JP5646589B2 - シリコン単結晶の引き上げ方法 - Google Patents
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Description
偏析係数が0.35であるPのドープによるn型シリコン単結晶の場合は、引き上げられる単結晶のトップ部からボトム部にかけてP濃度が高くなり、抵抗率が低下していく。このため、引き上げられた単結晶において抵抗率の規格範囲を満たす部分が、偏析係数が0.8であるBのドープによるp型シリコン単結晶の場合の半分程度と少なくなり、歩留まりの向上が困難となっている。
具体的には、特許文献2には、チャンバ内に、予め高濃度のドーパントを含むシリコン細棒を装填し、該シリコン細棒の所定量をシリコン融液に浸漬して溶解させる方法が記載されている。
また、特許文献3には、ルツボ内のシリコン融液の液面下では融液が相通じる状態で、融液面を含むその上下にわたって単結晶を引き上げる内側領域とその外側領域とを区分する筒状隔壁を設け、単結晶引き上げ中の任意の時期に、ドーパント供給管を通じてチャンバ上部から外側領域にドーパントを供給する方法が記載されている。
また、引き上げ途中で単結晶に転位が発生した際、引き上げた結晶を再度融液に溶かし込む、いわゆるメルトバックが行われるが、このようなイレギュラーな作業に要する時間を考慮して、ドーパント供給のタイミングを図ってルツボ底部にドーパントを仕込むことは困難である。
また、育成し終わった単結晶を取り出した後、導入管から原料ポリシリコンをルツボ内に再充填する、いわゆるリチャージにより、引き続き、次の単結晶を引き上げる際は、この2本目の単結晶のためのドーパントは、たとえ、ルツボ底部に予め層構造として仕込んだとしても、リチャージに要する時間を考慮してドーパント供給のタイミングを制御することは困難である。
さらに、ルツボ底部の所定深さに所定量のドーパントを層構造等で含有させたルツボを作製することも容易ではない。
また、この方法では、前記シリコン細棒をシリコン融液に浸漬しながら単結晶を引き上げるため、シリコン細棒を伝って上昇した融液面からシリコン融液が固化し、安定的な単結晶引き上げが困難となるおそれがある。
このようなカウンタードープ法によれば、シリコン融液の固化や対流の乱れ等が生じず、また、シリコン融液の汚染や単結晶の有転位化も防止することができ、所望の抵抗率の無転位シリコン単結晶を高収率で引き上げることができる。
このようなワイヤを用いることにより、ドーパント量を高精度に制御することができ、かつ、タイミングよく、確実にシリコン融液中に添加することができる。
このようなドーパントの添加方法によれば、ドーパントの添加量を単結晶の引き上げ途中で調整する必要がなく、正確な添加量をタイミングよく添加することができる。
このような調整法によれば、ワイヤの長さのみの制御でドーパントの添加量を決定することができるため、カウンタードープの操作が簡単であり、また、引き上げ時間等の変化に伴う必要ドーパント量の変化にも対応することができる。
保護管を上記のような位置に配置することにより、保護管の下端位置から確実にワイヤを溶融切断させて、ドーパントを確実にシリコン融液に溶け込ませることができ、また、ドーパントの単結晶及びルツボ壁への付着を防止することができる。
これらの材質は、耐熱断熱性を確保する上で好適であり、また、偏析係数が非常に小さく、シリコン単結晶に対する不純物汚染の影響を無視することできる。
前記保護管の下端から露出したワイヤが、チャンバ内の気流の影響を受けることなく、より確実に所望の位置にドーパントを落下させることができる。
このような工程を経ることにより、ドーパントの添加量及び添加のタイミングの精度が向上し、規格抵抗率を満たすシリコン単結晶をより高収率で得ることができる。
図1に、本発明に係る引き上げ方法を実施するためのCZ法による単結晶引き上げ装置の一例の概略を示す。
図1に示す装置においては、チャンバ1内にシリコン融液4が充填されたルツボ(石英製)2が設置されている。ルツボ2の外側にはヒータ3が配置されている。ルツボ2の内側及び引き上げられるシリコン単結晶7の外側には、引き上げ速度の向上や結晶欠陥の発生の抑制のために、必要に応じて、輻射シールド12が吊り下げられる。
