以下、図1〜図10を参照して、この発明を適用した電子機器の一実施形態について説明する。
この電子機器は、図1および図2に示すように、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えた写真立てタイプのディスプレイ装置である。第1の筐体1は、卓上などの載置面上に載置される台座部3と、この台座部3上に起立して設けられた支持ケース部4とを備えている。また、第2の筐体2は、長方形状のケース部5と、このケース部5に組み込まれて前面側(図2では左側)に露呈する入力表示部6とを備えている。
入力表示部6は、図示しないが、画像などの情報を表示すると共に、この表示された情報を見ながらタッチ操作するものであり、透明なタッチパネルと表示パネルとを積層した構成になっている。表示パネルは、液晶表示パネルやEL(エレクトロルミネッセンス)表示パネルなどの平面型の表示パネルからなり、各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。透明なタッチパネルは、表示パネルの表面に設けられて表示パネルに表示された情報を見ながらタッチ操作することにより、表示パネルに表示される画像の選択や、その画像の拡大縮小などの画像処理をするように構成されている。
ところで、この電子機器は、図1および図2に示すように、第1の筐体1の支持ケース部4に対して第2の筐体2のケース部5を起立させた状態で、横向き状態と縦向き状態とに回転移動可能に連結する回転移動ガイド部材7と、第2の筐体2にその回転方向に付勢力を付与する付勢部材8とを備えている。この場合、第2の筐体2の横向き状態とは、入力表示部6が横方向に長い状態で情報を横向きに表示する状態のことであり、また第2の筐体2の縦向き状態とは、入力表示部6が縦方向に長い状態で情報を縦向きに表示する状態のことである。
回転移動ガイド部材7は、図1〜図4に示すように、第2の筐体2が第1の筐体1に対して回転移動する際に、第2の筐体2の上下方向の動きを規制する第1の回転移動ガイド部11と、第2の筐体2が第1の筐体1に対して回転移動する際に、第1の筐体1に対する第2の筐体2の横方向の動きを規制する第2の回転移動ガイド部12と、この第2の回転移動ガイド部12に設けられて第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動を変化させて制動する制動部10とを備えている。
第1の回転移動ガイド部11は、図3および図4に示すように、第2の筐体2のケース部5に設けられた可動プレート13と、この可動プレート13に設けられた第1の可動軸14と、第1の筐体1の支持ケース部4に設けられたベースプレート15と、このベースプレート15に設けられて第1の可動軸14をそれぞれスライド可能で且つ回転可能にガイドする第1のガイド溝部16とを備えている。
また、第2の回転移動ガイド部12は、図3および図4に示すように、第2の筐体2のケース部5に設けられた可動プレート13と、この可動プレート13に設けられた第2の可動軸17と、第1の筐体1の支持ケース部4に設けられたベースプレート15と、このベースプレート15に設けられて第2の可動軸17をそれぞれスライド可能で且つ回転可能にガイドする第2のガイド溝部18とを備えている。
この場合、第1の回転移動ガイド部11の第1の可動軸14は、図3に示すように、ベースプレート15の第1のガイド溝部16の縁部を摺動可能に挟む一対のリング部14a、14bと、この一対のリング部14a、14bがワッシャ14cを介して回転可能に取り付けられて可動プレート13に取り付けられる取付ピン14dとを備えている。
また、第2の回転移動ガイド部12の第2の可動軸17は、図3に示すように、ベースプレート15の第2のガイド溝部15内に挿入して可動プレート13に取り付けられる筒軸17aと、この筒軸17aの一端部に設けられてベースプレート15の縁部を可動プレート13に引き寄せる鍔部17bと、第2のガイド溝部18の縁部を摺動可能に挟んで筒軸17aに取り付けられる一対のリング部17c、17dと、鍔部17bに押えられたリング部17cとベースプレート15との間に配置されるワッシャ17eとを備えている。
これにより、この回転移動ガイド部材7は、図2〜図4に示すように、第1の回転移動ガイド部11の第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に回転移動可能に取り付けられ、第2の回転移動ガイド部12の第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に回転移動可能に取り付けられていることにより、第2の筐体2を第1の筐体1に対して回転移動可能に連結するように構成されている。
この場合、可動プレート13は、ステンレスなどの金属板からなり、図2および図3に示すように、第2の筐体2におけるケース部5の裏面(図2では右側面)のほぼ中央部に埋め込まれた状態で取り付けられている。また、第1の回転移動ガイド部11における第1の可動軸14は、図3および図4に示すように、第2の筐体2が横向き状態のときに、可動プレート13の左下部に位置する箇所に起立して設けられている。第2の回転移動ガイド部12における第2の可動軸17は、第2の筐体2が横向き状態のときに、可動プレート13における第1の可動軸14の右斜め上側に位置する箇所に起立して設けられている。
また、ベースプレート15は、ステンレスなどの金属板からなり、図2および図3に示すように、第2の筐体2の裏面(図2では右側面)に対面する第1の筐体1の支持ケース部4における前面(図2では左側面)のほぼ中央部に埋め込まれた状態で取り付けられている。第1の回転移動ガイド部11における第1のガイド溝部16は、図3および図4に示すように、第2の筐体2の回転移動に伴って第1の可動軸14をガイドするものであり、ベースプレート15の下部にその横方向(図4では左右方向)に沿って上側に向けて凸となるように湾曲するほぼ円弧状に形成されている。
