JP5627522B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空調装置に係り、特に冷凍装置と空調装置とが各々独立した冷媒の循環流路を有する空調装置に関する。
図2は一般的な食品店舗を示しており、食品店舗は大きく分けて、冷蔵・冷凍食品売り場、非冷蔵・冷凍商品売り場、レジの構成となり、店舗の裏側に商品をストックするバックヤード19(19a、19b)を配している。
店舗内は、店舗内空調を整える、空調機18(18a〜18i)があり、冷蔵・冷凍食品を展示するショーケース2(2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜)を配している。空調機18a〜18i、ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜はそれぞれ冷凍サイクル20(20a〜20i)の配管を通じて、各対応するコンデンシングユニット(冷凍機)1(1a〜1i)とつながっている。
バックヤード19a、19bも、内部を冷やすための冷却機(図示せず)を備え、独立した冷凍機か、いずれかのショーケースの冷媒系統に接続している。
これら、空調機18a〜18iやショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜はそれぞれに、温度設定するリモコンを配置する場合もあるが、通常台数が多いため、一括で管理するシステムコントローラ41を設けて、このシステムコントローラにて、各空調機18a〜18iや、ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜の温度設定、発動、停止、異常表示などを行う。よってシステムコントローラ41は一般に店長室に配置されている。
当然システムコントローラは全ての空調機18a〜18i、ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜に有線、無線の何らかの方法で接続されていて、情報通信ができるようになっている(図示せず)。
ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜は、用途ごとに庫内の温度を設定しており、同列の温度帯のケースを並べて配置する。
ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜とコンデンシングユニット(冷凍機)1との関係は、通常1台のコンデンシングユニット1に、冷却能力でカバーできる範囲内で、類似庫内温度のショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜を接続する。これは、コンデンシングユニット1は、つながるショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜の庫内温度の低いほうにあわせて冷媒の蒸発温度を設定するためで、冷媒蒸発温度を下げるほど、仕事量が増え電気代がかさむことになるためである。
下記表1は、代表事例としての、ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜の用途ごとの設定温度と、コンデンシングユニット(冷凍機)の目標蒸発温度を示したものである。
Figure 0005627522
空調機18の設定温度は、25℃前後で、夏は高め、冬は低目にする傾向にある。これは、外から入ってこられたお客様の感じる体感温度は、外の温度との差による影響が大きいためと、省エネに対しての意識が、社会的にも認識されてきたことが大きい。
よって、仮に夏場であると、同一店舗内に空調機18とショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜が配置されていることは、同一店舗内の空気を、空調機18とショーケースショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜で冷やすことになる。
このことは、空調機用のコンデンシングユニットとショーケース用のコンデンシングユニットの冷凍機双方が、同一店舗内の空気を冷やすために仕事をしていると言い換えられる。
下記特許文献1は、集中制御部は、ショーケースの負荷に応じて空調装置の冷房運転設定温度を既定値よりも下げる構成としたものである。
すなわち、比較的運転効率が高く、消費エネルギーが少ない空調装置によって店舗の室内の温度を下げることで、オープンショーケースの負荷を下げ、さらに冷凍機の運転効率の低下を防ぐことができ、 空調装置として見たとき、運転効率を向上し、省エネルギー性を向上することができる。
特許第4088671号公報
