JP5623689B2 - ポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法として、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を連続的に造粒槽に供給し、ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒中で懸濁状態を保ちながら加熱して上記の有機溶媒を蒸発させて連続的に造粒槽から抜き出すことによりポリカーボネート樹脂粒状体を生成させ、得られたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を造粒槽から連続的に抜き出すと共に、抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を造粒槽に供給する方法がその改良された方法を含めて数多く知られている(特許文献1〜8)。
特公昭60−54329号公報 特公昭63−54011号公報 特公平02−26649号公報 特公平02−46054号公報 特公平03−46009号公報 特公平04−10497号公報 特公平04−10498号公報 特公平05−42325号公報
ところで、上記の製造方法の工業的実施においては次の様な問題がある。すなわち、上記の方法で得られたポリカーボネート樹脂粒状体は、その後に乾燥されるが、乾燥条件の変動がないにも拘わらず、時として乾燥不良を生じることがある。そして、本発明者らの検討により、上記の乾燥不良は粒状体の嵩密度の変動に起因していることが判明した。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を連続的に造粒槽に供給し、ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒中で懸濁状態を保ちながら加熱して上記の有機溶媒を蒸発させて連続的に造粒槽から抜き出すことによりポリカーボネート樹脂粒状体を生成させるポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法において、得られる粒状体の嵩密度の変動が抑制された改良方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、次のような知見を得た。すなわち、有機溶媒を蒸発させることによりポリカーボネート樹脂粒状体を生成させる方法ににおいては、有機溶媒とこれに同伴される水(両者を纏めて留出物という)の留出速度が速い場合は、嵩密度の小さな粒状体(言わば多孔質な粒状体)が得られ、留出物の留出速度が遅い場合は、嵩密度の大きな粒状体(言わば緻密な粒状体)が得られる。そして、留出物の蒸気を連続的に抜き出す際にポリカーボネート樹脂含有液体の飛沫が同伴して溶媒蒸気排出管に付着して次第に閉塞状態を呈し、その結果、留出物の留出速度が次第に遅くなり、嵩密度の大きな粒状体が得られるようになる。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、少なくとも、攪拌機、ポリマー溶液導入管、貧溶媒供給管、溶媒蒸気排出管、懸濁液抜出管を備えたジャケット付の造粒槽を使用し、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液をポリマー溶液導入管から連続的に造粒槽に供給し、ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒中で懸濁状態を保ちながら加熱して上記の有機溶媒を蒸発させて溶媒蒸気排出管から抜き出すことによりポリカーボネート樹脂粒状体を生成させ、得られたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を懸濁液抜出管から連続的に抜き出し、抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を貧溶媒供給管から供給する、ポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法において、造粒槽に供給するポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液中のポリマー濃度を3〜35重量%とし、溶媒蒸気排出管から抜き出す留出物の蒸気の線速度を2〜8m/secの範囲に調節することを特徴とするポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法に存する。
本発明によれば、溶媒蒸気排出管の閉塞が抑制され、留出物の留出速度が略一定となり、得られる粒状体の嵩密度の変動が抑制される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で対象とするポリカーボネート樹脂は、常法に従って、ジヒドロキシジアリール化合物と、ホスゲン又はジヒドロキシジアリール化合物のビスクロロホーメートとを、有機溶媒えよび酸結合剤の存在下、界面重合法または溶液重合法によって反応を行なうことにより、得られる。
上記のジヒドロキシジアリール化合物の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。また、これらの他に、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルのようなジヒドロキシ化合物、テレフタルクロリド、イソフタロイルクロリドのようなジカルボン酸のハライド、ピペラジン、ジピペラジルのようなジアミン等を併用してもよい。
