JP5641313B2 - 裏面加飾用積層シート、裏面加飾体及び裏面加飾体の製造方法 - Google Patents
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Description
シート加飾法とは、プラスチックシートに予め印刷された装飾を、成形品に貼付あるいは転写する方法であり、スプレー塗装等と異なり無溶剤で印刷調意匠の装飾を行うことが可能である。またプラスチックシートが熱可塑性であれば、加熱により延展が可能なため、3次元形状の成形体にも良好に貼付あるいは転写できる。この例としては、アクリル樹脂やポリスチレン樹脂、ABS樹脂等を主成分とする熱可塑性基材シートの表面に、架橋硬化型のアクリル樹脂からなる表面保護層が形成されてなるシートの反対面に接着剤層を設けて、真空成形により三次元形状に成形すると同時に樹脂成形体に貼り付けて一体化する真空成形同時加飾法等が知られている(例えば特許文献1参照)。
本発明者らは、該熱収縮性を有する樹脂シートを保持した状態で、且つ、該樹脂シートの同一面内にある複数の部位が異なる表面温度となるように、且つ、複数の部位の少なくとも1つの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように加熱すると、複数の部位のシート挙動が異なる結果各々の部位に膜厚差を生じることを見出した。本発明はこのシートの温度差を利用することで、膜厚差即ち凹凸を故意的に生じさせることに成功した。
赤外線吸収インキは赤外線吸収剤等を含有するインキであり、照射された赤外線を吸収し発熱する。即ち赤外線吸収インキで印刷された樹脂シートに赤外線を照射すると、前記赤外線吸収インキで印刷された部位のみに、赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わる。
一方、赤外線反射インキは赤外線反射物質を含有するインキであり、照射された赤外線を反射する。赤外線反射インキで印刷された樹脂シートに該樹脂シート側(即ち樹脂シートの印刷面とは反対側の面)から赤外線を照射すると、該樹脂シートを通過した赤外線が該赤外線反射インキで反射されることにより、赤外線透過部位と反射部位とが重なる印刷部位のみに、赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わる(これは具体的には、絵柄を設けない部位Bと比較し、部位Aはより効率よくシートへ熱を供給できる結果、と推定している)。
即ち、赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキを印刷した部位のみに、赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わるため、該部位の表面温度を高くすることができ、結果、樹脂シートの、赤外線吸収インキで印刷された部位と印刷されない部位とに温度差を生じさせることができる。
この場合、部位A及び部位Bともに赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わるが、部位Aは部位Bよりインキ濃度が高い結果、より熱が加わる。従って、部位Aのほうが相対的に部位Bよりも表面温度が高くなる。
前記赤外線吸収または反射率の高いインキで絵柄を設けた部位Aと前記赤外線吸収または反射率の低いインキで絵柄を設けた部分Bとが異なる表面温度となるようにする。
この場合、部位A及び部位Bともに赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わるが、部位Aは部位Bよりも赤外線吸収または反射率の高いインキを設けた結果、より熱が加わる。従って、部位Aのほうが相対的に部位Bよりも表面温度が高くなる。
接着層を有しJIS−K7136で測定されるヘイズ値が60%未満である熱収縮性樹脂シート面に(1)〜(3)のいずれかの絵柄を設けてなり、保持した状態で、該熱収縮性樹脂シートの同一面内にある隣り合う部位Aと部位Bとが、前記部位Aと前記部位Bとの表面温度が異なり、且つ、少なくとも部位Aの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように赤外線照射することで、前記部位Aと部位Bとに膜厚差が発現してなる裏面加飾用積層シートを提供する。
(1)赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けており、前記赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けた部位Aと絵柄を設けない部位Bとを有する。
