JP5637865B2 - 1,5−ag含有組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、1,5-D-アンヒドログルシトール(本明細書では「1,5-AG」と略す場合がある)含有組成物に関する。さらに詳しくは、1,5-AGを含有する食後過血糖改善用組成物、食後過血糖の予防剤及び改善剤の製造のための1,5-AGの使用、食後過血糖の予防及び改善に使用するための1,5-AG、前記組成物を摂取させる工程を含む食後過血糖の予防及び改善方法、1,5-AGを含有する食後過血糖予防及び改善用食品、1,5-AGからなる食後血糖上昇抑制剤に関する。また、1,5-AGを含有する食後高脂血症改善用組成物、食後高脂血症の予防剤及び改善剤の製造のための1,5-AGの使用、食後高脂血症の予防及び改善に使用するための1,5-AG、前記組成物を摂取させる工程を含む食後高脂血症の予防及び改善方法、1,5-AGを含有する食後高脂血症予防及び改善用食品、1,5-AGからなる食後血中中性脂肪上昇抑制剤、1,5-AGからなる脂肪吸収抑制剤に関する。
糖尿病や高血圧等の生活習慣病の最大の原因は肥満であり、肥大脂肪細胞からの過剰分泌物によってインスリン抵抗性が惹起される。これに対して、インスリン感受性増強作用を有する善玉アディポカインの1種であるアディポネクチンが注目されている。
アディポネクチンは、筋肉や肝臓でAMPキナーゼを活性化して、筋肉では糖や脂肪を取り込んで燃焼させ、肝臓では糖新生や脂肪合成を抑制する一方で脂肪の燃焼を促進することにより、インスリン感受性を増強するという作用を有する。また、インスリン感受性が低い患者、例えば、糖尿病の患者においては、アディポネクチンの血中濃度が低いが、アディポネクチンの血中濃度が上がると血糖値が下がることが分かっている。
このように、アディポネクチンの血中濃度を高めることにより、生活習慣病や糖尿病の予防や改善効果が得られることが期待され、特許文献1では、アディポネクチン産生増強剤として、1,5-D-アンヒドログルシトールが報告されている。
特開2008−195630号公報
しかしながら、アディポネクチンは前駆脂肪細胞や肥大脂肪細胞からは分泌されず、小型脂肪細胞(正常状態の脂肪細胞)からのみ分泌されるため、アディポネクチンを増大させるためには小型脂肪細胞を増加させる必要がある。この小型脂肪細胞は、前駆脂肪細胞からの分化や肥大脂肪細胞の縮小によって得られるものであり、例えば、WO2005/094866号パンフレットには、前駆脂肪細胞からの小型脂肪細胞への分化には10日要することが記載されており、これらの細胞過程には少なくとも5日以上要することが知られている。従って、アディポネクチン産生増強剤によって血液中のアディポネクチンを増大させて血糖値を下げるという効果を得るには、少なくとも週単位の時間を要する。
また、アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるが、BMI(body mass index、肥満度指数)や内臓脂肪量の増加につれ血中濃度が逆に減少するという特徴も有している。しかしながら、その血中濃度は日内変動がなく、食事の影響も受けないため、食事により一過的に増加する血糖値を低下させる効果を得るには十分とは言えない。
一方、食生活の欧米化により、高脂肪食を摂取して血液中の中性脂肪が増加する傾向にある。中性脂肪は、生活習慣病の指標として、血糖値とともに低下させることが求められているが、近年、食後の過血糖や高脂血症を改善することが生活習慣病の治療に有効であることが明らかとなっている。
本発明の課題は、食事による血糖値や血中中性脂肪値の上昇を速やかに抑制する効果を有する食後過血糖改善用組成物及び食後高脂血症改善用組成物を提供することにある。また、前記効果を有する食後過血糖予防及び改善用食品、食後高脂血症予防及び改善用食品、食後血糖上昇抑制剤、食後血中中性脂肪上昇抑制剤、ならびに脂肪吸収抑制剤を提供することにある。またさらに、食後過血糖の予防剤及び改善剤の製造のための1,5-AGの使用、食後高脂血症の予防剤及び改善剤の製造のための1,5-AGの使用、食後過血糖の予防及び改善に使用するための1,5-AG、食後高脂血症の予防及び改善に使用するための1,5-AG、食後過血糖の予防及び改善方法、食後高脂血症の予防及び改善方法を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有してなる食後高脂血症改善用組成物であって、食事による血中中性脂肪の上昇を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する食後高脂血症改善用の組成物(但し、食品を除く)
〔2〕 食事による血中中性脂肪の上昇を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する食後高脂血症の予防剤及び/又は改善剤(但し、食品を除く)の製造のための、1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの使用、
〔3〕 1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つからなる、食事による血中中性脂肪の上昇を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する食後血中中性脂肪上昇抑制剤(但し、食品を除く)、ならびに