重合反応の有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン等が挙げられるが、これらの中では塩化メチレンが好適である。酸結合剤として、苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性アルカリ、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。界面重合法または溶液重合法の反応条件は公知の範囲から適宜選択することが出来る。
本発明のポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法は、基本的には従来公知の方法と同様である。すなわち、少なくとも、攪拌機、ポリマー溶液導入管、貧溶媒供給管、溶媒蒸気排出管、懸濁液抜出管を備えたジャケット付の造粒槽を使用し、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液をポリマー溶液導入管から連続的に造粒槽に供給し、ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒中で懸濁状態を保ちながら加熱して上記の有機溶媒を蒸発させて溶媒蒸気排出管から抜き出すことによりポリカーボネート樹脂粒状体を生成させ、得られたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を懸濁液抜出管から連続的に抜き出し、抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を貧溶媒供給管から供給する。
図1は、本発明の製造方法に使用される好適な装置の一例の正面説明図であり、図2は図1に示す装置のII−II線に沿った断面説明図である。
図示した装置は、造粒槽で得られたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を造粒槽から連続的に抜き出し、その一部を造粒槽に循環させ且つ他の一部を系外に抜き出すと共に、系外に抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を造粒槽に供給し、しかも、ポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液の循環ラインに配置された湿式粉砕機で処理してポリカーボネート樹脂粒状体の粒径を揃えるようにした装置である。更に、図示した装置は、系外に抜き出された貧溶媒に見合う量の少なくとも一部を造粒槽気相部壁面を濡らすように行うことが出来、これにより、造粒槽気相部壁面にポリマーが付着して成長した後に脱落するという現象を抑制し、ポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液の閉塞問題をも解決することが出来る。因に、上記の閉塞問題は、ポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を造粒槽から連続的に抜き出す際に懸濁液抜出管の入口から出口に至る間で発生する他、造粒槽から抜出されたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液の一部を造粒槽に循環する場合には循環ラインでも発生し、特に、循環ラインに湿式粉砕機を配置した改良方法の工業的実施においては顕著であり、湿式粉砕機の停止を惹起する。
上記の装置の基本的構成は次の通りである。すなわち、ジャケット付の造粒槽(1)の内部には攪拌機(2)が配置され、側部と頂部には、それぞれ、ポリマー溶液導入管(3)と貧溶媒供給管(4)が接続され、また、頂部と底部には、それぞれ、溶媒蒸気排出管(5)と懸濁液抜出管(6)が接続されている。更に、懸濁液抜出管(6)は湿式粉砕機(7)に接続され、湿式粉砕機(7)には造粒槽(1)の頂部に到る懸濁液返流管(8)が接続され、懸濁液抜出管(6)、湿式粉砕機(7)、懸濁液返流管(8)によって懸濁液循環ラインが形成されている。そして、返流管(8)には懸濁液抜出管(9)が分岐して設けられている。
湿式粉砕機(7)としては、例えば、攪拌翼が高速回転する形式のもの、刃付き攪拌翼が高速回転する形式のもの等が好適である。前者の形式の市販品としては、特殊機化工業(株)製の「パイプラインホモミキサー」、「ホモミツクラインミル」等が、また、後者の形式の市販品としては、小松ゼノア(株)製の「ディスインテグレーター」等が挙げられる。
本発明においては、上記のような装置を使用し、ポリカーボネート樹脂溶液を連続的に造粒槽に供給し、ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒中で懸濁状態を保ちながら加熱して上記の有機溶媒を蒸発させてポリカーボネート樹脂粒状体を生成させ、得られたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を造粒槽から連続的に抜き出すと共に、抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を造粒槽に供給する。これらの点は、前述の先行技術と同じである。なお、以下において、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を「ポリカーボネート樹脂溶液」と略記する。また、ポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を「樹脂懸濁液」と略記する。