(2)赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けており、前記インキ濃度の高い部位Aと前記インキ濃度の低い部位Bとを有する。
(3)赤外線吸収率または反射率の異なる複数種の赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けており、前記赤外線吸収または反射率の高いインキで絵柄を設けた部位Aと前記赤外線吸収または反射率の低いインキで絵柄を設けた部位Bとを有する。
前記樹脂シートを真空成形法により透明性を有する被着体裏面に貼り付けて一体化する工程(2)とを有する裏面加飾体の製造方法を提供する。
本発明において凹凸の形成は、前述の通り、熱収縮性を有する樹脂シートを保持した状態で、該樹脂シートの同一面内にある隣り合う部位Aと部位Bとが異なる表面温度となることで生じる。本発明においては、相対的に表面温度の高い部位を部位A、相対的に表面温度の低い部位を部位Bと定義する。この時部位Aは相対的に凹部となり部位Bは相対的に凸部となる。
この自己収縮挙動による厚み変化は、樹脂シートをなんら保持しない状態では、起点を持たず全体的に収縮が起こり全体的に厚くなる傾向があるが、樹脂シートをクランプ等で該シート外周の一部のみもしくは外周全部を保持した状態(以下単に「保持した状態」と称する場合がある)では、温度の低いクランプ部分等を起点に収縮が発生する傾向がありこの結果部位Aの薄膜化が発生すると考えられる。従って、部位Aは赤外線照射前、即ち収縮前の樹脂シートの膜厚よりも薄くなる場合が多い。
図1のように前記樹脂シートに赤外線を照射することにより、図2の通り、高濃度の赤外線吸収インキの印刷部4即ち部位Aが最も薄膜化が生じ即ち凹部となり、低濃度の赤外線吸収インキ5が、前記印刷部4よりは厚膜となるが)色インキ印刷部6よりは薄膜となり前記印刷部4からみると凸部となる。さらに色インキ印刷部6が最も厚膜となるために最も高い凸部となる。
前記色インキ印刷部6を使用せずに非印刷部を有する樹脂シートの場合は、高濃度の赤外線吸収インキ印刷部が凹部となり、低濃度の赤外線吸収インキ印刷部が低い凸部、非印刷部が最も高い凸部となる。(図不示)
このように相対的に薄膜化と厚膜化が生じるため、凹凸が生じる。
さらに部位Aと部位Bとのシート表面の高低差は、図2に示す状態即ち真空成形前よりもより生じることが確認されている。これは恐らく真空成形法では樹脂シートが可塑化された状態(即ち加熱した状態)で成形するために、膜厚の薄いA部位も可塑化された状態で圧力をかけて被着体と接触するので、部位Aも被着面に密着し、相対的に膜厚の厚いB部位とのシート表面の高低がより大きく再現されるものと推定される。
柄の例としては、点描や線描(具体的には絵画や文字の輪郭、木目、ストライプ、ヘアライン模様等が挙げられる)で表現された描画や、ドットや幾何学模様、文字やマークそのものを浮き出したい場合にはその模様の面積が小さい物の方がより好ましい。勿論本発明においてはこの限りではなく、模様や文字等、模様状の全ての柄を表現することが可能である。
本発明においては、前記温度の指標として「前記部位Aと前記部位Bとの表面温度」と定義しているが、前述の通り樹脂シートの前記部位Aと前記部位Bの熱挙動は前記部位Aと部位Bとの表面だけではなく内部まで均等に温度がかかった状態で生じるものと推定される。しかしながら内部温度を測定する手段はないために、表面温度で定義した。本発明において表面温度はNEC/Avio社製「サーモトレーサー9100」を使用した。
本発明で使用する熱収縮性を有する樹脂シート(以下樹脂シートSと略す)は、加熱により展延性を示しシート化可能な樹脂であり、更に透明性を有しかつ配向戻り強度変曲点を有する樹脂シートである。更に真空成形時の展延性の容易さから熱可塑性樹脂シートであることが好ましい。
本発明において「透明性を有する」とは、熱収縮シートの凹凸を奥行きとして認識できるヘイズを指標として定義をしている。
本発明におけるヘイズはJIS−K7136に準拠し測定されるものであり、具体的には日本電色工業株式会社製ヘイズメーターNDH2000を使い、試験方法3を選択し印刷前の熱収縮フィルムのヘイズ値を測定した。
本発明においては前記ヘイズ測定法を利用して、ヘイズ値と奥行き感との関係を鋭意検討した結果、前記熱収縮性樹脂シートと接着層との積層部分のヘイズ値が60%未満であれば、凹凸を視認でき且つ奥行き感を認識出来る事を突き止めた。ヘイズ値は40%未満であればより明確な凹凸感が認識可能となり好ましく、5%未満であれば鮮明な奥行き感を持たせる事が出来ることからより好ましい。
本発明においては前記熱収縮応力測定法を利用して、配向戻り強度と加熱温度との関係を示す右上がりグラフの凸となる変曲点の温度Tを求めた。凸となる変曲点が複数ある場合は、最も高い温度域の変曲点の温度を配向戻り強度変曲点温度Tとした。
