本発明の第1実施形態の遊技機を示すパチスロについて、図1〜図17を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。この演出実行手段は、後述する副制御回路が担う。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、第1の実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置10と、フロントパネル11とを備えている。
液晶表示装置10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置10は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4L,4C,4Rが形成された表示部10aを備える。本実施形態では、表示部10aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
表示窓4L,4C,4Rは、例えばアクリル板等の透明な部材で塞がれている。この表示窓4L,4C,4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリール3L,3C,3Rの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリール3L,3C,3Rより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L,4C,4Rを介して、表示窓4L,4C,4Rの背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L,4C,4Rの枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。
本実施形態では、表示窓4L,4C,4Rにおけるそれぞれの所定領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ラインとして定義する。入賞判定ラインとしては、例えば、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶライン(センターライン)を挙げることができる。
フロントパネル11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置10を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル11は、液晶表示装置10の表示部側に重畳して配置され、液晶表示装置10の表示部10aを露出させる開口11aを有する枠状に形成されている。
フロントパネル11には、LED(Light Emitting Diode)群12が設けられている。LED群12は、複数のLED等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
ドア本体9の中央には、台座部21が形成されている。この台座部21には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口23、MAXベットボタン24、1BETボタン25、スタートレバー26、ストップボタン27L,27C,27R)が設けられている。
メダル投入口23は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口23から受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン24及び1BETボタン25は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、台座部21には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー26は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン27L,27C,27Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン27L,27C,27Rを、それぞれ左ストップボタン27L、中ストップボタン27C、右ストップボタン27Rという。
また、台座部21には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器28が設けられている。この7セグ表示器28は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口31、メダル受皿32、スピーカ33L,33R等が設けられている。メダル払出口31は、後述のメダル払出装置43の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿32は、メダル払出口31から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ33L,33Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。
キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、主制御回路91を構成する主制御基板41が設けられている。主制御回路91は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路91の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられている。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応するステッピングモータに接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43(以下、ホッパー装置43という)が設けられている。キャビネット2a内における、ホッパー装置43の左側方(キャビネット2a内部を正面から見て左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置44が設けられている。