この特許文献1においてショーケースの負荷は、冷凍機の圧縮機の運転電流及び運転周波数により把握される。
空調装置が冷房運転時、オープンショーケースの負荷増大、つまり冷凍機の負荷増大により、冷凍機の運転効率が低下しそうになると、空調装置の設定温度が温度が下がる。
このため、空調装置により、オープンショーケースが設置された店舗の室内の温度が下がり、オープンショーケースの冷凍負荷や冷蔵負荷となる熱量の1つである外気からの侵入熱の熱量が低減される。
ショーケースの環境としての雰囲気の温度、湿度が高くなると、ショーケースの所要冷却能力が増えていく。これは店舗のドア開閉での外気の侵入、換気、壁の断熱と外気温度の差、空調温度の変更など各種要因によって起きてくる。
同一店舗内に、ショーケースと空調機が施設されていて、それぞれの冷媒回路が独立し、各々専用の冷凍機とつながっている場合、ショーケースも空調機も同じエリアの空気を冷やすことになる。
よって、冷媒の蒸発温度が高い空調機への仕事配分を多くする方が、全体としての効率があがり、より省エネになると考えられてきたが、ショーケースがある場合は逆となることを知らない場合が多い。
このように、空調機の設定温度を高くしたほうが省エネになると認識している場合、店舗閉店後の夜間は空調機を止める方が省エネになるとして空調機を止める傾向になる。
そして夜間に空調機を止めた場合、熱帯夜などは、夜間でも30℃台に店舗内温度が上昇する場合があり、ショーケース冷却能力が増加し、結果としてショーケース側のコンデンシングユニットの電気代が増えてしまう問題が発生する。
ただし、涼しい時間帯では、冷えすぎ防止の視点で、空調機は止めたほうがいい場合もある。また空調機を停止させていなくても、省エネの考えより、除湿、もしくは送風のみで運転する場合もある。
この場合、朝方は店舗内の環境的には温度、湿度ともに滞在する人、ショーケースそれぞれに快適であっても、時間経過とともに温度、湿度が上昇することが多い。その場合、ショーケース側から見ると、冷却能力が増え、結果として店舗全体では省エネに反する状態となる。
他にも、店舗の暖房時に、暖房を効かせすぎることで、暖房への電力と、ショーケース環境劣化での電力と二つが重なり、より高い消費電力を発生することがある。
また、店舗外環境が変わり、涼しくなってきた場合は、冷房のための空調機の運転は無駄な電力となる。
よって、刻々変化する環境に適した空調機の運転をしないと、結果として無駄な電気を発生させる問題が発生した。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、同一店舗内のショーケースと空調機において、時々刻々と変化する店舗外環境の変化によって店舗ない環境も刻々と変化していくので、その変化に対応させて、空調機の運転状態を変えることで、ショーケースの設置箇所での環境を定格条件に留めることで、店舗全体としての無駄な電気代の発生を防止し、省エネを行うことができる 空調装置を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、同一店舗内に、ショーケースと空調機が施設されていて、それぞれの冷媒回路が独立し、各々専用の冷凍機とつながっている場合において、ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した場合に、同一店舗内の空調機の運転を増加させ、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの冷却能力を低減する制御を行うのに、ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に、空調機が停止している場合は、その停止している空調機を強制的に冷房を行う運転で運転させ、冷房状態の運転ではない場合は、冷房状態の運転に切り替えて運転させ、暖房を行う運転の場合は、暖房運転のままで目標温度を下げて運転を継続させる空調装置であって、冷凍機の目標蒸発温度から冷凍機の初期蒸発温度を引いた値がショーケースの用途毎に設定可能なトリガ温度に到達した場合はショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足したと判断することを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、刻々変化する環境に適した空調機の運転をして結果として無駄な電気を発生させることを防止できる。
