JP2899598B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ

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JP2899598B2
JP2899598B2 JP2202485A JP20248590A JP2899598B2 JP 2899598 B2 JP2899598 B2 JP 2899598B2 JP 2202485 A JP2202485 A JP 2202485A JP 20248590 A JP20248590 A JP 20248590A JP 2899598 B2 JP2899598 B2 JP 2899598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた
電子写真装置並びにファクシミリに関し、詳しくは特定
の構造を有するジスアゾ顔料を含有する感光層を有する
電子写真感光体と該電子写真感光体を備えた電子写真装
置並びにファクシミリに関する。 [従来の技術] 電子写真法は米国特許第2297691号明細書に開示され
るように画像露光の間に受けた照射量に応じてその電気
抵抗が変化する暗所で絶縁性の物質をコーテイングした
支持体からなる光導電性材料を用いる。 この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求され
る基本的な特性としては(1)暗所で適当な電位に帯電
できること、(2)暗所において電荷の逸散が少ないこ
と、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめ得
ることなどが挙げられる。 従来より電子写真感光体としてはセレン、酸化亜鉛、
硫化カドミウムなどの無機光導電性化合物を主成分とす
る感光層を有する無機電子写真感光体が広く用いられて
きた。しかし、これらは前記(1)〜(3)の条件は満
足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性などにおいて必ず
しも満足し得るものではない。 例えばセレンは結晶化すると電子写真感光体としての
特性は劣化してしまうため、製造上も難しく、また熱や
指紋などが原因となり結晶化し、感光体としての性能が
劣化してしまう。 また硫化カドミウムでは耐湿性や耐久性、酸化亜鉛で
は平滑性、硬度、耐摩擦性に問題がある。 さらに無機電子写真感光体の多くは感光波長域が限定
されている。例えばセレンでは青色域であり、赤色域に
ほとんど感度を有さない。 そのため感光性を長波長域に広げるために種々の方法
が提案されているが感光波長域の選択には制約が多い。 酸化亜鉛あるいは硫化カドミウムを感光体として用い
る場合も、それ自体の感光波長域は狭く、種々の増感剤
の添加が必要とされる。 これら無機電子写真感光体の有する欠点を克服する目
的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真
感光体の開発が近年盛んに行われている。例えば特公昭
50−10496号公報、米国特許第3484237号明細書にはポリ
−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフルオ
レノン−9−オンを含有する感光層を有する感光体、ポ
リ−N−ビニルカルバゾールをピリリウム塩系色素で増
感したもの(特公昭48−25658号公報)などがある。 これらの有機電子写真感光体は前記無機電子写真感光
体の欠点をある程度改善したものの概して光感度が低く
なり、また繰返し使用に適するものではなかった。 上記欠点を克服するために近年有機電子写真感光体と
して様々な電子写真感光体が提案されているが、中でも
光を照射したとき電荷担体を発生する物質(電荷発生物
質)を含む層(電荷発生層)と電荷発生層が発生した電
荷担体を受け入れこれを搬送する物質(電荷輸送物質)
を主体とする層(電荷輸送層)とからなる積層型の電子
写真感光体が従来の有機電子写真感光体に比べ、一般に
感度が高く、繰返し使用にも耐えるなどの点から実用に
供されているものがある。 このような有機光導電性化合物は無機光導電性化合物
に比べ合成が容易で、しかも分子設計により可視光感度
に関しては感光波長域を比較的容易に変えることができ
るため、感色性のコントロールができ、かつ無害で生産
性、経済性も無機光導電性化合物に比べ格段に優れてい
ることから、近年各社競って開発を急いでおり、感度、
耐久性など実用化のレベルに達したものも少なくない。 しかし、現在、耐久性、繰返し使用の際の電位の安定
性、環境変動における電位変化の有無などにおいてアモ
ルファスシリコーンに代表される無機光導電性化合物に
比べると未だ劣るところが少なくない。 [発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は新規な光導電性材料を提供すること、
実用的な高感度特性と繰り返し使用における安定な電位
特性を有する電子写真感光体を提供すること、該電子写
真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリを提
供することにある。 [課題を解決する手段、作用] 本発明は導電性支持体上に下記一般式(1)で示すジ
スアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とする
電子写真感光体から構成される。 一般式 式中、Ar1およびAr2は同一または異なって結合基を介
して結合してもよい置換基を有してもよい芳香族炭化水
素基または芳香族複素環基を示し、A1およびA2は同一ま
たは異なってフェノール性水酸基を有するカプラー残基
を示し、nは3または4を示す。 具体的にはAr1およびAr2は、置換基を有してもよいベ
ンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンスレン、ア
ントラセン、ピレンなどの芳香族炭化水素基、フラン、
チオフェン、ピリジン、インドール、ベンゾチアゾー
ル、カルバゾール、アクリドン、ジベンゾチオフェン、
ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、オキサジア
ゾール、チアゾールなどの芳香族複素環基、さらに上記
芳香環を直接あるいは芳香族性基または非芳香族性基で
結合したもの、例えばトリフェニルアミン、ジフェニル
アミン、N−メチルジフェニルアミン、ビフェニル、タ
ーフェニル、ビナフチル、フルオレノン、フェナンスレ
ン、キノン、アントラキノン、ベンズアントロン、ジフ
ェニルオキサジアゾール、フェニルベンゾオキサゾー
ル、ジフェニルメタン、ジフェニルスルホン、ジフェニ
ルエーテル、ベンゾフェノン、スチルベン、ジスチリル
