JP5636627B2 - 極薄珪素鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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このようなスイッチング電源のトランス、リアクトルには、従来より珪素鋼板や鉄粉を固めたダストコアが用いられてきた。しかしながら、これらの材料は励磁周波数が高くなると鉄損が急激に上昇し発熱も顕著となる傾向がある。そのため、最近は高周波鉄損の低い鉄基アモルファスや、酸化鉄粉を主体とした軟磁性フェライトも鉄心素材として検討されつつある。ただし、アモルファスのコアは高価であり、また磁歪が大きいため騒音対策が必須となる。一方、軟磁性フェライトは固有抵抗が高く、高周波域で鉄損の主体となる渦電流損の大幅低減が期待される反面、鉄系素材に比べて磁束密度が低いため、周波数が数百kHzで容量の小さな電源には適しているが、IGBTが使われている数kHzで容量の比較的大きな電源では、鉄心が大型化してしまうため不向きと考えられる。
板厚を薄手化したものとしては、重量で3%程度のSiを含む板厚0.05〜0.10mmの極薄珪素鋼板が現在市販されている。この極薄珪素鋼板には、板面内で均一な特性を示す無方向性の比較的磁束密度の低いものと、{110}<001>方位(ゴス方位)集積度を高めた磁束密度の高いものとがある。前記無方向性のものは、圧延の最終板厚を薄くして仕上焼鈍で一次再結晶させる点で、通常板厚の製造プロセスと基本的な違いはない。前記{110}<001>方位集積度を高めたものは、製造プロセスとして、通常の一方向性珪素鋼板と同様に最終仕上板厚まで冷延し、これを一次再結晶更には二次再結晶させて製造する方法(例えば、特許文献1)と、板厚0.3mm前後でいったん二次再結晶させて{110}<001>方位集積度を高めた一方向性珪素鋼板を作製した後、再圧延を施し板厚0.10mm以下とし、次いで700〜900℃で一次再結晶焼鈍する方法(例えば、特許文献2、3)とが考えられる。しかしながら、前者の方法は、冷延板厚が0.10mm以下になると二次再結晶が不安定となり{110}<001>方位の揃った組織を得ることが困難となるため、実際に採用されているのは後者の二次再結晶板の再圧延による方法である。また、このようにして得られた{110}<001>方位集積度の高い極薄珪素鋼板は、圧延方向の磁束密度が高いため、鉄心の小型化が期待されている。
例えば、圧延プロセスで4%を超えるSiを含む鋼板を板厚0.10mm以下の極薄珪素鋼板とするのは困難であるため、浸珪プロセス材を除くと、現在市販されている極薄珪素鋼板は、Si量3%前後のものである。この極薄珪素鋼板には無方向性のものと<001>{110}集合組織の集積度を高めたものがあるが、いずれの高周波鉄損も、浸珪プロセスで作製した同板厚の高珪素鋼板には及ばない。
一般に{110}<001>集積度の高い一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して熱処理すると、700〜900℃の温度の場合では{110}<001>集積度の高い一次再結晶組織が得られ高いB8を示すものの、更に高温で焼鈍すると、{110}<001>方位から大きくずれた結晶粒が周囲の一次再結晶粒を蚕食して粗大粒となり、B8が著しく低下することが良く知られている((1)C.G.Dunn:Acta Met., 1(1953), 163、(2)荒井他、日本金属学会会報31,5(1992),429)
そこで、この現象を詳細に調査するため、板厚0.30mmでB8/Bs=1.92の一方向性珪素鋼二次再結晶板を板厚0.085mmまで再圧延し、100%N2非酸化雰囲気中で連続焼鈍相当の昇温速度(20℃/s)で加熱し1000〜1200℃、2分間の熱処理を施した後、表面マクロ組織と磁束密度B8を評価した。なお、マクロ組織は塩酸を含む溶液で鋼板表面を酸洗した後、写真撮影することにより観察し、磁束密度B8は30mm幅×100mm長さの試料を単板磁化測定器にセットし800A/mまで磁化したときの磁束密度として測定した。
得られた結果を図1に示す。なお、本発明において、結晶の最大幅が板厚の5倍以上の粗大粒は、通常の一次再結晶粒とは異なる異常粒とみなし、結晶全板面に対する上記粗大粒の面積比を粗大粒比率と定義した図1より、熱処理温度が1050℃以下の場合では粗大粒がほとんど認められずB8は1.80T前後の値を示すのに対し、熱処理温度が1100℃以上の場合では板厚の5倍から数十倍の寸法の粗大粒が多数発生し、B8は1.55T程度まで大幅に低下しているのがわかる。
このような傾向は100%H2中、及びN2+H2混合雰囲気で熱処理を行った場合でも同様に認められた。