ポリカーボネート樹脂溶液としては、界面重合法または溶液重合法の反応液をそのまま使用することも出来るが、ポリカーボネート樹脂溶液中のポリマー濃度は、通常3〜35重量%、好ましくは5〜30重量%である。
ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒としては、水の他、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の低級アルキル置換ベンゼン類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘクサン等の脂環式炭化水素などが挙げられるが、これらの中では水が好適である。貧溶媒の使用量は、ポリカーボネート樹脂溶液の有機溶媒に対し、通常0.02〜1.0容量倍、好ましくは0.1〜0.5容量倍、更に好ましくは0.3〜0.5容量倍である。
有機溶媒を蒸発させる際の温度(すなわち、造粒槽(1)内の温度)は、使用する有機溶媒および貧溶媒により異なるが、有機溶媒として塩化メチレン、貧溶媒として水を使用する場合は、両者の共沸点以上、水の沸点以下の範囲から選ぶことができる。しかし、水を蒸発させる必要はないので、蒸発温度は、通常37〜67℃、好ましくは37〜55℃、更に好ましくは40〜50℃である。
造粒槽(1)におけるポリカーボネート樹脂粒状体の存在量は、攪拌および樹脂懸濁液の取り扱いの面から、造粒槽(1)中の樹脂懸濁液に対し、通常5〜50重量%、好ましくは10〜45重量%、更に好ましくは15〜40重量%程度である。ポリカーボネート樹脂粒状体の存在量は、造粒槽(1)に導入するポリカーボネート樹脂溶液の量、補給貧溶媒の量および造粒槽(1)から抜き出す樹脂懸濁液の量を調節することにより、上記の範囲内の一定値に保つのがよい。
循環ラインに湿式粉砕機(7)を配置した場合は、湿式粉砕処理した樹脂懸濁液を造粒槽(1)に循環させる量は、造粒槽(1)から抜き出す樹脂懸濁液に対する割合として、通常50〜99.5重量%、好ましくは70〜98重量%程度である。この循環量が余りに少ない場合は、造粒槽(1)中で形成されるポリカーボネート樹脂粒状体の粒径が段々大きくなると共に不揃いとなり、満足できる製品が得られなくなるとか、連続運転が不能となる等の不都合を招く。逆に、上記の循環量が余りに多い場合は、製品および運転上の不都合は、特にないが、製品の得量が少なくなる。湿式粉砕機(7)で処理された樹脂懸濁液中のポリカーボネート樹脂粒状体の粒径は、通常0.1〜4mm、好ましくは0,2〜2mm程度である。
本発明の特徴は、前記のようなポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法において、溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度を2〜8m/secにする点にある。
溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度(空塔線速度)は、溶媒蒸気排出管(5)を通過する留出物の蒸気の体積流量(F)を溶媒蒸気排出管(5)の断面積(S)で割った値と定義され、従って、上記の体積流量(F)と断面積(S)を求めることによって算出することが出来る。
溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度が8m/secを超える場合は、ポリカーボネート樹脂含有液体の飛沫の同伴量が増加し、溶媒蒸気排出管(5)に付着して次第に閉塞状態を呈し、本発明の目的を達成することが困難となる。一方、溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度が2m/sec未満の場合は、ポリカーボネート樹脂粒状体を生成速度が低くなり、しかも、ポリカーボネート樹脂粒状体の乾燥負荷が大きくなり、工業的ではない。溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度の好ましい範囲は2〜5sm/secである。
溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度は、次の様な要素および手段によって調節することが出来る。
(1)有機溶媒を蒸発させる際の温度(すなわち、造粒槽(1)内の温度)を調節する。(2)溶媒蒸気排出管(5)の内径(d)と造粒槽の内径(D)との比(d/D)を選択する。
(3)溶媒蒸気排出管(5)の内壁面温度をヒーターや加温ジャケット調節する。
(4)溶媒蒸気排出管(5)にベントブロアーを接続してその吸引力を調節する。更に、この場合、溶媒蒸気排出管(5)又はこれとベントブロアーとの接続配管の途中に開閉バルブを設けてその開度を調節することも出来る。
造粒槽(1)内の温度は前述の範囲から選択され、上記の比(d/D)は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜0.50であり、更に好ましくは0.05〜0.20である。また、溶媒蒸気排出管(5)の内壁面温度(t1)は、留出物の蒸気の凝縮を防止する観点から、造粒槽(1)内の液温(t2)より高くするのが好ましく、通常、液温(t2)よりも5〜10℃高い温度とされる。本発明においては、上記の(1)〜(4)に記載の要素および手段を適宜組合せることにより、溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度を前記の範囲に調節する。なお、長期間に亘る連続運転においては、前記の線速度の範囲においても高い線速度を採用すると、溶媒蒸気排出管(5)が漸次閉塞して線速度が低下することがある。この場合、線速度が実質的に一定になるように、ベントブロアーの吸引力を高くすることも出来る。ベントブロアーの吸引力の調節は、連続的に行っても、一定の線速度の低下に対応させて段階的に行ってもよい。
