JP5625701B2 - 真空成形用化粧シートの製造方法 - Google Patents
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しかしながら、塩化ビニル樹脂は燃焼時に塩素ガスや塩化水素ガスを発生させ、さらにダイオキシンなどの有害物質発生の原因となることから、ポリ塩化ビニルに代わる材料を用いた化粧シートが開発されてきた。
そこで、これまで層間の接着強度を高めるための接着剤などが検討され、例えば、熱可塑性樹脂からなる基材シート上に、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂からなる熱接着性樹脂層を介して熱可塑性樹脂からなる表面樹脂層が積層されてなる化粧シートが提案されている(特許文献1、特許請求の範囲参照)。
本発明は上記問題点に鑑み、優れた成形加工性を有し、かつ成形加工後に層間での剥離が生じない、三次元加工などに好適な真空成形用化粧シートの製造方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、基材層、透明樹脂層及びその層間に装飾層を有し、基材層及び透明樹脂層のいずれか一方がポリエチレン系樹脂フィルムにより構成され、他の一方がポリエステル系樹脂フィルムにより構成される真空成形用化粧シートの製造方法であって、該ポリエチレン系樹脂フィルムとポリエステル系樹脂フィルムを、接着層を介してラミネートし、その後ポリエチレン系樹脂フィルムに電離放射線を照射することを特徴とする真空成形用化粧シートの製造方法を提供するものである。
電離放射線を照射することによる効果発生のメカニズムは明らかとはなっていないが、ポリエチレン系樹脂フィルムが変質され、弾性率や加熱収縮率等の物性が好適なものとなることによって、優れた成形加工性を有し、かつ成形加工後に層間での剥離が生じない、三次元加工に好適な真空成形用化粧シートが得られるものと推察される。
本発明では、上述のように、基材層2と透明樹脂層5とを接着層4を介してラミネートした後に、電離放射線をポリエチレン系樹脂フィルムに照射することが特徴である。本発明においては、電離放射線として電子線を用いることが好ましく、以下、電子線を例に説明する。また、第1の態様を例に、図1を参照しつつ詳述する。
これらのうち、ポリエチレン系樹脂フィルム側から直接電子線を照射する態様が好ましい。このように照射することにより、ポリエチレン系樹脂フィルムを変質させ、本発明の効果、すなわち、基材層2と透明樹脂層5の層間剥離を抑制するという効果を最大限に発揮させ得る電離放射線の照射条件が、容易にコントロールできる。具体的には、加速電圧を70〜300kV程度、好ましくは100〜200kVとし、照射線量を5〜400kGy(0.5〜40Mrad)の範囲で選定することが好ましく、150〜300kGy(15〜30Mrad)の範囲で選定することがさらに好ましい。
この態様における電子線の照射線量は、表面保護層6を構成する電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜200kGy(1〜20Mrad)、さらに好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
また、他の層を透過してポリエチレン系樹脂フィルムに電子線を照射する必要があるため、電子線の加速電圧を高めに設定することが肝要である。具体的には、加速電圧を100〜400kV程度、好ましくは150〜400kVとすることがさらに好ましい。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
電子線の照射線量及び加速電圧についても、第1の態様の場合と同様である。
[基材]
第1の態様における基材2は、ポリエチレン系樹脂フィルムからなる。ポリエチレン系樹脂フィルムとは、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられ、これらのうちうち基材の曲面に追従する加工性・柔軟性の点から、ポリエチレンが最も好ましい。
本発明では、上述のように、ポリエチレン系フィルムに電離放射線を照射することが特徴であり、これにより樹脂フィルムが変質しているものと思われる。該フィルムの変質の程度の指標として加熱収縮率を確認したところ、電離放射線の照射によって、ポリオレフィン系フィルムの加熱収縮率が低減することが判明した。
なお、加熱収縮率の測定方法は、以下のとおりである。
<加熱収縮率の測定方法>
1辺120mmの正方形の化粧シートを用意し、シートの中心部分を通る縦方向と横方向に100mmの直線を形成する。この化粧シートを100℃、15分間加熱後、室温まで急冷し、縦方向及び横方向の前記直線の長さを測定する。縦方向及び横方向の直線の長さの変化を算出し、加熱前の直線の長さ(100mm)に対する百分率の平均を加熱収縮率とした。(JIS K7133に準拠)
また、該基材は、着色されていてもよいし、透明であってもよい。なお、ここで透明とは、無色透明の他、着色透明及び半透明をも含む。
また、該基材は、基材と他の層との層間密着性や、各種の被着材との接着性の強化などのためのプライマー層や、裏面プライマー層を形成するなどの処理を施してもよい。プライマー層の形成に用いられる材料としては特に限定されず、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。なお、裏面プライマー層に用いられる材料は被着材によって、適宜選択される。
本発明に係る化粧シートにおける装飾層3は、本発明の化粧シートに装飾性を付与するもので、全面を被覆する一様均一な着色層であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよい。また、これらの両者を有していてもよい。
着色層及び絵柄層に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、ウレタンアクリル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
また、絵柄層の模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