次に、上記粗大粒について、EBSP及びX線極点図で方位解析した。その結果、上記粗大粒は{110}<001>から大きくずれた方位であることがわかった。そして、本実験は連続焼鈍を前提とした短時間の熱処理であるにもかかわらず、上記引用文献に記載されているものと同じ現象が生じていると考えられる。
そこで、本発明では、高周波電源の小型化・低損失化に効果のある高珪素鋼板の浸珪用素材として、例えば1100℃で1分〜30分程度の熱処理をしても加工性を劣化させる粗大粒が少なく、かつB8/Bsの高い、連続浸珪プロセスに適した極薄珪素鋼板を得ることに主眼を置き検討を進めた。
そこで、素材からB8の異なるサンプルを切り出し、これらを圧下率71%で再圧延して仕上げ焼鈍した後の粗大粒比率及びB8を調査した。得られた結果を表2に示す。なお、粗大粒比率及びB8は上記と同様の方法で測定した。
素材として板厚0.29mm、B8/Bs=0.93の一方向性珪素鋼二次再結晶板を用いた。被膜を酸洗により除去した状態で表面粗度を測定したところ、その算術平均Raは0.37μmであった。これを種々のエメリー紙で研磨して表面粗度の異なる試料を作製した。次いで圧下率71%で冷延し、昇温速度18℃/secで加熱し1150℃で2分間焼鈍した後、上記と同様の方法にて表面のマクロ組織とB8を評価した。
その結果、再圧延前の表面粗度の算術平均Raが0.6未満の試料では粗大粒が顕著に現れ、B8も低い値であるのに対し、算術平均Raが0.6μm以上の試料では粗大粒比率は小さく、B8も1.78Tと高い値を示すことが判明した。ただし、Raが3.7μmのものは、粗大粒が殆ど認められないにもかかわらず、焼鈍後のB8が1.67Tと低かった。なお再圧延後の表面粗度は、再圧延前のRaにかかわらず0.2〜0.3μmと同程度であり、明確な差は認められなかった。この実験結果から、再圧延前の表面粗度が再圧延・高温仕上焼鈍後の再結晶挙動に大きく影響していると考えられる。
さらに、浸珪処理した試料に対し小径の丸棒に巻き付けて曲げ加工性を評価した。得られた結果を表3に示す。
また、図2に、再圧延前の表面粗度Raと0.080mmに再圧延後1150℃で2分間焼鈍したときの粗大粒比率およびB8/Bsとの関係をまとめる。
再圧延直後の断面組織をエッチングして光学顕微鏡で観察すると、表面粗度の大きな試料では、殆ど全ての結晶粒内において、表面の凹凸を基点にして発生したと思われる双晶の跡が比較的均一に認められた。一方、表面粗度の小さな試料では、全体的に双晶跡が少なく、双晶が全く認められない結晶粒も多く存在していた。通常、二次再結晶板を圧延した後に焼鈍すると、もとの二次粒内からは{110}<001>方位に極めて近い方位の粒が発生して一次再結晶組織を形成する。これらの結晶粒の境界は小傾角粒界で形成され、焼鈍時に粒成長しにくい反面、ある一定以上の温度に達すると、もとの二次粒界付近から発生したごく少数の方位の異なる結晶粒に一挙に蚕食されて二次再結晶組織を形成する。一方、もとの二次粒内に双晶が多く発生した試料では、この双晶部分から周囲と異なる方位の結晶粒が発生しやすい。このような結晶粒が存在していると、高温で焼鈍した際、異常粒成長を抑えることができる。双晶の量が多すぎると、一次再結晶したとき全体の{110}<001>集積度を低下させるが、双晶が適度に存在していれば、一次再結晶組織の{110}<001>集積度をそれほど低下させることなく、また高温焼鈍したときの二次再結晶発生も抑制される。今回、圧延前の表面粗度を規定することで、圧延の際に適度の双晶が形成され、焼鈍時に{110}<001>集積度をそれほど低下させることなく高温焼鈍しても二次再結晶しにくい素材を得ることができたと考えられる。
[1]質量%でSi:2〜4%を含む一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板厚0.03〜0.10mmの極薄珪素鋼板であって、窒素雰囲気中、1100℃、1分の条件で熱処理を施した後の、結晶粒の最大幅が板厚の5倍を超える粗大粒の比率が15%以下であり、かつ、B8/Bsが0.85以上である極薄珪素鋼板。
ただし、粗大粒の比率は結晶全板面に対する粗大粒の面積比であり、B8/Bsは圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
[2]質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
[3]質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上であり、フォルステライト被膜を除去した又はフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板に、湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%ので板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