ベンゼン、テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、
テトラフェニルベンジジンなどが挙げられる。これらの
基の有してもよい置換基としてはフッ素、塩素、ヨウ
素、臭素などのハロゲン原子、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシなど
のアルコキシ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど
のジアルキルアミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、
ハロメチル基などが挙げられる。 A1およびA2の表わすフェノール性水酸基を有するカプ
ラー残基としては、好ましい例としては、下記一般式
(2)〜(6)で示す残基が挙げられる。 一般式(2)、(3)および(4)中のXはベンゼン
環と縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、アン
トラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール環、
ジベンゾフラン環などの多環芳香環または複素環を形成
するに必要な残基を表す。 一般式(6)中のYは置換基を有してもよい2価の芳
香族炭化水素基ないしは窒素原子を環内に含む2価の複
素環基を表し、具体的にはo−フェニレン、o−ナフチ
レン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、3,4−ピラ
ゾールジイル、2,3−ビリジンジイル、4,5−ピリジンジ
イル、6,7−インダゾールジイル、6,7−キノリンジイル
などの2価の基が挙げられる。 一般式(2)および(3)中のR1およびR2は水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基または複素環基を表し、またR1、R2はともに
窒素原子と結合して窒素原子を環内に含む環状アミノ基
を形成してもよい。 一般式(4)中のR3は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環
基を表す。 一般式(5)中のR4は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環
基を表す。 上記表現のアルキル基としてはメチル、エチル、プロ
ピルなどの基、アリール基の具体例としてはフェニル、
ナフチル、アンスリルなどの基、アラルキル基としては
ベンジル、フェネチルなどの基、複素環基としてはピリ
ジル、チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、
ベンゾチアゾリルなどの基、窒素原子を環内に含む環状
アミノ基としてはピロール、ピロリン、ピロリジン、ピ
ロリドン、インドール、インドリン、カルバゾール、イ
ミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、オキサジン、フ
ェノキサジンなどが挙げられる。 また置換基としては、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素な
どのハロゲン原子、メチル、エチル、プロピルなどのア
ルキル基、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノなどのアルキルアミノ
基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、ト
リフルオロメチルなどのハロメチル基などが挙げられ
る。 一般式(2)中のZは酸素原子または硫黄原子を表
し、lは0または1の整数である。 また、本発明は感光層が一般式(1)で示すジスアゾ
顔料を含有する電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも二
層からなる請求項1記載の電子写真感光体から構成され
る。 なお、一般式(1)中、A1、A2が一般式(2)、
(3)または(4)であり、該式中のXがベンゼン環と
縮合してベンズカルバゾール環を形成しているカプラー
残基である場合の顔料は、その吸収域が近赤外領域付近
まで広がるため、半導体レーザー用の電荷発生材料とし
ても好適である。 また、本発明は前記本発明の電子写真感光体を備えた
電子写真装置から構成される。 また、本発明は前記本発明の電子写真感光体を備えた
電子写真装置並びにリモート端末からの画像情報を受信
する受信手段を有するファクシミリから構成される。 以下に本発明の一般式(1)で示すジスアゾ顔料の代
表的な具体例を列挙するが、本発明において用いる上記
ジスアゾ顔料はこれらに限定されるものではない。 一般式(1)で示すジスアゾ顔料は、相当するジアミ
ンを常法によりテトラゾ化し、アルカリの存在下にカプ
ラーと水系でカップリングするか、テトラゾニウム塩を
ホウフッ化塩や塩化亜鉛復塩などに変換した後、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有
機溶剤中で酢酸ソーダ、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリンなどの塩基の存在下、カプラーとカップリン
グすることによって容易に合成できる。 一般式(1)中のA1、A2が相異なるカプラーであるジ
スアゾ顔料を合成する場合は、前述のテトラゾニウム塩
1モルに対し初めに一方のカプラー1モルをカップリン
グさせ、次いでもう一方のカプラー1モルをカップリン
グさせて合成するか、あるいはジアミンの一方のアミノ
基をアセチル基などで保護しておき、これをジアゾ化し
一方のカプラーをカップリングさせた後、保護基を塩酸
などで加水分解し、これを再びジアゾ化しもう一方のカ
プラーをカップリングさせて合成することができる。 本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に一般式
(1)で示すジスアゾ顔料を含有する感光層を有する。
感光層の形態は公知のいかなる形態を取っていてもかま
わないが、一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有する
感光層を電荷発生層とし、これに電荷輸送物質を含有す
る電荷輸送層を積層した機能分離型の感光層が特に好ま
しい。 電荷発生層は、前記のアゾ顔料を適当な溶剤中でバイ
ンダー樹脂と共に分散した塗布液を、導電性支持体上に
公知の方法によって塗布することによって形成すること
ができ、その膜厚は例えば5μm以下、好ましくは0.1
〜1μmの薄膜層とすることが望ましい。 この際用いられるバインダー樹脂は、広範な絶縁性樹
