JP5628018B2 - 水性ゲル組成物 - Google Patents

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本発明は、セルロース繊維を用いてなる水性ゲル組成物に関するものである。
水性ゲルは、従来から保冷剤、消臭剤、芳香剤などの基材として広く用いられている。なかでも、水溶性高分子を用いたゲルは、種々のものが知られているが、殆どのものは、その製造工程に加熱工程を必要とする。そのため、熱に弱いタイプの添加剤(例えば、香料)等が使用できないといった不都合がある。
そのようななか、常温でゲル化を可能にする手法として、カルボキシメチルセルロース(CMC)と、アルミニウム等の多価金属化合物とを用いて、イオン結合により三次元の網目状構造を有する水性ゲルを調製する方法が既に知られている(例えば、特許文献1および2参照)。この手法においては、カルボキシメチルセルロースの分子量、置換度、配合量などを変更することにより、様々な強度,感触のゲルを得ることができる。
特開平11−106561号公報 特開2002−179935号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の水性ゲルは、破断までのゲル形状の変化が大きく(破断歪率が大きく)、いわゆるプルプルとした感触のゲルである。そのため、上記特許文献に記載の手法では、破断歪率が小さいゲルを調製することはできない。また、上記水性ゲルは、水溶性高分子特有のべたつきも生じやすい。
一方、例えば、紙パルプ研究発表会講演要旨集 Vol.77th, Page.64-69において、表面を化学処理したセルロースナノファイバーの水分散液に塩酸を静かに壁面流下させてpHを3以下にすることにより、物理ゲルが得られるといった報告がある。このゲルは、常温でゲル形成が可能であり、しかも、破断歪率が小さい。しかしながら、実際の工業的な製造工程を考えた場合、上記のような、塩酸を静かに壁面流下させるといった工程はハンドリング性が悪く、そのため容易に製造し難いことから、実用的であるとはいえないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、常温でのゲル形成が可能であり、破断歪率が小さく,べたつきのないゲルを形成することができる、水性ゲル組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の水性ゲル組成物は、下記の(A)〜(C)成分を含有するという構成をとる。
(A)最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が選択的に酸化されてカルボキシル基に変性され、それによってカルボキシル基が0.6〜2.0mmol/gの割合になっている、セルロース繊維。
(B)塩基性酢酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウム無水和物の少なくとも一方
(C)水。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、本発明者らは、べたつきのないゲルを形成するため、最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が選択的にカルボキシル基に酸化変性された、微細なセルロース繊維(A成分)を用いることを想起した。しかしながら、このようにナノ粒子化したセルロース繊維だけでは、破断歪率の小さなゲルを形成することはできないことから、本発明者らは、多価金属塩で架橋してゲル化させることを検討し、更に常温において均一なゲル形成が可能となるよう研究を重ねた。その結果、多価金属塩として、20℃における水に対する溶解度が10g/100ml以下の難溶性アルミニウム塩である、塩基性酢酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウム無水和物の少なくとも一方を用いると、ゲル組成物の撹拌段階では、上記金属塩は、難溶性であるため架橋に供さず、上記金属塩がゲル組成物内に均一に分散した頃(静置した頃)に、上記金属塩が溶解して架橋に供し、上記組成物がゲル化するようになり、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明の水性ゲル組成物は、最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中のグルコースユニットのC6位の水酸基が選択的にカルボキシル基に酸化変性された、微細なセルロース繊維(A成分)と、塩基性酢酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウム無水和物の少なくとも一方(B成分)と、液状分散媒体である水(C成分)とを含有している。そのため、常温での均一なゲル形成が可能であり、破断歪率が小さく,べたつきのないゲルを形成することができる。また、本発明の水性ゲル組成物は、上記のように常温において均一なゲル形成が可能であるため、熱に弱いタイプの添加剤であっても配合することができる。これにより、ゲルに添加し得る添加剤の種類などの選択範囲が広がり、本発明の水性ゲル組成物は、非常に有用なものとなる。
