JP5637006B2 - ガスバリア性フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ガスバリア性フィルムおよびその製造方法に関し、例えば、食品や医薬品等の包装分野、太陽電池の保護シート等に用いられるガスバリア性を有した機能性フィルムおよびその製造方法に関するものである。
水蒸気や酸素のガスバリア性能は、従来の食品や医薬品等の包装分野の用途に加えて、有機ELディスプレイや薄膜太陽電池の保護シート用途として、最近、大きく注目されている。中でも、太陽電池の保護シートは、太陽電池モジュールの起電部分であるシリコン薄膜の湿度による劣化を防止するために、太陽電池の裏側に配置されており、酸素や水蒸気のガスを外気と遮断すると同時に、屋外の苛酷環境化で使用しても、外観劣化の少ない耐久性能が求められている。
また、従来から、食品や医薬品類あるいは、ハードディスクや半導体モジュールの包装に用いられる包装材料においても、内容物を保護する用途で必要とされてきた。例えば、食品包装においては、酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要になる。また無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては、有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが求められる。これらの内容物の品質を保護する際に、酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性、そして、それぞれの使用環境で、劣化しない耐久性能を備える包装材料が求められている。
ガスバリア性フィルムとしては、プラスチックフィルム基材表面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等からなる金属酸化膜を形成した透明性の高いガスバリア性フィルムが、一般的に数多く、実用化されている。特許文献1は、高分子樹脂フィルム上に炭化酸化珪素を有するガスバリア性フィルムを開示している。特許文献2は、透明プラスチック基体上に、非晶質の酸化アルミニウム薄膜を設けたガスバリア性フィルムを開示している。ところが、プラスチック基材にこれらの蒸着膜を単純に積層しても、基材と蒸着層との密着性が十分でなく、レトルト処理やボイル処理、耐環境試験等により、基材と蒸着層間で簡単に剥離してしまうことも少なくない。
そのため、基材と蒸着層の密着性を上げるために、基材に、プラズマ処理、火炎処理、コロナ処理等の一般的な表面処理を基材表面に施す方法(特許文献3)や、アンカーコート層をウエット法によりコーティングする方法が多く提案されている(特許文献4・5・6)。中でも、減圧プラズマ処理による表面処理方法は、蒸着層成膜プロセスと同一系内(インライン)での処理により、工程の簡素化を実現できる。しかし、インラインの密着プロセスでは、高速な蒸着プロセスと同等な処理速度を必要とするため、十分な密着処理が得られない場合が多い。生産能率が高く、強固な密着力を得られるインラインの密着方法が望まれている。
特開2008−179104号公報 特開昭62−179935公報 特開2001−322200号公報 特開2006−116703号公報 特開2006−205533号公報 特開2006−321194号公報
本発明においては、上記問題を解決するために、ウェブ状の基材上へのガスバリア層の高速インライン処理を実現し、生産能率が高く、かつ基材とガスバリア層との密着耐久性も向上し得るガスバリア性フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ウェブ状の基材上にグロープラズマによる表面処理とガスバリア層とをこの順に形成したガスバリア性フィルムの製造方法であって、
前記基材が走行する高周波印加電極である金属ロール電極と、
対向電極として、面内に、S・N極一対以上の磁石を設置した、円弧状あるいは多面状により前記金属ロール電極に沿った形状にて配置された接地電極とを備え、
両電極間を結ぶ最短距離をdminとした時、dmin50mm未満で設置したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理装置を用い、
前記電極間に、窒素、ヘリウムおよびアルゴンから選択された1種類以上のガスを導入して、処理空間内の圧力を0.5Pa以上50Pa未満として、30kHz以上4MHz以下の高周波を印加し、ただし前記金属ロール電極に投入する電力(W)とプラズマ照射部分の面積(m)の比から算出される電力密度(W/m)と処理時間(sec)の積から求められる値をEpd値と定義した場合、Epd値が350W・sec/m以上となるように高周波電圧を印加することで、前記電極間に高密度なプラズマを発生させて、前記金属ロール電極上を走行する前記基材表面に、前記表面処理層を形成する工程と、
前記表面処理層上に、ドライコーティング法により、酸化珪素(SiOx)からなるガスバリア層を形成する工程とを具備することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記表面処理層と前記ガスバリア層とを、インラインで連続して処理することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルムの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記S・N極一対以上の磁石は、ネオジム磁石であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性フィルムの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記酸化珪素(SiOx)は、xの値が、1≦x≦2.2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記ガスバリア層上に、金属アルコキシドと水溶性高分子を含む混合溶液を塗布し、加熱乾燥して形成される保護層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法である