〔4〕 1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つからなる、食事による脂肪吸収を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する脂肪吸収抑制剤(但し、食品を除く)
に関する。
本発明の食後過血糖改善用組成物及び食後高脂血症改善用組成物は、血糖値や血中中性脂肪値の食事による急激な上昇を速やかに抑制することができるという効果を奏するものである。
図1は、1,5-AG誘導体のリパーゼによる加水分解の結果を示す図である。 図2は、D-グルコース又は1,5-AGを投与した場合の血糖値の変化を示す図である。 図3は、D-グルコースのみを単独投与した場合、D-グルコースと1,5-AGを同時に投与した場合の血糖値の変化を示す図である。 図4は、脂肪乳剤のみを単独投与した場合、脂肪乳剤と1,5-AGを同時に投与した場合の血中トリグリセリド濃度の変化を示す図である。
本発明は、食後の血糖値や血中中性脂肪値の上昇抑制において、1,5-AGを用いることに大きな特徴を有する。
健常人の場合、空腹時の血糖値は110mg/dL未満、空腹時の血中中性脂肪値は50〜149mg/dLと正常状態を示し、血糖値や血中中性脂肪値は食事により一時的に上昇して、その後元に戻る。しかし、血糖値や血中中性脂肪値は食事の内容や量、体調等によっても大きく変動しやすいためコントロールすることが難しい。また、健常人であっても、食後過血糖の状態や食後高脂血症の状態が続くと、糖尿病、高血圧等の生活習慣病を発症し、心筋梗塞や脳卒中等の動脈硬化性疾患のリスクが高くなる。そこで、食後の血糖値や血中中性脂肪値の上昇を抑制して食後過血糖や食後高脂血症の状態を改善することが望まれている。本発明においては、詳細な機構は不明なるも、1,5-AGを食事の直前、食事中あるいは食後や食間に摂取することにより、摂取直後から、食後の血糖値や血中中性脂肪値の急激な上昇を抑制する効果が現れて、食後過血糖や食後高脂血症の状態を改善することができる。1,5-AGによるこの作用は、発現に長時間(5日以上)を要するアディポネクチンによるものとは考えられず、未だ知られていない機構によるものと推定している。また、1,5-AGは、空腹時等の正常状態の血糖には影響しないため低血糖を招く恐れもなく、安全な化合物である。なお、本明細書において「食後過血糖」とは、食後の血糖値が異常に高くなる状態のことを、「食後高脂血症」とは、食後の血液中の中性脂肪値が異常に高かったり、通常は約12時間で元に戻る値が時間がたっても戻らなかったりする状態のことをいう。また、本発明の組成物を摂取することにより食後の血糖値や血中中性脂肪値の上昇が抑制されるという効果は、対象者によって一概には決定されないが、摂取直後、好ましくは1分〜6時間、より好ましくは1分〜2時間の間に奏される。従って、健常人でも、高糖含有食や高脂肪食を摂取後あるいは同時に本発明の組成物を摂取することにより、本発明の効果が奏される。また、本発明の組成物が効果を奏するには前記時間を要することから、食後の血糖値や血中中性脂肪値の上昇を予防するという観点から、本発明の組成物を使用してもよい。かかる場合、本発明の組成物は、食後過血糖予防用組成物や食後高脂血症予防用組成物でもある。
また、健常人に限らず、WHO(世界保健機構)により「空腹時の血糖値が126mg/dL未満であり、かつ、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値の血糖値が140〜199mg/dLを示す病態」と定義される症状、即ち、耐糖能異常(impaired glucose tolerance、IGT)や、空腹時の血糖値が110〜126mg/dLである空腹時血糖異常(impaired fasting glucose、IFG)は、糖尿病発症リスクが高い糖尿病予備軍と考えられている。糖尿病の治療には、血糖値をできる限り正常化することが最善であり、血糖値の管理がより重要となる。従って、両者に対しても、1,5-AGは食後の血糖上昇を抑制する効果を有するため、糖尿病等の予防効果が期待される。
また同様に、空腹時の血中中性脂肪値は正常であるが、脂肪負荷後の血中中性脂肪値のピーク時間が遅延して正常状態に戻るのに時間を要する患者(血清脂質代謝異常)や、空腹時の中性脂肪値が高い空腹時血清中性脂肪異常は、高脂血症リスクが高いため、血中中性脂肪値の低下が求められている。このような患者に対しても、1,5-AGは食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する効果を有するため、有効な予防手段と考えられる。
本発明の食後過血糖改善用組成物及び食後高脂血症改善用組成物(両組成物をまとめて、本発明の組成物ともいう)は、1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する。
1,5-D-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は、α-D-グルコースの1位が還元された構造であり、体内に最も多く存在するポリオールの一つである。また、1,5-D-アンヒドロフルクトース(以下、1,5-AFともいう)は、生体内においてNADPH依存性の還元酵素によって還元されて1,5-AGを生じる。従って、1,5-AFの摂取後、体内で1,5-AGに変換されて本発明の効果が発現する。同様に、1,5-AG及び1,5-AFの誘導体についても同じことが言える。