[4]前記[2]または[3]において、前記圧延後、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱することを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
本発明の対象は、Si::2〜4%を含む一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板厚0.03〜0.10mmの極薄珪素鋼板とする。また、窒素雰囲気中、1100℃、1分の条件で熱処理を施した後の、結晶粒の最大幅が板厚の5倍を超える粗大粒の比率は15%以下であり、B8/Bsは0.85以上とする。ただし、粗大粒の比率は結晶全板面に対する粗大粒の面積比であり、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である(以下、この比を略してB8/Bsと称す)。これらは、本発明において最も重要な要件である。
Si:2〜4%
素材のSi量が少ないと浸珪処理の際に原料のSiCl4ガス使用量が増加すること、また浸珪処理が長時間化することでコストアップとなることから下限を2%とする。また、Si量が増加すると圧延困難となるためSi量の上限は4%とする。
板厚0.03〜0.10mm
板厚0.03mm未満では製造コストアップを招き、また鉄心組み立ての工数が増えることから望ましくない。一方、0.10mmを超える板厚では高周波鉄損が増大する。
連続ラインでの浸珪処理では、1100℃以上で1分以上熱処理が必要とされる。したがって、この条件で熱処理した後の粗大粒の比率が15%以下であれば浸珪処理後の曲げ加工性が確保できる。また、板厚0.1mm以下であれば、1200℃以下、30分以内の浸珪・拡散処理で十分特性の良い6.5%珪素鋼板を製造できることから、好ましくは、1200℃で30分熱処理した後の粗大粒の比率を15%以下とする。
冷延板を一次再結晶させて得られる3%Si無方向性電磁鋼板のB8は1.45T前後であり、現在工業生産されている6.5%Si鋼板もこのような素材を用いている。ところでリアクトル等の鉄心寸法は、このB8を指標として設計される。鉄心を小型化するためには材料のB8を高めることが求められている。鉄心小型化は、リアクトル全体としてみると、巻線の量が減り銅損も改善されること、ケースの材料費も抑えられること等の副次的改善効果も大きいため、ユーザーニーズも強い。ただし数%程度のB8の向上では設計変更の費用に吸収されてしまうため、実質的な改善効果を得るには2割以上のB8の向上が必要とされる。
3%Si素材のB8としては1.73T以上に相当する。そこで本発明では浸珪処理に適した素材のB8/Bsとして0.85以上とした。B8ではなく飽和磁束密度Bsとの比B8/Bsを用いたのは、これが素材Si量に依存しないためである。
質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延する。または、質量%で、Si:2〜4%を含み、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延する。そして、好ましくは、前記圧延後、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱処理する。
通常、二次再結晶板の被膜を酸洗除去したときのRaは0.2〜0.4μmである。二次再結晶板の表面粗度を高めると、圧延・焼鈍したときに得られる一次再結晶組織の{110}<001>方位集積度が低下すると考えられるため、あえてRaを大きくしてから圧延するという発想はこれまで無かった。しかしながら本発明においては再圧延前のRaを0.6μm以上3.5μm以下とする。圧延前のRaを0.6μm以上3.5μm以下とすることで、再圧延して1100℃以上で焼鈍したときの粗大粒発生を抑え、且つB8を比較的高い値に維持できる。
表面粗度の調整は、機械的研磨を利用しても化学的腐食を利用しても良く、あるいはフォルステライト無しまたはいったん被膜除去した二次再結晶板表面に1μm以上の内部酸化層を形成させた後、化学的に腐食しても良い。
再圧延前に表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とした後、再圧延を行う。圧下率が60%未満では焼鈍したときの一次再結晶組織の{110}<001>方位への集積が低く、十分なB8が得られない。一方、90%超えでも、焼鈍後の一次再結晶組織の{110}<001>方位への集積が低下し、B8が低下してしまう。また、板厚は上述した理由により、0.03〜0.10mmとする。
