JP5622850B2 - エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー膜の製造方法 - Google Patents

エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フルオロポリマー膜の製造方法に関する。特に、本発明は、200℃以下の融点を有するエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーを含む膜の調製のための、拡散誘導沈殿方法に関する。
エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーは、その化学的及び機械的耐性で知られ、特に、酸化剤及び高度塩基性溶液へのその高い耐性で知られている。これらの特性のために、膜応用における、特に膜の清浄化に高度酸化剤及び侵襲剤の使用を要する廃水処理の分野における、エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーの使用は非常に有利である。
従来技術より、エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーに基づく膜は既知である。US4623670(ASAHI CHEMICAL IND [JP])18/11/1986及びUS4702836(ASAHI CHEMICAL IND [JP])27/10/1987には、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーを含むフルオロポリマーから製造される膜の製造方法が開示されており、前記方法には、10-60容量%の前記ポリマー、7-42容量%の不活性化合物、例えばシリカ、及び30-75容量%のクロロトリフルオロエチレンオリゴマーを可塑剤として混合する工程;可塑化した化合物をペレットに押出成形する工程;次いで前記ペレットを物品、例えば中空ファイバーに溶融成型する工程;成型物品から第一抽出によって可塑剤を除去する工程;次いで強酸または塩基を用いて第二抽出によって不活性化合物を除去する工程が含まれる。この方法は、以下の多数の欠点を有するが、それは、可塑化及び成型工程の両方の間、230-250℃の温度でポリマーを処理する必要があること、塩素系溶媒、1,1,1-トリクロロエタンなどを用いて除去せねばならないクロロトリフルオロエチレンオリゴマー可塑剤を多量に使用すること、成型工程の際にポリマーに充分な機械的特性を与えるために不活性化合物を添加し、これをまた抽出により除去せねばならないことである。したがって、この方法は複雑且つ高価である。
EP1236503A(AUSIMONT SPA[ITA])4/09/2002には、多孔質膜の製造方法が開示されており、ここでは、エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー、すなわち、10乃至70モル%のエチレン、30乃至90モル%のクロロトリフルオロエチレン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの合計量に対して0.1乃至30モル%の次式:CH2=CH-(CH2)nR1(式中、R1は、-OR2または-(O)tCO(O)pR2であって、式中、t及びpは0または1の整数であり、R2は、直鎖状もしくは分枝状のC1-C20アルキル、またはシクロアルキル、任意にヘテロ原子及び/または塩素原子を含むものである)の水素添加モノマーを含むターポリマーが、シトレート、フタレート、トリメリテート等の群から選択される水素添加可塑剤と溶融混合され、約200℃の温度で射出成型または圧縮成型によって物品に成型され、次いで溶媒、例えばC1-C6脂肪族アルコール等に浸漬させて可塑剤を抽出する。
WO2005/037917A(ZENON ENVITONMENTAL INC)28/04/2005には、膜製造のための温度誘発性相転換方法が開示されており、ここでは、ポリマー、とりわけエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーが、可塑剤として作用する高沸点化合物、例えばトリ-イソノニルトリメリテートと溶融混合され、任意に支持体の存在下で成型と溶融紡糸とのいずれかにより物品に成形され、冷却により膜形成が誘発され、その後抽出処理によって高沸点可塑剤が除去される。
WO03/068374A(US FILTER WASTEWATER GROUP INC)21/08/2003には、エチレン/クロロトリフルオロエチレン膜の製造のための温度誘発性相分離方法が開示されており、ここでは、ポリマーと溶媒、例えば、グリセリントリアセテートまたはクエン酸アセチルエステルとの混合物が200℃超の温度で準備され、前記混合物が適切な形状に成形され、ポリマーが固化するまで冷却された後に固化した膜から溶媒が抽出される
