JP5638632B2 - 核燃料貯蔵用ラック - Google Patents

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Description

本発明は、核燃料貯蔵施設の貯蔵ピット内の水中に、核燃料集合体を収納した状態で貯蔵される核燃料貯蔵用ラックに関する。本願は、2011年2月4日に、日本に出願された特願2011−022623号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
例えば、原子力発電所で発生した使用済み核燃料(使用済み核燃料棒)は、核燃料貯蔵施設に貯蔵して保管される。また、使用済み核燃料は、グリッドで束ねた核燃料集合体として燃料貯蔵用ラックのラックセル内に収納し、核燃料貯蔵施設の貯蔵ピット内に貯蔵される。このとき、貯蔵ピットには、水が貯留されており、複数の核燃料貯蔵用ラックを整列配置して水中に貯蔵する。これにより、崩壊熱を冷却除去して臨界未満で保持し、また、放射線を遮蔽するようにしている。
核燃料貯蔵用ラックは、上下方向に延び、縦横に配列した複数のラックセルが形成されるように構成されている。例えば、核燃料貯蔵用ラックは、ボロン添加ステンレス鋼板を正方格子状に配設し、隣り合う鋼板同士を溶接で接続して製造されたり、ボロン添加ステンレス鋼管の角筒体を千鳥状に配設し、隣り合う角筒体のコーナー部同士を溶接で接続して製造される(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2002−189098号公報
しかしながら、上記した従来の燃料貯蔵用ラックは、ボロン添加ステンレス鋼製の板や角筒体を溶接で接続して形成される。このため、溶接時の熱などで歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれがあった。また、欧米では、中性子吸収性能を有するボロン添加ステンレス鋼を溶接して燃料貯蔵用ラックを製造することは許容されていない。
このため、溶接することなく燃料貯蔵用ラックを製造することが強く望まれている。
本発明の一態様によれば、核燃料貯蔵用ラックは、核燃料集合体を収納する複数のラックセルを備え、前記ラックセルは、放射線吸収材を含んでなり、前記核燃料集合体を収納する核燃料収納空間を形成するように立設される複数の板部材と、前記複数の板部材を締結する締結機構とを備える。また、前記板部材が、上下方向に延びる一側端と他側端からそれぞれ横方向外側に突出する突出部と、前記突出部によって一側端側と他側端側に形成される凹部とを備えて形成されている。また、隣り合う前記板部材のうちの一方における前記突出部と、他方における前記凹部を係合させて複数の板部材を組み付けた状態で、各前記板部材の前記突出部の先端から基端側に延びるスリットに嵌合させて前記突出部同士を締結する固縛板を、前記締結機構が備えている。
本発明の一態様においては、各板部材(側壁板)の突出部と凹部を係合させ、各板部材の外面から外側に突出した突出部同士を締結機構で締結(連結)する。このため、溶接を用いることなくラックセルを形成することができる。
本発明の態様に係る核燃料貯蔵用ラックにおいては、各板部材の突出部と凹部を係合させ、各板部材の外面から外側に突出した突出部同士を締結機構で連結して、溶接を用いることなくラックセルを形成することができる。このため、従来のように、溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれを解消することができる。その結果、信頼性の高い核燃料貯蔵用ラックを実現することが可能になる。
また、ラックセルが、各板部材の突出部と凹部を係合させて組み付け、板部材の外面から外側に突出部を突出させて形成される。このため、核燃料貯蔵用ラックを水中に貯蔵した状態で、隣り合うラックセルの間に、高速中性子を減速させる減速材として、水を介在させることができる。これにより、ラックセルの各板部材の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水をウォータートラップとして、高速中性子を減速させることができる。その結果、臨界安全性を確保することが可能になる。
本発明の第1参考例、第二参考例、及び、第1実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックを示す斜視図である。 図1のX1−X1線矢視図であり、本発明の第1参考例、第二参考例、及び、第1実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックを示す平面図である。 本発明の第1参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルを示す斜視図である。 本発明の第1参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの側壁板(板部材)と、核燃料集合体を示す正面図である。 本発明の第2参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルを示す斜視図である。 