1,5-AG及び1,5-AFの誘導体としては、生体内にて1,5-AGを生じるものであれば特に限定はなく、例えば、式(I):
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、糖類、アミノ酸類、ビタミン類、ビタミン様作用物質類又は脂肪酸類を示し、但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない)
で表わされる1,5-AGの誘導体が好適例として挙げられる。
式(I)におけるRは、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、糖類、アミノ酸類、ビタミン類、ビタミン様作用物質類又は脂肪酸類を示すが、但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。
糖類としては、アルドース、ケトース、アルジトール、デオキシ糖、アンヒドロ糖、アミノ糖、イノシトール、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、カルバ糖、チオ糖、イミノ糖、アザ糖等の炭素数3〜7の化合物である単糖類、ならびにそれらを構成成分とする二糖類及び多糖類が挙げられる。なお、構成する糖の構造はピラノース、フラノースなどの環状、直鎖のいずれでもよい。具体的には、キシロース、リキソース、アラビノース、リボース、グルコース、アロース、ガラクトース、イドース、タロース、マンノース、アルトロース、エリスリトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、アラビトール、マンニトール、ソルビトール、アリトール、タリトール、ガラクチトール、イディトール、myo−イノシトール、リブロース、キシルロース、フルクトース、プシコース、タガトース、ソルボース、ラムノース、フコース、グルクロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン等の単糖類;マルトース、ラクトース、トレハロース、イソマルトース、スクロース、セロビオース、ニゲロース等の二糖類;前記単糖類、二糖類がα1‐2結合、α1‐3結合、α1‐4結合、α1‐6結合、β1‐2結合、β1‐3結合、β1‐4結合、β1‐6結合などの各結合様式で結合した多糖類等が例示される。
これらのなかでは、生体内での分解性の観点からグルコース、ガラクトース、グルクロン酸、マルトース、イソマルトース、ラクトース等の単糖類、ならびにそれらを構成成分とする二糖類及び多糖類が好ましい。なお、これらの糖類を有する誘導体は、体内で小腸グリコシダーゼであるマルターゼ、イソマルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ、セロビアーゼ、トレハラーゼや生体内のアミラーゼ、アミロクリコシダーゼ、グルコシダーゼ、マンノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、フコシダーゼ、グルクロニダーゼ、α-グリコシダーゼ、β-グリコシダーゼなどの一連の酵素群あるいは胃液、膵液中など消化液中のリパーゼ、アミラーゼあるいは腸内細菌が持つグルクロニダーゼ、ガラクトシダーゼあるいは、胃酸など生理的酸性条件下において加水分解されて1,5-AGに変換される。
アミノ酸類としては、L型アミノ酸残基、D型アミノ酸残基、それらの混合物、又はそれらの誘導体の何れでもよい。また、アミノ酸の種類としては、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸の何れでもよいが、α-アミノ酸が好ましい。具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン等が例示される。これらのアミノ酸類を有する誘導体は、生体内においてグリコシダーゼ、ペプチダーゼ、エステラーゼなどによって加水分解され、あるいは組織細胞内の生理的酸性またはアルカリ性条件に曝露されることで加水分解されて1,5−AGに変換される。
ビタミン類及びビタミン様作用物質類としては、ビタミンA、ビタミンB1(サイアミン、チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸)、ビタミンB17(レートリル、アミグダリン)、イノシトール、コリン、ビタミンF、フラボノイド等が例示される。これらのビタミン類及びビタミン様作用物質類を有する誘導体は、生体内においてグリコシダーゼ、ペプチダーゼ、エステラーゼなどによって加水分解され、あるいは組織細胞内の生理的酸性またはアルカリ性条件に曝露されることで加水分解されて1,5−AGに変換される。
脂肪酸類としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イコサン酸、パルミチン酸等の炭素数2〜20の脂肪酸が好ましく、炭素数8〜20の脂肪酸がより好ましい。これらの脂肪酸類を有する誘導体は、生体内において膵液リパーゼを始めとする各種エステラーゼなどによって加水分解され、あるいは組織細胞内の生理的酸性またはアルカリ性条件に曝露されることで加水分解されて1,5−AGに変換される。
