JP5621983B2 - Sprセンサー - Google Patents
Sprセンサー Download PDFInfo
- Publication number
- JP5621983B2 JP5621983B2 JP2010526685A JP2010526685A JP5621983B2 JP 5621983 B2 JP5621983 B2 JP 5621983B2 JP 2010526685 A JP2010526685 A JP 2010526685A JP 2010526685 A JP2010526685 A JP 2010526685A JP 5621983 B2 JP5621983 B2 JP 5621983B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- detection
- dielectric constant
- spr sensor
- sensor according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
- G01N21/17—Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
- G01N21/55—Specular reflectivity
- G01N21/552—Attenuated total reflection
- G01N21/553—Attenuated total reflection and using surface plasmons
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
SPRセンサーの一例として、光源から出射した光を所定の入射角を持たせ、入射面とは別の面に金属薄膜を有する高屈折率プリズムに入射させ、被検出物に接した金属薄膜に照射し、このプリズムと金属薄膜の界面において反射する光をプリズムのさらに別の面から出射させ、その出射光の強度変化を検出器で検出する構成が知られている。この構成において、光源から照射されプリズムに入射した光は、プリズムと金属薄膜との界面でエバネッセント波を生じ、その一方で、金属薄膜表面では、表面プラズモン波が発生する。この表面プラズモン波を発生(励起)するのは、エバネッセント波の波数と表面プラズモン波の波数とが一致するように光の入射角もしくは入射光の波長が調整されている時であり、入射光のエネルギーは表面プラズモン波を励起するのに用いられ、反射光強度が減衰する。このときの反射光強度と波長との関係から、被検出物の膜厚・屈折率を知ることができ、この屈折率により被検出物の定性・定量分析をすることができる。
本発明の目的は、小型化・多チャンネル検出を簡単な構成、及び低コストで実現可能なSPRセンサーを提供することにある。
(1)光路と、
前記光路の側面に、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層が積層されてなる検出領域と、
を有するSPRセンサーであって、
前記検出領域が、1つの光路に対して2箇所以上形成されていること、及び
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域にはさらに誘電率調整層が積層されて、各検出領域においてそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域に積層された誘電率調整層が、被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能すること、
を特徴とするSPRセンサー。
1つの光路に対して2箇所以上形成されていること、及び
前記2箇所以上の検出領域に積層された誘電率調整層が、各検出領域においてそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域に積層された誘電率調整層が、被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能すること、
を特徴とする前記(1)に記載のSPRセンサー。
すなわち、本発明のSPRセンサーは、1つの光路に2以上の検出領域を設けることを可能とし、小型化と、多チャンネル検出を両立することができ、またスイッチング素子などの機構が不要であり低コストである。
より詳細には、本発明のSPRセンサーは、1つの光路の長さ方向(検出光の進行方向)に沿って検出領域が複数配列されるようにし、各検出領域での検出信号を異なる波長で観測するように構成できるため、1つの光路から1つの検出信号しか観測できなかった従来の方法と比べて、検出信号が多重化されて観測され、かつ、多重化された検出信号を容易に分離することができるため、集積化が容易であり、装置の小型化が可能である。また、本発明のSPRセンサーでは、従来のように複数の光路を並列に設ける場合と異なり、1つの共通の光路で複数の検出信号を得ることができるため、従来のように異なる光路間での製造ばらつきなどによる設計された所望の特性からのずれなどが生じる虞が少なく、製造トレランスが大きく製造コストを低減することが可能である。
以下に、本発明のSPRセンサーについて詳述する。
