JP5631010B2 - リフト装置および傾斜物の復旧方法 - Google Patents
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Description
電力設備はライフラインの中核をなすものであることから、電力供給を早期再開することは、災害後の復旧作業を迅速に進めるうえでも重要である。
特許文献1の技術は、1階部分に店舗や駐車場やピロティ等を有するビル等において、1階部分が崩壊した場合に、崩壊した1階部分に代えて、2階以上の上部建物と基礎との間に免震装置を介在せしめ、免震構造を有する建物として復旧する技術である。
この技術では、崩壊した1階部分にジャッキ設け、このジャッキによって上部構造体を水平に建て起こし、建物における1階部分の構造部を完全に切断し除去した後、上部建物と基礎との間に免震装置を設置する。すると、元の建物の1階部分に免震装置を有する建物として復旧できる旨が記載されている。
まず、傾斜している機械装置の基礎の周囲および下方を掘削して強固な地盤を露出させ、この強固な地盤と基礎との間にジャッキを設置する。ついで、ジャッキによって基礎を持ち上げて基礎を水平にして、基礎の下方にコンクリートを流し込んで固化させる。すると、固化したコンクリートによって基礎が支持されるので、基礎を水平に復旧することができるのである。
また、基礎の復旧作業においては、基礎周囲の掘削は通常重機で行われるが、地震災害の場合、道路の崩壊や土砂崩れ等により、重機を復旧すべき場所まで移動させることができない場合もある。すると、基礎周囲の掘削を行うことが困難になるから、復旧作業自体を行うことができなくなる可能性がある。
確かに、基礎周囲を人力で掘削することができる場合であれば、重機がなくても復旧作業はできるが、作業が非常に大変であり迅速な復旧が難しくなるし、また、重機を使用する場合に比べて二次災害の可能性が高くなる。
第1発明の傾斜物の復旧方法は、地震等によって傾斜した傾斜物の近傍に、該傾斜物を吊上げる吊上げ手段を設置し、該吊上げ手段と前記傾斜物とを連結手段によって連結し、前記吊上げ手段に設けられた昇降装置を作動させて、前記傾斜物が水平になるように該傾斜物を上方に吊上げて傾斜物を復旧する方法であり、前記連結手段が、軸方向に沿って伸びた一対の連結部材を備えており、前記傾斜物に固定されている部材を、前記一対の連結部材の両軸端間の位置において該一対の連結部材によって挟んで該一対の連結部材を前記傾斜物と連結し、該一対の連結部材を前記傾斜物と連結した状態で、該連結部材を、その両軸端部と地面との間に配置された前記吊上げ手段の昇降装置によって上昇させることを特徴とする。
第2発明の傾斜物の復旧方法は、第1発明において、前記吊上げ手段および前記連結手段が、人力で搬送可能に形成されていることを特徴とする。
第3発明の傾斜物の復旧方法は、第1または第2発明において、前記吊上げ手段の昇降装置によって上昇した前記連結部材の下方に、該連結部材を上昇した位置に支持しておく支持スペーサを配置し、該支持スペーサを配置した後、前記昇降装置と地面との間に装置用スペーサを配置して、該昇降装置を地面よりも高い位置に配置することを特徴とする。
(リフト装置)
第4発明のリフト装置は、物体を上方に吊上げるために使用される、人力で搬送可能なリフト装置であって、前記物体と連結される連結手段と、該連結手段を吊上げる吊上げ手段とを備えており、前記連結手段は、軸方向に沿って伸びた一対の連結部材を備えており、前記吊上げ手段は、前記連結部材の両軸端部を、それぞれ昇降可能に保持する一対の保持部材と、前記連結部材の両軸端部を昇降させる昇降装置、を備えており、前記一対の連結部材は、該一対の連結部材における両軸端間の位置に前記物体に固定されている部材を挟んで保持するものであることを特徴とする。
第5発明のリフト装置は、第4発明において、前記一対の連結部材間に前記物体に固定されている部材を挟んだ状態において、該一対の連結部材同士が互いに離間しないように保持する離間防止部材を備えていることを特徴とする。