また、キャビネット2a内における、ホッパー装置43の右側方(キャビネット2a内部を正面から見て右側)には、メダル補助収納庫45が設けられている。このメダル補助収納庫45は、ホッパー装置43から溢れ出たメダルを収納する。メダル補助収納庫45は、キャビネット2aの底面に係合されており、キャビネット2aに対して着脱可能に構成されている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)における上部には、後述の副制御回路101(図9参照)を構成する副制御基板42が設けられている。副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路101の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ46が設けられている。セレクタ46は、メダル投入口23を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー装置43に案内する。また、図3には示さないが、セレクタ46内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ46S(図7参照)が設けられている。
[表示装置及びタッチセンサモジュール]
次に、液晶表示装置10の構成について、図4を参照しながら説明する。
図4は、液晶表示装置10の平面図である。
図4に示すように、液晶表示装置10は、表示部10aと、表示部10aを囲う枠部10bとを有している。表示部10aは、横長の長方形に形成されており、上述した表示窓4L,4C,4Rを有している。枠部10bは、表示部10aの4辺を囲う長方形の枠状に形成されている。
表示部10aにおける表示窓4Rの側方(表示窓4Cと反対側の側方)には、タッチセンサモジュール15が配置されている。すなわち、タッチセンサモジュール15は、表示部10aの右下の角部に配置されている。
図5は、タッチセンサモジュール15の平面図である。
図5に示すように、タッチセンサモジュール15は、表面型静電容量方式のタッチセンサであり、センサ部16と、フレキシブルプリント基板17と、タッチセンサIC(Integrated Circuit)18とを備えている。
センサ部16は、長方形の板状に形成されている。このセンサ部16は、長方形の透明基板19と、透明基板19の一方の表面19aに設けられた電極パターン20a,20b,20c及び透明導電膜と、保護カバー(不図示)を有している。透明基板19の材料としては、例えば、ガラスを挙げることができる。保護カバーは、透明の材料から形成されており、透明導電膜及び電極パターン20a,20b,20cを覆っている。
電極パターン20a,20b,20cは、透明基板19の外縁部に配置されており、透明導電膜は、電極パターン20a,20b,20cに囲まれる領域に成膜されている。そして、電極パターン20a,20b,20cは、透明導電膜に電気的に接続されている。
電極パターン20aは、I字状に形成されており、透明基板19の一方の長辺に沿って延びている。電極パターン20bは、L字状に形成されており、透明基板19の一方の短辺と一方の長辺に沿って延びている。また、電極パターン20cは、L字状に形成されており、透明基板19の他方の短辺と一方の長辺に沿って延びている。透明基板19の他方の長辺には、電極パターンが形成されていない。すなわち、センサ部16の一辺(他方の長辺)には、電極パターンが形成されていない。
フレキシブルプリント基板17は、透明基板19の一方の長辺に接続されており、コネクタ17aを有している。このコネクタ17aは、タッチセンサ中継基板73(図7参照)に接続される。フレキシブルプリント基板17には、電極パターン20a,20b,20cが電気的に接続されている。タッチセンサIC18は、フレキシブルプリント基板17に実装されている。
センサ部16における透明基板19の表面19aには、一様な電界が発生しており、指が透明基板19の表面19a(保護カバー)に触れると、表面19a上における電界の状態が変化する。これにより、電極パターン20a,20b,20cに微弱な電流が発生し、その電流値がタッチセンサIC18へ出力される。タッチセンサIC18は、電極パターン20a,20b,20cの電流値に基づいて指が触れた位置を検出する。
図4に示すように、タッチセンサモジュール15の電極パターン20b,20cにおける透明基板19の一方の長辺に沿う部分と電極パターン20aは、枠部10bの右側片に対向する。また、電極パターン20bにおける透明基板19の一方の短辺に沿う部分は、枠部10bの下側片に対向する。
図6は、フロントドア2bを正面からみた説明図である。
図6に示すように、液晶表示装置10の表示部10aは、フロントパネル11の開口11aから露出している。そして、タッチセンサモジュール15は、表示部10aにおける表示窓4Rの側方に配置されている。これにより、表示部10aにおける表示窓4Rの側方には、タッチセンサモジュール15を用いたタッチ入力部15aが形成されている。
タッチセンサモジュール15のセンサ部16(図4参照)における一方の長辺及び一方の短辺に設けた電極パターン20a,20bは、枠部10bに対向しており、フロントパネル11に覆われている。また、タッチセンサモジュール15におけるセンサ部16の他方の長辺には、電極パターンが形成されていない。
これにより、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との境界の少なくとも一部(2点鎖線で示す)にタッチセンサモジュール15の電極パターンが表れないようにすることができる。その結果、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との境界の少なくとも一部を遊技者が視認できないようにすることができる。
その結果、表示部10aが区画された印象を遊技者に感じさせないようにすることができる。また、表示部10aが実際の大きさよりも小さく見えないようにすることができる。さらに、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との境界を横切る映像の一部が見えなくなるようなことが無く、表示部10aに表示する映像に違和感が生じないようにすることができる。
