JP5636627B2 - 極薄珪素鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波電源の小型化・低損失化に効果のある高珪素鋼板の浸珪用素材として好適な、極薄珪素鋼板及びその製造方法に関するものである。
近年パワーエレクトロニクス技術は、大型の産業用電源のみならず、家電機器の電源やハイブリッドカーの駆動用電源等、様々な分野においても利用されている。とくにIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)を代表とするスイッチング用半導体素子の発展は著しく、その適用範囲がますます高周波化、大容量化する傾向にある。
このようなスイッチング電源のトランス、リアクトルには、従来より珪素鋼板や鉄粉を固めたダストコアが用いられてきた。しかしながら、これらの材料は励磁周波数が高くなると鉄損が急激に上昇し発熱も顕著となる傾向がある。そのため、最近は高周波鉄損の低い鉄基アモルファスや、酸化鉄粉を主体とした軟磁性フェライトも鉄心素材として検討されつつある。ただし、アモルファスのコアは高価であり、また磁歪が大きいため騒音対策が必須となる。一方、軟磁性フェライトは固有抵抗が高く、高周波域で鉄損の主体となる渦電流損の大幅低減が期待される反面、鉄系素材に比べて磁束密度が低いため、周波数が数百kHzで容量の小さな電源には適しているが、IGBTが使われている数kHzで容量の比較的大きな電源では、鉄心が大型化してしまうため不向きと考えられる。
珪素鋼板は比較的安価であり磁束密度も高いことから、商用のみならず数百Hz〜数kHzの高周波電源においても使われている。ただし、商用向けの珪素鋼板をそのまま高周波に転用するのではなく、板厚の薄手化やSi含有量を高めて固有抵抗を高くするなど、渦電流損失を抑え高周波鉄損を低減するための対策が採られている。
板厚を薄手化したものとしては、重量で3%程度のSiを含む板厚0.05〜0.10mmの極薄珪素鋼板が現在市販されている。この極薄珪素鋼板には、板面内で均一な特性を示す無方向性の比較的磁束密度の低いものと、{110}<001>方位(ゴス方位)集積度を高めた磁束密度の高いものとがある。前記無方向性のものは、圧延の最終板厚を薄くして仕上焼鈍で一次再結晶させる点で、通常板厚の製造プロセスと基本的な違いはない。前記{110}<001>方位集積度を高めたものは、製造プロセスとして、通常の一方向性珪素鋼板と同様に最終仕上板厚まで冷延し、これを一次再結晶更には二次再結晶させて製造する方法(例えば、特許文献1)と、板厚0.3mm前後でいったん二次再結晶させて{110}<001>方位集積度を高めた一方向性珪素鋼板を作製した後、再圧延を施し板厚0.10mm以下とし、次いで700〜900℃で一次再結晶焼鈍する方法(例えば、特許文献2、3)とが考えられる。しかしながら、前者の方法は、冷延板厚が0.10mm以下になると二次再結晶が不安定となり{110}<001>方位の揃った組織を得ることが困難となるため、実際に採用されているのは後者の二次再結晶板の再圧延による方法である。また、このようにして得られた{110}<001>方位集積度の高い極薄珪素鋼板は、圧延方向の磁束密度が高いため、鉄心の小型化が期待されている。
一方、鋼中Si含有量を高めて固有抵抗を高くして高周波鉄損を下げる方法は、Si量4%を超える薄板の圧延が実質的に困難なため、工業レベルでは、約3%Siの状態で板厚0.05〜0.3mmまで圧延後、焼鈍の最終工程でSi系のガスを用いてSi付加する浸珪プロセスが採用されている(例えば、特許文献4)。とくに6.5%Siの場合は高周波鉄損低減のみならず、磁歪がゼロに近いため電源の低騒音化にも絶大な効果がある。また、同板厚の6.5%Si鋼板より更に高周波鉄損を下げることが可能な、板厚方向に特定のSi濃度勾配を有する材料も製造されている(例えば、特許文献5)。さらに、浸珪プロセスにおいて製造された高Siの製品の加工性は重要である。そのため、トランス・リアクトルを作製するときのスリット加工、打ち抜き加工、曲げ加工等で破断することのないように、結晶粒径や粒界酸化など加工性改善の対策を講じる必要があり、例えば、特許文献6では、打ち抜き加工性が良好となるように平均粒径を規定している。
また、前記{110}<001>方位集積度を高めたものについて、Si含有量を高めて固有抵抗を高くする方法については、特許文献7において、{110}<001>方位を有しB8/Bs>1.9である一方向性珪素鋼板に圧下率60〜90%の冷間圧延を施して板厚0.15mm以下とし、次いで所定の条件で熱処理を施して一次再結晶組織とした後、SiCl4ガスにより浸珪処理を施すし、更にこれに磁区細分化処理を施すプロセスが開示されている。
特開平2-77524号公報 特開平2-277748号公報 米国特許第2473156号公報 特許第1836404号公報 特許第3896688号公報 特許第2998676号公報 特許第2784683号公報
