以下、図面により本発明を実施するための形態について説明する。
図2は、本発明による現像装置を用いる画像形成装置を示しており、同図に示す画像形成装置は、タンデム方式によるフルカラープリンタであるが、本発明は、これに限らず、複写機やファクシミリ装置などにも適用することができる。
図2は、本実施形態に係るフルカラープリンタ(以下、便宜上、プリンタという)500の概略構成図である。
プリンタ500は、プリンタ部100,これを搭載する給紙装置200,プリンタ部100の上に固定されるスキャナ300などを備えている。また、スキャナ300の上には原稿自動搬送装置400が固定されている。
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kからなる画像形成ユニット20を備えている。
各符号の数字の後に付されたY,M,C,Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
以下、イエロー用のプロセスカートリッジ18について説明する。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。これにより、照射部(露光部)の感光体1Yの表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,C,Kについても同様である。
次に、中間転写ユニット17について説明する。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体1と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,C,K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録体たる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
次に、二次転写装置22について説明する。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。
この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
プリンタ500本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙を給紙路48に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、給紙路48内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。
これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着される。
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の二次転写ニップに戻されるかの何れかの搬送形態が選択される。
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、プリンタ本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y,M,C,K内の各機器や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y,M,C,K上に、Y,M,C,Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
プリンタ500は、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体1Y,M,C,Kを接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面をY,M,C用の感光体1Y,M,Cから離間させる。そして、4つの感光体1Y,M,C,Kのうち、K用の感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y,M,Cについては、感光体1だけでなく、現像装置4も駆動を停止させて、感光体1や現像装置4の各部材及び現像装置4内の現像剤の不要な消耗を防止する。
プリンタ500は、プリンタ500内の各機器の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
図3は、4つプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kにそれぞれ装備されている現像装置4及び感光体1を示す拡大構成図である。
4つのプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっているので、同図では「4」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。
図3に示すように感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体1の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光により静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
現像装置4は、図中矢印I方向に現像剤を搬送しながら感光体1の表面の潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ5を有している。
現像ローラ5は回転可能な現像スリーブ81を備え、複数の磁極からなり図中矢印J方向に回転可能な磁気発生手段としての磁石ローラ82を内包している。現像ローラ5は本発明の特徴部であり詳細は後述する。
