JP5622379B2 - アゾ化合物、顔料組成物、顔料組成物の製造方法、インクジェット記録用インク、カラーフィルター用着色組成物及びカラーフィルター - Google Patents
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Description
また、顔料を使用するにあたっては、他にも、所望の透明性を発現させるために必要な粒子径及び粒子形を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他有機溶剤や亜硫酸ガスなどへの耐薬品堅牢性が良好であること、使用される媒体中において微小粒子まで分散し、かつ、その分散状態が安定であること、等の性質も必要となる。
また、特許文献2の段落[0019]の製造例4には、βナフトール基を有するアゾ顔料誘導体とポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステルナトリウム塩とを含有する顔料分散剤が開示されており、このような顔料分散剤を使用することによって、高濃度顔料分散体の流動性と、流動性の臨界温度を高めることができるとされている。
本発明は、様々な顔料に対して、優れた分散性、分散安定性及び耐光性を付与できる顔料誘導体として有効なアゾ化合物、該アゾ化合物を用いる顔料組成物、該顔料組成物を用いるインクジェット記録用インク及びカラーフィルター用着色組成物、並びに、該着色組成物から製造されるカラーフィルターを提供することにある。
〔1〕
下記一般式(4)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物。
(一般式(4)中、
R21は、アリール基を有していてもよいアミノ基を表し、
R2からR6はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪族基、アリール基、複素環基、脂肪族オキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、スルファモイル基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。nは1を表す。
R55 はアリール基、複素環基より選択される置換基を表し、これらは脂肪族基、アリール基、複素環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、複素環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、複素環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、複素環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、ジアリールオキシホスフィニル基より選択される置換基により置換されていてもよい。
R56は水素原子、又は脂肪族基、アリール基、複素環基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基より選択される置換基を表し、隣接する置換基は互いに結合し、5〜6員環を形成していてもよい。
Zはシアノ基を表す。
R21、R2からR6、R55、及びR56の少なくとも1つは親水性基を含む。)
〔2〕
前記親水性基が−SO3・M/n、−COO・M/n(Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、又はアンモニウムイオンを表し、nはMの価数(1〜3の整数)を表す)で表される置換基であることを特徴とする〔1〕に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物。
〔3〕
前記親水性基がアミノ基であることを特徴とする〔1〕に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物。
〔4〕
(A)有機顔料と、(B)〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物とを含有することを特徴とする顔料組成物。
〔5〕
前記有機顔料がジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料及びアゾ顔料から選択された少なくとも1種であることを特徴とする〔4〕に記載の顔料組成物。
〔6〕
前記有機顔料がアゾ顔料であることを特徴とする〔5〕に記載の顔料組成物。
〔7〕
前記〔4〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の顔料組成物の製造方法であって、
(B)〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物の存在下、(A)有機顔料を分散する工程を含む顔料組成物の製造方法。
〔8〕
〔4〕〜〔6〕のいずれかに記載の顔料組成物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
〔9〕
〔4〕〜〔6〕のいずれかに記載の顔料組成物を含むことを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。
〔10〕
〔9〕に記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
本発明は上記の〔1〕〜〔10〕に関するものであるが、その他の事項についても参考のために記載した。
本発明における脂肪族基において、その脂肪族部位は直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。また、飽和であっても不飽和であってもよい。具体的には例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等を挙げることができる。更に脂肪族基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式(1)又は(2)で表されるアゾ化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