そして、上記セルロース繊維(A成分)が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TEMPO)等のN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化されたものであると、上記セルロース繊維を容易に得ることができるようになり、水性ゲル組成物として、より良好な結果を得ることができるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の水性ゲル組成物は、特定のセルロース繊維(A成分)と、20℃における水に対する溶解度が10g/100ml以下である特定の難溶性アルミニウム塩(B成分)と、水(C成分)とを用いてなるものである。
本発明に用いる、上記特定のセルロース繊維(A成分)は、最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中のグルコースユニットのC6位の水酸基が選択的にカルボキシル基に酸化変性された、微細なセルロース繊維である。これは、上記セルロース繊維が、I型結晶構造を有する天然由来のセルロース固体原料を表面酸化し微細化した繊維であることを意味する。すなわち、天然セルロースの生合成の過程においては、ほぼ例外なくミクロフィブリルと呼ばれるナノファイバーがまず形成され、これらが多束化して高次な固体構造を構成するが、上記ミクロフィブリル間の強い凝集力の原動となっている表面間の水素結合を弱めるために、その水酸基(セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基)の一部が酸化され、カルボキシル基に変換されているものである。
上記特定のセルロース繊維(A成分)を構成するセルロースがI型結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2シータ=14〜17°付近と、2シータ=22〜23°付近の2つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
また、上記特定のセルロース繊維(A成分)は、最大繊維径が1000nm以下で、かつ数平均繊維径が2〜150nmである。上記最大繊維径は、500nm以下であることが好ましい。また、上記数平均繊維径は、好ましくは2〜100nmであり、特に好ましくは3〜80nmである。すなわち、上記セルロース繊維の最大繊維径が上記範囲を超えると、セルロース繊維が沈降してしまい、セルロース繊維を配合することによる機能性を発現することができないからである。また、上記数平均繊維径が上記範囲未満であると、本質的に分散媒体に溶解してしまい、逆に上記数平均繊維径が上記範囲を超えると、セルロース繊維が沈降してしまい、セルロース繊維を配合することによる機能性を発現することができないからである。
上記特定のセルロース繊維(A成分)の数平均繊維径・最大繊維径は、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、固形分率で0.05〜0.1重量%の微細セルロースの水分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。なお、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対し、20本以上の繊維が交差するよう、試料および観察条件(倍率等)を調節する。そして、この条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。このようにして、最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。このようにして得られた繊維径のデータにより、最大繊維径および数平均繊維径を算出する。
そして、上記特定のセルロース繊維(A成分)は、セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が選択的に酸化されてカルボキシル基に変性されており、それによってカルボキシル基の割合が0.6〜2.0mmol/gになっている。上記カルボキシル基の含量は、保形性能、分散安定性の点から、好ましくは1.0〜2.0mmol/gの範囲である。なお、上記カルボキシル基量が上記範囲未満であると、セルロース繊維の分散安定性に乏しく、沈降を生じる場合があり、逆に上記カルボキシル基量が上記範囲を超えると、水溶性が強くなりべたついた使用感を与える傾向がみられるようになる。
上記特定のセルロース繊維(A成分)のカルボキシル基量の測定は、例えば、乾燥重量を精秤したセルロース試料から0.5〜1重量%スラリーを60ml調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行う。測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下記の式(1)に従いカルボキシル基量を求めることができる。
カルボキシル基量 (mmol/g)=V(ml)×〔0.05/セルロース重量〕 ……(1)
なお、カルボキシル基量の調整は、後述するように、セルロース繊維の酸化工程で用いる共酸化剤の添加量や反応時間を制御することにより行うことができる。
また、上記特定のセルロース繊維(A成分)は、繊維表面上のセルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基のみが選択的にカルボキシル基に酸化されている。このセルロース繊維表面上のグルコースユニットのC6位の水酸基のみが選択的にカルボキシル基に酸化されているかどうかは、例えば、13C−NMRチャートにより確認することができる。すなわち、酸化前のセルロースの13C−NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりに、178ppmに、カルボキシル基に由来するピークが現れる。このようにして、グルコース単位のC6位水酸基のみがカルボキシル基に酸化されていることを確認することができる。
