JP5644441B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、ガラス製の基板を用い、その少なくとも片面に樹脂製のレンズシート等を貼付した透過型スクリーン等が開発されている(例えば、特許文献1)。
しかし、ガラス基板と樹脂製のシート部材とを接合した場合には、ガラス基板と樹脂製のシート部材とでは、特性が大きく異なるために、接合されて一体となっている樹脂製のシート部材とガラス基板とを同時に切断することが困難であった。即ち、シート部材は単体では刃物で切断可能だが、ガラス基板は刃物で切断は不可能であり、ガラス基板の切断用の装置が必要となる。また、レーザー等を用いてガラス基板とシート部材とを同時に切断しようとすると、ガラス基板は切断できたが、レンズシートが切断されずによれた状態となる等の場合があった。
そのため、所定の大きさに切断するためには複数の工程やそのための専用の加工設備等が必要となり、生産工程の増大や生産コストの増大等の問題があった。
さらに、ガラス基板を切断する場合、切断加工によりガラスの粉末が生じる。この粉末が樹脂製のシート部材に付着すると、レンズ形状等を破損させ、光学性能の低下の原因となる。そのため、ガラス粉末が飛散しないための設備等の工夫や、レンズシートを保護するマスキング作業等が必要となり、生産コストの増大に繋がる。
特許文献1では、ガラス製の基板の周囲に樹脂製の枠部材を配置する必要があり、生産コストの増大が生じる。また、異物の噛み込み低減に対する対策が成されていない。
請求項1の発明は、光学用途に用いられ、ガラス基板層(13)と、前記ガラス基板層の少なくとも一方の面に接合層(15a,15b)により接合される樹脂層(14,12,11)とを備える積層体(10)の製造方法であって、シート状又は帯状であって片面に粘着層を有する樹脂受部材(21)を、前記粘着層により前記ガラス基板層の接合面の周縁部に貼付する樹脂受部材貼付工程と、前記樹脂受部材を貼付した前記ガラス基板層の前記接合面上に硬化前の状態で流動性を有する接着材(15R)を吐出する接着材吐出工程と、吐出された前記接着材上に前記樹脂層(14,12,11)を積層し、余分な前記接着材を前記樹脂受部材上に押し出す接着材押し出し工程と、前記接着材押し出し工程の後に、前記接着材を硬化させて接合層を形成する硬化工程と、を備える積層体の製造方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の積層体の製造方法において、前記接着材(15R)は、電離放射線硬化型樹脂であること、を特徴とする積層体の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の積層体の製造方法において、前記硬化工程の後に、前記樹脂受部材(21)上に積層された前記樹脂層(14,12,11)及び前記接合層(15a,15b)を切断し、前記樹脂受部材とともに前記ガラス基板層(13)から剥離するトリミング工程を有すること、を特徴とする積層体の製造方法である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の積層体の製造方法において、前記樹脂受部材(21)は、前記ガラス基板層に貼付した後に剥離可能であること、を特徴とする積層体の製造方法である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の積層体の製造方法において、前記樹脂受部材(21)は、その厚さが前記接合層(15a,15b)の厚さよりも薄いものを用いること、を特徴とする積層体の製造方法である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の積層体の製造方法において、前記ガラス基板層(13)は、矩形形状の平板状であり、前記樹脂受部材貼付工程において、前記樹脂受部材(21)は、前記ガラス基板層の前記接合面の四辺に貼付されること、を特徴とする積層体の製造方法である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の積層体の製造方法において、前記樹脂層(12,11)は、少なくとも一方の面に、単位レンズ又は単位プリズム(111)が複数配列されて形成されていること、を特徴とする積層体の製造方法である。
(1)本発明の積層体の製造方法は、シート状又は帯状であって片面に粘着層を有する樹脂受部材を、その粘着層によりガラス基板層の接合面の周縁部に貼付する樹脂受部材貼付工程と、樹脂受部材を貼付したガラス基板層の接合面上に硬化前の状態で流動性を有する接着材を吐出する接着材吐出工程と、吐出された接着材上に樹脂層を積層し、余分な接着材を樹脂受部材上に押し出す接着材押し出し工程と、接着材押し出し工程の後に、接着材を硬化させて接合層を形成する硬化工程とを備える。