再圧延板を焼鈍する際、昇温速度の大きい方が高温時の粗大粒比率が小さくなる傾向が認められた。具体的には昇温速度15℃/s以上とするのが望ましい。
浸珪処理は常法に従って行うことができる。SiCl4ガスの濃度は特に限定しないが5%〜50%程度が望ましい。低すぎると反応性に乏しく本発明の効果が得られにくい。高すぎると余剰のガスを使用することになり経済性が劣る。
上記熱処理した試料を40℃に加熱した10%H2NO3液に3分間浸漬して内部酸化層を除去した後、表面粗度を計測した。なお内部酸化層形成前の素材のRaは0.3μmであった。次いで、上記試料を板厚0.065mmまで冷間圧延し、次いで100%N2中、表6に示す温度、時間で焼鈍した後、実施例1と同様の方法にて表面組織観察及びB8評価を行った。得られた結果を表6に示す。
得られた6.5%珪素鋼板に対して、実施例1と同様の方法にて組織観察、B8測定、及び径の異なる丸棒に巻き付けて加工性評価を行った。得られた結果を表7に示す。
Claims (5)
- 質量%でSi:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる一方向性珪素鋼二次再結晶板を再圧延して得られる板厚0.03〜0.10mmの浸珪処理用極薄珪素鋼板であって、
該極薄珪素鋼板を、窒素雰囲気中、1100℃、1分の条件で熱処理を施したときの、結晶粒の最大幅が板厚の5倍を超える粗大粒の比率が15%以下であり、かつ、B8/Bsが0.85以上である浸珪処理用極薄珪素鋼板。
ただし、粗大粒の比率は結晶全板面に対する粗大粒の面積比であり、B8/Bsは圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。 - 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、
次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする浸珪処理用極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。 - 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上であり、フォルステライト被膜を除去した又はフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板に、湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、
次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延することを特徴とする浸珪処理用極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。 - 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上である一方向性珪素鋼二次再結晶板に機械的な研磨または化学的な腐食を施し、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面の粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、
次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延し、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱する浸珪処理を行うことを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。 - 質量%で、Si:2〜4%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、B8/Bsが0.9以上であり、フォルステライト被膜を除去した又はフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼二次再結晶板に、湿潤雰囲気で焼鈍を行い、前記一方向性珪素鋼二次再結晶板表面に厚さ1μm以上の内部酸化層を形成させ、
次いで、化学的な腐食により内部酸化層を除去し、表面粗度の算術平均Raを0.6μm以上3.5μm未満とし、次いで、圧下率60〜90%で板厚0.03〜0.10mmまで圧延し、さらに、室温から1100℃までの温度範囲を昇温速度15℃/s以上で加熱する浸珪処理を行うことを特徴とする極薄珪素鋼板の製造方法。
ただし、B8/Bsは、圧延方向に磁化力800A/mで励磁したときの磁束密度B8と飽和磁束密度Bsの比である。
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