この場合、第1のガイド溝部16は、図3および図4に示すように、第2の筐体2が横向き状態のときに、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の左端部16aに位置し、図6および図7に示すように、第2の筐体2が縦向き状態のときに、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の右端部16bに位置するように形成されている。このため、この第1のガイド溝部16は、図1に実線で示すように、第2の筐体2が横向き状態のときの下辺部と、図1に2点鎖線で示すように、第2の筐体2が縦向き状態のときの下辺部とが、ほぼ同じ位置になるように、第1のガイド溝部16の左端部16aがその右端部16bよりも低い位置に形成されている。
また、この第1のガイド溝部16は、図5および図7に示すように、第2の筐体2が横向き状態から縦向き状態になるように回転移動する際に、図9および図10に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の左端部16aから徐々に左上側に向けて移動するように構成されている。また、この第1のガイド溝部16は、図8に示すように、第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いた状態のときに、ニュートラル状態となり、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16のほぼ中間位置の最も高い位置に移動するように構成されている。
さらに、この第1のガイド溝部16は、図8に示すように、第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態から縦向き状態になる方向に向けて回転移動する際に、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って徐々に右下側に向けて移動するように構成されている。また、この第1のガイド溝部16は、図7に示すように、第2の筐体2が横向き状態から90度回転して縦向き状態になったときに、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の右端部16bに移動するように構成されている。
これにより、第1のガイド溝部16は、図1および図5に示すように、第2の筐体2が横向き状態から縦向き状態に回転移動する際、または第2の筐体2が縦向き状態から横向き状態に回転移動する際に、第2の筐体2の下部に位置する箇所が、上下方向にほとんど変動せずに、ほぼ直線的な筐体移動軌跡K上を移動するように構成されている。すなわち、この筐体移動軌跡Kは、図1および図6に示すように、その中間部分が少し下がるような極めて緩やかに湾曲するほぼ直線に近い状態、つまり曲率半径が極めて大きいほぼ円弧を描くように構成されている。
一方、第2の回転移動ガイド部12における第2のガイド溝部18は、図3および図4に示すように、第2の筐体2の回転移動に伴って第2の可動軸17をガイドするものであり、ベースプレート15における第1のガイド溝部16の上側に位置する箇所に、その下部から上部に向けて形成されている。すなわち、この第2のガイド溝部18は、図4に示すように、第1のガイド溝部16のほぼ中間部における接線と直交する法線に沿って上下方向に少し傾いた状態で形成されている。
この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2が横向き状態のときに、図3および図4に示すように、第2の可動軸17が下端部18aに位置し、第2の筐体2が縦向き状態のときに、図6および図7に示すように、第2の可動軸17が下端部18aから少し上側に位置し、第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態のときに、図8に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18における上端部18bに最も接近するように形成されている。
すなわち、この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2が横向き状態から縦向き状態になるように回転移動する際に、図5に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aから徐々に上側に向けて移動し、図8に示すように、第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態のときに、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18における上端部18bに最も接近するように形成されている。
また、この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態から更に縦向き状態になるように回転移動する際に、図7および図8に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bから徐々に下側に向けて移動し、図7に示すように、第2の筐体2が縦向き状態になったときに、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18における下端部18aに最も接近するように形成されている。
同様に、この第2のガイド溝部18は、縦向き状態から横向き状態になるように回転移動する際に、図7に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aから徐々に上側に向けて移動し、図8に示すように、第2の筐体2がほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態のときに、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18における上端部18bに最も接近するように形成されている。
