以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の実施形態に係るコンテナ荷役車両1を示している。このコンテナ荷役車両1は、図1に示すように、コンテナ2を荷役装置3によって荷台と地上との間で積み降ろしする脱着動作を行うことができる。また、このコンテナ荷役車両1は、図2に示すように、コンテナ2を荷役装置3によって傾動させるチルト動作を行うこともできる。
コンテナ荷役車両1は、それぞれ車体前後方向に延びる車体フレーム11の前端部上にキャブ12を備えている。キャブ12後方の車体フレーム11上には、この車体フレーム11に沿って車体前後方向に延びる左右一対のサブシャーシ13(図3参照)が設けられている。コンテナ2は、各サブシャーシ13を介して各車体フレーム11上に搭載される。また、各車体フレーム11の後端部には地上に向かって張り出し可能なジャッキ14が設けられ、荷役装置3によるコンテナ2の積み降ろし時の車体後方への重心移動に対し、ジャッキ14を張り出しておくことでコンテナ荷役車両1の安定性が高められるようになっている。
コンテナ2は、その底部に略矩形状の底壁2aを有し、この底壁2aの周囲を前後両壁2b、2cおよび左右両側壁2d、2eが囲んで略直方体形状に形成されている。
コンテナ2の底壁2a下面には車体前後方向へ延びる左右一対の主桁21,21が設けられている。コンテナ2の前壁2bの上部には、後述するフック部34dが係合可能な係合ピン22が設けられている。コンテナ2の後壁2cは、その上端が、左右両側壁2d、2eの後端上部位置において車幅方向に延びる軸23回りに支持されて、後方へ下開き可能となっている。なお、コンテナ2の後壁2cは、図示しない後壁固縛装置により後方への開放が規制可能となっている。
荷役装置3は、図1および図3に示すように、左右一対の傾動フレーム32、L形アーム34、左右一対の第1および第2リフトシリンダ35,36、左右一対の案内ローラ16、後に詳述する油圧回路などを備えている。傾動フレーム32は、その後端部がサブシャーシ13の後端位置において車幅方向に配置された第1車幅方向軸31の回りに回動自在に連結され、これにより、サブシャーシ13に対し傾動自在となっている。L形アーム34は、コンテナ2を車台(車体フレーム11、サブシャーシ13等)と地上との間で積み降ろしする荷役フレームであって、その基端部は各傾動フレーム32の前端部に対し第1車幅方向軸31と平行な第2車幅方向軸33の回りに回動自在に設けられている。これにより、L形アーム34は各傾動フレーム32に対しても回動自在となっている。リフトシリンダ35,36は、図3に示すように、L形アーム34の左右両側部と上記各サブシャーシ13の前端部との間に連結されている。このリフトシリンダ35,36は油圧シリンダで構成されており、両リフトシリンダ35,36の一端側は、サブシャーシ13および車体フレーム11を介して連結され、両リフトシリンダ35,36の他端側は、L形アーム34のベースアーム部34aを介して連結されている。したがって、両リフトシリンダ35,36は互いに同期して伸縮するようになっている。案内ローラ16、16は、サブシャーシ13の後端に設けられ、第1車幅方向軸31回りに回動自在に支持されている。この案内ローラ16、16は、コンテナ2を積み降ろしする際にコンテナの主桁21を車両前後方向へ円滑に案内するために設けられている。
上記L形アーム34は、コンテナ2が車台上に搭載された状態で、略水平に配置されて伸縮可能な水平部としてのベースアーム部34aおよび基部アーム部34bと、同状態において基部アーム部34bの前端から略垂直方向に延びた垂直部としての起立アーム部34cと、コンテナの係合ピン22に係脱自在に係合する起立アーム部34cの先端に設けられたフック部34dと、を備えている。ベースアーム部34aは、傾動フレーム32の前端部に対し第2車幅方向軸33の回りに回動自在に連結されている。基部アーム部34bは、ベースアーム部34aに対し前後方向に摺動自在に内装されている。
ベースアーム部34aと基部アーム部34bとの間には、スライドシリンダ37が連結されており、このスライドシリンダ37が伸縮作動することにより、ベースアーム部34aの一端から基部アーム部34bが伸縮するようになっている。以下、ベースアーム部34aの一端から基部アーム部34bを伸縮させることを「L形アーム34を伸縮させる」ともいう。
L形アーム34と傾動フレーム32との間には、L形アーム34の水平部(ベースアーム部34aおよび基部アーム部34b)を傾動フレーム32に対し側面視略一直線状となるように保持し、第2車幅方向軸33回りの相対回動を規制する固縛装置(図示せず)が備え付けられている。この固縛装置は、上記スライドシリンダ37が伸長状態のとき傾動フレーム32に対しL形アーム34を相対回動不能に固縛し、上記スライドシリンダ37が収縮状態のときその固縛を解除するように構成されている。
−油圧回路−
次に、荷役装置3の油圧回路を図4に基づいて説明する。43は油圧供給源である油圧ポンプである。油圧ポンプ43は図示しないエンジンの動力で駆動されるようになっており、吸込み管43aを通じてオイルタンク44内の作動油を汲み上げ吐出口より圧油を供給する。
油圧ポンプ43の吐出口はバルブユニット4のプレッシャポートPを介してメイン油路45の上流端に接続されている。このメイン油路45には、流量切換弁46、第2リフトシリンダ36の伸縮動作を切換える第2リフトシリンダ用切換弁48、第1リフトシリンダ35の伸縮動作を切換える第1リフトシリンダ用切換弁47、およびスライドシリンダ37の伸縮動作を切換えるスライドシリンダ用切換弁49が上流側から順に直列に設置されている。
メイン油路45の下流端はバルブユニット4のタンクポートTに接続されており、このタンクポートTに排油管50が接続されている。排油管50の途中位置には、フィルタ51が設置されている。
各切換弁46〜49は、それぞれ6ポート3位置電磁パイロット切換弁からなり、その全てが中立位置(非励磁状態;図4に示す位置)にあるときは、油圧ポンプ43により供給される圧油の全量がメイン油路45、排油管50を介してオイルタンク44に還流される。
メイン油路45には、油圧ポンプ43と流量切換弁46との間に第1〜第3分岐油路53〜55の一端が接続されている。第1分岐油路53の他端は、メイン油路45の下流端近傍に接続されており、その第1分岐油路53の途中には、リリーフ弁56が設けられている。第2分岐油路54の他端には、減圧弁57が設けられており、所定のパイロット圧まで減圧された圧油がパイロット油路58に供給されるようになっている。このパイロット油路58を通じて各切換弁46〜49へパイロット圧が供される。なお、59はタンクポートTに連通したドレン油路である。
第3分岐油路55の他端は、出力プレッシャポートP’を通じて第1圧力検出スイッチ75、第2圧力検出スイッチ76、第3圧力検出スイッチ78および第4圧力検出スイッチ79に接続されている。60はメイン油路45に設置されたシーケンス弁であり、油圧ポンプ43の駆動後すぐにパイロット圧を立てるために設けられている。
各切換弁46〜49の各ポートは、図4に示すように、バルブユニット4のアクチュエータ用油圧ポートP1〜P8やメイン油路45と接続されている。
第1リフトシリンダ35のボトム側室35aに通じる同シリンダ35のボトム側ポートは、油圧ポートP4を介して第1リフトシリンダ用切換弁47の所定ポートに接続されている。第1リフトシリンダ35のロッド側室35bに通じる同シリンダ35のロッド側ポートは、油圧ポートP3を介して第1リフトシリンダ用切換弁47の所定ポートに接続されている。また、第1リフトシリンダ35の背圧を維持するために、第1リフトシリンダ35のボトム側ポートと油圧ポートP4を接続する油路上には、第1カウンタバランス弁61が設けられ、第1リフトシリンダ35のロッド側ポートと油圧ポートP3を接続する油路上には、第2カウンタバランス弁62が設けられている。第1カウンタバランス弁61のパイロット圧は、後述する第4カウンタバランス弁64の油圧ポンプ43側から供給され、第2カウンタバランス弁62のパイロット圧は、後述する第3カウンタバランス弁63の油圧ポンプ43側から供給されるように外部パイロット61a,62aが設けられている。