具体的には、日理工業株式会社製D.N式ストレステスターを用い、電圧調整メモリを6とし、ヒーター温度を5℃刻みで昇温し、各測定温度での配向戻り応力を測定し、収縮応力が発現した後、配向戻り強度と加熱温度との関係を示すグラフの変曲点温度Tを求めた。図20に例を示した。図20は、東洋紡績株式会社製の二軸延伸PETシート「ソフトシャインX1130(膜厚125μm)」(実施例におけるシートS1)を測定したときのグラフである。該グラフの最も高い温度域の凸となる変曲点の温度T188℃を、シートS1の配向戻り強度変曲点温度Tとした。
また、使用される樹脂は、延伸可能な樹脂であれば特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂やポリスチレン樹脂、ナイロンやビニロン等を使用することができる。中でもポリエステル樹脂が延伸後の厚みの均一性が良好な事から好ましい。
前記(1)〜(3)の手段で使用する赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキについて説明する。
赤外線吸収インキとは赤外線吸収剤を含むインキであり、赤外線反射インキは赤外線反射物質を含有するインキであり、いずれもセキュリティインキ等に利用されているインキである。
前述の通り、赤外線吸収インキは照射された赤外線を吸収し発熱する。即ち赤外線吸収インキで印刷された樹脂シートに赤外線を照射すると、前記赤外線吸収インキで印刷された部位のみに、赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わる。一方、赤外線反射インキは赤外線反射物質を含有するインキであり、照射された赤外線を反射する。赤外線反射インキで印刷された樹脂シートに該樹脂シート側(即ち樹脂シートの印刷面とは反対側の面)から赤外線を照射すると、該樹脂シートを通過した赤外線が該赤外線反射インキで反射されることにより、赤外線透過部位と反射部位とが重なる印刷部位のみに、赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わる。即ち、赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキを印刷した部位のみに、赤外線照射で付与される熱量以上の熱量が加わるため、該部位の表面温度を高くすることができ、結果、樹脂シートの、赤外線吸収インキで印刷された部位と印刷されない部位とに温度差を生じさせることができる。
部位Aのみが配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように赤外線照射してもよく、また、部位Aと部位Bの両方が配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように赤外線照射してもよい。この場合、後者のほうがより深い凹凸を得ることができる。
一方、前記インキ濃度は、濃度が高い程部位Aにかかる熱量が大きくなる。従って所望する凹凸の程度により適宜含有量を変えることが好ましい。一方濃度が低すぎると赤外線照射により発生する熱量や赤外線反射量が少なすぎて凹部とならず、濃度が高すぎると発生する熱量や赤外線反射量が大きくなりすぎて、破れや穴あき等の原因となるので、後述の通り成形時の弾性率が0.5MPa以下にならない様に適宜調整をする必要がある。
絵柄は、通常は、前記樹脂シートSを被着体に貼り付けた際に、前記樹脂シートSと被着体との間となるように設けると、樹脂シートSにより絵柄が保護されることや、美観が付与されることから好ましい。一方、前述の通り、凹凸は被着体表面側から被着体を通して視認することから、凹凸が発現する部位Aと部位Bとの境目は、不透明印刷層で覆われていないことが好ましい。従って例えば、不透明ベタ印刷層と前記部位Aを表現する絵柄との組み合わせ意匠の場合は、前記熱収縮性樹脂シートの絵柄を設けた面とは反対側の面に接着層を有することが好ましいことから、絵柄層は樹脂シートSを被着体に貼り付けた際に際裏面に位置することになる。
前記(2)の手段は、具体的には、インキ濃度の異なるインキを使用して部位A及び部位Bを設ける、あるいは、インキは1種であるがそのインキ盛り量を部位Aにより多くするなどの方法により、インキ濃度を調整することが可能である。
また、部位Aは1つである必要はなく、例えば、インキ濃度の異なる3種のインキを使用した場合、濃度の最も低いインキを使用した部位は部位Bとなり凸部となり、濃度の最も高いインキを使用した部位は最も深い凹部である部位A’’となる。またインキ盛り量で調節することも勿論可能である。