さらに、この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2がほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態から更に横向き状態になるように回転移動する際に、図9および図10
に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bから徐々に下側に向けて移動し、図5に示すように、第2の筐体2が横向き状態になったときに、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18における下端部18aに位置するように形成されている。
これにより、第2のガイド溝部18は、図1および図6に示すように、第2の筐体2が横向き状態から縦向き状態に回転移動する際、または第2の筐体2が縦向き状態から横向き状態に回転移動する際に、第2の筐体2における横方向(図1では左右方向)の動きを規制することにより、第2の筐体2の横振れを防ぎながら第2の筐体2の回転移動をガイドするように構成されている。
ところで、この第2のガイド溝部18には、図3および図4に示すように、第1の筐体1に対して第2の筐体2が回転移動する際に、第2のガイド溝部18に沿って移動する第2の可動軸17の移動方向を変化させて、第2の可動軸17の動きを制動するための制御部10が設けられている。すなわち、この制御部10は、第2のガイド溝部18の上下方向における中間部分にほぼS字形状に湾曲して設けられた屈曲部であり、第2のガイド溝部18に沿って移動する第2の可動軸17の上下方向における移動方向をこれと異なる方向(図4では左右方向)に変化させるように構成されている。
これにより、制動部10は、図3および図4に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に沿って上下方向に移動する際に、第2の可動軸17の垂直方向のベクトルを斜め方向に変化させて、左右方向のベクトル成分と上下方向のベクトル成分とに分散し、第2の可動軸17の上下方向の移動速度を減速させるように構成されている。また、この制動部10は、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に沿って上下方向に移動する際に、この第2のガイド溝部の中間部分において第2の可動軸17を湾曲移動させることにより、第2の可動軸17の移動方向を徐々に変化させるように構成されている。
この場合、第2のガイド溝部18は、第2の筐体2が横向き状態から回転移動を開始してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態に近づくときに、図8〜図10に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aから徐々に上側に移動すると、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の中間部分に設けられた制御部10によって斜め横方向(図10では斜め右上方向)に湾曲移動した後に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bに接近するように構成されている。
また、この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2がほぼ60度回転したほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態から更に回転して縦向き状態になるときに、図7および図8に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bから徐々に下側に移動すると、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の中間部分に設けられた制御部10によって斜め横方向(図8では斜め右下方向)に湾曲移動した後に、図7に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aに接近するように構成されている。
同様に、この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2が縦向き状態から横向き状態になる方向に回転移動を開始してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態に近づくときに、図7および図8に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aから徐々に上側に移動すると、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の中間部分に設けられた制御部10によって斜め横方向に湾曲移動した後に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bに接近するように構成されている。
さらに、この第2のガイド溝部18は、第2の筐体2がほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態から更に回転して横向き状態になるときに、図9および図10に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bから徐々に下側に移動すると、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の中間部分に設けられた制御部10によって斜め横方向に湾曲移動した後に、図5に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aに位置するように構成されている。
