対象となる前記補助転流回路を備えた一方のMOSFETとは異なる他方のMOSFETのターンオンタイミング前に前記補助転流回路駆動信号を出力することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  7. 前記駆動制御部は、前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうち、前記補助転流回路駆動信号の出力対象となる前記補助転流回路を備えた一方のMOSFETとは異なる他方のMOSFETのターンオンタイミング近傍で前記補助転流回路駆動信号の出力を停止することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  8. 前記第1のMOSFETあるいは前記第2のMOSFETのターンオフの際に、ゲートに逆バイアスを印加する逆バイアス回路を前記第1のMOSFETおよび前記第2のMOSFETのうちの少なくとも1つに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  9. 前記逆バイアス回路は、前記駆動部用電源により動作することを特徴とする請求項に記載のインバータ装置。
  10. 前記駆動制御部は、インバータ回転角の1周期を6つの区間に分割し、各区間毎にいずれか二相をスイッチングする二相変調PWM制御を用いて、前記スイッチング回路を駆動制御することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  11. 複数の前記第1のMOSFETあるいは前記第2のMOSFETが1つのパッケージの内部に設けられモジュール化されたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  12. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、窒化ガリウム系材料、炭化ケイ素、あるいはダイヤモンドであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のインバータ装置。
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