JP5628018B2 - 水性ゲル組成物 - Google Patents
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(A)最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が選択的に酸化されてカルボキシル基に変性され、それによってカルボキシル基が0.6〜2.0mmol/gの割合になっている、セルロース繊維。
(B)塩基性酢酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウム無水和物の少なくとも一方。
(C)水。
天然セルロースと、N−オキシル化合物とを水(分散媒体)に分散させた後、共酸化剤を添加して、反応を開始する。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なす。ここで、共酸化剤とは、直接的にセルロース水酸基を酸化する物質ではなく、酸化触媒として用いられるN−オキシル化合物を酸化する物質のことである。
つぎに、未反応の共酸化剤(次亜塩素酸等)や、各種副生成物等を除く目的で、適宜、精製を行う。反応物繊維は通常、この段階ではナノファイバー単位までばらばらに分散しているわけではないため、通常の精製法、すなわち水洗とろ過を繰り返すことで高純度(99重量%以上)の反応物繊維と水の分散体とする。
上記精製工程にて得られる水を含浸した反応物繊維(水分散体)を、分散媒体中に分散させ分散処理を行う。処理に伴って粘度が上昇し、微細化処理されたセルロース繊維の分散体を得ることができる。その後、上記セルロース繊維の分散体を乾燥することによって、特定のセルロース繊維(A成分)を得ることができる。なお、上記セルロース繊維の分散体を乾燥することなく、分散体の状態で水性ゲル組成物に用いても差し支えない。
本発明の水性ゲル組成物は、上記特定のセルロース繊維(A成分)と、20℃における水に対する溶解度が10g/100ml以下である特定の難溶性アルミニウム塩(B成分)と、水(C成分)と、必要に応じて他の成分材料とを混合して得られる。なお、本発明の水性ゲル組成物は、加熱工程を必要とせず、常温でのゲル形成が可能であることを特徴としていることから、上記混合も常温(10〜30℃)で行うことができる。そして、本発明の水性ゲル組成物は、上記のように常温において均一なゲル形成が可能であるため、上記他の成分材料が、たとえ熱に弱いタイプのものであっても、このものを本発明の水性ゲル組成物に配合することが可能である。これにより、ゲルに添加し得る添加剤の種類などの選択範囲が広がり、本発明の水性ゲル組成物は、非常に有用なものとなる。
まず、針葉樹パルプ2gに、水150mlと、臭化ナトリウム0.25gと、TEMPOを0.025gとを加え、充分撹拌して分散させた後、13重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(共酸化剤)を、上記パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が6.5mmol/gとなるように加え、反応を開始した。反応の進行に伴いpHが低下するため、pHを10〜11に保持するように0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、pHの変化が見られなくなるまで反応させた(反応時間:120秒)。反応終了後、0.1N塩酸を添加してpHを7.0に調整し、ろ過と水洗を繰り返して精製し、繊維表面が酸化されたセルロース繊維aを得た。セルロース繊維aのカルボキシル基量、最大繊維径、数平均繊維径は、下記の基準に従って測定した結果、カルボキシル基量が1.83mmol/g、最大繊維径が10nm、数平均繊維径が6nmであった。
セルロース水分散体を60ml(セルロース重量:0.25g)調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行った。測定はpHが約11になるまで続けた。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下の式(1)に従いカルボキシル基量を求めた。
セルロース水分散体におけるセルロース繊維の最大繊維径および数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、最大繊維径および数平均繊維径を算出した。
上記セルロース繊維aを、固形分が2重量%となるように純水で希釈し、超高圧ホモジナイザーで処理した。これを、さらに純水で希釈(ゲル組成物全量の0.75重量%がセルロース繊維aとなるよう希釈)した後、塩基性酢酸アルミニウム(20℃における水に対する溶解度:0.8g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.1重量%となるよう添加し、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)により8000rpmで10分間撹拌することにより、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.5重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、硫酸カリウムアルミニウム無水和物(20℃における水に対する溶解度:5.9g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.1重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、硫酸カリウムアルミニウム無水和物(20℃における水に対する溶解度:5.9g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムを添加しなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、水酸化カルシウム(20℃における水に対する溶解度:0.15g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、塩化カルシウム(20℃における水に対する溶解度:74.5g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
塩基性酢酸アルミニウムに代えて、塩化アルミニウム(20℃における水に対する溶解度:45.8g/100ml)を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
セルロース繊維aに代えて、カルボキシメチルセルロース(CMC)(置換度:0.7、分子量:約350000、セロゲンBSH−12、第一工業製薬社製)を用い、ゲル組成物全量の0.75重量%がCMCとなるよう希釈した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
セルロース繊維aに代えて、カルボキシメチルセルロース(CMC)(置換度:0.7、分子量:約350000、セロゲンBSH−12、第一工業製薬社製)を用い、ゲル組成物全量の0.75重量%がCMCとなるよう希釈した。また、塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
セルロース繊維aに代えて、微小繊維状セルロース(セリッシュ)(セリッシュFD−100G、ダイセル化学工業社製)を用い、ゲル組成物全量の0.75重量%がセリッシュとなるよう希釈した。また、塩基性酢酸アルミニウムの添加量を、ゲル組成物全量の0.2重量%となるよう添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法で、水性ゲル組成物を調製した。
撹拌調製された水性ゲル組成物を脱気してプリン状カップにうつし、24時間静置した。その後、凝固したゲルをカップから取り出し、レオメーター(山電社製、クリープメーターRE−3305、プランジャー直径5mm、プランジャー速度1mm/秒)を用いてゲル破断時の荷重(破断荷重(N))、および形状の変化率(破断歪率(%))を測定した。そして、上記の破断歪率が20%未満の場合は、破断までの形状変化が「小」、破断歪率が20%以上の場合は「大」と評価した。
Claims (4)
- 下記の(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする水性ゲル組成物。
(A)最大繊維径が1000nm以下で、数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維であって、そのセルロースが、セルロースI型結晶構造を有すると共に、セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が選択的に酸化されてカルボキシル基に変性され、それによってカルボキシル基が0.6〜2.0mmol/gの割合になっている、セルロース繊維。
(B)塩基性酢酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウム無水和物の少なくとも一方。
(C)水。 - 上記(A)成分のセルロース繊維が、N−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化されたものである、請求項1記載の水性ゲル組成物。
- 上記(A)成分のセルロース繊維の含有量が、水性ゲル組成物全量の0.2〜3.0重量%の範囲である、請求項1または2記載の水性ゲル組成物。
- 上記(B)成分の含有量が、水性ゲル組成物全量の0.01〜1.0重量%の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ゲル組成物。
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