一方、チャンバ1の上部からは、Al又はInワイヤ9が筒状の耐熱断熱性の保護管8内に挿通して垂下される。保護管8は、輻射シールド12又はルツボ収容空間の天井であるシールド置き台16に開けられた貫通孔内を挿通してワイヤ15で吊り下げられる。なお、前記貫通孔の縁部には、保護管8の水平方向における位置を保持するためのガイド14を設けることが好ましい。ワイヤ9及び保護管8は、チャンバ1外の上部のリールによるワイヤ昇降機構10によって昇降可能に構成され、ワイヤ昇降機構10は、その昇降を制御するコントローラ11に接続されている。なお、チャンバ1の側面には、ワイヤ9の垂下状態の観察及び溶融切断の確認をするためののぞき窓13が設置されていることが好ましい。
このように、本発明においては、シリコン融液に接触する隔壁や管等の融液の放熱を促進する部材を要しないため、このような部材に起因するシリコン融液の固化や対流の乱れ等が生じず、また、シリコン融液の不純物汚染や単結晶の有転位化も防止することができる。
抵抗率調整のためのカウンタードーパントを単結晶引き上げ前に初期添加すると、シリコン融液を調製するメルト工程時に、原料ポリシリコンやドーパントが想定どおりに溶融しなかった場合、抵抗率の制御が困難となり、また、メルトバックやリチャージ等にも対応できないという不具合が生じることがある。
これに対して、本発明においては、p型ドーパントを引き上げ途中で添加することにより、添加直前までの引き上げ条件を考慮した上で、添加量及び添加のタイミングを調整することができるため、所望の抵抗率のシリコン単結晶を高収率で効果的に引き上げることができる。また、メルトバックやリチャージへの対応も可能である。
前記直径を0.1mm未満とすると、輻射熱の影響でワイヤ9が切断しやすくなり、所望のタイミングでドーパントを落下させることができない。また、チャンバ1内の気流の影響で、所望の位置に鉛直下方にドーパントが落下しないおそれがある。
一方、前記直径が2mmを超える場合、ワイヤ9が太すぎて所望の部分で切断しにくくなるため、ドーパントを正確な添加量で、かつ、タイミングよく添加することが困難となる。
前記直径は、ドーパントを所望のタイミングでより確実に落下させる観点から、より好ましくは、0.5〜1mmである。
また、長さ方向における前記直径のバラツキは±0.01mm/10mmであることが好ましい。
前記バラツキが±0.01mm/10mmを超える場合、ドーパント添加量の精度を高めることが難しくなる。
ドーパントをシリコンとの合金とせずに、高純度のドーパントのみを添加することにより、シリコン融液4の不純物汚染を防止することができ、また、添加物量を極力少なくすることができる。したがって、ドーパントのシリコン融液4着液時に生じる融液の温度低下及び液面振動を抑制することができる。
ワイヤ9を保護管8で覆われた状態としておくことにより、チャンバ1内の熱環境によって所望の位置以外でワイヤ9が溶融切断することを防止し、保護管8の下端から露出したワイヤ9のみが溶融切断し、所望の添加量のドーパントをシリコン融液4に添加することができる。また、チャンバ1内の気流の影響によるワイヤ9の振動も防止され、鉛直下方の所望の位置にドーパントを落下させることができる。
なお、ワイヤ9は、輻射シールド12が設けられる場合は、輻射シールド12とルツボ2内壁との間に垂下させる。
ワイヤ状のドーパントを用いることにより、ワイヤ径とドーパントの比重(例えば、Alの場合は2.7g/cm3)から、所望の添加量に相当するワイヤの長さを算出し、このワイヤ長さの調整によってドーパント添加量を高精度に制御することができる。
このような調整法によれば、ワイヤの長さのみの制御でドーパントの添加量を決定することができるため、簡単にドーパントの添加量の精度を高めることができ、また、引き上げ途中での諸条件の変動にもタイムリーに応じることができ、最適な添加量への変更が容易である。
