以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示している。
画像形成システム1は、図1に示すように、複数のコンピュータ10,11,12と画像形成装置20とが通信回線30を介して接続されている。
処理装置としての複数のコンピュータ10,11,12は、印刷対象の印刷データを画像形成装置20に向けて送信し、画像形成装置20は、受け付けた印刷データに基づき画像形成処理(印刷処理)を実施する。
通信回線30としては、ローカルエリアネットワーク(LAN=Local Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
実施の形態1では、複数のコンピュータ10,11,12と画像形成装置20とが通信回線30を介して接続される構成としているが、これに限定されることなく、1つのコンピュータと画像形成装置20とが通信回線30を介して接続される構成とするようにしてもよい。この場合、通信回線30としては、上述した種類の通信回線に加えて、USBインタフェースなどのシリアルインタフェース、パラレルインタフェースなど伝送媒体などが挙げられる。
図2は、コンピュータ10の機能構成を示している。
コンピュータ10は、プリンタドライバ110、印刷ジョブ格納部120、送受信部130を有している。
利用者は、コンピュータ100を操作して、アプリケーションソフトウェア140を利用して作成した文書(文書データ)の中から印刷したい文書(文書データ)を選択し、アプリケーションソフトウェア140に対して印刷の指示操作を行うことにより、印刷指示を行う。
プリンタドライバ110は、PDL変換部111、色判定部112、処理部113、データ要求取得部114を有している。
PDL変換部111は、アプリケーションソフトウェア140から出力された印刷対象の文書データを受け付け、この文書データを画像形成装置20が解釈できるデータ形成のデータ、例えばページ記述言語(PDL)で記述されたデータ(以下「PDLデータ」という。)に変換する。
色判定部112は、PDL変換部111によって変換されたPDLデータ(印刷対象の印刷データ)に関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定する。
本願明細書において、カラーは有彩色を意味し、モノクロ(白黒)は無彩色を意味し、カラー(有彩色)またはモノクロ(無彩色)を示す情報を色情報と定義する。
また、本願明細書において、上述したページ毎のカラーまたはモノクロを示す色情報は、ページ毎のカラーまたはモノクロを示す情報を意味する。これ以降の説明においては、ページ毎のカラーまたはモノクロを示す色情報(ページ毎のカラーまたはモノクロを示す情報)をページ毎の色情報という。
処理部113は、PDL変換部111によって変換されたPDLデータを含む印刷ジョブを印刷ジョブ格納部120に格納する。
なお、文書データ等の印刷すべきデータ(印刷データ)つまりPDLデータには、例えば印刷指示したユーザ名、印刷文書名、印刷日時、画像形成装置にかかわる印刷設定の設定値等の各種パラメータを含む属性情報(印刷属性情報)が付加される。
画像形成装置にかかわる印刷設定の設定値には、印刷枚数、印刷部数、用紙サイズ、カラー印刷の有無、画像形成装置にかかわる印刷処理に関する設定情報(用紙の置き換えに関する指定値)が含まれる。
また処理部113は、色判定部112によって判定されたページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、該当するPDLデータ(属性情報が付加されたPDLデータ)の送信に先立って画像形成装置20に向けて送信する。
さらに、処理部113は、データ要求取得部114からの印刷データの送信要求および要求元情報の通知を受け取ると、印刷ジョブ格納部120に格納されている印刷対象の印刷ジョブに含まれるPDLデータ(属性情報が付加されたPDLデータ)を、要求元情報に基づく要求元例えば画像形成装置20に向けて送信する。
このようにして処理部113から送信されるページ毎の色情報あるいはPDLデータは、送受信部130に入力され、この送受信部130によって例えば画像形成装置20に向けて送信される。
データ要求取得部114は、送受信部130を介して画像形成装置20から送信される印刷データの送信要求を取得し、当該印刷データの送信要求と当該送信要求の要求元を示す要求元情報(例えば画像形成装置20を示す情報)とを処理部113へ通知する。
送受信部130は、通信回線30に接続された外部装置例えば画像形成装置20との通信を行うものであり、プリンタドライバ110の処理部113から送信されるページ毎の色情報あるいはPDLデータを受け付けて画像形成装置20に向けて送信するとともに、画像形成装置20から送信された印刷データの送信要求を受信し、この送信要求をプリンタドライバ110へ出力する。
コンピュータ11,12の機能構成も、コンピュータ10と同様になっている。
本願明細書において、印刷対象の印刷データが送信される前に送信される当該印刷データに関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、「印刷ジョブに関するページ毎の色情報」と定義する。
このように定義した印刷ジョブに関するページ毎の色情報を画像形成装置が受信するということは、画像形成装置は、実際の印刷データは受信せず、ページ毎の色情報のみを受信することを意味する。
図3は、画像形成装置20の機能構成を示している。
画像形成装置20は、コントローラ200、エンジン部201、操作パネル202を有している。
コントローラ200は、コンピュータから送信されたPDLデータを受信し、このPDLデータを基にページ毎の画像データ(ビットマップデータ)を生成するとともに、エンジン部201に対し、前記ページ毎の画像データとカラーモードまたはモノクロモードを示す印刷モードとを出力して印刷処理を開始させる制御を行う。このコントローラ200の詳細については後述する。
エンジン部201は、電子写真プロセスを実行する手段(画像形成手段)であり、コントローラ200からの印刷モードに従ってコントローラ200からの画像データに基づき画像形成処理(印刷処理)を実施する。
操作パネル202は、利用者に対して提示すべき表示情報を表示する機能と、利用者による設定情報など入力情報を入力する機能とを有する
次に、コントローラ200について詳細に説明する。
コントローラ200は、送受信部210、受信メモリ220、PDL解析部230、描画部240、画像メモリ250、モード解析部260、出力管理部270、エンジンI/F部280、パネル制御部290を有している。
送受信部210は、通信回線30に接続された外部装置例えばコンピュータ10,11,12との通信を行うものであり、特定のコンピュータから送信された印刷ジョブに関するページ毎の色情報を受信し、このページ毎の色情報をモード解析部260へ出力するとともに、モード解析部260から出力される印刷データの送信要求(送信の要求)を前記特定のコンピュータに向けて送信する。
また、送受信部210は、上記特定のコンピュータから送信され上記印刷ジョブつまり印刷対象の印刷データ(PDLデータ)を受信し、この印刷データを受信メモリ220に格納する。
受信メモリ220は、上記印刷対象の印刷データとしてのPDLデータを一時的に記憶する。
PDL解析部230は、受信メモリ220に記憶されたPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換する。
描画部240は、PDL230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。すなわち、ページ毎に画像データが生成される。
モード解析部260は、色情報取得部261、印刷モード決定部262、印刷順番変更部263、印刷データ要求部264を有している。
色情報取得部261は、送受信部210を介して、コンピュータから送信された印刷ジョブに関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を取得し、これを印刷モード決定部262へ出力する。
なお、色情報取得部261は、コンピュータ10から送信される複数の印刷ジョブのそれぞれに関するページ毎の色情報を連続して取得する場合や、コンピュータ10,11,12のそれぞれから送信される印刷ジョブに関するページ毎の色情報を連続して取得する場合がある。
また、色情報取得部261は、印刷ジョブに関するページ毎の色情報を送信した送信元を示す情報(送信元情報)および当該印刷ジョブを識別する情報(印刷ジョブ識別情報)を印刷データ要求部264へ出力する。
さらに、色情報取得部261は、今回取得した印刷ジョブに関するページ毎の色情報が最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報であると認識したときは、「当該印刷ジョブ識別情報」および「最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得した旨」を印刷データ要求部264へ出力する。
印刷モード決定部262は、色情報取得部261が取得した複数の印刷ジョブのそれぞれに関するページ毎の色情報を基に、カラーモードまたはモノクロモードを印刷モードとして決定する。
この場合、印刷モード決定部262は、取得した順番(送受信部261が受信した順番)の複数の印刷ジョブにかかわる複数のページに対応してカラーモードまたはモノクロモードを印刷モードとして設定するのではなく、当該複数の印刷ジョブの印刷出力の順番を入れ替えた場合の当該入れ替え後の複数の印刷ジョブにかかわる複数のページに対応して、一部のページについてはカラーモード、他の一部のページについてはモノクロモード、などカラーモードとモノクロモードとを印刷モードとして設定する。この印刷モードの設定の詳細については後述する。
本願明細書において、カラーモードとは、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各像担持体(例えば感光体ドラム)と中間転写体(例えば転写ベルト)とを接触させて、画像形成する印刷モードである。また、モノクロモードとは、ブラック(K)の像担持体(例えば感光体ドラム)と中間転写体(例えば転写ベルト)とを接触させるとともに、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各像担持体(例えば感光体ドラム)と中間転写体(例えば転写ベルト)とを離間させて、画像形成する印刷モードである。
印刷順番変更部263は、印刷モード決定部262が決定した印刷モードを基に複数の印刷ジョブの印刷順番を変更するとともに、印刷データ要求部264に対し、当該変更した印刷順番に従って印刷データの送信要求を行うよう依頼する。
印刷データ要求部264は、色情報取得部261からの送信元情報と印刷順番変更部263からの印刷ジョブの印刷順番とを基に、印刷データの送信要求タイミングに達した時点で、当該送信元情報に基づくコンピュータ(1つまたは複数のコンピュータの中の特定のコンピュータ)に対し印刷データの送信を要求する。
この印刷データの送信要求タイミングとしては、例えば、色情報取得部261から出力される「印刷ジョブ識別情報」および「最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得した旨」を受け取った時点、あるいは「後述する出力管理部270から出力される未処理のデータのサイズが閾値に達した旨」を印刷データ要求部264が受け取った時点など、が挙げられる。
上述したようにモード解析部260は、カラーモードまたはモノクロモードを印刷モードとして決定し、出力すべき印刷ジョブを決定するとともに、決定した印刷モードを示す情報(以下「印刷モード情報」という。)を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、描画部240によって1ページ分の印刷画像(画像データ)が生成されると、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し、この画像データとモード解析部260からの印刷モード情報とをエンジンI/F部280へ出力する。
また、出力管理部270は、印刷対象の印刷データについての画像形成(印刷)すべきデータ(未処理のデータ)のサイズと予め設定される閾値(データのサイズ)とを比較し、当該未処理のデータのサイズが当該閾値に達した場合、その旨をモード解析部260の印刷データ要求部264へ出力する。
エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、画像形成処理(印刷処理)を開始させる。
パネル制御部290は、操作パネル202を制御するものであり、表示情報を操作パネル202に表示させるとともに、利用者による操作パネル202の操作に応じた設定情報など入力情報を受け付ける。
実施の形態1では、画像形成装置20において、送受信部210は通信手段の機能を有し、色情報取得部261は取得手段の機能を有し、印刷モード決定部262は決定手段の機能を有し、印刷順番変更部263は変更手段の機能を有し、印刷データ要求部264は要求手段の機能を有する。
本願明細書において、これ以降の説明においては、画像形成処理は印刷処理であるとして説明する。
次に、コンピュータのプリンタドライバによる印刷制御処理について、図4を参照して説明する。
なお、図4はその印刷制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、コンピュータ10に注目してその印刷制御処理について説明するが、コンピュータ11,12も同様の印刷制御処理を実施する。
コンピュータ10において、プリンタドライバ110では、PDL変換部111は、アプリケーションソフトウェア140から出力された印刷対象の文書データを受け付け、この文書データをPDLデータに変換し、処理部113は、その変換されたPDLデータを含む印刷ジョブ(属性情報が付加されたPDLデータ)を印刷ジョブ格納部120に格納する。