第2リフトシリンダ36のボトム側室36aに通じる同シリンダ36のボトム側ポートは、油圧ポートP6を介して第2リフトシリンダ用切換弁48の所定ポートに接続されている。第2リフトシリンダ36のロッド側室36bに通じる同シリンダ36のロッド側ポートは、油圧ポートP5を介して第2リフトシリンダ用切換弁48の所定ポートに接続されている。また、第2リフトシリンダ36の背圧を維持するために、第2リフトシリンダ36のボトム側ポートと油圧ポートP6を接続する油路上には、第3カウンタバランス弁63が設けられ、第2リフトシリンダ36のロッド側ポートと油圧ポートP5を接続する油路上には、第4カウンタバランス弁64が設けられている。なお、第3カウンタバランス弁63のパイロット圧は、第4カウンタバランス弁64の油圧ポンプ43側から供給され、第4カウンタバランス弁64のパイロット圧は、第3カウンタバランス弁63の油圧ポンプ43側から供給される。
スライドシリンダ37のボトム側室37aに通じる同シリンダ37のボトム側ポートは、油圧ポートP2を介してスライドシリンダ用切換弁49の所定ポートに接続されている。スライドシリンダ37のロッド側室37bに通じる同シリンダ37のロッド側ポートは、油圧ポートP1を介してスライドシリンダ用切換弁49の所定ポートに接続されている。また、スライドシリンダ37のボトム側ポートと油圧ポートP2を接続する油路上には、パイロットチェック弁65が設けられている。このパイロットチェック弁65の1次側には油圧ポートP2が接続され、2次側にはスライドシリンダ37のボトム側室37aが接続され、さらに、1次側には油圧ポートP1およびロッド側室37b間の油路からパイロット圧が導入されるようになっている。
流量切換弁46は、中立位置c(図4に示す位置)に切換えられると、メイン油路45に第1油路を配置し、図4中の右位置aに切換えられると、メイン油路45に第1油路より流路断面積が絞られた第2油路を配置する。第2油路を配置した場合、第1油路を配置した場合と比較して、油圧ポンプ43から各シリンダ35〜37へ供給される圧油の流量が絞られ、油圧ポンプ43から吐出された圧油の一部がリリーフ弁56からリリーフされるようになる。
以上の油圧回路における切換弁46〜49の切換動作は、制御部70によって制御される。制御部70には、第2リフトシリンダ36のストローク量を検出する第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72(L形アーム34の回動位置を検出するための回動位置検出手段)、スライドシリンダ37のストローク量(L形アーム34の伸長量)を検出するスライドシリンダ用ストロークセンサ73、リモートコントローラ74、第1圧力検出スイッチ75、第2圧力検出スイッチ76、停止角度調整器77等が接続されている。制御部70は、リモートコントローラ74および上記各センサ等72〜75の出力信号に基づいて切換弁46〜49の切換動作を制御する。
上記ストロークセンサ72,73としては、例えば、ワイヤー式ストロークセンサが用いられるが、シリンダ内蔵型のストロークセンサであってもよい。なお、ワイヤー式ストロークセンサとしては、例えば、回転ドラムおよび、回転ドラムの回転量を電気信号に変換して制御部70に入力するエンコーダを収容した本体部721,731と、回転ドラムに繰り出し自在に巻き付けられたワイヤー722,732と、を備えるものを用いることができる。本体部721,731は、第2リフトシリンダ36およびスライドシリンダ37のチューブ側にそれぞれ固定され、ワイヤー722,732の先端部は、第2リフトシリンダ36およびスライドシリンダ37の先端部に固定される。なお、回転ドラムはワイヤー722,732に適度の張力を与えるために一方に回転付勢される。
制御部70は、上記ストロークセンサ72,73の出力値に基づいてスライドシリンダ37および第2リフトシリンダ36のストローク量S1,S2(L形アーム34の伸長量およびL形アーム34の回動位置)を検出する。具体的には、制御部70には、L形アーム34が最短収縮状態にあるときのスライドシリンダ37のロッド位置に対応してスライドシリンダ用ストロークセンサ73から出力される出力値が基準値として初期設定により記憶されている。制御部70は、スライドシリンダ37のロッドの位置に応じて変化するストロークセンサ73の出力値と上記基準値との差に基づいてスライドシリンダ37のストローク量S1(L形アーム34の伸長量)を検出する。また、制御部70には、L形アーム34が前方へ限界回動位置まで回動してコンテナ2が車台上に着床した状態(以下このときのL形アーム34の状態を「着床状態」という。)にあるときの第2リフトシリンダ36のロッド位置に対応して第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72から出力される出力値が基準値(回動位置検出手段の出力値に係る基準値)として初期設定により記憶されている。制御部70は、第2リフトシリンダ36のロッドの位置に応じて変化する上記ストロークセンサ72の出力値と上記基準値との差に基づいて第2リフトシリンダ36のストローク量S2(L形アーム34の回動位置)を検出する。
ストロークセンサ72,73を長年使用すると、例えば、ワイヤー722,732が経年変化によって伸びてしまうなどして、上記基準値が本来あるべき基準値からずれてしまうことがある。しかし、本実施形態に係るコンテナ荷役車両によれば、後に詳述する基準値補正が実行されることにより、上記基準値が本来あるべき基準値に自動的に補正される。
上記停止角度調整器77(図4参照)としては、ロータリスイッチや可変抵抗器などが用いられ、例えばダイヤル771を左右に廻すことで、後述する第2リフトシリンダ36の可変設定ストローク量X5の調整が可能となっている。
−リモートコントローラ−
図5はリモートコントローラ74を示す図である。このリモートコントローラ74は、コンテナ荷役車両1のキャブ12内に備え付けられており、脱着スイッチ741、チルトスイッチ742、スライドスイッチ743、基準値補正スイッチ744等を備える。
脱着スイッチ741は、コンテナ2の脱着時に操作される3位置切換式のものである。脱着スイッチ741の一方(図5において「引き上げ」と表示されている側)を押し続けることで、コンテナを地上から車体フレーム11上に引き上げて搭載する引き上げ動作が実行され、脱着スイッチ741の他方(図5において「降ろし」と表示されている側)を押し続けることで、コンテナを車体フレーム11上から地上に降ろす降ろし動作が実行される。引き上げ動作中又は降ろし動作中に、脱着スイッチ741から操作者の手が離れると当該スイッチが自動的に中立位置に復帰し、上記動作が中断するようになっている。
チルトスイッチ742は、コンテナ2を傾動(チルト)させる際に操作される3位置切換式のものである。チルトスイッチ742の一方(図5において「UP」と表示されている側)を押し続けることで、コンテナを水平状態から傾斜状態に向かってチルト動作が実行され、チルトスイッチ742の他方(図5において「DOWN」と表示されている側)を押し続けることで、コンテナを傾斜状態から水平状態に向かってチルト動作が実行される。チルト動作中に、チルトスイッチ742から操作者の手が離れると自動的に当該スイッチが中立位置に復帰し、上記動作が中断するようになっている。
スライドスイッチ743は、L形アーム34を後方に回動した状態で、L形アーム34に設けられているフック部34dをその後方の同じ位置に移動させる場合などに操作される3位置切換式のものである。スライドスイッチ743の一方(図5において「スライド伸」と表示されている側)を押し続けることで、スライドシリンダ37およびリフトシリンダ35,36が伸長してフック部34dは後方の同じ高さ位置へ移動し、スライドスイッチ743の他方(図5において「スライド縮」と表示されている側)を押し続けることでスライドシリンダ37が収縮する。フック部34dの移動中に、スライドスイッチ743から操作者の手が離れると自動的に当該スイッチが中立位置に復帰し、上記移動が停止するようになっている。