ドーパントの溶融温度帯においては、ワイヤ9の下端は、溶融状態のドーパントの表面張力により、線香花火のようにワイヤ径の約1.5〜4倍のサイズの玉状になり、この玉状部分の自重によって、保護管8の下端に露出した部分のワイヤが落下する。したがって、保護管8の下端から露出したワイヤ9が所望の位置で確実に溶融切断されて鉛直下方に落下するため、所望の添加量のドーパントをシリコン融液4に添加することができる。また、ドーパントのシリコン融液4着液時の接触面積が小さく、液面振動も抑制される。
また、シリコン融液4の液面に落下するワイヤのほとんどが溶融状態であるため、全て固体のドーパントを添加する場合よりも、シリコン融液4の温度低下や対流の乱れが抑制され、単結晶化率を低下させることなく、安定的にシリコン単結晶7を引き上げることができる。
なお、保護管8の下端から露出したワイヤ9が溶融切断されたことの確認は、ワイヤ9とともに保護管8をワイヤ昇降機構10により上昇させ、のぞき窓13から観察することにより行うことができる。
保護管8は、WやMo等のシリコン単結晶の引き上げに用いられるワイヤと同様の材質からなるワイヤ15で吊り下げられ、このワイヤ15とドーパントであるAl又はInワイヤ9の2本をワイヤ昇降機構10に接続し、保護管8及びワイヤ9をそれぞれ昇降させる。ワイヤ昇降機構10は、ワイヤ9,15をそれぞれ巻き取るリール及びこのリールを回転させる駆動モータ等を備えている。
ワイヤ9,15は、ワイヤ昇降機構10にリールを適用することにより、繰り出し及び巻き取りをスムーズに行うことができる。したがって、ドーパントのワイヤ径と比重から算出した、所望のドーパント添加量相当のワイヤ9の長さに基づいて、保護管8の下端から露出するワイヤ9の長さ及び保護管8の下端のシリコン融液4の液面からの高さ位置等の調整操作を簡単に行うことができ、シリコン単結晶7の引き上げ時間の変化に伴うドーパント添加量の変化に対しても的確な対応が可能となる。
ルツボ壁付近にワイヤ9を配置すると、シリコン融液4の液面に落下したドーパントは、ルツボ壁付近から単結晶7に向かう自然対流と前記強制対流によって、シリコン融液4と単結晶7との界面に輸送される。このとき、ドーパントがシリコン融液4に完全に溶け込んでいないと、固体のドーパントが単結晶に付着し、有転位化を引き起こすことになる。
このような対流の影響を考慮し、さらに、保護管8の使用、輻射シールド12の使用やチャンバ1内の気流等も考慮すると、保護管8の下端位置は、水平方向については、ルツボの中心から半径の82〜98%の範囲内とすることが好ましい。
保護管8の下端位置がルツボ2の中心から半径の82%よりも内側の場合は、落下したドーパントがシリコン融液4に溶け込む前に引き上げられる単結晶7に付着し、有転位化を招くおそれがある。
一方、保護管8の下端位置がルツボ2の中心から半径の98%よりも外側の場合は、落下したドーパントがルツボ壁に付着し、シリコン融液4に溶け込まないおそれがある。
保護管8の下端位置が液面から300mm未満の場合、シリコン融液4からの輻射熱により、保護管8内のワイヤ9も溶融落下するおそれがあり、ドーパント添加量の正確な制御が困難となる。
一方、保護管8の下端位置が液面から650mmを超える場合、ワイヤ9は、保護管8の下端よりも下部で溶融切断されるおそれがある。
これらの材質によれば、耐熱断熱性を確保することができ、また、偏析係数が非常に小さいため、シリコン単結晶7に対する不純物汚染の影響を無視することできる。
前記外径が40mmを超える場合、チャンバ1内の気流が乱され、シリコン融液4中にダストが混入したり、シリコン単結晶7が汚染されたり、ヒータ3のパワー制御が困難となる等の不具合が生じる。
一方、前記内径が10mmを超える場合、保護管8の断熱性が不十分となり、保護管8内のワイヤ9が溶融するおそれがある。
図2に、保護管8に付設する風圧カバー20を示す。風圧カバー20によって、保護管8の下端から露出したドーパントのワイヤ9がチャンバ1内の気流の影響から保護され、より確実に所望の位置に鉛直下方にドーパントを落下させることができる。
なお、風圧カバー20の水平断面形状は、特に限定されるものではなく、保護管8と同様でよい。