また、プリンタドライバ110では、色判定部112は、PDL変換部111によって変換されたPDLデータ(印刷対象の印刷データ)に関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定し(ステップS101)、処理部113は、色判定部112によって判定されたページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、該当するPDLデータ(属性情報が付加されたPDLデータ)の送信に先立って画像形成装置20に向けて送信する(ステップS102)。
このようにして印刷ジョブに関するページ毎の色情報が画像形成装置20に向けて送信されると、データ要求取得部114は、送受信部130を介して画像形成装置20から送信された印刷データの送信要求を取得したか否か(印刷データの送信要求があるか否か)を判断し(ステップS103)、この判断した結果、印刷データの送信要求を取得していない場合には当該印刷データの送信要求を取得するまで待機し、一方、印刷データの送信要求を取得した場合は当該印刷データの送信要求、および当該送信要求の要求元を示す要求元情報(この例では画像形成装置20を示す情報)を処理部113へ通知する。
処理部113は、データ要求取得部114からの印刷データの送信要求および要求元情報の通知を受け取ると、印刷ジョブ格納部120に格納されている印刷対象の印刷ジョブに含まれるPDLデータ(属性情報が付加されたPDLデータ)を、要求元情報に基づく要求元例えば画像形成装置20に向けて送信する(ステップS104)。
次に、画像形成装置による印刷処理(画像形成処理)について、図5を参照して説明する。
なお、図5はその印刷処理(画像形成処理)の処理手順を示すフローチャートである。
例えばコンピュータ10がステップS102において色判定結果つまり印刷ジョブに関するページ毎の色情報を画像形成装置20に向けて送信すると、画像形成装置20では、コントローラ200の送受信部210は、その印刷ジョブに関するページ毎の色情報を受信してモード解析部260へ出力する。
モード解析部260では、色情報取得部261は、送受信部210からの印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得し(ステップS201)、このページ毎の色情報を印刷モード決定部262へ出力するとともに、当該ページ毎の色情報を送信した送信元を示す情報(送信元情報、例えばコンピュータ10を示す情報)、および当該印刷ジョブに関する印刷ジョブ識別情報を印刷データ要求部264へ出力する。
なお、色情報取得部261は、例えば、コンピュータ10から複数の印刷ジョブのそれぞれに関するページ毎の色情報を連続して取得する場合や、コンピュータ10,11,12のそれぞれから送信される印刷ジョブに関するページ毎の色情報を連続して取得する場合がある。
実施の形態1では、色情報取得部261は、第1の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得してから、予め設定される時間に達する前に、第2の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得した場合は、第1の印刷ジョブに関するページ毎の色情報と、第2の印刷ジョブに関するページ毎の色情報とを連続して取得したと認識するようになっている。
印刷モード決定部262は、色情報取得部261からのページ毎の色情報を基にカラーモードまたはモノクロモードを判定し、この判定した結果を印刷モードとして決定するとともに(ステップS202)、当該印刷モード情報を印刷順番変更部263および出力管理部270へ出力する。
ここで、印刷モードの判定は、最初の印刷ジョブに関しては、当該印刷ジョブに関するページ毎の色情報に基づいて行われ、2番目以降の印刷ジョブに関しては、取得された複数の印刷ジョブに関するページ毎の色情報に基づいて行われる。
印刷順番変更部263は、取得した印刷モード情報が1つの印刷ジョブに対しての印刷モードを示しているときは、最初の印刷ジョブしかないことになるので実際の印刷順番の変更は実施しない。この場合は、当該印刷ジョブが最初(1番目)の印刷順番となる。
そのため、印刷順番変更部263は、最初の印刷ジョブにかかわる印刷モード情報を印刷モード決定部262から取得したときは、印刷データ要求部264に対し、印刷順番が1番の当該印刷ジョブにかかわる印刷データの送信要求を行うよう依頼する。
印刷データ要求部264は、色情報取得部261からの送信元情報(例えばコンピュータ10を示す情報)、および印刷順番変更部263からの印刷順番に従った印刷データの送信要求の依頼を受け付けた場合、印刷データの送信要求タイミングに達したか否かを判断する(ステップS203)。
色情報取得部261によって最初(1番目の)の印刷ジョブに関するページ毎の色情報が取得されている場合、ステップS203においては、印刷データ要求部264は、例えば色情報取得部261によって、今回の印刷ジョブに関するページ毎の色情報は最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報であると認識されたか、あるいは今回の印刷ジョブに関するページ毎の色情報は前回の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得してから予め設定される時間Tを経過した後に取得されたものであると認識された場合に、色情報取得部261からの「当該印刷ジョブを示す識別情報」および「最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得した旨」の通知を受け取った時点で、印刷データの送信要求タイミングに達したと判断するようになっている。
これに対し、色情報取得部261によって2番目以降の印刷ジョブに関するページ毎の色情報が取得されている場合は、現在の印刷ジョブにかかわるPDLデータ(印刷データ)については印刷処理が実施されていることになるので、印刷データ要求部264は、出力管理部270から出力される「未処理のデータのサイズが閾値に達した旨」を受け取った場合に、印刷データの送信要求タイミングに達したと判断するようになっている。
さて、印刷データ要求部264は、ステップ203において、上記送信要求タイミングに達していないと判断した場合には送信要求タイミングに達するまで待機し、一方、例えば色情報取得部261からの「当該印刷ジョブを示す識別情報」および「最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得した旨」の通知を受け取り、送信要求タイミングに達したと判断した場合は、上記印刷ジョブに関するページ毎の色情報を送信した送信元である例えばコンピュータ10に対し印刷データの送信要求を送信する(ステップS204)。
コンピュータ10では、データ要求取得部115は、図4のステップS103において、送受信部130を介して印刷データの送信要求を取得したと判断し、当該印刷データの送信要求、および当該送信要求の要求元を示す要求元情報(この例では画像形成装置20を示す情報)を処理部113へ通知する。
処理部113は、図4のステップS104において、印刷ジョブ格納部120に格納されている印刷対象の印刷ジョブに含まれるPDLデータを、要求元情報に基づく要求元例えば画像形成装置20に向けて送信する。
画像形成装置20では、送受信部210は、コンピュータ10から送信されたPDLデータを受信し(ステップS205)、このPDLデータを受信メモリ220に格納する。
PDL解析部230が、受信メモリ220に記憶されたPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換すると、描画部240は、PDL230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、ページ毎に1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
このようにして1ページ分の印刷画像(画像データ)が生成されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280へ出力する。
また、出力管理部270は、印刷対象の印刷データについての印刷処理すべきデータ(未処理のデータ)のサイズと予め設定される閾値(データのサイズ)とを比較し、未処理のデータのサイズが前記閾値に達した場合、当該未処理のデータのサイズが閾値に達した旨をモード解析部260の印刷データ要求部264へ出力する。
すなわち、出力管理部270は、印刷対象の印刷ジョブにかかわる印刷データのデータサイズをDT、閾値をDth、ページ毎のデータサイズをDPとした場合、「(DT−DP)≦Dth」の演算式を演算し、当該演算式が成立すると判断したときは、未処理のデータのサイズが閾値Dthに達したと判断する。
エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。
これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データに基づき印刷処理を実施する(ステップS206)。
このエンジン部201による印刷処理に並行して、コントローラ200のモード解析部260の色情報取得部261は、他のジョブの印刷要求があるか否か、つまり送受信部261を介して他のジョブに関するページ毎の色情報を取得したか否かを判断する(ステップS207)。
ステップS207においては、色情報取得部261は、ステップS201において印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得するに際し、例えば、今回の印刷ジョブ(第1の印刷ジョブ)に関するページ毎の色情報を取得してから、予め設定される時間Tに達する前に、次回の印刷ジョブ(第2の印刷ジョブ)に関するページ毎の色情報を取得したか否かを判断する。
そして、色情報取得部261は、予め設定される時間Tに達する前に、次回の印刷ジョブ(第2の印刷ジョブ)に関するページ毎の色情報を取得した場合、すなわち他のジョブに関するページ毎の色情報が取得した場合は、他のジョブの印刷要求があると判断するようになっている。
ところで、ステップS207において、色情報取得部261が他のジョブに関するページ毎の色情報を取得したと判断した場合(他のジョブの印刷要求があると判断した場合)、モード解析部260は、ステップS202に戻る。
これに対し、ステップS207において、色情報取得部261が他のジョブに関するページ毎の色情報を取得していないと判断した場合(他のジョブの印刷要求がないと判断した場合)、モード解析部260は、この処理を終了する。
次に、画像形成装置による印刷処理(画像形成処理)について、具体例を挙げて説明する。
この例では、コンピュータ10〜12のアプリケーションソフトウェア140をそれぞれアプリケーションソフトウェア140(#10),140(#11),140(#12)とするとともに、コンピュータ10〜12のプリンタドライバ110を110(#10),110(#11),140(#12)とする。
この実施の形態1においては、次の前提条件1〜5の下に印刷処理が実施されるものとする。
(前提条件1)
コンピュータ10からは、図6(a)に示すように1ページ目はカラー画像、2ページ目はモノクロ画像、3ページ目はモノクロ画像、4ページ目はカラー画像、5ページ目はカラー画像である5ページ分の印刷データ(以下「Job1(ジョブ1)」という。)が画像形成装置20に向けて送信される。
(前提条件2)
コンピュータ11からは、図6(b)に示すように1ページ目はモノクロ画像、2ページ目は画像の色=モノクロ、3ページ目はカラー画像である3ページ分の印刷データ(以下「Job2(ジョブ2)」という。)が画像形成装置20に向けて送信される。
(前提条件3)
コンピュータ12からは、図6(c)に示すように1ページ目はカラー画像、2ページ目はカラー画像、3ページ目はカラー画像、4ページ目はモノクロ画像、5ページ目はモノクロ画像である5ページ分の印刷データ(以下「Job3(ジョブ3)」という。)が画像形成装置20に向けて送信される。
(前提条件4)
Job1に関するページ毎の色情報、Job2に関するページ毎の色情報、Job3に関するページ毎の色情報の順番で、これらのページ毎の色情報が画像形成装置20に向けて送信される。
(前提条件5)
次の(A)、(B)の条件の下、印刷が実施されるもとする。
(A)モノクロ画像のページが少なくとも3ページ続く場合はモノクロモードで印刷した方が、印刷にかかわる生産性がよいものとする。
(B)カラー画像のページを1枚印刷する時間が4秒(4S)、モノクロ画像のページを1枚印刷する時間が2秒(2S)、カラーモードからモノクロモードへの切り替えのための切替時間が4秒(4S)、モノクロモードからカラーモードへの切り替えのための切替時間が1秒(1S)、それぞれ必要であるとする。
上述したような前提条件の下、最初に、コンピュータ10では、プリンタドライバ110(#10)は、図7に示すように、アプリケーションソフトウェア140(#10)からの5ページ分の文書データを印刷データ(Job1)つまりPDLデータ(Job1)に変換するとともに、当該文PDLデータ(Job1)に関するページ毎の画像の色を判定し、その判定した結果(Job1に関するページ毎の色情報、図6(a)参照)を画像形成装置20に向けて送信する(S211)。
画像形成装置20では、モード解析部260の色情報取得261が、送受信部210を介して取得したJob1に関するページ毎の色情報を印刷モード決定部262へ出力すると、印刷モード決定部262は、当該Job1に関するページ毎の色情報を基にカラーモードまたはモノクロモードを判定し、この判定した結果を印刷モードとして決定する(Pr10)。この決定された印刷モード情報は出力管理部270および印刷順番変更部263に向けて出力される。
この例では、Job1に関するページ毎の色情報(1ページ目=カラー、2ページ目=モノクロ、3ページ目=モノクロ、4ページ目=カラー、5ページ目=カラー)に基づきに印刷モードはカラーモードであるとされる。
また、モード解析部260では、色情報取得部261が当該Job1に関するページ毎の色情報を取得した時点よりも前に取得した印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得していないと認識すると、印刷データ要求部264は、コンピュータ10に対し、送信要求タイミングT1で印刷データの送信要求を行う(S212)。