また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら現像ローラ5の軸線方向に沿って図3に示す紙面の奥側(以下、便宜上、図中奥側あるいは図3中奥側と称する場合もある)に向けて現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュ8を有している。
現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から現像剤搬送方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制手段としてのドクタブレード12を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像領域よりも現像剤搬送方向下流側では、現像領域を通過し、現像ローラ5の表面から離脱した現像済みの現像剤を回収する回収搬送路7が現像ローラ5と対向する。
回収搬送路7は、回収した回収現像剤を現像ローラ5の軸線方向に沿って供給スクリュ8と反対方向に搬送する回収搬送部材として、軸線方向に平行に配置された螺旋状の回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた供給搬送路9は現像ローラ5の上方向に、そして回収スクリュ6を備えた回収搬送路7は現像ローラ5の下方に並設されている。
この位置関係により現像装置を薄型にすることができ、現像装置を4個以上並列配置するタンデムがカラー画像形成装置でも装置の小型化が可能となった。
なお、供給搬送路9と回収搬送路7との間は仕切り壁133によって仕切られている。仕切り壁133は、図中手前側と奥側に開口部を設けてあり、供給搬送路9と回収搬送路7とが連通している。
現像剤搬送部材である供給スクリュ8、回収スクリュ6は、樹脂もしくは金属のスクリュからなっており各スクリュ径は全てφ26[mm]でスクリュピッチは供給スクリュが54[mm]の2条巻き、回収スクリュ6が36[mm]の2条巻き、回転数は全て約400[rpm]に設定されている。
現像ローラ5上に担持された現像剤は、ステンレスからなるドクタブレード12によって薄層化されたうえで感光体1との対向部である現像領域まで搬送されて現像が行われる。
現像ローラ5の直径はφ40[mm]、ドクタブレード12及び感光体1とのギャップは0.3[mm]程度となっている。
現像後の現像剤は回収搬送路7にて回収が行われ、図3中手前側に搬送され、非画像領域部に設けられた現像剤汲み上げ部により上方へ汲み上げられ、仕切り壁133の開口部を経由して、供給搬送路9へ現像剤が移送される。なお、供給搬送路9における現像剤搬送方向下流側の仕切り壁133の開口部の付近で供給搬送路9の上側には、図1に示すように、後述するトナー補給口95から供給搬送路9にトナーが供給される。
[構成例1]
次に、2つの現像剤搬送路内での現像剤の循環について説明する。
図1は現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置4の斜視図であり、理解を容易にするために一部の部品を切断表示してある。また、図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
供給搬送路9では、現像剤が移動しながら現像ローラ5に接触して供給される。そして、現像ローラ5に供給されずに供給搬送路9の搬送方向下流端まで移動した余剰現像剤は仕切り壁133の余剰開口部92より回収搬送路7に落下する。
一方、現像ローラ5に供給された現像剤は現像領域で現像に用いられた後、画像部と同幅の領域である現像剤離脱部94で現像ローラ5から分離・離脱して、回収搬送路7に受け渡され、回収スクリュ6によって回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送される。一方、回収搬送路下流側の非画像部と同幅の領域には、現像ローラ5から現像剤が分離・離脱しないように磁界を形成した現像剤汲み上げ部93を設けてある。現像剤汲み上げ部93では現像剤が分離・離脱しないばかりでなく回収搬送路7内の現像剤も磁気的に吸引し上方へ汲み上げられ、仕切り壁133の開口部を経由して、供給搬送路9へ現像剤が移送される。
なお、現像剤汲み上げ部93の下方には、透磁率センサからなるトナー濃度センサ13が設けられ、センサ出力により不図示のトナー補給制御装置を作動し、不図示のトナー収容部からトナー補給口95へトナー補給を行っている。回収搬送路7では、現像剤と補給されたトナーが攪拌・搬送されていき、現像剤汲み上げ部93に到達した際には十分に攪拌されている。
図1に示す現像装置4では、供給搬送路9と回収搬送路7とを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が供給搬送路9に混入することがない。このため、供給搬送路9の搬送方向下流側ほど現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを抑制することができる。また、現像剤汲み上げ部93は非画像部に設けてあるためトナー濃度が低下することもない。このように、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が低下することを抑制し、供給搬送路9内の現像剤が攪拌不足となることを抑制することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
また、特許文献1に記載された現像装置とは異なり、回収スクリュの回転で攪拌搬送路下流側に現像剤を押し込むことによって、現像剤を盛り上がらせて供給搬送路9に現像剤を供給していないので、現像剤に対するストレスを極めて低減できる。