表示部10aには、タッチセンサモジュール15の電極パターン20cのみが重なっている。そのため、電極パターン20cは、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との境界となる。この境界を無くすには、例えば、タッチセンサモジュール15のセンサ部16(図5参照)を縦方向に長くして、電極パターン20cをフロントパネル11に覆われる位置に設ければよい。この場合は、タッチ入力部が設けられた領域が、本実施形態よりも大きくなる。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図7を参照して説明する。
図7は、パチスロ1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ1は、キャビネット2aに配設された主制御基板41と、フロントドア2bに配設された副制御基板42を有している。
主制御基板41には、リール中継端子板51と、設定用鍵型スイッチ52と、キャビネット側中継基板53と、ドア中継端子板54と、電源装置44の電源基板44bが電気的に接続されている。
リール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板41からステッピングモータに出力される信号を中継する。設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ1の設定を変更する際又はパチスロ1の設定を確認する際に使用する。
キャビネット側中継基板53には、外部集中端子板56と、ホッパー装置43と、メダル補助収納庫スイッチ57が電気的に接続されている。このキャビネット側中継基板53は、主制御基板41から外部集中端子板56、ホッパー装置43、メダル補助収納庫スイッチ57に出力される信号を中継する。つまり、外部集中端子板56、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57は、キャビネット側中継基板53を介して主制御基板41に接続されている。
外部集中端子板56は、キャビネット2aに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。なお、ホッパー装置43については、上述したため、説明を省略する。
メダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫45を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫45がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置44の電源基板44bには、電源スイッチ44aが接続されている。この電源スイッチ44aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
ドア中継端子板54には、メダルセンサ46S、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板67が接続されている。つまり、メダルセンサ46S、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板67は、ドア中継端子板54を介して主制御基板41に接続されている。
メダルセンサ46Sは、メダルが前述のセレクタ46内を通過したことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。ドア開閉監視スイッチ61は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号をパチスロ1の外部へ出力する。BETスイッチ62は、MAXベットボタン24及び1BETボタン25(図2参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
精算スイッチ63は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。スタートスイッチ64は、スタートレバー26が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
ストップスイッチ基板65は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板65には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン27L,27C,27Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板66は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器28に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板66には、7セグ表示器28とLED69が接続されている。LED69は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副中継基板67は、副制御基板42と主制御基板41とを接続する配線を中継する。また、副中継基板67は、副制御基板42と副制御基板42の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継する。すなわち、副中継基板67には、副制御基板42と、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、タッチセンサ中継基板73と、24hドア開閉監視ユニット74が電気的に接続されている。
副制御基板42は、ドア中継端子板54と副中継基板67を介して主制御基板41に接続されている。また、副制御基板42は、副中継基板67を介して、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、タッチセンサ中継基板73と、24hドア開閉監視ユニット74に電気的に接続されている。