すなわち、色情報取得部261によって、今回のJob1に関するページ毎の色情報は最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報であると認識されたか、あるいは今回のJob1に関するページ毎の色情報は前回の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得してから予め設定される時間Tを経過した後に取得されたものであると認識されたとする。
このようにして色情報取得部261によって、今回取得した印刷ジョブに関するページ毎の色情報が最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報であると認識されたときは、「当該Job1を示す識別情報」および「最初の印刷ジョブに関するページ毎の色情報を取得した旨」が印刷データ要求部264へ通知されるので、印刷データ要求部264は、図8に示すように、色情報取得部261からの上記通知を受け取った時点を送信要求タイミングT1であるとして、この送信要求タイミングT1で印刷データの送信要求を行う。
この場合、画像形成装置20には、印刷対象のジョブはJob1のみしか存在しないので、モード解析部260は、印刷ジョブとしてJob1に決定したことになる。
さて、上記印刷データの送信要求を受け付けたコンピュータ10では、プリンタドライバ110(#10)は、図7に示すように、印刷対象の印刷データ(Job1)を画像形成装置20に向けて送信する(S213)。
この印刷データ(Job1)つまりPDLデータ(Job1)は、送受信部210によって受信さて受信メモリ220に格納され、次にPDL解析部230によってプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換された後、描画部240によってページ毎の画像データ(ビットマップデータ)として生成され、画像メモリ250に格納されることになる。
このようにして1ページから5ページの各ページについての1ページ分の画像データが順次、画像メモリ250に格納されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出して(Pr20)、この画像データとモード解析部260からの印刷モードとを、エンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(S214)。
エンジン部201は、出力管理部270からの印刷モードに従って、Jobに関する1ページから5ページの各ページについての画像データに基づき印刷処理を実施する(Pr30、図8のPr30)。
画像形成装置20によるJob1の印刷処理中に、コンピュータ11のプリンタドライバ110(#11)は、アプリケーションソフトウェア140(#11)からの3ページ分の文書データを印刷データ(Job2)つまりPDLデータ(Job2)に変換するとともに、当該PDLデータ(Job2)に関するページ毎の画像の色を判定し、この判定した結果(Job2に関するページ毎の色情報、図6(b)参照)を画像形成装置20に向けて送信する(S215)。
同様に、コンピュータ12のプリンタドライバ110(#12)は、アプリケーションソフトウェア140(#12)からの5ページ分の文書データを印刷データ(Job3)つまりPDLデータ(Job3)に変換するとともに、当該PDLデータ(Job3)に関するページ毎の画像の色を判定し、その判定した結果(Job3に関するページ毎の色情報、図6(b)参照)を画像形成装置20に向けて送信する(S216)。
画像形成装置20において、モード解析部260では、印刷モード決定部262がJob2に関するページ毎の色情報とJob3に関するページ毎の色情報とを基に最適な印刷モードを決定するとともに、印刷順番変更部263が前記決定された印刷モードに応じて印刷ジョブに関する印刷順番を判定する(Pr10)。
この場合、モード解析部260では、印刷にかかわる生産性の観点から、図9(a)に示すように、Job1、Job3、Job2の順番でこれらの印刷ジョブを印刷した方がよいと判断する。
すなわち、エンジン部201によるJob1にかかわる画像データの印刷処理と並行して、印刷モード決定部262は、(1)最初のJob1にかかわる1ページ目から5ページ目までの5ページ分の画像データ、Job3かかわる1ページ目から3ページ目までの3ページ分の画像データについてはカラーモードで印刷し、(2)次に、Job3にかかわる4ページ目および5ページ目の2ページ分の画像データ、Job2かかわる1ページ目および2ページ目の2ページ分の画像データの合計4ページ分の画像データについてはモノクロモードで印刷し、(3)最後に、Job2かかわる3ページ目の1ページ分の画像データについてはカラーモードで印刷するようにすることが、印刷にかかわる生産性が一番よいと判断する。
ちなみに、印刷モード決定部262によって判断された上記各モードは、印刷モードとして出力管理部270に向けて出力される。
エンジン部201によるJob1にかかわる画像データの印刷処理が実施されている最中に、印刷データ要求部264は、コンピュータ11,12のうちコンピュータ12に対し、送信要求タイミングT2で印刷データの送信要求を行う(S217)。
この送信要求タイミングT2は、モード解析部260(の印刷データ要求部264)が出力管理部270から出力される「Job1に関する未処理のデータのサイズが閾値Dthに達した旨」を受け取った時点となる(図8参照)。
ところで、上記印刷データの送信要求を受け付けたコンピュータ12では、プリンタドライバ110(#12)は、図7に示すように、印刷対象の印刷データ(Job3)を画像形成装置20に向けて送信する(S218)。
この印刷データ(Job3)つまりPDLデータ(Job3)は、上述したPDLデータ(Job1)の場合と同様にして、送受信部210によって受信さて受信メモリ220に格納され、次にPDL解析部230によってプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換された後、描画部240によって1ページ毎の画像データ(ビットマップデータ)として生成され、画像メモリ250に格納されることになる。
この場合、Job3にかかわる5ページ分のPDLデータのうち、少なくとも1ページ目の画像データ(ビットマップデータ)は、Job1にかかわる最後(5ページ目)の画像データの印刷が完了する前に、画像メモリ250に格納される。
このようにしてJob3にかかわる1ページから5ページの各ページについての1ページ分の画像データが順次、画像メモリ250に格納されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出して(Pr20)、この画像データとモード解析部260からの印刷モードとを、エンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(S219)。
エンジン部201は、出力管理部270からの印刷モードに従って、Job1にかかわる5ページ分の画像データの画像形成(印刷)が終了した後、引き続きJob3にかかわる1ページから5ページの各ページについての画像データに基づき印刷処理を実施する(Pr40、図8のPr40)
その後、画像形成装置20では、モード解析部260は、コンピュータ11に対し、送信要求タイミングT3で印刷データの送信要求を行う(S220)。
この送信要求タイミングT2は、モード解析部260(の印刷データ要求部264)が、出力管理部270から出力される「Job3に関する未処理のデータのサイズが閾値Dthに達した旨」を受け取った時点となる(図8参照)。
ところで、上記印刷データの送信要求を受け付けたコンピュータ11では、プリンタドライバ110(#11)は、印刷対象の印刷データ(Job2)を画像形成装置20に向けて送信する(S221)。
この印刷データ(Job2)つまりPDLデータ(Job2)は、上述したPDLデータ(Job1)の場合と同様にして、送受信部210によって受信さて受信メモリ220に格納され、次にPDL解析部230によってプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換された後、描画部240によって1ページ毎の画像データ(ビットマップデータ)として生成され、画像メモリ250に格納されることになる。
この場合、Job2にかかわる3ページ分のPDLデータのうち、少なくとも1ページ目の画像データ(ビットマップデータ)は、Job3にかかわる最後(5ページ目)の画像データの印刷が完了する前に、画像メモリ250に格納される。
このようにして1ページから3ページの各ページについての1ページ分の画像データが順次、画像メモリ250に格納されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出して(Pr20)、この画像データとモード解析部260からの印刷モードとを、エンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(S222)。
エンジン部201は、出力管理部270からの印刷モードに従って、Job3にかかわる5ページ分の画像データの印刷が終了した後、引き続きJob2にかかわる1ページから3ページの各ページについての画像データに基づき印刷処理を実施する(Pr50、図8のPr50)。
上述したようにしてコンピュータ10,11,12と画像形成装置20との情報の通信が実施され、図9(a)に示すように、Job1、Job3、Job2の順で印刷処理が実施された場合、Job1からJob3の全てのページ(1ページから13ページまでの13のページ)が印刷されるまでの時間は、カラーモードの状態で印刷されるページの数が9なでの36秒(9×4秒)、モノクロモードの状態で印刷されるページの数が4なので8秒(4×2秒)、カラーモードからモノクロモードへの切り替えが1回なので4秒、モノクロモードからカラーモードへの切り替えが1回なので1秒、の合計49秒となる。
これに対し、図9(b)に示すように送受信部210が受信した順番(色情報取得部261が取得した順番)つまりJob1、Job2、Job3の順で印刷処理が実施された場合、Job1からJob3の全てのページ(1ページから13ページまでの13のページ)が印刷されるまでの時間は、カラーモードの状態で印刷されるページの数が13なでの52秒(13×4秒)秒となる。
上述したようにJob1からJob3を印刷するに際し、図9(a)に示すようにJob1、Job3、Job2の順で印刷処理を実施する方(印刷に要する時間は49秒)が、図9(b)に示すようにJob1、Job2、Job3の順で印刷処理を実施する場合(印刷に要する時間は52秒)よりも、印刷にかかわる生産性がよい。
このように画像形成装置において、モード解析部260が、送受信部210が受け付けた印刷ジョブの順番での複数の印刷ジョブに関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)基に印刷モード(カラーモードまたは印刷モード)を決定し、当該印刷ジョブの印刷順番を決定(印刷順番を変更)するとともに、エンジン部201が、前記印刷モードに従って、前記印刷順番に従った印刷ジョブについて印刷を実施したときは、印刷にかかわる生産性は、印刷順番を変更しない場合と比較して向上する。
また、画像形成装置は、1つまたは複数のコンピュータから送信されるJob1、Job2、Job3のそれぞれにかかわる印刷データ(PDLデータ)を全て受信することなく、当該Job1、Job2、Job3のそれぞれに関するページ毎の色情報を受信し、これらのページ毎の色情報を基に印刷モードを決定し、前記複数の印刷ジョブの印刷順番を変更する。しかも、画像形成装置は、印刷対象の印刷データ(PDLデータ)の受信開始を判断し、当該印刷データの送信要求を該当するコンピュータに向けて送信した後に、当該コンピュータからの印刷対象の印刷データを受信し受信メモリに格納する。
そのため、画像形成装置においては、Job1、Job2、Job3の各印刷データの全てを保存するためのハードディスクやRAM(随時書き込み読み出しメモリ)など記憶資源が抑制され、かつ複数の印刷ジョブは印刷にかかわる生産性のよい印刷順番に従って印刷される。
次に、画像形成装置20のハードウェア構成について、図10を参照して説明する。
なお、図10は、画像形成装置20のハードウェア構成を示している。
画像形成装置20は、図10に示すように、CPU21、記憶装置22、ROM23、RAM24、操作パネル25、画像出力装置26、および通信インタフェース(以下「通信I/F」という。)27を備えている。
上記各構成要素21〜27はシステムバス28に接続されている。なお、記憶装置22、および画像出力装置26は、それぞれに対応するインタフェース(図示せず)を介してシステムバス28に接続される。
また、上記各構成要素21〜24,27は、図3に示したコントローラ200を構成する。
記憶装置22は、例えばハードディスクで構成され、図3に示したPDL解析部230、描画部240、モード解析部260、および出力管理部270の各機能を実現するためのプログラム、上述した印刷処理(画像形成処理)の処理手順(図5参照)に対応するプログラムなどを記憶している。なお、記憶装置22には、少なくとも処理プログラム22Aが記憶されている。
ここで、処理プログラム22Aは、上述したモード解析部260(図3参照)の機能を実現するためのプログラム、および印刷処理(画像形成処理)の処理手順(図5参照)に対応するプログラムを含んでいる。モード解析部260の機能には、色情報取得部261、印刷モード決定部262、印刷順番変更部263、および印刷データ要求部264の各機能が含まれている。
ROM23は、読み出し専用メモリであり、上記印刷処理(画像形成処理)を実施する際に必要なパラメータ例えば閾値Dthやデータ、コンピュータなど外部装置との通信を実施するための通信プロトコル情報を記憶している。
RAM24は、随時書き込み読み出しメモリであり、少なくとも、図3に示した受信メモリ220に対応する第1の記憶領域、図3に示した画像メモリ250に対応する第2の記憶領域、作業するためのワーク領域が割り当てられている。
