JP5627261B2 - 計量装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷重信号から取得される重量測定値の補正機能を備えた計量装置に関するものである。
従来、被計量物の荷重が計量部の計量台に負荷してから計量部の動特性に基づいて計量部の荷重センサから出力された荷重信号を、演算回路内に設けられたフィルタを通したときに、計量時間の都合で、最終値、すなわちフィルタの持つ時間遅れ要素に比べて十分に長い時間の経過後の値に応答するまでに重量測定値を取得しなければならない条件のある計量装置がある。
例えば特許文献1にて開示されている重量選別機は上記の計量装置の事例に当てはまる。かかる重量選別機において、被計量物の計量台への積載に伴い荷重センサから出力される荷重信号を入力とするフィルタの出力(フィルタ応答信号)が、最終値であって被計量物の実重量値に相当する静的重量測定値に応答するに至るまでに、被計量物が計量台から外部に送出される。したがって、最終値に向かって応答中のフィルタ応答信号から重量測定値を求めなければならず、この重量測定値に対しては補正が必要である。
最終値に向けて応答中のフィルタ応答信号から重量測定値(動的重量測定値と呼ばれる)を取得するには、調整時点において予め被計量物が計量台へ乗り込む時点を起点とする計量待ち時間タイマーを用意して所定のタイマー時間を定め、被計量物が計量台から送出される直前となるタイミングを重量測定のタイミングと定め、このタイミングにてフィルタ応答信号から重量測定値を取得する。なお、測定法については例えば特許文献2にて開示されている手法を適用することができる。
被計量物の重量測定値の取得について、重量選別機や組合せ秤のような自動秤では、計量処理能力を高め、かつ予め定めた処理能力を確実に発揮させるために、機械的シーケンス上での特定タイミングまたは物品の供給過程の特定位置への到達タイミングを起点とする安定待ち時間タイマーを動作させ、安定待ち時間の経過した時点で所定のフィルタによって平滑された荷重信号から重量測定値を取得している。
なお、許容の精度内の重量測定値を得るための安定待ち時間タイマーの設定方法としては、例えば特許文献3にて提案されているものがある。
特開昭56−118775号公報 特開平6−82294号公報 特開平6−43011号公報
重量測定値の取得タイミングは、被計量物が完全に計量器へ搬入され(供給され)、荷重信号のフィルタ応答のばらつきが所定の精度範囲内に収まる最短の時間をもって安定待ち時間(計測時間)とされる。
安定待ち時間長さに比べて十分に短い時間間隔Δt毎にフィルタの応答出力信号をサンプリングし、複数回のテストによって各サンプリング時刻の重量測定値毎にばらつき量を調べ、所定のばらつき量の範囲内に収まる最短の時間をもって安定待ち時間を決定している。
このように決定された安定待ち時間によって得られた重量測定値が被計量物の真の値(最終値)との間にフィルタの未応答に起因する誤差(偏差量)が存在する場合、特許文献1に係る技術では、予め調整時点で偏差量を求めて補正重量値weとして記憶させておき、本稼働時点において、予め調整時点で設定した所定のタイマー時間に基づくタイミングで応答中の荷重信号から重量測定値を取得した上で、予め記憶している補正重量値weを加えて重量測定値を最終値、すなわち静的重量測定値(実重量)に補正し、正しい重量測定値を得るようにしている。
自動式、半自動式の組合せ秤の場合も、計量ホッパへ供給した被計量物の荷重信号に対するフィルタの応答中に重量測定値を求めることで計量時間を短縮している。
自動式、半自動式の組合せ秤では、組合せ商品を早く作ることのできる能力が重要視されるので、計量時間、即ち、被計量物を計量ホッパへ供給した後、重量測定値を取得するまでの時間をできるだけ短くして、被計量物の重量測定値を早く確定させることが望まれる。
したがって、計量ホッパの荷重信号に対するフィルタ出力の応答が最終値に到達するまでに重量測定値を取得して被計量物を計量ホッパから排出する動作を通常に行っている。
重量測定値を取得するタイミングを計るために、安定待ち時間が設定された安定待ち時間タイマーが設けられる。この安定待ち時間タイマーは、供給ホッパのゲートを開いて被計量物を計量ホッパへ投下供給させるタイミング(供給ホッパのゲートを開くタイミング)を起点にするか、物品センサを用いて計量ホッパから被計量物が落下を開始するタイミングを検出して起点にする。すなわち、機械動作シーケンスに基づくか、被計量物の位置に基づいて起点が定められる。また、調整運転にて計量ホッパへ負荷された被計量物による荷重信号の応答がほぼ収束する途中の時間を所定時間としてセットされる。
そして、本稼働運転では、安定待ち時間タイマーが上記の起点から所定時間だけ経過した時点のフィルタ応答信号をもって重量測定値とする。
図7(a)には、被計量物の計量部への負荷に応じて荷重センサから出力される荷重信号のグラフが、同図(b)には、その荷重信号に対するフィルタ応答信号のグラフが、それぞれ示されている。
図7(a)において、計量部に荷重を負荷するタイミングと安定待ち時間タイマーの起点の時間差が毎回の計量動作において常に一定値Tである場合は、特許文献1の技術を適用して、調整運転の時点で図7(b)に示されるフィルタ出力の荷重信号において安定待ち時間Tsの最終時刻における最終値との偏差量weを求め、この偏差量weを所定の補正重量値として記憶させ、本稼働運転時には安定待ち時間の終了時点において取得した重量測定値Wdに予め用意した所定の補正重量値weを加えて正しい最終値を得ることができるようにしている。
最終値に至る過程でのフィルタ応答信号の計量精度は、フィルタ応答信号に含まれる振動振幅の減衰度合いと最終値への接近度合いで決まる。
図8(a)には、最終値付近に応答したフィルタ応答信号の様子を表すグラフが示されている。
図8(a)において、時刻t1qは、安定待ち時間タイマーによって設定された安定待ち時間に到達した時刻であるとする。
所定の計量精度を±E(g)であるとすると、時刻t1qにおける振動振幅Adは±E(g)の範囲に減衰している。しかし、最終値への偏差量we(g)が存在する。
図8(b)には、時刻t1qにおけるフィルタ応答信号の振動振幅によるばらつきと平均値を表すグラフが示されている。
多くの計量動作の実施による時刻t1qにおけるフィルタ応答信号のばらつき量を表す標準偏差をσとし、3σ=Rdとする。ばらつき量は正規分布するものとして、時刻t1qのフィルタ応答信号のばらつきを表す正規分布曲線は図8(b)中記号Dで示される曲線であるとする。
組合せ秤の各計量ホッパの所定の計量精度として±E(g)、3σと規定されていると、フィルタ応答信号のばらつき量の上ではRd<Eであるが、時刻t1qにおける最終値との偏差量の平均値がweであり、
|Rd|+|we|>|E|
となるので誤差が大きく、時刻t1qを安定待ち時間として設定することができない。
そこで、フィルタ応答信号に上記の偏差量の平均値weの値を加えて補正すれば最終値を中心に±Rdのばらつきとなって±Eの範囲内に入るので時刻t1qを安定待ち時間に設定することができる。
つまり、できるだけ計量装置としての計量処理能力を高めるために荷重信号のフィルタ出力が被計量物の真の重量を表す最終値に応答していなくても、所定の許容範囲内に安定する時点をもって安定待ち時間を設定することができる。
しかし、このように安定待ち時間到達時点における被計量物の重量測定値と最終値との間の偏差を補正することによって短い時間で最終値に相当する重量測定値の算出を可能にしても、フィルタの最終値への未応答に起因するばらつき量を縮小して更に計量精度を高めたいとか、重量測定時間をより短縮したいとかという要望がある。
ところで、安定待ち時間(計測時間)が荷重信号のフィルタによる出力応答の最終値への収束を待てるほどに十分長くないために、重量測定値にばらつきが生じる要因として、次のような事項が挙げられる。
<重量選別機の場合>
(1)被計量物が袋入りの場合、内容物の収容状態の違いによって袋底面とコンベヤ搬送面との接触面長さが異なり、袋が物品センサによる検出としては同じタイミングに計量コンベヤへ載り込んでも、実際には荷重センサが出力する荷重信号の立ち上がりタイミングがそれぞれの袋によって異なる。
(2)また、計量コンベヤに荷重がかかり始めてから全重量分が載り込む迄の時間も違うので、荷重信号の立ち上がり形状も異なる。
(3)底面が平面である被計量物であっても、搬送コンベヤから受ける振動によって浮き上がり、被計量物の計量コンベヤ面への接触タイミングが異なることによってやはり荷重信号の立ち上がるタイミングがばらつく。
(4)被計量物が計量コンベヤへ載り込んだときの衝撃荷重の大小によって荷重信号の振動振幅形状が異なり、フィルタの応答信号に影響を与える。
<組合せ秤の場合>
(1)供給ホッパのゲートが開いても、被計量物の落下状態はその都度異なるため、被計量物がブリッジ気味になって落下速度が遅くなったり、反対に速やかに滑って早く落下したりして、荷重信号の立ち上がりタイミングがばらつく。
(2)塊状になって略全量が短時間の間に落下したり、流動的で少し長い時間を掛けて落下したりして、荷重信号の立ち上がり形状が異なる。
(3)供給中における被計量物の流れ方の違いによる衝撃荷重の大小によって、荷重信号に生じる振動信号の振幅が異なる。
組合せ秤では、塊状で複雑な表面を呈する被計量物を扱うことが多く、これらは静止摩擦係数が大きいので供給ホッパのゲート開タイミングに対して毎回一様には排出されない。このため、同じ被計量物が機械的に同じタイミング動作でもって供給されても、荷重信号はフィルタの入力点で様々に異なり、それに伴って出力応答信号も異なる。つまり、本来のランプ信号やステップ信号では表せない種々の要因による外乱信号が加わる。
図7(a)に示されるように、安定待ち時間タイマーの開始点(供給ホッパのゲートが開くタイミングまたは物品が被計量物を検出するタイミング)と、被計量物が計量ホッパへ到達するタイミング(荷重信号の立ち上がり点p)との時間差がT´であったりT"であったりする。なお、図7(a)では、安定待ち時間タイマーの開始点s,s´,s",がばらついたように描かれているが、実際は荷重信号の立ち上がり点pが安定待ち時間タイマーの開始点に対してばらつく。
被計量物の計量ホッパへの到達時間が早い場合と遅い場合または同じ供給量であっても早い時間に多くの量が到達する場合と到達しない場合とでは安定待ち時間t1qにおけるフィルタ応答信号の最終値への接近度が異なる。したがって、フィルタ応答信号から取得される重量測定値を最終値に補正するために必要とされる補正重量は、図7(b)に示されるように、応答待ち時間次第でweより大きいwe´を必要としたり、weより小さいwe"を必要としたりする。すなわち一定の補正重量値としたのではより正しく最終値へ補正することができない。
また、時刻t1qにおける重量測定値と最終値との偏差量は、被計量物が計量ホッパへ到達するタイミングのばらつき以外にも影響を受ける。
フィルタ応答信号の最終値は静的重量測定値、すなわち被計量物の実際の重量値(実重量)を表すものであるが、正しく最終値が得られないということは正しく被計量物の実重量が得られないということを意味する。