請求項2記載の本発明は、制御を行う場合に、空調機の設定温度を予め定められた温度変更幅だけ変更すること、請求項3記載の本発明は、制御を行う場合に、空調機の設定温度を変更した後は、予め定められた時間が経過後に再度空調機の設定温度を変更することが可能となること、請求項4記載の本発明は、制御を行う場合に、空調機の設定温度を予め定められた温度より下げられないこと、請求項5記載の本発明は、ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に空調機を動かすことで、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの所要冷却能力を改善させたあと、ショーケース環境が戻った場合は、空調機の運転を改善のために運転させた前の状態に戻すことを要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、空調連係制御完了後、元の停止状態に戻す場合に、その時間がすでに店舗が開店状態となっていて、連携対象でない、空調機が動き出しているならば、停止にするのではなくて、停止以前の設定で動かすようにする。
請求項記載の本発明は、予め定められた時間経過後に、空調機の運転を改善のために運転させた前の状態に戻すことが可能となること、請求項7記載の本発明は、ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に、最初に店舗の外の外気状態を測定し、ショーケース環境より、温度、もしくは湿度が低い場合は、換気扇の流量を上げ、外気取り入れ量を増やすこと、請求項記載の本発明は、気取り入れ量を増やしてもそれだけではショーケース環境を改善できない場合は、空調機の運転を増加させ、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの冷却能力を低減する制御を行うことを要旨とするものである。
請求項記載および請求項記載の本発明によれば、空調連携を行う場合に、店舗室外の環境が、空調で行う冷房設定の環境温度以下であった場合は、空調機による冷房に入るのではなく、換気扇の流量を上げ外気の取入れを増加させる。そしてそれだけでは改善できない場合は、空調機を動かし、ショーケース環境改善を行う。
以上述べたように本発明の 空調装置は、ショーケース設置の環境劣化により、所要冷却能力が上昇した場合、同一店舗内の空調機をもってショーケース環境劣化を改善するばあいにおいて、店舗内の空調機の状態が、この空調連携に適さない状態であった場合は、自動的に適する状態にすることで、空調連携制御の狙いとする店舗全体での省エネ運転が実現できるものであり、かつ空調連携の動作が不要となった段階で、元に戻すことで、使用者側へ後から空調運転を修正する作業を求めないで済むので、使用勝手を損ねずに狙いの省エネ運転を実現できるものである。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の 空調装置の動きを示すフローチャート、図3は本発明の 空調装置で使用するショーケースの冷媒回路図、図4、図5は計測制御装置の主な構成を示すブロック図、図6は図3の1つのショーケースを拡大した説明図である。
図3において、1は熱源側で例えばコンデンシングユニットであり、2a、2b、2cは負荷側のショーケースでこの部分は断面構成で図示している。
例えば、前記ショーケース2aは青果用、ショーケース2bは日配用、ショーケース2cは生鮮用のショーケースとする。ショーケース2a、2b、2c内の白抜き矢印はショーケース内の空気の流れを示している。
図中、3は例えばインバータにより回転数が可変である圧縮機、4は凝縮器、5は液レシーバ、6はアキュムレータであり、これらはコンデンシングユニット1に内蔵される。
7a、7b、7cは電磁弁、8a、8b、8cは減圧装置である電子膨張弁、9a、9b、9cは蒸発器、10a、10b、10cはショーケース2a、2b、2c内を冷却するため蒸発器9a、9b、9cを経てショーケース2内の冷却対象に送風するファンであり、電磁弁7a、7b、7c、電子膨張弁8a、8b、8c、蒸発器9a、9b、9c、ファン10a、10b、10cはショーケース2a、2b、2cに内蔵される。
液管11とガス管12は、コンデンシングユニット1とショーケース2a、2b、2cを接続する冷媒配管である。
圧縮機3、凝縮器4、電磁弁7a、7b、7c、電子膨張弁8a、8b、8c、蒸発器9a、9b、9cは冷媒配管11、12で接続されて冷凍サイクル20を構成している。
特に本発明の 空調装置に使用するショーケースでは、1つの熱源に複数の冷却負荷が並列に接続され、その目標冷却温度をそれぞれ個別に設定して冷却対象各々を互いに異なる目標冷却温度に冷却することができる。
さらに、13a〜13iは冷媒温度センサであり、13aは圧縮機3の吸入温度、13bは圧縮機3の吐出温度、13cは凝縮器4の出口温度、13dは蒸発器9aの入口温度、13eは蒸発器9aの出口温度、13fは蒸発器9bの入口温度、13gは蒸発器9bの出口温度、13hは蒸発器9cの入口温度、13iは蒸発器9cの出口温度を測定する。