RAM24において、上記ワーク領域には、記憶装置22から読み込まれたプログラム、ROM23から読み込まれたパラメータやデータさらには通信プロトコル情報、操作パネル25によって設定された設定情報、送受信されるデータなどが記憶され、上記第1の記憶領域には、送受信部210によって受信された印刷データ(PDLデータ)が記憶され、上記第2の記憶領域には、描画部240によって描画されたページ単位の画像データ(ビットマップ)が記憶される。
なお、この例では、RAM24が上記受信メモリ220および画像メモリ250の各機能を有する構成としているが、記憶装置22が、受信メモリ220および画像メモリ250の各機能を有するようにしてもよい。
操作パネル25は、図3に示した操作パネル202に対応し、画像形成装置20の状態情報やユーザに対してのメッセージなど表示情報を表示する表示部(液晶パネルなど)と、閾値Dthなど入力情報を入力する入力部とを有している。
画像出力装置26は、図3に示したエンジン部201の機能を有し、画像データを基に印刷処理(画像形成処理)を実施する。
通信I/F27は、図3に示した送受信部210の機能を有し、通信回線30を介して外部装置、例えばコンピュータ10,11,12(図1参照)との通信を行うインタフェースである。
CPU11は、記憶装置22からRAM24に処理プログラム22Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、図3に示したPDL解析部230、描画部240、モード解析部260、および出力管理部270の各機能を実現するとともに、上述した印刷処理(図5参照)を実施する。また、CPU11は、画像形成装置20全体を制御する。
本願明細書において、処理プログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該所定のプログラムを次のようにして提供してもよい。
すなわち、上記処理プログラムをROMに格納しておき、CPUが、この処理プログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
また、上記処理プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。この場合、その記録媒体に記録された処理プログラムを画像形成装置がインストールした後、このプリンタドライバをCPUが実行するようにする。このプリンタドライバのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像形成装置は、必要に応じてこの記憶装置に記憶した処理プログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
さらには、画像形成装置を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、当該画像形成装置が、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プ処理プログラムをダウンロードした後、この処理プログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この処理プログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該画像形成装置が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記処理プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る画像形システムは、図1に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成になっている。なお、この実施の形態2では、コンピュータ10,11,12をそれぞれコンピュータ10A,11A,12Aとし、画像形成装置20を画像形成装置20Aとする。
図11は、実施の形態2に係る処理装置の構成を示している。この処理装置としてのコンピュータ10Aは、図2に示した実施の形態1のコンピュータ10の構成においてデータ要求取得部114を削除した構成になっている。なお、図11において、図2に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
図12は、実施の形態2に係る画像形成装置の構成を示している。この画像形成装置20Aは、図3に示した実施の形態1の画像形成装置20の構成において、印刷データ要求部264を削除した構成になっている。なお、図12において、図3に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
実施の形態2において、処理装置としてのコンピュータ10Aでは、プリンタドライバ110は、印刷ジョブに関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)と当該印刷ジョブにかかわる印刷データ(PDLデータ)とを画像形成装置20に向けて送信する。
また、画像形成装置20Aでは、送受信部210は、コンピュータ10Aからの印刷ジョブに関するページ毎の色情報と印刷データ(PDLデータ)とを受信し、これらの受信したデータを受信メモリ220に格納する。
モード解析部260において、色情報取得部261は、受信メモリ220から複数の印刷ジョブのそれぞれに関するページ毎の色情報を取得し、これらのページ毎の色情報を印刷モード決定部262へ出力する。
印刷モード決定部262は、色情報取得部261が取得した複数の印刷ジョブのそれぞれに関するページ毎の色情報を基に、カラーモードまたはモノクロモードを印刷モードとして決定する。
印刷順番変更部263は、印刷モード決定部262が決定した印刷モードを基に複数の印刷ジョブの印刷順番を変更するとともに、当該変更した印刷ジョブの印刷順番を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、PDL解析部230に対し、モード解析部260の印刷順番変更部263からの印刷順番に従った印刷ジョブにかかわる印刷データ(PDLデータ)を解析するよう依頼する。
PDL解析部230は、出力管理部270から依頼された印刷順番に従った印刷ジョブの順に、受信メモリ220から該当する印刷ジョブつまりPDLデータを読み出して解析する。
コンピュータ11A,12Aの機能構成も、コンピュータ10Aと同様になっている。
実施の形態2においては、図13に示すように、コンピュータ10A〜12Aのアプリケーションソフトウェア140をそれぞれアプリケーションソフトウェア140(#10A),140(#11A),140(#12A)とするとともに、コンピュータ10〜12のプリンタドライバ110を110(#10A),110(#11A),110(#12A)とする。
また、実施の形態2においては、実施の形態1の前提条件1から前提条件3および前提条件5、次の前提条件6の下、印刷処理が実施されるものとする。
(前提条件6)
Job1、Job2、Job3の順番で、それぞれの印刷ジョブにかかわる印刷データ(PDLデータ)が画像形成装置20に向けて送信されるものとする。この場合は、当然、Job1に関するページ毎の色情報、Job2に関するページ毎の色情報、Job3に関するページ毎の色情報の順番で、これらの印刷ジョブに関するページ毎の色情報が画像形成装置20に向けて送信される。
実施の形態2では、画像形成装置20Aにおいて、送受信部210は通信手段の機能を有し、色情報取得部261は取得手段の機能を有し、印刷モード決定部262は決定手段の機能を有し、印刷順番変更部263は変更手段の機能を有し、受信メモリ220は記憶手段の機能を有する。
次に、コンピュータのプリンタドライバによる印刷制御処理について、図14を参照して説明する。
なお、図14はその印刷制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、コンピュータ10Aに注目してその印刷制御処理について説明するが、コンピュータ11A,12Aも同様の印刷制御処理を実施する。
コンピュータ10Aにおいて、プリンタドライバ110(#10A)では、PDL変換部111は、アプリケーションソフトウェア140から出力された印刷対象の文書データを受け付け、この文書データをPDLデータに変換し、処理部113は、その変換されたPDLデータを含む印刷ジョブ(属性情報が付加されたPDLデータ)を印刷ジョブ格納部120に格納する。
また、プリンタドライバ110(#10A)では、色判定部112は、PDL変換部111によって変換されたPDLデータ(印刷対象の印刷データ)に関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定し(ステップS301)、処理部114は、色判定部112によって判定されたJob1に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、画像形成装置20Aに向けて送信する(ステップS302)。
次に、処理部113は、印刷ジョブ格納部120に格納されている印刷対象の印刷ジョブ(Job1)に含まれるPDLデータ(属性情報が付加されたPDLデータ)を、要求元情報に基づく要求元例えば画像形成装置20Aに向けて送信する(ステップS303)。
次に、画像形成装置による印刷処理(画像形成処理)について、図15を参照して説明する。
なお、図15はその印刷処理(画像形成処理)の処理手順を示すフローチャートである。
例えばコンピュータ10AがステップS302において色判定結果つまり印刷ジョブ(Job1)に関するページ毎の色情報を画像形成装置20Aに向けて送信するとともに(図13のS421)、ステップS303において印刷対象の印刷ジョブ(Job1)にかかわる印刷データ(PDLデータ)を画像形成装置20Aに向けて送信する(図13のS422)。
画像形成装置20Aでは、コントローラ200の送受信部210は、図15に示すように、印刷ジョブの印刷要求を受信したか否かを判断し(ステップS401)、このステップS401において印刷ジョブの印刷要求を受信したと判断した場合は、この印刷ジョブは最初の印刷ジョブの印刷要求であるか否かを判断する(ステップS402)。
送信受信部210は、ステップS402において、今回受信した印刷ジョブの印刷要求は最初の印刷ジョブの印刷要求であると判断した場合は、例えばコンピュータ10Aから送信されたJob1に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を受信するとともに(ステップS403)、当該Job1にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信し(ステップS404)、これらの受信した受信データを受信メモリ220に格納する(ステップS405)。
モード解析部260では、色情報取得部261は、受信メモリ220に格納された受信データのうち、Job1に関するページ毎の色情報を取得し、この取得したページ毎の色情報を印刷モード決定部262へ出力する。
印刷モード決定部262は、色情報取得部261からのJob1に関するページ毎の色情報を基にカラーモードまたはモノクロモードを判定し(図13のPr11)、この判定した結果を印刷モードとして決定するとともに(ステップS406)、当該印刷モード情報を印刷順番変更部263および出力管理部270へ出力する。
ここで、印刷モードの判定は、最初の印刷ジョブに関しては、当該印刷ジョブに関するページ毎の色情報に基づいて行われ、2番目以降の印刷ジョブに関しては、取得された複数の印刷ジョブに関するページ毎の色情報に基づいて行われる。
印刷順番変更部263は、取得した印刷モード情報が1つの印刷ジョブに対しての印刷モードを示しているときは、最初の印刷ジョブしかないことになるので実際の印刷順番の変更は実施しない。この場合は、当該印刷ジョブが最初(1番目)の印刷順番となる。
すなわち、画像形成装置20Aには、印刷対象の印刷ジョブはJob1のみしか存在しないので、印刷順番変更部263は、印刷ジョブとしてJob1に決定したことになり、印刷ジョブの順序の入れ替えは行わない。
そのため、印刷順番変更部263は、最初の印刷ジョブにかかわる印刷モード情報を印刷モード決定部262から取得したときは、1番目の印刷ジョブである旨(印刷順番の変更なしの旨)を出力管理部270へ出力する。
1番目の印刷ジョブである旨(印刷順番の変更なしの旨)を受け取った出力管理部270は、PDL解析部230に対し、モード解析部260の印刷順番変更部263からの印刷順番に従った印刷ジョブにかかわる印刷データを解析するよう依頼する。この例では、出力管理部270は、PDL解析部230に対し、印刷順番が1番目の印刷ジョブ(Job1)を解析するよう依頼する。
ここで、受信メモリ220には、印刷ジョブ(Job1)にかかわる印刷データ(PDLデータ)およびページ毎の色情報のみしか格納されていない。
すると、PDL解析部230は、受信メモリ220に記憶されている印刷ジョブ(Job1)にかかわるPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換して、これを描画部240へ出力する。
描画部240は、PDL解析部230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
このようにして1ページ分の印刷画像(画像データ)が生成されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し(図18のPr21)、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(ステップS407、図13のS423)。
すなわち、エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データ(Job1にかかわる画像データ)に基づき印刷処理を実施する(図13のPr31)。
ステップS407を終了したコントローラ200は、ステップS401に戻る。
コントローラ200の送受信部210は、ステップS401において印刷ジョブの印刷要求がないと判断した場合は、前回の印刷ジョブの印刷要求を受信してから、予め設定される時間Tを経過したか否かを判断し(ステップS408)、このステップS408において、その時間Tを経過していないと判断した場合にはステップS401に戻り、一方、その時間Tを経過したと判断した場合はこの処理を終了する。