本発明における、上記特定のセルロース繊維(A成分)は、特に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TEMPO)等のN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化されたものであると、上記特定のセルロース繊維(A成分)を容易に得ることができるようになり、水性ゲル組成物として、より良好な結果を得ることができるようになるため、好ましい。
つぎに、上記特定のセルロース繊維(A成分)の製造についてより詳しく述べると、そのセルロース繊維は、例えば、(1)酸化反応工程、(2)精製工程、(3)分散工程(微細化処理工程)等を行うことにより得ることができる。以下、各工程を順に説明し、最後に、(4)本発明の水性ゲル組成物の製造に及ぶ。
(1)酸化反応工程
天然セルロースと、N−オキシル化合物とを水(分散媒体)に分散させた後、共酸化剤を添加して、反応を開始する。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なす。ここで、共酸化剤とは、直接的にセルロース水酸基を酸化する物質ではなく、酸化触媒として用いられるN−オキシル化合物を酸化する物質のことである。
上記天然セルロースは、植物,動物,バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から単離した精製セルロースを意味する。より具体的には、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター,コットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプ,バガスパルプ等の非木材系パルプ、バクテリアセルロース(BC)、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロース等をあげることができる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプ,バガスパルプ等の非木材系パルプが好ましい。上記天然セルロースは、叩解等の表面積を高める処理を施すと、反応効率を高めることができ、生産性を高めることができるため好ましい。また、上記天然セルロースとして、単離、精製の後、乾燥させない(ネバードライ)で保存していたものを使用すると、ミクロフィブリルの集束体が膨潤しやすい状態であるため、反応効率を高め、微細化処理後の数平均繊維径を小さくすることができるため好ましい。
上記反応における天然セルロースの分散媒体は水であり、反応水溶液中の天然セルロース濃度は、試薬(天然セルロース)の充分な拡散が可能な濃度であれば任意である。通常は、反応水溶液の重量に対して約5%以下であるが、機械的攪拌力の強い装置を使用することにより反応濃度を上げることができる。
また、上記N−オキシル化合物としては、例えば、一般に酸化触媒として用いられるニトロキシラジカルを有する化合物があげられる。上記N−オキシル化合物は、水溶性の化合物が好ましく、なかでもピペリジンニトロキシオキシラジカルが好ましく、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPO)または4−アセトアミド−TEMPOが好ましい。上記N−オキシル化合物の添加は、触媒量で充分であり、好ましくは0.1〜4mmol/l、さらに好ましくは0.2〜2mmol/lの範囲で反応水溶液に添加する。
上記共酸化剤としては、例えば、次亜ハロゲン酸またはその塩、亜ハロゲン酸またはその塩、過ハロゲン酸またはその塩、過酸化水素、過有機酸等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属次亜ハロゲン酸塩が好ましい。そして、上記次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、臭化ナトリウム等の臭化アルカリ金属の存在下で反応を進めることが、反応速度の点において好ましい。上記臭化アルカリ金属の添加量は、上記N−オキシル化合物に対して約1〜40倍モル量、好ましくは約10〜20倍モル量である。
上記反応水溶液のpHは約8〜11の範囲で維持されることが好ましい。水溶液の温度は約4〜40℃において任意であるが、反応は室温(25℃)で行うことが可能であり、特に温度の制御は必要としない。
目的とするカルボキシル基量を得るために、酸化の程度を共酸化剤の添加量と反応時間により制御する。通常、反応時間は約5〜120分、長くとも240分以内に完了する。
そして、上記反応終了後、塩酸を添加して中性(pH6.0〜8.0)に調整する。また、長期保存安定性を向上させる目的で、上記反応終了後に、水素化ホウ素ナトリウム等により還元処理を行っても良い。
(2)精製工程
つぎに、未反応の共酸化剤(次亜塩素酸等)や、各種副生成物等を除く目的で、適宜、精製を行う。反応物繊維は通常、この段階ではナノファイバー単位までばらばらに分散しているわけではないため、通常の精製法、すなわち水洗とろ過を繰り返すことで高純度(99重量%以上)の反応物繊維と水の分散体とする。