14a〜14gは空気温度センサであり、14aは凝縮器4周囲の外気温度、14bは蒸発器9aの吸込空気温度、14cは蒸発器9aの吹出空気温度、14dは蒸発器9bの吸込空気温度、14eは蒸発器9bの吹出空気温度、14fは蒸発器9cの吸込空気温度、14gは蒸発器9cの吹出空気温度を測定する。
15a、15bは冷媒圧力センサであり、15aは冷凍サイクルの低圧である圧縮機3の吸入圧力、15bは冷凍サイクルの高圧である圧縮機3の吐出圧力を測定する。
また、16はコンデンシングユニット1の計測制御装置であり、計測制御装置16の主な構成を図4に示す。
冷媒温度センサ13a、13b、13c、空気温度センサ14a、冷媒圧力センサ15a、15bでの測定値をもとに圧縮機3の回転数や、凝縮器4に送風するファン28の風量などを制御する。
すなわち、コンデンシングユニット1の計測制御装置16は圧縮機容量制御手段21及びファン風量制御手段22を含むものである。17(17a、17b、17c)は各ショーケース2a、2b、2cの計測制御装置であり、計測制御装置17の主な構成を図5に示す。
このショーケースの計測制御装置17には、冷媒温度センサ13(13a〜13i)、空気温度センサ14(14a〜14g)によるそれぞれの蒸発器9a、9b、9cの出入口冷媒温度、吹出・吸込の空気温度の測定値をもとに、電磁弁7a、7b、7cの開閉、および電子膨張弁8(8a、8b、8c)の開度、ファン10の風量を制御する。また、入力手段で入力された蒸発器9a、9b、9cの冷却対象の目標冷却温度も記憶されている。
すなわちこのショーケースの計測制御装置17は、目標温度設定手段31、蒸発器運転決定手段32、ファン風量制御手段33、電子膨張弁8の開度を制御して流動抵抗を制御する流動抵抗制御手段34を含むものである。
また、コンデンシングユニット1の計測制御装置16とショーケース2a、2b、2cの計測制御装置17は相互に通信可能となっており、それぞれの計測値および制御される機器の情報通信を可能とする。情報の受け渡しの様子を図3〜図5に点線で示す。
次に、この実施の形態での冷媒の流れについて説明する。圧縮機3から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器4で外気と熱交換し凝縮液化される。その後、液レシーバ5、液管11を経てショーケース2a、2b、2cに流入する。
そして電磁弁7a、7b、7cを経た冷媒は、電子膨張弁8a、8b、8cで減圧され、低圧の二相冷媒となった後で、蒸発器9a、9b、9cで蒸発ガス化しながらファン10a、10b、10cで送風される空気に冷熱を供給する。
その後、冷媒はガス管12、アキュムレータ6を通り、圧縮機3に吸入される。
図6にも示すように、ショーケース2aはファン10aをもって、庫内に空気を循環させる。(白矢印)
循環空気は、冷却器9aによって冷やされたショーケース2a天井より庫内をめぐり、ショーケース2a下部の吸い込み口より入る。ただし、どうしても構造上、ショーケース外部へ流出する外部流出空気が発生するので、その分、庫内に流入する庫内流入空気が発生する。よって、庫内の温度が安定した場合でも、庫内流入空気を絶えず冷やすことになるので、その分が冷却能力として必要になる。
ここでの所要熱量Qは、以下の式となる。
Q=K×A×ΔT
Q:所要冷却能力
K:熱通過率
A:面積
ΔT:温度差
ここでK、Aはショーケース構造の構造が一意に決まると固定値となるので
Q∝ΔT
となる。
ΔTは、庫内温度Taと、冷媒温度Trefとの差になるので、ショーケースの場合、以下の式で求められる。
ΔT=Ta−Tref
Ta:庫内温度
Tref:冷媒温度
そして庫内温度Taは、
Ta=(吸い込み空気温度Tain+吹出空気温度Taout)/2
なお、ここでのinとoutは、冷却器9からみた方向で示している。
また、ここでの所要冷却能力は、基本的には、外部に漏れる熱量であることより、ショーケース2a外部環境(温度、湿度)による影響を受ける。そのため、ショーケース2aのカタログ表記での所要冷却能力は、温度、湿度を特定している。
よってショーケース環境を安定させ、冷媒温度を理想的に調整することでショーケースの庫内温度は安定できる。
仮に、ショーケース環境温度が25℃、湿度60%でショーケースの目標温度を0℃であったときに、冷媒温度が−10℃でちょうどショーケースの庫内温度が0℃でつりあいが出来るように、ショーケース2aの計測制御装置17aとコンデンシングユニット1の計測制御装置16、システムコントローラ41によって、冷媒の温度を調整した場合、ショーケースの環境温度があがると、必要とする所要冷却能力が増えるので、冷媒温度が変わらない場合は、ΔTが減り庫内温度は上昇する。