また、本発明においては、前記の貧溶媒の供給を、造粒槽(1)気相部壁面を濡らすように行うことが好ましく、図示した装置においては、貧溶媒供給管(4)が複数に分岐され、その先端に設けたノズル(40)を介して造粒槽(1)気相部壁面に吹き付けるようにしている。
なお、造粒槽(1)気相部壁面を濡らすように供給する貧溶媒は、懸濁液抜出管(9)から抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を造粒槽(1)に供給する貧溶媒供給管(4)とは別個に設けることも出来る。
造粒槽(1)気相部壁面は前述した造粒槽(1)内の温度によっては溶媒蒸気によって幾分濡れていることもあり得るが、造粒槽(1)気相部壁面を濡らすように貧溶媒を供給して流下させて積極的に濡らすことによって、造粒槽(1)気相部壁面へのポリマーの付着・成長を効果的に抑制することが出来る。その結果、造粒槽(1)気相部壁面にポリマーが付着して成長した後に脱落するという現象が抑制され、ポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液の閉塞問題が解決される。
本発明においては、図1及び図2に示すように、ノズル(40)を介して造粒槽(1)気相部壁面に貧溶媒を吹き付けるのが好ましい。ノズル(40)としては、通常、スプレーノズル(噴霧ノズル)が使用される。スプレーノズルとしては、フラットタイプ、フルコーンタイプ等の種類があるが、その何れであってもよい。また、液体だけをスプレーする1流体タイプのスプレーノズルの他、気体と混合してスプレーする2流体タイプのスプレーノズルも使用可能である。また、スプレー管に多数のスプレーノズルをその散水方向に合わせて調整可能に配設したシャワーリング装置を使用することも出来る。
ノズル(40)を介して壁面に貧溶媒を吹き付ける場合の圧力は通常0.1〜1MPaであり、貧溶媒の温度は、必ずしも限定されないが、壁面へのポリマーの付着防止の観点から、余り低い温度よりも造粒槽の内温に対して±10℃の範囲の温度が好ましい。壁面に貧溶媒を吹き付ける態様としては、連続的方法または非連続的方法であってもよく、タイマー制御による間欠的方法であってもよい。なお、上方壁面ないし頂部壁面に吹き付けられた貧溶媒は壁面を流下するため、貧溶媒を吹き付ける壁面は、必ずしも全面である必要はない。また、壁面を濡らすように供給する貧溶媒の量は懸濁液抜出管(9)から抜き出された貧溶媒に見合う量である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
図1及び図2に示す装置を使用した。造粒槽(1)としては、翼径52cm、翼幅6cmの4枚タービン翼を2段(上段下段の間隔は50cm)の攪拌機(2)を備えた600L(内径94cm)ジャケット付攪絆槽を使用した。溶媒蒸気排出管(5)にはヒーター付きの内径80.7cmのパイプを使用した。また、開閉バルブと冷却トラップを備えた接続配管とベントブロアーから成る排気系(図示せず)を使用し、接続配管によりベントブロアーを溶媒蒸気排出管(5)に接続した。湿式粉砕機(7)としては、小松ゼノア(株)製「コマツスルザーデイスインテグレータ」を使用した。また、ノズル(40)としては、トフテヨーグ社製のシャワーリング装置「USDAミジェット型回転式スプレーボール」(材質SUS316)を2個使用した。溶媒蒸気排出管(5)の内径(d)と造粒槽(1)の内径(D)との比(d/D)0.086である。
そして、常法により2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と記載する)とホスゲンから界面法によって製造したηSP/C :0.52dl/gのポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液から、貧溶媒として水を使用し、ポリカーボネート樹脂粒状体を製造した。
造粒槽(1)内の温度を45℃に保ち、攪拌機(2)の回転数を100rpmとし、造粒槽(1)の下段翼から25cmで上部壁面より24cmの位置に設置したポリマー溶液導入管(3)からポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(ポリマー濃度15重量%)を174kg/hrの割合で導入し、貧溶媒供給管(4)から加温した40℃の補給水を後述の要領に従って170kg/hrの割合で導入し、懸濁液抜出管(6)から懸濁液を10m/hrの割合で抜き出して湿式粉砕機(7)で処理し、粉砕処理された懸濁液(樹脂粒状体濃度15重量%)を、懸濁液返流管(8)を通して造粒槽(1)に循環すると共に、その一部を懸濁液抜出管(9)から210L/hrの割合で抜き出し、造粒槽(1)の内容物を600Lに保った。溶媒蒸気排出管(5)の内壁面の温度を80℃に保ち、ベントブロアーの排気量の調節により留出物の蒸気の線速度を3.5m/secに調節した。この線速度は、冷却トラップ(3℃)に捕集された留出物(塩化メチレン及び少量水む)を分析して留出成分の量を求め、溶媒蒸気排出管(5)の内壁面温度および圧力条件下での理想理想気体としての合計流量を算出し、これを溶媒蒸気排出管(5)の断面積で割って算出した。上記の線速度の計算式および計算に使用した各数値を以下に示す。
Figure 0005623689
Figure 0005623689