第6発明のリフト装置は、第4または第5発明において、前記保持部は、前記連結部材の軸端部が載せられる昇降プレートと、該昇降プレートの昇降を案内するガイド部材と、前記昇降プレートとの間に、前記昇降装置を挟んで保持するように配置された昇降装置支持部とを備えており、該昇降装置支持部は、前記昇降装置を、その伸縮方向が前記昇降プレートの昇降方向に対して揺動可能に支持するものであることを特徴とする。
第7発明のリフト装置は、物体を上方に吊上げるために使用される、人力で搬送可能なリフト装置であって、前記物体と連結される連結手段と、該連結手段を吊上げる吊上げ手段とを備えており、前記連結手段は、軸方向に沿って伸びた連結部材を備えており、前記吊上げ手段は、前記連結部材の両軸端部を、それぞれ昇降可能に保持する一対の保持部材と、前記連結部材の両軸端部を昇降させる昇降装置と、を備えており、前記保持部材は、前記連結部材の軸端部が載せられる昇降プレートと、該昇降プレートの昇降を案内するガイド部材と、前記昇降プレートとの間に、前記昇降装置を挟んで保持するように配置された昇降装置支持部とを備えており、該昇降装置支持部は、前記昇降装置を、その伸縮方向が前記昇降プレートの昇降方向に対して前後左右に揺動可能となるように支持するものであることを特徴とする。
第8発明のリフト装置は、第7発明において、前記連結手段が、前記連結部材を一対備えており、該一対の連結部材間に、前記物体に固定されている部材を挟んで保持することを特徴とする。
第9発明のリフト装置は、第8発明において、前記一対の連結部材間に前記物体に固定されている部材を挟んだ状態において、該一対の連結部材同士が互いに離間しないように保持する離間防止部材を備えていることを特徴とする。
第10発明のリフト装置は、第4乃至第9発明のいずれかにおいて、前記保持部材は、その下端に車輪を備えていることを特徴とする。
第1発明によれば、傾斜物をその近傍に配置された吊上げ手段によって傾斜物を吊り上げて水平にするので、傾斜物の下方にジャッキなどを設置する必要がない。すると、傾斜物の下方で行なう作業が不要になるので、地震後の復旧作業においても、作業者の安全性を高くすることができる。また、連結部材の両軸端部を下方から上方に押し上げて、傾斜物を吊上げるので、連結部材の両軸端部を、リフト中でも、昇降装置によって常に下方から支持しておくことができる。よって、安定した状態で、傾斜物の吊り上げ作業を行うことができる。そして、傾斜物に固定されている部材を一対の連結部材によって挟むことによって傾斜物と連結部材とを連結するので、両者の固定を容易にすることができる。しかも、一本の連結部材を使用する場合に比べて連結部材を軽量化できるから、連結部材の可搬性を高くすることができる。
第2発明によれば、装置が人力で搬送できるように形成されているので、復旧すべき場所まで重機等を移動させることができない場合でも、その場所まで装置を搬送することができ装置による復旧作業を実施することができる。
第3発明によれば、支持スペーサと装置用スペーサを使用することによって、昇降装置の伸縮量、つまり、リフト量が少なくても、傾斜物を吊上げることができる高さを高くすることができる。すると、昇降装置を小型化できるから、昇降装置の可搬性を高くすることができる。
(リフト装置)
第4発明によれば、連結部材の両軸端部を下方から上方に押し上げて、物体を吊上げた状態とすることができるので、連結部材の両軸端部を、リフト中でも、昇降装置によって常に下方から支持しておくことができる。よって、安定した状態で、物体の吊り上げ作業を行うことができる。また、物体に固定されている部材を一対の連結部材によって挟むことによって物体と連結部材とを連結するので、両者の固定を容易にすることができる。しかも、一本の連結部材を使用する場合に比べて連結部材を軽量化できるから、連結部材の可搬性を高くすることができる。そして、装置が人力で搬送できるように形成されているので、復旧すべき場所まで重機等を移動させることができない場合でも、その場所まで装置を搬送することができ装置による復旧作業を実施することができる。
第5発明によれば、一対の連結部材は離間防止部材によって離間しないように保持されているので、物体と連結部材とを安定した状態で連結することができる。