しかしながら、上記従来技術には以下のような問題点がある。
例えば、圧延プロセスで4%を超えるSiを含む鋼板を板厚0.10mm以下の極薄珪素鋼板とするのは困難であるため、浸珪プロセス材を除くと、現在市販されている極薄珪素鋼板は、Si量3%前後のものである。この極薄珪素鋼板には無方向性のものと<001>{110}集合組織の集積度を高めたものがあるが、いずれの高周波鉄損も、浸珪プロセスで作製した同板厚の高珪素鋼板には及ばない。
また、特許文献4,5に記載の浸珪プロセスにより得られる高珪素鋼板は、主として無方向性珪素鋼板であり、この無方向性珪素鋼板の、磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比(以下、B8/Bsと称す)は0.7程度(3%SiでB8=1.42T、6.5%SiでB8=1.26Tに相当)しかない。パワーエレクトロニクス市場において電源の小型化要望は強く、高珪素鋼板についても大幅な特性向上(たとえば現行比2割以上の鉄心小型化)が望まれている。これに対応する指標はB8/Bs>0.85(3%SiでB8>1.73T、6.5%SiでB8>1.53Tに相当)であり、上記無方向性電磁鋼板では不十分である。また、二次再結晶を利用せずに冷延・焼鈍の繰り返しでB8/Bs>0.85の素材を得るのは極めて困難である。
例えば、特許文献7に開示されている極薄珪素鋼板の製造法では、1000℃以下で浸珪処理を行う場合、浸珪反応で発生する塩化鉄(沸点1023℃)が鋼板表面に残留して浸珪速度が著しく低下するうえ、Si均一化拡散処理にも数時間を要するため、現在行われているように連続ラインで処理するには不適である。連続ラインで浸珪処理を行なうためには、塩化鉄の沸点1023℃以上、より好ましくは1100℃以上、またSi均一化拡散処理も1100℃以上の温度で短時間で行うことが必須となる。
以上のように、家電機器やハイブリッドカーの分野では、電源に対する小型・軽量化、高効率化の要望は極めて強く、鉄心素材に求められる特性も年々厳しくなっており、とくに周波数10kHz前後で比較的大きな電源容量で使われるケースも増えてきているが、現状では、このような使用条件に適合した素材は少なく、それぞれ特性改善が望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、1100℃以上で熱処理しても粗大粒が少なく、且つ高いB8/Bsを示す、浸珪処理に適した極薄珪素鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために種々の検討を行った。以下、発明の契機となった検討内容について説明する。
一般に{110}<001>集積度の高い一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して熱処理すると、700〜900℃の温度の場合では{110}<001>集積度の高い一次再結晶組織が得られ高いB8を示すものの、更に高温で焼鈍すると、{110}<001>方位から大きくずれた結晶粒が周囲の一次再結晶粒を蚕食して粗大粒となり、B8が著しく低下することが良く知られている((1)C.G.Dunn:Acta Met., 1(1953), 163、(2)荒井他、日本金属学会会報31,5(1992),429)
そこで、この現象を詳細に調査するため、板厚0.30mmでB8/Bs=1.92の一方向性珪素鋼二次再結晶板を板厚0.085mmまで再圧延し、100%N2非酸化雰囲気中で連続焼鈍相当の昇温速度(20℃/s)で加熱し1000〜1200℃、2分間の熱処理を施した後、表面マクロ組織と磁束密度B8を評価した。なお、マクロ組織は塩酸を含む溶液で鋼板表面を酸洗した後、写真撮影することにより観察し、磁束密度B8は30mm幅×100mm長さの試料を単板磁化測定器にセットし800A/mまで磁化したときの磁束密度として測定した。
得られた結果を図1に示す。なお、本発明において、結晶の最大幅が板厚の5倍以上の粗大粒は、通常の一次再結晶粒とは異なる異常粒とみなし、結晶全板面に対する上記粗大粒の面積比を粗大粒比率と定義した図1より、熱処理温度が1050℃以下の場合では粗大粒がほとんど認められずB8は1.80T前後の値を示すのに対し、熱処理温度が1100℃以上の場合では板厚の5倍から数十倍の寸法の粗大粒が多数発生し、B8は1.55T程度まで大幅に低下しているのがわかる。
このような傾向は100%H2中、及びN2+H2混合雰囲気で熱処理を行った場合でも同様に認められた。
次に、上記粗大粒について、EBSP及びX線極点図で方位解析した。その結果、上記粗大粒は{110}<001>から大きくずれた方位であることがわかった。そして、本実験は連続焼鈍を前提とした短時間の熱処理であるにもかかわらず、上記引用文献に記載されているものと同じ現象が生じていると考えられる。