図5のX1−X1線矢視図であり、本発明の第2参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルを示す平面図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルを示す斜視図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの側壁板(板部材)を示す正面図である。 図7のX1−X1線矢視図であり、本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルを示す平面図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの固縛金具(締結機構)を示す平面図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックを示す斜視図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックを示す平面図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックを示す斜視図である。 本発明の第2参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの変形例を示す斜視図である。 図15のX1−X1線矢視図であり、本発明の第2参考例に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの変形例を示す断面図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックのラックセルの固縛金具(締結機構)の変形例を示す平面図である。 本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックの変形例を示す斜視図である。
以下、図1から図4を参照し、本発明の第1参考例に係る核燃料貯蔵用ラックについて説明する。本参考例は、例えば原子力発電所で発生した使用済み核燃料を核燃料貯蔵施設の貯蔵ピット内の水中に貯蔵して保管するための核燃料貯蔵用ラックに関する。
参考例の核燃料貯蔵用ラックAは、図1及び図2に示すように、核燃料集合体を収納するラックセル1と、ラックセル1を収納するためのセル挿入孔2を有するラック本体3とを備えて構成されている。
ラック本体3は、図1に示すように、方形平板状のベースプレート4と、ベースプレート4の下面から下方に突設された複数の支持脚部5と、ベースプレート4上に一体に設けられ、上下方向に延びる断面方形状のセル挿入孔2を水平方向(横方向)の縦横に複数配列してなるセル収納部6とを備えて構成されている。また、セル収納部6には、例えばステンレス鋼板の板材を格子状に組み付けることで、水平方向の縦横に整列配置された断面方形状のセル挿入孔2が複数形成されている。このとき、セル収納部6は、耐震性を確保しつつ極力薄板を用いて形成されていることが好ましい。
一方、本参考例のラックセル1は、図3及び図4に示すように、核燃料集合体7を収納する核燃料収納空間(収容部)8を形成するように立設される複数の側壁板(板部材)10、11、12、及び13からなるセル本体9と、セル本体9の複数の側壁板10〜13を締結する締結機構14とを備えて構成されている。
加圧水型原子力発電施設に用いる核燃料、特に複数の核燃料棒をグリッド15で束ねた核燃料集合体7は、方形棒状である(図4参照)。このため、セル本体9は、4枚の側壁板10〜13を用いて形成され、核燃料収納空間8は、断面方形状に形成されている。
また、各側壁板10〜13は、ボロン添加ステンレス鋼、ボロン(炭化ホウ素)を添加したアルミニウム、ガドリニウムを添加した鉄合金又は非鉄金属、あるいはボロンとガドリニウムの双方を添加した鉄合金又は非鉄金属などの中性子吸収性能に優れる材料(放射線吸収材)を用いて形成されている。
また、本参考例の各側壁板10〜13は、上下方向T1に延びる一側端側に、一側端から内面及び外面(一面及び他面)に沿って横方向外側に突出する突出部16を設けて、他側端側にも、他側端から内面及び外面に沿って横方向外側に突出する突出部16を設けて形成されている。
さらに、本参考例において、各側壁板10〜13は、一側端側と他側端側にそれぞれ、上下方向T1に所定の間隔をあけて複数の突出部16を設けて形成されている。すなわち、各側壁板10〜13は、一側端側と他側端側にそれぞれ、上下方向T1に交互に配設された突出部16と凹部17を備えて形成されている。
さらに、このとき、一側端側と他端側の一対の突出部16同士が上下方向T1の同じ高さ位置に配されるように、各側壁板10〜13が形成されている。また、4枚の側壁板10〜13のうち、第1側壁板10と第2側壁板12は、上下方向T1の同じ高さ位置に突出部16(及び凹部17)を配して形成されている。一方、第3側壁板11と第4側壁板13は、上下方向T1の同じ高さ位置に突出部16(及び凹部17)を配して形成されている。また、第3側壁板11と第4側壁板13は、第1及び第2側壁板10、12の凹部17の高さ位置に突出部16が配されるように形成されている。すなわち、第1及び第2側壁板10、12と、第3及び第4側壁板11、13とは、突出部16と凹部17の配置をずらして形成されている。
また、各側壁板10〜13の各突出部16の所定位置には、内面から外面に貫通する挿通孔18が形成されている。さらに、各側壁板10〜13は、一側端から他側端の幅寸法L1を断面方形状の核燃料集合体7の幅寸法L2よりも僅かに大きくして形成され、下端から上端の高さ寸法H1を核燃料集合体7の高さ寸法H2よりも大きくして形成されている。