ところで、画像形成装置20AによるJob1の印刷処理中に、コンピュータ11Aのプリンタドライバ110(#11A)は、アプリケーションソフトウェア140(#11A)からの3ページ分の文書データを印刷データ(Job2)つまりPDLデータ(Job2)に変換するとともに、当該PDLデータ(Job2)に関するページ毎の画像の色を判定する。
次に、プリンタドライバ110(#11A)は、上記判定した結果(Job2に関するページ毎の色情報、図6(b)参照)を画像形成装置20Aに向けて送信するとともに(図13のS424)、前記Job2にかかわるPDLデータを画像形成装置20Aに向けて送信する(図13のS425)。
同様に、コンピュータ12Aのプリンタドライバ110(#12A)は、アプリケーションソフトウェア140(#12A)からの5ページ分の文書データを印刷データ(Job3)つまりPDLデータ(Job3)に変換するとともに、当該PDLデータ(Job3)に関するページ毎の画像の色を判定する。
次に、プリンタドライバ110(#12A)は、上記判定した結果(Job2に関するページ毎の色情報、図6(b)参照)を画像形成装置20Aに向けて送信するとともに(図13のS426)、前記Job3にかかわるPDLデータを画像形成装置20Aに向けて送信する(図13のS427)。
ここで、画像形成装置20Aでは、送受信部210は、コンピュータ10Aから送信されたJob1に関するページ毎の色情報および印刷データとしてのPDLデータを受信してから予め設定された時間Tを経過する前に、コンピュータ11Aから送信されたJob2に関するページ毎の色情報および印刷データとしてのPDLデータを受信したとする。
また、送受信部210は、コンピュータ11Aから送信されたJob2に関するページ毎の色情報および印刷データとしてのPDLデータを受信してから予め設定された時間Tを経過する前に、コンピュータ12Aから送信されたJob3に関するページ毎の色情報および印刷データとしてのPDLデータを受信したとする。
この場合、送受信部210は、コンピュータ11Aおよびコンピュータ12Aのそれぞれから送信されたページ毎の色情報および印刷データ(PDLデータ)を受信した場合に、ステップS401において印刷ジョブの印刷要求があると判断し、ステップS402において、今回受信した印刷ジョブの印刷要求は最初の印刷ジョブの印刷要求ではないと判断する。
そのため、送信受信部210は、例えばコンピュータ11Aから送信されたJob2に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を受信するとともに(ステップS409)、Job2にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信し(ステップS410)、これらの受信した受信データを受信メモリ220に格納する(ステップS411)。
同様に、送信受信部210は、例えばコンピュータ12Aから送信されたJob3に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を受信するとともに(ステップS409)、Job3にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信し(ステップS410)、これらの受信した受信データを受信メモリ220に格納する(ステップS411)。
この時点において、受信メモリ220には、Job2に関するページ毎の色情報および印刷データ(PDLデータ)と、Job3に関するページ毎の色情報および印刷データ(PDLデータ)と、が記憶されている。
モード解析部260では、色情報取得部261は、受信メモリ220に格納された受信データのうち、Job2に関するページ毎の色情報およびJob3に関するページ毎の色情報を取得し、これらの取得したページ毎の色情報を印刷モード決定部262へ出力する。
印刷モード決定部262は、色情報取得部261からの複数の印刷ジョブ(この例ではJob2、Job3)のそれぞれに関するページ毎の色情報と既に取得している最初の印刷ジョブ(この例ではJob1)に関するページ毎の色情報を基にカラーモードまたはモノクロモードを判定し(図13のPr11)、この判定した結果を印刷モードとして決定するとともに(ステップS412)、当該印刷モード情報を印刷順番変更部263および出力管理部270へ出力する。
印刷順番変更部263は、取得した複数の印刷ジョブ(この例ではJob1、Job2、Job3)にかかわる印刷モード情報を基に複数の印刷ジョブ(Job1、Job2、Job3)の順序を入れ替える(ステップS413)。
この場合、印刷順番変更部263は、印刷にかかわる生産性の観点から、図9(a)に示したようにJob1、Job3、Job2の順番でこれらの印刷ジョブを印刷した方がよいと判断し、印刷ジョブの順序を入れ替えて、送受信部210が受信した順番の並びである「Job1、Job2、Job3」を「Job1、Job3、Job2」の並びに変更する。
そして、印刷順番変更部263は、「Job1、Job3、Job2」の順番の並びである旨を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、PDL解析部230に対し、モード解析部260の印刷順番変更部263からの印刷順番(Job1、Job3、Job2)に従った印刷ジョブ(印刷データ)を解析するよう依頼する。
PDL解析部230は、受け取った上記印刷順番(Job1、Job3、Job2)のうち、Job1にかかわるPDLデータについては既に解析していると認識して、受信メモリ220に記憶されているJob3にかかわるPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換して、これを描画部240へ出力する。
描画部240は、PDL解析部230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
このようにして1ページ分の印刷画像(画像データ)が生成されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し(図13のPr21)、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(ステップS407、図13のS428)。
すなわち、エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データ(Job3にかかわる画像データ)に基づき印刷処理を実施する(図13のPr41)。
次に、Job3にかかわるPDLデータの解析を終了したPDL解析部230は、受信メモリ220に記憶されているJob2にかかわるPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換して、これを描画部240へ出力する。
描画部240は、PDL解析部230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
このようにして1ページ分の印刷画像(画像データ)が生成されると、出力管理部270は、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し(図13のPr21)、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(ステップS407、図13のS429)。
すなわち、エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データ(Job2にかかわる画像データ)に基づき印刷処理を実施する(図13のPr51)。
上述したように画像形成装置20Aは、Job1、Job2、Job3の各印刷データの全てを保存するためのハードディスクやRAM(随時書き込み読み出しメモリ)など記憶資源(例えば受信メモリ220)を有し、処理装置としてのコンピュータから送信された複数の印刷ジョブ(Job1、Job2、Job3)にかかわる印刷データを前記記憶資源(例えば受信メモリ220)に保存して、複数の印刷ジョブの順番の入れ替えを行う。そのため、実施の形態2の画像形成装置は、実施の形態1の画像形成装置に比較して、コンピュータとの印刷データの送信要求などオーバヘッド処理が不要となる。
実施の形態2の画像形成装置20Aのハードウェア構成は、図10に示した実施の形態1の画像形成装置20と同様になっている。
なお、記憶装置22には、上述したモード解析部260(図12参照)の機能を実現するためのプログラム、および印刷処理(画像形成処理)の処理手順(図15参照)に対応するプログラムを含んでいる。モード解析部260の機能には、色情報取得部261、印刷モード決定部262、および印刷順番変更部263の各機能が含まれている。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る画像形システムは、図1に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成になっている。なお、この実施の形態3では、コンピュータ10,11,12をそれぞれコンピュータ10B,11B,12Bとし、画像形成装置20を画像形成装置20Bとする。
図16は、実施の形態3に係る処理装置の構成を示している。この処理装置としてのコンピュータ10Bは、図2に示した実施の形態1のコンピュータ10の構成においてデータ要求取得部114を取得部115に変更した構成になっている。なお、図16において、図2に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
取得部115は、処理部112による稼働状態の問い合わせに対する結果としての画像形成装置20からの当該画像形成装置の稼働状態を示す稼働状態情報を取得し、この稼働状態情報を処理部113出力する。
また、取得部115は、画像形成装置20Bから送信される印刷データの送信要求を取得し、これを処理部113へ通知する。
処理部113は、画像形成装置20Bに対し当該画像形成装置の稼働状態を問い合わせするとともに、取得部115から出力され、前記問い合わせに対する結果としての画像形成装置20Bからの稼働状態情報に基づき予め設定された処理を実施する。
すなわち、処理部113は、取得部115が取得した稼働状態情報が稼働していない旨を示しているときは、印刷対象の印刷データを画像形成装置20に向けて送信するとともに、取得部115が取得した稼働状態情報が稼働中の旨を示しているときは、色判定部112によって判定された印刷対象の印刷データつまり印刷ジョブに関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を印刷対象の印刷データの送信前に画像形成装置20Bに向けて送信する。
また、処理部113は、取得部115から通知された印刷データの送信要求を受け取った場合は、印刷対象の印刷データを画像形成装置20Bに向けて送信する。
図17は、実施の形態3に係る画像形成装置の構成を示している。この画像形成装置20Bは、図3に示した実施の形態1の画像形成装置20の構成において、色判定部300を追加した構成になっている。なお、図17において、図3に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付す。
色判定部300は、印刷処理可能状態において送受信部210が印刷対象の印刷データを受信した場合に、PDL解釈部230から出力される前記印刷データの解釈結果を基にページ毎に当該ページの画像に関する色がカラーまたはモノクロであるかを判定し、この判定したページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)をモード解析部260へ出力する。
モード解析部260では、印刷モード決定部262が、色判定部300からのページ毎の色情報を取得し、この取得したページ毎の色情報を基にカラーモードまたはモノクロモードを判定する。
実施の形態3において、送受信部210は、受信したデータが当該画像形成装置の稼働状態の問い合わせ情報の場合は、その問い合わせ情報を出力管理部270へ出力するとともに、出力管理部270からの当該問い合わせに対する結果を当該問い合わせ元に向けて送信する。
また、送受信部210は、印刷処理可能状態において印刷対象の印刷データ(PDLデータ)を受信した場合に、印刷処理可能状態において受信された印刷データである旨をPDL解析部230へ通知する。
PDL解析部230は、上記印刷処理可能状態において受信された印刷データである旨を受け取った場合に、受信メモリ220に記憶されている当該印刷データ(PDLデータ)を解析し、この解析した結果を描画部240および色判定部300へ出力する。
出力管理部270は、当該画像形成装置が印刷処理中であるか否かを判断し、この判断した結果つまり当該画像形成装置の稼働状態を示す稼働状態情報を問い合わせ元に向けて送信する。この稼働状態情報は、稼働中である旨(印刷処理中)または稼働していない旨(印刷処理可能である旨)である。
出力管理部270は、例えば、送受信部210によって受信された全ての印刷ジョブにかかわる印刷データについての画像データをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力し、このエンジン部201からの印刷完了の旨をエンジンI/F部280を介して取得したときは、当該画像形成装置は稼働していない(印刷処理可能である)と判断するようになっている。
また、出力管理部270は、例えば、画像メモリ250に画像データが格納されている場合、印刷ジョブにかかわる複数のページ全ての画像データをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力していない場合、エンジン部201から通知される印刷完了の旨をエンジンI/F部280を介して取得していない場合などのときは、稼働中(印刷処理中)であると判断するようになっている。
実施の形態3においては、図18に示すように、コンピュータ10A〜12Aのアプリケーションソフトウェア140をそれぞれアプリケーションソフトウェア140(#10B),140(#11B),140(#12B)とするとともに、コンピュータ10〜12のプリンタドライバ110を110(#10B),110(#11B),110(#12B)とする。