粗大粒が多く存在すると、浸珪処理を施してSiを6.5%含有する珪素鋼板とした場合、製品加工性の劣化が懸念される。特許文献6において、例えば、板厚0.10mmでは加工性劣化を避けるため平均粒径は253μm未満と規定されている。ただし、これは、比較的均一な粒度分布を有する無方向性の一次再結晶組織を前提としたものであって、板厚の5倍〜数十倍の粗大粒が混在する組織は対象外である。実際、現在市販されている板厚0.10mmの6.5%珪素鋼板では、結晶粒のほとんどが粒径100〜200μmの範囲にあり、板厚の5倍を超えるような粗大粒はほとんど認められない。
次に、上記にて1050℃と1100℃で各々熱処理した試料を、ラボ装置を用いて1050℃で約30分間の浸珪・拡散処理を行いSi量を6.5%とした後、径の異なる丸棒に巻き付けてクラックの有無を観察した。また、浸珪後の試料についても上記と同様の方法にて表面マクロ組織を観察して粗大粒比率を求めた。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005636627
表1より、粗大粒比率10%程度の試料(1050℃で熱処理した試料)ではクラックの発生なしに丸棒径4mmφまで巻き付けられるのに対し、粗大粒比率40%程度の試料(1100℃で熱処理した試料)では丸棒径10mmφでクラックが認められ丸棒径8mmφでは巻き付ける前に破断してしまった。なお浸珪処理前後で組織が大きく変わることはなかった。この結果から、粗大粒比率を小さくすることが高珪素鋼板の加工性劣化防止に有効であることがわかる。
一方で、図1から明らかなように、粗大粒増加とともに{110}<001>方位集積度も低下する。1100℃以上で熱処理すると無方向性珪素鋼レベルまでB8/Bsが下がるため、これでは浸珪用素材として一方向性珪素鋼二次再結晶板の再圧延板を用いる意味がなくなってしまうことになる。
以上から、一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる極薄珪素鋼板は、現状のままでは1100℃以上の温度で1〜30分間程度の熱処理を行なう連続浸珪ラインの素材としては不向きであることがわかる。そして、{110}<001>方位集積度が高い極薄の高珪素鋼板を連続浸珪ラインで製造するためには、1100℃以上で熱処理しても粗大粒が少なく、且つ高いB8/Bsを示す、浸珪処理に適した極薄珪素鋼板の開発が必須となる。
そこで、本発明では、高周波電源の小型化・低損失化に効果のある高珪素鋼板の浸珪用素材として、例えば1100℃で1分〜30分程度の熱処理をしても加工性を劣化させる粗大粒が少なく、かつB8/Bsの高い、連続浸珪プロセスに適した極薄珪素鋼板を得ることに主眼を置き検討を進めた。
今までの結果から、一般に{110}<001>集積度の高い一方向性珪素鋼二次再結晶板ほど、再圧延後の高温焼鈍で、方位の異なる粒が二次再結晶して粗大粒を形成しやすい傾向にあることがわかった。そして、逆に{110}<001>集積度の低い一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延すれば、高温焼鈍しても粗大粒が発生し難くなるのではないかと考えられる。
そこで、素材からB8の異なるサンプルを切り出し、これらを圧下率71%で再圧延して仕上げ焼鈍した後の粗大粒比率及びB8を調査した。得られた結果を表2に示す。なお、粗大粒比率及びB8は上記と同様の方法で測定した。
Figure 0005636627
表2より、B8/Bs=0.79〜0.84の部分を再圧延した場合、予想通り1100〜1200℃で焼鈍しても粗大粒は認められなかった。しかしながらB8は1.50〜1.66T(B8/Bsで0.73〜0.83)と全体的に低い値に留まった。一方、同じ素材でB8/Bs=0.91の部分を再圧延したものは、従来通り1050℃までは粗大粒がほとんど無く高いB8を示すものの、1100℃以上では粗大粒が多数発生しB8が大幅に低下した。
以上から、{110}<001>集積度の低い板を再圧延した場合は、仕上焼鈍後にB8/Bs≧0.85を達成することはできず、また、{110}<001>集積度の高い板を再圧延した場合は、1100℃以上の高温焼鈍時に粗大粒が発生しB8も低下してしまうことになる。
そこで、発明者らは鋭意検討したところ、再圧延に供する鋼板の粗度が焼鈍後の粗大粒に影響を及ぼしていることを突き止めた。その端緒となる実験について、詳細を以下に示す。
素材として板厚0.29mm、B8/Bs=0.93の一方向性珪素鋼二次再結晶板を用いた。被膜を酸洗により除去した状態で表面粗度を測定したところ、その算術平均Raは0.37μmであった。これを種々のエメリー紙で研磨して表面粗度の異なる試料を作製した。次いで圧下率71%で冷延し、昇温速度18℃/secで加熱し1150℃で2分間焼鈍した後、上記と同様の方法にて表面のマクロ組織とB8を評価した。