基準値補正スイッチ744は、制御部70が記憶している、ストロークセンサ72,73の出力値に係る基準値を強制的に補正するために設けられた3位置切換式のものである。基準値補正スイッチ744の一方(図5において「ストロークセンサ1補正」と表示されている側)を押すことで、強制的に当該スイッチ押下時の第2リフトシリンダ36のストローク量S2に係る基準値(ストロークセンサ72の出力値に係る基準値)が補正される。また、基準値補正スイッチ744の他方(図5において「ストロークセンサ2補正」と表示されている側)を押すことで、強制的に当該スイッチ押下時のスライドシリンダ37のストローク量S1に係る基準値(ストロークセンサ73の出力値に係る基準値)が補正される。なお、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1においては、ストロークセンサ72,73の出力値に係る基準値を自動的に補正する機能(この機能は後述する。)を備えているため、上記基準値補正スイッチ744は、自動的に補正する機能が故障した場合に有用となる。
−コンテナの脱着動作−
以下、上記リモートコントローラ74の操作に応じて実行されるコンテナ2の脱着動作についてフローチャートに基づいて説明する。後述するスライドシリンダ37のストローク量S1の閾値Y0〜Y3は、Y0<Y1<Y2<Y3の関係にある。Y0は、スライドシリンダ37の最小ストローク量であり、Y3は、スライドシリンダ37の最大ストローク量である。また、後述する第2リフトシリンダのストローク量S2の閾値X0〜X5は、X0<X1<X2<X3<X4<X5の関係にある。X0は、L形アーム34が着床状態にあるときの第2リフトシリンダのストローク量であり、X5は停止角度調整器77により調整可能な可変設定ストローク量である。なお、制御部70は、第2リフトシリンダのストローク量S2(ストロークセンサ72の出力値)を介してL形アーム34の各回動位置を検出している。
<降ろし動作>
まず、コンテナ2を車台上に搭載した状態から地上に降ろす降ろし動作について図6、図7Aおよび図7Bに基づいて説明する。コンテナ2が車体フレーム11上に搭載されている初期状態として、スライドシリンダ37は伸長状態(ストローク量S1=Y3)にあり、リフトシリンダ35,36は収縮状態(ストローク量S2=X0)にあり、各切換弁46〜49は中立位置cにあるものとする。なお、地上に載置されたコンテナ2を車台上に引き上げるために、コンテナ2を係合していないL形アーム34を後方へ回動させるときの動作もこの降ろし動作と同様である。
脱着スイッチ741の「降ろし」と表示されている側(以下「降ろし側」という。)を押し続けると(ステップST1:YES)、制御部70は、スライドシリンダ37のストローク量S1がY2<S1であるか否かを判定する(ステップST2)。ここで肯定判定をした場合は、ステップST3へ移り、否定判定をした場合はステップST4に移る。なお、上記初期状態では、スライドシリンダ37のストローク量S1は最長ストローク量Y3になっているので、本ステップでは肯定判定される。
ステップST3において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ低速収縮状態」とする。具体的には、制御部70は、スライドシリンダ用切換弁49を左位置bとし、流量切換弁46を右位置aとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られた上でスライドシリンダ37のロッド側室37bに供給され、スライドシリンダ37(L形アーム34)は低速で収縮するようになる。なお、上記初期状態から低速収縮動作を開始したスライドシリンダ37は、そのストローク量S1が閾値Y2未満になるまで低速収縮動作を継続する(ステップST1:YES、ステップST2:YES、ステップST3)。
ステップST4において、制御部70は、スライドシリンダのストローク量S1がY1<S1≦Y2であるか否かを判定する。ここで、肯定判定をした場合は、ステップST5へ移り、否定判定をした場合はステップST6に移る。
ステップST5において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ高速収縮状態」とする。具体的には、制御部70は、スライドシリンダ用切換弁49を左位置bとしたまま、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られることなく、スライドシリンダ37のロッド側室37bに供給され、スライドシリンダ37(L形アーム34)は高速で収縮する。このスライドシリンダ37の高速収縮動作は、スライドシリンダ37のストローク量S1が閾値Y1以下になるまで継続される(ステップST1:YES、ステップST2:NO、ステップST4:YES、ステップST5)。
スライドシリンダ37のストローク量S1が閾値Y1以下になると(ステップST4:NO)、制御部70は、L形アーム34の収縮が完了したか否かを判定する(ステップST6)。例えば、L形アーム34のベースアーム部34aに対して基部アーム部34bが限界まで収容された瞬間に、油圧ポンプ43の吐出側の油圧が急に跳ね上がり所定の閾値油圧を超えたことが第3圧力検出スイッチ78により検出されることにより、L形アーム34の収縮が完了したと判定する。なお、L形アーム34の起立アーム部34cの基端部と、ベースアーム部34aの先端部との近接を検出する近接センサを設け、この近接センサを用いてL形アーム34の収縮の完了を判定するようにしてもよい。
ステップST6において、否定判定した場合は、ステップST3に移り、引き続きスライドシリンダ37を低速で収縮させる。
一方、ステップST6において肯定判定した場合は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ停止状態」とする(ステップST7)。具体的には、制御部70は、スライドシリンダ用切換弁49を中立位置cとし、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、油圧ポンプ43からスライドシリンダ37への圧油の供給が停止し、スライドシリンダ37(L形アーム34)が停止する。このとき、L形アーム34を傾動フレーム32に対して固縛する固縛装置は既に解放状態となり、リフトシリンダ35,36の伸縮動作に対してL形アームのみが回動可能な状態となっている。
以上ステップST1〜ST7の説明では、脱着スイッチ741の降ろし側が押し続けられた場合を前提として説明したが、脱着スイッチ741から操作者の手が離れて脱着スイッチ741が中立位置に戻った場合は、(ステップST1:NO、ステップST8:YES)、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ停止状態」とするようになっている(ステップST7)。
スライドシリンダ37(L形アーム34)が収縮動作を完了した後、引き続き、脱着スイッチ741の降ろし側が押し続けられると、制御部70は、ステップST11で肯定判定をし、ステップST12において、スライドシリンダ37のストローク量S1が所定のストローク量Y0’であるか否かを判定する。ここで、所定のストローク量Y0’は、固縛装置による傾動フレーム32とL形アーム34との固縛が解除されるのに十分な値であることを前提として、スライドシリンダ37の最小ストローク量Y0±Cとなる値である。Cは、スライドシリンダ用ストロークセンサ73の検出誤差として想定される最大値が設定される。例えばスライドシリンダ用ストロークセンサ73の検出誤差として最大±2cmが想定されるのであれば、上記Cは2cmとすることが望ましい。