すなわち、本実施形態の現像装置4では、現像剤汲み上げ部93で、回収搬送路下流側端部から現像ローラ表面に現像剤を担持させ、その現像ローラ5に担持させた現像剤を現像ローラ5の回転により搬送することで、供給搬送路上流側端部に現像剤が汲み上げられる。これにより、従来のような回収搬送路7よりも上方に位置する供給搬送路9に現像剤が到達する程度まで、回収搬送路下流側端部で回収スクリュ6の搬送力により現像剤を押し込み盛り上がらせる必要はない。よって、回収スクリュ6の搬送力により現像剤を盛り上げて回収搬送路7から供給搬送路9に現像剤を移送する場合よりも、回収搬送路7から供給搬送路9に現像剤を移送する際に現像剤にかかるストレスを低減させることができる。なお、現像剤へのストレスは数1に示す関係を用いて測定することが可能であり、数1に示す各仕事率は現像装置内に現像剤が入っている場合と無い場合とにおける駆動トルクおよび駆動回転数から求めることができる。
上記測定に基づき従来例と本実施例でストレスを比較した結果が図4である。本実施例では従来例の約6割のストレスに低減が可能となり、キャリア粒子のコート層削れやトナーの付着によるスペント化が低減でき、トナーの帯電機能を長期に渡って維持可能である。
また、本実施形態の現像装置では攪拌スクリュを持たないので、現像装置は約30[mm]も薄型にでき、4連タンデム型画像形成装置では約120[mm]も小型化を可能とし、低コストでもある。
現像剤補給手段である不図示のトナー補給制御装置は、不図示のトナー収容部内のトナーをトナー補給口95から現像装置4に補給する。本実施形態の現像装置4では、現像装置4のトナー補給口95からトナーとキャリアとを含む現像剤が補給される。以降、現像装置4に補給されるトナーとキャリアとが混合された現像剤をプレミックストナーと称する。このような補給現像剤に関しては、例えば、本出願人の先願である特開2008−203814号公報等に開示されている。プレミックストナーを補給する際には、余剰の現像剤は不図示の現像剤排出口より排出される。
次に、上述した構成を対象として本実施形態の特徴部である現像ローラ5の画像部での要部にについて図5において説明する。
現像ローラ5は、現像剤を担持する円筒状の現像スリーブ81と現像スリーブ81に内包され磁気力により現像剤を吸着する磁界発生手段としての磁石ローラ82からなる。
現像スリーブ81はアルミ、オーステナイト系ステンレス、マグネシウム等の非磁性かつ導電材料からなる。
表面は平滑でも構わないが高速機では現像剤のスリップを抑制するために、例えば、下記(A)、(B)、(C)の粗し処理・加工を施しても良い。
(A)V溝またはU溝等の溝押し出し加工・各種凹形状の機械加工またはレーザ加工またはエッジング加工
(B)ブラスト処理
(C)金属またはセラミック等の溶射処理
磁石ローラ82は現像剤の搬送方向Pとは反対の矢印J方向に回転可能に設けられており、偶数個の磁石83を等間隔に配置し(図5に示す実施形態の構成では幅4[mm]、16個の磁石を配置)、その極性は隣り合う磁石間で引き合うように互いに反対向きとする。
本実施形態では、磁石ローラ82と現像スリーブ81との駆動関係として、同方向および相対方向の何れかの回転方向が選択できるようになっており、その回転関係は、現像スリーブ81の表面に担持される現像剤と磁石ローラ82側の磁石83との対向回数が多くなることを条件として設定されるようになっている。
上述した駆動関係の設定による得られる、磁石ローラ82の磁石に対する現像剤の対向回数の増加によって、現像剤が磁極と対向したときに穂立ちが形成され、磁極から離れた際に穂立ちが崩されるという現象を繰り返す回数が増加し、これによるトナーとキャリアとの摩擦接触機会の増加によりトナーの帯電特性を向上させることができる。
この場合の対向回数の増加は、上述したように、磁石ローラ82と現像スリーブ81との回転方向の設定や速度差の設定などによって得られる。つまり、両者が同じ方向に回転する場合には、両者間に速度差を設定することで磁石83に対する現像剤の対向回数を増加させることができ、また、速度差を設定しないで相反する方向とした場合も同様に磁石83に対する現像剤の対向回数を増加させることができる。
上述した磁石83に関しては、従来の廉価なフェライト磁石が使用可能であるが、小型化や高速化のためにはより強力なサマリウムコバルト磁石やネオジウム磁石等の希土類磁石の使用も可能である。磁石83は磁石ホルダ84に接着により支持し、その外周を図示しない熱収縮チューブ等で保護しても良い。
磁石ホルダ84は磁性材料とすると磁石83の磁気力を若干向上可能である。但しコスト高であり一般に鉄を主成分とする磁性材料は高比重のため高速回転時は慣性モーメントが増大し駆動部の耐久性に問題が生じる場合がある。そのため磁石83の磁気力は若干低くなるが、非磁性かつ軽比重のアルミニウムやマグネシウムを材料としても良い。
図5において、本実施形態における磁石ローラ82の回転中心O’は現像スリーブ81の回転中心Oより距離(T)だけ離れた位置に偏心させて位置決めされている。
偏心の方向は、現像ローラ5と感光体1の最近接位置付近に設定され、上記符号Tで示した距離に相当する偏心量は、現像ローラ5の反偏心側で現像剤が離脱できる量としている。これにより、感光体1に移行する現像剤は、感光体との接触に際して穂立ちを確保された状態で接触できると共に、接近した磁極からの磁力によりキャリアの移行が阻止されてトナーのみを感光体の潜像に供給するように移動することになる。
一方、偏心方向と反対側では磁気力を低く抑えることができる。このため、現像ローラ5表面に担持されている現像剤の剥離を容易にすることができる。
このような偏心構造を設けるだけで、現像剤の剥離が外部からの機械的な外力を用いることなく容易に行えることになる。
次に、図5において本実施形態での現像剤の移送について説明する。
供給スクリュ8により現像ローラ5に供給された現像剤は磁石ローラ82の磁気力により現像スリーブ81上に吸着され、ドクタブレード12により磁気穂高さを一定に規制され、ドクタブレード12を通過した現像剤は磁力線に沿って配列される。つまり磁石83上では、符号B1で示すように磁気穂が発生し、磁石83間では、符号B2で示すように磁気穂は転倒する。