サウンドI/O基板71は、スピーカ33L,33Rへの音声の出力を行う。LED基板72は、副制御回路101(図8参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED群12(図2参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。
タッチセンサ中継基板73は、タッチセンサモジュール15から出力された入力情報を副制御回路101に送信する。このタッチセンサ中継基板73の回路構成については、後で図10を参照して説明する。
24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bを開放したときに、液晶表示装置10にエラー表示を行うための信号を副制御基板42(副制御回路101)に出力する。
副制御基板42には、ロムカートリッジ基板76と、液晶中継基板77が接続されている。ロムカートリッジ基板76は、演出用の画像(映像)、音声、光(LED群12)及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板77は、副制御基板42と液晶表示装置10とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板41により構成される主制御回路91について、図8を参照して説明する。
図8は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板41上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施の形態では、基本的に滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン27Lが押されたときに表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板42により構成される副制御回路101について、図9を参照して説明する。
図9は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板76に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板76は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群12等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ33L,33Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置10に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ33L,33Rにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群12の点灯及び消灯を制御する。
<タッチセンサ中継回路>
次に、タッチセンサ中継基板73により構成されるタッチセンサ中継回路151について、図10を参照して説明する。なお、タッチセンサ中継基板73は、本発明に係る第2演出装置用基板の一具体例を示す。
図10は、タッチセンサ中継回路151の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、タッチセンサ中継回路151は、副中継基板67及びタッチセンサモジュール15と電気的に接続されている。タッチセンサ中継回路151は、タッチセンサモジュール15から供給される操作XY座標データに基づいて、操作コマンド及びXY座標データを決定し、副中継基板67を介して副制御回路101に送信する。
タッチセンサ中継回路151は、基本的に、タッチセンサ用CPU152、コネクタ153,154、レギュレータ155,156、サブ制御受信バッファ157及びサブ制御送信バッファ158を含んで構成されている。
タッチセンサ用CPU152には、コネクタ154、レギュレータ155、サブ制御受信バッファ157及びサブ制御送信バッファ158が接続されている。サブ制御受信バッファ157は、コネクタ153及びレギュレータ155に接続されており、サブ制御送信バッファ158は、コネクタ153及びレギュレータ156に接続されている。
コネクタ153は、副中継基板67に実装されたコネクタ131と電気的に接続されている。また、コネクタ154は、タッチセンサモジュール15の前述したコネクタ17aに電気的に接続されている。
なお、副中継基板67は、本発明に係る演出用制御基板の一具体例を示し、コネクタ131は、本発明に係る制御側コネクタの一具体例を示す。そして、タッチセンサ中継基板73に実装されたコネクタ153は、本発明に係る第2演出装置側コネクタの一具体例を示す。
レギュレータ155は、コネクタ153を介して供給されたDC(direct current)12Vの電源をDC3.3Vの電源に制御して、タッチセンサ用CPU152、コネクタ154及びサブ制御受信バッファ157に出力する。また、レギュレータ156は、コネクタ153を介して供給されたDC12Vの電源をDC5Vの電源に制御して、サブ制御送信バッファ158に出力する。
サブ制御受信バッファ157は、副制御回路101から送信されてコネクタ153が受信した受信データ(RXD)を一時的に格納する。そして、格納した受信データをタッチセンサ用CPU152に送信する。
タッチセンサ用CPU152は、コネクタ154を介してタッチセンサモジュール15から供給されたタッチ入力情報に基づいて、タッチセンサモジュール15のタッチ入力部15a(図6参照)に対する操作の種類等を表す各種操作コマンドを決定する。また、タッチセンサモジュール15から供給された操作XY座標データに基づいて、XY座標データを決定する。
サブ制御送信バッファ158は、タッチセンサ用CPU152から出力された各種操作コマンドとXY座標データを格納する。そして、各種操作コマンドとXY座標データを送信データ(TXD)として、コネクタ153を介して副制御回路101に送信する。