脂あるいは有機光導電性ポリマーから選択されるが、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルベンザール、ポリアリ
レート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ
樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン
などが好ましく、その使用量は電荷発生層中の含有率で
80重量%以下、好ましくは40重量%以下である。 また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述の電荷
輸送層や下引層を溶解しないものから選択することが好
ましい。 具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
などのエーテル類、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル
類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族
類、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの
アルコール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロル
エチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪
族ハロゲン化炭化水素類など挙げられる。 電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層され、電
界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受取り、これ
を輸送する機能を有している。 電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバイ
ンダー樹脂と共に溶剤中に溶解し塗布することによって
形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmであるが15
〜30μmが好ましい。 電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物質があ
り、電子輸送性物質としては、例えば2,4,7−トリニト
ロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン、クロラニル、テトラシアノキノジメタンなどの電子
吸引性物質やこれら電子吸引性物質を高分子化したもの
などが挙げられる。 正孔輸送性物質としてはピレン、アントラセンなどの
多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、イ
ミダゾール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサ
ジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジア
ゾール系、トリアゾール系化合物などの複素環化合物、
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチ
リデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化
合物、α−フェニル−4′−N,N−ジフェニルアミノス
チルベン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジ
リデン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンなどの
スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリール
メタン系化合物、トリフェニルアミンあるいは、これら
の化合物から成る基を主鎖または側鎖に有するポリマー
(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルア
ントラセンなど)が挙げられる。 これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレン−テ
ルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウムなどの無
機材料も用いることができる。 また、これらの電荷輸送物質は1種または2種以上組
合せて用いることができる。 電荷輸送物質が成膜性を有していないときには適当な
バインダー樹脂を用いることができる。具体的には、ア
クリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルースチレン
コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化
ゴムなどの絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポ
リマーなどが挙げられる。 感光層が形成される導電性支持体としては、例えばア
ルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレ
ス、バナジウム、モリブテン、クロム、チタン、ニッケ
ル、インジウム、金や白金などが用いられる。またこう
した金属あるいは合金を、真空蒸着法によって被膜形成
したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ア
クリル樹脂など)や、導電性粒子(例えばカーボンブラ
ック、銀粒子など)を適当にバインダー樹脂と共にプラ
スチックまたは金属基板上に被覆した支持体あるいは導
電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体などを用
いることができる。 導電性支持体と感光層の中間にバリヤー機能と接着機
能をもつ下引き層を設けることもできる。 下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロ
セルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイ
ロンなど)、ポリウレタン、酸化アルミニウムなどによ
って形成できる。 下引き層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μ
mが適当である。 本発明の別の具体例として、前述のジスアゾ顔料と電
荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真感光体を挙げ
