JP5646786B1 - 過締め・緩み防止ナット - Google Patents
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Abstract
Description
また、特開平10−61645号公報に関示の技術は、「ダブルナットをボルトに締め付ける際にこれらの突起の変形及び突起が潰れてボルトのねじ部への巻き込みによる摩擦力の上昇で緩み止め効果を高める」ことを課題としていて、その解決手段として「ナットのねじ孔周縁の座面に複数の突起を形成して成り、被締結部材となるボルトに既に締め付けてある締結用ナットに対して、前記ナットをその突起側を向けて締め付け、両ナットの座面間で変形する突起を該ナットのねじ孔とボルトのねじ部との螺合部に巻き込んで、両ナットの緩みを防止することができるように構成したものである」。
そして、特開2003−301830号公報に関示の技術は、「簡単な構造及び使用方法でありながら、ナットの雌ネジ部を塑性変形させて、ナット自身に緩み止め機能を持たせることで、確実な緩み防止効果が得られるようにしたロック用リングの提供」を課題としていて、その解決手段として「被締結部材に貫通させたボルトの雄ネジ部に本締め用ナットを螺合させた単ナット締結構造において、前記被締結部材と本締め用ナットの間に介在させて、本締め用ナットの緩み止めを行うためのロック用リングであって、本締め用ナットの材質の硬度よりも高い硬度の材質で形成され、片面に、本締め用ナットのネジ穴周縁部分に先端部を押し当てて、本締め用ナットの雌ネジ部を塑性変形させるための押圧用突起が形成されている」構成としたものである。
また、本願請求項2に係る過締め・緩み防止ナットは、請求項1に記載の過締め・緩み防止ナットであって、前記鍔付きナットの裏面は平坦である、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る過締め・緩み防止ナットは、請求項1または請求項2に記載の過締め・緩み防止ナットであって、前記鍔付きナットの螺入孔に螺刻されたねじ山は連続して、あるいは不連続に形成されている、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4に係る過締め・緩み防止ナットは、請求項1または請求項2に記載の過締め・緩み防止ナットであって、前記円形ゴム板の表面は突起が浮き彫りとなっている、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係る過締め・緩み防止ナットは、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の過締め・緩み防止ナットであって、前記鍔付きナットは少なくとも1箇所が切欠されている切欠部を有し、該切欠部には前記円形ゴム板の合成ゴムが充填されている、ことを特徴としている。
(1)本願発明に係る過締め・緩み防止ナットは、鍔付きナットと、この鍔付きナットを被覆する円形ゴム板のみから構成されているので、その構造は比較的簡単である一方で、鍔付きナットの中心部はナット状となっているので、この上から上ナットを螺入して締め付ければ、ダブルナット効果が得られて緩み防止となる。また、鍔付きナットが円形ゴム板で被覆されているので、締め付けたときに、円形ゴム板が緩衝材となるとともに被締め付け材との摩擦で螺入回転が止まるので、過度な締め付けを防止することができる。
(2)鍔付きナットの裏面が平坦であると、鍔付きナットの上から上ナットを締め付ければその締め付け力は鍔付きナットの裏面全体で受け止めるので、鍔付きナットの裏面を被覆する円形ゴム板に万遍なく締め付け力が作用してその応力が均一化する。
(3)ナット状となっている鍔付きナットの表面が円形ゴム板の表面よりも僅かに低いレベルとなっているため、座金付きの上ナットを螺入して締め付けると座金が円形ゴム板に接触し円形ゴム板の摩擦で共廻りして螺入されるので、螺入中に所定の締め付け力が発揮される前にロックが掛かることなく、所定の位置での締め付け作業が行われるとともに、緩衝材として機能が一段と向上する。
(4)円形ゴム板の表面を突起状の模様とした場合は、裏面よりも表面の方が摩擦抵抗は低くなる。そのため、被締め付け材に円形ゴム板の裏面が接触した後の上ナットの締め付け作業では、摩擦抵抗で円形ゴム板の裏面の摺動回転が止まった後も円形ゴム板の表面に対して上ナットが摺動回転するので、締め付け作業の締め付け力が有効に鍔付きナットの螺入孔に作用してダブルナット効果が十分に発揮されるとともに、円形ゴム板の裏面の押圧力が過大になることはない。
(5)鍔付きナットが合成ゴムで充填された切欠部を有する場合には、鍔付きナットおよび円形ゴム板が一体として回動するので、互いに空回りすることがなく鍔付きナットに作用する力が過締め・緩み防止ナット全体に有効に及ぶ。
過締め・緩み防止ナット1は、外観は中心部に孔が空いた円盤状を呈していて、中心部に位置するナット部13の回りをドーナッツ状に取り囲む金属製薄板の鍔11からなる鍔付きナット10と、金属製薄板の鍔11の表面、裏面および外周縁を被覆する合成ゴム製の円形ゴム板20と、から構成されている。
図2では、土台と基礎との間に3枚重ねた円板からなる減震装置を介挿させた例を示していて、コンクリート製の基礎41にはアンカーボルト33が埋入されていて、基礎41の表面からアンカーボルト33が突出している。
(2)減震装置43の取り付けが終了したら、減震装置43の上から木製の土台35を取り付ける。土台35には予めアンカーボルト33の位置に合わせてボルト挿入孔37が土台35の上下を貫通するように穿設されている。そして、土台35の取り付けは、ボルト挿入孔37にアンカーボルト33を挿入するようにして行われる。
(3)土台35に突出しているアンカーボルト33に過締め・緩み防止ナット1を螺入し、さらにその上から座金付きナット31を螺入する。この際、過締め・緩み防止ナット1は手回しで土台35に接触するまで螺入する。
(4)座金付きナット31を電動ドリル等で締め付ける。最初、過締め・緩み防止ナット1は座金付きナット31とともに共回りしながら土台35の表面を押圧するが、トルク値がある程度を超えると、過締め・緩み防止ナット1の裏面と土台35の表面との間で所定の摩擦力が発生して座金付きナット31との共回りが止まり、突起21の影響で摩擦抵抗が低い過締め・緩み防止ナット1の表面を座金付きナット31が摺動して回転する。そして、円形ゴム板20が圧縮されて所定のトルク値が座金付きナット31に伝わることで、座金付きナット31の締め付け作業が完了する。
10 鍔付きナット
11 金属製薄板の鍔
111 切欠部
13 ナット部
15 螺入孔
20 円形ゴム板
21 突起
23 貫通孔
Claims (5)
- 過締め防止および緩み防止を目的とするダブルナットの下ナットとして使用されるナットであって、金属製薄板の鍔がドーナッツ状に取り囲む鍔付きナットと、該鍔付きナットの表面、裏面および外周縁を被覆する円板状の円形ゴム板と、からなり、
前記円形ゴム板の中心部には前記鍔付きナットの螺入孔と略同径の貫通孔が連通している、ことを特徴とする過締め・緩み防止ナット。 - 前記鍔付きナットの裏面は平坦である、ことを特徴とする請求項1に記載の過締め・緩み防止ナット。
- 前記鍔付きナットの螺入孔に螺刻されたねじ山は連続して、あるいは不連続に形成されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の過締め・緩み防止ナット。
- 前記円形ゴム板の表面は突起が浮き彫りとなっている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の過締め・緩み防止ナット。
- 前記鍔付きナットは少なくとも1箇所が切欠されている切欠部を有し、該切欠部には前記円形ゴム板の合成ゴムが充填されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の過締め・緩み防止ナット。
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