前記赤外線吸収インキの吸収率、あるいは赤外線反射インキの反射率は一概には比較できないが、大まかな目安としては、アルミニウムを使用した赤外線反射インキとカーボンブラックを使用した赤外線吸収インキを併用した場合には、アルミニウムを使用したインキが凹部となりカーボンブラックを使用したインキは凸部となる。またカーボンブラックを使用した赤外線吸収インキと酸化チタンを使用した赤外線吸収インキとを併用した場合には、カーボンブラックを使用したインキが凹部となり酸化チタンを使用したインキは凸部となる。
従って、具体的には、部位Aをアルミニウムを含むインキで印刷し、部位Bをカーボンブラックを含むインキで印刷すれば、部位Aは凹部となり部位Bが凸部となる。また、部位Aをカーボンブラックを含むインキで印刷し、部位Bを酸化チタンを含むインキで印刷すれば、部位Aは凹部となり部位Bが凸部となる。このように、熱発生物質は、所望する凹凸意匠と視認性を有する絵柄意匠とを加味して適宜選択することが可能である。
また赤外線吸収インキであって濃度の低いインキと濃度の高いインキとを使用して印刷を行い、且つ非印刷部を設けた場合は、濃度の高いインキの刷り部位が最も深い凹部であり、濃度の低いインキを使用の刷り部位が前記濃度の高いインキの刷りの部位からみると凸部であり非印刷部からみると凹部であり、且つ非印刷部が凸部であるような凹凸を与えることができる。
また、前記樹脂シートSの他に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層を有していても良い。本発明においては、加熱することで配向戻り強度変曲点を有し熱収縮性を示すシートを使用するため、該収縮性を阻害せず、樹脂シートSよりも低温で可塑性を示す樹脂層を加えることが可能である。また樹脂シートSよりも高い温度で可塑性を示す樹脂層であっても、前記部位Aと部位Bとの膜厚差にある程度追従できる柔軟性を備えていれば加えることが可能である。このような観点から、可塑性を示す樹脂層からなる接着剤や粘着剤等の接着層を付与することは、被着体と接着力をより高めることから好ましい。前記接着層は樹脂シートSと被着体とに接着する材質のものを適宜選択することが可能である。
接着層は、前記樹脂シートSの被着体と密着すべき面に設けることが好ましい。本発明は基材の裏面加飾を目的としているため、
樹脂シートS/熱発生物質を含むインキ/接着層
接着層/樹脂シートS/熱発生物質を含むインキ
のどちらでも構わないが、前述の通り、凹凸は被着体表面側から被着体を通して視認することから、凹凸が発現する部位Aと部位Bとの境目は、不透明印刷層で覆われていないことが好ましい。従って例えば、不透明ベタ印刷層と前記部位Aを表現する絵柄との組み合わせ意匠の場合は、前記熱収縮性樹脂シートの絵柄を設けた面とは反対側の面に接着層を有する接着層/樹脂シートS/熱発生物質を含むインキの層構成であることが好ましい。
粘着付与剤の配合量は特に限定されず、全樹脂固形分100質量部に対して100質量部以下、好ましくは50質量部以下とすることが好ましい。
本発明の裏面加飾体の製造方法は、具体的には、
前記(1)〜(3)の手段を施した樹脂シートSを、接着層が透明性を有する被着体裏面と対面するように保持した状態で、
該樹脂シートの同一面内にある隣り合う部位Aと部位Bとが、前記部位Aと前記部位Bとの表面温度が異なり、且つ、少なくとも部位Aの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように、赤外線照射して、前記部位Aと部位Bとに膜厚差を生じさせる工程(1)と、
前記樹脂シートを真空成形法により、透明性を有する被着体裏面に貼り付けて一体化する工程(2)とを有することを特徴とする。
前記工程1において、保持した状態とは、前述の通り、該樹脂シートS外周の一部のみもしくは外周全部を固定した状態、即ち、該シートSの被着体に貼り付ける面は基板等でなんら支持されない状態を指す。具体的には、樹脂シートSの一部分を挟持等で固定する方法や樹脂シートSの全周囲を枠状クランプで挟持させ固定する方法等が挙げられるが、樹脂シートSの張力を適正化(均一化)することができるためシートの全周囲を枠状クランプで挟持させ固定する方法が好ましい。
なおここで固定とは、枠状クランプ等のジグを使用して挟持する方法の他、樹脂シートSの可塑化や収縮を防止することによっても可能である。具体的には、樹脂シートSの被着体に貼り付ける面以外の部分、好ましくはシート外周部位のシート温度をガラス転移温度(以下Tgと称する場合がある)以下に保ち可塑化を防ぐことによっても、固定が可能である。
前記樹脂シートSを保持した状態で、少なくとも部位Aの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように赤外線照射することで、前記部位Aと前記部位Bとが異なる表面温度となって加温され、結果、前記部位Aと部位Bとに膜厚差が生じる。