ることができる。この際、電荷輸送物質としてポリ−N
−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンからな
る電荷移動錯体を用いることもできる。 この例の電子写真感光体は、前述のジスアゾ顔料と電
荷移動錯体を適当な樹脂溶液中に分散させた液を塗布乾
燥して形成することができる。 いずれの電子写真感光体においても用いる顔料は一般
式(1)で示すジスアゾ顔料の結晶形は非晶質であって
も結晶質であってもよく、また必要に応じて一般式
(1)で示すジスアゾ顔料を2種類以上組み合せたり、
公知の電荷発生物質と組み合せて使用することも可能で
ある。 本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用する
のみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンタ
ー、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版、
ファクシミリのプリンターなどの電子写真応用分野にも
広く用いることができる。 次に、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置
並びにファクシミリについて説明する。 第1図は本発明のドラム型感光体を用いた一般的な転
写式電子写真装置の概略構成を示した。 図において、1は像担持体としてのドラム型感光体で
あり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動さ
れる。該感光体1はその回転過程で帯電手段2によりそ
の周囲に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次い
で露光部3にて不図示の像露光手段により光像露光L
(スリット露光・レーザービーム走査露光など)を受け
る。 これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が
順次形成されていく。 その静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像さ
れ、そのトナー現像像が転写手段5により不図示の給紙
部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と
同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写され
ていく。 像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて像
定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピ
ー)として機外へプリントアウトされる。 像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6にて
転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光手
段7により除電処理がなされて繰り返して像形成に使用
される。 感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ帯電装置が
一般に広く使用されている。 また、転写装置5もコロナ転写手段が一般に広く使用
されている。 電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリ
ーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置
ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを
装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、
感光体1とクリーニング手段6とを一体化してひとつの
装置ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を
用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の
装置ユニットのほうに帯電手段および/または現像手段
を伴って構成しても良い。 また、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、原稿を読み取り信号化し、この信号によ
りレーザービームの走査、発光ダイオードアレイの駆
動、または液晶シャッターアレイの駆動などにより行わ
れる。 また、ファクシミリのプリンターとして使用する場合
には、光像露光Lは受信データをプリントするための露
光になる。 第2図は、この場合の1例をブロック図で示したもの
である。 コントローラ11は画像読取部10とプリンター19を制御
する。 コントローラ11の全体はCPU17により制御されてい
る。 画像読取部からの読取りデータは、送信回路13を通し
て相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信
回路12を通してプリンター19に送られる。画像メモリに
は所定の画像データが記憶される。プリンタコントロー
ラ18はプリンター19を制御している。14は電話である。 回線15から受信された画像(回線を介して接続された
リモート端末からの画像情報)は、受信回路12で復調さ
れた後、CPU17は画像情報の信号処理を行い順次画像メ
モリ16に格納される。そして、少なくとも1ページの画
像がメモリ16に格納されると、そのページの画像記憶を
行う。CPU17は、メモリ16より1ページの画像情報を読
み出しプリンタコントローラ18に信号かされた1ページ
の画像情報を送出する。 プリンタコントローラ18は、CPU17からの1ページの
画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行う
べく、プリンタ19を制御する。 なお、CPU17は、プリンタ19による記録中に、次のペ
ージの受信を行っている。 以上のように、画像の受信と記録が行われる。 [実施例] 実施例〔1〜5〕 アルミ支持体上にメトキシメチル化ナイロン(重量平
均分子量3万2千)5gとアルコール可溶性共重合ナイロ
ン(重量平均分子量2万9千)10gをメタノール95mlに
溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が1
μmの下引き層を形成した。 次に例示顔料(1)を5gをシクロヘキサノン95mlにブ
チラール樹脂(ブチラール化度63モル%)を2gを溶かし