なお、前記糖類、アミノ酸類、ビタミン類、ビタミン様作用物質類又は脂肪酸類は、生体内で1,5−AGに変換されるのであれば、糖類、アミノ酸類、ビタミン類、ビタミン様作用物質類又は脂肪酸類そのものでも、それらの塩であってもよい。また、R、R、R及びRとしての、糖類、アミノ酸類、ビタミン類、ビタミン様作用物質類又は脂肪酸類とは、1,5−AGと結合した残基のことを意味する。
1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体は、市販品であっても、当該分野で公知の任意の方法、例えば、特開2008−54531号公報、J. Am. Chem. Soc., 72, 4547(1950)、J. Chem. Soc., 214 (1956)や以下に記載の方法により合成されたものであってもよい。市販品としては、1,5-anhydro-D-glucitol(和光純薬社製)等が例示される。
以下に、1,5-AGの誘導体の合成方法について具体例を挙げる。マルトースを原料とし、J. Am. Chem. Soc., 37, 1264(1915)の方法に準じて、オクタアセチルマルトースを定量的に合成した。続いて、J. Am. Chem. Soc., 72, 4547(1950)に準じて、水素化臭素によるBr化、水素化アルミニウムリチウムによる還元の各工程を行い、1−デオキシマルトース(1-O-α-D-グルコピラノシル-1,5-D-アンヒドログルシトール)を収率85〜95%で合成した。なお、得られた誘導体の構造確認は、例えば、NMR、IR、旋光度、MS、融点測定等の公知の方法に従って行うことができる。
1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、本発明の組成物における総含有量は特に限定はなく、通常1〜100重量%程度である。
本発明の組成物の形態としては、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを体内に摂取することができる形態であれば特に限定はないが、1,5-AGの効果発揮の観点から、食品に1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体を容易に配合することができる形態(例えば、粉末形態、顆粒形態)や、手軽に摂取できる観点から、サプリメントとして摂取可能な錠剤形態等が例示される。なお、本発明の組成物を配合した食品、即ち、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する食品は、食後過血糖予防及び改善作用や食後高脂血症予防及び改善作用を有する保健機能食品や健康食品として、例えば、食後過血糖や食後高脂血症の予防及び/又は改善のために用いられるものである旨の表示を付して提供することが可能になると考えられる。ここで、保健機能食品とは、厚生労働省の定める保健機能食品を意味し、栄養機能食品及び特定保健用食品を含み、保健機能食品や健康食品としては、食品及び飲料のいずれであってもよい。なお、本明細書において、「予防及び改善」とは、予防及び/又は改善を意味する。
また、輸液、透析等の経口以外の方法によって糖を体内に取り込むこと(本明細書において、経口以外の糖取り込みともいう)により、食後過血糖と同様の一過的な血糖上昇が生じる。このような状況での血糖コントロールの悪化は生命を脅かすこともあるため、インスリン投与や食事療法、経口薬などによる血糖コントロールが行われている。本発明の組成物は、このような血糖上昇も改善することができることから、本発明はまた、1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有し、経口以外の糖取り込みによる過血糖の予防及び/又は改善のために用いられるものである旨の表示を付した食品を提供する。
上記形態を有する本発明の組成物は、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有するものであれば、常法に従って調製することができる。また、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体をこれらと同じ用途に使用可能な他の成分、例えば公知の食後過血糖改善作用を有する成分や公知の食後高脂血症改善作用を有する成分等と配合して調製することもできる。
本発明の組成物の摂取量は、その形態、摂取方法、摂取目的及び該組成物の摂取対象者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではないが、例えば、1mg以上/回が好ましい摂取量として挙げられる。また、摂取は、所望の摂取量範囲内において、1日内において単回で又は数回に分けて行ってもよいが、摂取により生体内の1,5-AGを増加させて食後過血糖及び食後高脂血症の状態を速やかに改善させる観点から、本発明の組成物は食前、食後又は食品と同時に摂取されることが好ましい。また、食後血中中性脂肪値は元の状態に戻るには通常4〜8時間程度要すること(多田紀夫、「食後高脂血症」、臨床医薬、21巻、2号、2005)や食後血糖値も同様な場合があることから、食前、食後、食間又は食品と同時に摂取されてもよい。また、輸液や透析等の経口以外の糖取り込み時の過血糖を速やかに改善させる観点から、輸液や透析等の経口以外の糖取り込みの直前、取り込み中、取り込み後に摂取されてもよい。摂取期間は任意であり、毎回、食事の際に摂取してもよく、あるいは、高糖含有食や高脂肪食を摂取した場合、輸液や透析時等に摂取するというのでもよい。なお、本明細書において、「食品」とは、主に食用として提供され摂取することで血糖値や血中中性脂肪値が上昇する飲食物を意味し、例えば、飴、ガム、ジュース等のお菓子類も含む。「食前」は食品を食する30分程度前からの時間を、「食後」は食品を食した後から30分程度後までの時間を、「食間」は食品を食した後2時間程度後の時間を意味する。また、「摂取」とは、「摂取」及び/又は「投与」のことを意味する。