このとき照射する赤外線は、赤色から近赤外、赤外レーザー光の波長域であれば特に限定はなく使用できる。赤外線照射量の上限は、特に制限はないが、あまり高い熱量がかかると樹脂シートSの剛性が落ち、可塑化が進み破れ発生等、成形に支障をきたすおそれがあるため、使用する樹脂シートSの最も高い部分の温度が、JIS K7244−1法で求められる動的粘弾性測定の貯蔵弾性率(E’)の値として0.5MPa以上となる様にすることが好ましく、より好ましくは1MPa以上となるように照射量を設定することが好ましい。
多くの場合、真空成形法、圧空真空成形法等に用いる既存の熱成形機には、加熱手段として赤外線照射装置が設置あるいは外付けできるようになっているので、これを利用することが好ましい。赤外線照射装置は熱発生物質のみが吸収可能な波長を照射する必要があるため、中赤外から近赤外の領域に強い波長ピークをもつハロゲンヒーター、短波長ヒーター、カーボンヒーター、中赤外線ヒーター等を使用することが好ましい。これら赤外線照射装置のメイン波長のピークは1.0〜3.5μm内にあることが好ましく、効率よい膜厚さを生じさせることが出来、吸熱性物質とその他の部分の温度差が付きすぎず効率の良い生産が可能な事から1.5〜3.0μmの範囲が更に好ましい。
赤外線照射の最低量は、樹脂シートSの少なくとも部位Aの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように設定する。一方、部位Aの温度は、あまり高い温度となると部位Aの可塑化が進み穴あき等の不良が発生するおそれがあることから、部位Aの動的粘弾性測定で測定されるE’が0.5MPa以上とするように、赤外線照射の最高量を設定することが好ましく、より好ましくは1.0MPa以下である。
本発明で使用する透明性を有する被着体は、裏面に貼付された凹凸を有する裏面用加飾シートが視認できる必要があることから、透明であることが好ましい。なお本発明において「透明性を有する」とは、後述の装飾層(B)が透けてみえるぐらいの透明度を有していればよく、半透明のものも含む。具体的には、深み感に加え奥行き感を感じることが出来るヘイズ(曇価)値60%未満が好ましく、充分な奥行き感を感じることが出来る事からヘイズ値40%未満がより好ましく、更に好ましくは非常に鮮明且つ明瞭に裏面加飾シートの奥行き感を認識することが出来る事からヘイズが5%未満であることが好ましい。ヘイズ(曇価)は、JIS K−7136により測定する。具体的には、透明性を有する樹脂やガラス等の無機物からなる被着体が好ましい。
また、これらの熱可塑性樹脂には透明性が阻害されない範囲で慣用の添加剤を添加してもよく、例えば、可塑剤、耐候性添加剤(紫外線吸収剤、光安定剤等)、酸化防止剤、オゾン化防止剤、活性剤、帯電防止剤、滑剤、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、防カビ剤、抗菌剤、分散剤、難燃剤及び加流促進剤や加流促進助剤等の添加剤を添加してもよい。これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
ガラスとしては、例えばソーダ石灰ガラス、カリガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等を使用できる。
樹脂シートSとしては、以下の6つのシートを使用した。
シートS0:東洋紡績株式会社製の二軸延伸PETシート「ソフトシャインX1130」(膜厚188μm)
シートS1:東洋紡績株式会社製の二軸延伸PETシート「ソフトシャインX1130」(膜厚125μm)
シートS3:二軸延伸ポリスチレンシート(膜厚250μm)「DIC社製ポリスチレンCR−4500を押出機用いて210℃にて押出後、Tダイから無延伸原反を成膜した。その後、130℃の温度条件で延伸加工を行いMD方向0.4Mpa、TD方向0.5Mpaの熱収縮応力を持つ膜厚250μmの延伸シートとした」
シートS4:住友化学社製の一軸延伸シート「テクノロイS001」(膜厚125μm)
シートS5:ポリテック社製の未延伸シート「A−PET PT700M」(膜厚250μm)
シートS6〜10:二軸延伸アクリルシート(膜厚200μm)
熱収縮性樹脂シート(S6〜S10)を形成する樹脂成分として、三菱レイヨン社製ポリメチルメタクリレート(商品名「IRS704」50%と「MD」50%のブレンド組成物)を用いた。また、DIC社製白色マスターバッチ「PMMA WHITE T−7140」を添加しシートのヘイズ値調整を行った。上記3種の原料樹脂を押出機を用いて260℃にて押出後、Tダイから無延伸原反を成膜した。その後、130℃の温度条件で延伸加工を行いMD方向0.3Mpa、TD方向0.3Mpaの熱収縮応力を持つ膜厚250μmの延伸シートとした。