WO2005/002712(FILTER WASTEWATER GROUP INC)13/01/2005には、エチレン−クロロトリフルオロエチレンポリマーを含み、場合によってポリビニルメチルエーテルの付加により修飾された様々なポリマーから製造される、ポリマー限外濾過もしくは精密濾過膜が開示されている。とりわけ、「TIPS」技術によるHALAR(登録商標)901から製造される膜の製造、すなわち、温度誘発性相分離方法が開示されている。
EP1743921A(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)17/01/2007には、ハロポリマー、例えば、特にエチレン/クロロトリフルオロエチレンコポリマーの別の成分(ペルフルオロポリマー及びペルフルオロポリエーテル)との混合物から製造され、特に膜を含む数種の成形物品の製造に有用な熱可塑性組成物が開示されている。
US4623670 EP1236503A WO2005/037917A WO03/068374A WO2005/002712 EP1743921A
"Membranes and Membrane Separation Processes", by H. Strathmann in "Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry", 7th Edition, published by John Wiley & Sons, Inc. (DOI: 10.1002/14356007.a16_187.pub2)
したがって、高温でのポリマーの処理を必要としないエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー膜の製造方法が、依然として求められている。また、多量の可塑剤及びその除去のための長い抽出処理の使用を必要としない方法が、依然として求められている。
ここに、200℃以下の融点を有するエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーを使用することにより、拡散誘導沈殿方法で膜が得られることが判明した。
「拡散誘導相分離方法」としても定義される拡散誘導沈殿方法は、周知のポリマー膜製造方法であり、これによればポリマー物質は適切な溶媒に溶解されて溶液を形成し、前記溶液は膜形成層としてキャスティングされ、その後この層を非溶媒に浸漬させる。膜形成層と非溶媒との接触は、ポリマーを多く含んで膜構造を形成する固相と、溶媒を多く含んで液体充填された膜孔を形成する液相との二つの相の生成を誘発する。
有利には、拡散誘導沈殿方法、200℃超の温度、すなわち、ポリマーが分解し始めうる温度に近い温度でのポリマーの処理を必要としない。この方法は、膜製造方法の最後に適切な溶媒を用いて抽出し、その後回収せねばならない可塑剤の使用を必要としない。ポリマー溶液を調製するために通常使用される溶媒を使用することができ、溶液からのポリマーの沈殿と、同時に溶媒の除去とを誘発するための非溶媒として水を使用することができる。
ビニリデンフルオリドポリマーの多孔質膜が、典型的には、拡散誘導沈殿方法を用いて製造される。エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーをビニリデンフルオリドポリマーと同様の技術で処理する可能性は、本願発明によって提供される更なる利点である。
したがって、本発明の目的は、
・ 溶媒中の、200℃以下の融点を有するエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーを含むポリマー溶液を準備する工程;
・ 前記ポリマー溶液をフィルムとしてキャスティングする工程;
・ 前記フィルムを非溶媒バスで浸漬させてポリマーを沈殿させる工程;
を含むエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー膜の製造方法である。
本願発明の前記及び別の目的、利点、及び特徴は、発明の詳細な説明を参照することにより一層容易に理解及び認識されるであろう。
「膜」なる語は、本明細書中に通常の意味で使用されており、換言すれば、個別の、一般的に薄い、接触する化学種の浸透を抑える界面を意味する。この界面は、分子的に均質であり、すなわち、構造的に完全に均一(稠密な膜)であるかまたは化学的もしくは物理的に不均一であって、例えば有限次元の間隙、穴、もしくは孔を含んで良い(多孔質膜)。
多孔質膜は、一般的には、平均孔直径及び多孔性、すなわち、多孔性である膜全体の割合によって特徴付けられる。
その厚さに亘って均一な構造を有する膜は、一般に対称膜として既知であり、これは稠密または多孔質であってよく、その厚さに亘って均一に分布していない孔を有する膜は、一般に非対称膜として既知である。非対称膜は、薄い選択層(0.1-1μm厚さ)と、支持体として作用し、膜の分離特性にほとんど影響を及ぼさない高度多孔性の厚い層(100-200μm厚さ)によって特徴付けられる。
膜は、フラットシートの形態または管の形態であってよい。管状膜は、3mmより大なる直径を有する管状膜、0.5mm乃至3mmの直径を有する毛細管膜、及び0.5mm未満の直径を有する中空ファイバーの寸法に基づいて分類される。しばしば、毛細管膜は、中空ファイバーとも呼称される。