本明細書の摂取対象者としては、好ましくは食後過血糖又は食後高脂血症を改善する作用を必要とするヒトであるが、ペット動物等であってもよい。
かくして、本発明の組成物を摂取することにより、食事による血糖値や血中中性脂肪値の急激な上昇を速やかに抑制することができる。従って、本発明はまた、食後過血糖の予防剤及び/又は改善剤の製造のための、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの使用、食後高脂血症の予防剤及び/又は改善剤の製造のための、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの使用を提供する。ならびに、本発明は、食後過血糖の予防及び/又は改善に使用するための1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物、食後高脂血症の予防及び/又は改善に使用するための1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を提供する。
本発明はまた、摂取対象者に、本発明の組成物を摂取させる工程を含む食後過血糖の予防及び/又は改善方法、前記組成物を摂取させる工程を含む食後高脂血症の予防及び/又は改善方法を提供する。
またさらに、1,5-AGは、食後の血糖値上昇及び中性脂肪値上昇を抑制することができることから、本発明は、また、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つからなる食後血糖上昇抑制剤、及び食後血中中性脂肪上昇抑制剤を提供する。
また、1,5-AGは食後の血中の中性脂肪値の上昇を抑制するため、ひいては脂肪の吸収を抑制するものと考えられる。従って、本発明は、1,5-AG、1,5-AF及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つからなる脂肪吸収抑制剤を提供する。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。なお、実施例で用いた1,5-D-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は、J. Am. Chem. Soc., 72, 4547(1950)に記載の方法に従って合成したものを用いた。
1,5-AGの誘導体の合成例1(1,5-アンヒドログルシトールオクタン酸エステルの合成)
1,5-D-アンヒドログルシトールとオクタン酸ビニルを基質として有機溶媒中リパーゼ(NOVOZYM435)を作用させることで、1,5−アンヒドログルシトール-6-O-オクタン酸エステル(1,5-AG-Octanoate)を収率90%で合成した。
1,5-AGの誘導体の合成例2(1,5-アンヒドログルシトールパルミチン酸エステルの合成)
1,5-D-アンヒドログルシトールとパルミチン酸ビニルを基質として有機溶媒中リパーゼ(NOVOZYM435)を作用させることで、1,5−アンヒドログルシトール-6-O-パルミチン酸エステル(1,5-AG-Palmitate)を収率92%で合成した。
1,5-AG誘導体の合成例3(1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトラアセテートの合成)
D-グルコースを原料として、J. Chem. Soc., 214 (1956)に記載の方法に従って、1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトラアセテートを収率90%で合成した。
1,5-AG誘導体の合成例4(1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトララウレートの合成)
D-グルコースを原料として、J. Chem. Soc., 214 (1956)に記載の方法に従って、1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトララウレートを収率70%で合成した。以下に、NMR(1H、13C)、IR、旋光度、MS、融点測定による構造確認の結果を示す。
H-NMR(DMSO-d6, 300MHz)δ:0.83-0.88(m,12H), 1.18-1.31(m,66H), 1.46-1.54(m,8H), 2.18(t,8H,J=7.3Hz), 2.49-2.52(m,8H)
13C-NMR(DMSO-d6, 300MHz)δ:174.4, 33.6, 31.3, 29.0, 28.9, 28.7, 28.6, 28.5, 24.5, 22.1, 13.9
IR(KBr): 3749, 3672, 3614, 1701, 1469, 1431, 1350, 1305, 1246cm-1
〔α〕D: +3.4°(CHCl3,C=1.0)
FAB-MS(m/z):measured mass 893.74225(M+1)+, calculated mass 893.74453(M+1)+
m.p: 44℃
1,5-AG誘導体の合成例5(1-デオキシイソマルトトリオース-デカアセテートの合成)