また、風圧カバー20の下端は、シリコン融液4の液面から少なくとも10mmの高さ位置となるようにする。
風圧カバー8の下端とシリコン融液4の液面との間隔が10mm未満であると、シリコン融液4が跳ねた際、風圧カバー8に付着し、下端部の筒穴が塞がれるおそれがある。
このような方法は、引き上げられるシリコン単結晶7が規格抵抗率から外れる時点の固化率の指標を判断するのに有効である。この指標を用いて、実行偏析係数から算出した抵抗率を逐次フィードバックさせることにより、ドーパントの添加量及び添加のタイミングを変更調整することができるため、添加量及び添加のタイミングの精度がより向上し、規格抵抗率を満たすシリコン単結晶7を高収率で育成することができる。また、メルトバックやリチャージにも対応することが可能である。
[実施例1]
図1に示すような単結晶引き上げ装置を用いて、カウンタードープ法によりPドープのn型シリコン単結晶を引き上げた。
まず、アービン曲線に基づいて規格抵抗率(15.5〜25.9Ωcm)の上限値25.9ΩcmからPの添加量を決定し、該添加量とPの偏析係数からシリコン単結晶7の引き上げ方向における固化率に対する理論抵抗率を求めた。
次に、前記理論抵抗率が規格抵抗率の下限値15.5Ωcm未満となる固化率に到達した時点でのルツボ2内のシリコン融液4において、カウンタードーパントとして添加するAlの偏析係数から、前記規格抵抗率を満たすシリコン単結晶7の収率が最大となるAl添加量を算出した。
そして、Alワイヤ9(直径0.5mm、直径バラツキ±0.01mm/10mm、純度99.99%)を該添加量相当の長さ(約90mm)だけカーボン製の保護管8(外径15mm、内径5mm、気孔率10%)の下端から露出するように垂下させた状態でチャンバ1内に配置し、単結晶7の引き上げを開始した。保護管8の下端位置は、水平方向がルツボ壁から20mm(ルツボ2の中心から半径の93%)、高さ方向がシリコン融液4の液面から450mmとなるように配置した。
そして、単結晶7の引き上げ途中の固化率に対する抵抗率を、実際のルツボ回転数(0.1rpm)、引き上げ速度(1.0〜1.3mm/min)及び結晶回転数(15〜23rpm)を考慮して補正した実行偏析係数から1秒毎に算出し、該抵抗率が15.5Ωcm(規格抵抗率の下限値)の+10%となる固化率に到達した時点から15.5Ωcm(規格抵抗率の下限値)となる固化率に到達する時点までの間に、保護管8から露出した部分のAlワイヤ9が溶融落下することにより、シリコン融液4にAlを添加した。
引き上げた各シリコン単結晶について、四深針による抵抗率測定、PL測定を用いたドーパント濃度の定量により、固化率に応じた抵抗率及びドーパント濃度を確認した。
この固化率と抵抗率の関係を図3のグラフに実線で示す。規格抵抗率は15.5〜25.9Ωcmである。なお、カウンタードープを行わなかった場合の固化率と抵抗率の関係を一点鎖線で示す。
図3に示したグラフから分かるように、Alを途中添加した時点で、抵抗率が上昇することが確認された。また、いずれの単結晶においても、規格抵抗率を満たす単結晶収率がカウンタードープにより約2倍向上することが認められた。
実施例1において、カウンタードーパントのAlを途中添加する際、実際の引き上げ速度及び結晶回転速度を考慮した実行偏析係数に基づく逐次算出を行うことなく、抵抗率が15.5Ωcm(規格抵抗率の下限値)となる固化率に到達した時点で、保護管8から露出したAlワイヤ9が溶融落下することにより、シリコン融液4にAlを添加した。それ以外の引き上げ条件は実施例1と同様にして、シリコン単結晶を10本引き上げた。
図3に示したグラフから分かるように、単結晶7の固化率0.9前後、すなわち、引き上げの終盤において、抵抗率が15.5Ωcm(規格抵抗率の下限値)未満となったが、規格抵抗率を満たす平均単結晶収率は、カウンタードープにより約1.6倍向上することが認められた。
Alワイヤに代えて、シリコン中のアルミの固溶限界(1×1019atoms/cm3)を含むシリコン細棒(底面5mm×5mmの角柱)を用いて、これを直接シリコン融液に浸漬することによりAlを添加した。シリコン細棒は、浸漬前に20分間程度予熱し、浸漬スピードを0.1mm/minとした。それ以外の引き上げ条件は実施例1と同様にして、シリコン単結晶を10本引き上げた。
