JP5636487B2 - 可搬式作業台 - Google Patents
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Description
本発明は、建築工事現場、建築物の天井や壁面などの内外装作業、電気配線作業などに使用する可搬式作業台に関するものである。
かかる可搬式作業台1は、下記特許文献1にもあるが、従来、例えば図14に示すように、一対の支柱脚4a間に複数の踏み桟5を適宜間隔で取り付けて梯子状の主脚4を形成し、該梯子状の主脚4の一対間に長方形状の天板3を回動自在に取り付け、さらに、天板3と主脚4との間に途中で屈曲自在なステイ7を介装している。
特許番号第2989166号公報(アルミニウム製可搬式作業台)
また、天板3の四隅に棒状の手掛かり部材6を立設して、主脚4を昇降する際の手掛かりとしている。この手掛かり部材6は可搬式作業台の認定基準で備え付けが規定されているもので、天板3面高さが1.5mを超える可搬式作業台には必ず付設されるものである。
手掛かり部材6は、作業者が作業台となる天板3に昇降する場合、天板上に載って作業を行う場合に、手掛けとなり、安全性および作業性を向上させるためのもので、主脚4に沿って折り畳み可能に取り付けることで、天板3の4隅に立設可能とした。
しかしながら、前記手掛かり部材6は主脚4を昇降する際の安全を確保するためのものであり、天板3上を歩行し、また、この上で作業する際に、天板3からの転落防止を完全に図ることはできない。
そこで、下記特許文献2にもあるが、図15に示すように天板3からの転落防止手段としてはコ字型の枠状の手摺21を別途用意し、これを天板3の長手方向にそって手掛かり部材6の間に別途立設している。
特開2001−152659号公報(可搬式作業台)
そして、使用時には主脚4を昇り、手掛かり部材6を掴んで、天板3の上に上りこの上に立って、または歩行しながら作業する。この場合、作業に気を取られるなどして天板3上で滑ったりしても、手摺21により天板3から転落、墜落することが防止される。
前記のような可搬式作業台は、脚立などに代わる安全な作業台として急速に普及している。しかしながら、前記手摺21は認定基準で備え付けが規定されているものではないため、現実には後付けのオプション部品になっていることが多い。このため、作業者にとっては、手摺りの取り付け・取り外しの手間と時間が嵩むことから、手摺りを取り付けないで作業することも多く、転落・墜落事故を起こすことも多い。
また、手摺21は別部品となるため、部品点数が増え、運搬や保管場所のスペースも必要とするので面倒である。
ちなみに、前記特許文献2の場合も、手摺21の天板3への固定は、手摺の横桟から延びる縦桟の下部に特殊な固定用部材を設けることにより行われ、ボルト・ナットなどの適宜の手段で固定するが、安全性を高めるために堅牢に固定するのに着脱の容易性との兼ね合いが困難であり、ともすれば、取り付け、取り外しが面倒である。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消するものとして、手掛かり部材を備えた可搬式作業台において、この手掛かり部材を利用することで手摺りを簡単に設置でき、しかも天板の上部への組み立ても容易で簡単に設置でき、天板からの転落・墜落事故発生を防止し安全性を向上できる可搬式作業台および手摺部材を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、一対の梯子状の主脚間に天板を架け渡し、前記天板の4隅に主脚に沿って折り畳み可能に取り付けた棒状の手掛かり部材を立設可能とした可搬式作業台において、手摺支柱とこの手摺支柱同士で支承する手摺桟とからなる手摺部材のうち、手摺支柱は棒状の手掛かり部材を利用して立設し、天板の長手方向に平行する手摺桟は、分割体として、手摺支柱の上部に回動自在に一端を軸着され、手摺支柱に沿って折畳み可能とし、さらに手摺支柱は手掛かり部材とともに天板の隅角部から延びる主脚の縦部材に沿って折り畳み可能としたことを要旨とするものである。