本発明のアゾ化合物は下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Gで表されるスルホニル基としては、脂肪族スルホニル基であっても、アリールスルホニル基であっても、複素環スルホニル基であってもよく、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Gで表されるスルホニル基として、好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキルスルホニル基、総炭素数6〜10のアリールスルホニル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルキルスルホニル基であり、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等が挙げられる。
金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン又はアルミニウムイオンなどが挙げられる。
本発明の親水性基が酸基の場合、−SO3・M/n、−COO・M/n(Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、アンモニウムイオンを表し、nはMの価数(1〜3の整数)を表す。)で表される基であることがより好ましい。特に好ましい親水性基は−SO3・M/nである。
本発明の親水性基が塩基の場合、アミノ基が好ましい。特に好ましい親水性基は三級アミノ基である。
nは1又は2である場合が好ましい。
親水性基としては、一般式(1)の親水性基で説明したものと同じである。
本発明の効果の点で、R55として好ましい、窒素原子を含有する芳香族5〜6員複素環基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基であり、飽和複素環であっても不飽和複素環であっても、縮環複素環であってもよく、好ましくは総炭素原子数2〜12のアゾ基との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員複素環基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜10の窒素原子を含有する芳香族5〜6員複素環基である。例えば、2−チアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−オキサゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ピリジル、2−ピラジニル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、2−トリアジニル等が挙げられ、これらの複素環基は置換基と共に互変異性体構造であってもよい。
R55〜R57、R59で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。R55〜R57、R59の置換基として、好ましくは脂肪族基、アリール基、複素環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等であり、より好ましくは脂肪族基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等である。
また、本発明の効果の点で、R58として、下記(Y−1)〜(Y−13)である場合も好ましく、分子内水素結合構造をとり易い構造にするために6員環の下記(Y−1)〜(Y−6)のいずれかである場合はより好ましく、下記(Y−1)、(Y−3)、(Y−4)、(Y−6)のいずれかである場合は更に好ましく、下記(Y−1)、又は(Y−4)である場合は特に好ましい。一般式(Y−1)〜(Y−13)中の*は、ピラゾール環のN原子との結合部位を表す。Y1〜Y11は水素原子又は置換基を表す。(Y−13)におけるG11は5〜6員複素環を構成する事ができる非金属原子群を表し、G11で表される複素環は無置換であっても、置換基を有していてもよく、複素環は単環であっても縮環していてもよい。式(Y−1)〜(Y−13)は置換基と共に互変異性体構造であってもよい。
なお、(A−10)、(A−14)〜(A−16)、(A−25)、(A−26)においては、R55が(Y−1)〜(Y−13)である場合も好ましい。
本発明の効果の点でY1〜Y11は水素原子、脂肪族基、アリール基、複素環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等である場合が好ましく、水素原子、脂肪族基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、脂肪族オキシ基、シアノ基である場合はより好ましい。
本発明の効果の点でAは、色相の点から5員環複素環である場合が好ましく、含窒素あるいは含硫黄5員複素環である場合がより好ましく、ヘテロ原子を2個以上含有する5員複素環である場合は更に好ましい。
なお、上記一般式(2)におけるGが水素原子であり、かつ、Aが上記一般式(A−1)〜(A−32)のいずれかを表す場合は、本発明の効果の点から、親水性基の置換位置は、R11、R2からR6、又はR51からR59であるのが好ましく、R11又はR55であるのが更に好ましく、R11であるのが特に好ましい。
また、上記一般式(2)におけるAが上記一般式(A−16)を表す場合は、本発明の効果の点から、親水性基の置換位置は、R11、R2からR6、R55、R58又はR59であるのが好ましく、R11又はR55であるのが更に好ましく、R11であるのが特に好ましい。
R21で表されるアミノ基、脂肪族オキシ基、窒素原子で結合した飽和複素環基としては、一般式(2)のR11で説明したものと同じである。本発明の効果の点で、R21として好ましくは、置換基を有していてもよいアミノ基、窒素原子で結合した飽和複素環基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアミノ基の場合である。
R2からR6で表される置換基として好ましくは、一般式(1)で表されるR2からR6で説明したものと同じである。
本発明の効果の点で、R2からR6は、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基である場合が好ましい。
本発明の効果の点で、Zとしては、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、スルファモイル基が好ましく、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基がより好ましく、シアノ基である場合が最も好ましい。