接着層は、DIC株式会社製の両面テープ「DAITAC ZB7011W」(膜厚25μmの粘着剤の両側が剥離性PETフィルムで覆われており、使用時に剥離性PETフィルムを剥がして使用する)を使用した。
前記樹脂シートSと接着層との積層部分のヘイズは、日本電色工業株式会社製ヘイズメーターNDH2000を使い、JIS−K7136試験方法3を選択して測定した。各々のヘイズ値は、以下の通りである。
シートS0のヘイズ値: 1.2
シートS1のヘイズ値: 1.1
シートS3のヘイズ値: 1.0
シートS4のヘイズ値: 0.5
シートS5のヘイズ値: 0.9
シートS6のヘイズ値: 1.5
シートS7のヘイズ値: 15
シートS8のヘイズ値: 35
シートS9のヘイズ値: 48
シートS10のヘイズ値: 66
前記樹脂シートSの配向戻り強度変曲点温度Tは、以下のように行った。
日理工業株式会社製D.N式ストレステスターを用い、電圧調整メモリを6とし、ヒーター温度を5℃刻みで昇温し、各測定温度での配向戻り応力を測定し、配向戻り強度変曲点温度Tを読み取った。
結果、
シートS0の配向戻り強度変曲点温度T: 188℃
シートS1の配向戻り強度変曲点温度T: 188℃
シートS3の配向戻り強度変曲点温度T: 109℃
シートS4の配向戻り強度変曲点温度T: 110℃
シートS5の配向戻り強度変曲点温度T: 無し
シートS6〜10の配向戻り強度変曲点温度T:107℃
である。
赤外線吸収インキ、赤外線反射インキ及び色インキは各々以下のインキを使用した。
インキP1:三菱鉛筆社製「ペイントマーカー」黒色 赤外線吸収インキとして使用。
インキP2:三菱鉛筆社製「ペイントマーカー」銀色 赤外線反射インキとして使用。
インキP3:三菱鉛筆社製「ペイントマーカー」青色 色インキとして使用。
インキG1:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」黒色 カーボンブラックを全固形分に対し40質量%含み赤外線吸収インキとして使用。
インキG2:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」銀色 アルミペーストを全固形分に対し13質量%含み赤外線反射インキとして使用。
インキG3:DICグラフィック社製グラビア印刷用インキ「NH−NT(A)」白色 酸化チタンを全固形分に対し50質量%含み赤外線吸収インキとして使用。
インキG4:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」黒色を希釈用XS−756メジュームインキにてカーボンブラックを全固形分に対し18質量%となるようにしたインキ。赤外線吸収インキとして使用。
インキGH1:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」赤色 色インキとして使用。
インキGH2:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」青色 色インキとして使用。
インキGH3:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」黄色 色インキとして使用。
インキGH4:DIC社製グラビア印刷用インキ「XS−756」パール色 色インキとして使用。
なお、前記インキG1とインキG2では、G2のほうが表面温度が高くなる。
前記樹脂シートSに、前記インキG1〜G4、GH1〜GH4を使用して、グラビア4色印刷機にて厚さ3μmの絵柄を印刷した。
また、前記樹脂シートSに、前記インキP1〜P3を使用して、手書きにて直線を描いた。
前記樹脂シートSのいずれかを使用し、流れ方向(MD)及びクロス方向(CD)に、前記インキP1〜P3を使用して幅2mmの直線を描いた。これを後述の布施真空株式会社製「NGF−0709成形機」を使用し、真空下、シート周囲を完全にクランプで固定した状態で、ヒーターとしてヘリウス社製中赤外線ヒーターを使用し前記樹脂シートSを前記直線を描いた面とは反対側から間接加熱した。
キーエンス社製FT−H30放射温度計にて、樹脂シートSの表面温度がヒーター設定温度まで上昇したことを確認した後、常温まで冷却しクランプをはずして試料とした。
インキが描かれている部位Aとインキが描かれていない部位Bの表面温度は、NEC/Avio社製サーモトレーサーTH9100を使用して、前記部位Aが、使用する樹脂シートSの配向戻り強度変曲点温度Tとなった時の、前記部位Aと前記部位Bの温度差/℃と、
使用する樹脂シートSの表面温度がヒーター設定温度まで上昇した時(該温度は、通常、熱成形が可能となったことを判断する温度である)の、前記部位Aと前記部位Bの温度を測定した。