磁石ローラ82の回転方向を符号Jで示すように、現像スリーブ81の回転方向(I)に対して相反する方向とした場合、磁石ローラ82が回転する間、磁気穂は、所謂フリップフラップ状に自転し、磁石ローラ82の回転方向である矢印Jで示す方向と反対の矢印F方向に進行する。この際、現像スリーブ81は補助的に矢印I方向に比較的低速で回転させても良い。
現像剤は引き続き自転進行するに従い磁石ローラ82の偏心により次第に現像スリーブ81への吸着力を増大しキャリアが感光体に移行するのを抑制する。磁石ローラ82が高回転なほど感光体1の対向部において現像剤は活発に撹拌されるため潜像に応じて効率良くトナーを転移できる。
現像剤は引き続き自転進行するに従い磁石ローラ82の偏心により次第に現像スリーブ81への吸着力を減少させ供給搬送路9にて自重とフリップフラップ状の自転による遠心力により現像スリーブ81より離脱する。
以上で残留した現像剤は全て落下し、現像スリーブ81は次の現像剤搬送の準備を完了する。これにより一度現像に使用された現像剤が再び現像領域に向けてそのまま搬送されることがないので、現像剤のトナー濃度が低下するという問題を抑制することができる。
次に、上述した構成を対象として本実施形態の特徴部である現像ローラ5の非画像部での現像剤汲み上げ部93について図6において説明する。
仕切り壁133は現像ローラ5近傍部分がカットされ開口部が設けられている。偶数個の磁石83aは画像部での個数16個の半分の8個とし磁石の幅は8[mm]としている。これは以下の理由がある。
図7には画像部での磁力線を模式的に示している。磁石ピッチが小さいため磁力線は磁石ローラ82近傍に集中し反偏心側の現像スリーブ外側まではほとんど到達せず現像剤が離脱する。一方で図9には現像剤汲み上げ部93での磁力線を模式的に示す。磁石ピッチが大きいため磁力線は磁石ローラ82の近傍にとどまらず反偏心側の現像スリーブ外側まで到達し現像剤は離脱しない。磁力線の有無は磁束密度で表されるが、概ね画像部での反偏心側の磁束密度は10[mT]以下とすることで現像剤の良好な剥離が行え、現像剤汲み上げ部93での反偏心側の磁束密度は20[mT]以上とすることで現像剤の良好な汲み上げが行える。
ここで、磁束密度は現像ローラ表面に対して法線方向と接線方向とで定義できるが、磁石ローラ2が回転する本実施形態では数2に示すように両者の合成磁束密度を単に磁束密度と記載して用いている。
前記は磁束密度の減衰率が磁石幅やピッチで異なることを利用したもので図8に条件設定について説明する。画像部(磁石幅4[mm])で現像剤の良好な剥離が行える10[mT]以下にするには磁石ローラから7.5[mm]以上距離を必要とする。一方で現像剤汲み上げ部93(磁石幅8[mm])で現像剤の良好な汲み上げが行える20[mT]以上にするには磁石ローラから8.5[mm]以下の距離を必要とする。よって、図7や図9における反偏心側スリーブ距離U(U’)は7.5[mm]〜8.5[mm]が良好である。もちろん、良好な範囲は磁石の幅やピッチ、材質等で異なるが、適時実験やシミュレーションにより条件設定をすることができる。
次に現像剤の搬送について図6に基づき説明する。回収搬送路7は下流側ほど現像剤の嵩が高くなり、現像剤汲み上げ部93付近では回収された現像剤は現像ローラ5に接近する。ここで先に説明した磁石83aの磁気力により現像ローラ5へ吸着され矢印Gの経路で汲み上げられる。第2の現像剤規制部材19により現像剤は供給搬送路9へ押し戻され、供給スクリュ8により回収搬送路とは反対方向に搬送される。一部の現像剤は第2の現像剤規制部材19をすり抜けるが矢印Hの経路で回収できるので問題は無い。
図10は仕切り壁133と磁石83及び磁石83aとの位置関係を説明するために、現像スリーブ81やドクタブレード12を省略図示したものである。なお、磁石ローラ82は、磁石83や磁石83aの貼り付けのみを変更したもので特別な機構は必要ない。
これまでの説明は、現像スリーブ径がΦ40[mm]の場合で説明したが、これに限定するものではなく、表1に示すようΦ30[mm]〜Φ50[mm]の現像スリーブ径で同様な効果が確認できた。表1はA4印刷速度が130枚/分([ppm])相当の画像形成が可能な速度で駆動する際の良好な条件の一例である。
磁石は、最大エネルギー積14[MGOe]の高磁力材料を使用しているが、現像剤汲み上げ部93では磁石幅を大きくできるので廉価なフェライト磁石を使用することもできる。
また、本構成例では、現像剤を離脱させたり汲み上げたりの選択は磁石ローラ82における磁石のピッチを変更することで行っているが、磁石のピッチを変えずに、画像部に磁気シールド部材を設け、現像剤汲み上げ部93に磁気シールド部材を設けないような構成を採用しても同様な効果が得られる。
すなわち、現像ローラ5から回収搬送路7に現像剤が離脱して回収される現像剤離脱部94に対応する位置、言い換えれば、画像部に対応する位置で、偏心により磁石ローラ82における感光体1と対向する側と反対側および現像ローラ内部の間に存在する隙間空間に、磁石ローラ82の一部を覆うことができる磁気遮蔽部材である磁気シールド部材を設ければよい。
また、磁気シールド部材を用いた場合は現像スリーブ81をΦ25[mm]の小径にすることが可能である。磁気シールド部材を用いないで、現像剤を現像スリーブ81から完全に剥離するには、内包されている磁石ローラ82の偏心量を大きくして、磁力が及ぶのを抑制しなければならない。しかしながら、磁石ローラ82は、現像剤搬送という機能を発揮させるためには小径化することに限界があり、これに代えて、現像スリーブ81を大径化する必要がある。磁石ローラ83の径は、本実施形態の場合、φ17.6[mm]程度であるが、磁気シールド部材を設けない場合には、現像スリーブ81の径が少なくともφ28[mm]〜30[mm]程度必要となる。これに対して、磁気シールド部材を設けた場合には、現像スリーブ81の径をφ25[mm]とすることができ、これによって、現像装置の小型化が可能となり、特に、図1に示すようにタンデム方式の画像形成装置の場合、画像形成装置全体の小型化が可能となる結果が得られる。
[構成例2]