フラットシート膜が一般的に高流量が求められる場合に好ましい一方で、中空ファイバーは高表面積の小型モジュールが求められる応用において特に有利である。
その応用によって、膜はその機械的耐性を改善するために支持されていてもよい。支持物質は、膜の選択性に及ぼす影響が最少になるように選択される。
本明細書中に使用されるように、「エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー」及び「ECTFE」なる語は、区別なしに使用されて、主要なモノマー成分としてエチレン及びクロロトリフルオロエチレンを含み、任意に一もしくは複数種の水素添加もしくはフッ素化コモノマーを含むフルオロポリマーを意味する。ECTFEポリマーは、典型的には、
(a)10乃至90モル%、好ましくは30乃至70モル%のエチレン(E)、
(b)90乃至10モル%、好ましくは70乃至30モル%のクロロトリフルオロエチレン(CTFE);及び
(c)モノマー(a)及び(b)の合計量に基づいて0乃至30モル%、好ましくは0乃至15モル%の一または複数種のフッ素化及び/または水素添加コモノマー;
を含む。
フッ素化コモノマーの非限定的例は、例えば、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロアルキルエチレン(例えば、ペルフルオロブチルエチレン)、ペルフルオロジオキソール、ビニリデンフルオリドである。これらの中でも、好ましいコモノマーは、次式:CF2=CFO-C3F7のペルフルオロプロピルビニルエーテルである。
水素添加コモノマーの非限定的例は、一般式:CH2=CH-(CH2)nR1(式中、R1は、-OR2または-(O)tCO(O)pR2であって、式中、t及びpは0または1の整数であり、R2は、H、または、1乃至20の炭素原子を含む水素添加された直鎖状もしくは分枝状のアルキルもしくはシクロアルキル基での、任意にヘテロ原子及び/または塩素原子を含むものであり、前記ヘテロ原子は好ましくはOまたはNであり;R2は、任意に1つまたは複数の、好ましくはOH、COOH、エポキシド、エステル、及びエーテルから選択される官能基を含み、R2は、任意に二重結合を含んで良く、nは0乃至10の範囲の整数である。好ましくは、R2は、ヒドロキシル官能基を含み1乃至10の炭素原子を有するアルキル基であり、nは0乃至5の範囲の整数である)を有するものである。
好ましい水素添加子モノマーは、以下のクラス:
・ 一般式:CH2=CH-CO-O-R2(式中、R2は、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、アクリル酸、ヒドロキシアルキルアクリレート、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、(ヒドロキシ)エチルヘキシルアクリレートから選択される)を有するアクリルモノマー;
・ 一般式:CH2=CH-O-R2(式中、R2は、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ビニル-4-ヒドロキシブチルエーテルから選択される)を有するビニルエーテルモノマー;
・ 一般式:CH2=CH-O-CO-R2(式中、R2は、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニル-2-エチルヘキサノエートから選択される)を有するビニルモノマー;
・ 一般式:CH2=CH-(CH2)n-COOH(式中、nは上記の意味を有し、例えばビニル酢酸である)を有する不飽和カルボン酸モノマー;
から選択される。
本願発明の膜製造方法には、上述のECTFEポリマーのいずれを使用することもできるが、これらが200℃以下の、更には198℃以下の、好ましくは195℃以下の、更に好ましくは193℃以下の、更に一層好ましくは190℃以下の融点を有することを前提とする。ECTFEポリマーは、有利には少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃、更に好ましくは少なくとも140℃、より好ましくは少なくとも145℃、更により好ましくは少なくとも150℃の融点を有する。
本明細書のこれ以降の記載では、特記のない限り、「ECTFEポリマー」なる語は、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーを意味する。
融点は、ASTM D3418にしたがって示差走査熱量計(DSC)により10℃/分の昇温速度で測定される。
本願発明の方法による膜の製造に、120℃未満の融点を有するポリマーを使用することはできるが、得られる膜は不十分な機械的特性を有する傾向がある。
200℃未満の融点を有するECTFEポリマーは、典型的には、
(a)30乃至50モル%、好ましくは35乃至47モル%のエチレン(E)、
(b)50乃至70モル%、好ましくは53乃至65モル%のクロロトリフルオロエチレン(CTFE);及び