また、実施の形態3においては、実施の形態1の前提条件1から前提条件3および前提条件5、述次の前提条件7の下、画像形成処理(印刷処理)が実施されるものとする。
(前提条件7)
コンピュータ10B、コンピュータ11B、コンピュータ12Bの順番で、画像形成装置20Bに対して稼働状態の問い合わせを行うものとする。
実施の形態3では、コンピュータ10B(コンピュータ11B,12Bも同様)において、取得部115は稼働状態情報取得手段の機能を有し、色判定部112は判定手段の機能を有し、処理部113は処理手段の機能を有する。
また、画像形成装置20Bにおいて、送受信部210は通信手段の機能を有し、色情報取得部261は取得手段の機能を有し、印刷モード決定部262は決定手段の機能を有し、印刷順番変更部263は変更手段の機能を有し、印刷データ要求部264は要求手段の機能を有し、色判定部300は色判定手段の機能を有する。また、印刷モード決定部262は、色判定部300からのページ毎の色情報を取得するので、取得手段の機能も有する。
次に、コンピュータのプリンタドライバによる印刷制御処理について、図19を参照して説明する。
なお、図19はその印刷制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
ここでは、コンピュータ10Bに注目してその印刷制御処理について説明するが、コンピュータ11B,12Bも同様の印刷制御処理を実施する。
コンピュータ10Bにおいて、プリンタドライバ110(#10B)では、処理部113は、送受信部130を介して、画像形成装置20に対し当該画像形成装置の稼働状態を問い合わせする(ステップS501)。
その問い合わせを受け取った画像形成装置20Bは、当該画像形成装置に関する稼働状態情報を上記問い合わせに対する結果としてコンピュータ10Bに向けて送信する。
プリンタドライバ110(#10B)では、取得部115が、送受信部130を介して画像形成装置20Bからの稼働状態情報を取得すると(ステップS502)、この稼働状態情報を処理部113へ出力する。
処理部113は、取得部115からの稼働状態情報を基に画像形成装置20Bは稼働中であるか否かを判断する(ステップS503)。
ここで、稼働状態情報が、「稼働中である旨(印刷処理中)」を示している場合には、画像形成装置20Bは稼働中であると判断され、一方、「稼働していない旨(印刷処理可能である旨)」を示している場合は、画像形成装置20Bは稼働中ではないと判断されるようになっている。
プリンタドライバ110(#10B)は、ステップS503において、処理部113によって画像形成装置20Bは稼働中であると判断された場合には、図4に示した実施の形態1の印刷制御処理のステップS101〜S104と同様の処理を実施し(ステップS504〜S507)、一方、処理部113によって画像形成装置20Bは稼働中ではないと判断された場合は、図4に示した印刷制御処理のステップS104と同様の処理であるステップS507へ進む。
すなわち、プリンタドライバ110(#10B)では、処理部113は、取得部115が取得した稼働状態情報が稼働していない旨を示しているときは、送受信部130を介して、印刷対象の印刷データを画像形成装置20に向けて送信する。
これに対し、処理部113は、取得部115が取得した稼働状態情報が稼働中の旨を示しているときは、送受信部130を介して、色判定部112によって判定された印刷対象の印刷データに関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、印刷対象の印刷データの送信前に画像形成装置20Bに向けて送信する。
ここで、上述した印刷制御処理について図19を参照して具体的に説明する。上記前提条件7で説明したように、コンピュータ10B、コンピュータ11B、コンピュータ12Bの順番で、画像形成装置20Bに対して稼働状態の問い合わせが行われるものとする。
図18に示すように、コンピュータ10Bのプリンタドライバ110(#10B)が、画像形成装置20Bに対し稼動状態情報の問い合わせを行った場合(S511)、画像形成装置20Bは、印刷処理可能状態であるので、印刷処理可能である旨を示す稼動状態情報をコンピュータ10Bに対し送信する(S512)。
プリンタドライバ110(#10B)は、上記印刷処理可能である旨を示す稼動状態情報を取得したときは、印刷対象の印刷ジョブ(Job1)にかかわる印刷データを画像形成装置20Bに向けて送信する(S513)。
次に、コンピュータ11Bのプリンタドライバ110(#11B)が、画像形成装置20Bに対し稼動状態情報の問い合わせを行った場合(S514)、画像形成装置20Bは、コンピュータ10BからのJob1にかかわる印刷データに対する印刷処理を実施しているので、稼動中である旨を示す稼動状態情報をコンピュータ11Bに対し送信する(S515)。
プリンタドライバ110(#11B)では、取得部115が上記稼動中である旨を示す稼動状態情報を取得したときは、色判定部112が印刷対象の印刷データ(PDLデータ)に関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定し、さらに処理部113が前記判定された結果つまりJob2に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、画像形成装置20Bに向けて送信する(S516)。
続いて、コンピュータ12Bのプリンタドライバ110(#12B)が、画像形成装置20Bに対し稼動状態情報の問い合わせを行った場合(S517)、画像形成装置20Bは、コンピュータ10BからのJob1にかかわる印刷データに対する印刷処理を実施しているので、稼動中である旨を示す稼動状態情報をコンピュータ12Bに対し送信する(S518)。
プリンタドライバ110(#12B)では、取得部115が上記稼動中である旨を示す稼動状態情報を取得したときは、色判定部112が印刷対象の印刷データ(PDLデータ)に関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定し、さらに処理部113が前記判定された結果つまりJob3に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、画像形成装置20Bに向けて送信する(S519)。
次に、画像形成装置による印刷処理(画像形成処理)について、図20を参照して説明する。
なお、図20はその印刷処理(画像形成処理)の処理手順を示すフローチャートである。
ここで、上記前提条件7で説明したように、コンピュータ10B、コンピュータ11B、コンピュータ12Bの順番で、画像形成装置20Bに対して稼働状態の問い合わせが行われるものとする。
最初にコンピュータ10Bが稼動状態の問い合わせを画像形成装置20Bに対して行うと(図18のS511)、この稼動状態の問い合わせ情報は、通信回線30を介して、画像形成装置20Bのコントローラ200の送受信部210によって受信される。
送受信部210は、受信したデータは当該画像形成装置の稼動状態の問い合わせ情報であると認識して、この問い合わせ情報を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、例えば画像メモリ250には画像データが記憶されていないので印刷処理可能状態であると判断し、図20に示すように、送受信部210を介して、稼働していない旨(印刷処理可能である旨)を示す稼動状態情報を、問い合わせ元であるコンピュータ10Bに向けて送信する(ステップS601、図18のS512)。
送受信部210は、上記稼動状態情報を問い合わせ元であるコンピュータ10Bに向けて送信した後、データを受信したか否かを判断し(ステップS602)、このステップS602においてデータを受信したと判断した場合は、その受信データは最初の印刷データであるか否かを判断する(ステップS603)。
ここで、稼働していない旨(印刷処理可能である旨)を示す稼動状態情報を受け取ったコンピュータ10Bが、印刷対象の印刷ジョブ(Job1)にかかわる印刷データ(PDLデータ)を画像形成装置20Bに向けて送信すると(図18のS512)、画像形成装置20Bのコントローラ200では、送受信部210が、その印刷対象の印刷ジョブ(Job1)にかかわる印刷データを受信する。
なお、送受信部210は、稼働していない旨(印刷処理可能である旨)を示す稼動状態情報を送信した後に受信した上記印刷対象の印刷データは、最初の印刷データであると認識するようになっている。
さて、送受信部210は、ステップS603において受信データつまり印刷対象の印刷ジョブ(Job1)にかかわる印刷データは最初の印刷データであると判断した場合は、当該印刷データを受信メモリ220に格納するとともに、印刷処理可能状態において受信された印刷データである旨をPDL解析部230へ通知する。
PDL解析部230は、上記印刷処理可能状態において受信された印刷データである旨を受け取った場合に、受信メモリ220に記憶されているJob1にかかわる印刷データつまりPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換して、これを描画部240および色判定部300へ出力する。
描画部240は、PDL解析部230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
一方、色判定部300は、PDL解釈部230から出力される解析結果(Job1に関するPDLデータの解析結果)を基にページ毎に当該ページの画像に関する色がカラーまたはモノクロであるかを判定し(ステップS604)、この判定したページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)をモード解析部260へ出力する。
モード解析部260では、印刷モード決定部262は、色判定部300からのページ毎の色情報を取得し、この取得したページ毎の色情報を基にカラーモードまたはモノクロモードを判定し、この判定した結果を印刷モードとして決定するとともに(ステップS605)、当該印刷モード情報を印刷順番変更部263および出力管理部270へ出力する。
印刷順番変更部263は、取得した印刷モード情報が1つの印刷ジョブに対しての印刷モードを示しているときは、最初の印刷ジョブしかないことになるので実際の印刷順番の変更は実施しない。この場合は、当該印刷ジョブが最初(1番目)の印刷順番となる。
そのため、印刷順番変更部263は、最初の印刷ジョブにかかわる印刷モード情報を印刷モード決定部262から取得したときは、1番目の印刷ジョブである旨(印刷順番の変更なしの旨)を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、図20に示すように、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し(図18のPr22)、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(ステップS606、図18のS520)。
すなわち、エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データ(Job1にかかわる画像データ)に基づき印刷処理を実施する(図18のPr32)。
ステップS606を終了したコントローラ200は、ステップS602に戻る。
コントローラ200の送受信部210は、ステップS602においてデータを受信していないと判断した場合は、前回のデータを受信してから、予め設定される時間Tを経過したか否かを判断し(ステップS607)、このステップS607において、その時間Tを経過していないと判断した場合にはステップS602に戻り、一方、その時間Tを経過したと判断した場合はこの処理を終了する。
ところで、画像形成装置20BによるJob1の印刷処理中に、コンピュータ11Bのプリンタドライバ110(#11B)が、画像形成装置20Bに対し稼動状態情報の問い合わせを行った場合(図18のS514)、画像形成装置20Bでは、コントローラ200の送受信部210は、受信した稼動状態の問い合わせ情報を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、例えば画像メモリ250には印刷ジョブ(Job1)にかかわる画像データが格納されているので当該画像形成装置は稼動中であると判断して、送受信部210を介して、稼動中である旨を示す稼動状態情報をコンピュータ11Bに対し送信する(図18のS515)。
そして、コンピュータ11Bでは、プリンタドライバ110(#11B)の取得部115が上記稼動中である旨を示す稼動状態情報を取得したときは、色判定部112が印刷対象の印刷ジョブ(Job2)にかかわる印刷データつまりPDLデータに関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定する。次に、処理部113は、色判定部112によって判定された結果つまりJob2に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、画像形成装置20Bに向けて送信する(図18のS516)。
これにより、画像形成装置20Bでは、コントローラ200の送受信部210は、図20に示すように、コンピュータ11BからのJob2に関するページ毎の色情報を受信し、ステップS602においてデータを受信したと判断し、またステップS603において今回受信したデータは最初の印刷データではないと判断し、その後、今回受信したデータはページ毎の色情報であるか否かを判断する(ステップS608)。
送受信部210は、ステップS603において今回受信したデータがページ毎の色情報であると判断した場合は当該ページ毎の色情報をモード解析部260の色情報取得部261へ出力する。
上述したような処理と同様に、画像形成装置20BによるJob1の印刷処理中に、コンピュータ12Bのプリンタドライバ110(#12B)が、画像形成装置20Bに対し稼動状態情報の問い合わせを行った場合(図18のS517)、画像形成装置20Bでは、コントローラ200の送受信部210は、受信した稼動状態の問い合わせ情報を出力管理部270へ出力する。