た液に加え、サンドミルで20時間分散した。この分散液
を先に形成した下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.2μm
となるようにマイヤーバーで塗布し、乾燥して電荷発生
層を形成した。 次に、下記構造式で示すヒドラゾン化合物 とポリメチルメタクリレート(重量平均分子量10万)5g
をトルエン40mlに溶解し、これを電荷発生層の上に乾燥
後の膜厚が20μmとなるようにマイヤーバーで塗布し、
乾燥して電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光
体を作成した。 例示顔料(1)に代えて他の例示顔料を用い、実施例
2〜5に対応する電子写真感光体を全く同様にして作成
した。 作成した電子写真感光体を川口電機(株)製、静電複
写紙試験装置Model SP−428を用いて−5KVのコロナ放電
で負に帯電し、暗所で1秒間保持した後、ハロゲンラン
プを用いて照度10ルックスで露光し、帯電特性を評価し
た。 帯電特性としては、表面電位(V0)と暗所放置後の表
面電位が1/2に減衰するに必要な露光量(E1/2)を測定
した。結果を示す。 比較例1および2 実施例1に用いたアゾ顔料を下記構造式で示す比較顔
料(A)、(B)に代えた他は、実施例1と全く同様に
して電子写真感光体を作成し、同様に帯電特性を評価し
た。結果を示す。 この結果から、本発明の電子写真感光体は十分な帯電
能と優れた感度を有することが分かる。 実施例〔6〕 実施例〔5〕で作成した電子写真感光体を用い、繰り
返し使用時の明部電位と暗部電位の変動を測定した。 方法としては−6.5KVのコロナ帯電器、露光光学系、
現像器、転写帯電器、除電露光光学系およびクリーナー
を備えた電子写真複写機のシリンダーに貼り付けた。こ
の複写機はシリンダーの駆動にともない転写紙上に画像
が得られる構成になっている。 この複写機を用い初期の暗部電位VDと明部電位VLをそ
れぞれ−700V、−200V付近に設定し、5千回繰り返し使
用した際の暗部電位の変動量(ΔVD)と明部電位の変動
量(ΔVL)を測定した。結果を示す。なお、電位の変動
量における負記号は電位の絶対値の低下を表わし、正記
号は電位の絶対値の増加を表わす。 比較例3および4 比較例1および2で作成した電子写真感光体につい
て、実施例〔6〕と同様の方法により、繰り返す使用時
の電位変動を測定した。結果を示す。 上記の結果から、本発明の電子写真感光体は繰り返し
使用時の電位変動が少ないことが分かる。 実施例〔7〕 実施例〔3〕で作成した電子写真感光体の電荷発生層
と電荷輸送層を逆の順番で塗布した電子写真感光体を作
成し、実施例1と同じ方法で帯電特性を評価した。ただ
し、帯電は正帯電とした。 V0:+705V E1/2:3.5lux・sec 実施例〔8〕 実施例〔2〕で作成した電荷発生層上に2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン5gとポリー4,4′−ジオキシ
ジフェニル−2,2−プロパンカーボネート(分子量30
万)5gをクロロベンゼン50mlに溶解した液をマイヤーバ
ーで塗布し、乾燥後の膜厚が15μmの電荷輸送層を形成
した。 作成した電子写真感光体について実施例1と同じ方法
で帯電特性を評価した。ただし、帯電は正帯電とした。 V0:+690V E1/2:4.6lux・sec 実施例〔9〜11〕 実施例〔1〜3〕で作成した電子写真感光体を、780n
mの半導体レーザーおよびそのスキャンニングユニット
をタングステン光源に置き換えて静電複写紙試験装置
(前出のModel SP−428の改造機)を用いてスタティッ
ク方式で−5.5KVでコロナ帯電し、暗所で1秒間保持し
た後レーザー光で露光し帯電特性を調べた。 帯電特性としては、表面電位(V0)と1秒間暗減衰さ
せた時の電位を1/2に減衰するに必要な露光量(E1/2)
を測定した。結果を示す。 比較例5および6 比較例1および2で作成した電子写真感光体を実施例
〔9〕と同様にして帯電特性を測定した。 上記の結果、本発明の電子写真感光体はいずれもレー
ザー光に対して優れた感度を有することが知られる。 [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、感光層に特定構造の化合
物を用いたことにより、該電子写真感光体の電子写真特
性において高感度、繰り返し帯電、露光による連続画像
形成に際して、明部電位と暗部電位の変動が小さく、耐
久性に優れるという顕著な効果を発揮させるのに有効で
ある。 また、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びに
ファクシミリにおいても同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。 符号1は像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電
子写真感光体)、2はコロナ帯電装置、3は露光部、4
は現像手段、5は転写手段、6はクリーニング手段、7
は前露光手段、8は像定着手段、Lは光像露光、Pは像
転写を受けた転写材である。 第2図は電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。 符号10は画像読取部、11はコントローラ、12は受信回
路、13は送信回路、14は電話、15は回線、16は画像メモ
リ、17はCPU、18はプリンタコントローラ、19はプリン
ターである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 354

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に下記一般式(1)で示す
    ジスアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とす
    る電子写真感光体。 一般式 式中、Ar1およびAr2は同一または異なって結合基を介し
    て結合してもよい置換基を有してもよい芳香族炭化水素
    基または芳香族複素環基を示し、A1およびA2は同一また
    は異なってフェノール性水酸基を有するカプラー残基を
    示し、nは3または4を示す。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電子写真感光体を備えた電
    子写真装置
  3. 【請求項3】請求項1記載の電子写真感光体を備えた電
    子写真装置およびリモート端末からの画像情報を受信す
    る受信手段を有するファクシミリ。
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