一方、いずれの検出領域においても、金属層上に誘電率調整層が形成されていない領域には何ら層形成はされておらず、金属層が露出した状態となっている。そして、光路は、検出領域において誘電率調整層が形成された領域を反射する光路と、誘電率調整層が形成されていない領域を反射する光路とがあり、前者が検出用の光路として使用され、後者が参照光用の光路として使用される。また、金属層及び誘電率調整層を形成していない領域を反射する光路を設け、そこを参照光用の光路として使用することもできる。なお、図1に示すSPRセンサーにおいて、光路は、スライドガラス11中の一部において光がスライドガラス11の厚み程度の範囲の幅を有して群速度伝搬方向へ伝搬する領域であり、金属層16の側面に位置するが、具体的領域を描くことは困難であるため、図1においては太い矢線で描くことで概念的に示し、この光路の中で、光の伝搬を幾何光学的に平面波のビームで表現した場合に、ジグザグで表現し得ることを示唆している。
また、光路に入射し光路内を伝搬する光が検出領域で全反射するように入射光の入射角が設定される。
一方、参照光用の光路を伝搬する光は、金属層が形成された検出領域で反射し出射口から出射する。この参照光のスペクトルは、被検出物のスペクトルとのリファレンスに供される。ここで、金属層及び誘電率調整層を形成していない領域を反射する光路を設け、そこを出射する光を被検出物のスペクトルとのリファレンスとすることもできる。
また、ここでは具体的に図示しないが、参照用の光路を上記例のように、別途設けるかわりに、1つの光路の側面に検出領域とは別に参照領域を設けることもできる。該構成とすることで、本発明に共通な効果として、並列なチャンネル数を低減することができ、さらに、製造ばらつきによる隣接光路の性能のばらつきを回避することができる。
一方、図2においてケーシング30(SPRセンサー10)の右側には光源36が設けられており、左側には検出器38が設けられている。光源36から出射する光はSPRセンサー10の右端面から入射してスライドガラス11内の光路を伝搬し、左端面から出射し、検出器38に達し光強度等が検出される。また、図示しないが、検出器38はコンピュータなどの演算機器に接続されており、該演算機器により検出した光強度データに基づく演算処理がなされる。
一方、エバネッセント波の波数と表面プラズモン波の波数とが一致するとき、既述の通り、エバネッセント波は表面プラズモン波を励起するのに必要な光として用いられるため、反射光の強度は減衰する。従って、反射光(すなわち出射光)の強度と波長をモニターし、出射光の強度が減衰したとき、そのときの波長(波数の逆数)から被検出物の屈折率と膜厚を求めることができる。なお、この表面プラズモンを励起するのは、いわゆるp偏光の成分である(図2では、紙面に平行な電界成分を持つ偏波)。さらに、誘電率調整層が十分厚い場合には、誘電率調整層で導波条件が満たされる場合に励起される導波モードによる出射光の減衰を測定し、これをもって被検出物の屈折率と膜厚を求める光導波モードセンサとして動作させることもできる。この導波モードは、pおよびs偏波双方の成分で励起できる。
さらに本発明においては、1つの光路に検出領域を2箇所以上設け、各検出領域に存在する被検出物を同時に検出することを可能としているが、単に、同一の検出領域を2箇所以上に設けたことのみでは、吸収ピークが重なってしまい同時検出することは困難である。そこで本発明においては、検出領域ごとに吸収ピーク波長を分離することで同時検出を可能としている。すなわち、検出領域が2箇所の場合、長波長側及び短波長側において2つの吸収ピークが現れるように設定し2つの吸収ピークを区別することで2箇所の検出領域における検出を可能としている。3箇所以上の検出領域の場合であっても、ある検出領域に対し所定の吸収ピーク波長となるように設定し、1つの光路に3箇所以上の検出領域を設けることにより、3以上の被検出物の同時検出が可能となる。
図16、17は、それぞれ、515nm、615nmの波長の光を使用した場合において、誘電率調整層の膜厚とその誘電率がそれぞれ異なる3つの各検出領域に対する反射率スペクトルを示している。この反射率スペクトルは、半円柱プリズム(材質:BK-7)の矩形平面上に、銀薄膜と誘電体薄膜とを積層した構造において、入射角65度で光を入射させた場合の計算結果に基づくものである。各波長における銀薄膜の誘電率はドルーデモデルから算出し、伝達マトリクス法により計算を行った。図16、17より、それぞれ、誘電率調整層の膜厚44.6nm、誘電率2.4+i0の場合、誘電率調整層の膜厚67.4nm、誘電率2.4+i0の場合、すなわち誘電率調整層の膜厚が薄く、かつその誘電率が高い場合が最も共鳴吸収帯の半値幅が小さく、これより、誘電率調整層の膜厚を薄くし、かつ誘電率調整層の構成材料として誘電率が高いものを使用することで、共鳴吸収帯の半値幅を小さくすることができると推察される。具体的には、誘電率調整層の膜厚は、1〜200nmとすることが好ましく、20〜100nmとすることがより好ましい。また、誘電率調整層の膜厚が当該範囲内であって、その誘電率は1.2〜4であることが好ましく、1.5〜3であることがより好ましい。