上記精製工程における精製方法は、遠心脱水を利用する方法(例えば、連続式デカンダー)のように、上述した目的を達成できる装置であればどのような装置を利用しても構わない。こうして得られる反応物繊維の水分散体は、絞った状態で固形分(セルロース)濃度としておよそ10重量%〜50重量%の範囲にある。この後の分散工程を考慮すると、50重量%よりも高い固形分濃度とすると、分散に極めて高いエネルギーが必要となることから好ましくない。
(3)分散工程(微細化処理工程)
上記精製工程にて得られる水を含浸した反応物繊維(水分散体)を、分散媒体中に分散させ分散処理を行う。処理に伴って粘度が上昇し、微細化処理されたセルロース繊維の分散体を得ることができる。その後、上記セルロース繊維の分散体を乾燥することによって、特定のセルロース繊維(A成分)を得ることができる。なお、上記セルロース繊維の分散体を乾燥することなく、分散体の状態で水性ゲル組成物に用いても差し支えない。
上記分散工程で使用する分散機としては、高速回転下でのホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、超音波分散処理、ビーター、ディスク型レファイナー、コニカル型レファイナー、ダブルディスク型レファイナー、グラインダー等の強力で叩解能力のある装置を使用することにより、より効率的かつ高度なダウンサイジングが可能となり、経済的に有利に水性ゲル組成物を得ることができる点で好ましい。なお、上記分散機としては、例えば、スクリュー型ミキサー、パドルミキサー、ディスパー型ミキサー、タービン型ミキサー等を用いても差し支えない。
上記セルロース繊維の分散体の乾燥法としては、例えば、分散媒体が水である場合は、スプレードライ、凍結乾燥法等が用いられ、分散媒体が水と有機溶媒の混合溶液である場合は、ドラムドライヤーによる乾燥法、スプレードライヤーによる噴霧乾燥法等が用いられる。
(4)水性ゲル組成物の製造
本発明の水性ゲル組成物は、上記特定のセルロース繊維(A成分)と、20℃における水に対する溶解度が10g/100ml以下である特定の難溶性アルミニウム塩(B成分)と、水(C成分)と、必要に応じて他の成分材料とを混合して得られる。なお、本発明の水性ゲル組成物は、加熱工程を必要とせず、常温でのゲル形成が可能であることを特徴としていることから、上記混合も常温(10〜30℃)で行うことができる。そして、本発明の水性ゲル組成物は、上記のように常温において均一なゲル形成が可能であるため、上記他の成分材料が、たとえ熱に弱いタイプのものであっても、このものを本発明の水性ゲル組成物に配合することが可能である。これにより、ゲルに添加し得る添加剤の種類などの選択範囲が広がり、本発明の水性ゲル組成物は、非常に有用なものとなる。
上記難溶性アルミニウム塩(B成分)の溶解度(20℃における水に対する溶解度)は、好ましくは、0.01〜6g/100mlの範囲である。すなわち、上記溶解度がこの範囲内であると、本発明の組成物のゲル化が、より良好になされるようになるからである。なお、上記溶解度の測定は、例えば、特開2005−345407公報および特開2005−308564公報に記載の方法等により行われる。
そして、上記難溶性アルミニウム塩(B成分)は、具体的に、塩基性酢酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム無水和物である。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
ここで、本発明の水性ゲル組成物における、上記特定のセルロース繊維(A成分)の含有量は、本発明の組成物のゲル化がより良好になされる点から、水性ゲル組成物全量の0.2〜3.0重量%の範囲であることが好ましく、特に好ましくは、0.4〜1.0重量%の範囲である。すなわち、上記セルロース繊維(A成分)の含有量が、上記範囲未満であると、良好なゲル化がなされず、逆に、上記範囲を超えると、粘度が高すぎて調製が不可能となるからである。
また、本発明の水性ゲル組成物における、上記難溶性アルミニウム塩(B成分)の含有量は、本発明の組成物のゲル化がより良好になされる点から、水性ゲル組成物全量の0.01〜1.0重量%の範囲であることが好ましく、特に好ましくは、0.1〜0.5重量%の範囲である。すなわち、上記難溶性アルミニウム塩(B成分)の含有量が、上記範囲未満であると、良好なゲル化がなされず、逆に、上記範囲を超えると、セルロース繊維(A成分)の凝集が激しくなる、離水が起こる等の問題を生じるようになるからである。
また、本発明の水性ゲル組成物には、上記特定のセルロース繊維(A成分)、難溶性アルミニウム塩(B成分)および水(C成分)とともに、他の成分材料として、機能性添加剤を用いることも可能である。上記機能性添加剤としては、例えば、無機塩類、有機塩類、界面活性剤、オイル類、保湿剤、防腐剤、有機微粒子、無機微粒子、消臭剤、香料、有機溶媒、水溶性高分子等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記無機塩類としては、水(C成分)に溶解・分散できるものが好ましく、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属と、ハロゲン化水素、硫酸、炭酸等からなる塩類があげられ、具体的には、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2、(NH42SO4、Na2CO3等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記有機塩類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物や、有機アミンと分子中に存在するカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等を中和することにより実質的に水溶性、水分散性を示す物質であるものが好ましい。