従って、異物や気泡の噛み込みがなく、高品位な光学用途の積層体を容易に形成できる。また、余剰な接着材の液溜まりを樹脂受部材上へ押し出すことにより、接着材の硬化熱によって樹脂層がよれ等の変形を生じる要因となる接着材の液溜まりを防止でき、樹脂層の変形等を大幅に低減できる。さらに、ガラス基板層を切断しないので、作業工程を大幅に短縮でき、かつ、ガラス切断用の設備等も不要であり、生産コストを低減できる。さらにまた、切断により生じるガラスの粉末や、切断時に使用する水等で、樹脂層が傷ついたり、変性したりすることがない。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中等でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無い。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光学シートは、光学フィルムとしてもよいし、光学板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
図1は、積層体の実施形態である透過型スクリーンを示す図である。図1では、透過型スクリーン10の厚み方向に平行であって使用状態における画面上下方向に平行な断面の一部を拡大して示している。
図2は、実施形態の透過型スクリーン10を備えるインタラクティブボード及びインタラクティブボードシステムを示す図である。
透過型スクリーン10は、背面側から投射された映像光Lを結像し、観察面側から観察可能となるように表示するスクリーンである。このような透過型スクリーン10は、リアプロジェクションテレビや、背面投射型のインタラクティブボードシステム等に用いられる。本実施形態では、透過型スクリーン10は、インタラクティブボードシステムに用いられる例を挙げて説明する。また、本実施形態の透過型スクリーン10は、一例として、その画面サイズが対角80インチサイズ(1220mm×1620mm)であるとする。
これにより、使用者Sが入力部62を用いて透過型スクリーン10の観察面上に描画した図形や文字等を、投影画像と組み合わせ、図形や文字等が投影画像上に描かれたように表示することができる。また、例えば、パーソナルコンピュータ61の表示画面をインタラクティブボード50に表示し、使用者Sは、マウスで操作するように入力部62を操作してパーソナルコンピュータ61を操作することもできる。
さらに、透過型スクリーン10は、一般的なホワイトボード等のように、マーカー等の所定の筆記具を用いてその表面(観察面)に手書きで文字や図形等の情報を描画したり、描画した文字等を消去したりできる形態とすることもできる。
単位プリズム111は、入射側へ凸となる形状であり、光が入射する入射面A1と、入射面A1から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面A2とを備えている。この単位プリズム111は、図1に示すように、プリズム層11の入射側(背面側)の面に、スクリーン面に沿って一方向(画面上下方向)に複数配列されている。
プリズム層11は、光透過性を有するウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により形成される。なお、プリズム層11は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂等を用いてもよい。
本実施形態の単位プリズム111は、入射面A1と全反射面A2とによって形成される頂角αが38°であり、その配列ピッチが50μmである。また、本実施形態のプリズム層11は、屈折率は、1.55のウレタンアクリレート系樹脂製である。
ここで、スクリーン面とは、透過型スクリーン10全体として見たときにおける、透過型スクリーン10の平面方向となる面を示すものであり、本明細書においても同一の定義として用いている。
本実施形態の光拡散層12は、プリズム層11の出射側に一体に形成されており、その厚さが200μmであり、屈折率が1.55であるMBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂を基材とし、拡散材としてシリコン系ビーズ(屈折率1.41、粒径約2μm)とアクリル系ビーズ(屈折率1.53、粒径約8μm)とを用いており、拡散材は略均一に混錬されている。本実施形態の光拡散層12は、その基材に拡散材が配合される割合が約7.6重量%である。
本実施形態の光拡散層12は、プリズム層11のベースとなる層である。プリズム層11及び光拡散層12は、例えば、プリズム層11の逆形状を有し、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が塗布されて充填された成形型に対して、光拡散層12を積層して光拡散層12側から加圧し、紫外線を照射する等して樹脂を硬化させた後に、成形型から剥離する等して形成される。