(c)モノマー(a)及び(b)の合計量に基づいて0乃至15モル%、好ましくは0乃至10モル%の一または複数の以上に定義されるフッ素化及び/または水素添加コモノマー;
を含む。
好ましいコモノマーは、以上に定義されるアクリルモノマーの群から選択される水素添加コモノマーである。より好ましくは、水素添加コモノマーは、ヒドロキシアルキルアクリレートコモノマー、例えば、ヒドロキシエチレンアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、及び(ヒドロキシ)エチルヘキシルアクリレートから選択される。
ECTFEポリマーのメルトフローレートは、ASTM 3275-81にしたがって220℃及び216Kgにて測定されて、一般的に0.01乃至30g/10分、好ましくは0.1乃至10g/10分、より好ましくは0.3乃至5g/10分の範囲である。
200℃以下の融点を有するECTFEポリマーが使用される場合には、溶媒中の、充分に高いポリマー濃度及び適切な粘度を有して、拡散誘導沈殿方法に関する工業的観点から見た実行可能な温度での膜製造を可能にするポリマーの溶液を得ることが可能である。
キャスティング工程の間に溶液の温度で均質且つ透明な溶液が得られることを条件に、ポリマー溶液、ひいては最終膜を製造するために複数のポリマーを使用しても良い。
ポリマー溶液を製造するために、200℃以下の融点を有する複数のECTFEポリマーを使用して良い。異なるECTFEポリマーを、これらが均質な溶液を生成することを前提としてあらゆる割合で混合することができる。本願発明の膜製造方法においては、一般的には、5つを超えない、好ましくは3つを超えない、更に好ましくは2つを超えない、更により好ましくは1つだけの、200℃以下の温度を有するEXTFEポリマーが使用される。
200℃超の融点を有するECTFEポリマーもまた、前記ECTFEポリマーと混合してよい。こうした場合には、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーは、溶液中に存在するポリマー全量に対して50質量%超、好ましくは60質量%超、より好ましくは70質量%超、更により好ましくは80質量%超を占める。200℃以下の融点を有するECTFEポリマーは、溶液中に存在するポリマー全量に対して99質量%までにもなってよい。200℃超の融点を有するECTFEポリマーは、溶液中に存在するポリマー全量に対して、典型的には50質量%未満、好ましくは40質量%未満、より好ましくは30質量%未満、更により好ましくは20質量%未満である。200℃超の融点を有するECTFEポリマーは、溶液中に存在するポリマー全量に対して1質量%程度の少量であって良い。
高融点ECTFEポリマーは、205℃、210℃、220℃、及び240℃までの融点を有して良い。
エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーでないポリマーを、典型的には溶液中に存在するポリマー全量に対して50質量%未満、好ましくは25質量%、より好ましくは10質量%、更により好ましくは5質量%未満の量で、溶液状態のECTFEポリマーに代えて、または追加して加えてよい。このポリマーの化学的性質は、一般的に、キャスティング工程中のポリマー溶液の温度でのECTFEポリマーと混和組成物を生成するように選択される。
「溶媒」なる語は、本明細書中で通常の意味で使用されており、すなわち、これは、別の物質を溶解することのできる物質(溶質)であって、分子レベルで均一に分散した混合物を生成しうる物質を意味する。ポリマー性溶質の場合には、生成する混合物が透明であり、系中に相分離が見られない場合には、溶媒中のポリマーの溶液に注目するのが一般的である。相分離は、ポリマー凝集体の生成のために溶液が不透明になるかまたは濁る、しばしば曇り点とも呼称される点であると解される。
極性非プロトン性有機溶媒を、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーの溶媒として使用することができる。本願発明の方法に適切な溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、エチルアセテート、プロピレンカーボネート、及びこれらの混合物から選択されるものである。これらの中で好ましい溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、及びジメチルスルホキシド、特にN-メチル-2-ピロリドンである。
一般的に、キャスティング工程中の溶液の温度における、選択された溶媒中のECTFEポリマーの溶解度は、溶液全質量に対して10質量%超、好ましくは12質量%超、更に好ましくは15質量%超であるべきである。
「溶解度」なる語は、本明細書中では、溶液の質量当たりのポリマーの質量として測定されるポリマーの最大量であって、所与の温度で溶解して系中に相分離を起こすことなく透明且つ均一な溶液をもたらす量として定義される。