その結果、再圧延前の表面粗度の算術平均Raが0.6未満の試料では粗大粒が顕著に現れ、B8も低い値であるのに対し、算術平均Raが0.6μm以上の試料では粗大粒比率は小さく、B8も1.78Tと高い値を示すことが判明した。ただし、Raが3.7μmのものは、粗大粒が殆ど認められないにもかかわらず、焼鈍後のB8が1.67Tと低かった。なお再圧延後の表面粗度は、再圧延前のRaにかかわらず0.2〜0.3μmと同程度であり、明確な差は認められなかった。この実験結果から、再圧延前の表面粗度が再圧延・高温仕上焼鈍後の再結晶挙動に大きく影響していると考えられる。
次に、浸珪処理して6.5%珪素鋼板とした場合の組織と加工性の関係を調査するため、上記の表面粗度の異なる試料に対して、再圧延して板厚0.080mmとし、昇温速度16℃/sで1150℃まで加熱し、SiCl4ガスを用いて8分間の浸珪・拡散処理を行うことで6.5%Si鋼板を作製した。またSiCl4ガスを用いずにN2中で同じ熱履歴で処理した試料も作製した。上記と同様の方法にてこれらの試料の組織を観察し比較したところ、差は殆ど認められなかった。
さらに、浸珪処理した試料に対し小径の丸棒に巻き付けて曲げ加工性を評価した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0005636627
表3より、粗大粒比率が15%以下であれば丸棒径が4mmφの丸棒に巻き付けられるのに対し、粗大粒比率が15%を超えると巻き付ける途中で割れが多発することがわかった。丸棒径が4mmφの丸棒に巻き付けた場合は、板が塑性変形する領域であるが、それより大きな径で破断するのは、製品加工性上好ましくない。したがって、浸珪用素材としては粗大粒比率が15%以下とすべきである。
また、図2に、再圧延前の表面粗度Raと0.080mmに再圧延後1150℃で2分間焼鈍したときの粗大粒比率およびB8/Bsとの関係をまとめる。
以上から、一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板の再結晶挙動に及ぼす再圧延前の表面粗度の影響について、詳細は明らかではないが、観察結果から次のように考えられる。
再圧延直後の断面組織をエッチングして光学顕微鏡で観察すると、表面粗度の大きな試料では、殆ど全ての結晶粒内において、表面の凹凸を基点にして発生したと思われる双晶の跡が比較的均一に認められた。一方、表面粗度の小さな試料では、全体的に双晶跡が少なく、双晶が全く認められない結晶粒も多く存在していた。通常、二次再結晶板を圧延した後に焼鈍すると、もとの二次粒内からは{110}<001>方位に極めて近い方位の粒が発生して一次再結晶組織を形成する。これらの結晶粒の境界は小傾角粒界で形成され、焼鈍時に粒成長しにくい反面、ある一定以上の温度に達すると、もとの二次粒界付近から発生したごく少数の方位の異なる結晶粒に一挙に蚕食されて二次再結晶組織を形成する。一方、もとの二次粒内に双晶が多く発生した試料では、この双晶部分から周囲と異なる方位の結晶粒が発生しやすい。このような結晶粒が存在していると、高温で焼鈍した際、異常粒成長を抑えることができる。双晶の量が多すぎると、一次再結晶したとき全体の{110}<001>集積度を低下させるが、双晶が適度に存在していれば、一次再結晶組織の{110}<001>集積度をそれほど低下させることなく、また高温焼鈍したときの二次再結晶発生も抑制される。今回、圧延前の表面粗度を規定することで、圧延の際に適度の双晶が形成され、焼鈍時に{110}<001>集積度をそれほど低下させることなく高温焼鈍しても二次再結晶しにくい素材を得ることができたと考えられる。
以上のように、本発明は、上記実験結果および知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%でSi:2〜4%を含む一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板厚0.03〜0.10mmの極薄珪素鋼板であって、窒素雰囲気中、1100℃、1分の条件で熱処理を施した後の、結晶粒の最大幅が板厚の5倍を超える粗大粒の比率が15%以下であり、かつ、B8/Bsが0.85以上である極薄珪素鋼板。
ただし、粗大粒の比率は結晶全板面に対する粗大粒の面積比であり、B8/Bsは圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
[2]質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
[3]質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上であり、フォルステライト被膜を除去した又はフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板に、湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%ので板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