前記の補給水は、貧溶媒供給管(4)の先端に設けたノズル(40)を介して造粒槽(1)気相部壁面に吹き付けるようにして供給した。供給圧力は0.3MPaとした。そして、吹き付けは、タイマー制御による間欠的方法により、10分に一度の割合として、一回当り、2個のノズルの夫々から14L(合計量28L)とした。
上記の運転により、2ケ月間、ポリカーボネート樹脂粒状体を連続的に製造した。そして、運転開始後1日目に得られたポリカーボネート樹脂粒状体の嵩密度は0.51g/cc(10回測定の平均値)であり、運転開始後2ケ目に得られたポリカーボネート樹脂粒状体の嵩密度は0.52g/cc(10回測定の平均値)であった。このときの溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度の計算結果は3.4m/secであった。また、循環ラインにおける閉塞や湿式粉砕機の緊急停止といった問題は発生しなかった。
比較例1:
実施例1において、ベントブロアーの排気量の調節し、溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度を11.5m/secに変更し、貧溶媒供給管(4)の先端に設けたノズル(40)を取り外し、補給水の供給を、従来法に従い、貧溶媒供給管(4)から造粒槽(1)に170L/hrの割合で連続的に導入した以外は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂粒状体を連続的に製造した。上記の線速度を求めた際の留出速度は190.5kg/Hr,留出物の組成は、塩化メチレン93.8重量%、水6.2重量%であった。約1ケ月後に循環ラインにおける閉塞問題が発生し、運転を停止せざるを得なかった。そして、運転開始後1日目に得られたポリカーボネート樹脂粒状体の嵩密度は0.34g/cc(10回測定の平均値)であり、運転開始後1ケ目に得られたポリカーボネート樹脂粒状体の嵩密度は0.58g/cc(10回測定の平均値)であった。このときの溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度の計算結果は2.2m/secであった。
実施例2:
実施例1において、ビスフェノールAの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3メチルフェニル)プロパン8.0kg/hr、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)1−フェニルエタン8.0kg/hrを使用した以外は、実施例1と同様にして精製ポリカーボネート樹脂溶液(ηSP/C :0.51dl/g)を得た。そして、得られたポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液からポリカーボネート樹脂粒状体を製造した。溶媒蒸気排出管(5)から抜き出す留出物の蒸気の線速度は3.9m/secであった。このとき、留出速度は203kg/Hr,留出物の組成は、塩化メチレン87,7重量%、水2.1重量%、n−ヘプタン10.1重量%であった。
ポリカーボネート樹脂粒状体の製造は次のように行った。すなわち、実施例1において、造粒槽(1)内の温度を60℃に保ち、貧溶媒供給管(4)から供給する貧溶媒として65℃の水140L/hrと65℃のn−ヘプタン30L/hrの混合溶媒を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネートの樹脂粒状体を得た。
上記の運転により1ケ月ポリカーボネート樹脂粒状体を連続的に製造したが、得られたポリカーボネート樹脂粒状体の嵩密度は殆ど変動せず、循環ラインにおける閉塞や湿式粉砕機の緊急停止といった問題は発生しなかった。
本発明の製造方法に使用される好適な装置の一例の正面説明図 図1に示す装置のII−II線に沿った断面説明図
1:ジャケット付の造粒槽
2:攪拌機
3:ポリマー溶液導入管
4:貧溶媒供給管
5:溶媒蒸気排出管
6:懸濁液抜出管
7:湿式粉砕機
8:懸濁液返流管
9:懸濁液抜出管

Claims (3)

  1. 少なくとも、攪拌機、ポリマー溶液導入管、貧溶媒供給管、溶媒蒸気排出管、懸濁液抜出管を備えたジャケット付の造粒槽を使用し、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液をポリマー溶液導入管から連続的に造粒槽に供給し、ポリカーボネート樹脂に対する貧溶媒中で懸濁状態を保ちながら加熱して上記の有機溶媒を蒸発させて溶媒蒸気排出管から抜き出すことによりポリカーボネート樹脂粒状体を生成させ、得られたポリカーボネート樹脂粒状体の貧溶媒懸濁液を懸濁液抜出管から連続的に抜き出し、抜き出された貧溶媒に見合う量の貧溶媒を貧溶媒供給管から供給する、ポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法において、造粒槽に供給するポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液中のポリマー濃度を3〜35重量%とし、溶媒蒸気排出管から抜き出す留出物の蒸気の線速度を2〜8m/secの範囲に調節することを特徴とするポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法。
  2. 有機溶媒として塩化メチレンを使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. 貧溶媒として水を使用する請求項1又は2に記載の製造方法。
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