ポリマー溶液は、あらゆる従来法で調製することができる。例えば、溶媒をポリマーに添加してよく、あるいは、好ましくは、ポリマーを溶媒に添加してよく、更には、ポリマーと溶媒とを同時に混合しても良い。
溶媒中のECTFEポリマーの溶液は、有利には少なくとも50℃、好ましくは少なくとも80℃、より好ましくは少なくとも90℃、更により好ましくは少なくとも100℃の温度で調製される。溶媒中のECTFEポリマーの溶液は、有利には180℃未満、好ましくは170℃未満、より好ましくは160℃未満、更により好ましくは150℃未満の温度で調製される。溶液調製工程のためにはより高い温度もむろん使用可能であるが、これらは実用的且つ/または経済的な観点から好ましくない。
溶媒中のポリマーの合計濃度は、少なくとも10質量%、好ましくは少なくとも12質量%であるべきである。典型的には、溶液中のポリマーの濃度は50質量%を超えず、好ましくは40質量%を超えず、更に好ましくは30質量%を超えない。
ポリマー溶液は、付加的成分、例えば、孔形成剤、核形成剤、充填剤等を含んでも良い。適切な孔形成剤は、例えばポリエチレングリコール(PEG)、特に低分子量PEG、例えばPEG400である。典型的には0.1乃至5質量%、好ましくは0.5乃至3質量%の範囲の量でECTFEポリマー溶液に加えれば、透明且つ均一な溶液が得られる。孔形成剤は、一般的に、非溶媒バス中で膜から除去される。
ポリマー溶液を得るために要する撹拌時間は、成分の溶解速度、温度、撹拌装置の有効性、準備しようとするポリマー溶液の粘度等によって広く異なってよい。あらゆる適切な撹拌装置を使用して良い。好ましくは、撹拌装置は、最終膜中で問題を引き起こしうる、ポリマー溶液中に捕捉された空気の量を低減するように選択される。ポリマーと溶媒との撹拌は、通常は、任意に不活性雰囲気下に保持された密閉容器の中で行われる。
ECTFEポリマーを溶媒中に含む均一且つ透明な溶液が得られたところで、この溶液をフィルムとしてキャスティングする。
「フィルム」なる語は、本明細書中では、ポリマー溶液のキャスティングの後に得られるポリマー溶液の層を意味して用いられる。膜の最終形態によって、フィルムは、平坦な膜が求められる場合には平坦な、あるいは管状のものもしくは中空ファイバー膜を得ようとする場合には管形状のものであってよい。
キャスティング工程中の溶液の温度は、溶液準備工程中の温度と同様でも同様でなくても良い。キャスティング工程中の溶液の温度は、典型的には18℃以下、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更により好ましくは150℃以下である。キャスティング工程中は、ポリマー溶液は、一般的に少なくとも90℃、好ましくは少なくとも100℃の温度である。
キャスティング工程の温度でのポリマー溶液の粘度は、典型的には少なくとも1Pa.sである。ポリマー溶液の粘度は、典型的には100Pa.s以下である。
膜の形状によって、様々なキャスティング技術が用いられる。最終製品がフラット膜である場合は、ポリマー溶液は平坦な支持体上、典型的にはプレート、ベルト、または生地上に、キャスティングナイフまたは引き落としバー(draw-down bar)を利用してフィルムとしてキャスティングされる。
このように、第一の実施態様では、本願発明の方法は、
・ 溶媒中の、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーを含むポリマー溶液を準備する工程;
・ 前記ポリマー溶液をフィルムとしてキャスティングする工程;
・ 前記フィルムを非溶媒バスで浸漬させてポリマーを沈殿させる工程;
を含む。
中空ファイバー及び毛細管膜は、いわゆる湿式紡糸法によって得ることができる。こうした方法では、一般的に、ポリマー溶液をポンプでスピナレットに通すが、このスピナレットとは、ポリマー溶液の通過のための第一外部毛細管と、一般的に「ルーメン」と呼称される支持流体の通過のための、第二内部毛細管との少なくとも二つの同心毛細管を含む管状ノズルである。前記ルーメンは、ポリマー溶液のキャスティングのための支持体として作用し、中空ファイバーもしくは毛細管の前駆物質の内径を開口状態に維持する。ルーメンは、気体であるか、あるいは、好ましくは、繊維の紡糸の条件で液体であってもよい。ルーメンの選択及びその温度は、これらが膜中の孔のサイズ及び分布に著しい影響を及ぼしうることから、最終膜に要求される特徴に依存する。一般的に、ルーメンは、ポリマーのための強い非溶媒ではないか、あるいはポリマーのための溶媒または弱溶媒を含む。ルーメンは、典型的には非溶媒並びにポリマーのための溶媒と混和性である。ルーメンの温度は、一般的に、ポリマー溶液の温度に近接する。
スピナレットの出口にて、空気中または制御環境中での短い滞留時間の後に、中空ファイバーもしくは毛細管の前駆物質は非溶媒バスで浸漬させ、ここでポリマーが沈殿して中空ファイバーもしくは毛細管膜が生成する。
このように、第二の実施態様では、本願発明の方法は、
・ 溶媒中の、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーを含むポリマー溶液を準備する工程;