[4]前記[2]または[3]において、前記圧延後、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱することを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%、ppmは、すべて質量%、質量ppmである。
本発明によれば、本発明により、1100℃以上で処理が行われる連続浸珪プロセスに好適な極薄珪素鋼板が得られる。そして、本発明の極薄珪素鋼板を浸珪処理することによって、従来より磁束密度が高く高周波低鉄損の低い珪素鋼板を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の対象は、Si::2〜4%を含む一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板厚0.03〜0.10mmの極薄珪素鋼板とする。また、窒素雰囲気中、1100℃、1分の条件で熱処理を施した後の、結晶粒の最大幅が板厚の5倍を超える粗大粒の比率は15%以下であり、B8/Bsは0.85以上とする。ただし、粗大粒の比率は結晶全板面に対する粗大粒の面積比であり、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である(以下、この比を略してB8/Bsと称す)。これらは、本発明において最も重要な要件である。
Si:2〜4%
素材のSi量が少ないと浸珪処理の際に原料のSiCl4ガス使用量が増加すること、また浸珪処理が長時間化することでコストアップとなることから下限を2%とする。また、Si量が増加すると圧延困難となるためSi量の上限は4%とする。
板厚0.03〜0.10mm
板厚0.03mm未満では製造コストアップを招き、また鉄心組み立ての工数が増えることから望ましくない。一方、0.10mmを超える板厚では高周波鉄損が増大する。
連続ラインでの浸珪処理では、1100℃以上で1分以上熱処理が必要とされる。したがって、この条件で熱処理した後の粗大粒の比率が15%以下であれば浸珪処理後の曲げ加工性が確保できる。また、板厚0.1mm以下であれば、1200℃以下、30分以内の浸珪・拡散処理で十分特性の良い6.5%珪素鋼板を製造できることから、好ましくは、1200℃で30分熱処理した後の粗大粒の比率を15%以下とする。
B8/Bsが0.85以上
冷延板を一次再結晶させて得られる3%Si無方向性電磁鋼板のB8は1.45T前後であり、現在工業生産されている6.5%Si鋼板もこのような素材を用いている。ところでリアクトル等の鉄心寸法は、このB8を指標として設計される。鉄心を小型化するためには材料のB8を高めることが求められている。鉄心小型化は、リアクトル全体としてみると、巻線の量が減り銅損も改善されること、ケースの材料費も抑えられること等の副次的改善効果も大きいため、ユーザーニーズも強い。ただし数%程度のB8の向上では設計変更の費用に吸収されてしまうため、実質的な改善効果を得るには2割以上のB8の向上が必要とされる。
3%Si素材のB8としては1.73T以上に相当する。そこで本発明では浸珪処理に適した素材のB8/Bsとして0.85以上とした。B8ではなく飽和磁束密度Bsとの比B8/Bsを用いたのは、これが素材Si量に依存しないためである。
以上のような極薄珪素鋼板とすることで、一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延した作製した従来の極薄珪素鋼板は、1100℃以上で粗大粒が発生するとともにB8も低下するため、浸珪用素材として不適であるのに対し、本発明では1100℃以上で焼鈍しても粗大粒比率が少なくB8低下もほとんど無い、優れた浸珪用素材を提供することになる。
次に、本発明の極薄珪素鋼板の製造方法について説明する。
質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延する。または、質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延する。そして、好ましくは、前記圧延後、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱処理する。
再圧延前の表面粗度の算術平均Ra(以下、Raと称す)は本発明で最も重要なポイントである。
通常、二次再結晶板の被膜を酸洗除去したときのRaは0.2〜0.4μmである。二次再結晶板の表面粗度を高めると、圧延・焼鈍したときに得られる一次再結晶組織の{110}<001>方位集積度が低下すると考えられるため、あえてRaを大きくしてから圧延するという発想はこれまで無かった。しかしながら本発明においては再圧延前のRaを0.6μm以上3.5μm以下とする。圧延前のRaを0.6μm以上3.5μm以下とすることで、再圧延して1100℃以上で焼鈍したときの粗大粒発生を抑え、且つB8を比較的高い値に維持できる。