図7(c)には、計量ホッパへの被計量物の供給流量が同図(a)のものと比べてやや緩やかなときの荷重信号のグラフが示されている。なお、図7(a)および(c)に示される荷重信号においては、供給ホッパのゲート開のタイミングから同じ時間差で計量ホッパの荷重信号が立ち上げられている。
また、図7(d)には、同図(c)の荷重信号に対するフィルタ応答信号のグラフが示されている。
計量ホッパへの被計量物の供給流量がやや緩やかなものになると(図7(a)(c)参照)、それに伴ってフィルタ応答信号も緩やかなものとなる(図7(b)(d)参照)。このため、安定待ち時間Tsの最終時刻で取得した重量測定値はweより大きい補正値を用いなければ正しく最終値に補正することができない。
要するに、上記の組合せ秤に例示されるような従来の計量装置では、フィルタとして、できるだけ応答が速く、かつ振動振幅をより小さく収束させることのできる特性をもつものが適用されるが、フィルタの特性に応じた応答遅れが伴うため、被計量物の計量部(計量ホッパ)への供給状態の違いによってフィルタ応答信号の最終値に対する偏差の大きさに違いが生じた場合に、かかる偏差の大きさに応じた補正値を適用することができないため、精確な重量測定値を求めることができないという問題点がある。
なお、上記の問題を回避するため、安定待ち時間を長く取って、フィルタ応答信号の最終値に対する偏差自体を小さくするということも考えられるが、これでは組合せ秤としての計量処理能力を高めることができない。
計量処理能力を高めるために安定待ち時間タイマーには長い時間は設定できないので、重量測定値の誤差として無視できるほど十分に最終値に収束していない、あるいはばらつきが大きい時点を重量測定値の取得タイミングとせざるを得ない。
言い換えれば、計量処理能力の大きい計量装置では、フィルタは上記のごとき荷重信号の状態の違いによる重量測定値のばらつきが十分小さく減衰する処理を短い時間に処理することはできない。
加えて、重量選別機も組合せ秤も運転時は規定通りの計量処理時間を維持する必要があるので、被計量物の供給状態に応じて安定タイマー時間を長く変更することはできない。
重量選別機であれば物品が物品センサに検出されてから計量コンベヤを出る直前迄の間の時間を安定タイマーとしており、これ以上に長く変更することはできない。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、フィルタの未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差に応じた補正値を適用することができ、これによって精確な重量測定値を求めることができる計量装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による計量装置は、
被計量物の計量部への負荷に応じて荷重センサから出力される荷重信号を平滑するフィルタを備える計量装置において、
前記荷重信号から重量測定値を取得する重量測定値取得タイミングにおける前記フィルタの未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差を推定する推定誤差算出手段と、
前記推定誤差算出手段によって推定された誤差に基づいて前記重量測定値取得タイミングにて取得した重量測定値を補正する重量測定値補正手段とを備え、
前記推定誤差算出手段は、前記フィルタの入力点および/または出力点から取得した記フィルタの入力信号および/または出力信号に基づいて算出された前記荷重信号の応答特性に関わるパラメータと、前記荷重信号の応答特性の収束する最終値とに基づいて推定誤差算出用の関数を決定し、決定した前記関数に基づいて前記誤差を推定する
ことを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記パラメータは、前記荷重信号の時間変化率であるものとすることができる(第2発明)。
本発明において、前記パラメータは、前記荷重信号の立ち上がり付近のタイミングを起点として前記重量測定値取得タイミングまでの時間長さであるものとすることができる(第3発明)。
本発明において、前記パラメータは、前記荷重信号の振動振幅であるものとすることができる(第4発明)。
本発明において、前記パラメータとして互いに異なる複数種類のものが設定され、個々のパラメータに対して所定の重みが付されるのが好ましい(第5発明)。
本発明の計量装置によれば、荷重信号から重量測定値を取得する重量測定値取得タイミングにおけるフィルタの未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差が荷重信号の応答特性に関わるパラメータに基づいて推定され、この推定された誤差に基づいて重量測定値取得タイミングにて取得した重量測定値が補正されるので、フィルタの未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差に応じた補正値を適用することができ、これによって精確な重量測定値を求めることができる。
本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略システム構成図 荷重信号処理系の概略構成を表すブロック図 最終値近傍の荷重信号の様子を表す図(a)およびその荷重信号に対するフィルタ応答信号の様子を表す図(b) フィルタ応答待ち時間の設定の説明図 誤差要因パラメータの設定の説明図で、フィルタの入力点での荷重信号を表すグラフ(a)(c)およびフィルタの出力点での荷重信号を表すグラフ(b)(d) 実際の供給重量と荷重信号の振動振幅との変化状態を表す図 従来技術の説明図で、フィルタの入力点での荷重信号を表すグラフ(a)(c)およびフィルタの出力点での荷重信号を表すグラフ(b)(d) 従来技術の説明図で、最終値付近に応答したフィルタ応答信号の様子を表すグラフ(a)およびフィルタ応答信号の振動振幅によるばらつきと平均値を表すグラフ(b)
次に、本発明による計量装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、計量装置として自動式の組合せ秤に本発明が適用された例であるが、これに限定されるものではなく、その他の種類の計量装置に本発明を適用することも勿論可能である。
<組合せ秤の概略構成の説明>
図1に示される組合せ秤1は、物品供給装置2と、分散フィーダ3と、直進フィーダ4と、供給ホッパ5と、計量ホッパ6(本発明の「計量部」に相当する。)と、メモリホッパ7と、制御装置8と、表示装置9と、操作装置10とを備えている。
なお、図1においては、直進フィーダ4、供給ホッパ5、計量ホッパ6およびメモリホッパ7は、それぞれ1個ずつのみ表わしている。
<物品供給装置、分散フィーダ、直進フィーダの説明>
物品供給装置2は、装置内に蓄積された被計量物を分散フィーダ3に投下・供給する。
分散フィーダ3は、周囲が円形で傘状の被計量物受け部11を有し、この被計量物受け部11上に投下・供給された物品供給装置2からの被計量物を振動動作によって全周に亘って放射状に分散し、被計量物受け部11の周囲に配置されたk個の直進フィーダ4上に送出・供給する。
直進フィーダ4は、分散フィーダ3から送出・供給される被計量物を振動動作によってその先端側に配置される供給ホッパ5に向けて送出・供給する。なお、組合せ演算の目標重量がWt(g)、目標組合せ個数をM個とすると、一般に各供給ホッパ5にはWt/M(g)ずつ供給されるように調整されるが、直進フィーダ4の振動による供給量の調整では、各供給ホッパ5へ丁度Wt/M(g)ずつ供給することは困難であって、その重量値はばらついている。
<供給ホッパ、計量ホッパ、メモリホッパの説明>
供給ホッパ5は、直進フィーダ4から送出・供給される被計量物を一旦ホッパ内に貯留し、このホッパ内の被計量物を下方に配置される計量ホッパ6へと投下・供給する。
計量ホッパ6は、供給ホッパ5から投下・供給される被計量物を一旦ホッパ内に貯留し、このホッパ内の被計量物の重量を荷重センサ12で検出し、その後、そのホッパ内の被計量物を下方に配置されるメモリホッパ7へと投下・供給する。
メモリホッパ7は、計量ホッパ6から投下・供給される被計量物を一旦ホッパ内に貯留し、必要に応じてそのホッパ内の被計量物を下方に配置される集合シュート13を介して集合ファネル14へと投下する。
<増幅器、A/D変換器、フィルタの説明>
荷重センサ12と制御装置8との間には、増幅器15およびA/D変換器16がそれぞれ設けられている。
増幅器15は、荷重センサ12からのアナログ荷重信号をデジタル化するのに十分な大きさの信号にまで増幅する。
A/D変換器16は、増幅器15にて増幅された荷重センサ12からのアナログ荷重信号をデジタル荷重信号に変換する。
<制御装置の説明>
制御装置8は、物品供給装置2、直進フィーダ4、供給ホッパ5、計量ホッパ6およびメモリホッパ7のそれぞれの動作を制御する。
制御装置8は、マイクロコンピュータを主体に構成され、フィルタ17と、動的重量測定値取得手段18と、静的重量測定値取得手段19と、記憶手段20と、ばらつき量演算手段21と、動的重量測定値取得時刻決定手段22と、安定待ち時間タイマー23と、応答待ち時間タイマー24と、荷重信号評価手段25と、推定誤差算出手段26と、重量測定値補正手段27とを備えている。
これら構成要素17〜27はいずれも、制御装置8において所定プログラムが実行されることによりその機能が実現される。
<フィルタの説明>
フィルタ17は、A/D変換器16からのデジタル荷重信号に含まれる振動ノイズ成分を減衰し、重量測定値を取得するのに適するフィルタ応答信号に平滑する。
<動的重量測定値取得手段の説明>
動的重量測定値取得手段18は、供給ホッパ5から計量ホッパ6へ被計量物が供給される時刻より後における複数の異なる動的重量測定値取得時刻のそれぞれの時刻においてフィルタ17からのフィルタ応答信号より動的重量測定値を取得する機能を有している。
<静的重量測定値取得手段の説明>
静的重量測定値取得手段19は、複数の異なる動的重量測定値取得時刻より後の静的重量測定値取得時刻においてフィルタ17からのフィルタ応答信号より静的重量測定値を取得する機能を有している。
<記憶手段の説明>
記憶手段20は、制御装置8で実行される所定プログラムや各種データ等を記憶する機能を有している。例えば、記憶手段20は、本稼働運転前の調整運転時において複数回計量を実施した際における動的重量測定値取得手段18が取得した動的重量測定値や、静的重量測定値取得手段19が取得した静的重量測定値などを記憶する。
<ばらつき量演算手段の説明>
ばらつき量演算手段21は、記憶手段20に記憶されている動的重量測定値と静的重量測定値とに基づいて、複数の異なる動的重量測定値取得時刻のそれぞれの時刻に対応する動的重量測定値のばらつき量を演算する機能を有している。
<動的重量測定値取得時刻決定手段の説明>
動的重量測定値取得時刻決定手段22は、ばらつき量演算手段21によって算出された動的重量測定値のばらつき量が所定の許容値以下となる動的重量測定値取得時刻を本稼働運転時の動的重量測定値取得時刻として決定する機能を有している。