請求項1記載の発明によれば、手摺桟が手摺支柱の上部に取り付けてあるから、対向位置の手摺支柱からそれぞれ手摺桟を回動して天板の長手方向に配置すれば、対向位置の手摺り上桟の先端が連結され、天板の長手方向にそって隙間なく連続する手摺が簡単に形成される。
また、一方の手摺桟に出没自在に設けた棒状の連結部材を引出して他方の手摺桟の中空挿入部に差し入れるだけで、衝合する手摺桟同士を簡単かつ確実に連結できる。
以上述べたように本発明の可搬式作業台および手摺部材は、手掛かり部材を備えた可搬式作業台において、この手掛かり部材を利用することで手摺りを簡単に設置できるものであり、手摺桟を手摺支柱に回動自在に取り付けたから、手摺支柱から手摺桟を天板の長手方向にそって側方上部に引上げるだけで、手摺桟を天板の側方上部に配設でき、手摺り部材を別途用意することなく、また、格別の工具も必要とせずに、天板に手摺を簡単に設けることができる。
そして、手摺支柱や手摺桟のために格別に保管スペースや運搬スペースも必要とせず、保管や運搬の際には主脚と並行にして扁平に折り畳むことができ、コンパクトにできる。
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の可搬式作業台および手摺部材の1実施形態を示す正面図、図2は同上側面図で、本発明の可搬式作業台の基本構造は、図14、図15に示した従来例と基本的には同様であるから、同一の参照符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
本発明の可搬式作業台も、基本構造は従来と同様、一対の支柱脚4a間に複数の踏み桟5を適宜間隔で取り付けて梯子状の主脚4を形成し、該梯子状の主脚4の一対間に長方形状の天板3を回動自在に取り付けて主脚4を天板の裏側に沿って折り畳み可能とし、さらに、天板3と主脚4との間に途中で屈曲自在なステイ7を介装している。ステイ7は両端部が、それぞれ主脚4の踏み桟5および天板3に枢着されており、作業終了後はステイ7を屈曲部で折り曲げて作業台1を折り畳み、移動できるようになっている。
また、天板3の四隅、すなわち主脚4と天板3との昇降口に位置させて棒状の手掛かり部材6を主脚4から取付片22で回動自在に立設した。これら、主脚4、天板3および手掛かり部材6は材質としてはアルミニウムを使用する。図12に天板3を示すと、すべり防止用のバーリング孔3aを点在させ、また、左右妻側に踏外し防止用のプレート3bを取り付けている。
手掛かり部材6は、作業者が作業台となる天板3に昇降する場合、天板上に載って作業を行う場合に、手掛けとなり、安全性および作業性を向上させるためのもので、取付片22を介して天板3の隅角部または天板3の隅角部から延びる主脚4に、立設位置から天板3の隅角部から延びる主脚4の縦部材に沿って折り畳み可能に取り付けたものである。
手掛かり部材6の立設、折り畳み機構について説明すると、詳しくは図16に示すように、天板3の偶角部から延びる主脚4の上部に固定される手掛かり部材6の取付片22の溝部23に手掛かり部材6を装着して、両者を第1のピン部材24で回動可能に枢着し、第1のピン部材24が挿通する手掛かり部材6の貫通孔25は第1のピン部材24が移動し得るようスロット状に形成される。
第1のピン部材24から離れた位置に手掛かり部材6に挿通する第2のピン部材26を設け、手掛かり部材6の内部に位置する第1のピン部材24と第2のピン部材26の間をバネ27で連結し、手掛かり部材6より突き出た第2のピン部材26の突出部28が、図17に示すように、取付片22の上部に形成された切欠部29、29にバネ27の力に抗して嵌入するようにして、手掛かり部材6を天板3の隅角部に立設された位置にもたらす。この場合、第1のピン部材24はスロット状貫通孔25の上端に位置する。
手掛かり部材6を折り畳むには、図17に示すように、手掛かり部材6をバネ27の力に抗して上方(矢印Xの方向)に引き上げ、且つ立設位置Aから下方に回動させて折り畳み位置Bにもたらすと、手掛かり部材6がバネ27の作用で上方(矢印Yの方向)に移動し、第2のピン部材26の突出部28が取付片22の下部に形成された切欠部30、30に嵌入し、その結果、手掛かり部材6は主脚4の側面に沿って折り畳まれる。この場合、第1のピン部材24はスロット状貫通孔25の下端に位置する。
