JP5629048B2 - 出入制限区域内の円周方向溶接部をブラッシングする工具 - Google Patents

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Description

本発明は、金属の機械的表面コンディショニングのための工具およびプロセスに関し、更に具体的には、引張表面応力による、亀裂の初発もしくは小さな亀裂の成長の発生度を緩和するための、金属の機械的表面コンディショニングのための工具およびプロセスに関する。
引張応力は、原子炉の溶接部および熱影響部において見いだされ得る。従来から、ジェットポンプをはじめとする原子炉構造物の取外しおよび交換の際には、ジェットポンプの取外しの際の、そのような溶接部の表面コンディショニングへの取り組みが試みられている。しかし、内部構成要素を取り外さないことには、ジェットポンプ間のシュラウド外径と容器内径の溶接部にアクセスすることは困難とされる。当発明者の知識では、それらの溶接部にアクセス可能な製品は無く、更新プロセスを適用する以外にない。
米国特許第6,137,853号公報 米国特許第7,076,017号公報
本発明の例示的実施形態においては、工具アセンブリが、円筒状の内側部材と円筒状の外側部材の間の出入制限区域内の周囲溶接部のブラッシング用に供される。同工具アセンブリは、内側部材の外径より大きく且つ外側部材の内径より小さい寸法の円周方向プレートを含む。少なくとも1つの更新ブラシが円周方向プレートと結合され、モータが更新ブラシに結合されて、更新ブラシを回転させる。内側部材と外側部材の間に搭載された駆動アセンブリが円周方向プレートに係合し、円周方向プレートを出入制限区域内で円周方向に駆動する。
本発明の別の例示的実施形態においては、引張表面応力による、溶接部の亀裂の初発もしくは成長の発生度を緩和するために円筒状の金属構造を表面コンディショニングする方法に、円筒状金属構造の外径または円筒状金属構造の内径の一方に隣接適合する寸法とされた円周方向プレートを設けるステップと、少なくとも1つの更新ブラシを円周方向プレートと結合させるステップと、更新ブラシを回転させ、同時に円周方向プレートを円周方向に駆動するステップとが包含される。
本発明の更に別の実施形態においては、工具アセンブリが、原子炉の容器内径とシュラウド外径の間のアニュラス内の周囲溶接部のブラッシング用に供される。同工具アセンブリは、シュラウド外径より大きく且つ容器内径より小さい寸法の円周方向プレートと、円周方向プレートと結合された少なくとも1つの更新ブラシと、更新ブラシに結合され、更新ブラシを回転させるモータと、シュラウドと容器の間に搭載され、円周方向プレートに係合する駆動アセンブリであって、円周方向プレートを円周方向に駆動し、それによって少なくとも1つの更新ブラシをアニュラス内で駆動する駆動アセンブリとを含む。
図面に関し、本明細書で説明する工具アセンブリおよび方法によって、原子炉内のジェットポンプ、シュラウド外径および原子炉容器の間の狭空間アニュラス、即ち、出入制限区域へのアクセスが可能とされる。図1に示すように、原子炉シュラウドSと容器Vの間の、特にジェットポンプJを所定位置に置いた状態の区域が出入制限区域とされる。従来から、原子炉の溶接部および熱影響部に見いだされる、引張表面応力による、亀裂の初発もしくは小さな亀裂の成長の発生度を緩和するための、金属の機械的表面コンディショニングのための更新プロセスが示されている。しかし、上述注記したように、原子炉シュラウドと容器の間のアニュラスの出入制限区域であるため、更新手順を行うための工具を設けることは困難であった。
図2および3に関し、本発明の工具アセンブリは、シュラウドSの外径より大きく且つ容器Vの内径より小さい寸法の円周方向プレート12を含む。少なくとも1つの更新ブラシ14が円周方向プレート12に結合される。液圧式原動機もしくはその類のようなモータがフレックスドライブケーブル16を介して更新ブラシ14に接続され、更新ブラシ14を選択的に回転させる。
駆動アセンブリ18は原子炉シュラウドSと容器Vの間のポジショニングブロック19等に搭載され、円周方向プレート12に係合する。使用時には、駆動アセンブリ18は円周方向プレート12を出入制限区域で円周方向に駆動するのに役立つ。
図示のように、円周方向プレート12の厚さは、出入制限区域に適合するのに十分な小ささとされる。プレート12は円周方向ラック20を含み、駆動アセンブリ18は対応するピニオン22を含み、同ピニオンは円周方向ラック20に係合しこれを駆動する。モータ24は、チェーン26もしくはその類のような駆動ベルトを介してピニオン22に連結される。プッシュシリンダ28は、ラック20とピニオン22の間の係合を確実にする。工具アセンブリは、図示のように、原子炉シュラウドと容器の間に別々に取り付けられ、ジェットポンプ間に介在させる複数の駆動アセンブリを含むことが好ましい。
図面には、プッシュシリンダ28が原子炉容器に対向して作用する状態で円周方向プレート12が原子炉シュラウドSを囲繞する配置とされているが、工具アセンブリは、原子炉容器Vに隣接する溶接部に対して、工具アセンブリの構成要素が鏡像の対称側に方向付けされた状態で更新プロセスを行うのにも同等に適していることに留意されたい。本発明は、したがって、必ずしも図示の例示的適用に限定されるものではない。
使用時には、円周方向プレート12は駆動アセンブリ18によって駆動され、更新ブラシ14は円周方向溶接部前後に移動され、同時に回転されて表面コンディショニングを行う。プレート12にはまた、一連のローラ30を設けることも可能とされ、それによってプレート12は一層円滑にシュラウド表面および/または容器表面を進行することが可能とされる。
本明細書で説明の工具アセンブリおよび方法は、引張表面応力による、亀裂初発もしくは小さな亀裂の成長の発生度を緩和するための、出入制限区域内の溶接部の表面コンディショニングのために供せられる。同アセンブリおよび方法により、円周方向溶接部周りの表面コンディショニングを行うための、更新ブラシの制御されたポジショニングが得られる。
以上に、本発明を現在最も実用的且つ好適と考えられる実施形態について説明したが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、むしろ、付属の請求項の理念および保護範囲内に含まれる様々な変更および均等の構成を包含するものであると了解されたい。
原子炉のシュラウドと容器の間のアニュラスにおける出入制限区域を示す図である。 本書で説明の工具アセンブリを示す斜視図である。 本書で説明の工具アセンブリを示す斜視図である。 本書で説明の工具アセンブリのための例示的駆動アセンブリを示す図である。
符号の説明
12 円周方向プレート
14 更新ブラシ
16 フレックスドライブケーブル
18 駆動アセンブリ
19 ポジショニングブロック
20 円周方向ラック
22 ピニオン
24 モータ
26 チェーン
28 プッシュシリンダ
30 ローラ