一般式(1)〜(4)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いてもよい。
例えば、一般式(1)で表されるアゾ化合物には、下記一般式(1’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ化合物の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
また、本発明において、一般式(1)で表されるアゾ化合物は、分子内水素結合又は分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましい。少なくとも1個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有することがより好ましく、少なくとも1個以上の分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが特に好ましい。
その結果、分子の平面性が上がり、顔料の母体骨格と相互作用しやすくなり、分散性、分散安定性及び耐光性等が向上することが期待できる。
以下に反応スキームを示す。
一般式(1)〜(4)、(5−1)〜(5−2)のnが2以上の場合の合成方法は、一般式(6)又は一般式(7)のR11、R2からR6、R55、R56等において、置換可能な2価、3価あるいは4価の置換基を導入した原料を合成し、前記スキームと同様に合成することができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出しているものもあるが、一般的には反応液にアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、本発明のアゾ化合物を得ることができる。
本発明の顔料組成物は、(A)有機顔料と、顔料誘導体としての(B)上記本発明のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物とを含有することを特徴とする。本発明のアゾ化合物は、様々な顔料に対し優れた分散性、分散安定性及び耐光性を付与することができる。
また、上記と同様の作用によって、時間が経過しても凝集が抑制された状態が維持されるため、顔料に優れた分散安定性が付与されるものと考えらえる。
更に、顔料は光を受けることによって、分散状態の顔料が結晶化(凝集化)しやすく、これに伴い、色相が所望の色から変化するが、上記のように、本発明のアゾ化合物を使用することによって、様々な顔料に対して凝集を抑制することができるので、様々な顔料に対して、優れた耐光性を付与することができる。
本発明の着色組成物は、上記した本発明の顔料組成物を含有する着色組成物を意味する。本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の顔料組成物を分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性インクの場合には、アゾ顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
次に、本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記で説明した顔料組成物を含む。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調製される。ただし、特に問題がない場合は、前記本発明の顔料組成物をそのまま用いてもよい。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となると記録ヘッドのノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると、印字後の記録媒体への浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s−1として行った。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、上記した本発明の顔料組成物を含有するが、更に重合性化合物及び溶剤を含むことが好ましい。
また、本発明のカラーフィルター用着色組成物を製造する際、上記のようにして得られたアゾ顔料はそのまま配合しても、溶剤中に分散した顔料分散物を配合してもよい。アゾ顔料は顔料分散物とすることで、色彩的特性、耐久性及び分散安定性、耐光性や耐候性が優れたものとなり
好ましい。
重合性化合物は、カラーフィルターの製造プロセスを考慮して適宜選択すれば良く、重合性化合物としては、感光性化合物及び/又は熱硬化性化合物などが挙げられるが、感光性化合物が特に好ましい。
光重合性化合物、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。また、アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体等のビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル等の側鎖にエチレン性二重結合を有する樹脂類も挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。重合性化合物の配合量はカラーフィルター用組成物中の全固形分中20〜95質量%、好ましくは40〜80質量%の範囲がよい。
重合性化合物として感光性化合物を用いる場合には、感光性化合物の単量体及び/又はオリゴマーと共に光重合開始剤を用いる。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾイン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、及びトリアジン誘導体などの化合物から選択される1種以上が挙げられる。これらの光重合開始剤とともに、更に公知の光増感剤を使用してもよい。
なお、本明細書及び請求の範囲において、「感光性樹脂」、及び「熱硬化性樹脂」は、各々硬化後の樹脂のみではなく、重合性の単量体及び/又はオリゴマーも含むものとする。
顔料分散物は、水系であっても非水系であってもよいが、そのカラーフィルターの製造方法によって異なり、例えばフォトリソグラフィー法では、非水系が好ましく、インクジェット法では、どちらでもかまわない。