ところで、第2の筐体2に付勢力を付与する付勢部材8は、図3〜図5に示すように、第2の筐体2が横向き状態のときに第2の筐体2を縦向き状態にさせる方向に向けて付勢すると共に、図7に示すように、第2の筐体2が縦向き状態のときに第2の筐体2を横向き状態にさせる方向に向けて付勢し、且つ図8に示すように、第2の筐体2が回転移動してほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態のときに第2の筐体2に対する付勢力が最小になるように構成されている。
すなわち、この付勢部材8は、図3〜図5に示すように、一対のコイルばね20、21を備えている。一方のコイルばね20は、一端部が第2の筐体2の第2の可動軸17におけるリング部17dに取り付けられ、他端部が第1の筐体1のベースプレート15における第2のガイド溝部18の中間部付近の左側に位置する第1の固定部15aに取り付けられている。
また、他方のコイルばね21は、図3〜図5に示すように、一端部が第2の筐体2の第2の可動軸17におけるリング部17dに取り付けられ、他端部が第1の筐体1のベースプレート15における第2のガイド溝部18の中間部付近の右側に位置する第2の固定部15bに取り付けられている。
この一対のコイルばね20、21は、その長さが最も長く伸びたときに、それぞれ引張方向のばね力が最も強くなり、逆にその長さが最も短く縮んだときに、引張方向のばね力がそれぞれ最も弱くなるように構成されている。これにより、一対のコイルばね20、21は、図5および図7に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aに位置する状態のとき、すなわち第2の筐体2が横向き状態のとき、および第2の筐体2が縦向き状態のときに、それぞれ最も長く伸び、第2の可動軸17を第2のガイド溝部18の上側に向けて移動させるように、ばね力が最も強く働くように構成されている。
また、このコイルばね20、21は、図8に示すように、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bに位置する状態のとき、すなわち第2の筐体2が横向き状態からほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態のときに、その長さが最も短くなり、ばね力が最も弱くなって、第2の筐体2のいずれの回転方向にも働かず(付勢せず)に、第2の筐体2を回転可能な自由状態にするように構成されている。
次に、この電子機器の作用について説明する。
この電子機器において第2の筐体2が第1の筐体1に対して横向き状態のときには、図4および図5に示すように、第1の筐体1と第2の筐体2とを連結する回転移動ガイド部材7の第1の回転移動ガイド部11における第2の筐体2に設けられた可動プレート13の第1の可動軸14が、第1の筐体1に設けられたベースプレート15の第1のガイド溝部16における左端部16aに位置している。
また、第2の回転移動ガイド部12における可動プレート13の第2の可動軸17は、ベースプレート15の第2のガイド溝部18の下端部18aに位置している。この状態では、付勢部材8の一対のコイルばね20、21が、最も伸びて第2の可動軸17を引き上げる方向にばね力が働いている(付勢されている)。これにより、第2の筐体2は、一対のコイルばね20、21の各ばね力によって縦向き状態になる方向に付勢されている。
この状態で、第2の筐体2を横向き状態から縦向き状態にする方向に向けて回転移動させる際には、付勢部材8の一対のコイルばね20、21の各ばね力によって第2の筐体2を軽い力で回転移動させることができる。すなわち、第2の筐体2が横向き状態のときには、第2の筐体2の重心位置Gが最も低く、第2の筐体2の重量による回転モーメントも大きいので、第2の筐体2を横向き状態から縦向き状態にする方向に回転移動させる際に、第2の筐体2を回転移動させるための負荷が大きくなる。
しかし、このときには、第2の筐体2を縦向き状態にさせる方向に付勢された付勢部材8の一対のコイルばね20、21の各ばね力によって、第2の筐体2の重量による負荷が相殺されるので、第2の筐体2を軽い力で回転移動させることができる。このため、第2の筐体2の重量が重く、第1の筐体1の重量が軽くても、第2の筐体2を横向き状態から縦向き状態にする方向に回転移動させる際に、第1の筐体1が第2の筐体2の回転移動に伴って浮き上がることがないので、第1の筐体1を手で押さえる必要がなく、良好に第2の筐体2を回転させることができる。
そして、第2の筐体2が横向き状態から縦向き状態になる方向に回転移動を開始すると、図9および図10に示すように、可動プレート13の第1の可動軸14がベースプレート15の第1のガイド溝部16に沿って移動すると共に、可動プレート13の第2の可動軸17がベースプレート15の第2のガイド溝部18に沿って移動する。このときには、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の左端部16aから右上側に向けて徐々に回転しながら移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aから上方に向けて回転しながら移動する。
このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図9および図10において反時計回りに回転する。このときには、図10に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って右上側に向けて徐々に回転移動するので、第2の筐体2の下部に位置する部分が上下方向にほとんど変動することなく、図1に示すほぼ直線状の筐体移動軌跡K上を移動する。