<安定待ち時間タイマーの説明>
安定待ち時間タイマー23は、供給ホッパ5のゲートが開き始める時点を時間カウントの起点とし、供給ホッパ5内の被計量物が計量ホッパ6へと投下・供給されたときに荷重センサ12からの荷重信号に生じる過渡応答振動信号が精確な重量測定値を得るに十分なだけ収束するまでの時間を安定待ち時間として、時間間隔Δt毎に時間をカウントする。このように設定した安定待ち時間タイマー23は調整運転時および本稼働運転時のいずれの運転時においても動作させる。
<応答待ち時間タイマーの説明>
応答待ち時間タイマー24は、フィルタ17からのフィルタ応答信号の立ち上がり付近のタイミングを時間測定の起点とし、重量測定値取得タイミング(後述する時刻t1q)までの時間をフィルタ応答待ち時間として、時間間隔Δt毎に時間をカウントする。
<荷重信号評価手段の説明>
荷重信号評価手段25は、フィルタ17の入力点あるいは出力点における荷重信号の状態を評価する機能を有している。
<推定誤差算出手段の説明>
推定誤差算出手段26は、荷重信号から重量測定値を取得する重量測定値取得タイミングにおけるフィルタ17の未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差を荷重信号の応答特性に関わるパラメータに基づいて推定する機能を有している。
<重量測定値補正手段の説明>
重量測定値補正手段27は、推定誤差算出手段によって推定された誤差に基づいて重量測定値取得タイミングにて取得した重量測定値を補正する機能を有している。
<表示装置の説明>
表示装置9は、ばらつき量演算手段21によって算出された動的重量測定値のばらつき量が所定の許容値以下となる動的重量測定値取得時刻を含む計量精度関連情報等を表示する。
<操作装置の説明>
操作装置10は、表示装置9に表示された内容等に基づいて各種の選択設定等の操作を行う機能を有する。
<本稼働運転時における被計量物の供給動作説明>
本稼働運転時においては、計量ホッパ6が空の場合に、Wt/M(g)に近い被計量物が供給ホッパ5から計量ホッパ6へと投下・供給される。しかし、計量ホッパ6に供給される被計量物の重量はWt/Mを中心にばらつく。
各計量ホッパ6に装着された荷重センサ12から出力される荷重信号は、増幅器15およびA/D変換器16を介してフィルタ17に導入され、フィルタ17にて振動ノイズ成分が減衰されて重量測定値を取得するのに適するフィルタ応答信号に平滑化される。
被計量物は、フィルタ17から出力されたフィルタ応答信号から精確な重量測定値が得られるまで滞在するようにされるが、重量測定値が得られると、計量ホッパ6のゲートが開いてメモリホッパ7へと投下・供給される。
なお、被計量物の計量ホッパ6への供給タイミングが多少ばらつくことによって振動信号の位相が前後にばらついたり、衝撃荷重の大小によって振幅がばらついたりしても、大抵の供給状態では安定待ち時間の完了するタイミングにおいて振動信号が収束し、所定の計量精度の動的重量測定値が得られるように安定待ち時間が設定されていて、このような動的重量測定値用の安定待ち時間によって被計量物の動的重量測定値が得られる。
<本稼働運転時における計量・排出動作説明>
計量ホッパ6内にあって動的重量測定値の取得・記憶済みの被計量物と、メモリホッパ7内にあって動的重量測定値の記憶済みの被計量物との間で組合せ演算を実行し、組合せ合計値が一定の許容範囲内で目標値に最も近くなる組合せを選択する。組合せ選択された計量ホッパ6またはメモリホッパ7内の被計量物は集合シュート13を介して集合ファネル14へと投下され、商品として集められて外部へ排出される。
組合せ選択演算によって被計量物が排出された計量ホッパ6には供給ホッパ5から新たな被計量物が供給され、被計量物が排出されたメモリホッパ7には計量ホッパ6から被計量物が供給される。また、供給ホッパ5には直進フィーダ4から被計量物が供給されることで連続的に計量・組合せ選択演算が行われる。
本稼働運転時においては、供給ホッパ5のゲートが開き始める時点を安定待ち時間タイマーの時間カウントの起点とし、供給ホッパ5内の被計量物が計量ホッパ6へ投下・供給されたときに重量信号に生じる過渡応答振動信号が精確な重量測定値を得るに十分なだけ収束するまでの時間を安定待ち時間として、時間間隔Δt毎に時間をカウントさせる。このように設定した安定待ち時間タイマーは調整運転時でも本稼働運転時でも動作させる。
次に、重量測定値の補正のための調整運転の実施方法について述べる。
<調整運転時における直進フィーダの動作説明>
ある種類、ある重量の被計量物についての安定待ち時間を設定するに際して、本稼働運転時の条件に合わせて組合せ商品の仕様が目標重量Wtであって目標組合せ個数がMである場合に、直進フィーダ4から供給ホッパ5へ一回当たりに送出供給される被計量物の重量が約Wt/M(g)ずつになるように直進フィーダ4の送出パラメータを調整する。つまり、調整運転時における直進フィーダ4からの被計量物の供給重量を本稼働運転時のそれに合わせる。
計量ホッパ6での重量信号の過渡応答の状態は被計量物の供給重量の大きさや性状によって異なるので、本稼働運転時に適用される供給重量値を調整運転時で使用することが適切である。
<調整運転時における動的重量測定値の取得・記憶動作の説明>
供給ホッパ5から計量ホッパ6へ被計量物が供給される時刻より後であって、仕様上の所定の組合せ処理の能力と所定の計量精度を満足するに必要と思われる概略想定時刻の前後に十分余裕のある時刻t10とt1nとを定め、t10〜t1nを時間間隔Δt毎に分割した時刻t10,t11,t12,・・・,t1nを複数の異なる動的重量測定値取得時刻とする。
動的重量測定値取得手段18は、複数の異なる動的重量測定値取得時刻t10,t11,t12,・・・t1nのそれぞれの時刻においてフィルタ17のフィルタ応答信号から動的重量測定値を取得する。そして、記憶手段20は、動的重量測定値取得手段18が取得した動的重量測定値を記憶する。
<調整運転時における静的重量測定値の取得・記憶動作の説明>
複数の異なる動的重量測定値取得時刻t10,t11,t12,・・・t1nより後であって、被計量物の計量ホッパ6への供給タイミングにばらつきがあっても、また被計量物の供給状態によって衝撃荷重が大きい場合でも、重量信号が十分安定した状態に至り、信頼性のある重量測定値が得られると予想される時刻t1sを静的重量測定値取得時刻とする。
静的重量測定値取得手段19は、静的重量測定値取得時刻t1sにおいてフィルタ17のフィルタ応答信号から静的重量測定値を取得する。そして、記憶手段20は、静的重量測定値取得手段19が取得した静的重量測定値を記憶する。
なお、静的重量測定値の信頼性をより高めるために、静的重量測定値取得時刻t1s以降にも複数の静的重量測定値取得時刻を設定し、これら静的重量測定値取得時刻で得られた複数の静的重量測定値の平均値をもって静的重量測定値としてもよい。
<調整運転時における計量ホッパの計量・排出動作の説明>
本稼働運転時には、安定待ち時間が完了すると、重量測定値が取得されさえすれば被計量物は直ちに計量ホッパ6からメモリホッパ7へと排出されるか、または計量ホッパ6に滞在して組合せ選択演算に参加し、組合せ選択されると、集合シュート13の方へと排出されるが、調整運転時では、計量ホッパ6内の被計量物が少なくとも安定待ち時間の最終時刻より後の静的重量測定値取得時刻t1sまでは計量ホッパ6内に滞在させ、静的重量測定値取得時刻t1sを経過し静的重量測定値を取得すると、計量ホッパ6から被計量物を集合シュート13へと排出する。つまり、調整運転時では、メモリホッパ7を使用せず、メモリホッパ7のゲートは開の状態を保つ。
<調整運転時における計量ホッパの全排出・部分排出動作の説明>
もし集合ファネル14から滞りなく排出可能な被計量物の量が計量ホッパ6の数にしてa個であれば、k個中a個ずつ順番に被計量物を集合シュート13へ同時排出させる。被計量物をk個の計量ホッパ6から同時に排出しても、集合ファネル14の出口で詰まらせることなく排出することができるのであれば、同時に全ての被計量物を集合シュート13へ排出させる。そうすれば調整運転時の時間サイクルをより短くすることができる。
部分排出の場合は、静的重量測定値取得時刻t1s後に、第1回目は1〜a(<k)まで、第2回目はa+1〜2a番目まで被計量物を排出させる。2a>kであれば、一巡して1番目の計量ホッパへ戻る。
<計量回数1回目とそれ以降の重量測定・記憶動作の説明>
計量回数1回目については全ての計量ホッパ6の荷重信号に対して並列に上記の重量測定・記憶動作が行われるが、計量回数1回目以降は被計量物が排出された計量ホッパ6に対してのみ供給ホッパ5のゲートが開かれて被計量物が供給され、この被計量物が供給された計量ホッパ6の荷重信号に対して重量測定・記憶動作が行われる。なお、こうして空になった供給ホッパ5には直進フィーダ4から被計量物が供給される。
<調整運転の終了条件の説明>
以上の調整時としての運転動作を連続的に行わせ、少なくとも全計量ホッパ6の計量回数がm回に到達した時点で安定待ち時間設定のための調整運転を終了する。
<動的重量測定値と静的重量測定値のデーブルデータの説明>
表1には、計量ホッパ番号1〜k番までの計量ホッパ6の計量回数1〜mまでの動的重量測定値および静的重量測定値を記憶手段20に記憶させたテーブルデータが示されている。
動的重量測定値は同じ計量回数において各計量ホッパ6間で、また異なる計量回数で同じ計量ホッパ6間でそれぞればらついている。また、実際に各計量ホッパ6に供給される被計量物の重量も供給される度にばらついている。
Figure 0005627261
<重量測定値のデーブルデータの説明>
表1において、例えば計量ホッパ番号1番の計量ホッパ6について、時刻t10のタイミングで計量回数1回目の重量信号の動的重量測定値はw1011と表し、静的重量測定値をw1s11と表している。また、計量ホッパ番号k番の計量ホッパ6の時刻t1nにおける計量回数m番目の動的重量測定値はw1nmkと表し、静的重量測定値はw1smkと表している。
<動的重量測定値のばらつき量を求める方法の説明>
例えば、動的重量測定値取得時刻t1nにおける動的重量測定値、つまり表1におけるw1n11,w1n21,・・・,w1nmkの標準偏差σ1n´を求める。このσ1n´は被計量物のサンプル物品自身の重量のばらつき量と測定によるばらつき量とを含んでいる。
一方、静的重量測定値w1s11,w1s21,・・・,w1smkの標準偏差σ1s´を求める。この標準偏差σ1s´は被計量物のサンプル物品自身の重量のばらつき量を表した値である。これに対して、w1n11,w1n21,・・・,w1nmkの標準偏差σ1n´は、サンプル物品自身のばらつきと振動信号等による測定上のばらつきとが合成された値であり、両方のばらつき要因には相関がないので、振動信号等による動的重量測定値のばらつき量としての標準偏差σ1nは、ばらつき量演算手段21によって下記式(1)により求めることができる。この演算法を複数の動的重量測定値取得時刻t10〜t1nのそれぞれの時刻において適用する。