よって、このような状態を計測制御装置17aが検知した場合は、ショーケース2の庫内温度を安定させるには、従来のショーケース2とコンデンシングユニット1だけの関係だと、冷媒温度を下げることを行う。
ただし、店舗内の空気としてみたときに、店舗内の空気を空調機18(18a〜18i)が下げ、更にショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜が下げることになる。
であれば、ショーケース2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜、空調機18(18a〜18i)をコントロールするシステムコントローラ41によって、空調機18(18a〜18i)の設定温度を下げることで、ショーケース2の環境温度を当初のバランス点まで下げられることで、庫内温度を一定に出来る。
そうすることで、空調機の仕事量は増えるが、空調機はショーケースより冷媒蒸発温度の高い領域で動かすので、ショーケース側の冷却運転を減らした分、全体では使用する電気量の削減を得られる。
そしてこのように、同一店舗内のショーケースと空調機を連携させて、ショーケース環境を安定させ、店舗全体としての最適化運転をすることを、本発明は、ショーケース側からの視点で空調連携制御するものである。
Figure 0005627522
前記表2は、ある店舗に設置されている、ショーケースとコンデンシングユニットの関係を示す。
ここでは、計30台のショーケースと、そのショーケース用に、11台のコンデンシングユニットが設置されている。
そして、このコンデンシングユニットは、各々接続されているショーケースの冷却能力状態を監視し、零級空く能力が不足した場合は、冷媒の蒸発温度を下げ、逆の場合はあげて、ショーケースに対して冷却能力の過不足を生じさせない制御をしている。
その手法そのものは、例えば、ショーケース庫内温度が設定温度より高くなった場合、冷却能力不足と判定する方法、ショーケースが設定温度より冷えた場合の冷媒遮断(サーモオフ)の発生回数が、所定時間でどれだけ起こったかで判定する方法(この場合は、能力不足になるとサーモオフ回数が減り、最終的にはサーモオフしなくなる)など、各種のやり方がある。
そしてシステムコントローラが、ショーケースの冷却能力不足を判断すると、それまでの冷媒蒸発より下げた目標蒸発温度ETmを設定することで、その蒸発温度を下げるようにコンデンシングユニットに指令を出し、コンデンシングユニットはその蒸発温度になるように圧縮機を動かす。
なお、ここでのコンデンシングユニットはインバータ制御であることを前提にしているので、圧縮機の回転数を変えることで用意に調整できる。
よって、ここで目標蒸発温度ETmが所定値より下がる場合は、ショーケースの冷却能力を増やすために行っており、これはショーケースの環境が冷却能力を増やす状態、つまり温度が高くなる、湿度が高くなってきたことを示す。
コンデンシングユニットは、初期蒸発温度を、定格条件でバランスする値にするので、そこからの差をもって、ショーケース環境の変動を判断するようにしている。
Figure 0005627522
前記表3では、各用途ごとに使用しているコンデンシングユニットのETmがどれだけ初期ETより下がった場合に、ショーケース環境が悪化したと判断するかを示している。
よって例えば、コンデンシングユニットNo.1はETよりETmが3度以上低くなった場合は、ショーケース環境の劣化が発生していると判定し、この事例ではどれか一つのコンデンシングユニットがこの状態になったことをトリガとして、店舗の空調機の設定温度を、2度低くするとしている。
当然トリガ条件は、今回のようなor条件でなくとも店舗の実情に合わせて、and条件であってもよく、この実例では組み合わせを規定しているものではない。
そして表の残りの各動作パラメータについては、下記の通りである。
空調機設定温度変化: ショーケースの環境要因が悪化した場合に行う、各ショーケースもしくはコンデンシングユニット1に対応した空調機18(18a〜18i)の温度変更幅である。
温度変更更新時間: ショーケース環境が悪化して空調機の温度を一回下げた以降、無一度下げるかを判断するための時間である。(ようはこの時間経過しないと2回目の下げは実施しないための時間で、その理由は、空調機の温度を下げてもすぐにはその効果は得られないためで、この時間が無いとどんどん空調機の温度を下げることになってしまうためである。
空調設定温度シフト保持時間: 空調機の設定温度を下げた場合、ETmが改善できたとしても、この時間の中は空調機の温度を戻さないための時間である。(この時間が無いと、空調機の温度を戻すと、ショーケース負荷がまた重くなり、空調機の温度を上げたりとなり、前提の系として動作が落としてしまうためである。)