そして、セル本体9は、第1側壁板10の一側端側と第3側壁板11の他側端側の同じ高さ位置にある突出部16と凹部17同士を係合させ、第1側壁板10の他側端側と第4側壁板13の一側端側の同じ高さ位置にある突出部16と凹部17同士を係合させる。さらに、セル本体9は、第2側壁板12の一側端側と第4側壁板13の他側端側の同じ高さ位置にある突出部16と凹部17同士を係合させ、第2側壁板12の他側端側と第3側壁板11の一側端側の同じ高さ位置にある突出部16と凹部17同士を係合させる。そして、隣り合う側壁板同士(10と11、11と12、12と13、13と10)を直交させながら、上記のように互いの突出部16と凹部17を係合させて、4枚の側壁板10〜13を組み付ける。これにより、断面方形状の核燃料収納空間8が形成される。
締結機構14は、上記のように組み付けた4枚の側壁板10〜13を一体に固定するための締付具である。そして、本参考例では、この締結機構14としてボルト14aとナット14bが用いられている。4枚の側壁板10〜13を組み付けた状態で、第1側壁板10と第2側壁板12の同じ高さ位置で対向する一対の突出部16の挿通孔18、第3側壁板11と第4側壁板13の同じ高さ位置で対向する一対の突出部16の挿通孔18にそれぞれボルト14aを挿通してナット14bを締結する。これにより、第1側壁板10と第2側壁板12の突出部16同士、第3側壁板11と第4側壁板13の突出部16同士がそれぞれ、締結機構14によって締結(連結)される。その結果、断面方形状の核燃料収納空間8を形成する4枚の側壁板10〜13が、確実且つ強固に一体化し、ラックセル1が形成される。
参考例の核燃料貯蔵用ラックAにおいて、ラックセル1の核燃料収納空間8に核燃料集合体7を収納し、ラックセル1をラック本体3のセル挿入孔2に収納した状態で、核燃料貯蔵施設の貯蔵ピット内の水(ほう酸水又は純水)中に貯蔵して保管される。そして、このとき、ラックセル1が溶接を用いずに形成されている。このため、従来のように溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれはない。
また、図2に示すように、ラックセル1が各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させ、側壁板10〜13の外面から外側に突出部16が突出した状態で形成される。このため、ラックセル1をラック本体3のセル挿入孔2に収納した状態で、各側壁板10〜13の突出部16によって側壁板10〜13の外面とセル挿入孔2の内面との間に空間Pが形成される。このため、ラックセル1をラック本体3のセル挿入孔2に収納して水中に貯蔵した状態で、ラックセル1の核燃料収納空間8が水で満たされ、各側壁板10〜13の外面とセル挿入孔2の内面との間Pも水で満たされる。
そして、このようにラックセル1の核燃料収納空間8と、各側壁板10〜13の外面とセル挿入孔2の内面の間Pとに水が満たされている。これにより、核燃料集合体7から放出される高速中性子が減速して熱中性子に変換し、各側壁板10〜13に添加されているボロン、ガドリニウムなどの放射線吸収材により、中性子が吸収される。上記した構成を有する放射線吸収材は、中性子を効率よく吸収するので、核燃料集合体7の貯蔵間隔を縮めることができ、核燃料を稠密に貯蔵することを可能にする。
また、このとき、各側壁板10〜13の外面とセル挿入孔2の内面との間Pが水で満たされている。これにより、ラック本体3の各セル挿入孔2に挿入して隣り合うラックセル1の間Pに、高速中性子を減速させる減速材(放射線減速材)としての水が介在する。そして、ラックセル1の各側壁板10〜13の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水(ウォータートラップ)によって高速中性子を減速させる。その結果、隣のラックセル1に収納した核燃料に高速中性子が影響して臨界になることが確実に防止される。
したがって、本参考例の核燃料貯蔵用ラックAにおいて、各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させ、各側壁板10〜13の外面から外側に突出した突出部16同士を締結機構14で連結し、溶接を用いることなくラックセル1を形成することができる。このため、従来のように溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれを解消することができる。よって、信頼性の高い核燃料貯蔵用ラックAを実現することが可能になる。
また、ラックセル1が、各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させて組み付け、側壁板10〜13の外面から外側に突出部16を突出させて形成される。このため、核燃料貯蔵用ラックAにラックセル1を収納して水中に貯蔵した状態で、隣り合うラックセル1の間Pに、高速中性子を減速させる減速材としての水を介在させることができる。これにより、ラックセル1の各側壁板10〜13の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水をウォータートラップとして高速中性子を減速させることができる。その結果、臨界安全性を確保することが可能になる。