第6発明によれば、連結部材の軸端部の昇降方向が鉛直方向に対して傾いていても、その昇降方向と昇降装置の伸縮方向がほぼ一致するように、昇降装置支持部によって昇降装置を揺動させることができる。よって、昇降装置のリフト力を効果的に発揮させることができる。
第7発明によれば、連結部材の両軸端部を下方から上方に押し上げて、物体を吊上げた状態とすることができるので、連結部材の両軸端部を、リフト中でも、昇降装置によって常に下方から支持しておくことができる。よって、安定した状態で、物体の吊り上げ作業を行うことができる。しかも、連結部材の軸端部の昇降方向が鉛直方向に対して傾いていても、その昇降方向と昇降装置の伸縮方向がほぼ一致するように、昇降装置支持部によって昇降装置を揺動させることができる。よって、昇降装置のリフト力を効果的に発揮させることができる。
第8発明によれば、物体に固定されている部材を一対の連結部材によって挟むことによって物体と連結部材とを連結するので、両者の固定を容易にすることができる。しかも、一本の連結部材を使用する場合に比べて連結部材を軽量化できるから、連結部材の可搬性を高くすることができる。
第9発明によれば、一対の連結部材は離間防止部材によって離間しないように保持されているので、物体と連結部材とを安定した状態で連結することができる。
第10発明によれば、物体を地面等から浮かせた状態とすれば、保持部材の車輪によって物体を移動させることができる。すると、重機等を使用できない場所でも、簡単かつ用意に重量の大きい物体を移動させることができる。
かかる構成とすれば、道路の崩壊や土砂崩れ等により、重機等を復旧すべき場所まで移動させることができない場合でも、本発明のリフト装置を人力で復旧する物体まで搬送でき、復旧作業を行うことができるという利点が得られる。
以下では、代表として、基礎を有する機械装置が傾いた場合において、その復旧作業に本発明のリフト装置を使用する場合を説明する。
以下、本発明のリフト装置1を実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、符号Cは本実施形態のリフト装置1によって持ち上げられる機械装置を示しており、符号Bは、この機械装置Cの基礎を示している。
図1では、基礎Bにおいて、紙面と直交する方向における手前側に、本実施形態のリフト装置1を設置した状態を示しており、以下の説明では、基礎Bの手前側が奥側に対して下がった状態、つまり、紙面手前に向かって下傾した基礎Bを復旧することを前提に説明する。
連結手段2は基礎Bに固定された部材に連結されるものである。つまり、連結手段2は基礎Bと連結されるものである。
吊上げ手段10は基礎Bに連結された連結手段2を上方に押し上げるものであり、連結手段2の上下方向への移動を案内する保持部材11と、保持部材11に案内された連結手段2を昇降させる油圧ジャッキ12とを備えている。
そして、基礎Bが水平になった状態で油圧ジャッキ12の作動を停止させれば、油圧ジャッキ12に連結手段2が支持され、基礎Bが吊り下げられた状態となる(図1(B))。
基礎Bが吊上げられると、基礎Bと地面Gとの間に空間ができるので、グラウト材をこの空間に配置する。例えば、乾燥の速いコンクリート等のグラウト材をこの空間に注入する。すると、グラウト材が固まれば、グラウト材によって基礎Bが水平な状態を維持できるように支持されるから、基礎Bの復旧作業が終了する。
また、吊上げ手段10は、連結手段2の両端部を下方から上方に押し上げて、基礎Bを吊上げるので、リフト中でも、吊上げ手段10によって連結手段2を常に下方から支持しておくことができる。よって、安定した状態で、基礎B,つまり、基礎Bを含む機械装置Cを吊り上げる作業を行うことができる。
以下では、復旧する機械装置C等が存在する場所まで、人力で搬送することに適した構成を有する、本実施形態のリフト装置1の一実施形態を説明する。
まず、リフト装置1の連結手段2を説明する。
図1において、符号2aは、基礎Bに固定された連結手段2のアンカーボルトを示している。アンカーボルト2aは、例えば、直径20mm程度のものであり、複数本の基礎Bの上面に複数本、一直線上に並ぶように設置されるが、その理由は後述する。