本発明によれば、ウェブ状の基材上へのガスバリア層の高速インライン処理を実現し、生産能率が高く、かつ基材とガスバリア層との密着耐久性も向上し得るガスバリア性フィルムおよびその製造方法を提供することができる。
密着性を上げる効果は、基材とガスバリア層との間に、本発明で規定するプラズマ処理による処理層を形成することによりもたらされる。これにより、レトルト滅菌処理やボイル処理、プレッシャークッカー試験(PCT)、各種環境耐久試験などの後にも、強固な密着を持続することが可能となる。
また、高速成膜が可能な蒸着と密着処理をインラインで処理できるため、生産性は大幅に向上する。
本発明のガスバリア性フィルムの一例を示す断面図である。 ウェブ状の基材上にグロープラズマによる表面処理を行う装置の説明図である。 ウェブ状の基材上にグロープラズマによる表面処理を行う装置の説明図である。 本発明のガスバリア性フィルムの製造装置の説明図である。
以下に、本発明の実施の形態について、説明する。
図1は、本発明のガスバリア性フィルムの一例を示す断面図である。プラスチックフィルム材料からなる基材100の一方の面上に、本発明によるプラズマ処理による表面処理(密着処理層)101を介して、蒸着法により作成した酸化珪素からなるガスバリア層102、必要に応じて、保護層103が形成されている構造である。
基材のプラスチックフィルム100は、特に制限を受けるものではなく、公知のものを使用することができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好適であるが、他にも、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系フィルム、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、セルロース系フィルム等が挙げられる。また、この基材表面に、コロナ処理などの表面処理、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。
基材の厚さに関しても、特に制限を受けるものではなく、密着処理層やガスバリア層を成膜する際の加工性や、更には、後加工性を考慮すると、6〜100μmの範囲であることが好ましい。
プラスチックフィルム100上に、イオンエッチング処理からなるプラズマ処理を施す。上記のプラズマ処理空間には、窒素、ヘリウムおよびアルゴンから選択された1種類以上の不活性ガスを導入する。好ましくは、反応性が極めて低く、比較的重さのある気体であるアルゴンガスが、好ましい。
この際、酸素などの反応性の高いガスを導入してプラズマ処理を行うと、プラスチックフィルム表面上に処理ガスに起因する結合を形成することが多い。このプラズマ処理ガスによる結合手は、プラスチックフィルムとの間で弱い力で結合するため、十分な密着を得られない。従って、このプラズマ処理による結合手が、ガスバリア層と、十分な密着を示しても、プラスチックフィルムとの間に十分な密着が得られず、密着強度が得られない。
密着処理層101の処理室内は、上記のガスを適宜選択して、圧力を0.5Pa以上50Pa未満となるように調整する。圧力が0.5Pa未満であると、放電が安定しにくく、安定したサンプルを得ることができない。圧力が50Pa以上であると、自己バイアス電圧が下がり、十分なイオンエッチング効果が得られない。また、40Pa以上の領域では、接地電極2に設置した磁石による磁気誘導の効果が急激に弱くなる。そのため、1〜25Paの圧力帯で処理を実施するのが好ましい。
プラズマ発生電源としては、周波数が、30kHz以上4MHz以下のMF〜RF周波数帯の電源を使用する。電源出力は、金属ロール電極に投入する電力(W)とプラズマ照射部分の面積(m)の比から算出される電力密度(W/m)と処理時間(sec)の積が、350W・sec/m以上となる電力を印加する必要がある。これより弱いと、プラスチックフィルム上に十分な処理が行うことが出来ない。
密着処理層101上に形成するガスバリア層102について、説明する。ガスバリア層としては、酸化珪素をドライコーティング法により形成する。ガスバリア層は、透明性および、酸素、水蒸気等のガスバリア性能を有する層である。好ましくは、酸化珪素の化学式をSiOxとした時、xの範囲が、1.0≦x≦2.2であることにより、透明性およびガスバリア性を有することができる。
ガスバリア層102の厚さは、用途や構成により最適な条件は異なり、特に制限はないが、一般的には、5〜300nmの範囲内の厚さが、好ましく用いられる。膜厚が5nm未満であると、膜厚が十分ではなく、ガスバリア層としての機能を十分に果たせない。また、膜厚が300nmを超えると、フレキシビリティを保持することが出来ず、薄膜に亀裂が入りやすくなる。また、生産性も悪くなる。性能と生産性も考慮すると、10−200nmの膜厚がより好ましい。
ガスバリア層102を、形成するドライコーティング法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)などを用いることが可能である。但し、生産性を考慮すれば、真空蒸着法が、最適な生産方法である。真空蒸着法の加熱方法としては、電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導過熱方式のいずれかの方法を用いることが好ましい。また、蒸着膜の緻密性を向上させるために、プラズマやイオンビーム等を用いたアシスト法を採用することも可能である。このようなコーティング処理室の前段に密着処理室を設けることで、インラインで連続して、極めて生産性良く、密着性のよいガスバリア性フィルムを作成することができる。