また、前記部位Aと前記部位Bの膜厚の測定は、アンリツ社製K351C、高低差測定は東京精密社製サーフコムver1.71表面粗さ系を使用し、前記部位Aと前記部位Bとの最大膜厚差を測定した。
以下、前記樹脂シートSとインキP1〜P2の組み合わせを表1に従い適宜変更した結果を表1−1、表1−2及び表2に示す。
比較参考例1は、シートの配向戻り強度変曲点温度よりも部位Aの温度が低い例であるが、凹凸を発現させることができなかった。
また、比較参考例2は、シートS4全面に膜厚500μmのガラス板を貼り付けたものを使用している。これは、シートの配向戻り強度変曲点温度よりも部位Aの温度が高いにも関わらず、凹凸を発現させることができなかった。
また比較参考例3は、色インキを使用したものであるが、部位Aが配向度戻り開始点温度以上になったにもかかわらず凹凸を発現させることができなかった。
また、比較参考例4は、熱収縮性を示さない(配向戻り強度変曲点温度がない)シートS5を使用した例である。ヒーターの設定温度はS5の熱軟化点を超える温度であり、成形は問題なくできる温度であるが、凹凸を発現させることができなかった。
以下に、裏面加飾体の製造方法を示す。なお真空成形同時加飾法、得られた裏面加飾体の奥行き感、深み感評価は以下のように行った。
布施真空株式会社製「NGF−0709成形機」を使用し、熱成形を行った。
グラビア4色印刷機にて厚さ3μmの絵柄を印刷した樹脂シートSの周囲を完全にクランプで固定した後、成形機の上下ボックスを閉じ、ボックス内をほぼ完全真空状態にした後、ヒーターとしてヘリウス社製中赤外線ヒーターを使用し前記樹脂シートSを上面より間接加熱し、前記樹脂シートSの表面温度が設定温度まで上昇した後に、被着体を乗せたテーブルを上昇させ、上ボックス中に0.2MPaの圧空を吹き込み、前記樹脂シートSを被着体裏面に貼り付けて一体成形させた。
真空成形時における樹脂シートSの表面温度分布測定は真空状態で出来ないため、成形機下ボックスに開口を空け、NEC/Avio社製サーモトレーサーTH9100を用いて表面温度分布測定を行った。ヒーターは成形前に昇温を開始するシステムとなっているが、ヒーターの最終温度は約900〜930℃であった。
また、樹脂シートSの表面温度が設定温度に達したかどうかの測定は、キーエンス社製FT−H30放射温度計により行った。
なお、ヒーターと樹脂シートSとの距離は250mm程度、被着体は各実施例及び比較例に示す厚み、素材の平板を使用した。
裏面加飾成形を行った後、被着体表面側から視認観察を行い、奥行き感を以下の基準で評価した。5人中3人以上が評価した結果を採用した。
◎:非常に鮮明且つ明瞭に奥行き感を認識することが出来る。
○:一目で奥行き感を認識することが出来る。
△:様々な角度を変えて観察することで奥行き感を認識することが出来る。
×:奥行き感が感じられない。
裏面加飾成形を行った後、被着体表面側から視認観察を行い、深み感を以下の基準で評価した。5人中3人以上が評価した結果を採用した。
◎:非常に良好な深み感を認識することが出来る。
○:充分な深み感を認識することが出来る。
△:僅かだが深み感を認識することが出来る。
×:深み感が感じられない。
樹脂シートSとしてシートS1を使用した。インキG1〜G4、GH1〜GH4のいずれかを使用してグラビア印刷にて所定の絵柄印刷を行った。実施例1〜5は印刷面とは反対の面に接着層をラミネート、実施例6は印刷層面に接着層をラミネートした。(絵柄印刷版は、実施例1:図8、図9参照、実施例2:図10、図11参照、実施例3:図12、図13参照、実施例4:図14、図15参照、実施例5:図16、図17参照、実施例6:図18、図19参照)
絵柄印刷済みのシートS1を使用し、前記真空成形同時貼り付け方法により厚み0.05〜2mmの透明なアクリル平板と前記シートに設けた接着層面とが対面するように保持した状態で、シートに赤外線を照射した後該シートを透明なアクリル平板に貼り付けて一体化させ、裏面加飾体を得た。得られた裏面加飾体の凹凸差の最大値測定を参考例と同様の方法で行うと共に奥行き感評価を行った。結果を表3−1及び3−2に示す。
また、インキG2を2版使用して印刷した実施例2(これは前記インキ濃度の高い部位Aと前記インキ濃度の低い部位Bとを有する例であり、各々の版の重なり部分が部位Aに相当し、1版で刷られた部分が部位Bに相当する)、は、各々の版の重なり部分である部位Aに凹が生じた。
またシートS1にインキG1,GH1、GH2、GH4の4版で印刷した実施例3(これは前記赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けた部位Aと絵柄を設けない部位Bとを有する例である)は、インキG1の印刷部のみが凹となった。
尚、日本分光社製FTIR−4200を用いATR法で測定した中赤外波長に相当する4000cm−1の赤外線吸収量(ABS)は、インキG1が8.6、インキG4は4.9であった。