なお、基礎Bの上面に、連結部材3と連結させることができる突起物等がある場合には、アンカーボルト2aは設けなくてもよい。例えば、機械装置Cを吊り上げるための部材(アイボルト等)が基礎Bに設けられているような場合であれば、その部材をアンカーボルト2aに代えて使用してもよい。
具体的には、図4に示すように、一対の連結部材3,3は、その背面同士を対向させた状態で、その背面間にアンカーボルト2aを挟むように配置される。そして、アンカーボルト2aにプレート2bを取り付けて、このプレート2bと基礎Bとの間に一対の連結部材3,3が挟まれた状態となるように配置する。すると、一対の連結部材3,3をアンカーボルト2aと連結できるのである。
しかも、一対の連結部材3,3が棒状の部材であるから、基礎B上に設置されている機器形状が複雑な場合でも、一対の連結部材3,3を基礎Bに設置できる。つまり、一対の連結部材3,3を通すことができる空間があれば、一対の連結部材3,3を基礎Bに設置できるのである。
しかし、地面Gから基礎Bの上面までの距離が、保持手段11を配置する上で十分な距離を有していれば(例えば500mm程度)、連結部材3として、その両端部3aが屈曲していない真直ぐな部材を使用してもよい。
図1および図2に示すように、吊上げ手段10は、保持部材11と油圧ジャッキ12とから構成されている。
また、保持部材11は、ベース梁11bに先端が連結され、ベース梁11bとでT字状のベースを形成する後端ベース11eと、この後端ベース11eの後端と一対のガイド柱11a,11aとを連結する後側支持材11dも有している。
そして、一対のガイド柱11a,11aは、C型鋼で形成されており、その開口部分同士が向かい合うように配設されている。この一対のガイド柱11a,11aは、両者間において最も狭い部分の間隔が、アンカーボルト2aを挟んだ状態における一対の連結部材3,3の幅D(図4参照)よりもわずかに広くなるように形成されている。
しかも、保持部材11は、ベース梁11bと後端ベース11eによってT字状のベースが形成されており、基礎Bの方向以外の3方向には、一対のガイド柱11a,11aが設けられている位置から張り出した部分(ベース梁11bの両端部および後端ベース11e)を有している。よって、油圧ジャッキ12を伸長させて一対の連結部材3,3を上昇させるときに、一対の連結部材3,3を上昇させる方向が鉛直方向に対して若干傾いていても、張り出した部分によって安定した状態を維持でき、保持部材11が転倒することを防ぐことができる。
かかる構造とすると、昇降プレート11pが移動する方向、つまり、連結部材3の軸端部3aが昇降する方向が鉛直方向に対して傾いていても、その昇降方向と油圧ジャッキ12の伸縮方向をほぼ一致させることができるから、油圧ジャッキ12のリフト力を、連結部材3の軸端部3aの昇降に効果的に利用することができる。
上記機能を発揮する昇降装置支持部はとくに限定されないが、例えば、ベース梁11bの上面に設けられた曲面状の窪みを有するプレートを挙げることができる。かかるプレートを設ければ、油圧ジャッキ12の一端(図1および図2では下端)がプレートの窪み内面に沿って移動し、油圧ジャッキ12の伸縮方向と連結部材3の軸端部3aの昇降方向とがほぼ一致するように、自動調整されるので、好適である。
つぎに、以上のごときリフト装置1を使用した傾斜した機械装置Cを復旧する作業について、図1に基づいて説明する。
なお、連結部材3の軸端部3aを配置する前に、昇降プレート11pとベース梁11bとの間には油圧ジャッキ12を配置しておく。
ここで、リフト装置1によって基礎Bを上昇させることができる量は、ジャッキ2の伸縮量によって決定されてしまう。すると、大きく傾斜した基礎Bなどでは水平な状態に戻すことができない可能性がある。
しかし、リフト装置1における一対の連結部材3,3に、スペーサ等に載せることができる部分を設けておけば、ジャッキ2の伸縮量以上に基礎Bを上昇させることができる。
そして、支持スペーサ31が配置されると、油圧ジャッキ12を収縮させて、一対の連結部材3,3が支持スペーサ31によって支持された状態とする。
なお、本実施形態のリフト装置1が使用される場面は、上述したような傾斜物の復旧作業等に限られず、重量物を少し持ち上げる作業等にも使用することができる。
