JP5625517B2 - 過給機 - Google Patents
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Description
圧縮部は、回転軸に固定され回転により気体を径方向外側に送り出すインペラと、該インペラを囲んで設けられるコンプレッサハウジングと、インペラを囲む環状のディフューザをコンプレッサハウジングとの間に形成するとともに軸受とインペラとの間に設けられるシールプレート(ハウジング部材)とを備えている。シールプレートは、軸受に供給される潤滑油がインペラ側に漏出することを防止している。
熱によってインペラの寿命が短くなることを防止するため、軸受に供給される潤滑油の一部を冷却用液体としてシールプレートのインペラと逆側の面に供給し、シールプレートを冷却することのできる過給機が特許文献1に開示されている。なお、シールプレートと軸受ハウジングとの間には空間が形成され、潤滑油はこの空間内でシールプレートに向けて供給されることから、過給機の外部への潤滑油の漏出は防止されている。
本発明に係る過給機は、軸受に回転自在に支持される回転軸と、該回転軸に固定され回転により気体を径方向外側に送り出すインペラと、該インペラを囲んで設けられるコンプレッサハウジングと、インペラを囲む環状のディフューザをコンプレッサハウジングとの間に形成するとともに軸受とインペラとの間に設けられるハウジング部材とを備える過給機であって、ハウジング部材には、回転軸の軸線方向でディフューザの軸受側に形成される空間と、該空間におけるディフューザ側の内壁面に冷却用液体を供給する供給口とが設けられている、という構成を採用する。
本発明によれば、ハウジング部材に形成される空間内に冷却用液体が供給されるため、過給機の外部への冷却用液体の漏出が防止される。また、空間は回転軸の軸線方向でディフューザの軸受側に形成されているため、空間におけるディフューザ側の内壁面に冷却用液体を供給することで、高温となるディフューザの近傍を効果的に冷却することが可能となる。
本発明によれば、ハウジング部材に形成される空間内に冷却用液体が供給されるため、過給機の外部への冷却用液体の漏出が防止される。そのため、軸受ハウジングが小型化しても過給機の外部への冷却用液体の漏出を防ぎつつハウジング部材に対して冷却用液体を供給でき、ハウジング部材を冷却できるという効果がある。
図1は、本実施形態における過給機1の構成を示す垂直断面図である。また、図2は、本実施形態におけるシールプレート46の正面図(図1の紙面左側から見た図)である。
過給機1は、不図示の内燃機関から排出される燃焼ガスの流動エネルギーを回転駆動力に変換し、この回転駆動力を用いて圧縮された空気を内燃機関に供給することで、内燃機関の性能(出力や燃費等)を向上させるものである。図1に示すように、過給機1は、タービン部2と、軸受部3と、コンプレッサ部4とを備えている。タービン部2、軸受部3及びコンプレッサ部4は、一方向に並んで連結されている。
環状空間46aは、軸線L周りに環状に形成され、径方向での幅はディフューザ43における径方向での幅以上となっている。本実施形態におけるシールプレート46は鋳造法を用いて成形されており、環状空間46aはその鋳造工程において同時に形成される。内壁面46bは環状空間46aにおけるディフューザ43側の壁面であることから、ディフューザ43に高温の空気が流れ込むことにより、顕著に温度が上昇する箇所である。
排油口46dは、内壁面46bに対向する位置で、回転軸31の鉛直方向下側に形成されている。また、排油口46dには集合排油管36aが接続されており、環状空間46aに供給された潤滑油が排油口46d及び集合排油管36aを介して排油管36に排出される構成となっている。
図3に示すように、環状空間46aの内周側壁部46e及び外周側壁部46fは、いずれも回転軸31周りに環状に形成されている。
内壁面46bには、内壁面46bに付着し鉛直方向下方に向かう潤滑油の流れを変更させる流動変更用リブ47が壁面から突出して複数設けられている(図4参照)。流動変更用リブ47は、回転軸31を挟んだ両側に例えば2本ずつ設けられ、内周側壁部46eに沿った円弧状に配置されている。また、流動変更用リブ47が内壁面46bに設けられていることで、シールプレート46の強度が向上している。
第1リブ47aは、鉛直方向において回転軸31の上側に設けられ、内壁面46bに付着し鉛直方向下方に向かう潤滑油の流れを、鉛直方向下方に向かうに従って水平方向外側(回転軸31から離間する側)に向けるリブである。第1リブ47aは円弧状に配置されているが、例えば直線状に配置されていてもよい。
第2リブ47bは、鉛直方向において回転軸31の下側に設けられ、内壁面46bに付着し鉛直方向下方に向かう潤滑油の流れを、回転軸31の鉛直方向下側(又は内周側壁部46eの鉛直方向下側)に導くリブである。第2リブ47bは、第1リブ47aと連続して円弧状に配置されている。なお、第2リブ47bが、第1リブ47aから離間して配置されていてもよい。第2リブ47bは円弧状に配置されているが、例えば直線状に配置されていてもよい。
不図示の内燃機関から排出される燃焼ガスがタービン部2のタービンスクロール室22に流入する。燃焼ガスはタービンスクロール室22内を回転軸31の軸線周りで回転しつつタービンインペラ21に流入する。燃焼ガスの流入によってタービンインペラ21は回転し、燃焼ガスはタービン部排出口23を介して過給機1の外部に排出される。