ガラス基板層13は、青板ガラスやアルカリガラス、無アルカリガラス、耐熱ガラス、強化ガラス、半強化ガラス等、各種ガラス製の平板状の部材を用いることができる。
本実施形態のガラス基板層13は、屈折率1.52であり、厚さ6mmであり、光透過性を有する略平板状のガラス板を用いている。なお、ガラス基板層13の厚さは、スクリーンの平面性維持の観点から、4〜8mmの範囲内とすることが特に好ましいが、画面サイズ等に応じて自由に選択してよい。
本実施形態の表面機能層14は、厚さ100μmのPET樹脂製のシート状の部材を機能基材層141とし、その観察面側となる表面に、スチレン粒子(平均粒径7.5〜8.0μm、屈折率1.59)を含有する電離放射線硬化型樹脂(例えば、多官能アクリルモノマーとビニルモノマーとを重合させたものにシリコン系レベリング剤を添加したもの)を膜厚7μm程度で塗布して硬化させ、防眩層142が形成されている。また、本実施形態の表面機能層14は、その表面粗さである算術平均粗さRa(JIS B0601−2001)が136nm、最大高さRz(JIS B0601−2001)が453nmであり、防眩機能を発揮するに十分な表面粗さを有しつつ、筆記性を妨げることはない。
なお、表面機能層14は、例えば、ハードコート機能に加えて、反射防止機能、帯電防止層機能、紫外線吸収機能、着色・減光機能、防汚機能等の各種機能を備える層としてもよい。
本実施形態の接合層15a,15bは、紫外線硬化型樹脂により形成されており、その厚みが60μm、屈折率が1.49である。なお、接合層15a,15bは、その厚みを20〜100μmの範囲内で適宜選択できる。
接合層15a,15bは、紫外線硬化型樹脂に限らず、電子線放射型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂を用いることも可能である。また。この接合層15a,15bを形成する樹脂は、無溶剤型であり、硬化前の状態では高い流動性を有している。
図3及び図4は、実施形態の透過型スクリーンの製造方法を説明する図である。
図3及び図4では、ガラス基板層13と表面機能層14とを接合層15bによって接合する様子を示している。図3(c)及び図4(d)は、ガラス基板層13の表面の法線方向から見た図であり、図3(c)及び図4(d)以外のものは、ガラス基板層13の厚み方向に平行であって画面左右方向(ガラス基板層13の長辺に平行な方向)に平行な断面を示している。
まず、図3(a)に示すように、透過型スクリーン10を構成する部材として所望される大きさに裁断されたガラス基板層13を用意し、不図示の作業テーブル等に載置する。本実施形態では、ガラス基板層13の大きさは、1240mm×1640mmであり、その厚みは6mmである。
このテープ部材21としては、例えば、汎用のセロハンテープ等を用いることが可能である。また、テープ部材21は、透明又は半透明でもよいし、不透明でもよい。また、テープ部材21とガラス基板層13との重なり部分の幅は、ガラス基板層13の大きさや、有効画面サイズ等に合わせて、適宜選択可能である。
次に、図4(b)に示すように、ガラス基板層13上のテープ部材21の端部となる位置Cに、表面機能層14側からカッター24等により、接合層15b及び表面機能層14を切断し、切れ目を入れる。そして、テープ部材21及びこのテープ部材21上に積層された接合層15b及び表面機能層14を、ガラス基板層13から剥離する(トリミング工程)。
以上の工程を行うことにより、図4(c)及び(d)に示すように、ガラス基板層13の一方の面に接合層15bを介して表面機能層14が貼付される。
そして、以上の工程と同様に、ガラス基板層13の他方の面にプリズム層11が形成された光拡散層12を接合することにより、透過型スクリーン10が作製される。このとき、透過型スクリーン10は、ガラス基板層13の周縁部が露出した形態となるが、インタラクティブボードの支持部材51等に組み込む際には、露出部分は支持部材51によって被覆され、映像の視認等には影響はない。
ここで、硬化前の紫外線硬化型樹脂15Rは、高い流動性を有している。従って、例えば、ガラス基板層13の表面等に異物mが存在している状態で紫外線硬化型樹脂15Rを吐出する等し、紫外線硬化型樹脂15R中に異物mが存在している場合には、図5(a)〜(c)に示すように、ローラ23で余剰な紫外線硬化型樹脂15Rを押し出すことにより、余剰な紫外線硬化型樹脂15Rとともにガラス基板層13と表面機能層14との接合領域(接合層15b)の外側となるテープ部材21上に押し出すことができる。従って、異物mの混入を大幅に低減した高品位な透過型スクリーン10を製造できる。また、品位の高い透過型スクリーン10を、高精度のクリーンルーム等の設備がなくとも、製造可能であり、生産が容易であり、かつ、生産コストを低減できる。