図11は現像剤汲み上げ部93の別の構成例である。現像スリーブ81の表面は現像剤汲み上げ部93においてV溝加工を施しV溝加工部81aを形成し、現像剤汲み上げ部93以外の画像部に対応した現像剤離脱部94では平滑としている。現像剤汲み上げ部93では先に説明したように磁束密度を高く設定していることに加えて、V溝加工を施して摩擦抵抗を高めたので現像剤がスリップして滞留することがなく安定して現像剤の汲み上げが行える。逆に現像剤汲み上げ部93以外の画像部では表面を平滑として摩擦抵抗を低めたので現像剤の現像スリーブ81との連れ周りが無く、画像濃度低下やゴースト画像の発生を防止可能である。
現像スリーブの現像剤の搬送能力を選択する方法としては、上記方法に限定されるものではなく、従来の各粗し処理・加工方法から知られている方法を採用することができ、下記(A)’、(B)’、(C)’に示したような方法も採用することができる。
(A)’V溝またはU溝等の溝押し出し加工・各種凹形状の機械加工またはレーザ加工またはエッジング加工→溝深さ、溝数の選定
(B)’ブラスト処理→研磨材の硬度・粒径・形状の選定
(C)’金属またはセラミック等の溶射処理→溶射粒の硬度・粒径・形状の選定
回収搬送路7では下流側ほど現像剤の嵩が高くなり、現像剤汲み上げ部93付近では回収された現像剤は現像ローラ5に接近することは前述した通りであるが、本実施例ではより積極的に回収搬送路7の現像剤の嵩を高くする工夫がある。
画像部においては、回収スクリュ6はスクリュ径がΦ26[mm]でありピッチが36[mm]の2条巻きとして現像剤の移送速度を高め現像剤の嵩を低く保ち連れ周りすることを防止している。
一方で、現像剤汲み上げ部93におけるスクリュ径は同一であるが1条巻きの螺旋羽根6aとすることで、現像剤汲み上げ部93での回収スクリュ6による現像剤の搬送速度を低下させ、現像剤汲み上げ部93にある現像剤の嵩を画像部にある現像剤の嵩よりも高めている。これにより、現像剤汲み上げ部93にある現像剤は、より現像ローラ5に接近または接触し現像剤の汲み上げを容易にしている。
図12は、回収搬送路7の現像剤汲み上げ部93における現像剤の嵩を画像部よりも高くするために用いられる回収スクリュ6の他の構成を示したものである。回収スクリュ6は、現像剤汲み上げ部93に対応する箇所に、螺旋羽根ではなく4枚の平板状のパドル部6bが設けられている。これにより、現像剤汲み上げ部93で平板状のパドル部6bによる現像剤の軸方向の搬送力が無く、且つ、パドル部6bで現像剤を持ち上げることができるので、現像剤汲み上げ部93にある現像剤を、より現像ローラ5に接近または接触させることができるので、現像剤の汲み上げを容易にすることができる。
[構成例3]
次に、図13において本構成例での現像剤の移送について説明する。
供給スクリュ8により樋9aに供給された現像剤は磁石ローラ82の磁気力により現像スリーブ81上に吸着され、現像スリーブ81の回転により搬送され、ドクタブレード12を通過する際に現像剤量を一定に規制される。ドクタブレード12を通過した現像剤は磁力線に沿って配列される。つまり磁石83上では、符号B1で示すように磁気穂が発生し、磁石83間では、符号B2で示すように磁気穂は転倒する。
なお、本構成例では、樋9aおよびドクタブレード12は隣接させ、且つ現像ローラ5の上方に配置している。樋9aは重力を利用して現像剤を溜めるために現像ローラ5の上方である必要があり、概ね鉛直点より上下流に45度の位置に配置可能である。現像剤溜め部としての樋9aは現像剤で満たされるため磁気穂の生成を抑えられ現像剤のストレスを低減できる。ドクタブレード12通過後は磁気穂の自転が発生するが、磁気穂は十分短く規制されているためストレスの増加にはならない。
図14は、ストレス低減の実験結果の図である。
ストレス低減の効果を検証するために実験を行った。現像剤のストレスの指標として本発明の現像装置および従来の現像装置を駆動する際の仕事率の測定を行った。仕事率は駆動トルクおよび駆動回転数から求めることができる。図14からは、高速化とともに仕事率は上昇するものの従来の現像装置に対して約33[%]の仕事率が低減つまりはストレスが低減していることがわかる。
<実験条件>
・キャリア:(株)リコー imagio MP C7500用 35[μm]フェライトキャリア
・トナー:(株)リコー imagio MP C7500用 PxP重合トナー
・トナー濃度:4[wt%]
・現像剤量:900[g]
・帯電量:−24[μC/g]
・現像ポテンシャル: 114[V]
・地肌ポテンシャル: 150[V]
・感光体線速:200[mm/s]〜600[mm/s]
・スリーブ線速:250[mm/s]〜750[mm/s]
・感光体ギャップ:0.4[mm]
・磁石ローラ回転数:1000[rpm]〜3000[rpm]
なお、本実施形態に用いられる現像剤は、次の構成が用いられている。
本実施形態に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、必要に応じて離型剤や帯電制御剤、その他の成分が含有される。また、添加剤として上述のもの以外に、必要に応じて流動性向上剤やその他の成分が添加される。これら材料に関しては、公知のものがすべて可能である。結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロレスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)タクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリロニトリル酸、(メタ)アクリアミド、(メタ)アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル。ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重量体、又は、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、あるいはそれらの混合物が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルベン樹脂、フェノール樹脂、水添石油樹脂、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂等が単独あるいは混合して使用できる。