イソマルトトリオースを原料として、J. Chem. Soc., 214 (1956)に記載の方法に従って、1-デオキシイソマルトトリオース-デカアセテートを収率91%で合成した。以下に、NMR(1H)、IR、旋光度、MS、融点測定による構造確認の結果を示す。
H-NMR(CDCl3, 300MHz)δ:1.97-2.17(m,60H), 3.46-3.82(m,5H), 3.93-4.22(m,4H), 4.72-5.26(m,10H), 5.39-5.48(m,3H)
IR(KBr): 3024, 2951, 1755, 1435, 1373, 1223, 1165, 1038cm-1
〔α〕D: +142.9°(CHCl3,C=1.0)
FAB-MS(m/z):measured mass 909.28205(M+1)+, calculated mass 909.28763(M+1)+
m.p: 96℃
1,5-AG誘導体の合成例6(1-デオキシイソマルトトリオースの合成)
1,5-AG誘導体の合成例5と同様にして、1-デオキシイソマルトトリオース-デカアセテートを合成し、さらに、これをCan. J. Chem., 49, 493 (1971)に記載の方法に準じて脱アセチル化することで、1-デオキシ-イソマルトトリオースを収率53%で得た。以下に、NMR(1H、13C)、IR測定による構造確認の結果を示す。
H-NMR(DMSO-d6, 300MHz)δ:2.89-4.85(m,19H), 4.24(br-s,1H), 4.63(br-s,2H)
13C-NMR(DMSO-d6, 300MHz)δ:102.4×2, 102.1, 98.7, 98.2, 97.0, 94.1, 76.8, 74.9, 73.3, 72.5, 72.1, 71.4, 70.6, 70.4, 70.2, 62.9, 60.9
IR(KBr): 3750-3300(br-s), 2920, 2850, 1597, 1458, 1419, 1362, 1153, 1022cm-1
実施例1−1 (1,5-AG誘導体のリパーゼによる加水分解)
リパーゼはブタすい臓由来(ナカライテスク社製)を用いた。200mMリン酸緩衝液(pH7.5)に酵素タンパク質を溶解して酵素溶液を調製した。次に、1,5−アンヒドログルシトール-6-O-オクタン酸エステル(合成例1)、及び1,5-アンヒドログルシトール-6-O-パルミチン酸エステル(合成例2)の各脂肪酸エステル水溶液(50mM)500μLに、前記酵素溶液200μLを加え、37℃でインキュベーションした。反応停止は沸騰水浴中で3分間加熱することで行い、生成した1,5-アンヒドログルシトール量(1,5-AG量)をHPLCにて定量した。結果を図1に示す。なお、脂肪酸エステルが全て分解された場合の1,5-AG量を100%とした。
図1より、ブタすい臓由来のリパーゼ存在下で、1,5−アンヒドログルシトール-6-O-オクタン酸エステル及び1,5-アンヒドログルシトール-6-O-パルミチン酸エステルから1,5-AGがそれぞれ遊離することを確認した。10分間の反応においてオクタン酸エステルで約70%、パルミチン酸エステルで約15%が分解されており、両者ともに120分ではほぼ全ての脂肪酸エステルが分解されていた。この結果より、哺乳動物の膵液に存在するリパーゼ群により1,5-AGの脂肪酸エステルが加水分解を受け、1,5-AGを遊離することが示唆された。
実施例1−2 (1,5-AG誘導体のリパーゼによる加水分解)
リパーゼはブタすい臓由来(ナカライテスク社製)を用いた。200mMリン酸緩衝液(pH7.5)に酵素タンパク質を溶解して酵素溶液を調製した。次に、1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトラアセテート(合成例3)、及び1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトララウレート(合成例4)に、前記酵素溶液200μLを加え、37℃で180分インキュベーションした。反応停止は沸騰水浴中で3分間加熱することで行い、生成した1,5-アンヒドログルシトール量(1,5-AG量)をHPLCにて定量した。結果を表1に示す。なお、脂肪酸エステルが全て分解された場合の1,5-AG量を100%とした。
表1より、ブタすい臓由来のリパーゼ存在下で、1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトラアセテート、及び1,5−アンヒドログルシトール-2,3,4,6-O-テトララウレートから1,5-AGがそれぞれ遊離することを確認した。この結果より、哺乳動物の膵液に存在するリパーゼ群により1,5-AGの糖誘導体が加水分解を受け、1,5-AGを遊離することが示唆された。
実施例2−1 (1,5-AG誘導体の小腸グリコシダーゼによる加水分解)
ラット小腸由来グリコシダーゼは、Kesslerらの方法でWistar系雄性ラット(10週齢、体重約290〜310g)の空腸から小腸刷子縁膜を調製し粗酵素とした(Kessler, M., Acuto, O., Storelli, C., Murer, H., Muller, M. and Semenza, G. (1978) A modifild procedure for the rapid preparation of efeiciently transporting vesicles From Small Intestinal Brush Border Membranes, Bio.Bio.Acta, 506, 136-154.)。