ステップST12において肯定判定をした場合は、ステップST13へ移り、否定判定をした場合はこのルーチンを抜ける。つまり、スライドシリンダ37のストローク量S1が所定のストローク量Y0’である場合は、後述のリフトシリンダ35,36の伸長動作を開始し、スライドシリンダ37のストローク量S1が所定のストローク量Y0’でなければ、引き続き図6に示したルーチンによりスライドシリンダ37の収縮動作が継続される。
ステップST13において、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がS2≦X1又はX4<S2<X5であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST14へ移り、否定判定をした場合はステップST15に移る。
ステップST14において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ低速伸長状態」とする。具体的には、制御部70は、第1および第2リフトシリンダ用切換弁47,48を右位置aとし、流量切換弁46を右位置aとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られた上で第1および第2リフトシリンダ35,36のボトム側室35a,36aに供給され、第1および第2リフトシリンダ35,36は低速で伸長し、L形アーム34は低速で後方へ回動する。なお、上記初期状態から低速伸長動作を開始したリフトシリンダ35,36は、そのストローク量S2が閾値X1より大きくなるまで低速伸長動作を継続する(ステップST11:YES、ステップST12:YES、ステップST13:YES、ステップST14)。
ステップST15において、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX1<S2≦X2又はX3<S2≦X4であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST16へ移り、否定判定をした場合はステップST17に移る。
ステップST16において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ中速伸長状態」とする。具体的には、制御部70は、第1および第2リフトシリンダ用切換弁47,48を右位置aとしたまま、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られることなく、第1および第2リフトシリンダ35,36のボトム側室35a,36aに供給され、第1および第2リフトシリンダ35,36は中速で伸長し、L形アームは中速で後方へ回動する。この第1および第2リフトシリンダ35,36の中速伸長動作は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX1<S2≦X2である場合は、閾値X2より大きくなるまで、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX3<S2≦X4である場合は、閾値X4より大きくなるまで継続される(ステップST11:YES、ステップST12:YES、ステップST13:NO、ステップST15:YES、ステップST16)。
ステップST17において、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX2<S2≦X3であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST18へ移り、否定判定をした場合はステップST21に移る。
ステップST18において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態が「リフトシリンダ停止状態」であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST16へ移り、否定判定をした場合はステップST19に移る。本ステップでは、コンテナ2を車体フレーム11上に搭載した状態から高速で地上に降ろす動作の途中で、脱着スイッチ741から操作者の手が離れて、リフトシリンダ35,36の動作が途中で停止した後、再び脱着スイッチ741の降ろし側が押された場合に(ステップST18:YES)、リフトシリンダ35,36を高速でなく、中速で伸長させるためのものである。これにより、一旦回動を停止したL形アームが再び回動を開始する際にL形アームの回動トルクが比較的大きいリフトシリンダ35,36の中速伸長動作を実行させるようにしている。
ステップST19において、制御部70は、後述するリフトシリンダ高速禁止フラグがON状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST16へ移り、否定判定をした場合はステップST20に移る。本ステップにより、コンテナ2の重量が所定値以上ある場合に、L形アームの回動トルクが比較的小さくなる後述のリフトシリンダ35,36の高速伸長動作を回避し、L形アームの回動トルクが比較的大きくなるリフトシリンダ35,36の中速伸長動作を実行させる。
ステップST20において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ高速伸長状態」とする。具体的には、制御部70は、第1リフトシリンダ用切換弁47を中立位置cとし、第2リフトシリンダ用切換弁48を右位置aとし、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られることなく、第2リフトシリンダ36のボトム側室36aのみに供給され、第1リフトシリンダ35のボトム側室35aとロッド側室35bとが第1リフトシリンダ用切換弁47により短絡される。その結果、第2リフトシリンダ36は高速で伸長し、第1リフトシリンダ35も第2リフトシリンダ36に従動して高速で伸長して、L形アームは高速で後方へ回動する。この第1および第2リフトシリンダ35,36の高速伸長動作は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が閾値X3を超えるまで継続され、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が閾値X3を超えると、再びステップST15において肯定判定がなされ、第1および第2リフトシリンダ35,36は再び中速で伸長するようになる(ステップST16)。
その後、制御部70は、第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の出力値に基づき第2リフトシリンダ36のストローク量S2が可変設定ストローク量X5(設定値X5)に達したこと検出した場合(ステップST21:YES)、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ停止状態」とする。これにより、第1および第2リフトシリンダ35,36は停止し、L形アーム34の後方への回動も停止する。以上によりL形アーム34にコンテナ2が係合されていた場合はコンテナ2の降ろし動作が完了し、地上に載置されたコンテナ2を引き上げるために、コンテナ2が係合されていないL形アーム34のみが後方に回動された場合には、予め停止角度調整器77のダイヤル771を調整しておくことで、フック部34dを地上に載置されたコンテナ2の係合ピン22に対して適した高さ位置に停止させることができる。これにより、フック部34dを係合ピン22に係合させる作業の効率化が図られる。
以上ステップST11〜ST22の説明では、脱着スイッチ741の降ろし側が押し続けられた場合を概ね前提として説明したが、脱着スイッチ741から操作者の手が離れて脱着スイッチ741が中立位置に戻った場合は(ステップST11:NO、ステップST23:YES)、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ停止状態」とし(ステップST22)、L形アーム34の回動動作を途中で停止する。