また、このように第2の筐体2が回転移動する際には、図9および図10に示すように、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が徐々に収縮して短くなり、第2の筐体2を縦向き状態にさせる方向のばね力が徐々に弱くなる。また、このときには、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に設けられた制動部10によって湾曲移動しながら上側に移動する。
すなわち、第2の可動軸17が制御部10によって湾曲移動する際には、図9および図10に示すように、第2の可動軸17の移動方向が制御部10の湾曲に沿って徐々に変化し、第2の可動軸17の垂直方向のベクトルが斜め方向のベクトルに変化して、左右方向のベクトル成分と上下方向のベクトル成分とに分散され、第2の可動軸17の上方に移動する速度が減速される。このため、第2の筐体2はゆっくり回転移動する。
そして、第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いた状態に回転移動すると、図8に示すように、ニュートラル状態になり、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16のほぼ中間に位置する最も高い位置に回転移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bに向けて移動して最も接近する。このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図8に示すように傾いた状態になる。
このときには、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の最も高い位置に回転移動するので、第2の筐体2の重心位置Gが最も高くなると共に、第2の筐体2の下部に位置する部分が最も下側に位置するが、その下側の部分は上下方向にほとんど変動することなく、図1に示すほぼ直線状の筐体移動軌跡K上を移動する。
また、このように第2の筐体2がほぼ60度回転してほぼ中間位置で斜めに傾いたニュートラル状態に回転移動した際には、図8に示すように、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が最も収縮して短くなり、これに伴って各ばね力が最も弱くなる。これにより、ニュートラル状態のときには、一対のコイルばね20、21の各ばね力が第2の筐体2のいずれの回転方向にも働かない(付勢しない)。
この後、第2の筐体2が更に回転移動してニュートラル状態を通過した際には、図7に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って右下側に向けて徐々に回転しながら移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bから下方に向けて移動する。このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図8において反時計回りに回転して縦向き状態に近づく。
このときには、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って右下側に向けて徐々に回転移動するので、第2の筐体2の重心位置Gが最も高い位置から少し下がると共に、第2の筐体2の下部に位置する部分が、上下方向にほとんど変動することなく、図1および図5に示すほぼ直線状の筐体移動軌跡K上を移動する。
また、このように第2の筐体2が回転移動する際には、図7に示すように、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が、徐々に伸びて第2の筐体2を横向き状態にさせる方向のばね力が徐々に強くなる。また、このときには、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に設けられた制動部10によって湾曲移動しながら下側に向けて移動する。
このときにも、第2の可動軸17が制御部10によって湾曲移動する際には、図9および図10に示すように、第2の可動軸17の移動方向が制御部10の湾曲に沿って徐々に変化し、第2の可動軸17の垂直方向のベクトルが斜め方向のベクトルに変化して、左右方向のベクトル成分と上下方向のベクトル成分とに分散され、第2の可動軸17の下方に移動する速度が減速される。このため、第2の筐体2はゆっくり回転移動する。
そして、第2の筐体2が縦向き状態になると、図7に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の右端部16bに移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aに接近する位置に移動する。これにより、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図8において反時計回りに回転して縦向き状態になる。このときには、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の右端部16bに位置するので、第2の筐体2の下辺部が横向き状態のときの第2筐体2の下辺部と同じ位置になる。
このように第2の筐体2が縦向き状態になると、図7に示すように、第2の筐体2の重心位置Gが最も高い位置から僅かに下側に移動すると共に、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が最も長く伸び、これに伴って第2の筐体2を横向き状態にさせる方向のばね力が最も強くなる。
この状態で、第2の筐体2を縦向き状態から横向き状態になるように回転移動させる際には、付勢部材8の一対のコイルばね20、21における各ばね力によって、第2の筐体2がほぼ横向き状態になる方向に付勢されていることにより、第2の筐体2が横向き状態のときと同様、第2の筐体2を軽い力で回転移動させることができる。