表面粗度の調整は、機械的研磨を利用しても化学的腐食を利用しても良く、あるいはフォルステライト無しまたはいったん被膜除去した二次再結晶板表面に1μm以上の内部酸化層を形成させた後、化学的に腐食しても良い。
圧下率60〜90%ので板厚0.03〜0.10mmまで圧延
再圧延前に表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とした後、再圧延を行う。圧下率が60%未満では焼鈍したときの一次再結晶組織の{110}<001>方位への集積が低く、十分なB8が得られない。一方、90%超えでも、焼鈍後の一次再結晶組織の{110}<001>方位への集積が低下し、B8が低下してしまう。また、板厚は上述した理由により、0.03〜0.10mmとする。
室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱する(好適条件)。
再圧延板を焼鈍する際、昇温速度の大きい方が高温時の粗大粒比率が小さくなる傾向が認められた。具体的には昇温速度15℃/s以上とするのが望ましい。
なお、再圧延した極薄珪素鋼板は連続焼鈍ラインに通板して再結晶させた後、冷却せずに続けて炉内にSi系反応ガスを吹き込み浸珪処理を行っても良い。
浸珪処理は常法に従って行うことができる。SiCl4ガスの濃度は特に限定しないが5%〜50%程度が望ましい。低すぎると反応性に乏しく本発明の効果が得られにくい。高すぎると余剰のガスを使用することになり経済性が劣る。
Si:3.2%を含み、残部実質的にFeである板厚0.30mmの一方向性珪素鋼二次再結晶板(B8/Bs=1.93T)に対して絶縁被膜を酸洗除去した後、砥粒粗さ#60〜600のエメリー紙で表面を研磨して表面粗度Raの異なる試料を作製した。次いで板厚0.086mmまで冷間圧延した。以上により得られた極薄珪素鋼板に対して、100%N2中、昇温速度18℃/sで加熱し1100℃で1分間及び1200℃で30分間焼鈍した後、単板磁気測定装置でB8を評価した。また試料表面の組織観察を行い粗大粒比率を求めた。なお、粗大粒比率は、塩酸を含む溶液で鋼板表面を酸洗した後、写真撮影を行って、板厚の5倍以上すなわち粒径400μm以上の粗大粒の数と大きさを計測し、これを観察視野の面積で除することにより求めた。得られた結果を表4に示す。
Figure 0005636627
表4より、Ra≦0.5μmのものは、再圧延・焼鈍後に粗大粒比率が15%を大幅に超え、B8の値が低いのに対し、Raが0.9〜2.1μmの試料では粗大粒はほとんど認められず、B8は1.75T以上の高い値を示した。Ra=3.7μmの試料は、粗大粒は見られないもののB8が1.64Tと低い値となった。1200℃で30分間の焼鈍では、1100℃で1分間の焼鈍の場合に比べて粗大粒がやや増加する傾向があるが、殆ど同じ結果であった。
Si:3.2%を含み、残部実質的にFeである板厚0.30mmの一方向性珪素鋼二次再結晶板(B8/Bs=0.91)に対して絶縁被膜を酸洗除去した。この時点で表面粗度はRa=0.4μmであった。次いで、一部の試料を除き、この試料を更に10%硝酸(50℃)、10%塩酸(80℃)、10%硫酸(80℃)のいずれかで30秒〜5分間酸洗処理した後、再度表面粗度を計測した。次いで板厚0.075mmまで冷間圧延し、これを100%N2中、表5に示す温度、時間で焼鈍した後、実施例1と同様の方法にて表面組織観察及びB8評価を行った。得られた結果を表5に示す。
Figure 0005636627
表5より、再圧延前の表面粗度がRa<0.6μmの試料では粗大粒が多数発生したのに対し、Ra≧0.6μmでは粗大粒は殆ど認められなかった。またRa≧0.6μであればB8も高い値を示すことが確認できた。
Si:3.2%を含み、残部実質的にFeであるフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板(B8/Bs=0.91)に対して、850℃、露点40〜50℃、60%H2+40%N2雰囲気中で10〜30秒間熱処理を行った。内部酸化層の厚さは試料断面をエッチングしてSEM観察で確認した。
上記熱処理した試料を40℃に加熱した10%H2NO3液に3分間浸漬して内部酸化層を除去した後、表面粗度を計測した。なお内部酸化層形成前の素材のRaは0.3μmであった。次いで、上記試料を板厚0.065mmまで冷間圧延し、次いで100%N2中、表6に示す温度、時間で焼鈍した後、実施例1と同様の方法にて表面組織観察及びB8評価を行った。得られた結果を表6に示す。
Figure 0005636627