<引き上げ動作>
つぎに、コンテナ2を地上から車体フレーム11上に引き上げる引き上げ動作について図8A、図8Bおよび図9のフローチャートに基づいて説明する。
脱着スイッチ741の「引き上げ」と表示されている側(以下「引き上げ側」という。)を押し続けると(ステップST31:YES)、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX4<S2であるか否かを判定する(ステップST32)。ここで肯定判定をした場合は、ステップST33へ移り、否定判定をした場合はステップST34に移る。
ステップST33において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ低速収縮状態」とする。具体的には、制御部70は、第1および第2リフトシリンダ用切換弁47,48を左位置bとし、流量切換弁46を右位置aとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られた上で第1および第2リフトシリンダ35,36のロッド側室35b,36bに供給され、第1および第2リフトシリンダ35,36は低速で収縮し、L形アーム34は低速で前方へ回動する。このリフトシリンダ35,36の低速収縮動作は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が閾値X4より小さくなるまで継続される(ステップST31:YES、ステップST32:YES、ステップST33)。
ステップST34において、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX1<S2≦X2またはX3<S2≦X4であるか否かを判定する。ここで、肯定判定をした場合は、ステップST35へ移り、否定判定をした場合はステップST36に移る。
ステップST35において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ中速収縮状態」とする。具体的には、制御部70は、第1および第2リフトシリンダ用切換弁47,48を左位置bとし、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られることなく、第1および第2リフトシリンダ35,36のロッド側室35b,36bに供給され、第1および第2リフトシリンダ35,36は中速で収縮し、L形アームは中速で前方へ回動する。このリフトシリンダ35,36の中速収縮動作は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX3<S2≦X4である場合は、そのストローク量S2が閾値X3以下になるまで継続され、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX1<S2≦X2である場合は、そのストローク量S2が閾値X1以下になるまで継続される(ステップST31:YES、ステップST32:NO、ステップST34:YES、ステップST35)。
ステップST36において、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がX2<S2≦X3であるか否かを判定するここで肯定判定をした場合は、ステップST37へ移り、否定判定をした場合はステップST40に移る。
ステップST37において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態が「リフトシリンダ停止状態」であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST35へ移り、否定判定をした場合はステップST38に移る。このステップST37は、コンテナ2を地上から車体フレーム11上に搭載する引き上げ動作の途中で、脱着スイッチ741から操作者の手が離れて、リフトシリンダ35,36の動作が途中で停止した後、再び脱着スイッチ741の引き上げ側が押された場合に(ステップST37:YES)、リフトシリンダ35,36の収縮動作の再開を高速でなく、中速で行わせるためのものである。これにより、一旦回動を停止したL形アーム34が回動を再開する際にL形アームの回動トルクが比較的大きいリフトシリンダ35,36の中速収縮動作を実行するようにしている。
ステップST38において、制御部70は、リフトシリンダ高速禁止フラグがON状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST35へ移り、否定判定をした場合はステップST39に移る。このステップST38により、コンテナ2の重量が所定値以上ある場合に、L形アームの回動トルクが比較的小さくなる後述のリフトシリンダ35,36の高速収縮動作を回避し、L形アームの回動トルクが比較的大きくなるリフトシリンダ35,36の中速収縮動作を実行させるようにしている。なお、リフトシリンダ高速禁止フラグのON/OFFの切換動作については後に説明する。
ステップST39において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ高速収縮状態」とする。具体的には、制御部70は、第1リフトシリンダ用切換弁47を中立位置cとし、第2リフトシリンダ用切換弁48を左位置bとし、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られることなく、第2リフトシリンダ36のロッド側室36bのみに供給され、第1リフトシリンダ35のボトム側室35aとロッド側室35bとが第1リフトシリンダ用切換弁47により短絡される。その結果、第2リフトシリンダ36は高速で収縮し、第1リフトシリンダ35も第2リフトシリンダ36に従動して高速で収縮して、L形アームは高速で後方へ回動する。この第1および第2リフトシリンダ35,36の高速収縮動作は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が閾値X2以下になるまで継続され、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が閾値X2以下になると、再びステップST34において肯定判定がなされ、第1および第2リフトシリンダ35,36は再び中速で収縮するようになる(ステップST35)。
その後、制御部70は、L形アーム34の着床状態を検出すると(ステップST40:YES)、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ停止状態」とする(ステップST41)。例えば、L形アーム34の着床状態は、L形アーム34が着床した瞬間に、油圧ポンプ43の吐出側の油圧が急に跳ね上がり所定の閾値油圧を超えたことが第4圧力検出スイッチ79により検出されることにより、L形アーム34の着床状態を検出する。これにより、第1および第2リフトシリンダ35,36は停止し、L形アーム34の前方への回動も停止する。なお、L形アーム34が着床状態にあるときに検出信号を制御部70に対して出力する近接センサ(着床位置検出センサ)を第2車幅方向軸33回りに設け、制御部70が当該検出信号に基づいてL形アーム34が着床位置にあることを検出するようにしてもよい。
一方、L形アーム34の着床を検出しなければ(ステップST40:NO)、ステップST33に移って引き続きリフトシリンダ35,36を低速で収縮させ、L形アーム34を前方へ低速で回動させる。
以上ステップST31〜ST41の説明では、脱着スイッチ741の引き上げ側が押し続けられた場合を概ね前提として説明したが、脱着スイッチ741から操作者の手が離れて脱着スイッチ741が中立位置に戻った場合は(ステップST31:NO、ステップST42:YES)、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ停止状態」とし(ステップST41)、L形アーム34の回動動作を途中で停止する。