そして、第2の筐体2が縦向き状態から横向き状態になるように回転移動を開始すると、可動プレート13の第1の可動軸14が、ベースプレート15の第1のガイド溝部16に沿って移動すると共に、可動プレート13の第2の可動軸17が、ベースプレート15の第2のガイド溝部18に沿って移動する。
このときには、図7および図8に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の右端部16bから左上側に向けて徐々に回転しながら移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aから上方に向けて移動する。このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図7において時計回りに回転する。
このときにも、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って右上側に向けて徐々に回転移動するので、第2の筐体2の下部に位置する部分が上下方向にほとんど変動することなく、図1および図6に示すほぼ直線状の筐体移動軌跡K上を移動する。また、このときにも、図7および図8に示すように、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が徐々に収縮して短くなり、第2の筐体2を横向き状態にさせる方向のばね力が徐々に弱くなる。
また、このときには、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に設けられた制動部10によって湾曲移動しながら下側に移動する。このときにも、第2の可動軸17の移動方向が制御部10の湾曲に沿って徐々に変化し、第2の可動軸17の垂直方向のベクトルが斜め方向のベクトルに変化して、左右方向のベクトル成分と上下方向のベクトル成分とに分散され、第2の可動軸17の下方に移動する速度が減速される。このため、第2の筐体2はゆっくり回転移動する。
そして、第2の筐体2が回転移動して斜めに傾いたニュートラル状態に回転移動すると、図8に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16のほぼ中間に位置する最も高い位置に回転移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bに向けて移動して最も接近する。このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図8に示すように傾いた状態になり、第2の筐体2の重心位置Gが最も高くなる。
このときには、図8に示すように、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が最も収縮して短くなり、これに伴って各ばね力が最も弱くなる。これにより、ニュートラル状態のときには、一対のコイルばね20、21の各ばね力が第2の筐体2のいずれの回転方向にも働かない(付勢しない)。
この後、第2の筐体2が更に回転移動してニュートラル状態を通過した際には、図8および図10に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って左下側に向けて徐々に回転しながら移動すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の上端部18bから下方に向けて移動する。このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図10において時計回りに回転して横向き状態に近づく。
このときには、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に沿って左下側に向けて徐々に回転移動するので、第2の筐体2の重心位置Gが最も高い位置から少し下がると共に、第2の筐体2の下部に位置する部分が、上下方向にほとんど変動することなく、図1および図6に示すほぼ直線状の筐体移動軌跡K上を移動する。
また、このように第2の筐体2が回転移動する際には、図10に示すように、第1の可動軸14の回転移動に伴って付勢部材8の一対のコイルばね20、21が、徐々に伸びて第2の筐体2を縦向き状態にさせる方向のばね力が徐々に強くなる。また、このときには、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に設けられた制動部10によって湾曲移動しながら下側に向けて移動する。
このときにも、第2の可動軸17が制御部10によって湾曲移動する際には、図9および図10に示すように、第2の可動軸17の移動方向が制御部10の湾曲に沿って徐々に変化し、第2の可動軸17の垂直方向のベクトルが斜め方向のベクトルに変化して、左右方向のベクトル成分と上下方向のベクトル成分とに分散され、第2の可動軸17の下方に移動する速度が減速される。このため、第2の筐体2はゆっくり回転移動する。
このときには、第2の筐体2の重心位置Gが徐々に下がると共に、第2の筐体2の重量による回転モーメントが徐々に大きくなるので、第2の筐体2は重力により加速されて加速度が生じ、第2の筐体2が速い速度で回転移動することになる。しかし、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に設けられた制動部10によって湾曲移動しながら下側に向けて移動するため、第2の可動軸17の移動速度が減速され、第2の筐体2の回転速度が制動される。