シートS1にインキG1及びインキGH2を使用してグラビア印刷にて、図8に示す絵柄印刷を行い、印刷面とは反対の面に接着層をラミネートした。得られたシートS1を、展開倍率を変えて前記真空成形同時貼り付け方法により厚み1mmの透明なガラス平板へ接着層面が接するように加飾成形を行った。得られた裏面加飾体の、凹凸差の最大値を測定した。結果を表4に示す。何れも、明瞭な凹凸を有し、良好な奥行き感、深み感を有する裏面加飾体を得た。
尚、展開倍率は、メス型箱形状の金型の中に被着体を設置し、その深さを変えることで、展開倍率が100%(未延伸)、160%、290%となるようにした。
ヘイズ値の異なる樹脂シートS6〜S9にインキG1またはインキGH2を使用してグラビア版を用いて図8に示す絵柄印刷を行い、印刷面とは反対の面に接着層をラミネートした。得られたシートS6〜S9を、厚み2mmの透明なアクリル平板へ接着層面が接するように前記真空成形同時貼り付け方法により加飾成形を行った。結果を表5−1、表5−2に示す。
実施例1において、加熱源として所定の温度に加熱保温しているタバイ社製ギアオーブンGPHH−100に5分間投入した以外は実施例1と同様にして裏面加飾体を得た。その結果、膜厚差は生じず、凹凸を有する裏面加飾体は得られなかった。
ヘイズ値66%の樹脂シートS10にインキG1及びインキGH2を使用してグラビア版を用いて図8に示す絵柄印刷を行った。印刷面とは反対の面に接着層をラミネートした。得られたシートS6を、厚み2mmの透明なアクリル平板へ接着層面が接するように前記真空成形同時貼り付け方法により加飾成形を行った。結果を表6に示す。
その結果、シートのヘイズ値が60%以下の比較例6は深み感を感じることが出来たが、奥行き感が全く感じられなかった。
2:赤外線
3:熱収縮性を有する樹脂シート
4:高濃度の赤外線吸収インキ印刷部
5:低濃度の赤外線吸収インキ印刷部
6:(赤外線を吸収しない)色インキ印刷部
7:被着体
8:インキG1またはG3
9:インキG2
10:インキGH1
11:インキGH2
12:インキGH3
13:インキGH4
14:インキG4
15:粘接着層
16:視認側を示す目
Claims (4)
- 透明性を有する被着体裏面に貼付し該被着体表面側から視認可能な凹凸を有する裏面加飾用積層シートであって、
接着層を有しJIS−K7136で測定されるヘイズ値が60%未満である熱収縮性樹脂シート面に(1)〜(3)のいずれかの絵柄を設けてなり、保持した状態で、該熱収縮性樹脂シートの同一面内にある隣り合う部位Aと部位Bとが、前記部位Aと前記部位Bとの表面温度が異なり、且つ、少なくとも部位Aの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように赤外線照射することで、前記部位Aと部位Bとに膜厚差が発現してなることを特徴とする、裏面加飾用積層シート。
(1)赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けており、前記赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けた部位Aと絵柄を設けない部位Bとを有する。
(2)赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けており、前記インキ濃度の高い部位Aと前記インキ濃度の低い部位Bとを有する。
(3)赤外線吸収率または反射率の異なる複数種の赤外線吸収インキ又は赤外線反射インキで絵柄を設けており、前記赤外線吸収または反射率の高いインキで絵柄を設けた部位Aと前記赤外線吸収または反射率の低いインキで絵柄を設けた部位Bとを有する。 - 前記熱収縮性樹脂シートの絵柄を設けた面とは反対側の面に接着層を有する請求項1に記載の裏面加飾用積層シート。
- 透明性を有する被着体裏面に、請求項1又は2に記載の裏面加飾用積層シートが真空成形により貼付されたことを特徴とする裏面加飾体。
- 請求項1又は2に記載の裏面加飾用積層シートを、前記接着層が透明性を有する被着体裏面と対面するように保持した状態で、
該樹脂シートの同一面内にある隣り合う部位Aと部位Bとが、前記部位Aと前記部位Bとの表面温度が異なり、且つ、少なくとも部位Aの表面温度が前記樹脂シートの配向戻り強度変曲点温度T以上の表面温度となるように、赤外線照射して、前記部位Aと部位Bとに膜厚差を生じさせる工程(1)と、
前記樹脂シートを真空成形法により透明性を有する被着体裏面に貼り付けて一体化する工程(2)とを有することを特徴とする、裏面加飾体の製造方法。
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