σ1n=(σ1n´−σ1s´1/2 ・・・(1)
<最適な安定待ち時間を定める方法の説明>
予め重量測定における真の値に対する許容誤差の条件をuシグマの条件にて±E(g)以下であることと規定されているとすれば、動的重量測定値取得時刻t10〜t1nの場合の重量測定値誤差の標準偏差σ10〜σ1n(g)の値に対して動的重量測定値取得時刻t10の時刻から順にチェックし、初めて下記式(2)を満足するσ1qに対応する動的重量測定値取得時刻t1qを発見する。なお、通常uの値としては、2〜4の値が選ばれる。

σ1q≦(E/u) ・・・(2)

動的重量測定値取得時刻決定手段22は、この動的重量測定値取得時刻t1qをもって所定の統計的な計量精度を満足する最短の安定待ち時間を定める。つまり、動的重量測定値取得時刻決定手段22は、静的重量測定値に対する動的重量測定値の誤差の大きさが所定の許容値以下となる動的重量測定値取得時刻t1qを本稼働運転時の動的重量測定値取得時刻として決定する。
こうして、統計的な所定の計量精度に基づく動的重量測定取得用の安定待ち時間、すなわち供給ホッパ5から計量ホッパ6へ被計量物が供給される時刻を起点として本稼働運転時の動的重量測定値取得時刻t1qまでの安定待ち時間を精確に決定することができる。
本稼働運転時、供給ホッパ5から計量ホッパ6へ被計量物が供給される時刻を起点として安定待ち時間タイマー23が時間間隔Δt毎に時間をカウントし、動的重量測定値取得時刻t1qのフィルタ応答信号をもって動的重量測定値とする。
<補正量の決定方法の説明>
図3には、最終値近傍の荷重信号の様子を表すグラフ(a)およびその荷重信号に対するフィルタ応答信号の様子を表すグラフ(b)がそれぞれ示されている。
<補正量の決定方法の説明>
図3(b)に示されるように、重量測定値取得タイミングにおけるフィルタ17の未応答量の大きさ(重量測定値取得タイミングにおける重量測定値と最終値との偏差量)は、フィルタ17の応答波形の傾斜の大きさに強く関係する。
すなわち、フィルタ17の未応答量が大きいほどフィルタ応答信号の傾斜が大きい。そして、フィルタ17の応答が最終値に近づくにつれてフィルタ応答信号の傾斜(時間変化率)も次第に小さくなる。
<補正量の決定方法の説明>
時刻t1qにて安定待ち時間相当の時刻が決定すると、各計量ホッパ6の各計量回数について、時刻t1qを含めその時刻t1qの以前の合計(r+1)個の時刻の重量測定値でもってフィルタ応答信号の時間変化率(傾斜量)Kiを求める。
<補正量の決定方法の説明>
例えば、計量ホッパ番号1番の計量ホッパ6の第1回目の計量時におけるフィルタ応答信号において、時刻t1qを時刻t1〈q〉に置き換えるとすると、時刻t1〈q−r〉〜t1〈q〉におけるフィルタ応答信号の応答曲線を直線にて近似するとして最小二乗法などの方法によって、例えば一次関数y=Ki・t+bの形に近似して、t=t1〈q〉におけるdy/dtの値を持って傾斜量Ki=K11を求める。但し、フィルタ17の未応答量の大きさは供給された荷重信号自体の大きさに強く相関するので、時刻t1sにおける重量測定値Wxsが目標供給重量Wt/Mに近い値(境界値wrを予め設定しWt/M−wr<Wxs<Wt/M+wr)を満足する組のデータを選択するものとする。
なお、上記の一次関数y=Ki・t+bに代えて、曲線にて近似するとして例えば二次関数で表すのであればy=a1・t+a2・t+cの形に近似して、t=t1〈q〉におけるdy/dtの値を持って傾斜量Ki=K11を求める。
ここで、傾斜量Kiを求める方法として、フィルタ17へ入力される前の荷重信号もサンプリングしてΔt毎に記憶させておき、直接荷重信号における傾斜量Kiを求めるようにしてもよい。これは、荷重信号には計量器(計量ホッパ6)への荷重負荷の掛かり方そのものが現れるからである。
<補正量の決定方法の説明>
上記のようにして、表2に示されるように、各計量ホッパ6の各計量回数毎に、重量測定値取得タイミングにおける重量測定値と最終値との偏差量eiと、傾斜量Kiとを(e11,K11),(e21,K21),・・・,(emk,Kmk)として求める。
Figure 0005627261
<補正量の決定方法の説明>
計量ホッパ6毎に、また計量回数毎に、供給ホッパ5のゲートの開くタイミング、すなわち、安定待ち時間タイマー23の起点に対して被計量物が計量ホッパ6へ供給されるタイミングは異なるので、(e11,K11),(e21,K21),・・・,(emk,Kmk)は様々に異なる。
<補正量の決定方法の説明>
荷重信号評価手段25は、フィルタ応答信号の傾斜量、すなわちフィルタ応答信号の時間変化率の大きさに基づいてフィルタ17の応答を評価する。
より具体的に説明すると、荷重信号評価手段25は、上記のデータ、(e11,K11),(e21,K21),・・・,(emk,Kmk)から最小二乗法などの方法によって、下記式(3)に示されるように、偏差量eiを傾斜量Kiの関数として表す。