次に、1,5-AG誘導体として、1-デオキシ-マルトース(4-O-α-D-グルコピラノシル-1,5-D-アンヒドログルシトール)及び1-デオキシ-ラクトース(4-O-α-D-ガラクトピラノシル-1,5-D-アンヒドログルシトール)について、上記で得られた酵素液20μLに200mMリン酸緩衝液(pH 6.8)50μLを加えて37℃で30分間プレインキュベーションした後、100mMの各サンプル50μLを加え37℃で30分間インキュベーションした。反応は沸騰水浴中で3分間加熱することにより停止し、生成したD-グルコースの量及び1,5-AGの量は高速液体クロマトグラフ法により定量した。また、比較対照としてマルトース及びラクトースをそれぞれ同様に試験した。結果を表2に示す。
小腸刷子縁膜グリコシダーゼの存在下で、1-デオキシ-ラクトース又はラクトースを30分間インキュベーションした結果、1-デオキシ-ラクトースから遊離された1,5-AG量とラクトースから遊離されたD-グルコース量はほぼ等しかった。さらに、D-グルコース2分子から構成されるマルトース又は1,5-AGとD-グルコース各1分子から構成される1-デオキシ-マルトースを用いた場合、1-デオキシ-マルトースから遊離されたD-グルコース量は、マルトースから遊離された量の約50%であった。これらの結果から、1-デオキシ-ラクトース又は1-デオキシ-マルトースは、哺乳動物の小腸に局在するグリコシダーゼ群により加水分解を受け、1,5-AGを遊離することが示唆された。
実施例2−2 (1,5-AG誘導体の小腸グリコシダーゼによる加水分解)
実施例2−1と同様にして得られたラット小腸由来グリコシダーゼ20μLに200mMリン酸緩衝液(pH6.8)50μLを加えて37℃で30分間プレインキュベーションした後、100mMの1-デオキシ-イソマルトトリオース(合成例6)50μLを加え37℃でインキュベーションした。反応は沸騰水浴中で3分間加熱することにより停止した。反応液中の遊離した1,5-AGをHPLC(カラム;HITACHI GL-C611)にて分析することにより定量した。結果を表3に示す。
表3に示すように、1,5-AGが反応液中に存在することが確認された。この結果から、1-デオキシ-イソマルトトリオースは、哺乳動物の小腸に局在するグリコシダーゼ群により加水分解を受け、1,5-AGを遊離することが示唆された。
実施例2−3 (1,5-AG誘導体の小腸グリコシダーゼ及びリパーゼによる加水分解)
実施例1−1と同様にして得られたブタすい臓由来リパーゼ(ナカライテスク社製)の酵素溶液100μL、及び実施例2−1と同様にして得られたラット小腸由来グリコシダーゼ100μLを100mMリン酸緩衝液(pH6.8)100μLに溶解させた。この酵素混合溶液200μLに1-デオキシ-イソマルトトリオース-デカアセテート(合成例5)を加えて37℃で180分間インキュベーションした。反応は沸騰水浴中で3分間加熱することにより停止した。反応液中の遊離した1,5-AGをHPLC(カラム;HITACHI GL-C611)にて分析することにより定量し、1,5-AGへの変換理論量を100%とした際の1,5-AGへの変換率(%)を算出した。結果を表4に示す。
表4のように、反応液中に1,5-AGが存在することが確認された。この結果から、1-デオキシ-イソマルトトリオース-デカアセテートは、哺乳動物の膵液に存在するリパーゼ群及び小腸に局在するグリコシダーゼ群により加水分解を受け、1,5-AGを遊離することが示唆された。
実施例3 (1,5-AGの絶食下血糖に与える影響)
一晩絶食させた7週齢のddy系雄性マウス(Japan SLC, Inc.より購入、平均体重30g)に、D-グルコース又は1,5-AGを含有する注射用水(大塚製薬社製)を、それぞれ2.5g/kg体重となるように胃ゾンテにて経口投与した(各群5匹)。投与後15、30、60及び120分に尾静脈から採血し、血糖値を測定した。血糖値の測定はアントセンスIII(バイエルメディカル社製)にて測定した。結果を図2に示す。
図2より、D-グルコース溶液を単独投与した群では、投与後、速やかな血糖値の上昇が認められ、15分後には血糖値が366±31mg/dL、30分後には394±40mg/dLに達した。その後、血糖値は徐々に低下し、120分後には投与開始前の正常血糖値まで回復した。一方、1,5-AG溶液のみを投与した群では投与開始から120分後まで血糖値の変化は、ほとんど認められず、1,5-AG自体は血糖値に影響を及ぼさず、低血糖を起こす危険性が極めて少ない化合物であることが示唆された。
実施例4 (1,5-AGの食後血糖に与える影響)
一晩絶食させた7週齢のddy系雄性マウス(Japan SLC, Inc.より購入、平均体重30g)に、D-グルコース又はD-グルコースと1,5-AGを含有する注射用水(大塚製薬社製)を、D-グルコース単独投与群には2.5g/kg体重、D-グルコースと1,5-AGの併用群1にはD-グルコース2.5g/kg体重、1,5-AG250mg/kg体重、併用群2にはD-グルコース2.5g/kg体重、1,5-AG500mg/kg体重となるように胃ゾンテにて経口投与した(各群5匹)。投与後15、30、60及び120分に尾静脈から採血し、血糖値を測定した。血糖値の測定は実施例1と同様にして行った。結果を図3に示す。なお、図中の「**」は、有意差(p<0.01)があることを示す。