上記界面活性剤としては、水(C成分)に溶解・分散できるものが好ましく、例えば、アルキルスルホコハク酸ソーダ,アルキルスルホン酸ソーダ,アルキル硫酸エステル塩等のスルホン酸系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等のリン酸エステル系界面活性剤、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物,アルキルアリールフェノールのアルキレンオキサイド付加物等の非イオン系界面活性剤等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記オイル類としては、例えば、メチルポリシロキサン,シリコーンポリエーテルコポリマー等のシリコンオイル、オリーブ油,ひまし油等の植物油、動物油、ラノリン、流動パラフィン、スクワラン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記有機微粒子としては、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記無機微粒子としては、例えば、酸化チタン、シリカ化合物、カーボンブラック等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等があげられ、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記消臭剤・香料としては、例えば、Dリモネン、デシルアルデヒド、メントン、プレゴン、オイゲノール、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メントール、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、植物(例えば、カタバミ、ドクダミ、ツガ、イチョウ、クロマツ、カラマツ、アカマツ、キリ、ヒイラギモクセイ、ライラック、キンモクセイ、フキ、ツワブキ、レンギョウ等)の各器官から水、親水性有機溶剤で抽出された消臭有効成分等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記有機溶媒としては、例えば、水に可溶するアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリン等)、エーテル類(エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記水溶性高分子としては、例えば、カラギーナン,寒天,アルギン酸ナトリウム,ペクチン,ジェランガム,ゼラチン,キサンタンガム,タマリンドガム,ローカストビーンガム,グアーガム,グルコマンナン等の天然多糖類、アクリル系高分子、ポリビニルアルコール,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,プロピルメチルセルロースなどの合成高分子等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記機能性添加剤の配合量は、機能性添加剤が目的とする効果を発現するために必要な配合量で用いられる。
本発明の水性ゲル組成物は、先に述べたように、上記特定のセルロース繊維(A成分)、難溶性アルミニウム塩(B成分)、水(C成分)、さらに、必要に応じ機能性添加剤を配合し、混合処理等することにより得ることができる。
より詳しく述べると、上記混合処理としては、例えば、真空ホモミキサー、ディスパー、プロペラミキサー、ニーダー等の各種混練器、各種粉砕機、ブレンダー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、ペブルミル、ビーズミル粉砕機、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー等を用いた混合処理があげられる。なお、上記混合処理は、先に述べたように常温で行うことが可能であるが、必要に応じ、加熱することも可能であり、その温度範囲は、好ましくは、5〜95℃の範囲内であり、より好ましくは10〜30℃の範囲内である。
このようにして得られる本発明の水性ゲル組成物の、調製直後(架橋前)の粘度は、1Pa・s以上が好ましく、特に好ましくは10〜100Pa・sの範囲である。
なお、上記粘度は、例えば、BH型粘度計(No.4ローター)等を用いて測定することができる。
そして、このようにして得られる本発明の水性ゲル組成物は、破断歪率が小さく(破断までの形状変化が少なく),べたつきのないゲルを形成することができる。そのため、例えば、保冷剤、化粧料、紙おむつなどの衛生用品、ペット用処理剤、医療用ヒドロゲル、農業・園芸用材料、土木・建築用材料、トイレ・室内・自動車用の消臭剤あるいは芳香剤等の用途に用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、以下のようにしてセルロース繊維aを作製した。
〔セルロース繊維aの作製〕