さらにまた、余剰な紫外線硬化型樹脂15Rをテープ部材21上へ押し出すことにより、紫外線硬化型樹脂15Rの樹脂溜まりを防止できる。これにより、紫外線硬化型樹脂15Rの硬化熱によってガラス基板層13に接合される樹脂製のシート部材(表面機能層14、光拡散層12及びプリズム層11)がよれる等の変形を大幅に低減できる。
その上、ガラス基板層13を切断しないので、ウォータージェットやダイヤモンド砥石等を用いてガラス基板層13を切断する必要がなく、表面機能層14等が水で濡れることがなく、研磨によるガラスの粉末(研磨屑)等も発生しない。従って、ガラス基板層13に接合される樹脂製のシート部材(表面機能層14、光拡散層12及びプリズム層11)に変質が生じたり、接合層15bに接着不良が発生したりするといった問題もない。
加えて、ガラス基板層13を切断しないので、断裁工程に大幅な作業時間を費やすこともなく、生産性が向上する。
図6は、比較例の透過型スクリーンの製造方法を説明する図である。図6(a)は、比較例1の製造方法の一部を示し、図6(b)は、比較例2の製造方法の一部を示し、図6(c)は、比較例3の製造方法の一部を示す。
比較例1の製造方法は、テープ部材21ではなく、幅50mm、厚さ100μmのPET樹脂製の帯状の部材31をガラス基板層13の四辺の周縁部に沿って、ガラス基板層13との重なり部分の幅が10mmとなるように、両面テープ32(厚さ約40μm)を用いて貼り付ける点が異なる以外は、本実施形態と略同様の製造方法である。
この比較例1の製造方法では、図4(a)に示すように、PET樹脂製の帯状の部材31と両面テープ32とを合わせた厚みが約140μmとなり、実施形態のテープ部材21の厚み50μmよりも大幅に厚くなっている。
比較例1の製造方法で、ガラス基板層13と表面機能層14とを接合したところ、トリミング工程の後、接合層15bの端面(断面)に沿って気泡aが確認された。
これに対して、本実施形態の製造方法では、テープ部材とガラス基板表面との高低差は小さく、紫外線硬化型樹脂15R中の気泡を十分排出することができ、そのような気泡は生じていない。また、異物も十分押し出せる。
治具41は、図6(b)に示すように、略平板状であり、ガラス基板層13の載置面に、ガラス基板層13の四辺に沿って溝42が形成されている。この溝42は、ローラ23で押し出された余分な紫外線硬化型樹脂15Rが流れ込む樹脂受用の溝である。
このような溝42が形成された治具41を用いる比較例2の製造方法では、ローラ23で押し出された余剰の紫外線硬化型樹脂15Rが、ガラス基板層13の端面を被覆したり、治具41とガラス基板層13との間に侵入し、ガラス基板層13の他方側の面に付着したりして、品質が低下するといった現象が見られた。
また、付着した紫外線硬化型樹脂15Rを除去する作業が必要とり、作業時間や生産コストの増大を招く。さらに、ガラス基板層13と治具41の溝42との位置合わせを精度よく行う必要があり、ガラス基板層13の大きさが変更された場合、治具の溝42も変更する必要が生じ、作業時間や生産コストの大幅な増大を招く。
これに対して、本実施形態では、テープ部材21の幅を十分に広くとることにより、ガラス基板層13の裏面側に押し出された紫外線硬化型樹脂15Rが回りこむことがなく、透過型スクリーンの品位の低下を大幅に低減できる。また、治具41とガラス基板層13との高精度な位置合わせが不要であり、ガラス基板層13のサイズが変更になった場合にも容易に対応できるので、生産コストや作業時間の増大を招くことがない。
シリコンオイルは、剥離性を有し、紫外線硬化型樹脂15Rの硬化後に塗膜が形成された部分の剥離を可能する目的で用いている。
このような比較例3の製造方法では、ローラ23によって紫外線硬化型樹脂15Rとシリコンオイルとが混ざり、硬化後、接合層15bが部分的に又は全体的に白濁して品位が低下していた。
これに対して、本実施形態では、シリコンオイル等を使用しないので、上記のような白濁は発生せず、品位の低下が生じなかった。
また、本実施形態によれば、硬化前の紫外線硬化型樹脂15Rは、高い流動性を有しているので、紫外線硬化型樹脂15R中に埃等の異物が混入した場合にも、ローラ23によって、余剰な紫外線硬化型樹脂とともにテープ部材21上(接合層15bの領域外)に押し出すことができ、高精度のクリーンルーム等の設備がなくとも、品位の高い製品を製造可能である。
さらに、気泡a等が接合層15a,15bの端部に生じにくく、接合層15a,15bの強度低下やガラス基板層13に接合される樹脂製のシート部材(表面機能層14等)のガラス基板層13からの剥離等を大幅に低減できる。
さらにまた、紫外線硬化型樹脂15Rの樹脂溜まりを防止でき、紫外線硬化型樹脂15Rの硬化熱によって生じる樹脂製のシート部材のよれ等の変形を大幅に低減できる。