着色剤としては公知の染料及び顔料がすべて使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2重量部〜5重量部の範囲がよい。0.1重量部未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス、等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
これらは1種または2種以上を併用して用いることができるが、融点が70[℃]〜125[℃]の範囲のものを使用するのが好ましい。融点が70[℃]以上とすることにより転写性、耐久性が優れたトナーとすることができ、融点を125[℃]以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の使用量は、トナーに対して1[重量%]〜15[重量%]が好適である。1[重量%]より少ない場合にはオフセット防止効果が不充分であり、15[重量%]以上では転写性、耐久性が低下する。
添加剤(外添剤)としては、少なくとも体積平均粒径50[nm]〜500[nm]、嵩密度0.3[g/cm3]以上の微粒子を添加する。外添量としては、トナー母体に対して0.2[重量%]〜3[重量%]が好ましい。この範囲より少ないとトナー間やトナーとその他との間に適度な空隙を形成する効果が発現されない。逆に多いと、流動性を阻害したり、脱離量が多くなることにより外添剤の凝集体ができたりして、画像品質を低下させる。上述の添加剤と合わせて、この範囲以外の添加剤を添加することも可能であり、流動性向上を目的として体積平均粒径が小さい微粒子を添加することが好ましい。
本実施形態での添加剤において、無機化合物としては、SiO2 、TiO2 、Al2O3 、MgO、CuO、ZnO、SnO2 、CeO2 、Fe2O3 、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2 、CaO・SiO2 、K2O(TiO2)n、Al2O3・2SO2 、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4、SrTiO3等を例示することができ、好ましくは、SiO2 、TiO2 、Al2O3 があげられる。特にこれら無機化合物は各種のカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン等で疎水化処理が施されていてもよい。また、有機化合物の添加剤としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂の具体的な例としては、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本実施形態における添加剤(微粒子)は、現像装置内の現像剤用のトナーとしても優れている。すなわち、トナー粒子、感光体、帯電付与部材との接触面積が非常に小さく、均等に接触するので付着力低減効果が大きく、現像・転写効率の向上に有効である。さらに、コロの役割を果たすため、感光体を摩耗又は損傷させることなく、クリーニングブレードと感光体との高ストレス(高荷重、高速度等)下でのクリーニングの際も、トナー粒子に埋没し難く、あるいは少々埋没しても離脱、復帰が可能であるので、長期間にわたって安定した特性を得ることができる。さらに、トナーの表面から適度に脱離し、クリーニングブレードの先端部に蓄積し、いわゆるダム効果によって、ブレードからトナーが通過する現象を防止する効果がある。
本実施形態におけるトナーの製造方法としては、トナー構成材料を溶融混練後、粉砕分級して得る方法が従来の方法として一般的であるが、この方法に限らず、重合法等も含めてさまざまな方法が可能である。
重合法としては懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などが可能であり、重合法とは異なるが溶解懸濁法、ポリマー懸濁法等の他、伸長反応法等が使用可能である。
先に説明した粒径範囲や円形度のトナーを容易に得られる点では、従来の方法以外が好ましい。また、粉砕分級後のトナーを加熱処理することにより円形度を調整しても良い。
本実施形態における添加剤の添加方法は特に制限されず、トナー母体粒子と添加剤とを各種の公知の混合装置を用いて、機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子と添加剤とを界面活性剤等で均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法等がある。
先に説明したトナーの粒径分布は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて測定することができる。これら装置として、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100[ml]〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1[ml]〜5[ml]加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1[%]NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2[mg]〜20[mg]加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分〜3分間分散処理をおこない、上述の測定装置により、アパーチャーとして100[μm]アパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00[μm]〜2.52[μm]未満;2.52[μm]〜3.17[μm]未満;3.17[μm]〜4.00[μm]未満;4.00[μm]〜5.04[μm]未満;5.04[μm]〜6.35[μm]未満;6.35[μm]〜8.00[μm]未満;8.00[μm]〜10.08[μm]未満;10.08[μm]〜12.70[μm]未満;12.70[μm]〜16.00[μm]未満;16.00[μm]〜20.20[μm]未満;20.20[μm]〜25.40[μm]未満;25.40[μm]〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上40.30[μm]未満の粒子を対象とする。