本発明の着色組成物に用いる溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの脂肪酸エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサントリオールなどのグリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルなどのアルキレングリコールジアルキルエーテル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3―ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの含窒素極性有機溶媒;水などが挙げられる。
界面活性剤は界面活性作用を有するものであれば特に限定されないが、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、又は両性などの界面活性剤を挙げることができ、その具体例としては、アルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルりん酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸塩、及び脂肪族モノカルボン酸塩などの陰イオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、及び四級アミン塩などの陽イオン性界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤;アルキルベタインなどの両性界面活性剤;陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、両性のいずれであってもよい高分子系界面活性剤などが挙げられる。
フォトリソグラフィー法によりカラーフィルターを形成する場合には、本発明のカラーフィルター用着色組成物の重合性化合物として、感光性樹脂を用いる。感光性樹脂は、単量体及び/又はオリゴマーとして光重合開始剤と共に着色組成物中に配合され、光照射により硬化し透明基板上に被膜を形成する。
カラーフィルターをインクジェット法を用いて形成する場合には、本発明のカラーフィルター用着色組成物の重合性化合物としては、インクジェット方式用インクに従来用いられているものであれば特に限定されず、いずれを用いてもよい。感光性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の単量体が好適に用いられる。
例えば、重合性化合物、溶剤、添加剤などの成分、及びカラーフィルター形成時の処方については、慣用例に従って選択すればよく、上述のフォトリソグラフィー法及びインクジェット法の説明に挙げたものに限定されない。
なお、化合物D−49,D−89,及びD−90を使用した実施例は参考例と読み替えるものとする。
具体的化合物例D−1の合成
具体的化合物例D−1の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(1)を10mlのリン酸に加えて溶かした。この溶液を氷冷して5〜10℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(0)1.30gにジメチルアセトアミド25mlを添加し攪拌下に、前述のジアゾニウム塩溶液を5〜10℃で加えた。添加終了と同時に氷浴をはずし、更に3時間攪拌した。反応液にアセトニトリル50mlを添加し、30分間攪拌し、析出している結晶を濾別し、メタノール30mlでかけ洗いをした。結晶にアセトンを50ml加え、50℃過熱攪拌を30分間行った。室温で30分間攪拌し、析出している結晶をろ過し、アセトン30mlでかけ洗いをした。その後、乾燥せずに水100mlに加え、1N塩酸水溶液を30ml加え、析出している結晶を濾過し、水20ml及びメタノール20mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、本発明の化合物D−1を1.4g得た(収率57%、λmax:505nm、ε:1.91×104(CHCl3))。
具体的化合物例D−81の合成
具体的化合物例D−81の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(2)を10mlのリン酸に加えて溶かした。この溶液を氷冷して5〜10℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(3)1.30gにジメチルアセトアミド25mlを添加し攪拌下に、前述のジアゾニウム塩溶液を5〜10℃で加えた。添加終了と同時に氷浴をはずし、更に3時間攪拌した。反応液にアセトニトリル50mlを添加し、30分間攪拌し、析出している結晶を濾別し、メタノール30mlでかけ洗いをした。結晶にアセトンを50ml加え、50℃過熱攪拌を30分間行った。室温で30分間攪拌し、析出している結晶をろ過し、アセトン30mlでかけ洗いをした。その後、乾燥せずに水100mlに加え、1N塩酸水溶液を30ml加え、析出している結晶を濾過し、水20ml及びメタノール20mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、本発明の化合物D−81を1.2g得た(収率59%、λmax:506nm、ε:1.91×104(CHCl3))。図1に化合物D−81の赤外吸収チャートを示す。
具体的化合物例D−85の合成
具体的化合物例D−85の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(4)を10mlのリン酸に加えて30℃に加温し溶かした。この溶液を氷冷して0〜5℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1.5時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。このジアゾニウム塩溶液を、化合物(5)1.4gをジメチルアセトアミド5mlに溶かした溶液に5〜10℃に保ちながら滴下し、その後5〜10℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、氷浴をはずし、更に0.5時間攪拌した。反応液にメタノール50mlを加え、析出した結晶を濾別した。結晶にメタノール100mlを加え、80℃で3時間攪拌し、析出している結晶を濾過し、メタノール50mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、本発明の化合物D−85を2.04g得た(収率71%、λmax:506nm、ε:1.78×104(CHCl3))。