空調機設定下限温度: 空調機の温度を下げてよい加減の温度である。(下げすぎると、滞在する人への低温ストレスをあたえることになり、更に下げようとするとある時点より店舗全体の省エネ効率を悪化させてしまう。)
本発明における空調連携制御において、空調機の役割は主に、店舗内の空気を冷やすことで、ショーケース設置環境の空気温度、もしくは湿度を下げてショーケース環境を改善し、ショーケースの冷却能力を下げることにある。
ただし、空調機の本来の役割は、店舗内に滞在する人への配慮をもっての温度コントロールであり、夏場は通常冷房となるが、冬場は暖房、中間期や一日の中でも、夜間、早朝などは、停止にしたり、除湿にしたり、色々な空調機の運転モードに変えて使用されることが多い。
よって空調連携制御が必要となった場合の空調連携の方法について説明する。
最初に空調機18(18a〜18i)が動いている状態と止まっている状態の2つに場合に分けて説明する。
まず、各々空調機が動いていた場合は、そのときの運転モード、空調機が止まっていた場合は、止まる前の運転モードと、空調連携で動かすときの運転モードを下記表4と表5に示す。ここでの空調機18(18a〜18i)の運転モードは、市場で流通している代表的なモードを示している。
Figure 0005627522
Figure 0005627522
本発明は、同一店舗内に、ショーケースと空調機が施設されていて、それぞれの冷媒回路が独立し、各々専用の冷凍機とつながっている場合において、ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した場合に、同一店舗内の空調機の運転を増加させ、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの冷却能力を低減する制御を行うのに、ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に、空調機が停止している場合は、その停止している空調機を強制的に冷房を行う運転で運転させ、冷房状態の運転ではない場合は、冷房状態の運転に切り替えて運転させ、暖房を行う運転の場合は、暖房運転のままで目標温度を下げて運転を継続させるものである。
表4は、空調機18(18a〜18i)が動いていた場合で、ここでの空調連携は、基本的にはそれ以前の運転を継続する。
ただし、ドライ、送風では、ショーケース環境の改善に即効性が弱いので、どちらも冷房に変更する。
そして、冷房運転にして、通常設定する温度より所定の温度より、ここでは前記表3で示す2度下げて冷房運転とする。
暖房運転であったときは、そこをいきなり冷房にすると動作が180度反対となり、そこに滞在される方の違和感が大きくなることと、もともと暖めたい動作であることは暖房を止めると温度が下がる環境であることの2つの視点より、暖房時は、暖房の状態で設定温度だけを下げ、ここではやはり2度下げることになる。
前記表5は、空調機が止まっている状態で、空調連携をする場合の動きを示している。空調機は止まっていたのだから、動かす動きは全て冷房である。
そして、前記表4も表5も空調連携を実施する状況がショーケース環境として改善できた場合は、空調機は元のモードに戻して、止まっていた場合は止めた状態とする。
他に空調連携を行う場合に、店舗室外の環境が、空調で行う冷房設定の環境温度以下であった場合は、空調機による冷房に入るのではなく、換気扇の流量を上げ外気の取入れを増加させる。
そしてそれだけでは改善できない場合は、空調機を動かし、ショーケース環境改善を行う。この一連の動きを図6のフローチャートに示す。
なお、前記表5に沿って、空調連係制御完了後、元の停止状態に戻す場合に、その時間がすでに店舗が開店状態となっていて、連携対象でない、空調機が動き出しているならば、停止にするのではなくて、停止以前の設定で動かすようにする。
また、空調機を管理するシステムコントローラ、もしくはその他のコントローラのスケジュール機能で、空調機を動かす時間帯が既に決められていて、そこで決められていた動かす時間内であれば、空調機を停止させないで、スケジュールル機能通りの動かし方とする。
他にも、空調連携中、誰かによる後操作で、空調運転の条件を変えられていた場合は、動作継続する意思があるものとシステムコントローラ41が判断し、空調連携終了後も空調機の運転を止めない。
以上前記実施形態は、ショーケース設置の環境劣化により、所要冷却能力が上昇した場合、同一店舗内の空調機をもってショーケース環境劣化を改善するばあいにおいて、店舗内の空調機の状態が、この空調連携に適さない状態であった場合は、自動的に適する状態にし、その手段として、外気を換気扇を持って利用することも含まれる。よって、この趣旨に沿った動かし方であれば、本発明は前記実施形態で上げた運転モードの名称や、設定の細かな時限、温度に特定されるものではない。