該装飾層の厚さとしては、1〜20μm程度である。
本発明に係る化粧シートにおける接着層4を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を用いることができ、その厚さは0.1〜50μm程度である。厚さが0.1μm以上であると十分な接着性が得られ、50μm以下であると成形加工性の点で有利である。以上の観点から、接着剤層の厚さは、3〜30μmの範囲が好ましい。
接着剤としては、特に制限はなく、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、なかでも、ウレタン系接着剤が接着力等の点で好ましい。なお、この様なウレタン系接着剤としては、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤などがあり、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ヒドロキシル基含有化合物と、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート等の各種ポリイソシアネート化合物を含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤である。
また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂なども加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
接着層は、これら樹脂等からなる接着剤組成物を用いて、塗工法など公知の層形成法で形成することができる。
第1の態様における透明樹脂層5は、透明性を有するポリエステル樹脂からなる。なお、ここで透明とは、前述と同様に、無色透明の他、着色透明及び半透明も含むものである。
ポリエステル樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられる。この中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、ポリエステル樹脂は各種ホモポリマーの他、樹脂の柔軟化等の目的で各種の共重合成分又は改質成分を添加した共重合ポリエステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が使用できる。例えばPETであれば、テレフタル酸とエチレングリコールとの縮合重合反応において、ジカルボン酸成分として、例えば、セバシン酸、エイコ酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の長鎖脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン酸を導入することができる。また、ジオール成分としてポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の両末端に水酸基を有するポリエーテル系ジオールを導入することができる。
本発明の化粧シートは、透明樹脂層5にポリエステル樹脂を用いていることから、鏡面仕上げをする場合に有利である。
透明樹脂層の厚さとしては、50〜400μm程度である。厚さが50μm以上であると化粧板に加工する際、被着体の凹凸を拾いにくく、表面が美しく仕上がる。一方、400μm以下であると、成形加工性の点で有利である。以上の観点から、透明樹脂層の厚さは、100〜300μmの範囲が好ましい。
また、装飾層を有する基材と接着層を介して透明樹脂層を積層する方法としては、ドライラミネーション、又は熱融着による方法などを用いることができる。
本発明の化粧シートでは、耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性などを付与するために、透明樹脂層の上に表面保護層6を設けることが好ましい。
表面保護層は、透明樹脂層の上に直接又は他の層を介して、硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を塗工し、これを架橋硬化したもので構成される。架橋硬化された硬化性樹脂を含有することで、化粧シートの表面特性を向上させることができる。
ここで用いられる硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂や2液硬化性樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられ、これらを複数用いる、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
これらのうち、表面保護層を形成する樹脂の架橋密度を高め、表面の耐摩耗性や耐擦傷性を向上させ得るとの観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、また、無溶媒で塗工することができ、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化性樹脂がさらに好ましい。
一方、加工性を考慮した場合には、硬化性樹脂として後に詳述する2液硬化性樹脂を用いることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
本発明の化粧シートでは、必要に応じて、各層間密着性を向上させるために、各層間のいずれかにプライマー層を設けることができる。プライマー層は、透明又は半透明な層であり、上述の装飾層に用いたのと同様のバインダー樹脂などで形成することができる。プライマー層の厚さについては、通常、0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmの範囲である。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系(以下「HALS」と記載する。)、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。また市販品としては、チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「チヌビン123」などが挙げられる。