本実施形態では、タッチセンサ中継回路がタッチセンサモジュールから出力されたタッチ入力情報に基づいて操作種別とXY座標を決定するため、副制御回路101により行うタッチセンサモジュール15に係る処理を削減することができる。その結果、タッチセンサモジュール15を搭載する場合における副制御回路101の負担を軽減することができる。
<タッチセンサ中継回路の動作説明>
次に、タッチセンサ中継回路151のタッチセンサ用CPU152により実行されるプログラムの内容について、図11〜図15を参照して説明する。
[タッチセンサ中継メインタスク]
まず、図11を参照して、電源投入時にタッチセンサ用CPU152により実行されるタッチセンサ中継メインタスクについて説明する。
パチスロ1に電源が投入されると、タッチセンサ用CPU152は、初期設定処理を行う(S1)。この初期設定処理では、タッチセンサ中継回路に設けられた不図示のタイマー、シリアルポート等を設定する。また、不図示の作業RAMの初期化や、タッチセンサモジュール15の解像度などの初期設定を行う。
次に、タッチセンサ用CPU152は、10msec周期設定を行う(S2)。この10msec周期設定では、その後のS3の処理からS11の処理を行う周期を10msecに設定する。
次に、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御受信処理を行う(S3)。このサブ制御受信処理では、副制御回路101から供給された受信データの送信先を判別する。次に、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサモジュール入力処理を行う(S4)。このタッチセンサモジュール入力処理では、タッチセンサ用CPU152が各種操作コマンドとXY座標データを決定し、サブ制御送信バッファ158に格納(セット)する。
続いて、タッチセンサ用CPU152は、他サブデバイス受信処理を行う(S5)。この他サブデバイス受信処理は、タッチセンサ中継基板73にタッチセンサモジュール15以外のデバイス(以下、「他のサブデバイス」とする)が接続されている場合に行われる処理である。この処理において、他のサブデバイスから送信されたデータの送信先が副制御回路101である場合は、そのデータを副制御回路101へ送信する。
次に、タッチセンサ用CPU152は、副制御回路101へ送信する送信データがあるか否かを判別する(S6)。副制御回路101へ送信する送信データがある(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信処理を行う(S7)。このサブ制御送信処理では、サブ制御送信バッファ158に格納された送信データを副制御回路101へ送信する。
S6の処理で副制御回路101へ送信する送信データがない(NO)と判別したとき、又はS7の処理の後、タッチセンサ用CPU152は、他のサブデバイスへ送信する送信データがあるか否かを判別する(S8)。
S8の処理で他のサブデバイスへ送信する送信データがある(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、他サブデバイス送信処理を行う(S9)。この他サブデバイス送信処理では、副制御回路101から他のサブデバイスへ送信する送信データがある場合に、その送信データを他のサブデバイスへ送信する。なお、タッチセンサ中継基板73に他のサブデバイスが接続されていない場合は、S5、S8及びS9の処理を省略してもよい。
S8の処理で他のサブデバイスへ送信する送信データがない(NO)と判別したとき、又はS9の処理の後、タッチセンサ用CPU152は、作動状態判定処理を行う(S10)。この作動状態判定処理では、タッチセンサモジュール15の入力異常や設定状態異常等の異常が発生した場合に、異常が発生したことを副制御回路101へ送信する。
S10の処理の後、タッチセンサ用CPU152は、10msec周期待ちを行う(S11)。10msec周期待ちが終了すると、タッチセンサ用CPU152は、処理をS3に移行する。
[サブ制御受信処理]
次に、サブ制御受信処理について、図12を参照して説明する。
はじめに、タッチセンサ用CPU152は、受信データがあるか否かを判別する(S21)。受信データがない(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御受信処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスク(図11参照)に移す。
S21の処理で受信データがある(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、受信データの送信先IDはタッチセンサモジュール15であるか否かを判別する(S22)。送信先IDはタッチセンサモジュール15である(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御受信処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
S22の処理で送信先IDはタッチセンサモジュール15でない(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、他サブデバイス送信用バッファ(不図示)に受信データを複写する(S23)。S23の処理の後、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御受信処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
[タッチセンサモジュール入力処理]
次に、タッチセンサモジュール入力処理について、図13を参照して説明する。
はじめに、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサ状態を入力する(S31)。この処理では、タッチセンサ用CPU152が、タッチセンサモジュール15から出力されたセンサ情報(操作XY座標データ)を取得する。