例えば、クレーン等を使用することが難しい室内などにおいて、重量物を持ち上げる作業に使用することができる。
また、保持部材11の下端にキャスター等の車輪を設けておけば、物体を地面等から浮かせた状態とすれば、保持部材11の車輪によって物体を移動させることができる。すると、クレーン等を使用できない場所でも、簡単かつ用意に重量の大きい物体を移動させることができる。しかも、物体を地面等から大きく浮かせることなく、物体を移動させることが可能となるから、物体を移動させる際の安全性も高くすることができる。
(他のリフト装置の例)
各柱15は、T字状に形成されたベース部15bと、このベース部15bに立設された柱状部15cとを備えている。そして、この柱15の柱状部15cの上端には、一対の支持壁15a,15aが設けられている。この一対の支持壁15a,15aは、互いに平行であって、その対向する面間に溝15hが形成されるように配設されている。
しかも、梁状部材16は、その軸方向の長さが基礎Bの幅(図6では左右方向の長さ)よりも長くなるように形成されている。
このため、梁状部材16をその両端部がそれぞれ柱15の溝15hに収容されるように配置すれば、一対の柱15,15の上端間に梁状部材16を配置することができるのである。つまり、梁状部材16を機械装置Cの基礎Bの上方に配置することができるのである。
そして、符号17は、この一対の固定部材17a,17aと一対の連結部材17c,17cとの間を連結するように設けられる吊上げ手段を示している。この吊上げ手段17は、例えば油圧ジャッキ等の装置であり、その一端が固定部材17aに連結され、他端が連結部材17cに連結されるように配設される。つまり、吊上げ手段17は、固定部材17aと連結部材17cとの間で伸縮するように配設されるのである。言い換えれば、吊上げ手段17が伸縮すれば、固定部材17aと連結部材17cとの距離を変化させる、つまり、機械装置Cの基礎Bを昇降させることができるように配設されるのである。
まず、機械装置Cの基礎Bにアンカーボルト等によって一対の連結部材17c,17cを固定する。
ついで、機械装置Cの基礎Bを挟むように、地面にプレート等を配置する。そして、プレートの上に一対の柱15,15を設置する。このとき、各柱15の溝15hの軸がほぼ同軸状に並ぶように、また、その溝15hの軸が一対の連結部材17c,17cのほぼ上方に位置するように配置する。
ついで、一対の柱15,15の溝15hに、梁状部材16を配置する。そして、一対の固定部材17a,17aは、一対の連結部材17c,17cのほぼ鉛直上方に位置するように固定する。
そして、一対の吊上げ手段17,17を、一対の固定部材17a,17aと一対の連結部材17c,17cとの間に配置すれば吊り上げ準備が完了する。
吊り上げ準備が完了すると、一対の吊上げ手段17,17を、その作動量を調整しながら作動させると、基礎Bを上方に吊り上げて、基礎Bを水平な状態にすることができる。
図6であれば、梁状部材16に固定されている固定部材17aに設けられたブラケットに対して、吊上げ手段17が、紙面と直交する面内で揺動できるように、その基端を軸着する。
一方、吊上げ手段17の先端を連結部材17cに軸着し、その先端を支点として基礎Bに対して吊上げ手段17が揺動できるように連結する。図6であれば、基礎Bに固定されている連結部材17cに対して、吊上げ手段17が、紙面と平行な面内で揺動できるように、その先端を軸支する。つまり、吊上げ手段17が固定部材17aに対して揺動できる方向と、吊上げ手段17が連結部材17cに対して揺動できる方向とが、互いに直交するように配設する。
かかる構成とすると、基礎Bを吊り上げたときに、一対の固定部材17a,17aが一対の連結部材17c,17cのほぼ鉛直上方からどの方向にずれても、吊上げ手段17の先端と基端とを支点として揺動して、そのずれを吸収できる。
よって、梁状部材16に加わる力のうち、鉛直方向以外の成分を少なくできるから、基礎Bを吊り上げを安定して行うことができるのである。
2 連結手段
3 連結部材
10 吊上げ手段10
11 保持部材
11a ガイド柱
12 ジャッキ
B 基礎
C 機械装置
G 地面
Claims (10)