ei=f(Ki) ・・・(3)

推定誤差算出手段26は、上記式(3)に基づいて、重量測定値取得タイミング(時刻t1q)におけるフィルタ17の未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差(最終値との間の偏差量ei)を算出する。この算出された誤差(偏差量ei)が毎回の供給計量時の安定待ち時間相当の時刻t1qにおける推定誤差量であり、最終値への補正量となる。
<本稼働運転時における補正の実施の説明>
本稼働運転時には、供給ホッパ5のゲートの開のタイミングにて安定待ち時間タイマー23のカウントを開始させる。安定待ち時間のカウントが時刻t1〈q−r〉に至ると重量測定値の取得を開始し、安定待ち時間の時刻t1〈q〉まで重量測定値を取得する。
推定誤差算出手段26は、これら複数個の重量測定値から前述の方法で求められた傾斜量Kiを上記式(3)に代入して推定誤差量(偏差量ei)を算出する。
そして、重量測定値補正手段27は、推定誤差算出手段26が算出した推定誤差量(偏差量ei)を安定待ち時間の最終時刻t1〈q〉に取得された重量測定値に加えて最終値に相当する重量測定値を得る。
こうして、フィルタ応答信号の最終値に対する偏差の大きさに応じた補正値(偏差量ei)を適用することができるので、精確な重量測定値を求めることができる。
以上、本発明の計量装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
例えば、上記実施形態で述べた補正法に代えて、以下に述べる簡易補正法を適用することも可能である。
<簡易補正法の説明>
図7に示される荷重信号の応答に関して、被計量物の流動性が良く、計量ホッパ6へ同じタイミングで供給されるような性質のものであれば、供給開始時点の荷重信号の立ち上がりタイミングは被計量物同士および被計量物と供給ホッパ5の壁との間の静止摩擦などの関係でばらつきがあっても、一旦供給が始まると供給ホッパ5の排出口から排出される被計量物の流量は毎回安定しており、フィルタ応答信号(フィルタ17の出力点における荷重信号)の立ち上がりの状況には殆ど違いがない。
<簡易補正法の説明>
このため、図4に示されるように、フィルタ応答信号の立ち上がり開始タイミングの検出手段として一定値(境界値)Wrを設定して、フィルタ応答信号がWr以上になった時刻t1aを検出するようにし、この時刻t1aを起点として安定待ち時間相当の時刻t1qまでをフィルタ応答待ち時間Triとしてカウントし、このフィルタ応答待ち時間Triを、フィルタ17の未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差(偏差量ei:フィルタ未応答量の大きさ)を算出するパラメータに置く。ここで、フィルタ応答信号の立ち上がりを検出し、重量測定値取得タイミング(時刻t1q)まで時間をカウントするフィルタ応答待ち時間測定手段として、応答待ち時間タイマー24を用いることができる。
なお、ここでは、フィルタ応答信号について境界値Wr以上になったかどうかを検出するようにされているが、これに代えて、フィルタ17に入力する前の荷重信号について境界値Wr以上になったかどうかを検出するようにしてもよい。要するに、荷重信号の立ち上がり変化に基づいて、荷重信号の立ち上がり開始タイミングを検出する。
<簡易補正法の説明>
フィルタ応答待ち時間Triの長さは、時刻t1qにおけるフィルタ応答信号と最終値との偏差の大きさ、すなわちフィルタ未応答量に強く相関する。
表1のテーブルデータを取得する際に、フィルタ応答信号が初めてWr以上になった時刻(応答開始時刻)t1yiを読み取って記憶させ、フィルタ応答待ち時間Triを、下記式(4)を用いて求める。