以後続けて、脱着スイッチ741の引き上げ側を押し続けると(ステップST51:YES)、制御部70は、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が所定のストローク量X0’であるか否かを判定する(ステップST52)。ここで、所定のストローク量X0’は、最小ストローク量X0±Dである。Dは、第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の検出誤差として想定される最大値が設定される。例えば第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の検出誤差として最大±2cmが想定されるのであれば、上記Dは2cmとすることが望ましい。本ステップST52で肯定判定をした場合は、ステップST53に移り、否定判定をした場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST53において、制御部70は、スライドシリンダ37のストローク量S1がS1<Y1又はY2<S1<Y3であるか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合は、ステップST54へ移り、否定判定をした場合はステップST55に移る。
ステップST54において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ低速伸長状態」とする。具体的には、制御部70は、スライドシリンダ用切換弁49を右位置aとし、流量切換弁46を右位置aとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られた上でスライドシリンダ37のボトム側室37aに供給され、スライドシリンダ37(L形アーム34)は低速で伸長する。なお、上記初期状態から低速伸長動作を開始したスライドシリンダ37は、そのストローク量S1が閾値Y1以上になるまで低速伸長動作を継続する(ステップST51:YES、ステップST52:YES、ステップST53:YES、ステップST54)。
ステップST55において、制御部70は、スライドシリンダのストローク量S1がY1≦S1≦Y2であるか否かを判定する。ここで、肯定判定をした場合は、ステップST56へ移り、否定判定をした場合はステップST57に移る。
ステップST56において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ高速伸長状態」とする。具体的には、制御部70は、スライドシリンダ用切換弁49を右位置aとし、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、流量切換弁46によって油圧ポンプ43の吐出側の圧油は、流量が絞られることなく、スライドシリンダ37のボトム側室37aに供給され、スライドシリンダ37(L形アーム34)は高速で伸長する。このスライドシリンダ37の高速伸長動作は、スライドシリンダ37のストローク量S1が閾値Y2より大きくなるまで継続され(ステップST51:YES、ステップST52:YES、ステップST53:NO、ステップST55:YES、ステップST56)、スライドシリンダ37のストローク量S1が閾値Y2より大きくなると、再びステップST53において肯定判定がなされ、スライドシリンダ37(L形アーム34)は低速で伸長する。
その後、制御部70は、スライドシリンダ37のストローク量S1が最大ストローク量Y3になると(ステップST57:YES)、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ停止状態」とする(ステップST58)。具体的には、制御部70は、スライドシリンダ用切換弁49を中立位置cとし、流量切換弁46を中立位置cとする。これにより、油圧ポンプ43からスライドシリンダ37への圧油の供給が停止し、スライドシリンダ37(L形アーム34)が停止する。このとき、L形アーム34を傾動フレーム32に対して固縛する固縛装置は固縛状態となる。以上によりコンテナ2の引き上げ動作が完了する。
以上ステップST51〜ST58の説明では、脱着スイッチ741の引き上げ側が押し続けられた場合を概ね前提として説明したが、脱着スイッチ741から操作者の手が離れて脱着スイッチ741が中立位置に戻った場合は、(ステップST51:NO、ステップST59:YES)、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ停止状態」とする(ステップST58)。
<基準値補正>
つぎに、基準値補正について図10のフローチャートに基づき説明する。この基準値補正は、ストロークセンサ72,73のワイヤー722,732が経時変化等により伸びてしまうことなどが原因で、制御部70が記憶している基準値がL形アーム34が最短収縮状態や着床状態にあるときのストロークセンサ72,73の出力値と一致しなくなった場合にその基準値を、所定の補正実行条件が成立するときに、当該出力値と一致させるように補正するものである。なお、本実施の形態においては、上記補正実行条件は、次の(1)〜(3)の場合に成立する。(1)油圧ポンプ43の吐出側の油圧や既述の近接センサの出力等に基づいて、L形アーム34が着床状態にあると判定されたとき。(2)油圧ポンプ43の吐出側の油圧や既述の近接センサの出力等に基づいて、L形アーム34が最短収縮状態にあると判定されたとき。(3)基準値補正スイッチ744の「ストロークセンサ1補正」または「ストロークセンサ2補正」と表示された側が押されることにより、基準値補正スイッチ744から制御部70に対して、各切換状態を示す信号が入力されたとき。
例えば、制御部70は、L形アーム34の収縮が完了したか(L形アーム34が最短収縮状態にあるか)否かを繰返し判定しており(ステップST61)、L形アーム34の収縮が完了したと判定すると、記憶しているスライドシリンダ用ストロークセンサ73の出力値に係る基準値を、現在のスライドシリンダ用ストロークセンサ73の出力値に置き換えることで当該基準値を補正する(ステップST62)。なお、上記ステップST61における、L形アーム34の収縮が完了したか否かの判定は、前記ステップST6と同様の手法により実行される。
つぎに、制御部70は、L形アーム34が着床状態であることを検出しているか否かを判定し(ステップST63)、L形アーム34が着床状態にあると判定すると、記憶している第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の出力値に係る基準値を現在の第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の出力値に置き換えることで補正する(ステップST64)。なお、ステップST63における、L形アーム34が着床状態の判定は、前記ステップST40と同様の手法により実行される。
上記基準値補正は、脱着動作に伴って実行されるが、基準値補正は、L形アーム34の状態にかかわらず、リモートコントローラ74において強制的に実行することもできるようになっている。
すなわち、図11のフローチャートに示すように、制御部70は、基準値補正スイッチ744の一方の側(「ストロークセンサ2補正」と表示された側)が押されたか否かを繰返し判定しており(ステップST91)、ここで肯定判定すると、ステップST92に移り、否定判定するとステップST93に移る。
ステップST92において、記憶しているスライドシリンダ用ストロークセンサ73の出力値に係る基準値を、現在のスライドシリンダ用ストロークセンサ73の出力値に置き換えることで当該基準値を補正する。
ステップST93において、制御部70は、基準値補正スイッチ744の他方の側(「ストロークセンサ1補正」と表示された側)が押されたか否かを判定する(ステップST93)。ここで肯定判定すると、ステップST94に移り、否定判定すると本ルーチンを抜ける。