具体的化合物例D−83の合成
具体的化合物例D−83の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(6)を10mlのリン酸に加えて30℃に加温し溶かした。この溶液を氷冷して0〜5℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1.5時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。このジアゾニウム塩溶液を、化合物(7)1.4gをジメチルアセトアミド5mlに溶かした溶液に5〜10℃に保ちながら滴下し、その後5〜10℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、氷浴をはずし、更に0.5時間攪拌した。反応液にメタノール50mlを加え、室温で40分間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50mlでかけ洗いをした。結晶を乾燥せずに200ml、飽和炭酸水素ナトリウムを0.1ml加えて中和した。結晶にジメチルアセトアミド100mlを加え、80℃で3時間、室温で1時間攪拌し、析出している結晶を濾過し、アセトニトリル50mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、本発明の化合物D−83を1.89g得た(収率82%、λmax:501nm、ε:1.67×104(CHCl3))。図2に化合物D−83の赤外吸収チャートを示す。
具体的化合物例D−84の合成
具体的化合物例D−84の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(8)を10mlのリン酸に加えて30℃に加温し溶かした。この溶液を氷冷して0〜5℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1.5時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。このジアゾニウム塩溶液を、化合物(9)1.4gをジメチルアセトアミド5mlに溶かした溶液に5〜10℃に保ちながら滴下し、その後5〜10℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、氷浴をはずし、更に0.5時間攪拌した。反応液にメタノール50mlを加え、室温で40分間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50mlでかけ洗いをした。結晶を乾燥せずに200ml、飽和炭酸水素ナトリウムを0.1ml加えて中和した。結晶にジメチルアセトアミド100mlを加え、80℃で3時間、室温で1時間攪拌し、析出している結晶を濾過し、アセトニトリル50mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、本発明の化合物D−84を1.77g得た(収率81%、λmax:500nm、ε:1.89×104(CHCl3))。図3に化合物D−84の赤外吸収チャートを示す。
具体的化合物例D−1と同様にして、D−82を合成した。合成した化合物の赤外吸収チャートを図4に示す。
具体的化合物例D−1と同様にして、D−91を合成した。合成した化合物の赤外吸収チャートを図5に示す。
具体的化合物例P−1の合成
具体的化合物例P−1の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(10)を10mlのリン酸に加えて30℃に加温し溶かした。この溶液を氷冷して0〜5℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1.5時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。このジアゾニウム塩溶液を、化合物(11)1.4gをジメチルアセトアミド5mlに溶かした溶液に5〜10℃に保ちながら滴下し、その後5〜10℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、氷浴をはずし、更に0.5時間攪拌した。反応液にメタノール50mlを加え、室温で40分間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50mlでかけ洗いをした。結晶を乾燥せずに200ml、飽和炭酸水素ナトリウムを0.1ml加えて中和した。結晶にジメチルアセトアミド100mlを加え、80度で3時間、室温で1時間攪拌し、析出している結晶を濾過し、アセトニトリル50mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、化合物P−1を1.99g得た(収率83%、λmax:504nm、ε:1.59×104(CHCl3))。図6に化合物P−1の赤外吸収チャートを示す。
特開2008−202021号公報に記載の酸基導入色素A(ジアゾ成分:2−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼンスルホン酸、カップラー成分:2−ヒドロキシ−3−フェニルカルボモイルナフタレン)(以下の化学式で表される色素)を比較化合物1とした。
特開平5−117541に記載の製造例4の顔料誘導体(以下の化学式で表される顔料誘導体)を比較化合物2とした。
Pigment Red 254(A)を2.5部、合成例1で合成した顔料誘導体D−1(B)を0.25部、臭化セチルトリメチルアンモニウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、実施例1の赤色の顔料分散物を得た。
実施例1において、顔料分散物の調製に使用した(A)有機顔料、(B)顔料誘導体を下記表1に示すようにそれぞれ代えたこと以外、実施例1と同様にして、実施例2〜8、13〜20、及び、比較例1〜8の顔料分散物を調製した。表1に記載の顔料誘導体に関し、上記合成例に記載の無いものについても、上記合成例に準じて合成した。また、表1において、P.R.254は、Pigment Red 254(ジケトピロロピロール系赤色顔料)を示し、P.R.177は、Pigment Red 177(アントラキノン系顔料)を示し、P.R.122は、Pigment Red 122(キナクリドン系顔料)を示す。