図3より、1,5-AG(500mg/kg体重)併用群では15分後の血糖値が231±4mg/dL、30分後には252±12mg/dLまでしか上昇せず、また1,5-AG(250mg/kg体重)併用群でも15分後の血糖値が267±11mg/dL、30分後には295±20mg/dL程度の上昇にとどまり、グルコース溶液を単独投与した際に認められた食後過血糖は有意(p<0.01)に抑制されることが判明した。これらより、1,5-AGは、食事による血糖値の急激な上昇を抑制し、食後過血糖を改善する効果があることが示唆された。
実施例5 (1,5-AGの食後血中中性脂肪に与える影響)
一晩絶食させた12週齢のWistar系雄性ラット(Japan SLC, Inc.より購入、平均体重310g)に、脂肪乳剤〔イントラリピッド(登録商標)、大塚製薬社製〕のみを2.0g/kg体重となるように単独で、又は前記脂肪乳剤と1,5-AGを、脂肪乳剤2.0g/kg体重、1,5-AG500mg/kg体重となるように同時に、それぞれ胃ゾンテにて経口投与した(各群5匹)。投与後120、180、240及び300分に尾静脈から採血し、血中中性脂肪として、血中中性脂肪(血中トリグリセリド)濃度を測定した。血中トリグリセリド濃度の測定はトリグリセライドE-テストワコー(和光純薬工業社製)にて定量した。結果を図4に示す。なお、図中の「*」は、有意差(p<0.05)があることを示す。
図4より、脂肪乳剤を単独投与した群では、投与後、速やかな血中トリグリセリド値の上昇が認められ240分後にピークに達した。一方、脂肪乳剤と1,5-AGを同時投与した群では、単独投与群で認められた食後血中トリグリセリド濃度の上昇が有意(p<0.05)に抑制された。以上の結果から、1,5-AGの摂取は、食事による急激な血中トリグリセリド値の上昇を抑制する効果があることが示唆された。
参考例1(1,5-AGの単回投与による急性毒性試験)
1,5-AGを一回に投与しうる最大量と考えられる10g/kg体重をマウス(6週齢のddy系雄性マウス、Japan SLC, Inc.より購入)3匹に経口投与した。その結果、3匹すべて生存し、臓器、行動等に変化は認められなかった。
本発明の食後過血糖改善用組成物及び食後高脂血症改善用組成物は、食後過血糖や食後高脂血症の症状を有する人やその兆候がある人において、前記症状を改善するために好適に用いられる。

Claims (5)

1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有してなる食後高脂血症改善用組成物であって、食事による血中中性脂肪の上昇を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する食後高脂血症改善用の組成物(但し、食品を除く)
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、あるいは生体内で加水分解される糖、アミノ酸、ビタミン、又は脂肪酸を示し、但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない)
食前、食後、食間又は食品と同時に摂取するための、請求項1記載の組成物。
食事による血中中性脂肪の上昇を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する食後高脂血症の予防剤及び/又は改善剤(但し、食品を除く)の製造のための、1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの使用。
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、あるいは生体内で加水分解される糖、アミノ酸、ビタミン、又は脂肪酸を示し、但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない)
1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つからなる、食事による血中中性脂肪の上昇を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する食後血中中性脂肪上昇抑制剤(但し、食品を除く)
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、あるいは生体内で加水分解される糖、アミノ酸、ビタミン、又は脂肪酸を示し、但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない)
1,5-D-アンヒドログルシトール、1,5-D-アンヒドロフルクトース及び式(I)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つからなる、食事による脂肪吸収を摂取後、少なくとも4時間にわたって抑制する脂肪吸収抑制剤(但し、食品を除く)
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、あるいは生体内で加水分解される糖、アミノ酸、ビタミン、又は脂肪酸を示し、但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない)
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