Tri=t1q−t1yi ・・・(4)

但し、先の実施形態の説明で述べたように、フィルタ17の未応答量の大きさは供給された荷重信号自体の大きさに強く相関するので、時刻t1sにおける重量測定値Wxsが目標供給重量Wt/Mに近い値(境界値wrを予め設定しWt/M−wr<Wxs<Wt/M+wr)を満足する組のデータを選択するものとする。
<簡易補正法の説明>
偏差量eiは、例えば計量ホッパ番号1番の計量ホッパ6の第1回目の計量時におけるデータであるなら下記式(5)で表すことができる。

e11=w1s11−w1q11 ・・・(5)
<簡易補正法の説明>
表3には、各計量ホッパ6の各計量回数毎のフィルタ応答待ち時間Triと偏差量eiとを含むテーブルデータが示されている。
Figure 0005627261
<簡易補正法の説明>
多くのデータ(Tr11,e11)(Tr21,e21),・・・,(Trmk、emk)を用いて最小二乗法などの手段によって偏差量eiをフィルタ応答待ち時間Triの関数として、下記式(6)の形で表す。

ei=f(Tri) ・・・(6)
<簡易補正法の説明>
調整運転によって上記式(6)で示される関数を求めておき、稼働運転では毎回の供給計量に対してフィルタ応答待ち時間Triをカウントし、安定待ち時間タイマーが安定待ち時刻t1qに到達した時のTriの値から上記式(6)より偏差量eiを算出してこの値を持って補正量とする。
<簡易補正法の変形例の説明>
上記の簡易補正法では、フィルタ応答待ち時間の起点を閾値(境界値)Wrを用いて定める事例を述べた。しかし、応答待ち時間タイマー24の起点である被計量物の負荷によるフィルタ応答の開始時点の検出は別の方法であってもよい。
例えばフィルタ応答信号である重量信号の時間変化率が一定値以上を満足した時点、閾値(境界値)Wr以上であって第1回目の極大値を示すタイミングなどを用いても良い。
以上のようにフィルタ応答待ち時間をパラメータとしてフィルタの未応答量の大きさを推定・算出する態様もある。
<補正用偏差量の重量測定値による修正の説明>
前述したように、フィルタ未応答量はフィルタ17への入力信号の大きさに依存する。
上記のei=f(Ki),ei=f(Tri)によって求められる偏差量はいずれも供給重量値がWt/M(=Waとおく)近傍の大きさの重量信号がフィルタに入力した場合のフィルタ出力における偏差量である。
本稼働運転時に取得する補正対象とされる重量測定値の大きさをWx(時刻t1〈q〉における重量測定値)とすると、下記式(7)(8)で示される如く、補正対象とする重量測定値の大きさに応じて補正量を修正することができる。