Claims (10)

  1. 円筒状の内側部材と円筒状の外側部材の間の出入制限区域内の円環状の溶接部をブラッシングするための工具アセンブリであって、
    前記内側部材の外径より大きく且つ前記外側部材の内径より小さい寸法の円周プレート(12)と、
    前記円周プレートと結合された少なくとも1つの更新ブラシ(14)と、
    前記更新ブラシに結合され、前記更新ブラシを回転させるモータと、
    前記内側部材と前記外側部材の間に固定可能であり、前記円周プレートに係合する駆動アセンブリ(18)であって、前記円周プレートを前記駆動アセンブリに対して前記出入制限区域内で周方向に駆動する駆動アセンブリ(18)と、
    を備える工具アセンブリ。
  2. 前記円周プレート(12)は、前記内側部材または前記外側部材の一方と係合可能なローラ(30)を備える請求項1に記載の工具アセンブリ。
  3. 前記円周プレート(12)は円周方向ラック(20)を備え、前記駆動アセンブリ(18)は前記円周方向ラックと係合可能なピニオン(22)を備える請求項1に記載の工具アセンブリ。
  4. 前記駆動アセンブリ(18)は、前記ピニオン(22)に結合され、該ピニオンを駆動するモータ(24)を更に備える請求項3に記載の工具アセンブリ。
  5. 前記駆動アセンブリモータ(24)は駆動ベルト(26)に結合され、前記駆動ベルトは駆動歯車に連結され、該駆動歯車は前記ピニオンに連結されて運動力を前記モータから前記ピニオンに伝達する請求項4に記載の工具アセンブリ。
  6. 前記駆動ベルトはチェーン(26)である請求項5に記載の工具アセンブリ。
  7. 前記駆動アセンブリ(18)は、前記内側部材と前記外側部材の間の前記出入制限区域周りに配置された複数のピニオン(22)を備える請求項3に記載の工具アセンブリ。
  8. 円筒状の内側部材と円筒状の外側部材の間の出入制限区域内の円環状の溶接部をブラッシングするための工具アセンブリであって、
    前記内側部材の外径より大きく且つ前記外側部材の内径より小さい寸法の円周プレート(12)と、
    前記円周プレートと結合された少なくとも1つの更新ブラシ(14)と、
    前記更新ブラシに結合され、前記更新ブラシを回転させるモータと、
    前記内側部材と前記外側部材の間に搭載され、前記円周プレートに係合する駆動アセンブリ(18)であって、前記円周プレートを前記出入制限区域内で周方向に駆動する駆動アセンブリ(18)と、
    を備え、
    前記円周プレート(12)は円周方向ラック(20)を備え、前記駆動アセンブリ(18)は前記円周方向ラックと係合可能なピニオン(22)を備え、
    前記円周プレート(12)は前記内側部材を囲繞する寸法とされ、前記駆動アセンブリ(18)は前記外側部材と前記ピニオン(22)の間に配置されたプッシュシリンダ(28)を備える、
    工具アセンブリ。
  9. 前記駆動アセンブリ(18)は、前記内側部材の周囲に離隔された複数の駆動ユニットを備える請求項1に記載の工具アセンブリ。
  10. 引張表面応力による、円筒形の外側部材及び円筒形の内側部材を備える金属構造の前記外側部材と前記内側部材の間の出入制限区域内の円環状の溶接部の亀裂の初発もしくは成長の発生度を緩和するために円筒状の金属構造を表面コンディショニングする方法であって、
    前記外側部材または前記内側部材の一方に隣接適合する寸法とされた円周プレート(12)を設けるステップと、
    少なくとも1つの更新ブラシ(14)を前記円周プレートと結合させるステップと、
    駆動アセンブリと前記円周プレートとを係合するステップと、
    前記駆動アセンブリにより前記円周プレートを周方向に駆動して、前記駆動アセンブリに対して前記更新ブラシを回転させるステップと、
    を包含する方法。
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