紫外線吸収剤及び/又は光安定剤の含有量は、基材及び各層を構成する樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、3〜10質量部がさらに好ましい。紫外線吸収剤及び/又は光安定剤の含有量が上記範囲内であれば、該吸収剤等がブリードアウトすることなく、また十分な紫外線吸収能が得られるので、優れた耐候性が得られる。
本発明の化粧板は、上記化粧シートを真空成形により積層して得られる。被着体としては各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質板素材、鉄、アルミニウム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる金属素材、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業系素材、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる樹脂素材等が挙げられる。
化粧シートが真空成形金型に密着した後、化粧シートを冷却し、成形した化粧シートから真空成形金型をはずし、固定枠から成形された化粧シートをはずす。真空成形は通常80〜130℃程度、好ましくは90〜120℃程度で行われる。
(評価方法)
(1)加熱収縮率
各実施例及び比較例で用いた基材について、明細書本文中に記載の方法により、加熱収縮率を求めた。
(2)成形加工後の層間密着強度
各実施例及び比較例にて製造した化粧シートについて、メンブレン型真空成形加工機(同上)を用いて加工した後、基材の小口面にあたる部分のシート層間密着強度を測定した。測定は引張試験機((株)エー・アンド・デイ社製「テンシロン万能試験機RTC−1250A」)を用いて行い、90度方向に引っ張ったときの剥離強度にて評価した(kgf/inch)。なお、該剥離強度が0.5kgf/inch以下であると、実機において化粧シートを生産した場合に、基材と装飾層の間での著しい層間剥離が見られる。また、剥離強度が1.0kgf/inch以上であると層間剥離の生じない良好な化粧シートが得られる。
基材2として、加熱収縮率3.4%のポリエチレン樹脂フィルムを準備し、該基材2上に装飾層3を設けた。装飾層3を構成する着色剤組成物としては、ウレタンアクリル系樹脂からなるバインダー100質量部に対して、顔料として、酸化チタンを10質量部含有するものを用いた。
次いで、該装飾層面にウレタン系接着剤組成物を塗工し、厚さ10μmの接着層4を設けた。
次に、透明樹脂層5を構成する樹脂シートとしてPET基材(菱成樹脂(株)製「ディアクレール AK004」、厚さ200μm)を前記接着層4の上にドライラミネート方式の条件でラミネートし、化粧シートを得た。該化粧シートの基材(ポリエチレン樹脂フィルム)に対して、直接、加速電圧165kV、照射線量100kGy(10Mrad)の電子線を照射した。なお、基材2として用いたポリエチレン樹脂フィルムに、加速電圧165kV、照射線量100kGy(10Mrad)の電子線を照射した後の加熱収縮率は3.2%であった。該化粧シートについて、上記方法にて評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、電子線の加速電圧を165kV、照射線量を200kGy(20Mrad)としたこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。なお、基材2として用いたポリエチレン樹脂フィルムに、加速電圧165kV、照射線量を200kGy(20Mrad)の電子線を照射した後の加熱収縮率は2.9%であった。
実施例1において、電子線の加速電圧を165kV、照射線量を300kGy(30Mrad)としたこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。なお、基材2として用いたポリエチレン樹脂フィルムに、加速電圧165kV、照射線量を300kGy(30Mrad)の電子線を照射した後の加熱収縮率は2.6%であった。
実施例1において、化粧シートの基材(ポリエチレン樹脂フィルム)に対して、電子線を照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。実施例1と同様にして評価した結果を第1表に示す。
2 基材
3 装飾層
4 接着層
5 透明樹脂層
6 表面保護層
Claims (5)
- 基材層、透明樹脂層及びその層間に装飾層を有し、基材層及び透明樹脂層のいずれか一方がポリエチレン系樹脂フィルムにより構成され、他の一方がポリエステル系樹脂フィルムにより構成される真空成形用化粧シートの製造方法であって、該ポリエチレン系樹脂フィルムとポリエステル系樹脂フィルムを、接着層を介してラミネートし、その後、ポリエチレン系樹脂フィルムに直接電子線が照射されるようにポリエチレン系樹脂フィルム側から電子線を照射することを特徴とする真空成形用化粧シートの製造方法。
- 前記電子線の加速電圧が70〜300kVであり、照射線量が5〜400kGy(0.5〜40Mrad)である請求項1に記載の真空成形用化粧シートの製造方法。
- 電子線の加速電圧が100〜200kVであり、照射線量が150〜300kGy(15〜30Mrad)である請求項2に記載の真空成形用化粧シートの製造方法。
- 前記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空成形用化粧シートの製造方法。
- 前記基材層及び透明樹脂層の少なくとも一方に、表面保護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工し、電離放射線を照射して架橋硬化して表面保護層を形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空成形用化粧シートの製造方法。
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