ei=(Wx/Wa)・f(Ki) ・・・(7)
ei=(Wx/Wa)・f(Tri) ・・・(8)
さらに、以下に述べる重回帰分析による補正法を適用することも可能である。
<重回帰分析による補正法の概要説明>
重回帰分析による補正法は、予め荷重信号の状態に応じて重量測定値の真の値に対する誤差(重回帰分析でいう目的変数)に大きく影響する1つまたは複数の要因(説明変数)に着目し、それぞれの要因の大小を表す重み係数(回帰係数)を設け、計量誤差を統計的な誤差として表すことで縮小するか、あるいはばらつき誤差は従来と同じでも安定待ち時間を短縮して計量処理能力を高めることを目的とする。
予め誤差の推定式を設定し、調整運転時に多くの重量測定データを取得し、これらの重量測定データに基づいて、1つまたは複数の要因別パラメータと、パラメータによって推定される誤差と実際に現れる誤差との差が最小になるように誤差推移式における要因別の重み係数を定める。
本稼働運転時には毎回の荷重信号を測定する度に荷重信号を評価するパラメータを測定し、測定したパラメータでもって推定誤差式によってその都度の誤差を精確に推定し、重量測定値を推定した精確な誤差でもって補正して真の重量測定値を求める。
以下において、重回帰分析による補正法について順を追って詳細に説明する。
<誤差要因パラメータの設定の説明>
組合せ秤1において、被計量物が供給ホッパ5から計量ホッパ6へ供給される場合の荷重信号を事例に挙げる。
フィルタ17の出力点における荷重信号(フィルタ応答信号)によって予め定めた許容値内にばらつき量が収まる最短の重量測定値取得タイミング、つまり安定待ち時間は本実施形態で述べた方法や特許文献3に係る提案の方法に基づいて決定されるものとする。
調整運転時点で組合せ秤1の各計量ホッパ6に対して、予め定めた組合せ目標重量値Wt、組合せ個数Mから決まる所定の供給重量値Wt/Mを供給して次に掲げるパラメータを検出・測定する。
下記のパラメータは被計量物の種類や供給量、重量によって供給状態や荷重信号の波形が異なるので、被計量物の種類や供給量に応じて評価する。推定式は被計量物の種類や供給量、重量別に設定されることが好ましい。
図5には、フィルタの入力点の荷重信号を表すグラフ(a)(c)およびフィルタの出力点の荷重信号を表すグラフ(b)(d)がそれぞれ示されている。
図5(a)において、(1)´のグラフは同じ被計量物の塊が計量ホッパへ早く到達した場合の状態を表すもので、(2)´のグラフは被計量物がブリッジを起こしたり、被計量物同士や被計量物とゲートとの間の摩擦抵抗が大きいために計量ホッパに遅く到達した場合の状態を表すものである。
図5(b)において、(1),(2)のグラフはそれぞれ(1)´,(2)´に対応するフィルタ出力点の荷重信号の状態を表すものである。
図5(c)における荷重信号(3)´のグラフは、図5(a)の(1)´の荷重信号の際と最終的には被計量物が同じ供給重量であるがブリッジの影響や、被計量物同士あるいはゲートとの間の摩擦抵抗の大きさの違いによって供給時間が長く掛った場合の状態を表すものである。
図5(d)において、(1),(3)のグラフはそれぞれ図5(a)の(1)´、図5(a)の(3)´に対応するフィルタ出力点の荷重信号の状態を表すものである。
<パラメータAiの説明>
パラメータAiは、重量測定値の取得タイミングt1qと荷重信号立ち上がりタイミング(フィルタ入力/出力)との時間差(TdまたはTd´)である。
被計量物が計量ホッパ6へ到達する時点の検出法は、フィルタ17の入力点または出力点の荷重信号のサンプリング重量測定値が初めて境界重量Wr以上となるタイミングとする。
フィルタ17の出力点の荷重信号(フィルタ応答信号)でもって立ち上がり時点を検出する場合は、フィルタ17によって荷重信号が振動ノイズの影響を受けにくいので境界重量Wrをフィルタ17の入力点の場合よりも小さい値に設定しても良い。
荷重信号の応答時間は、荷重信号がフィルタ17の入力点の場合、図5(a)において、(1)´がTd1´、(2)´がTd2´となり、荷重信号がフィルタ17の出力点の場合、同図(b)において、(1)がTd1、(2)がTd2となる。
重量測定値は、フィルタ17の出力点の荷重信号を時刻t1qにてサンプリング測定した重量測定値であり、図5(b)における荷重信号(1)(2)に対してそれぞれw1q1,w1q2となる。
安定待ち時間t1qは、フィルタ17が最終値まで応答できない時点に設定されているので、荷重信号のフィルタ17への入力処理の時間が長いほど重量測定値は最終値に近づき大きくなるので、w1q1,w1q2はそれぞれTd1,Td2またはTd1´,Td2´の大きさに相関を持つ。
被計量物の供給状況に違いがあって、実際に被計量物が計量ホッパ6へ到達するタイミングから重量測定値の取得タイミングまでの間の時間に長短ができるとフィルタ17の出力の過渡応答に差が現れ、重量測定値は大小に影響を受ける。フィルタ17としての応答時間Ai=TdまたはTd´をパラメータとする。
<パラメータBiとCiの説明>
被計量物の計量ホッパ6への供給のされ方による荷重信号の立ち上がり状況は、フィルタ17の出力の過渡応答に差となって現れる。
供給過程の前半(荷重信号の立ち上がり過程:計量ホッパ6への被計量物の荷重が漸増している状態)における時間変化率をパラメータBiとする。
供給過程の後半(荷重信号の最終値へ向けての応答過程:被計量物の計量ホッパへの負荷が終了し、フィルタの応答出力が最終値へ向けて漸増している状態)における時間変化率をパラメータCiとする。
<パラメータBiとCiの説明>
重量測定値取得タイミング(t=t1q)におけるフィルタ17の出力点の荷重信号から取得される重量測定値w1q1とw1q3はフィルタ17の入力点の荷重信号の立ち上がり状態によって異なる。
そこで、フィルタ17の出力点の荷重信号(1),(3)のサンプリング重量値が境界重量値Wr以上になる時点をそれぞれt1u1,t1u3とし、第1極小値w1m1,w1m3が現れる時点をそれぞれt1m1,t1m3とすると、荷重信号(1),(3)の前半の立ち上がり傾向は直線近似であればそれぞれ(t1u1,Wr)と(t1m1,w1m1)および(t1u3,Wr)と(t1m3,w1m3)を結ぶ直線の傾斜量をもってパラメータBiとする。
また、荷重信号(1),(3)の後半における傾斜量はそれぞれ(t1m1,w1m1)と(t1q,w1q1)および(t1m3,w1m3)と(t1q,w1q3)を結ぶ直線の傾斜量をもってパラメータCiとする。
<パラメータBiとCiの説明>
前半の傾斜量については大きいほど被計量物が早く供給されている状態が表され、それだけフィルタの応答は速くなるので最終値に対する偏差誤差は小さく、後半の傾斜量については小さいほど応答値が最終値に接近していることが表され、それだけ偏差誤差が小さいという関係にある。
応答状態を曲線近似するには、例えば荷重信号(1),(3)に対してそれぞれ上記の3点を通る2次曲線f1(t),f3(t)を算出し、前半の傾斜量については、前半はt=t1u1,t=t1u3、後半はt=t1qにおけるdf1(t)/dt,df3(t)/dtの値としてもよい。
なお、荷重信号の供給状態を表すパラメータをフィルタ17の出力点の荷重信号の応答状況から求めたが、フィルタ17の入力点の荷重信号から求めても良い。
また、応答を表す近似直線は2点、近似曲線は3点と、最小のデータによって求めたが、t1qまでの多くにサンプリング時点での荷重信号を使用して最小2乗法によって求めても良い。
また、荷重信号の後半の傾斜量として、本実施形態で述べた方法を適用しても良い。
<パラメータDiの説明>
計量ホッパ6の固有振動周期と安定待ち時間の関係で、被計量物の計量ホッパ6への供給によって生じる固有振動周期の繰り返しの少ない間(すなわち、固有振動周期に比較して荷重信が立ち上がってから重量値取得タイミングまでの期間が余り長くない場合、例えば数サイクル分程度の場合)に重量測定値取得タイミングt1qに到達する条件の場合は、被計量物を供給中の固有振動の振幅は正弦波のように同じ大きさの振幅が繰り返すのでなく、大きい衝撃荷重によって大きく荷重増加の方向に振れた信号が反動によって反対方向へ振れるとき、引き続き供給物の荷重が加わることによって図6に示されるように振幅が小さくなるので、このような振動波形をフィルタ17で処理すれば、初めて衝撃荷重が加わった時点からの時間経過が短い程、実際に供給されている荷重より大きめの出力が現れる。
<パラメータDiの説明>
したがって図5(a)において、連続する極値の差からフィルタ17に取り込まれる衝撃荷重の大きさを評価する場合に、フィルタ17の形式やフィルタ17の定数、次数の大小によって重量値を測定する時点から以前のどの時間領域の衝撃荷重を評価すれば適切であるかが異なるが、例えば荷重信号がWr以上となった以降において現われる第1極大値とそれに続いて現われる第1極小値による振幅と取り上げるとすれば、t1a31における第1極大値w1a31とt1b31における第1極小値w1b31の差(第1振幅)の絶対値をもってパラメータDiとする。
振幅を評価する荷重信号はフィルタ17の入力点、出力点のいずれでも良い。
評価する振幅について第1極小値と第2極大値の差の絶対値を用いても良い。
以上の如く、荷重信号の応答特性に関わるパラメータ、すなわち時間差、時間変化率、振幅について、被計量物が計量ホッパ6に供給されてから重量測定値が取得されるまでのタイミングの間の適宜区間のサンプリング重量測定値でもって求めればよい。
<誤差推定のモデル式と重み係数の決定の説明>
重量測定値取得タイミングt1qにおける重量測定値の真の重量値に対する誤差Eを、

誤差E=所定タイミングt1qの重量測定値−真の重量値

と置くと、誤差Eの推定モデル式は、それぞれの誤差要因に重み係数を掛けた次の1次式から成り立つとする。すなわち誤差Eは、下記式(10)で示されるように、定数項とそれぞれの誤差要因が重みを持って関連する項とでもって構成される。

E=k1・Ai+k2・Bi+k3・Ci+k4・Di+k5 ・・・(10)

安定待ち時間タイマー23の起点としては、供給ホッパ5のゲートを開くタイミングとする。なお、重量選別機であれば、計量コンベヤの入口付近に設けた物品センサが物品を検出したタイミングとする。
<誤差推定のモデル式と重み係数の決定の説明>
安定待ち時間タイマー23は、計量誤差のばらつきが予め設定された許容誤差の範囲に、例えば3シグマに入る時点を定める。この時点をもって重量測定値の取得タイミングとする。
真の値は、安定待ち時間タイマー23の設定時間より長い時間設けた、荷重信号のフィルタ応答が十分安定するタイミングを測定タイミングとする重量測定値であるとする。
定数項k5は過渡応答が最終値へ収束していない場合についての未応答量を表す。
<誤差推定のモデル式と重み係数の決定の説明>
上記式(10)における係数k1〜k5を求めるために、組合せ秤1の各計量ホッパ6毎に、フィルタ17の入力点および出力点のそれぞれの荷重信号に対してサンプリング時刻t1u1´〜t1qまでΔt毎の重量測定値と、フィルタ17の出力点の荷重信号が十分に安定になる時刻t1sにおける重量測定値とを各計量ホッパ6についてk回分だけ素データとして記憶手段20に記憶させる。そして、記憶手段20に記憶されている素データに基づいて誤差Eが最小になるようにk1〜k5を決定する。
<誤差推定のモデル式と重み係数の決定の説明>
フィルタ17の出力点のサンプリング荷重信号において、ばらつきの標準偏差値3シグマが予め定めた許容範囲の値を取るタイミング(時刻t1q)を決定する。決定した時刻t1qのタイミングをもって重量測定値の取得タイミングとする。
時刻t1qにおける重量測定値が真の値(ここではt1sにて測定した最終値である)に対して、