まず、針葉樹パルプ2gに、水150mlと、臭化ナトリウム0.25gと、TEMPOを0.025gとを加え、充分撹拌して分散させた後、13重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(共酸化剤)を、上記パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が6.5mmol/gとなるように加え、反応を開始した。反応の進行に伴いpHが低下するため、pHを10〜11に保持するように0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、pHの変化が見られなくなるまで反応させた(反応時間:120秒)。反応終了後、0.1N塩酸を添加してpHを7.0に調整し、ろ過と水洗を繰り返して精製し、繊維表面が酸化されたセルロース繊維aを得た。セルロース繊維aのカルボキシル基量、最大繊維径、数平均繊維径は、下記の基準に従って測定した結果、カルボキシル基量が1.83mmol/g、最大繊維径が10nm、数平均繊維径が6nmであった。
〔カルボキシル基量の測定〕
セルロース水分散体を60ml(セルロース重量:0.25g)調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行った。測定はpHが約11になるまで続けた。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下の式(1)に従いカルボキシル基量を求めた。
カルボキシル基量 [mmol/g]=V[ml]×〔0.05/セルロース重量〕 ……(1)
〔最大繊維径、数平均繊維径〕
セルロース水分散体におけるセルロース繊維の最大繊維径および数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、最大繊維径および数平均繊維径を算出した。
なお、セルロース繊維aに関し、セルロース繊維表面上のグルコースユニットのC6位の水酸基のみが選択的にカルボキシル基に酸化されているかどうかについて、13C−NMRチャートで確認した。すなわち、酸化前のセルロースの13C−NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりに178ppmにカルボキシル基に由来するピークが現れていた。このことから、セルロース繊維aは、グルコース単位のC6位水酸基のみがカルボキシル基に酸化されていることが確認された。
〔実施例1〕
上記セルロース繊維aを、固形分が2重量%となるように純水で希釈し、超高圧ホモジナイザーで処理した。これを、さらに純水で希釈(ゲル組成物全量の0.75重量%がセルロース繊維aとなるよう希釈)した後、塩基性酢酸アルミニウム(20℃における水に対する溶解度:0.8g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.1重量%となるよう添加し、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)により8000rpmで10分間撹拌することにより、水性ゲル組成物を調製した。
〔実施例2〕
塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔実施例3〕
塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.5重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔実施例4〕
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、硫酸カリウムアルミニウム無水和物(20℃における水に対する溶解度:5.9g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.1重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔実施例5〕
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、硫酸カリウムアルミニウム無水和物(20℃における水に対する溶解度:5.9g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例1〕
塩基性酢酸アルミニウムを添加しなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例2〕
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、水酸化カルシウム(20℃における水に対する溶解度:0.15g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例3〕
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、塩化カルシウム(20℃における水に対する溶解度:74.5g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例4〕
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、塩化アルミニウム(20℃における水に対する溶解度:45.8g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例5〕