また、無機酸化物からなるガスバリア層102の上に、保護層あるいは、ラミネートなどの後加工適性を向上させるためのオーバーコート層を積層しても構わない。この場合、例えば水溶性高分子を水あるいは水/アルコール混合溶媒で融解させたものに金属アルコキシドを直接あるいはあらかじめ加水分解させるなどの処理を行ったものを混合し、この混合溶液を無機酸化物上に塗布、乾燥して形成することができる。また混合溶液中にシランカップリング剤等を添加使用しても良い。
図2、図3は、ウェブ状の基材上にグロープラズマによる表面処理を行う装置の説明図である。但し、装置の形状は、図2、図3に示す装置に限定されるものではない。
金属ロール電極1は、高周波電源3より、MF〜RF帯の高周波電圧が印加される。金属ロール電極1の温度は、20℃から80℃に調整することが好ましい。その対向電極として、面内に、S・N極一対以上の磁石5,6を設置した円弧状あるいは多面状により金属ロール1に沿った形状にて配置された接地電極2を、設置する。図2は、金属ロール電極1の表面とほぼ平行な円弧状の接地電極2を示している。図3は、金属ロール電極1の表面にほぼ追随する形状であるとともに、複数の平板電極をその端部で接合した多面状の接地電極2を示している。なお、符号4はガス導入管である。S・N極一対以上の磁石5,6の設置箇所としては、例えば、図2、図3に示すように、接地電極2の金属ロール電極1側に、プラスチックフィルムの流れ方向に沿って設置する。S・N極一対以上の磁石5,6の設置箇所は、図2、図3で示した設置箇所に限定されず、プラズマの密度を上げることができれば、接地電極2のどの面内に設置してもよい。また、磁石5,6の形状やS・N極対の個数についても、装置の大きさ、プラズマ密度の程度などによって適宜選択される。なお本発明では効果の点からネオジム磁石を用いるのが好ましい。この時、両電極間を結ぶ最短距離をdminとした時、dmin≦50mmで設置する。金属ロール電極処理基材であるプラスチックフィルムは、カソード側すなわち金属ロール電極1上を走行しながら、密着処理層101が形成される。プラスチックフィルムは、カソード側に設置することで、イオンが基材に効率的に衝突する事で、強固な密着を得ることができる。この基材と電極配置の位置関係は、リアクティブイオンエッチング(RIE)処理と同様であり、RIE処理装置をそのまま応用展開することも可能である。
図4は、本発明におけるガスバリア性フィルムの製造装置の一例である。本発明によれば、図4のように、密着処理層とガスバリア層の工程を同一(真空チャンバ7)系内にて、インラインにて処理が可能である。すなわち、真空チャンバ7内において、巻出しロール7からウェブ状の基材が巻き出され、プラズマ処理室10において密着処理層が形成され、続いて蒸着処理室11によりガスバリア層が形成され、最後に巻取りロール9により巻き取られる。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。
<実施例1>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムの未処理面に、密着処理層を以下の条件で形成した。密着処理層は図2に示す装置を用いた。
処理ガス:アルゴン
圧力:5Pa
電源周波数:300kHz
投入電力:350W・sec/m
ラインスピード:90m/min
接地電極の磁石:有り
dmin:45mm
以上の条件で、密着処理を施した後、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素膜を積層して、ガスバリア性フィルムを作成した。
<実施例2>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムの未処理面に、密着処理層を以下の条件で形成した。密着処理層は図2に示す装置を用いた。
処理ガス:アルゴン
圧力:20Pa
電源周波数:300kHz
投入電力:1000W・sec/m
ラインスピード:90m/min
接地電極の磁石:有り
dmin:45mm
以上の条件で、密着処理を施した後、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素膜を積層して、ガスバリア性フィルムを作成した。
<比較例1>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムの未処理面に、密着処理層を以下の条件で形成した。
処理ガス:アルゴン
圧力:5Pa
電源周波数:300kHz
投入電力:350W・sec/m
ラインスピード:90m/min
接地電極の磁石:なし
dmin:45mm
以上の条件で、密着処理を施した後、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素膜を積層して、ガスバリア性フィルムを作成した。
<比較例2>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムの未処理面に、密着処理層を以下の条件で形成した。
処理ガス:アルゴン
圧力:5Pa
電源周波数:300kHz
投入電力:150W・sec/m
ラインスピード:90m/min
接地電極の磁石:有り
dmin:45mm
以上の条件で、密着処理を施した後、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素膜を積層して、ガスバリア性フィルムを作成した。
<比較例3>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムの未処理面に、密着処理層を以下の条件で形成した。
処理ガス:酸素
圧力:5Pa
電源周波数:300kHz
投入電力:500W・sec/m