加えて、治具41(載置台)とガラス基板層13の高精度な位置合わせが不要であり、ガラス基板層13(即ち、作製しようとする透過型スクリーン10等の積層体)のサイズが変更になった場合にも容易に対応できるので、生産コストや作業時間の増大を大幅に抑えることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、樹脂受部材として、帯状のテープ部材を示したが、これに限らず、例えば、樹脂受部材は、シート状の部材としてもよく、その平面形状を自由に選択してよい。
図7は、樹脂受部材の変形形態を示す図である。
例えば、図7(a)に示すように、ローラ23の移動方向(図7(a)中に示す矢印方向)の両端に位置する樹脂受部材21Aの幅を、ローラ23の移動方向に直交する方向の両端部に位置する樹脂受部材21Bの幅よりも広くする等してもよい。
また、例えば、図7(b)に示すように、樹脂受部材21Cを、略台形形状としたり、ガラス基板層13とは反対側の端部を略円弧状としたりしてもよい。
さらに、例えば、図7(c)のように、樹脂受部材21Dの長さをガラス基板層13より多少長めにしてもよい。
このように、接合層15bを形成する紫外線硬化型樹脂15Rの流動性や、ローラ23の移動速度等に応じて、樹脂受部材の形状を自由に選択することにより、押し出された樹脂の漏れ等を低減できる。
また、本実施形態では、樹脂受部材であるテープ部材21は、セロハン製としたが、これに限らず、硬化前の紫外線硬化型樹脂15Rが浸潤しないように表面にコーティング等が施された紙製としてもよいし、他の樹脂製としてもよい。
また、本実施形態において、ガラス基板層13の両面に樹脂製のシート状の部材(表面機能層14や光拡散層12)が紫外線硬化型樹脂の接合層15a,15bによって貼付される透過型スクリーン10を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、ガラス基板層13の一方の面だけに樹脂製のシートが貼付される形態の光学部材(例えば、ガラス基板層の片面にレンチキュラーレンズシートが貼合されたガラス基板付きレンチキュラーレンズシート等)としてもよい。
また、本発明は、各種スクリーンや面光源装置を構成する光学部材にも適用可能である。
11 プリズム層
111 単位プリズム
12 光拡散層
13 ガラス基板層
14 表面機能層
21 テープ部材
22 ディスペンサー
23 ローラ
24 カッター
Claims (8)
- 光学用途に用いられ、ガラス基板層と、前記ガラス基板層の少なくとも一方の面に接合層により接合される樹脂層とを備える積層体の製造方法であって、
シート状又は帯状であって片面に粘着層を有する樹脂受部材を、前記粘着層により前記ガラス基板層の接合面の周縁部に貼付する樹脂受部材貼付工程と、
前記樹脂受部材を貼付した前記ガラス基板層の前記接合面上に硬化前の状態で流動性を有する接着材を吐出する接着材吐出工程と、
吐出された前記接着材上に前記樹脂層を積層し、余分な前記接着材を前記樹脂受部材上に押し出す接着材押し出し工程と、
前記接着材押し出し工程の後に、前記接着材を硬化させて接合層を形成する硬化工程と、
を備える積層体の製造方法。 - 請求項1に記載の積層体の製造方法において、
前記接着材は、電離放射線硬化型樹脂であること、
を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の積層体の製造方法において、
前記硬化工程の後に、前記樹脂受部材上に積層された前記樹脂層及び前記接合層を切断し、前記樹脂受部材とともに前記ガラス基板層から剥離するトリミング工程を有すること、
を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項3に記載の積層体の製造方法において、
前記樹脂受部材は、前記ガラス基板層に貼付した後に剥離可能であること、
を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の積層体の製造方法において、
前記樹脂受部材は、その厚さが前記接合層の厚さよりも薄いものを用いること、
を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の積層体の製造方法において、
前記ガラス基板層は、矩形形状の平板状であり、前記樹脂受部材貼付工程において、前記樹脂受部材は、前記ガラス基板層の前記接合面の四辺に貼付されること、
を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の積層体の製造方法において、
前記樹脂層は、少なくとも光を拡散、集光、偏向する光学作用のいずれかを有すること、
を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項7に記載の積層体の製造方法において、
前記樹脂層は、少なくとも一方の面に、単位レンズ又は単位プリズムが複数配列されて形成されていること、
を特徴とする積層体の製造方法。
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