次に、図1、図2、図5及び図6を参照し、本発明の第2参考例に係る核燃料貯蔵用ラックについて説明する。本参考例では、第1参考例に対してラックセルの構成のみが異なる。よって、本参考例では、第1参考例と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
参考例のラックセル20は、第1参考例と同様、図5及び図6に示すように、核燃料集合体7を収納する核燃料収納空間8を形成する複数の側壁板10〜13からなるセル本体9と、セル本体9の複数の側壁板10〜13を締結する締結機構21とを備えて構成されている。
セル本体9は、第1参考例と同様に、核燃料収納空間8が4枚の側壁板10〜13を用いて断面方形状に形成されている。また、各側壁板10〜13は、ボロン添加ステンレス鋼、ボロン(炭化ホウ素)を添加したアルミニウム、ガドリニウムを添加した鉄合金又は非鉄金属、あるいはボロンとガドリニウムの双方を添加した鉄合金又は非鉄金属などの中性子吸収性能に優れる材料(放射線吸収材)を用いて形成されている。
また、本実施例の各側壁板10〜13は、一側端側と他側端側にそれぞれ、上下方向T1に交互に配設された突出部16と凹部17を備えて形成されている。そして、セル本体9は、隣り合う側壁板同士(10と11、11と12、12と13、13と10)を直交させながら互いの突出部16と凹部17を係合させて、4枚の側壁板10〜13を組み付ける。これにより、断面方形状の核燃料収納空間8が形成される。
一方、本参考例において、締結機構21は、L形金具22と、締付具23とで構成されている。L形金具22は、断面L字状に形成されている。また、一辺部22aとこの一辺部22aに直交する他辺部22bとがそれぞれ、側壁板10〜13の突出部16の基端から突出方向先端までの長さと略同等の長さで形成されている。また、本参考例のL形金具22は、軸線O1方向の長さ(高さ)を各側壁板10〜13の高さと略同等の寸法にして形成されている。さらに、L形金具22の一辺部22aと他辺部22bにはそれぞれ、軸線O1方向に所定の間隔をあけて複数の貫通孔24が形成されている。
そして、この締結機構21では、隣り合う側壁板同士(10と11、11と12、12と13、13と10)を直交させながら互いの突出部16と凹部17を係合させて4枚の側壁板10〜13を組み付けたセル本体9の4つのコーナー部にそれぞれ、L形金具22を設置する。このとき、L形金具22は、その上端と下端を各側壁板10〜13の上端と下端の高さ位置にそれぞれ合わせ、角部をコーナー部に合わせて設置される。さらに、L形金具22は、一方の側壁板10〜13の外面から外側に突出する一方の突出部16に一辺部22aの外面を接触させ、他方の側壁板10〜13の外面から一方の突出部16に直交して外側に突出する他方の突出部16に他辺部22bの外面を接触させて設置される。また、上記した構成を有するL形金具22を設置すると、L形金具22の一辺部22aと他辺部22bにそれぞれ形成された複数の貫通孔24が、一方の側壁板10〜13の突出部16の挿通孔18と他方の側壁板10〜13の突出部16の挿通孔18に連通する。
次に、セル本体9の4つのコーナー部にそれぞれ設置したL形金具22を、互いに連通した側壁板10〜13の突出部16の挿通孔18とL形金具22の貫通孔24に、ボルト(ナット)、小ネジ、リベット、又は割ピンなどの締付具23を挿通して締結する。これにより、隣り合う側壁板(10と11、11と12、12と13、13と10)の突出部16同士が、L形金具22と締付具23を介して締結(連結)される。その結果、断面方形状の核燃料収納空間8を形成する4枚の側壁板10〜13が確実且つ強固に一体化し、ラックセル20が形成される。
そして、第1参考例と同様、本参考例の核燃料貯蔵用ラックBにおいても、各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させ、各側壁板10〜13の外面から外側に突出した突出部16同士を締結機構21で連結して、溶接を用いることなくラックセル20を形成することができる。このため、従来のように溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれを解消することができる。よって、信頼性の高い核燃料貯蔵用ラックBを実現することが可能になる。
また、ラックセル20が、各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させて組み付け、側壁板10〜13の外面から外側に突出部16を突出させて形成される。このため、核燃料貯蔵用ラックBにラックセル20を収納して水中に貯蔵した状態で、隣り合うラックセル20の間に、高速中性子を減速させる減速材として、水を介在させることができる。
これにより、ラックセル20の各側壁板10〜13の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水をウォータートラップとして高速中性子を減速させることができる。その結果、臨界安全性を確保することが可能になる。