出力管理部270は、例えば画像メモリ250には印刷ジョブ(Job1)にかかわる画像データが格納されているので当該画像形成装置は稼動中であると判断して、送受信部210を介して、稼動中である旨を示す稼動状態情報をコンピュータ12Bに対し送信する(図18のS518)。
そして、コンピュータ12Bでは、プリンタドライバ110(#12B)の取得部115が上記稼動中である旨を示す稼動状態情報を取得したときは、色判定部112が印刷対象の印刷ジョブ(Job3)にかかわる印刷データつまりPDLデータに関してページ毎に当該ページの画像がカラーあるいはモノクロの何れの色であるかを判定する。次に、処理部113は、色判定部112によって判定された結果つまりJob3に関するページ毎の色情報(カラーまたはモノクロを示す情報)を、画像形成装置20Bに向けて送信する(図18のS519)。
これにより、画像形成装置20Bでは、コントローラ200の送受信部210は、図20に示すように、コンピュータ12BからのJob3に関するページ毎の色情報を受信し、ステップS602においてデータを受信したと判断し、またステップS603において今回受信したデータは最初の印刷データではないと判断し、さらにステップS608において、今回受信したデータはページ毎の色情報であると判断し、当該ページ毎の色情報をモード解析部260の色情報取得部261へ出力する。
モード解析部260では、色情報取得部261が、取得したJob2に関するページ毎の色情報とJob3に関するページ毎の色情報とを印刷モード決定部262へ出力すると、印刷モード決定部262は、前記Job2およびJob3のそれぞれに関するページ毎の色情報と既に取得している色判定部300からのJob1に関するページ毎の色情報とを基に、カラーモードまたはモノクロモードを判定し(図18のPr12)、この判定した結果を印刷モードとして決定するとともに(ステップS609)、当該印刷モード情報を印刷順番変更部263および出力管理部270へ出力する。
この場合、モード解析部260では、印刷にかかわる生産性の観点から、図9(a)に示したように、Job1、Job3、Job2の順番でこれらの印刷ジョブを印刷した方がよいと判断する。
すなわち、印刷モード決定部262は、(1)最初のJob1にかかわる1ページ目から5ページ目までの5ページ分の画像データ、Job3かかわる1ページ目から3ページ目までの3ページ分の画像データについてはカラーモードで印刷し、(2)次に、Job3にかかわる4ページ目および5ページ目の2ページ分の画像データ、Job2かかわる1ページ目および2ページ目の2ページ分の画像データの合計4ページ分の画像データについてはモノクロモードで印刷し、(3)最後に、Job2かかわる3ページ目の1ページ分の画像データについてはカラーモードで印刷するようにすることが、印刷にかかわる生産性が一番よいと判断する。
なお、Job1に関しては現在印刷処理中であるので、印刷順番が変更されることなく1番目で決定される。
ちなみに、印刷モード決定部262によって判断された上記各モードは、印刷モードとして印刷順番変更部263および出力管理部270に向けて出力される。
印刷順番変更部263は、受け取った上記印刷モードに従って複数の印刷ジョブ(Job1、Job2、Job3)の印刷順番を変更し、この変更後の印刷順番(Job1、Job3、Job2)を印刷データ要求部264へ出力する。
印刷データ要求部264は、送受信部210を介して、受け取った上記印刷順番(Job1、Job3、Job2)に応じたコンピュータに対し、印刷データの送信要求を送信する(ステップS610)。
ステップS610を終了した場合、コントローラ200は、ステップS602に戻る。
ステップS610においては、印刷データ要求部264は、1番目の印刷順番であるJob1にかかわる印刷データに関しては既に受信されているものとみなし、2番目の印刷順番であるJob3の印刷ジョブを依頼したコンピュータ12Bに対し、送信要求タイミングT2(図8参照)で印刷データの送信要求を送信する(図18のS521)。
この送信要求を受け取ったコンピュータ12Bでは、プリンタドライバ110(#12B)の処理部113は、印刷ジョブ格納部120に格納されているJob3にかかわる印刷データ(PDLデータ)を読み出して画像形成装置20Bに向けて送信する(図18のS522)。
画像形成装置20Bでは、コントローラ200の送受信部210は、上記Job3にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信した場合、ステップS602においてデータを受信したと判断し、次にステップS603において今回受信したデータは最初の印刷データではないと判断し、さらにステップS608において今回受信したデータはページ毎の色情報ではないと判断し、最終的に、今回受信したデータは2番目以降の印刷データ(PDLデータ)であると判断する。
送受信部210が受信した印刷ジョブ(Job3)にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信メモリ220に格納すると、PDL解析部230は、受信メモリ220に記憶されているJob3にかかる印刷データつまりPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換して、これを描画部240および色判定部300へ出力する。
描画部240は、PDL解析部230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
出力管理部270は、ステップS606の処理と同様に、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し(図18のPr22)、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(図18のS523)。
すなわち、エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データ(Job3にかかわる画像データ)に基づき画像形成(印刷)処理を実施する(図18のPr42)。
上述したような処理と同様に、印刷データ要求部264は、3番目の印刷順番であるJob2の印刷ジョブを依頼したコンピュータ11Bに対し、送信要求タイミングT3(図8参照)で印刷データの送信要求を送信する(図18のS524)。
この送信要求を受け取ったコンピュータ11Bでは、プリンタドライバ110(#11B)の処理部113は、印刷ジョブ格納部120に格納されているJob2にかかわる印刷データ(PDLデータ)を読み出して画像形成装置20Bに向けて送信する(図18のS525)。
画像形成装置20Bでは、コントローラ200の送受信部210は、上記Job2にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信した場合、ステップS602においてデータを受信したと判断し、次にステップS603において今回受信したデータは最初の印刷データではないと判断し、さらにステップS608において今回受信したデータはページ毎の色情報ではないと判断し、最終的に、今回受信したデータは2番目以降の印刷データ(PDLデータ)であると判断する。
送受信部210が受信した印刷ジョブ(Job2)にかかわる印刷データ(PDLデータ)を受信メモリ220に格納すると、PDL解析部230は、受信メモリ220に記憶されているJob2にかかわる印刷データつまりPDLデータを解析し、描画部240で描画可能なプリミティブなコマンド群(ディスプレイリスト)に変換して、これを描画部240および色判定部300へ出力する。
描画部240は、PDL解析部230によって変換されたコマンド群に基づいて印刷画像(ビットマップ画像)を画像メモリ250に形成して、1ページ分の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
出力管理部270は、ステップS606の処理と同様に、画像メモリ250から1ページ分の画像データを読み出し(図18のPr22)、この画像データと、モード解析部260(の印刷モード決定部262)から既に受け取っている印刷モード情報とをエンジンI/F部280を介してエンジン部201へ出力する(図18のS526)。
すなわち、エンジンI/F部280は、エンジ部201に対し、出力管理部270からの1ページ分の画像データと印刷モード情報を出力して、印刷処理を開始させる。これにより、エンジン部201は、コントローラ200のエンジンI/F部280からの印刷モードに従ってエンジンI/F部280からの画像データ(Job2にかかわる画像データ)に基づき画像形成(印刷)処理を実施する(図18のPr52)。
コンピュータは、ユーザによる印刷の指示を受け付けた場合に、印刷要求を行う画像形成装置に対し、当該画像形成装置の稼動状態を問い合わせ、その問い合わせに対する結果が印刷処理可能である旨を示しているときは、印刷対象のデータを当該画像形成装置に向けて送信する。これにより、コンピュータは、印刷対象のデータを画像形成装置に向けて送信した後は、他の処理を実施する。
一方、コンピュータは、上記問い合わせに対する結果が稼動中である旨を示しているときは、印刷対象のデータについてページ毎の色判定を実施し、このページ毎の色情報を当該画像形成装置に向けて送信する。これにより、コンピュータは、画像形成装置による他の印刷ジョブの印刷処理の実行中に、印刷対象のデータにかかわるページ毎の色判定を実施し、画像形成装置での当該色判定の処理を省略させ、負荷を軽減させる。
実施の形態3の画像形成装置20Bのハードウェア構成は、図10に示した実施の形態1の画像形成装置20と同様になっている。
なお、記憶装置22には、上述したモード解析部260(図17参照)の機能を実現するためのプログラム、および印刷処理(画像形成処理)の処理手順(図20参照)に対応するプログラムを含んでいる。モード解析部260の機能には、色情報取得部261、印刷モード決定部262、印刷順番変更部263、および印刷データ要求部264の各機能が含まれている。
次に、実施の形態3に係るコンピュータ10のハードウェア構成について、図10を参照して説明する。
処理装置としてのコンピュータ10(10B)は、図21に示すように、CPU101、ハードディスクなどの記憶装置102、ROM103、RAM104、表示装置105、入力装置106、および通信インタフェース(通信I/F)107を有している。これらの構成要素101〜106はシステムバス108に接続されている。
記憶装置102は、プリンタドライバ110(図16参照)の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、上述した印刷制御処理の処理手順(図19参照)に対応するソフトウェア(プログラム)、アプリケーションソフトウェア140(図16参照)、などインストールされた各種のプログラムを記憶している。
ここで、プリンタドライバ110には、処理プログラム102Aが含まれている。この処理プログラム102Aは、当該プリンタドライバ110の各機能を実現するためのプログラムと、上述した印刷制御処理の処理手順に対応するプログラムとが含まれている。ちなみに、プリンタドライバ110の各機能は、図16に示したPDL変換部111、色変換部112、処理部113、および取得部115の各機能である。
また、記憶装置102は、アプリケーションソフトウェア140により作成された文書データや、プリンタドライバ110により生成された印刷データ(PDLデータ)などを記憶している。さらに、記憶装置102は印刷ジョブ格納部120(図16参照)の機能を有する。
ROM103は、読み出し専用メモリであり、通信プロトコル情報などを記憶している。
RAM104は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置102から読み込まれた各種のプログラム(処理プログラム102Aを含むプリンタドライバ110など)を記憶するとともに、ROM103から読み込まれた通信プロトコル情報を記憶する。
また、RAM104は、送受信部130によって送受信されるデータ、例えば画像形成装置に向けて送信される画像形成装置の稼動状態問い合わせ情報、印刷ジョブに関するページ毎の色情報、印刷対象の印刷データなど送信データを記憶するとともに、画像形成装置からの印刷データの送信要求情報など受信データを記憶する。
表示装置105は、例えばディスプレイ装置で構成され、ユーザがアプリケーションソフトウェア140を利用して文書の作成する場合の文書内容、印刷設定するための設定画面など表示情報を表示するためのものである。
入力装置106は、例えばキーボードおよびマウスで構成され、文書の作成、印刷設定、印刷指示など、入力情報や指令を入力するためのものである。
通信I/F107は、画像形成装置20との通信を行うものであり、例えば、画像形成装置の稼動状態問い合わせ情報、印刷対象の印刷ジョブにかかわる印刷データ、印刷ジョブに関するページ毎の色情報など画像形成装置20(20B)に向けて送信するとともに、画像形成装置20(20B)からの稼動状態情報や印刷データの送信要求を受信する。この通信I/F107は上述した送受信部130(図16参照)の機能を有する。
CPU101は、中央演算処理装置であり、記憶装置102からRAM104へ、処理プログラム102Aを含むプリンタドライバ110を読み込んで実行することにより、上述したプリンタドライバ110のPDL変換部111、色変換部112、処理部113、および取得部115の各機能を実現する。
また、CPU101は、上記各構成要素102〜107を統括的に制御するとともに当該コンピュータ10全体を制御する。
本願明細書において、処理プログラムを含むプリンタドライバを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該プリンタドライバを次のようにして提供してもよい。
すなわち、上記プリンタドライバをROMに格納しておき、CPUが、このプリンタドライバをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