先に説明したトナーの円形度は、数3により得られた値である。
この円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度は東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100[ml]〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1[ml]〜0.5[ml]加え、さらに測定試料を0.1[g]〜0.5[g]程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1分〜3分間分散処理をおこない、分散液濃度を3000[個/μl]〜10000[個/μl]として上述の装置によりトナーの形状を測定する。
以下、本実施形態に用いられるキャリアについて補足的に説明する。
本実施形態で用いられるキャリアは、重量平均粒径が20[μm]〜60[μm](好ましくは、20[μm]〜45[μm]である。)になるように形成されている。この粒径範囲は、現像装置内の現像剤用のキャリアとしても優れている。
キャリアの平均粒径が20[μm]未満であると、キャリア粒子の分布において微粉が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがある。これに対してキャリアの平均粒径が45[μm]を超えると、現像工程時のキャリアの穂立ちが粗くなって、ベタやハーフトーンの均一性が劣る場合がある(特に、平均粒径が60[μm]を超えると顕著になる)。また比表面積が低下するため、小粒径トナーではトナーの飛散が生じることがある。
キャリアとしては、粒径以外に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50[emu/g]〜90[emu/g]のマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100[emu/g]以上)、マグネタイト(75[emu/g]〜120[emu/g])等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30[emu/g]〜80[emu/g])等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
キャリアの樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、その導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1[μm]以下が好ましい。平均粒子径が[1μm]を超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
キャリアの樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付をおこなうことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。
キャリアにおける樹脂層の量としては、0.01[質量%]〜5.0[質量%]が好ましい。樹脂層の量が、0.01[質量%]未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0[質量%]を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
本実施形態で用いられる現像剤(プレミックストナー)は、上述したトナーとキャリアとを混合したものである。トナーとキャリアとは混合により摩擦帯電する。混合は公知の混合機を使用しておこなうことができる。
また、現像装置内に予め収容される現像剤(初期剤)も、上述したトナーとキャリアとを混合したものである。現像剤におけるキャリアの含有量(キャリア濃度)としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、90[質量%]〜98[質量%]が好ましく、93[質量%]〜97[質量%]がより好ましい。
以上、本実施形態においては、トナーとキャリアとを含む現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体である感光体1と対向する箇所で感光体1の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体である現像ローラ5と、現像ローラ5の斜め上方に設けられ、現像ローラ5の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、現像ローラ5に現像剤を供給する供給搬送部材である供給スクリュ8を有する供給搬送路9と、供給搬送路9の下方に設けられ、感光体1と対向する箇所を通過後の現像ローラ5上から回収された現像剤を現像ローラ5の軸線方向に沿って、且つ、供給スクリュ8とは逆方向に搬送する回収搬送部材である回収スクリュ6を有する回収搬送路7とを備えた現像装置4において、回収搬送路下流側端部から供給搬送路上流側端部に現像剤を現像ローラ表面に担持させて汲み上げる現像剤汲み上げ部93を有する。本実施形態の現像装置4では、現像剤汲み上げ部93で、回収搬送路下流側端部から現像ローラ表面に現像剤を担持させ、その現像ローラ5に担持させた現像剤を現像ローラ5の回転により搬送することで、供給搬送路上流側端部に現像剤が汲み上げられる。これにより、従来のような回収搬送路7よりも上方に位置する供給搬送路9に現像剤が到達する程度まで、回収搬送路下流側端部で回収スクリュ6の搬送力により現像剤を押し込み盛り上がらせる必要はない。よって、回収スクリュ6の搬送力により現像剤を盛り上げて回収搬送路7から供給搬送路9に現像剤を移送する場合よりも、回収搬送路7から供給搬送路9に現像剤を移送する際に現像剤にかかるストレスを低減させることができる。