これにより、第2の筐体2に加速度に伴う慣性力が生じても、その慣性力を第2のガイド溝部18に設けられた制動部10によって軽減して、第2の筐体2をゆっくり回転移動させる。また、このときには、付勢部材8の一対のコイルばね20、21が、第2の筐体2を縦向き状態にさせる方向に徐々に強くなるため、この一対のコイルばね20、21の各ばね力によっても、第2の筐体2の回転速度を制動することができる。これにより、第2の筐体2に加速度に伴う慣性力が生じても、その慣性力を軽減して、第2の筐体2をゆっくり回転移動させる。
そして、第2の筐体2が横向き状態になると、図5に示すように、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16の左端部16aに移動して停止すると共に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18の下端部18aに移動して停止する。このため、第2の筐体2は、第1の筐体1に対して図9において時計回りにゆっくり回転して横向き状態になり、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動よる衝撃が第2のガイド溝部18の制動部10および一対のコイルばね20、21によって吸収されて緩和される。
このように、この電子機器によれば、第1の筐体1に対して第2の筐体2を横向き状態と縦向き状態とに回転移動可能に連結する回転移動ガイド部材7と、この回転移動ガイド部材7に設けられて第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動を変化させて制動する制動部10と、を備えているので、第1の筐体1に対して第2の筐体2を回転移動させる際の操作性が良く、且つ第1の筐体1に対する第2の筐体2による衝撃を緩和することができる。
すなわち、この電子機器によれば、第2の筐体2を第1の筐体1に対して回転移動させる際に、第2の筐体2の動き出しをスムースに行うことができる。また、第2の筐体2が回転移動して停止するときには、第2の筐体2の回転移動の途中において、制動部10が第2の筐体2の回転移動を制動して、第2の筐体2をゆっくり回転移動させて停止させることができる。
このため、この電子機器によれば、第1の筐体1に対して第2の筐体2を回転移動させる際に、その回転移動の操作性が良いほか、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴う衝撃を制動部10の制動によって緩和することができる。これにより、第2の筐体2に組み込まれた入力表示部6などの電子部品が衝撃によって破損するのを防ぐことができると共に、衝撃音などの異音の発生をも防ぐことができる。
この場合、回転移動ガイド部材7は、第2の筐体2が第1の筐体1に対して回転移動する際に、第2の筐体2の上下方向の動きを規制する第1の回転移動ガイド部11と、第2の筐体2が第1の筐体1に対して回転移動する際に、第1の筐体1に対する第2の筐体2の横方向の動きを規制する第2の回転移動ガイド部12とを備え、制動部10が、第2の回転移動ガイド部12に設けられて第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動を変化させて制動するので、第2の筐体2の下部に位置する部分をほとんど上下方向に変動させずに、第2の筐体2を回転移動させることができると共に、簡単な構造で良好に第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴う衝撃を制動部10の制動によって緩和することができる。
また、第1の回転移動ガイド部11は、第2の筐体2に設けられた可動プレート13と、この可動プレート13に設けられた第1の可動軸14と、第1の筐体1に設けられたベースプレート15と、このベースプレート15に設けられて第1の可動軸14をガイドする第1のガイド溝部16とを備え、第2の回転移動ガイド部12は、可動プレート13に設けられた第2の可動軸17と、ベースプレート15に設けられて第2の可動軸17をガイドする第2のガイド溝部18とを備え、第1の可動軸14が第1のガイド溝部16に回転移動可能に取り付けられ、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に回転移動可能に取り付けられることにより、第2の筐体2を第1の筐体1に回転移動可能に連結する構成であるから、第2の筐体2を第1の筐体1に確実に且つ良好に取り付けることができると共に、第2の筐体2を第1の筐体1に対して円滑に且つ良好に回転移動させることができる。
また、この回転移動ガイド部材7の第1の回転移動ガイド部11における第1の可動軸11をガイドする第1のガイド溝部16は、第2の筐体2が第1の筐体1に対して回転移動する際に、第2の筐体2の上下方向の動きを規制するように、ベースプレート15の横方向に沿って上側に湾曲するほぼ円弧状に形成されていることにより、第2の筐体2の下部に位置する部分をほとんど上下方向に変動させることがなく、ほぼ直線状の筐体移動軌跡Kに沿って安定させた状態で、円滑に且つ良好に移動させることができる。
すなわち、第2の筐体2を横向き状態から縦向き状態に回転移動させる際、または第2の筐体2を縦向き状態から横向き状態に回転移動させる際には、第1のガイド溝部16が第1の可動軸14を第1のガイド溝部16に沿って徐々に上側に移動させるので、第2の筐体2の両側下部の角部が下側に向けて回転移動しても、第2の筐体2が第1のガイド溝部16に沿って徐々に上側に移動して、第2の筐体2の角部が下側に突出するのを抑えることができる。これにより、第2の筐体2の下部に位置する部分がほとんど上下方向に変動することがなく、第2の筐体2の下部に位置する部分を水平なほぼ直線状の筐体移動軌跡Kに沿って安定させた状態で移動させることができる。