表6より、内部酸化層の厚さを1μm以上とした後に酸洗除去すれば、十分な表面粗度が得られ、1100℃や1200での高温焼鈍後にも粗大粒が殆ど認められず、高いB8を示すことがわかった。
実施例1で機械研磨により二次再結晶板の表面粗度を変化させた後、再圧延した鋼板に対して、昇温速度16℃/sで加熱後1150℃で7分間の浸珪・拡散処理を施し6.5%珪素鋼板とした。
得られた6.5%珪素鋼板に対して、実施例1と同様の方法にて組織観察、B8測定、及び径の異なる丸棒に巻き付けて加工性評価を行った。得られた結果を表7に示す。
Figure 0005636627
表7より、再圧延前表面粗度Ra≧0.6μmであれば、粗大粒比率15%以下となり、加工性劣化せず高いB8/Bsを示す材料が得られることがわかる。
本発明の極薄珪素鋼板は、高周波特性に優れる上、1100℃以上で処理が行われる連続浸珪プロセスに好適であるため、変圧器、モータ、リアクトル等を中心に鉄心材料として多様な用途に用いることができる。
熱処理温度と磁束密度B8および粗大粒比率との関係を示す図である。 再圧延前の表面粗度Raと0.080mmに再圧延後1150℃で2分間焼鈍したときの粗大粒比率およびB8/Bsとの関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 質量%でSi:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板厚0.03〜0.10mmの浸珪処理用極薄珪素鋼板であって、
    該極薄珪素鋼板を、窒素雰囲気中、1100℃、1分の条件で熱処理を施したときの、結晶粒の最大幅が板厚の5倍を超える粗大粒の比率が15%以下であり、かつ、B8/Bsが0.85以上である浸珪処理用極薄珪素鋼板。
    ただし、粗大粒の比率は結晶全板面に対する粗大粒の面積比であり、B8/Bsは圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
  2. 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、
    次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする浸珪処理用極薄珪素鋼板の製造方法。
    ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
  3. 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上であり、フォルステライト被膜を除去した又はフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板に、湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、
    次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする浸珪処理用極薄珪素鋼板の製造方法。
    ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
  4. 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、
    次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延し、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱する浸珪処理を行うことを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
    ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
  5. 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上であり、フォルステライト被膜を除去した又はフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板に、湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、
    次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延し、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱する浸珪処理を行うことを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
    ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
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