Pigment Red 254(A)を2.5部、顔料誘導体D−49(B)を0.25部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、実施例9の赤色の顔料分散物を得た。D−49は上記合成例に準じて合成した。
実施例9において、顔料分散物の調製に使用した(A)有機顔料、(B)顔料誘導体を下記表1に示すようにそれぞれ代えたこと以外、実施例9と同様にして、実施例10〜12、及び、比較例9〜12の顔料分散物を調製した。
<分散性(平均粒子径)>
上記で得られた各顔料分散物を動的光散乱粒径測定装置(日機装(株)マイクロトラックUPA150)を用いて、常法により体積平均粒子径を測定した。顔料分散物を作製して室温で2時間後に測定した体積平均粒子径が、50nm以下のものを○、50nmより大きく100nm以下のものを△、100nmより大きいものを×とした。
上記で得られた各顔料分散物の70℃で2日間保存後の体積平均粒子径を室温で2時間後の体積平均粒子径で割った値が1.5以下のものを○、1.5より大きく5以下のものを△、5より大きいものを×とした。
上記で得られた各顔料分散物をNo.3のバーコーターを用いてセイコーエプソン(株)社製フォトマット紙<顔料専用>に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、「着色力(OD:OpticalDensity)」が1.0の塗布物を、フェードメーターを用いてキセノン光(170000lux.;325nm以下カットフィルター存在下)を14日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を、反射濃度計を用いて測定し、色素残存率[(照射後濃度/照射前濃度)×100%]として評価した。
色素残存率が80%より大きいとき、○
色素残存率が60%より大きく80%以下のとき、△
色素残存率が60以下のとき、×
とした。
一方、本発明の顔料誘導体を用いなかった比較例1〜12の顔料分散物は、粒子の大きさも充分に小さくなく、また、分散安定性も低かった。このように、比較例1〜12の顔料分散物では、様々な顔料に対して、優れた分散性、分散安定性及び耐光性を付与できないことが確認された。
Claims (10)
- 下記一般式(4)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物。
(一般式(4)中、
R21は、アリール基を有していてもよいアミノ基を表し、
R2からR6はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪族基、アリール基、複素環基、脂肪族オキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、スルファモイル基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。nは1を表す。
R55 はアリール基、複素環基より選択される置換基を表し、これらは脂肪族基、アリール基、複素環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、複素環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、複素環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、複素環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、ジアリールオキシホスフィニル基より選択される置換基により置換されていてもよい。
R56は水素原子、又は脂肪族基、アリール基、複素環基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基より選択される置換基を表し、隣接する置換基は互いに結合し、5〜6員環を形成していてもよい。
Zはシアノ基を表す。
R21、R2からR6、R55、及びR56の少なくとも1つは親水性基を含む。) - 前記親水性基が−SO3・M/n、−COO・M/n(Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、又はアンモニウムイオンを表し、nはMの価数(1〜3の整数)を表す)で表される置換基であることを特徴とする請求項1に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物。
- 前記親水性基がアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物。
- (A)有機顔料と、(B)請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物とを含有することを特徴とする顔料組成物。
- 前記有機顔料がジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料及びアゾ顔料から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の顔料組成物。
- 前記有機顔料がアゾ顔料であることを特徴とする請求項5に記載の顔料組成物。
- 前記請求項4〜6のいずれか1項に記載の顔料組成物の製造方法であって、
(B)請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩又は水和物の存在下、(A)有機顔料を分散する工程
を含む顔料組成物の製造方法。 - 請求項4〜6のいずれか1項に記載の顔料組成物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の顔料組成物を含むことを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。
- 請求項9に記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
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