本発明の 空調装置の動きを示すフローチャートである。 一般的な食品店舗を示す説明図である。 本発明の 空調装置で使用するショーケースの冷媒回路図である。 コンデンシングユニットの計測制御装置の主な構成を示すブロック図である。 ショーケースの計測制御装置の主な構成を示すブロック図である。 図3の1つのショーケースを拡大した説明図である。
1(1a〜1i):コンデンシングユニット(冷凍機)
2a、2b、2e、2j、2s、2w、2t〜:ショーケース
3:圧縮機
4:凝縮機
5:液レシーバ
6:アキュムレータ
7a、7b、7c:電磁弁
8(8a、8b、8c):減圧装置(電子膨張弁)
9(9a、9b、9c):蒸発器
10(10a、10b、10c):ファン
11:液管
12:ガス管
13a〜13i:冷媒温度センサ
14a〜14g:空気温度センサ
15a、15b:圧力センサ
16:計測制御装置
17(17a、17b、17c):計測制御装置
18(18a〜18i):空調機
19(19a、19b):バックヤード
20(20a〜20i):冷凍サイクル
21:圧縮機容量制御手段
22:ファン風量制御手段
28:ファン
31:目標温度設定手段
32:蒸発器運転決定手段
33:ファン風量制御手段
34:流動抵抗制御手段
41:システムコントローラ

Claims (8)

  1. 同一店舗内に、ショーケースと空調機が施設されていて、それぞれの冷媒回路が独立し、各々専用の冷凍機とつながっている場合において、
    ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した場合に、同一店舗内の空調機の運転を増加させ、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの冷却能力を低減する制御を行うのに、
    ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に、
    空調機が停止している場合は、その停止している空調機を強制的に冷房を行う運転で運転させ、冷房状態の運転ではない場合は、冷房状態の運転に切り替えて運転させ、暖房を行う運転の場合は、暖房運転のままで目標温度を下げて運転を継続させる空調装置であって、
    前記冷凍機の目標蒸発温度から前記冷凍機の初期蒸発温度を引いた値が前記ショーケースの用途毎に設定可能なトリガ温度に到達した場合はショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足したと判断する
    ことを特徴とした冷凍空調装置。
  2. 前記制御を行う場合に、前記空調機の設定温度を予め定められた温度変更幅だけ変更する
    ことを特徴とした請求項1に記載の冷凍空調装置。
  3. 前記制御を行う場合に、前記空調機の設定温度を変更した後は、予め定められた時間が経過後に再度前記空調機の設定温度を変更することが可能となる
    ことを特徴とした請求項1または2に記載の冷凍空調装置。
  4. 前記制御を行う場合に、空調機の設定温度を予め定められた温度より下げられない
    ことを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍空調装置。
  5. ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に空調機を動かすことで、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの所要冷却能力を改善させたあと、ショーケース環境が戻った場合は、空調機の運転を改善のために運転させた前の状態に戻す
    ことを特徴とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷凍空調装置。
  6. 予め定められた時間経過後に、前記空調機の運転を改善のために運転させた前の状態に戻すことが可能となる
    ことを特徴とした請求項5に記載の冷凍空調装置。
  7. ショーケースの所要冷却能力がショーケース環境要因にて不足した時に、最初に店舗の外の外気状態を測定し、ショーケース環境より、温度、もしくは湿度が低い場合は、換気扇の流量を上げ、外気取り入れ量を増やす
    ことを特徴とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷凍空調装置。
  8. 前記外気取り入れ量を増やしてもそれだけではショーケース環境を改善できない場合は、空調機の運転を増加させ、ショーケースの環境要因を改善し、ショーケースの冷却能力を低減する制御を行う
    ことを特徴とした請求項7に記載の冷凍空調装置。
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