また、上記プリンタドライバを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。この場合、その記録媒体に記録されたプリンタドライバをコンピュータがインストールした後、このプリンタドライバをCPUが実行するようにする。このプリンタドライバのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、コンピュータは、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプリンタドライバを主記憶装置にローディングして実行する。
さらには、コンピュータを通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、当該コンピュータが、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プリンタドライバをダウンロードした後、このプリンタドライバを実行するようにしてもよい。この場合、このプリンタドライバのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該コンピュータが、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プリンタドライバを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る画像形成システム、処理装置、および画像形成装置は、それぞれ図1に示した実施の形態1の画像形成システム、図16に示した実施の形態3の処理装置、および図17に示した実施の形態3の画像形成装置と同様の構成なっている。
実施の形態4において、ユーザは、画像形成装置20Bの操作パネル202を操作して、印刷順番に関する制限を設定するようにする。
操作パネル202は、印刷順番に関する制限を設定するための設定画面を表示する表示部と、選択肢の選択、設定値など入力情報を入力するための入力部とを有している。
上記入力部には、設定画面に表示される選択肢を選択するためのカーソルを上下方向、左右方向に移動させるボタン(スクロールボタン)、選択した選択肢を確定させるボタン(確定ボタン)、確定した内容を取り消すためのボタン(キャンセルボタン)など、予め設定された機能に応じたボタン(ファンクションボタン)、数字を入力するための「0」〜「9」までの数字に応じたボタン(数字ボタン)などが含まれている。
図22は、印刷順番に関する制限を設定するための設定画面の一例を示す。
この設定画面400は、追い越し制限を設定するための制限項目410、時間制限を設定するための制限項目420、ユーザ制限(User制限)を設定するための制限項目430、モノクロ優先を設定するための制限項目440、カラー優先を設定するための制限項目450を含んでいる。
制限項目410に対応して、印刷順番に関する制限として追い越し制限を適用する旨を指定する指定欄410Aと、当該追い越し制限に関する詳細な制限内容を設定するためのボタン410Bとが設けられている。この追い越し制限に関する詳細な制限内容は、詳細については後述するが、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としてのジョブ制限(Job制限)、枚数制限、ユーザ制限(User制限)など予め設定される制限内容が設定される。
制限項目420に対応して、印刷順番に関する制限として時間制限を適用する旨を指定する指定欄420Aと、当該時間制限に関する詳細な制限内容を設定するためのボタン420Bとが設けられている。この時間制限に関する詳細な制限内容は、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としての時間(時間帯)が設定される。
制限項目430に対応して、印刷順番に関する制限としてユーザ制限を適用する旨を指定する指定欄430Aと、当該ユーザ制限に関する詳細な制限内容を設定するためのボタン40Bとが設けられている。ユーザ制限に関する詳細な制限内容は、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としてのユーザ固有の情報が設定される。ユーザ固有の情報としては、例えば管理者名、指定されるユーザ名などが挙げられる。
制限項目440に対応して、印刷順番に関する制限としてモノクロ優先を適用する旨を指定する指定欄440Aが設けられている。
制限項目450に対応して、印刷順番に関する制限としてカラー優先を適用する旨を指定する指定欄450Aが設けられている。
追い越し制限とは、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としてのジョブ制限(Job制限)、枚数制限、ユーザ制限(User制限)など予め設定される制限内容に該当する印刷ジョブよりも後続の印刷順番の印刷ジョブが、当該制限内容に該当する印刷ジョブの印刷順番よりも早い印刷順番となるような、印刷ジョブの印刷順番の変更を禁止することである。この追い越し制限の詳細については後述する。
時間制限とは、指定された時間において印刷出力される複数の印刷ジョブについては、印刷順番の変更が可能であっても当該複数の印刷ジョブの変更を禁止することである。
例えば、「第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番が「第1の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番に変更されるような場合であっても、指定された時間(例えば午前9:00〜午前12:00までの時間)においては、前記印刷順番の変更は実施されない。
ユーザ制限(User制限)とは、指定されたユーザにかかわる印刷ジョブの印刷順番よりも後続の印刷順番の印刷ジョブが、当該指定されたユーザにかかわる印刷ジョブの印刷順番よりも早い印刷順番となるような、印刷ジョブの印刷順番の変更を禁止することである。
例えば、「第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番が「第1の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番に変更されるような場合であっても、指定されたユーザにかかわる印刷ジョブが第2の印刷ジョブの場合、前記印刷順番の変更は実施されない。
なお、この場合、第1の印刷ジョブと第2の印刷ジョブとが入れ替わるような印刷順番の変更は実施される。すなわち、指定されたユーザにかかわる印刷ジョブ(第2の印刷ジョブ)が印刷出力されるタイミングが早まる分には何ら支障がないからである。
ところで、ユーザは、印刷順番に関する制限として例えば追い越し制限を設定する場合、操作パネル202のカーソルボタンを操作することにより、カーソルを図22の設定画面400における制限項目410の指定欄410Aの位置に移動させ、その後、操作パネル202の確定ボタンを操作(押下)して、選択した内容(カーソルにより指定欄410Aを選択した旨)を確定する。
次に、ユーザは、上記追い越し制限に関する詳細な制限内容を設定するために、操作パネル202のカーソルボタンを操作することにより、カーソルをボタン410Bの位置に移動させ、その後、操作パネル202の確定ボタンを操作(押下)して、選択した内容(カーソルによりボタン410Bを選択した旨)を確定する。
これにより、追い越し制限に関する詳細な制限内容を設定するための詳細設定画面が操作パネル202の表示部(図示せず)に表示されるので、ユーザは、その表示された詳細設定画面に対して詳細な設定を行う。
図25は、追い越し制限に関する詳細な制限内容を設定するための詳細設定画面の一例を示す。
この詳細設定画面500は、追い越し制限に関して、ジョブ制限(Job制限)を設定するための制限項目411、枚数制限を設定するための制限項目412、ユーザ制限(User制限)を設定するための制限項目413を含んでいる。
制限項目411に対応して、追い越し制限としてジョブ制限を適用する旨を指定する指定欄411Aと、ジョブの数を示す数字を設定するための設定欄411Bとが設けられている。
制限項目412に対応して、追い越し制限として枚数制限を適用する旨を指定する指定欄412Aと、ジョブにかかわるページの数(枚数)を示す数字を設定するための設定欄412Bとが設けられている。
制限項目413に対応して、追い越し制限としてユーザ制限を適用する旨を指定する指定欄413Aと、ユーザの数を示す数字を設定するための設定欄413Bとが設けられている。
ジョブ制限411は、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としての印刷ジョブの数(ジョブ数)を示す。
枚数制限412は、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としての印刷ジョブにかかわるページの数(ページ数)を示す。
ユーザ制限413は、印刷ジョブの変更(追い越し)を禁止す基準値としての印刷ジョブにかかわるユーザの数(ユーザ数)を示す。なお、このユーザ制限413は、ユーザ数を示すものなので、ユーザ固有の情報を示すユーザ制限430とは異なる。
なお、同一のユーザが複数の印刷ジョブの印刷指定を行う場合もあるので、印刷ジョブの数と印刷ジョブにかかわるユーザの数とは一致しない。
ここで、追い越し制限の具体例について説明する。
最初に、ジョブ制限が設定された場合の印刷順番が制限される具体例について説明する。
「第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番が「第1の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ」の印刷順番に変更されるような場合、ジョブ制限としてジョブ数=2が設定されているときは、前記印刷順番の変更は実施されない。ちなみに、ジョブ制限としてジョブ数=3が設定されている場合は、前記印刷順番の変更は実施される。
次に、枚数制限が設定された場合の印刷順番が制限される具体例について説明する。
例えば、「第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番が「第1の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番に変更されるような場合、第2の印刷ジョブにかかわるページの数が20(ページ数=20)で、枚数制限としてページ数=10が設定されているときは、前記印刷順番の変更は実施されない。ちなみに、枚数制限としてページ数=25が設定されている場合は、前記印刷順番の変更は実施される。
最後に、ユーザ制限が設定された場合の印刷順番が制限される具体例について説明する。
「第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ」の印刷順番が「第1の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ」の印刷順番に変更されるような場合(各印刷ジョブは異なるユーザに関するものであるとする)、ユーザ制限としてユーザ数=2が設定されているときは、前記印刷順番の変更は実施されない。ちなみに、ユーザ制限としてユーザ数=3が設定されている場合は、前記印刷順番の変更は実施される。
上述した設定画面400および詳細設定画面500に対して設定された内容(選択された制限項目や設定された制限内容)は、制限情報としてパネル制御部280によって取得される。パネル制御部280は、取得した制限情報をモード解析部260の印刷順番変更部263へ出力する。
ところで、実施の形態4において、コンピュータのプリンタドライバによる印刷制御処理は、図19に示した実施の形態3の場合と同様なので、ここでは、その詳細な説明については省略する。
次に、画像形成装置による印刷処理(印刷処理)について、図24を参照して説明する。
なお、図24はその印刷処理(画像形成処理)の処理手順を示すフローチャートである。
この画像形成処理は、図20に示した実施の形態3の印刷処理の処理手順においてステップS620を追加した処理手順になっている。
最初にユーザは、印刷順番に関する制限を設定する場合、上述した設定画面400および詳細設定画面500に対して、上述したように操作パネル202を操作することにより制限項目や制限内容を設定する。このようにして設定された内容(選択された制限項目や設定された制限内容)は、制限情報としてパネル制御部280によって取得される。パネル制御部280は、取得した制限情報をモード解析部260の印刷順番変更部263へ出力する。
印刷順番変更部263は、印刷モード決定部262がステップS609において決定した印刷モードを基に、印刷順番決定処理を実行し(ステップS620)、この実行した結果として印刷順番を印刷データ要求部264へ出力する。
次に、印刷順番変更部262による印刷順番決定処理について、図25を参照して説明する。
図25は、その印刷順番決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
印刷順番変更部262は、ステップS609の処理を終了した印刷モード決定部262からの印刷モード情報を受け取ると、パネル制御部280からの制限情報を受け取ったか否かに応じて印刷順番に関する制限が存在するか否かを判断する(ステップS621)。
ここで、上記制限情報を受け取っている場合には印刷順番に関する制限が存在すると判断され、一方、上記制限情報を受け取っていない場合は印刷順番に関する制限が存在しないと判断されるようになっている。
印刷順番変更部262は、ステップS621において、印刷順番に関する制限が存在すると判断した場合には、パネル制御部280から受け取った制限情報と印刷モード決定部262から受け取った印刷モード情報とを基に印刷順番を決定(制限情報を考慮して印刷順番を決定)し(ステップS621)、一方、印刷順番に関する制限が存在しないと判断した場合は、印刷にかかわる生産性が一番効率の良いように印刷順番を決定する(ステップS623)。
ステップS622を終了した場合あるいはステップS623を終了した場合、印刷順番変更部262は、図24の印刷処理にリターンする。その結果、図24のステップS610が実行される。
上述したように印刷順番に関する制限を設定することにより、優先順位の高い印刷ジョブは優先して印刷出力される。また、例えば追い越し制限であってユーザ制限を設定することにより、特定の印刷ジョブに関して、印刷出力されるタイミングが大幅に遅れるという事象(いつまでも印刷出力されないという事象)の発生が抑制される。