次に、タッチセンサ用CPU152は、取得したセンサ情報(操作XY座標データ)にタッチセンサ操作の入力があるか否かを判別する(S32)。タッチセンサ操作の入力が無い(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサモジュール入力処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスク(図11参照)に移す。
S32の処理でタッチセンサ操作の入力がある(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、取得したセンサ情報(操作XY座標データ)から入力操作種別と入力XY座標データを読み込む(S33)。続いて、タッチセンサ用CPU152は、入力操作種別は「タッチ」であるか否かを判別する(S34)。
S34の処理で入力操作種別は「タッチ」である(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158にタッチ操作コマンドとXY座標データをセットする(S35)。S35の処理後、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサモジュール入力処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
S34の処理で入力操作種別は「タッチ」では無い(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、入力操作種別は「フリック」であるか否かを判別する(S36)。
S36の処理で入力操作種別は「フリック」である(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158にフリック操作コマンドとXY座標データをセットする(S37)。S37の処理後、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサモジュール入力処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
S36の処理で入力操作種別は「フリック」では無い(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、入力操作種別は「ピンチ」であるか否かを判別する(S37)。
S37の処理で入力操作種別は「ピンチ」である(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158にピンチ操作コマンドとXY座標データをセットする(S39)。S39の処理後、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサモジュール入力処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
S38の処理で入力操作種別は「ピンチ」では無い(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサ入力異常フラグをオンする(S40)。つまり、タッチセンサ操作の入力があり、設定されていない入力操作種別を読み込んだ場合に、タッチセンサ用CPU152は、異常フラグをオンし、リセット要求を行う。
[サブ制御送信処理]
次に、サブ制御送信処理について、図14を参照して説明する。
はじめに、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信間隔カウンタを更新する(S51)。この処理では、サブ制御送信間隔カウンタを「1」加算する。
次に、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信間隔が200msec以上であるか否かを判別する(S52)。サブ制御送信間隔が200msec以上では無い(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスク(図11参照)に移す。
S52の処理でサブ制御送信間隔が200msec以上である(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158に送信データが格納されているか否かを判別する(S53)。
S53の処理でサブ制御送信バッファ158に送信データが格納されていない(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158に「作動確認コマンド」をセットする(S54)。すなわち、副制御回路101へ送信する送信データが無い場合は、200msec周期で作動確認コマンド(パラメータ要求コマンド)を送信する。
S53の処理でサブ制御送信バッファ158に送信データが格納されている(YES)と判別したとき、又はS54の処理の後、タッチセンサ用CPU152は、副制御回路101に送信データを送信する(S55)。続いて、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信間隔カウンタをクリアする(S56)。S56の処理を終えると、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
[作動状態判定処理]
次に、作動状態判定処理について、図15を参照して説明する。
はじめに、タッチセンサ用CPU152は、判定間隔カウンタを更新する(S71)。次に、タッチセンサ用CPU152は、判定間隔が500msec以上であるか否かを判別する(S72)。判定間隔が500msec以上である(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、判定間隔カウンタをクリアする(S73)。
次に、タッチセンサ用CPU152は、自己診断領域(ROM)のデータをレジスタに読み込む(S74)。続いて、タッチセンサ用CPU152は、自己診断領域(ROM)から読み込んだデータを自己診断領域(RAM)に書き込む(S75)。
次に、タッチセンサ用CPU152は、S74の処理で読み込んだレジスタの値とROMの値が同じであるか否かを判別する(S76)。この処理では、レジスタの値(読込み値)とROMの値を比較し、ROMの読込みの正常/異常の自己診断を行う。