本発明の手摺部材8は、手掛かり部材6に被せる鞘管による手摺支柱9と、立設状態の前記手掛かり部材6、手摺支柱9同士に掛け渡す手摺桟10とからなる。
図11に示すように手掛かり部材6は断面略矩形のアルミニウム合金押出合金の管体によるもので、この手掛かり部材6に着脱自在に被せる鞘管による手摺支柱9は手掛かり部材6の外側と密着する内周面を有する管体である。
手掛かり部材6に被せる手摺支柱9の手掛かり部材6への固定は、両者を貫通するボルト11により行う。
本発明では、さらなる工夫として、天板3の長手方向に平行する手摺桟10は、分割体として、その単体は天板3の長さ方向の長さの約2分の1の長さのものが、手摺支柱9の上部にピンにより回動自在に一端を軸着され、手摺支柱9に沿って折畳み可能とした。
これら分割体としての手摺桟10は、手掛かり部材6および手摺支柱9が立てられた際に、この手摺支柱9の先端から手摺桟10が天板3の長手方向にそってその側方上部で水平に突出し、一方の手摺桟10と対向する手摺桟10とは先端が衝合して連結部材31で連結される(図18〜図20参照)。
前記手摺桟10の突出先端の相互連結部は、一方の手摺桟10に他方の手摺桟10に向けて突出する棒状の連結部材31を出没自在に設け、衝合する他方の手摺桟10に前記連結部材31が挿入する中空挿入部32を形成したもので(図13参照)、前記中空挿入部32は手摺桟10を形成するアルミニウム押出合金による管体を利用する。
前記連結部材31の側面に突出連結状態のロック表示部34と、没入非連結状態の解除表示部33とを設け、これらロック表示部34と解除表示部33とは、それぞれ異なる着色部、例えばロック表示部34を青色、解除表示部33を赤色で形成し、ロック表示部34と解除表示部33の境界に連結部材をスライドさせる摘み12を設ける。
ロック表示部34と解除表示部33とは、それぞれの色の塗料を塗布することで形成してもよいが、これらの色に着色されたプラスチック板やテープを貼着してもよい。
この摘み12は例えばボルトを利用し、連結部材31にねじ込むことにより取り付ける。
図中13はこの摘み12の移動を許容するための長穴であるとともに、ロック表示部34と解除表示部33とを顕示する表示窓である。そして、解除表示部33の長さをこの長穴13の長さに等しく形成し、解除時には赤色が長穴13の全体に表示されるようにする。
前記手摺桟10は天板の長さ方向に伸びる長手方向用の手摺桟であり、これだけでも十分であるが、さらに、天板の幅方向にも手摺桟を配設することもできる。
天板の幅さ方向にも手摺桟を配設する短手方向用手摺桟14は、手摺桟10を鞘管としてその内部に収納可能であり、かつ、一端を長手方向用の手摺桟10に軸着したものであり、対向する長手方向用手摺桟10に掛け渡す。
図13に各部材を示す。手摺支柱9にはボルト11の貫通用のボルト孔15aと手摺桟10を軸着するためのボルト孔15bが設けられ、一方の手摺桟10の側面側には、短手方向用手摺桟14を収容するための窓穴16が形成され、他方の手摺桟10の側面には、短手方向用手摺桟14の先端を差し入れる開口17が形成される。
手摺部材8を構成する、手摺支柱9、手摺桟10、短手方向用手摺桟14は合成樹脂の角パイプをもって形成すれば軽量なものとなる。また、合成樹脂の他にアルミニウム合金等の金属でもよく、形状も折り畳みに支障のない形状であればよい。
このようにして、短手方向用手摺桟14は、長手方向用の手摺桟10に軸着する端部と反対側の端部は、対向する長手方向用の手摺桟10の側面の開口17内に差し入れることで掛け渡しが完了する。
次に使用法を説明する。図3に示すように、短手方向用手摺桟14は手摺桟10内に収められ、手摺桟10は手摺支柱9に沿って折り畳まれ、さらに手摺支柱9は手掛かり部材6とともに天板3の隅角部から延びる主脚4の縦部材に沿って折り畳まれている。また、手摺桟10はこの手摺支柱9に沿って折畳まれており短手方向用手摺桟14は手摺桟10内に収納されている。