また、この回転移動ガイド部材7の第2の回転移動ガイド部12における第2の可動軸17をガイドする第2のガイド溝部18は、第2の筐体2が第1の筐体1に対して回転移動する際に、第1の筐体1に対する第2の筐体2の横方向の動きを規制するように、ベースプレート15の上下方向に沿って形成されているので、第2の筐体2を横向き状態から縦向き状態に回転移動させる際、または第2の筐体2を縦向き状態から横向き状態に回転移動させる際に、第2の可動軸17を第2のガイド溝部18によって上下方向にガイドすることにより、第2の筐体2の横方向の動きを規制して、第2の筐体2が横振れしないように、第2の筐体2を安定させた状態で円滑に且つスムースに回転移動させることができる。
さらに、制動部10は、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴って第2の可動軸17を上下方向にガイドする第2のガイド溝部18の一部に設けられ、第2の可動軸17の上下方向における移動方向をこれと異なる方向に変化させる構成であることにより、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18に沿って上下方向に移動する際に、第2の可動軸17の垂直方向のベクトルを斜め方向に変化させて、左右方向のベクトル成分と上下方向のベクトル成分とに分散することができ、これにより第2の可動軸17の上下方向の移動速度を確実に且つ良好に減速させることができる。
この場合、制動部10は、第2のガイド溝部18の上下方向におけるほぼ中間部を湾曲させて、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴う第2の可動軸17の移動方向を徐々に変化させる構成であることにより、第2の筐体2の回転移動に伴って第2の可動軸17が上下方向に移動する際に、第2のガイド溝部18の湾曲した制動部10によって第2の可動軸17の移動方向を緩やかに変化させて、第2の可動軸17の移動速度を良好に減速させることができ、これによっても第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴う衝撃を制動部10によって確実に且つ良好に緩和することができる。
また、この制動部10は、第2の筐体2が横向き状態から縦向き状態に回転移動する際、または第2の筐体2が縦向き状態から横向き状態に回転移動する際に、第2の可動軸17が第2のガイド溝部18を上下方向にそれぞれ2往復するため、第2の可動軸17を制動部10によって2度に亘って制動することができる。これにより、第2の可動軸17の移動速度を、より一層、確実に減速させることができる。このため、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴う衝撃を制動部10によって確実に且つ良好に緩和することができる。
また、この電子機器では、第2の筐体2が横向き状態のときに第2の筐体2を縦向き状態にさせる方向に向けて付勢すると共に、第2の筐体2が縦向き状態のときに第2の筐体2を横向き状態にさせる方向に向けて付勢し、且つ第2の筐体2が回転移動してほぼ中間位置で斜めに傾斜した状態のときにニュートラル状態になり、第2の筐体2に対する付勢力が最小になる付勢部材8を備えているので、この付勢部材8によっても、第1の筐体1に対して第2の筐体2を回転移動させる際の操作性が良く、且つ第1の筐体1に対する第2の筐体2による衝撃を緩和することができる。
すなわち、第2の筐体2を第1の筐体1に対して回転移動させる際には、付勢部材8の付勢力によっても第2の筐体2の動き出しをスムースに行うことができると共に、第2の筐体2が動き出すと、付勢部材8の付勢力が徐々に弱くなるので、円滑に且つスムースに第2筐体2を回転移動させることができる。また、第2の筐体2が回転移動して停止するときには、制動部10によって第2の筐体2の回転移動を制動すると共に、付勢部材8の付勢力によっても、第2の筐体2をゆっくり回転移動させて停止させることができる。
このため、この電子機器によれば、第2の第1の筐体1に対して第2の筐体2を回転移動させる際に、制動部10と付勢部材8とによって第2の筐体2の回転移動の操作性が良く、第2の筐体2を第1の筐体1に対して円滑に且つスムースに回転移動させることができると共に、第1の筐体1に対する第2の筐体2の回転移動に伴う衝撃を制動部10の制動と付勢部材8の付勢力とによって確実に且つ良好に緩和することができ、これにより第2の筐体2に組み込まれた入力表示部6などの電子部品が衝撃によって破損するのを確実に防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、第2の筐体2に付勢力を付与する付勢部材8を備えた構成である場合について述べたが、必ずしも付勢部材8を用いる必要はなく、第2の筐体2が回転移動する際に、その第2の筐体の回転移動を変化させて制動する制動部10を備えただけの構成であっても良い。この場合、制動部10は、第2のガイド溝部18の一部に形成された曲率半径の小さい急なカーブの湾曲部であっても良く、また曲率半径の大きい緩やかなカーブの湾曲部であっても良い。
また、上記実施形態では、第1の筐体1に対する第2の筐体2の横方向の動きを規制する第2の回転移動ガイド部12において、第2の可動軸17をガイドする第2のガイド溝部18に制動部10を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば第1の筐体1に対する第2の筐体2の上下方向の動きを規制する第1の回転移動ガイド部11において、第1の可動軸14をガイドする第1のガイド溝部16に制動部を設けた構成であっても良い。
さらに、上記実施形態では、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えた写真立てタイプのディスプレイ装置に適用した場合について述べたが、必ずしも写真立てタイプのディスプレイ装置である必要はなく、例えばパーソナルコンピュータや、携帯電話機など、第1の筐体に対して第2の筐体が横向き状態と縦向き状態とに回転移動する電子機器に広く適用することができる。