・ 前記ポリマー溶液を支持流体周囲の管状フィルムとしてキャスティングする工程;
・ 前記フィルムを非溶媒バスで浸漬させてポリマーを沈殿させる工程;
を含む。
ポリマー溶液のキャスティングは、典型的には、スピナレットを通して行われる。支持流体は、最終の中空ファイバーもしくは毛細管膜の内径を形成する。支持流体が液体である場合には、非溶媒バス中へのファイバー前駆物質の浸漬によっても、ファイバーの内部から支持流体が有利に除去される。
管状膜は、その直径がより大きいために、中空ファイバー膜の製造に使用されるものとは異なる方法を利用して製造される。
第三の実施態様では、本願発明の方法は、
・ 溶媒中の、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーを含むポリマー溶液を準備する工程;
・ 前記ポリマー溶液を管状支持物質上の管状フィルムとしてキャスティングする工程;
・ 前記フィルムを非溶媒バスで浸漬させて溶液からポリマーを沈殿させる工程;
を含む。
ポリマー溶液のキャスティングが完了した後に、キャストフィルムを非溶媒バスで浸漬させて溶液からのポリマーの沈殿を誘導する。沈殿したポリマーは、最終膜構造を生成する。
本明細書中で使用する通り、「非溶媒」なる語は、溶液もしくは混合物の所与の成分を溶解することのできない物質を意味すると解される。
ECTFEポリマーのための適切な非溶媒は、水及び脂肪アルコール、好ましくは、短鎖を有する、例えば1乃至6の炭素原子を有する脂肪族アルコール、より好ましくは、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールである。水とECTFEポリマーのための少量の溶媒との混合物を、沈殿バス中に使用することができる。溶媒/非溶媒混合物の使用により、膜の多孔性を有利に制御することができる。一般的に、ECTFEポリマー溶液の製造のために使用される溶媒は、非溶媒中に可溶性である。好ましくは、本願発明の方法における非溶媒は水である。水は、最も安価な非溶媒であり、多量に使用することができる。
沈殿バス中の非溶媒は、通常は、少なくとも0℃、好ましくは少なくとも15℃、より好ましくは少なくとも20℃に維持される。沈殿バス中の非溶媒は、通常は、90℃未満、好ましくは70℃未満、より好ましくは60℃未満に維持される。キャストフィルムと非溶媒バスとの間の温度傾斜は、溶液からのポリマーの沈殿の速度に影響することから、最終膜中の孔サイズ及び/または孔分布に影響しうる。沈殿が迅速であるならば、非溶媒と接触したキャストフィルムの表面には一般的に皮が生成し、これは、典型的には、ポリマー溶液の大部分への非溶媒の拡散を遅延化して非対称構造を有する膜をもたらす。沈殿が遅い場合は、非溶媒との接触に際して生成する、溶媒を多く含む液相の孔形成性液滴が通常は凝集しがちである一方で、ポリマー溶液は依然として流体である。結果として、膜はより均一な対称性構造を有することになる。非溶媒バスの適切な温度は、ルーチン実験によって各特定の場合について決定することができる。
沈殿バスから取り除かれたところで、膜には付加的処理、例えばリンスを行って良い。最終工程として、膜は典型的には乾燥される。
本願発明の方法から得られる膜は、好ましくは多孔質膜である。典型的には、この膜は、非対称構造を有する。膜の多孔性は、3乃至90%、好ましくは5乃至80%の範囲であって良い。
孔は、少なくとも0.001μm、少なくとも0.005μm、少なくとも0.01μm、少なくとも0.1μm、少なくとも1μm、少なくとも10μmであって、最大で50μmの平均直径を有して良い。多孔質膜の平均孔サイズの直径についての適切な技術は、例えば、”Membranes and Membrane Separation Processes”, by H. Strathmann in “Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry”, 7th Edition, published by John Wiley & Sons, Inc. (DOI: 10.1002/14356007.a16_187.pub2)。
本願発明の第二の目的によれば、200℃以下の融点を有するECTFEポリマー及び少なくとも一つの第二ポリマーを含む組成物で製造した膜が提供される。
本願発明の膜は、以上に詳説した方法により製造することができる。
第一の実施態様では、前記膜は、200℃以下の融点を有する複数のECTFEポリマーの組成物で製造される。異なるECTFEポリマーをあらゆる割合で混合することができる。