ステップST94において、制御部70は、記憶している第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の出力値に係る基準値を現在の第2リフトシリンダ用ストロークセンサ72の出力値に置き換えることで当該基準値を補正する。
<リフトシリンダ高速禁止フラグ>
つぎに、既述のリフトシリンダ高速禁止フラグの設定制御手順について図12のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップST71において、制御部70は、降ろし動作開示時であるか否かの判定をする。具体的には、第2リフトシリンダ36のストローク量S2が既述した所定のストローク量X0’であり、脱着スイッチ741の降ろし側が押されていれば降ろし動作開始時であると判定され、これらの条件が成立していなければ否定判定される。ここで、肯定判定をした場合はステップST72に移り、否定判定をした場合は、ステップST75に移る。
ステップST72において、制御部70は、第1圧力検出スイッチ75の出力信号に基づいて油圧ポンプ43の吐出側の油圧が所定の閾値α以上であるか否かを判定する。ここで、肯定判定をした場合は、コンテナ2の重量が比較的大きいと推定されるため、リフトシリンダ高速禁止フラグをONとして(ステップST73)、比較的L形アーム34の回動トルクが小さくなるリフトシリンダ35,36の高速伸長動作を禁止する。一方、否定判定をした場合は、コンテナ2の重量が比較的小さいと推定されるため、リフトシリンダ高速禁止フラグをOFFとして(ステップST74)、リフトシリンダ35,36の高速伸長動作を許容する。
ステップST75において、制御部70は、引き上げ動作開始時であるか否かを判定する。具体的には、第2リフトシリンダ36のストローク量S2がS2>閾値X4(S2>閾値X5であってもよい。)であり、脱着スイッチ741の引き上げ側が押されていれば動作開始時であると判定される。ここで、肯定判定をした場合はステップST76に移り、否定判定をした場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST76において、制御部70は、第2圧力検出スイッチ76の出力信号に基づいて油圧ポンプ43の吐出側の油圧が所定の閾値β以上であるか否かを判定する。ここで、肯定判定をした場合は、コンテナ2の重量が比較的大きいと推定されるため、リフトシリンダ高速禁止フラグをONとして(ステップST73)、比較的L形アーム34の回動トルクが小さくなるリフトシリンダ35,36の高速収縮動作を禁止する。一方、否定判定をした場合は、コンテナ2の重量が比較的小さいと推定されるため、リフトシリンダ高速禁止フラグをOFFとして(ステップST74)、リフトシリンダ35,36の高速収縮動作を許容する。
−フック部の後方移動−
つぎに、コンテナ2の引き上げ動作開始前に行うL形アーム34のフック部34dの後方移動について図13および図14に基づいて説明する。
L形アーム34を後方へ回動して、図13(a)に示すように、L形アーム34のフック部34dをコンテナ2の係合ピン22に対して僅かに低い位置に配置した後、同図(a)の矢印に示す方向(後方)に、フック部34dを移動させる。
従来は、フック部34dを後方へ移動させるために、コンテナ荷役車両全体を後退させてフック部34dと係合ピン22との前後方向位置を合わせていた。しかし、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、コンテナ荷役車両全体を後退させることなく、移動命令入力手段としてのスライドスイッチ743をスライド伸側に押圧するだけでフック部34dを後方の同じ高さ位置に移動させ、図13(b)に示すように、当該フック部34dと係合ピン22との前後方向位置を合わせることができる。
以下、図14のフローチャートに基づいてフック部34dを後方移動させるための具体的な制御手順を説明する。
まず、リモートコントローラ74(図5参照)において、スライドスイッチ743のスライド伸側を押すと(ステップST81:YES)、制御部70は、スライドシリンダ37のストローク量S1がS1<Y4であるか否かを判定する(ステップST82)。ここで、肯定判定をした場合はステップST83に移り、否定判定をした場合は本ルーチンを抜ける。L形アーム34が伸長し過ぎると当該L形アーム34の曲げ強度が低下してコンテナ2を引き上げることが困難になることが想定されるため、本ステップでは、スライドシリンダ37のストローク量S1が閾値Y4より大きい場合に本ルーチンを抜けて、後述のスライドシリンダ37の伸長動作を禁止している。したがって、上記閾値Y4は、コンテナ2の最大積載量、L形アーム34の曲げ強度等を考慮した設計により定められる。
ステップST83において、制御部70は、スライドシリンダ37のストローク量S1を微小伸長量ΔY(例えば2〜3cm)だけ増加させる。具体的には、制御部70は、現在のスライドシリンダ37のストローク量S1に微小伸長量ΔYを加算して得られるストローク量S1’となるまで、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ低速伸長状態」または「スライドシリンダ高速伸長状態」として、スライドシリンダ37を伸長させる。
ステップST84において、制御部70は、スライドシリンダ37のストローク量S1を微小伸長量ΔYだけ増加させる直前のフック部34dの高さ位置を維持するために必要なリフトシリンダ35,36の微小伸長量ΔXを算出する。このときの微小伸長量ΔXは、後に説明するスライドシリンダ37の微小伸長量ΔYとリフトシリンダ35、36の微小伸長量ΔXとの関係に基づいて算出できる。
ステップST85において、リフトシリンダ35,36のストローク量S2を算出された微小伸長量ΔXだけ増加させる。具体的には、制御部70は、現在の第2リフトシリンダ36のストローク量S2が上記微小伸長量ΔXだけ加算して得られるストローク量S2’となるまで、バルブユニット4内の切換弁の状態を「リフトシリンダ低速伸長状態」または「リフトシリンダ中速伸長状態」として、リフトシリンダ35,36を伸長する。
スライドスイッチ743のスライド伸側を押し続けている間は、上記ステップST81:YES、ステップST82:YES、ステップST83〜ST85の動作が繰り返されることにより、L型アーム34のフック部34dは後方へ(コンテナ2側へ)高さ位置を概ね維持しながら移動し、最終的に、図13(b)に示すように、フック部34dと係合ピン22との前後方向位置が合ったところでスライドスイッチ743から操作者の手が離されることにより、フック部34dの後方移動が停止される。
一方、図13(b)に示すように、フック部34dと係合ピン22との前後方向位置を合わせたものの、当該コンテナ2を車台上に引き上げる必要がなくなった等の事情により、フック部34dを係合ピン22から離脱させることが必要となった場合は、リモートコントローラ74において、スライドスイッチ743のスライド縮側が押される。具体的には、リモートコントローラ74において、スライドスイッチ743のスライド縮側を押すと(ステップST81:NO、ステップST86:YES)、制御部70は、スライドシリンダのストローク量S1がS1>Y0であるか否かを判定する(ステップST87)。ここで、肯定判定された場合はステップST88に移り、否定判定された場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST88において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ低速収縮状態」または「スライドシリンダ高速収縮状態」として、スライドシリンダ37の収縮動作を開始する。
ステップST89において、制御部70は、L形アーム34の収縮が完了したか(つまり、スライドシリンダ37が収縮限界まで収縮したか)否かを判定する。この判定は既述のステップST6と同様にして行うことができる。本ステップで肯定判定をした場合は、ステップST90に移り、否定判定した場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST90において、制御部70は、バルブユニット4内の切換弁の状態を「スライドシリンダ停止状態」として、スライドシリンダ37の収縮動作を停止させる。