次に、図7から図10を参照し、本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックについて説明する。本実施形態は、第1及び第2参考例に対してラックセルの構成のみが異なる。よって、本実施形態では、第1及び第2参考例と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のラックセル30は、図7に示すように、核燃料集合体7を収納する核燃料収納空間8を形成する複数の側壁板(板部材)31〜34からなるセル本体35と、セル本体35の複数の側壁板31〜34を締結する締結機構36とを備えて構成されている。
セル本体35は、核燃料収納空間8が4枚の側壁板31〜34を用いて断面方形状に形成されている。また、各側壁板31〜34は、ボロン添加ステンレス鋼、ボロン(炭化ホウ素)を添加したアルミニウム、ガドリニウムを添加した鉄合金又は非鉄金属、あるいはボロンとガドリニウムの双方を添加した鉄合金又は非鉄金属などの中性子吸収性能に優れる材料(放射線吸収材)を用いて形成されている。
また、各側壁板31〜34は、図7及び図8に示すように、一側端側と他側端側にそれぞれ、上下方向T1に交互に配設された突出部16と凹部17を備えて形成されている。
また、第1及び第2側壁板31、33と、第3及び第4側壁板32、34とは、突出部16と凹部17の配置をずらして形成されている。
さらに、本実施形態の側壁板31〜34は、各突出部16が先端から基端側に延びるスリット(溝)37を設けて形成されている。また、このスリット37は、各突出部16の高さ方向(長さ方向)略中央に形成されている。そして、セル本体35は、第1及び第2参考例と同様、隣り合う側壁板同士(31と32、32と33、33と34、34と31)を直交させながら互いの突出部16と凹部17を係合させて、4枚の側壁板31〜34を組み付ける。これにより、断面方形状の核燃料収納空間8が形成される。
一方、本実施形態の締結機構36は、図7、図9及び図10に示すように、複数の固縛金具38と締付具39で構成されている。固縛金具38は、ステンレス鋼や中性子吸収性能に優れる材料を用いて形成されている。固縛金具38は、4枚の矩形平板状の固縛板40、41、42、43とこれら固縛板40〜43を回動可能に接続する3つのヒンジ44、45、46とを備えて構成されている。また、固縛金具38は、第1固縛板40の一端と第2固縛板41の他端を第1ヒンジ44で、第2固縛板41の一端と第3固縛板42の他端を第2ヒンジ45で、第3固縛板42の一端と第4固縛板43の他端を第3ヒンジ46でそれぞれ、上下方向T1に延びる回動軸周りに回動可能に接続して形成されている。
また、このとき、第1固縛板40が第1ヒンジ44の回転ピンの下端に接続され、第3固縛板42が第2ヒンジ45の回転ピンの下端に接続され、これら第1固縛板40と第3固縛板42を上下方向T1の同じ高さ位置に配して、固縛金具38が形成されている。さらに、第1ヒンジ44の回転ピンと第2ヒンジ45の回転ピンの上端に第2固縛板41が接続され、第3固縛板42に第3ヒンジ46の回転ピンの下端が接続され、この第3ヒンジ46の回転ピンの上端に第4固縛板43が接続されている。これにより、固縛金具38は、第2固縛板41と第4固縛板43を、上下方向T1の同じ高さ位置に配して、第1固縛板40と第3固縛板42よりも回転ピンの長さ分だけ上方に配して形成されている。
また、突出部16と凹部17を係合させて4枚の側壁板31〜34を組み付けてセル本体35を形成した状態で、上下に隣り合う突出部16同士のスリット37の間隔と、第1固縛板40及び第3固縛板42と第2固縛板41及び第4固縛板43との上下方向T1の間隔が同じになるようにして、固縛金具38が形成されている。
さらに、第1固縛板40の他端側と第4固縛板43の一端側にはそれぞれ、貫通孔47、48が形成されている。そして、第3ヒンジ46で第4固縛板43を回動させ、第1固縛板40と第4固縛板43の互いの貫通孔47、48が連通し、ボルト(ナット)、小ネジ、リベット、割ピンなどの締付具39を貫通孔47、48に挿通する。これにより、第1固縛板40の他端と第4固縛板43の一端が接続される。
そして、突出部16と凹部17を係合させて4枚の側壁板31〜34を組み付けてセル本体35を形成した段階で、第1ヒンジ44と第2ヒンジ45で回動させながら、上下に隣り合う突出部16同士の下方のスリット37に第1固縛板40と第3固縛板42を嵌め込み、また、上方のスリット37に第2固縛板41を嵌め込む。さらに、第3ヒンジ46で第4固縛板43を回動させ、この第4固縛板43を上方のスリット37に嵌め込み、連通した第1固縛板40と第4固縛板43の貫通孔47、48に締付具39を挿通して、第1固縛板40と第4固縛板43を接続する。
これにより、隣り合う側壁板(31と32、32と33、33と34、34と31)の突出部16同士が各固縛板40〜43によって締結(連結)される。その結果、断面方形状の核燃料収納空間8を形成する4枚の側壁板31〜34が確実且つ強固に固縛されて一体化し、ラックセル30が形成される。また、本実施形態では、図7に示すように第1ヒンジ44と第2ヒンジ45と第3ヒンジ46(各ヒンジ44、45、46の回転ピン)として、ボルトとナットを用いている。そして、ボルト、ナットを用いて各ヒンジ44、45、46を構成すると、締め付けることが可能になる。このため、この締め付けによってセル本体35の形状を強固に保持することが可能になる。その結果、マテリアルハンドリングが容易になるという効果も得ることができる。