S76の処理でレジスタの値(読込み値)とROMの値が同じである(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、レジスタの値(読込み値)とRAMの値が同じであるか否かを判別する(S77)。この処理では、レジスタの値(読込み値)とRAMの値を比較し、RAMの読み書きの正常/異常の自己診断を行う。
S76の処理でレジスタの値(読込み値)とROMの値が同じではない(NO)と判別したとき、又はS77の処理でレジスタの値(読込み値)とRAMの値が同じではない(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158にリセット通知(1)コマンドをセットする(S78)。
S72の処理で判定間隔が500msec以上ではない(NO)と判別したとき、又はS77の処理でレジスタの値(読込み値)とRAMの値が同じである(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサ設定状態を読み込む(S79)。
次に、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサ設定状態は初期設定値と同じであるか否かを判別する(S80)。タッチセンサ設定状態は初期設定値と同じであると判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、タッチセンサ異常フラグがオンであるか否かを判別する(S81)。
S80の処理でタッチセンサ設定状態は初期設定値と同じではない(NO)と判別したとき、又はS81の処理でタッチセンサ異常フラグがオンである(YES)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、サブ制御送信バッファ158にリセット通知(2)コマンドをセットする(S82)。
S78の処理の後、又はS82の処理の後、タッチセンサ用CPU152は、副制御回路101に送信データを送信する(S83)。
S81の処理でタッチセンサ異常フラグがオンではない(NO)と判別したとき、タッチセンサ用CPU152は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする(S84)。ウォッチドッグタイマは、クリア後、自動的にカウントを開始する。S84の処理を終えると、タッチセンサ用CPU152は、作動状態判定処理を終了し、処理をタッチセンサ中継メインタスクに移す。
<タッチセンサモジュールの搭載・非搭載に応じた接続例>
次に、タッチセンサモジュール15の搭載・非搭載に応じた接続例について、図16を参照して説明する。
図16Aは、タッチセンサモジュール15を搭載する場合の接続例を示すブロック図である。
図16Aに示すように、パチスロ1にLED群12とタッチセンサモジュール15を搭載する場合は、副中継基板67及びタッチセンサ中継基板を介して、タッチセンサモジュール15と副制御基板42を電気的に接続する。また、副中継基板67を介して、LED基板72と副制御基板42を電気的に接続する。
副制御基板42及び副中継基板67は、本発明に係る演出用制御基板の一具体例を示すものである。そして、副中継基板67には、本発明に係る制御側コネクタの一具体例であるコネクタ131(図10参照)が実装されている。また、LED基板72は、本発明に係る第1演出装置用基板の一具体例を示すものである。このLED基板72には、本発明に係る第1演出装置側コネクタであるコネクタ(不図示)が実装されている。
タッチセンサ中継基板73は、本発明に係る第2演出装置用基板の一具体例を示すものである。このタッチセンサ中継基板73には、本発明に係る第2演出装置側コネクタであるコネクタ153(図10参照)が実装されている。
副中継基板67とLED基板72及びタッチセンサ中継基板73は、2又ケーブル201によって接続されている。2又ケーブル201は、本発明に係る第2のケーブルの一具体例を示すものであり、一端が1本であり他端が2本に分かれているケーブル本体と、第1端子と、第2端子と、第3端子とを有している。
2又ケーブル201の第1端子は、ケーブル本体の一端に設けられている。また、2又ケーブル201の第2端子は、ケーブル本体の第1の他端に設けられており、第3端子は、ケーブル本体の第2の他端に設けられている。なお、本実施形態では、副中継基板67とLED基板72との間の信号の伝達をI2C通信により行う。また、副中継基板67とタッチセンサ中継基板73との間の信号の伝達をUART通信により行う。
2又ケーブル201の第1端子は、副中継基板67のコネクタ131(図10参照)に接続されている。また、2又ケーブル201の第2端子は、LED基板72のコネクタ(不図示)に接続されており、第3端子は、タッチセンサ中継基板73のコネクタ153(図10参照)に接続されている。
図16Bに示すように、パチスロ1にタッチセンサモジュール15を搭載しない場合(パチスロ1にLED群を搭載する場合)は、副中継基板67を介して、LED基板72と副制御基板42を電気的に接続する。タッチセンサモジュール15を搭載しない場合に、副中継基板67とLED基板72は、ケーブル202によって接続される。
ケーブル202は、本発明に係る第1のケーブルの一具体例を示すものであり、一端及び他端が1本に形成されているケーブル本体と、第1端子及び第2端子を有している。ケーブル202の第1端子は、ケーブル本体の一端に設けられており、第2端子は、ケーブル本体の他端に設けられている。
ケーブル202の第1端子は、副中継基板67のコネクタ131(図10参照)に接続される。また、ケーブル202の第2端子は、LED基板72のコネクタ(不図示)に接続される。この場合に、副制御回路101からタッチセンサ中継基板73(タッチセンサ中継回路151)に送信された信号(受信データ)は、LED基板72において無効にする。また、LED基板72のコネクタ(不図示)は、ケーブル202の第2端子と2又ケーブル201の第2端子の何れも接続可能に構成されている。