つぎに、上記スライドシリンダ37の微小伸長量ΔYとリフトシリンダ35、36の微小伸長量ΔXとの関係について説明する。
図15は、ベースアーム部34aが水平状態(着床状態)にあるときのL形アーム34、リフトシリンダ35,36等を示すスケルトン図である。図15において、P1はL形アーム34の回動中心点(第2車幅方向軸33(図1参照)の軸線)、P2はリフトシリンダ35,36の基端側回動中心点、P3はリフトシリンダ35,36とL形アーム34との連結点を表している。また、同図において、aは回動中心点P1に対するフック部34dの係合中心の高さ、b+S1(S1は、スライドシリンダ37のストローク量)は回動中心点P1からフック部34dの係合中心までの水平方向距離、Lは回動中心点P1からフック部34dの係合中心までの距離、θaは回動中心点P1とフック部34dの係合中心とを結ぶ線分に対する、回動中心点P1からL形アーム34の伸縮方向に延びた線分とのなす角度、e+S2(S2は第2リフトシリンダ36のストローク量)は回動中心点P2と連結点P3とを結ぶ線分の長さ、dは回動中心点P1と連結点P3を結ぶ線分の長さ、cは回動中心点P1と回動中心点P2を結ぶ線分の長さ、θ0Cは回動中心点P1と連結点P3とを結ぶ線分と、回動中心点P1と回動中心点P2とを結ぶ線分とのなす角度を表している。
図16は、第2リフトシリンダ36が所定のストローク量S2(図16においては、可変設定ストローク量X5)にあるときのL形アーム34等の状態を示すスケルトン図である。図16において、WLは回動中心点P1を通過する水平線、θOUTはL形アーム34の着床状態からの回動角度、Hは上記水平線WLに対するフック部34dの係合中心の高さ(以下「キャッチング高さH」という。)、θxは回動中心点P1とフック部34dの係合中心とを結ぶ線分が上記水平線WLに対してなす角度(以下「キャッチング角度θx」という。)をそれぞれ表している。
以下では、スライドシリンダ37(図15、図16において図示せず)およびリフトシリンダ35、36が微小伸長量ΔY、微小伸長量ΔXだけ伸長する直前の上記変数H、L、θa、θOUT、θ0Cをそれぞれ、変数H1、L1、θa1、θOUT1、θ0C1と表し、スライドシリンダ37およびリフトシリンダ35、36が微小伸長量ΔY、微小伸長量ΔXだけ伸長した後の上記変数H、L、θa、θOUT、θ0Cをそれぞれ、変数H2、L2、θa2、θOUT2、θ0C2と表す。
上記のように変数を設定した場合、L1、L2、θa1、θa2、は、次の式1〜式4のように表される。
ここで、キャッチング高さHは、式5の関係を満たすので、上記式1〜4を用いて式6〜式9が成立する。
また、図15に示す、c、d、e+S2、θ0Cは余弦定理より式10、式11の関係を満たす。
さらに、L形アーム34の着床状態からの回動角度θOUTは、次の式12のように表すことができる。但し、θ0C0はL形アーム34が着床状態にあるときの、回動中心点P1と連結点P3とを結ぶ線分と、回動中心点P1と回動中心点P2とを結ぶ線分とのなす角度を表している。
上記の式10、式11を式12に代入すると次の式13、式14が成立する。
そして、式13を式7に代入し、式14を式9に代入し、さらに、各シリンダ36,37の微小伸長前のストローク量S1,S2を代入することで、ΔXとΔYとの関係式が得られる。制御部70は、このΔXとΔYとの関係式と、ステップST83におけるスライドシリンダ37の微小伸長量ΔYとから、ステップST84において、リフトシリンダ35,36の微小伸長量ΔXを算出することができる。
−作用効果−
以上に説明した本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、停止角度調整器77により予め可変設定ストローク量X5を設定しておくことで、L形アーム34を後方回動させる際にフック部34dを地上に置かれたコンテナ2の係合ピン22に対して繰返し同じ高さ位置(最適な高さ位置)に配置することができる。これにより、フック部34dを係合ピン22に係合させる際の作業の効率化が図られる。
また、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、ストロークセンサ72,73の出力値に係る基準値がストロークセンサ72,73のワイヤー722,732の経時変化等により、本来あるべき基準値からずれてしまっても、着脱動作を行う度に自動的に補正されるので、常に最適な基準値を維持することが可能となる。その結果、フック部34dをコンテナ2の係合ピン22に対して常に設定された最適な高さ位置に配置することも可能となる。
また、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、スライドスイッチ743のスライド伸側を押すことで、後方へ回動したL型アーム34のフック部34dを後方へ高さ位置を概ね維持しながら移動させフック部34dと係合ピン22との前後方向位置を合わせることができる。これにより、従来行われていたコンテナ荷役車両全体を後退させる作業が不要となり、フック部34dを係合ピン22に係合させるために要する時間が短縮化され、作業者の手間も低減される。
また、本実施形態に係るコンテナ荷役車両1によれば、L形アーム34の回動位置やL形アーム34の伸縮状態を検出するためのセンサ数を少なくすることができるので、コスト、信頼性が改善される。
−他の実施形態1−
既述の実施形態においては、ストロークセンサ72の出力値から検出される第2リフトシリンダ36のストローク量S2の各閾値X0〜X5を用いて各種の制御を実行したが、上記ストロークセンサ72に代えて、回転角度センサを用いてL形アーム34の回動角度(回動位置)を検出し、既述の各種の制御を実行させるようにしてもよい。上記回転角度センサとしては、周知の可変抵抗式のものやロータリーエンコーダ式のものを用いることができる。
回転角度センサを用いる場合、既述した第2リフトシリンダのストローク量S2の閾値X0〜X5にそれぞれ対応するL形アーム34の回動角度θ0〜θ5を既述の各種の制御における閾値とすればよい。ここで回動角度は、L形アーム34が着床状態にあるときをゼロ(=θ0)とし、L形アーム34が後方へ回動するに従って大きくなるものである。また、図10に基づき説明した基準値補正の制御手順においては、ステップST64において、制御部70が予め記憶している回転角度センサの出力値に係る基準値を現在の回転角度センサの出力値に置き換えることで当該基準値を補正するようにすればよい。また、図11に基づき説明した基準値補正の制御手順においては、ステップST94において、制御部70が予め記憶している回転角度センサの出力値に係る基準値を現在の回転角度センサの出力値に置き換えることで当該基準値を補正するようにすればよい。
また、図14に基づき説明したフック部34dを後方移動させるための制御手順においては、ステップST84において、制御部70がスライドシリンダ37のストローク量S1を微小伸長量ΔYだけ増加させる直前のフック部34dの高さ位置を維持するために必要なL形アーム34の微小回動量ΔθOUTを算出し、ステップST85において、L形アーム34の回動角度θOUTを上記微小回動量ΔθOUTだけ増加させるようにすればよい。
−他の実施形態2−
図14に基づき説明した制御手順においては、移動命令入力手段としてのスライドスイッチ743をスライド伸側に押圧することにより、制御部70がフック部34dを後方の同じ高さ位置に移動させるように、リフトシリンダ35,36およびスライドシリンダ37を作動させたが、移動命令入力手段としてのスライドスイッチ743をスライド縮側に押圧することにより、制御部70がフック部34dを前方の同じ高さ位置に移動させるように、リフトシリンダ35,36およびスライドシリンダ37を作動させるようにしてもよい。