ラインスピード:90m/min
接地電極の磁石:有り
dmin:45mm
以上の条件で、密着処理を施した後、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素膜を積層して、ガスバリア性フィルムを作成した。
<比較例4>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムの未処理面に、密着処理を施さずに、直接、電子線加熱方式による真空蒸着により厚さ40nmの酸化珪素膜を積層して、ガスバリア性フィルムを作成した。
上記の実施例および比較例で作成したフィルム上に、下記に示すA液とB液を配合比(wt%)で6/4に混合した溶液を作成し、グラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ0.4μmの保護層を形成した。
A液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO換算)の加水分解溶液とした。
B液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)とした。
更に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネートにより、上記ガスバリア性フィルム/延伸ナイロン(15μm)/未延伸ポリプロピレン(70μm)の積層サンプルを作成した。
<評価1 ガスバリア性>
上記積層サンプルを、A4サイズに切り出し、水道水200ccを入れて、袋状に密閉して、121℃で30分間レトルト殺菌処理を実施した。レトルト処理後、24時間後およびレトルト処理をしなかった場合(レトルト処理前)のガスバリア性を水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON PERMATRAN 3/33 40℃90%RH雰囲気)を用いて、測定した。その結果を表1に示す。
<評価2 密着性>
上記積層サンプルを、A4サイズに切り出し、水道水200ccを入れて、袋状に密閉して、121℃で30分間レトルト殺菌処理を実施した。レトルト処理後、2時間以内に、15mm幅に切断したサンプルのガスバリア性フィルムとナイロン間の180度剥離のラミネート強度を測定した。試験にはオリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC−1250を用いた。また、剥離速度は、300mm/minとして、測定の際には測定部位を水で湿潤させながら行った。
[表1]
Figure 0005637006
実施例1、2で作成したガスバリア性フィルムは、比較例と比べ、良好なバリア性能を示し、十分な密着性能を示した。
本発明によるガスバリア性フィルムの産業上の利用可能性は、食品や医薬品等の包装分野や太陽電池のバックシートに用いられるガスバリア性フィルムが考えられる。
100・・・プラスチックフィルム
101・・・密着処理層
102・・・ガスバリア層
103・・・保護層
1・・・金属ロール電極
2・・・接地電極
3・・・高周波電源
4・・・ガス導入管
5・・・磁石N極
6・・・磁石S極
7・・・真空チャンバ
8・・・巻出しロール
9・・・巻取りロール
10・・プラズマ処理室
11・・蒸着処理室

Claims (6)

  1. ウェブ状の基材上にグロープラズマによる表面処理とガスバリア層とをこの順に形成したガスバリア性フィルムの製造方法であって、
    前記基材が走行する高周波印加電極である金属ロール電極と、
    対向電極として、面内に、S・N極一対以上の磁石を設置した、円弧状あるいは多面状により前記金属ロール電極に沿った形状にて配置された接地電極とを備え、
    両電極間を結ぶ最短距離をdminとした時、dmin50mm未満で設置したリアクティブイオンエッチング(RIE)処理装置を用い、
    前記電極間に、窒素、ヘリウムおよびアルゴンから選択された1種類以上のガスを導入して、処理空間内の圧力を0.5Pa以上50Pa未満として、30kHz以上4MHz以下の高周波を印加し、ただし前記金属ロール電極に投入する電力(W)とプラズマ照射部分の面積(m)の比から算出される電力密度(W/m)と処理時間(sec)の積から求められる値をEpd値と定義した場合、Epd値が350W・sec/m以上となるように高周波電圧を印加することで、前記電極間に高密度なプラズマを発生させて、前記金属ロール電極上を走行する前記基材表面に、前記表面処理層を形成する工程と、
    前記表面処理層上に、ドライコーティング法により、酸化珪素(SiOx)からなるガスバリア層を形成する工程とを具備することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法。
  2. 前記表面処理層と前記ガスバリア層とを、インラインで連続して処理することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  3. 前記S・N極一対以上の磁石は、ネオジム磁石であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  4. 前記基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  5. 前記酸化珪素(SiOx)は、xの値が、1≦x≦2.2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  6. 前記ガスバリア層上に、金属アルコキシドと水溶性高分子を含む混合溶液を塗布し、加熱乾燥して形成される保護層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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