そして、第1及び第2参考例と同様、本実施形態の核燃料貯蔵用ラックCにおいても、各側壁板31〜34の突出部16と凹部17を係合させ、各側壁板31〜34の外面から外側に突出した突出部16同士を締結機構36で連結して、溶接を用いることなくラックセル30を形成することができる。このため、従来のように溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれを解消することができる。よって、信頼性の高い核燃料貯蔵用ラックCを実現することが可能になる。
また、ラックセル30が、各側壁板31〜34の突出部16と凹部17を係合させて組み付け、側壁板31〜34の外面から外側に突出部16を突出させて形成される。このため、核燃料貯蔵用ラックCにラックセル30を収納して水中に貯蔵した状態で、隣り合うラックセル30の間に、高速中性子を減速させる減速材として、水を介在させることができる。
これにより、ラックセル30の各側壁板31〜34の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水をウォータートラップとして高速中性子を減速させることができる。その結果、臨界安全性を確保することが可能になる。
次に、図11及び図12を参照し、本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックについて説明する。本実施形態では、第1参考例、第二参考例、及び、第1実施形態と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の核燃料貯蔵用ラックDは、図1及び図2に示すように、核燃料集合体7を収納するラックセル1で構成され、ラックセル1を収納するための複数のセル挿入孔2を有するラック本体3を備えずに構成されている。また、本実施形態では、ラックセル1として第1参考例のラックセルを用いる。
そして、本実施形態の核燃料貯蔵用ラックDは、ラックセル1を水平方向の縦横に複数整列配置し、縦横に隣り合うラックセル1同士を接続して構成されている。また、水平方向の縦方向及び横方向の同一直線上で、互いの先端同士を突き合わせて配設される隣り合うラックセル1の突出部16同士を連接金具50で接続することによって、隣り合うラックセル1同士が接続されている。このとき、連接金具50には、互いの先端同士を付き合わせた突出部16の連通孔18に連通させる貫通孔51が設けられている。そして、連接金具50を所定位置に配置して各突出部16の連通孔18に貫通孔51を連通させるとともに、ボルト(ナット)、小ネジ、リベット、割ピンなどの締付具52を挿通することで、隣り合うラックセル1の各突出部16と連接金具50を締結する。これにより、連接金具50及び締付具52を介して、隣り合うラックセル1が接続され、水平方向の縦横に整列配置した複数のラックセル1が一体に接続されて本実施形態の核燃料貯蔵用ラックDが形成される。
上記した構成を有する本実施形態の核燃料貯蔵用ラックDは、各ラックセル1の核燃料収納空間8に核燃料集合体7を収納した状態で、核燃料貯蔵施設の貯蔵ピット内の水(ほう酸水又は純水)中に貯蔵して保管される。そして、このとき、ラックセル1、特に核燃料貯蔵用ラックDが溶接を用いずに形成されている。このため、従来のように溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれはない。
また、ラックセル1が各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させ、側壁板10〜13の外面から外側に突出部16が突出した状態で形成され、互いの先端同士を突き合わせ、隣り合うラックセル1の突出部16同士を連接金具50及び締付具52で接続して核燃料貯蔵用ラックDが形成されている。このため、突出部16によって、各ラックセル1の対向する側壁板10〜13の外面同士の間に空間Pが形成される。よって、核燃料集合体7を収納した複数のラックセル1からなる本実施形態の核燃料貯蔵用ラックDは、水中に貯蔵した状態で、各ラックセル1の核燃料収納空間8が水で満たされ、隣り合うラックセル1の互いに対向する側壁板10〜13の間Pも水で満たされる。
そして、隣り合うラックセル1の互いに対向する側壁板10〜13の間Pに水が満たされている。これにより、核燃料集合体7から放出される高速中性子を減速して熱中性子に変換し、各側壁板10〜13に添加されているボロン、ガドリニウムなどの放射線吸収材により、中性子が吸収される。
また、ラックセル1の各側壁板10〜13の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、隣り合うラックセル1の互いに対向する側壁板10〜13の間Pの水によって高速中性子を減速させる。これにより、隣のラックセル1に収納した核燃料に高速中性子が影響して臨界になることを確実に防止する。
したがって、本実施形態の核燃料貯蔵用ラックDにおいては、各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させ、各側壁板10〜13の外面から外側に突出した突出部16同士を締結機構14、52で連結し、溶接を用いることなく形成した複数のラックセル1を接続して形成されている。このため、従来のように溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれを解消することができる。よって、信頼性の高い核燃料貯蔵用ラックDを実現することが可能になる。