セルロース繊維aに代えて、カルボキシメチルセルロース(CMC)(置換度:0.7、分子量:約350000、セロゲンBSH−12、第一工業製薬社製)を用い、ゲル組成物全量の0.75重量%がCMCとなるよう希釈した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例6〕
セルロース繊維aに代えて、カルボキシメチルセルロース(CMC)(置換度:0.7、分子量:約350000、セロゲンBSH−12、第一工業製薬社製)を用い、ゲル組成物全量の0.75重量%がCMCとなるよう希釈した。また、塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
〔比較例7〕
セルロース繊維aに代えて、微小繊維状セルロース(セリッシュ)(セリッシュFD−100G、ダイセル化学工業社製)を用い、ゲル組成物全量の0.75重量%がセリッシュとなるよう希釈した。また、塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例の水性ゲル組成物に対し、下記の基準に従い、各特性の測定および評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に併せて示す。
〔破断荷重、破断歪率、破断までの形状変化〕
撹拌調製された水性ゲル組成物を脱気してプリン状カップにうつし、24時間静置した。その後、凝固したゲルをカップから取り出し、レオメーター(山電社製、クリープメーターRE−3305、プランジャー直径5mm、プランジャー速度1mm/秒)を用いてゲル破断時の荷重(破断荷重(N))、および形状の変化率(破断歪率(%))を測定した。そして、上記の破断歪率が20%未満の場合は、破断までの形状変化が「小」、破断歪率が20%以上の場合は「大」と評価した。
Figure 0005628018
Figure 0005628018
以上の結果より、実施例の水性ゲル組成物は、比較例のものに比べ、破断までの形状変化が非常に小さな(破断歪率が小さい)ゲルを形成することができる。また、このように形成された実施例のゲルは、その破断荷重の測定結果から、破断強度も高く、さらに、べたつきもみられなかった。
これに対し、比較例1では、ゲル組成物中に多価金属化合物を添加しておらず、上記のように24時間後にカップから取り出した際に、ゲルの形状が大きく変化してしまい(自立ゲル化せず)、破断荷重、破断歪率を測定することができなかった。比較例2〜4では、ゲル組成物中に添加した多価金属化合物が、易溶性のものであるため、撹拌段階でセルロース繊維に作用し、セルロース繊維が凝集するようになる。そのため、上記のようにカップから取り出した際には、ゲル化がなされず流れ出てしまい、破断荷重、破断歪率を測定することができなかった。比較例5,6では、セルロース繊維にCMCを用い、これと塩基性酢酸アルミニウムとを併用することによりゲル形成を行っている。そして、そのゲルは、破断強度の高いものであったが、破断までの形状変化が非常に大きく、しかも、べたつきもみられた。比較例7では、セルロース繊維に微小繊維状セルロース(セリッシュ)を用い、これと塩基性酢酸アルミニウムとを併用することによりゲル形成を試みたが、上記のようにカップから取り出した際に、ゲルの形状が大きく変化してしまい(自立ゲル化せず)、破断荷重、破断歪率を測定することができなかった。
ところで、セルロース繊維aに限らず、最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、セルロースI型結晶構造を有すると共に、カルボキシル基が0.6〜2.0mmol/gの範囲のセルロース繊維であれば、実施例と同様の難溶性アルミニウム塩(20℃における水に対する溶解度が10g/100ml以下のアルミニウム塩)との併用により、実施例と同様、破断歪率が小さなゲルを形成することができることが、実験により確認された。
本発明の水性ゲル組成物は、常温でのゲル形成が可能であることから、各種機能性添加剤の配合性に富んでおり、さらに、破断歪率が小さく,べたつきのないゲルを形成することができることから、化粧品基材や、芳香剤のようなトイレタリー用品基材等として広く好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする水性ゲル組成物。
    (A)最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が選択的に酸化されてカルボキシル基に変性され、それによってカルボキシル基が0.6〜2.0mmol/gの割合になっている、セルロース繊維。
    (B)塩基性酢酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウム無水和物の少なくとも一方
    (C)水。
  2. 上記(A)成分のセルロース繊維が、N−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化されたものである、請求項1記載の水性ゲル組成物。
  3. 上記(A)成分のセルロース繊維の含有量が、水性ゲル組成物全量の0.2〜3.0重量%の範囲である、請求項1または2記載の水性ゲル組成物。
  4. 上記(B)成分の含有量が、水性ゲル組成物全量の0.01〜1.0重量%の範囲である、請求項1〜のいずれか一項に記載の水性ゲル組成物。
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