可搬式作業台1の使用を行うには、主脚4が開かれ、設置される。
図4、図5に示すように、手掛かり部材6が立てられ、それとともに手摺支柱9が立設され、この状態では長手方向用手摺桟10は手摺支柱9に沿って折り畳まれた状態で手摺支柱9とともに起立される。
手摺部材8を設けない従来の可搬式作業台と同じく手掛かり部材6のみを使用する場合には、手掛かり部材6と手摺支柱9の双方を一緒に握って主脚4から天板3に昇降すればよい。
図5の状態から図6に示すように手摺支柱9に沿って折り畳まれている手摺桟10を回動させて天板3の長手方向にそってその側方上部で水平に突出させる。この状態では、図19に示すように連結部材31は長穴13が形成されている側の手摺桟10内に収納され、解除表示部33の赤色がスライド方向の先端側に位置して長穴13から顕示している。
図7に示すように、一方の手摺支柱9からの手摺桟10と対向する手摺支柱9からの手摺桟10とは先端が衝合するので、摘み12で連結部材31を手摺桟10からスライドさせ他方の手摺桟10の方向に突出させて中空挿入部32に差し入れて連結する。
この連結部材31のスライドにより赤色の解除表示部33が中空挿入部32内に差込まれるので、長穴13から赤色が消えて長穴13にはロック表示部34の青色が表示されることになり、この青色を目視することで手摺桟10同士が連結されロック状態にあることが確認できる。
これで図8、図9に示すように、天板3の周端の上方のうち長手方向は手摺桟10、10が配置され、次いで、手摺桟10内に収納されている短手方向用手摺桟14を回しながら引き出し、その先端を対向する手摺桟10の開口17内に差し入れて図10に示すように手摺桟10同士に短手方向用手摺桟14を掛け渡す。
これにより、天板3の周端の上方の幅方向には短手方向用手摺桟14が配置され、天板3の周端の上方は手摺桟10、10と短手方向用手摺桟14とで囲むことができる。
使用後、手摺部材8を折り畳むには、前記と逆の動作を行えばよい。
1…可搬式作業台 3…天板
3a…バーリング孔 3b…プレート
4…主脚 4a…支柱脚
5…踏み桟 6…手掛かり部材
7…ステイ 8…手摺部材
9…手摺支柱 10…手摺桟
11…ボルト 12…摘み
13…長穴 14…短手方向用手摺桟
15a、15b…ボルト孔
16…窓穴 17…開口
21…手摺 22…取付片
23…溝部 24…第1のピン部材
25…貫通孔 26…第2のピン部材
27…バネ 28…突出部
29、30…切欠部 31 連結部材
32 中空挿入部 33 解除表示部
34 ロック表示部
3a…バーリング孔 3b…プレート
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7…ステイ 8…手摺部材
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11…ボルト 12…摘み
13…長穴 14…短手方向用手摺桟
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16…窓穴 17…開口
21…手摺 22…取付片
23…溝部 24…第1のピン部材
25…貫通孔 26…第2のピン部材
27…バネ 28…突出部
29、30…切欠部 31 連結部材
32 中空挿入部 33 解除表示部
34 ロック表示部
Claims (1)
- 一対の梯子状の主脚間に天板を架け渡し、前記天板の4隅に主脚に沿って折り畳み可能に取り付けた棒状の手掛かり部材を立設可能とした可搬式作業台において、手摺支柱とこの手摺支柱同士で支承する手摺桟とからなる手摺部材のうち、手摺支柱は棒状の手掛かり部材を利用して立設し、天板の長手方向に平行する手摺桟は、分割体として、手摺支柱の上部に回動自在に一端を軸着され、手摺支柱に沿って折畳み可能とし、さらに手摺支柱は手掛かり部材とともに天板の隅角部から延びる主脚の縦部材に沿って折り畳み可能としたことを特徴とする可搬式作業台。
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