誤差E=重量測定値(t1qの値)−最終値

が最小になるように荷重信号の各種状態により誤差Eを決定し、決定したEでもって

真の重量測定値=重量測定値−E

と精確な重量測定値を補正する。
<誤差推定のモデル式と重み係数の決定の説明>
誤差EaiおよびEbi=重量測定値(t=t1q)−真の値(t=t1s)とおき、テストデータより、評価用のパラメータAi,Bi,Ci,Diを上記の定義にしたがって求める。
Figure 0005627261
<誤差推定のモデル式と重み係数の決定の説明>
誤差推定モデル式(上記式(10))に応じて上記の表1のテストデータを使用して、
d1=E1−(k1・A1+k2・B1+k3・C1+k4・D1+k5)
d2=E2−(k1・A2+k2・B2+k3・C2+k4・D1+k5)
・・・・・・・・・・・・・・
dn=En−(k1・An+k2・Bn+k3・Cn+k4・D1+k5)
と置いた場合に、
Figure 0005627261
を最小にするk1〜k5を決定する。
決定法として、
∂Fa/∂k1=0、・・・・、∂Fa/∂k5=0
の各式による連立方程式によってk1,k2,k3,k5を求めることは言うまでもない。
<誤差推定のモデル式に基づく補正の説明>
誤差推定モデル式(上記式(10))の係数が決定されると、本稼働運転に採用する。
荷重信号評価手段25は各計量ホッパ6において毎回の荷重信号を評価し、推定誤差算出手段26はAi〜Diを求めて決定された誤差推定モデル式(上記式(10))に基づいて誤差Eを推定し、重量測定値補正手段は、推定誤差算出手段26によって推定された誤差Eに基づいて重量測定値取得タイミング(時刻t1q)における重量測定値を補正する。
<誤差推定のモデル式に基づく補正の説明>
なお、パラメータの数は上記の4個より多く設定しても良い。
また、
E1=k1・Ai+k5や
E2=k1・Ai+k2・Bi+k5
E3=k2・B2+k4・D1+k5
・・・・・・・
など、適宜、要因別のパラメータを1個または複数個組み合わせて設けた誤差推定式のいずれかを設定してもよい。
<誤差推定のモデル式に基づく補正の説明>
また、いずれの誤差推移定式が運転時の被計量物の荷重信号にとって適切か(もっとも誤差を小さくできるか)を選択的に決定できるようにするために、調整運転時に、同時に、上記のように複数の異なる誤差推定式を設定してそれぞれの誤差推定式の係数を決めた上で、記憶している重量測定値取得タイミングにおける重量測定値をこれら複数の推定式によって得られた誤差でもって補正した補正済みの重量測定値を求め、更に補正済み重量測定値の標準偏差または補正済み重量測定値と最終値との差の2乗平均値のいずれかでもって誤差推定式の適切性を評価するようにしてもよい。
<誤差推定のモデル式に基づく補正の説明>
または、

最終値の分散=予測値の分散+残差の分散

であり、あてはまりの良さを表す寄与率は、

=予測位置の分散/実測値の分散

で表され、Rの値が1に近いほどあてはまりがよいので、補正済み推定重量測定値(予測値)の標準偏差が最終値の標準偏差に最も近い場合の式を選択する。

標準偏差で評価するのであれば、もっとも標準偏差の小さい補正済み重量測定値が得られる誤差推定式をもって本稼働運転に適用する。
<誤差推定のモデル式に基づく補正の説明>
また、パラメータの設定方法として、上記のごとくAi〜Diを選び、先ず1個ずつのパラメータ(説明変数)による寄与率を算出し、1個のパラメータによる推定式の中で最大の推定式を残し、次に最大の推定式にそれぞれ残りのパラメータ(説明変数)一つずつ加えた場合の推定式による最大の寄与率のものを残すという操作を繰り返しても良い。
<誤差推定のモデル式に基づく補正の説明>
誤差推定式は被計量物の種類や供給量別に制御装置8の記憶手段20に記憶させ、本稼働運転に先立って作業者が操作装置10のキースイッチの操作にて被計量物の種類や供給量別に仕分けた品目を設定すれば、適用される推定式もそれに応じて選択されるものとする。下記の重量取得タイミングについても同様である。
<推定誤差による補正に基づく重量測定値取得タイミングの短縮化の説明>
上記の補正によってt=t1qでの重量測定値のばらつき幅が縮小すれば、計量精度の許容範囲を一定に置いて安定待ち時間を短縮させることができる。
これは各計量ホッパ6の各計量回でのAi〜Diを求め、誤差Eを推定してt=t1qの時刻での重量測定値を補正し、最終値との偏差を求め、差の標準偏差を算出する。
補正された重量測定値の最終値との偏差の標準偏差は補正する前の偏差より縮小されているので、次にt=t1q−Δtの時刻を新たな重量測定時刻として、記憶している測定値のデータから上記と同様に各計量ホッパ6の各計量回数でのAi〜Diを求め、誤差Eを推定してt=t1q−Δtの時刻での重量測定値を補正し最終値との偏差を求め、差の標準偏差を算出する。
偏差の標準偏差値をsとすると、例えば3シグマの値である3sがなお許容精度よりも小さければ、更に安定待ち時間を短縮するものとして、t=t1q−2・Δtについて同様に実施する。
引き続き同様に演算して偏差の標準偏差の3倍が所定の許容精度を超えるまで安定待ち時間をΔtずつ短縮して演算を繰り返し、超える直前の時刻をもって安定待ち時間として、本稼働運転時にはこの時刻の重量測定値の取得タイミングとする。
これによって、計量装置が従来と同じ許容計量精度であるなら計量処理能力を高めることができる。
本発明の計量装置は、フィルタの未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差に応じた補正値を適用することができ、これによって精確な重量測定値を求めることができるという特性を有していることから、粉体、ばらものその他の物品の重量を測定する各種の計量に好適に用いることができる。
1 組合せ秤(計量装置)
2 物品供給装置
3 分散フィーダ
4 直進フィーダ
5 供給ホッパ
6 計量ホッパ(計量部)
7 メモリホッパ
8 制御装置
9 表示装置
10 操作装置
11 被計量物受け部
12 荷重センサ
13 集合シュート
14 集合ファネル
15 増幅器
16 A/D変換器
17 フィルタ
18 動的重量測定値取得手段
19 静的重量測定値取得手段
20 記憶手段
21 ばらつき量演算手段
22 動的重量測定値取得時刻決定手段
23 安定待ち時間タイマー
24 応答待ち時間タイマー
25 荷重信号評価手段
26 推定誤差算出手段
27 重量測定値補正手段

Claims (5)

  1. 被計量物の計量部への負荷に応じて荷重センサから出力される荷重信号を平滑するフィルタを備える計量装置において、
    前記荷重信号から重量測定値を取得する重量測定値取得タイミングにおける前記フィルタの未応答に起因して生じる重量測定値の真の値に対する誤差を推定する推定誤差算出手段と、
    前記推定誤差算出手段によって推定された誤差に基づいて前記重量測定値取得タイミングにて取得した重量測定値を補正する重量測定値補正手段とを備え、
    前記推定誤差算出手段は、前記フィルタの入力点および/または出力点から取得した記フィルタの入力信号および/または出力信号に基づいて算出された前記荷重信号の応答特性に関わるパラメータと、前記荷重信号の応答特性の収束する最終値とに基づいて推定誤差算出用の関数を決定し、決定した前記関数に基づいて前記誤差を推定する
    ことを特徴とする計量装置。
  2. 前記パラメータは、前記荷重信号の時間変化率である請求項1に記載の計量装置。
  3. 前記パラメータは、前記荷重信号の立ち上がり付近のタイミングを起点として前記重量測定値取得タイミングまでの時間長さである請求項1に記載の計量装置。
  4. 前記パラメータは、前記荷重信号の振動振幅である請求項1に記載の計量装置。
  5. 前記パラメータとして互いに異なる複数種類のものが設定され、個々のパラメータに対して所定の重みが付される請求項1に記載の計量装置。
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