また、ラックセル1は、各側壁板10〜13の突出部16と凹部17を係合させて組み付け、側壁板10〜13の外面から外側に突出部を突出させて形成される。このため、核燃料貯蔵用ラックDを水中に貯蔵した状態で、隣り合うラックセル1の間に、高速中性子を減速させる減速材としての水を介在させることができる。これにより、ラックセル1の各側壁板10〜13の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水をウォータートラップとして高速中性子を減速させることができる。その結果、臨界安全性を確保することが可能になる。
次に、図13を参照し、本発明の第実施形態に係る核燃料貯蔵用ラックについて説明する。本実施形態は、第実施形態と同様の構成を備えた核燃料貯蔵用ラックに関する。
このため、本実施形態では、第実施形態と同様の構成に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の核燃料貯蔵用ラックEは、図13に示すように、ラックセル1を水平方向の縦横に複数整列配置し、縦横に隣り合うラックセル1同士を接続して構成されている。
また、水平方向の縦方向及び横方向の同一直線上で、互いの先端同士を突き合わせて配設される隣り合うラックセル1の突出部16同士を連接金具50で接続することによって、隣り合うラックセル1同士が接続されている。
一方、本実施形態の核燃料貯蔵用ラックEは、各ラックセル1が高さ方向を複数個に分割可能に形成されている。そして、本実施形態では、例えば高さが4m乃至5mのラックセル1の高さを複数個に分割するように形成されている。さらに、このとき、上下に隣り合う分割セル53の継ぎ目Mを段状にしてラックセル1が形成されている。また、隣り合うラックセル1の継ぎ目M同士が上下方向T1の異なる高さ位置に配して、すなわち、隣り合うラックセル1の継ぎ目Mの高さ位置をずらして、各ラックセル1、特に核燃料貯蔵用ラックEが形成されている。
実施形態(第1参考例、第二参考例、及び、第1実施形態も同様)では、ラックセル1が高さ方向T1に長尺であり、且つ核燃料収納空間8は人が入れるほど広くない。このため、第実施形態のラックセル1においては、奥まった部分の締付具52を締め付けるために特殊な工具を必要とする。
これに対し、本実施形態の核燃料貯蔵用ラックEは、ラックセル1が分割可能に形成されている。このため、第1参考例、第二参考例、第1実施形態、及び第2実施形態に示した作用効果に加え、分割セル53を順次積み重ねつつ締付具52、14によって接続することができ、第1参考例、第二参考例、第1実施形態、及び第2実施形態に示したラックセル1と比較し、特殊な工具を要することなく容易にラックセル1ひいては核燃料貯蔵用ラックEを組み立てることが可能になる。なお、長尺のラチェットレンチで締付具52を締め付けることを想定すると、ラックセル1は、分割セル53の高さを0.2m乃至1.5m程度にして形成されていることが望ましい。
また、隣り合うラックセル1の継ぎ目Mの高さ位置をずらして核燃料貯蔵用ラックEが形成されているため、継ぎ目Mから漏れる中性子を遮断する効果を得ることが可能になる。
以上、本発明に係る核燃料貯蔵用ラックの参考例、及び実施形態について説明したが、本発明は上記の参考例、及び実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第1及び第2参考例では、各側壁板10〜11の全ての突出部16に挿通孔18を設け、さらに第2参考例では、L形金具22に全ての突出部16の挿通孔18に連通する貫通孔24を設け、全ての突出部16とL形金具22を締付具23で締結するという説明を行った。これに対し、例えば図14に示すように、ラックセル20の上端側と下端側でのみ、締付具23によってL形金具22と突出部16を締結するように構成してもよい。また、このとき、上端側と下端側にのみL形金具を配設してもよい。
さらに、上記構成にした場合には、図15及び図16に示すように、上下のL形金具22の間にスペースバー(スペーサ)60を挿入するようにしてもよい。このスペースバー60は、角鋼管などの鋼管、鋼棒、山形鋼、又はX棒などを用いればよく、特に断面形状を限定する必要はない。また、スペースバー60は、ステンレス鋼又は中性子吸収能力に優れる材料からなる。
そして、上記構成を有するスペースバー60を、ラックセル20をセル挿入孔2に挿入した際、ラック本体3のセル収納部6を形成する板材と第1及び第2側壁板10、12の突出部16との間、板材と第2及び第3側壁板12、11の突出部16との間、板材と第3及び第4側壁板11、13の突出部16との間、板材と第4及び第1側壁板13、10の突出部16との間に挿入する。これにより、ラックセル20を安定して保持することを可能にし、好適に核燃料収納空間8を形成することを可能にする。なお、スペースバー60は、ラックセル20の全高にわたって挿入してもよい。この場合には、上述のL形金具22及び締付具23を不要にすることもできる。
また、上述の参考例、及び実施形態では、ラックセル1、20、30の上端から下端まで略均等に締結機構14、21、23、36、50、52を設置するように説明を行った。これに対し、地震時など、収納した核燃料集合体7からセル本体9に外力が作用する場合、使用済み核燃料棒を束ねるグリッド15の高さ位置において核燃料集合体7からセル本体9に外力が作用する。このため、核燃料集合体7のグリッド15と略同等の高さ位置に配される部分にのみ締結機構14、21、23、36、50、52を設けるようにしてもよい。すなわち、締結機構の設置位置は適宜選定すればよい。