このように、タッチセンサモジュール15を搭載しない場合は、ケーブル202を用いてLED基板72と副制御基板42を電気的に接続する。これにより、タッチセンサモジュール15を搭載しない場合の副中継基板67には、端子が接続されていないコネクタが無い。端子が接続されていないコネクタに導通して副制御回路101等に不正を行うこと(いわゆる、ゴト行為)を防止することができる。
一方、タッチセンサモジュール15を搭載する場合は、2又ケーブル201を用いてLED基板72及びタッチセンサ中継基板73と副制御基板42とを電気的に接続する。これにより、副中継基板67及び副制御基板42を変更しなくても、パチスロ1にタッチセンサモジュール15を搭載することができる。すなわち、副中継基板67及び副制御基板42は、タッチセンサモジュール15を搭載する場合と、タッチセンサモジュール15を搭載しない場合に使用することができる。
さらに、LED基板72のコネクタ(不図示)がケーブル202の第2端子と2又ケーブル201の第2端子の何れも接続可能である。したがって、LED基板72は、タッチセンサモジュール15を搭載する場合と、タッチセンサモジュール15を搭載しない場合に共通で使用することができる。
なお、本実施の形態では、タッチセンサモジュール15を搭載しない場合は、ケーブル202を用いてLED基板72と副制御基板42を電気的に接続した。しかしながら、本発明に係る遊技機としては、タッチセンサモジュール15を搭載しない場合においても、2又ケーブル201を使用してもよい。この場合は、2又ケーブル201の第3端子を接続するコネクタをLED基板72に実装しておくとよい。また、LED基板72のコネクタ(第1演出装置側コネクタ)が、第2のケーブル201の第2端子及び第3端子を接続可能な構成にしてもよい。
<第2実施形態に係るパチスロ>
次に、本発明の第2実施形態に係るパチスロについて、図17を参照して説明する。
図17は、本発明の第2実施形態のパチスロ(遊技機)のフロントドアを正面からみた説明図である。
図17に示すパチスロ301は、第1の実施形態に係るパチスロ1(図6参照)と同様の構成を有している。このパチスロ301がパチスロ1と異なるところは、フロントドア302bのフロントパネル311に仕切り片322を設けた点である。そのため、ここでは、仕切り片322について説明する。
図17に示すように、パチスロ301の外装体は、不図示のキャビネットと、このキャビネットに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア302bとを有している。フロントドア302bは、不図示のドア本体と、液晶表示装置10と、フロントパネル311とを備えている。
フロントパネル311は、液晶表示装置10の表示部10a側に重畳して配置されており、パネル本体321と、仕切り片322とを有する。パネル本体321は、液晶表示装置10の表示部10aを露出させる開口311aを有する枠状に形成されている。仕切り片322は、パネル本体321の開口311aを上下方向に仕切る。この仕切り片322は、表示窓4L,4C,4Rの上方に配置されており、横方向(左右方向)に延びる長方形の板状に形成されている。
タッチセンサモジュール15は、表示部10aにおける表示窓4Rの側方に配置されている。これにより、表示部10aにおける表示窓4Rの側方には、タッチセンサモジュール15を用いたタッチ入力部15aが形成されている。
タッチセンサモジュール15のセンサ部16(図4参照)における一方の長辺及び一方の短辺に設けた電極パターン20a,20bは、パネル本体321に覆われている。また、センサ部16における他方の短辺に設けた電極パターン20cは、仕切り片322に覆われている。そして、センサ部16における他方の長辺には、電極パターンが形成されていない。これにより、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との境界を遊技者が視認できないようにすることができる。
その結果、表示部10aにおける仕切り片322よりも下方の領域が区画された印象を遊技者に感じさせないようにすることができる。また、表示部10aにおける仕切り片322よりも下方の領域が実際の大きさよりも小さく見えないようにすることができる。さらに、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との境界を横切る映像の一部が見えなくなるようなことが無く、表示部10aに表示する映像に違和感が生じないようにすることができる。
このように、本実施形態では、タッチセンサモジュール15の3つの電極パターン20a,20b,20cを全てフロントパネル311で覆う。その結果、タッチ入力部15aが設けられた領域とタッチ入力部15aが設けられていない領域との全ての境界を遊技者が視認できないようにすることができる。したがって、表示部10aの一部にタッチ入力部15aを設けても、表示する映像が電極パターンに重なって見えなくなることが無い。
以上、本発明の実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。
例えば、上述した第1及び第2の実施形態は、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明した。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に適用することもできる。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、第1演出装置としてLED群(ランプ部)12を適用し、第2演出装置としてタッチセンサモジュール15を適用した。しかしながら、本発明に係る第1演出装置及び第2演出装置としては、スピーカ装置、移動部材(いわゆる役物)、表示装置等の演出装置を適用することもできる。また、第1演出装置としてタッチセンサモジュール15を適用し、第2演出装置としてLED群12を適用してもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、副制御基板42及び副中継基板67を本発明に係る演出用制御基板の一具体例として説明した。しかし、本発明に係る演出用制御基板としては、一つの基板から構成してもよく、副制御基板42のみであってもよい。この場合は、副制御基板42に制御側コネクタを実装する。