以上で、過給機1の動作が完了する。
不図示の潤滑油供給装置の駆動により、潤滑油が給油管35及び給油路33を介して、スラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6に供給される。スラスト軸受構造5及びラジアル軸受構造6に潤滑油が供給されることで、回転軸31の円滑な回転が確保される。
また、潤滑油供給装置の駆動により、潤滑油が分岐給油管35aを介して供給口46cから内壁面46bに向けて吐出される。図3に示すように、吐出された潤滑油は内壁面46bに付着して鉛直方向下方に向かって流動する。内壁面46bはディフューザ43側に設けられていることから、ディフューザ43に高温の空気が流れ込むことにより、顕著に内壁面46bの温度が上昇する。また、内壁面46bに供給される潤滑油の温度よりも、内壁面46bの温度は100℃以上高くなっている。そのため、潤滑油の供給・付着により、内壁面46bを冷却でき、シールプレート46の温度を低下させることができる。シールプレート46の温度が低下することで、コンプレッサインペラ41に伝わる熱量が少なくなり、コンプレッサインペラ41の温度上昇が抑制され、結果としてコンプレッサインペラ41の寿命を伸ばすことが可能となる。
第1リブ47aにより、内壁面46bに付着し鉛直方向下方に向かう潤滑油の流れが、鉛直方向下方に向かうに従って水平方向外側に変更される。そのため、潤滑油の届きにくい部分である水平方向外側にも潤滑油が行き渡り、広い範囲で内壁面46b及びシールプレート46を冷却することが可能となる。なお、全ての潤滑油の流れが第1リブ47aによって変更されるわけではなく、第1リブ47aを乗り越えて鉛直方向下方に向かう流れも存在する。
第2リブ47bを通過した潤滑油は、外周側壁部46fに到達し、排油口46d及び集合排油管36aを介して排油管36に排出される。
本実施形態によれば、シールプレート46に形成される環状空間46a内に潤滑油が供給されるため、過給機1の外部への潤滑油の漏出が防止される。そのため、軸受ハウジング32が小型化しても過給機1の外部への潤滑油の漏出を防ぎつつシールプレート46に対して潤滑油を供給でき、シールプレート46を冷却できるという効果がある。
本実施形態におけるシールプレート46Aを説明する。
図5は、本実施形態におけるシールプレート46Aの垂直断面図である。なお、図5において、図1に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態によれば、第1の実施形態によって得られる効果に加え、シールプレート46に対する冷却能力を容易に調整できるという効果がある。
図6に示すように、シールプレート46Bは、第1プレート部材46gと第2プレート部材46hとが接続されてなるものである。第1プレート部材46gと第2プレート部材46hとの接続には、例えばボルト等の締結部材(図示せず)が使用される。第1プレート部材46gと第2プレート部材46hとの接続により、環状空間46aが形成される。
Claims (6)
- 軸受に回転自在に支持される回転軸と、該回転軸に固定され回転により気体を径方向外側に送り出すインペラと、該インペラを囲んで設けられるコンプレッサハウジングと、前記インペラを囲む環状のディフューザを前記コンプレッサハウジングとの間に形成するとともに前記軸受と前記インペラとの間に設けられるハウジング部材とを備える過給機であって、
前記ハウジング部材には、前記回転軸の軸線方向で前記ディフューザの前記軸受側に形成される空間が設けられ、該空間における前記ディフューザ側の内壁面に冷却用液体を供給する供給口が形成された供給口部材と前記空間から前記冷却用液体を排出する排出口が形成された排出口部材とが着脱自在に設置されることを特徴とする過給機。 - 請求項1に記載の過給機において、
前記空間は、前記回転軸の軸線周りに環状に形成されていることを特徴とする過給機。 - 請求項1又は2に記載の過給機において、
前記内壁面には、該内壁面に付着し鉛直方向下方に向かう前記冷却用液体の流れを、鉛直方向下方に向かうに従って水平方向外側に向けるリブが設けられていることを特徴とする過給機。 - 請求項3に記載の過給機において、
前記内壁面には、該内壁面に付着し鉛直方向下方に向かう前記冷却用液体の流れを、前記回転軸の鉛直方向下側に導く第2リブが設けられ、
前記第2リブは、前記リブと連続して円弧状に配置されていることを特徴とする過給機。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の過給機において、
前記内壁面には、該内壁面に付着し鉛直方向下方に向かう前記冷却用液体の流れを、前記回転軸の鉛直方向下側に導く第2リブが設けられていることを特徴とする過給機。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の過給機において、
前記供給口に前記冷却用液体を供給する供給流路を備え、
前記供給流路は、前記軸受に供給される潤滑油の流れから分岐して前記供給口に接続され、
前記冷却用液体として、前記潤滑油が用いられることを特徴とする過給機。
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