- 地震等によって傾斜した傾斜物の近傍に、該傾斜物を吊上げる吊上げ手段を設置し、該吊上げ手段と前記傾斜物とを連結手段によって連結し、前記吊上げ手段に設けられた昇降装置を作動させて、前記傾斜物が水平になるように該傾斜物を上方に吊上げて傾斜物を復旧する方法であり、
前記連結手段が、軸方向に沿って伸びた一対の連結部材を備えており、
前記傾斜物に固定されている部材を、前記一対の連結部材の両軸端間の位置において該一対の連結部材によって挟んで該一対の連結部材を前記傾斜物と連結し、
該一対の連結部材を前記傾斜物と連結した状態で、該連結部材を、その両軸端部と地面との間に配置された前記吊上げ手段の昇降装置によって上昇させる
ことを特徴とする傾斜物の復旧方法。 - 前記吊上げ手段および前記連結手段が、人力で搬送可能に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の傾斜物の復旧方法。 - 前記吊上げ手段の昇降装置によって上昇した前記連結部材の下方に、該連結部材を上昇した位置に支持しておく支持スペーサを配置し、
該支持スペーサを配置した後、前記昇降装置と地面との間に装置用スペーサを配置して、該昇降装置を地面よりも高い位置に配置する
ことを特徴とする請求項1または2記載の傾斜物の復旧方法。 - 物体を上方に吊上げるために使用される、人力で搬送可能なリフト装置であって、
前記物体と連結される連結手段と、
該連結手段を吊上げる吊上げ手段とを備えており、
前記連結手段は、
軸方向に沿って伸びた一対の連結部材を備えており、
前記吊上げ手段は、
前記連結部材の両軸端部を、それぞれ昇降可能に保持する一対の保持部材と、
前記連結部材の両軸端部を昇降させる昇降装置と、を備えており、
前記一対の連結部材は、
該一対の連結部材における両軸端間の位置に前記物体に固定されている部材を挟んで保持するものである
ことを特徴とするリフト装置。 - 前記一対の連結部材間に前記物体に固定されている部材を挟んだ状態において、該一対の連結部材同士が互いに離間しないように保持する離間防止部材を備えている
ことを特徴とする請求項4記載のリフト装置。 - 前記保持部は、
前記連結部材の軸端部が載せられる昇降プレートと、
該昇降プレートの昇降を案内するガイド部材と、
前記昇降プレートとの間に、前記昇降装置を挟んで保持するように配置された昇降装置支持部とを備えており、
該昇降装置支持部は、
前記昇降装置を、その伸縮方向が前記昇降プレートの昇降方向に対して揺動可能に支持するものである
ことを特徴とする請求項4または5記載のリフト装置。 - 物体を上方に吊上げるために使用される、人力で搬送可能なリフト装置であって、
前記物体と連結される連結手段と、
該連結手段を吊上げる吊上げ手段とを備えており、
前記連結手段は、
軸方向に沿って伸びた連結部材を備えており、
前記吊上げ手段は、
前記連結部材の両軸端部を、それぞれ昇降可能に保持する一対の保持部材と、
前記連結部材の両軸端部を昇降させる昇降装置と、を備えており、
前記保持部材は、
前記連結部材の軸端部が載せられる昇降プレートと、
該昇降プレートの昇降を案内するガイド部材と、
前記昇降プレートとの間に、前記昇降装置を挟んで保持するように配置された昇降装置支持部とを備えており、
該昇降装置支持部は、
前記昇降装置を、その伸縮方向が前記昇降プレートの昇降方向に対して前後左右に揺動可能となるように支持するものである
ことを特徴とするリフト装置。 - 前記連結手段が、
前記連結部材を一対備えており、
該一対の連結部材間に、前記物体に固定されている部材を挟んで保持する
ことを特徴とする請求項7記載のリフト装置。 - 前記一対の連結部材間に前記物体に固定されている部材を挟んだ状態において、該一対の連結部材同士が互いに離間しないように保持する離間防止部材を備えている
ことを特徴とする請求項8記載のリフト装置。 - 前記保持部材は、その下端に車輪を備えている
ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載のリフト装置。
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