引き上げを行ったシリコン単結晶の10本中8本は、シリコン細棒の浸漬による融液の固化によって、単結晶に転位が発生した。
また、残りの2本は、転位の発生はなかったが、シリコン細棒の浸漬途中で、シリコン融液面とシリコン細棒とが接する部分に結晶が析出し、該シリコン細棒の溶出が困難となり、規格抵抗率を満たす単結晶を収率よく引き上げることができなかった。
2 ルツボ
3 ヒータ
4 シリコン融液
5 種結晶
6 ネック部
7 シリコン単結晶
8 保護管
9 ワイヤ(ドーパント)
10 ワイヤ昇降機構
11 コントローラ
12 輻射シールド
13 のぞき窓
14 ガイド
15 ワイヤ
16 シールド置き台
20 風圧カバー
Claims (8)
- チョクラルスキー法によりPドープのn型シリコン単結晶を引き上げる際、ルツボ内のPが添加されたシリコン融液の上方に、Al又はInワイヤを筒状の耐熱断熱性の保護管内に挿通させて垂下し、前記シリコン単結晶を引き上げる途中で、前記ワイヤの前記保護管の下端から露出した部分が溶融して落下することにより、前記シリコン融液にAl又はInを添加することを特徴とするシリコン単結晶の引き上げ方法。
- 前記ワイヤは、直径が0.1〜2mm、かつ、長さ方向における直径のバラツキが±0.01mm/10mmであることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
- 前記ワイヤは、予め所定の添加量分を前記保護管の下端から露出させた状態で垂下し、前記シリコン単結晶を引き上げる途中で、Al又はInの溶融温度帯まで前記保護管とともに降下させることにより、前記保護管の下端から露出した部分が溶融して落下することを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
- 前記Al又はInの添加量は、前記保護管の下端から露出した部分の前記ワイヤの長さによって調整されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
- 前記保護管の下端位置を、水平方向は前記ルツボの中心から半径の82〜98%の範囲内、かつ、高さ方向は前記シリコン融液の液面から300〜650mmの範囲内として、前記保護管の下端から露出した部分の前記ワイヤを溶融落下させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
- 前記保護管が、カーボン、SiC、Mo、W、Ta及び石英のうちのいずれかからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
- 前記保護管の下部に、前記シリコン融液の液面から10mm以上の高さ位置まで、透明石英からなる筒状の風圧カバーを延設することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
- アービン曲線に基づいて規格抵抗率の上限値からPの添加量を決定し、該添加量とPの偏析係数から前記シリコン単結晶の引き上げ方向における固化率に対する理論抵抗率を求める工程と、
前記理論抵抗率が規格抵抗率の下限値未満となる固化率に到達した時点での前記ルツボ内のシリコン融液において、添加するAl又はInの偏析係数から、規格抵抗を満たすシリコン単結晶の収率が最大となるAl又はInの添加量を算出する工程と、
シリコン単結晶の引き上げ途中の前記固化率に対する抵抗率を実行偏析係数から逐次算出し、該抵抗率が規格抵抗率の下限値の+10%となる固化率に到達した時点から規格抵抗率の下限値となる固化率に到達する時点までの間に、前記工程で算出した添加量のAl又はInを添加する工程と
を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
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