第二の実施態様では、膜は、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーと200℃超の融点を有するECTFEポリマーとを含む組成物で製造される。この膜は、一般的に、50質量%超の、200℃以下の融点を有するECTFEポリマーと、50質量%未満の、200℃超の融点を有するECTFEポリマーとを含む組成物で製造される。200℃以下の融点を有するECTFEポリマーは、好ましくは60質量%超、より好ましくは70質量%超、更により好ましくは80質量%超である。200℃以下の融点を有するECTFEポリマーは、99質量%までであってよい。200℃超の融点を有するECTFEポリマーは、溶液中に存在するポリマー全量に対して、好ましくは40質量%未満、より好ましくは30質量%未満、更により好ましくは20質量%未満である。200℃超の融点を有するECTFEポリマーは、1質量%程度の少量であって良い。
200℃超の融点を有するECTFEポリマーの存在により、膜の機械的特性が改善されうる。一般的に、ECTFEポリマーの融点が高いほど結晶化度が高く、その機械的特性、特に、高温での弾性率と降伏抵抗により優れていることが観察される。
万が一、本明細書中に参考のために援用されるいかなる特許、特許出願、及び文献の開示が、用語を不明確にしうる程度に本願発明の詳細な説明と矛盾することがあれば、本願発明の詳細な説明が優先する。
本願発明は、以下の非限定的実施例を用いて詳説される。
特徴
メルトフローレートを、ASTM 3275-81にしたがって220℃及び2.16Kgにて測定した。
溶融温度を、ASTM D 3418にしたがってDSCにより10℃/分の昇温速度で測定した。
ポリマー組成を、物質収支及び炭素元素分析により測定した。
多孔性測定:多孔性を、以下の関係式:
Figure 0005622850
[式中、diは膜の製造に使用されたポリマーの密度であり、dpmは多孔質膜自体の密度であり、また、di及びはdpmは、ASTM D 792の操作に従って、コポリマー及び膜の試料を空気中及び水中で25℃にて計量することによって測定される(方法A-1)]
から算出した。
(実施例1−ECTFE1の準備)
モル組成42%のE及び58%のCTFEを有するECTFEポリマー(ECTFE1)を、工業反応器中、15℃の温度及び7.2絶対バールの圧力で合成した。
ECTFE1は、以下の特性を有していた:融点、185℃;メルトフローレート:1.4g/10分。
(実施例2−ECTFE2の準備)
450rpmで作動する攪拌機及びバッフルを備えたホウロウのオートクレーブ中に、3リットルの脱塩水、52.5gのクロロホルム、35mlのヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)水溶液(40容量%)、及び7kgのクロロトリフルオロエチレンを仕込んだ。温度を15℃にして、エチレンを、8.2絶対バールの圧力のオートクレーブに供給した。-17℃に維持したイソオクタン中のトリクロロアセチルペルオキシド(TCAP)の溶液(0.12gTCAP/ml)を、重合の間継続してオートクレーブに供給した。ヒドロキシプロピルアクリレートと水との35mlの溶液を、エチレンの消費が20、40、60、80、100、120、140、160、及び180gの時点で供給した。
圧力は、消費が200gとなるまで反応器にエチレンを継続して供給することによって重合の間一定に維持され、開始剤溶液は30ml/時の速度で導入された。345分後に生成物をオートクレーブから取り出し、120℃にて約16時間に亘って乾燥させた。得られた乾燥ポリマーの量は、1563gであった。
ECTFE2は、以下の特性を有していた:モル組成:E/CTFE/HPA:40/55/5;融点、178℃;メルトフローレート:0.38g/10分。
(N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中、120℃での、ECTFEポリマーの溶解度の測定)
様々な融点を有するECTFEポリマーの溶解度を、NMP中に様々な濃度のポリマーの混合物を調製することによって測定した。混合物を、140℃にて60分間に亘って撹拌した後、120℃にまで放冷した。
溶解度の値は、系中に相分離を起こすことなく透明且つ均一な溶液をもたらす、ポリマーの最大の量である。
ECTFE1、ECTFE2、及び、Halar(登録商標)の商標名でSolvay Solexix SpA(Bollate, Italy)により市販の二種の市販のECTFEポリマーの溶解度は、対応するこれらの融点と共に表1に報告される。
Figure 0005622850
(膜製造のための一般的操作)
NMP中10乃至20質量%の濃度を有するECTFEポリマーの溶液を、二つの口を備えたガラスの丸底フラスコ中に準備した。ガラスのコンデンサーを前記フラスコに付け、この装置を2時間に亘って150℃に維持しつつ一定の磁気撹拌(300rpm)を行って透明且つ均一なポリマー溶液を得た。
強化ガラス(temperate glass)プレート(30cm×25cm)を、電気加熱システムを備えた電動フィルムアプリケーター(Elcometer 4344/11)の底部に接触させ、ガラス表面の温度を120℃に維持するように加熱した。20グラムのポリマー溶液をガラスプレートの上に注ぎ、キャスティングナイフを用いて薄いフィルムとしてキャスティングした。キャスティングの直後には、ポリマー溶液は約120℃の温度を有していた。ガラスプレートを迅速にアプリケーターから取り除き、およそ40℃の温度に維持した(容量10リットルを有する)水浴で浸漬させた。その後、ガラスプレートを水浴から取り出し、膜をプレートから取り除いて乾燥させた。