また、第実施形態では、締結機構段36の固縛金具38が、4枚の固縛板40〜43を備え、隣り合う固縛板40〜43を回動可能に接続する3つのヒンジ44、45、46を備えて構成されている。これに限らず、例えば図17に示すように、締結機構の固縛金具が、平面視L字状の第1固縛板61と、この第1固縛板61の一端に他端を第1ヒンジ62で回動可能に接続した第2固縛板63とを備え、第1固縛板61の他端側と第2固縛板63の一端側に形成した貫通孔64、65に締付具39を挿通することによってセル本体35を固縛するように構成してもよい。
さらに、第及び第実施形態では、第1参考例のラックセル1を水平方向の縦横に複数整列配置し、縦横に隣り合うラックセル1同士を接続して核燃料貯蔵用ラックD、Eを構成するという説明を行った。これに限らず、第及び第実施形態と同様に、第2参考例及び第1実施形態のラックセル20、30を複数接続して核燃料貯蔵用ラックを構成してもよい。
さらに、第実施形態では、上下に隣り合う分割セル53の継ぎ目Mを段状にしてラックセル1が形成されている。これに限らず、分割セル53の継ぎ目Mの形状は任意の形でよく、例えば図18に示すように、斜めに継ぎ目Mを形成するようにしてもよい。また、ラックセル1の側壁板10〜13ごとに異なる形状で継ぎ目Mを形成するようにしてもよい。この場合においても、隣り合うラックセル1の継ぎ目Mの位置をずらす場合と同様、継ぎ目Mから漏れる中性子を遮断する効果を得ることが可能になる。
また、本発明は、上記の変更例を含め、上述した参考例及び実施形態の構成を適宜組み合わせても勿論構わない。

本実施形態の核燃料貯蔵用ラックによれば、各板部材の突出部と凹部を係合させ、各板部材の外面から外側に突出した突出部同士を締結機構で連結して、溶接を用いることなくラックセルを形成することができる。このため、従来のように、溶接に伴って歪みが生じ、放射線の遮蔽性能などの品質が低下するおそれを解消することができる。その結果、信頼性の高い核燃料貯蔵用ラックを実現することが可能になる。
また、ラックセルが、各板部材の突出部と凹部を係合させて組み付け、板部材の外面から外側に突出部を突出させて形成される。このため、核燃料貯蔵用ラックを水中に貯蔵した状態で、隣り合うラックセルの間に、高速中性子を減速させる減速材として、水を介在させることができる。これにより、ラックセルの各板部材の放射線吸収材で中性子を吸収するだけでなく、この水をウォータートラップとして、高速中性子を減速させることができる。その結果、臨界安全性を確保することが可能になる。
1 ラックセル
2 セル挿入孔
3 ラック本体
4 ベースプレート
5 支持脚部
6 セル収納部
7 核燃料集合体
8 核燃料収納空間
9 セル本体
10 側壁板(板部材)
11 側壁板(板部材)
12 側壁板(板部材)
13 側壁板(板部材)
14 締結機構
15 グリッド
16 突出部
17 凹部
20 ラックセル
21 締結機構
22 L形金具
23 締付具
24 貫通孔
30 ラックセル
31 側壁板(板部材)
32 側壁板(板部材)
33 側壁板(板部材)
34 側壁板(板部材)
35 セル本体
36 締結機構
37 スリット
38 固縛金具
39 締付具
40 固縛板
41 固縛板
42 固縛板
43 固縛板
44 ヒンジ
45 ヒンジ
46 ヒンジ
47 貫通孔
48 貫通孔
50 連接金具
51 貫通孔
52 締付具
53 分割セル
60 スペースバー
A 核燃料貯蔵用ラック
B 核燃料貯蔵用ラック
C 核燃料貯蔵用ラック
D 核燃料貯蔵用ラック
E 核燃料貯蔵用ラック
M 継ぎ目
O1 軸線
T1 上下方向(高さ方向)

Claims (3)

  1. 核燃料集合体を収納する複数のラックセルを備えた核燃料貯蔵用ラックであって、
    前記ラックセルは、放射線吸収材を含んでなり、前記核燃料集合体を収納する核燃料収納空間を形成するように立設される複数の板部材と、前記複数の板部材を締結する締結機構とを備えてなり、
    前記板部材が、上下方向に延びる一側端と他側端からそれぞれ横方向外側に突出する突出部と、前記突出部によって一側端側と他側端側に形成される凹部とを備えて形成され、
    隣り合う前記板部材のうちの一方における前記突出部と、他方における前記凹部を係合させて複数の板部材を組み付けた状態で、各前記板部材の前記突出部の先端から基端側に延びるスリットに嵌合させて前記突出部同士を締結する固縛板を、前記締結機構が備えている核燃料貯蔵用ラック。
  2. 請求項1に記載の核燃料貯蔵用ラックにおいて、
    板材を格子状に組み付けて水平方向の縦横に整列配置された複数のセル挿入孔を有するラック本体を備え、
    前記ラック本体の前記セル挿入孔に前記ラックセルを挿入して収納するように構成されている核燃料貯蔵用ラック。
  3. 請求項1又は2に記載の核燃料貯蔵用ラックにおいて、
    前記ラックセルを水平方向の縦横に整列配置するとともに、隣り合う前記ラックセルの前記突出部同士を接続して一体形成されている核燃料貯蔵用ラック。
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