また、現像ローラ5の内部には、現像ローラ5の表面で現像剤を穂立ちさせて搬送させる磁極である磁石83を備えた磁界発生手段である磁石ローラ82が回転可能に設けられていることで、磁石ローラ82と磁石83に対する現像剤の対向回数の増加によって、現像剤が磁極と対向したときに穂立ちが形成され、磁極から離れた際に穂立ちが崩されるという現象を繰り返す回数が増加する。これにより、トナーとキャリアとの摩擦接触機会の増加によってトナーの帯電性を向上させることができる。
また、磁石ローラ2は、現像ローラ5の断面中心に対して感光体1に接近する向きに自らの断面中心を偏心させて配置されており、現像ローラ5から回収搬送路7に現像剤が離脱して回収される現像剤離脱部94に対応する位置で、前記偏心により磁石ローラ2における感光体1と対向する側とは反対側および現像ローラ内部の間に存在する隙間空間には、磁石ローラ2の一部を覆うことができる磁気遮蔽部材である磁気シールド部材が配置されていることで、現像剤離脱部94で現像剤の良好な剥離が行えるとともに、現像剤汲み上げ部93で現像剤の良好な汲み上げを行うことができる。
また、本実施形態によれば、現像剤汲み上げ部93が、現像ローラ5が感光体1にトナーを供給する現像領域の前記軸線方向の幅である現像領域幅言い換えれば画像領域部よりも外の非画像部に設けられていることで、現像された画像のトナー濃度が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、磁石ローラ2は、現像ローラ5の断面中心に対して感光体1に接近する向きに自らの断面中心を偏心させて配置されており、現像ローラ5の表面の前記偏芯させた側とは反対側での磁石ローラ2による磁束密度は、現像ローラ5から回収搬送路7に現像剤が離脱して回収される現像剤離脱部94よりも現像剤汲み上げ部93のほうが大きいことで、現像ローラ外部に特別な機構を設けることなく現像剤離脱部94で現像剤の良好な剥離が行えるとともに、現像剤汲み上げ部93で現像剤の良好な汲み上げを行うことができる。
また、本実施形態によれば、現像ローラ5の現像剤搬送能力を現像剤離脱部94よりも現像剤汲み上げ部93で大きくしたことで、現像剤がスリップして滞留することがなく安定して現像剤の汲み上げを行うことができる。一方、現像剤剥離部における現像剤搬送力を小さくしたので、現像剤が現像ローラ5と連れまわりがなく良好な剥離が行えるので、画像濃度低下やゴースト画像の発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、回収搬送路7における現像剤の嵩高さを、現像剤離脱部94よりも現像剤汲み上げ部93で大きくしたことで、現像剤剥離部で現像剤が現像ローラ5に連れまわるのを抑制するとともに、現像剤汲み上げ部93で現像剤を現像ローラ5に接近または接触させて現像剤の汲み上げを容易にすることができる。
また、本実施形態によれば、現像ローラ5の表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制手段であるドクタブレード12と、ドクタブレード12よりも現像ローラ回転方向上流側でドクタブレード12に隣接し、且つ、現像ローラ5の上方に配置され、供給搬送路9から現像ローラ5に供給される現像剤を一旦貯蔵する現像剤溜め部である樋9aとを有することで、樋9aが現像剤で満たされドクタブレード12の現像ローラ回転方向上流側で磁気穂の生成を抑制し磁気穂の自転が抑えられるので、その分、現像剤のストレスを低減できる。
また、本実施形態によれば、潜像担持体である感光体1と、感光体1上の潜像を現像剤によって現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、現像手段として本発明の現像装置を用いることにより、現像剤にかかるストレスを低減でき現像剤の寿命が短くなるのを抑制できるので、良好な画質の画像を形成できるとともに、現像剤の交換頻度を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、現像手段と、潜像担持体である感光体1、帯電手段及びクリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ18において、現像手段として本発明の現像装置を用いることにより、現像剤にかかるストレスを低減でき現像剤の寿命が短くなるのを抑制できるので、現像剤の交換頻度を低減させることができる。また、プロセスカートリッジ化することによって現像装置4などのメンテナンス性が向上する。
また、本実施形態によれば、現像手段と、潜像担持体である感光体1、帯電手段及びクリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ18を備えた画像形成装置において、プロセスカートリッジ18が本発明の現像装置4を有することにより、現像剤にかかるストレスを低減でき現像剤の寿命が短くなるのを抑制できるので、良好な画質の画像を形成できるとともに、現像剤の交換頻度を低減させることができる。また、プロセスカートリッジ化することによって現像装置4などのメンテナンス性が向上する。