(実施例3及び4−ECTFE1で製造した膜)
ECTFE1製の二つの膜を、NMP中に16質量%及び20質量%の濃度を有するポリマー溶液から出発し、上述の一般操作にしたがって製造した。得られた膜は以下の特性を有していた。
ECTFE1の16質量%溶液:膜厚さ120μm、多孔性60%;
ECTFE1の20質量%溶液:膜厚さ200μm、多孔性64%。
いずれの膜も、NaOH(5質量%)の水溶液中で70℃にて14日に亘って試験し、その化学的耐性を測定した。処理の後、膜は物理的に無傷であり、僅かな黄変を示したのみであった。
(実施例5−ECTFE2で製造した膜)
膜を、NMP中、12質量%のETCFE2の溶液から出発し、上述の一般操作にしたがって製造した。得られた膜は、100μmの厚さ及び70%の多孔性を有していた。
膜を、NaOH(5質量%)の水溶液中で70℃にて14日に亘って試験し、その化学的耐性を測定した。処理の後、膜は物理的に無傷であり、僅かな黄変を示したのみであった。
(実施例6−ECTFE1及びHalar(登録商標)902 ECTFEで製造した膜
膜を、120℃のNMP中に84質量%のECTFE1及び16質量%のHalar(登録商標)902の混合物を溶解させることによって調製した透明且つ均一な溶液から出発し、上述の一般操作にしたがって製造した。溶液中のポリマーの合計濃度は、16質量%(13.5質量%のECTFE1及び2.5質量%のHalar(登録商標)902)であった。得られた膜は、75μmの厚さ及び56%の多孔性を有していた。
(比較例1−Halar(登録商標)902 ECTFEを用いて膜を製造する試み)
上述の一般的な膜製造操作にしたがって、NMP中のHalar(登録商標)902の溶液を準備した。得られた溶液は、5質量%未満のポリマーを含んでいた。このポリマー溶液をガラスプレート上にフィルムとしてキャスティングした。キャストフィルムを水浴で浸漬させたところ、粘着性のない(loose)沈殿が生成したのみであった。膜は得られなかった。

Claims (10)

  1. エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマー膜の製造方法であって、
    ・ 溶媒中の、200℃以下の融点を有するエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーを含むポリマー溶液を準備する工程であって、前記溶媒が、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシドから選択される、工程
    ・ 前記ポリマー溶液をフィルムとしてキャスティングする工程;
    ・ 前記フィルムを非溶媒バスで浸漬させてポリマーを沈殿させる工程;
    を含む方法。
  2. 前記キャスティング工程の間、前記ポリマー溶液が180℃以下の温度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリマー溶液が、少なくとも100℃であって150℃以下の温度を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記非溶媒が、水である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリマー溶液が、200℃以下の融点を有するエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーを一種以上含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーが、少なくとも150℃であって195℃以下の融点を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ポリマー溶液が、200℃超の融点を有するエチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーを、溶液中に存在するポリマー全量に対して20質量%未満の量で更に含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ポリマー溶液が、スピナレットを通る支持流体周囲の管状フィルムとしてキャスティングされる、中空ファイバーまたは毛細管膜の調製のための、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  9. 多孔質膜の調製のための、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  10. 非対称膜の調製のための、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
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