前記透明基材の素材としては、無機ガラス又はポリマーを用いることができる。無機ガラスを使用すると、検体(被検出物)が基材へ吸収されることによる検出特性への影響が少ない。ポリマーとしては、 ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート が挙げられ、中でも、ポリメチルメタクリレートが好ましい。
透明基材の厚さとしては、0.01〜2.0mmとすることが好ましい。
2次元光導波路は作製が容易であるが、横方向における光の閉じ込めが若干弱いので、平行ビームを用いるなど入射光の選択が必要である。これに対し、3次元光導波路は、損失が小さく、検出感度を向上することができる。また、光ファイバーは、遠隔地の検出が可能である。
2次元光導波路では、例えば、上下方向と左右方向など異なる2方位に光路を設定したり、検出光を2次元光導波路端で反射させたりすることで、光路をジグザグに設けることで、検出領域を面積効率がよく配置することが可能である。これに対して、3次元光導波路の場合には、光導波路に曲げや分岐を設けることで、検出信号を適切な位置に出力させるように構成することができるほか、MZ干渉計や、AWGのような公知の光導波路型デバイスと集積することで、感度を向上させたり、分光したりする機能を容易に付与することが可能である。例えば、本発明の場合に、1つの光路として3次元光導波路を採用し、複数の検出領域を通過させた後、AWGで分光することで、複数の検出信号を別の出力ポートへ分割して出力したり、光導波路端面においてアレイ型の光検出器へ導いたりすることで、分光スペクトルを直接得ることができる。こうすると、外部に分光器を設ける必要がなくなるため、プリズムもしくはグレーティングなどの部品を省略することができ、小型化することが可能である。
なお、金属層の厚さは、金属種、誘電率調整層の複素誘電率によって最適膜厚が異なり、好ましくは、Auは40nm、Ag・Cuは50nm、Al・Ptは15nmを中心として、±10nm程度を目安として、要求される検出感度に応じて選択されることが好ましい。
また、金属層は、スパッタ法、真空蒸着法などにより形成することができる。
また、前記2箇所以上の検出領域のうち、少なくとも1箇所の検出領域は表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層からなる検出領域であり、前記金属層からなる検出領域とは異なる少なくとも一つの検出領域は、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層及び誘電率調整層が積層されてなる検出領域である構成とすることができる。
あるいは、前記検出領域が、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層、及び誘電率調整層が積層されてなる検出領域であって、1つの光路に対して2箇所以上形成され、前記2箇所以上の検出領域に積層された誘電率調整層が、各検出領域においてそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域に積層された誘電率調整層が、被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能する構成とすることができる。
以上の構成において、2箇所以上の検出領域に誘電率調整層が積層される場合、該誘電率調整層が各検出領域においてそれぞれ異なる被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能する構成とすることができる。
また、誘電率調整層は必ずしも透明である必要はないが、表面プラズモン共鳴を鋭くするという観点から、透明媒質層であることが好ましい。透明媒質層を用いると、例えば波長スペクトルとして観測している場合であれば、共鳴吸収帯の半値幅が狭くなる。狭い吸収帯とすることによって、各検出領域での表面プラズモン励起による光吸収帯を分離して測定しやすくできると共に、多重化も容易となる。誘電率調整層として使用できる材質としては、ガラス膜、無アルカリガラス膜、酸化ケイ素膜、石英ガラス膜、フッ化マグネシウム膜、アルミナ膜、チタニア膜、シリコン窒化膜、ITO膜、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアミド酸、及びポリイミド前駆体ポリビニルカルバゾール、ポリメチルメタクリレート、ろう、ポリイミド又はテフロン(登録商標)、などが挙げられる。
また、アンモニア、二酸化窒素に対して感受性を付与するには、それぞれ、ポリアクリル酸、ポリアリルアミンを用いることができる。
以上の誘電率調整層の形成方法としては、特に限定されることはなく、公知の種々の成膜法、例えば、スピンコート法、ディップコート法、真空蒸着法等を採用することができるが、中でも、膜厚の均一性の向上及びラフネスの低減の観点から、スピンコート法及び真空蒸着法を採用することが好ましい。膜厚が均一であると、共鳴吸収帯の半値幅を狭くすることができ、隣接するピークのクロストークを低減するため多重化が容易となる。また、ラフネスを低減できると、検出光の散乱を防止することができ、検出精度の向上に寄与する。
また、誘電率調整層の厚さを異ならせて各検出領域における吸収ピーク波長を異ならせることができるが、誘電率調整層の誘電率が等しいとすれば、厚さの差を5〜2000nm、好ましくは10〜1500nmとすることができ、より好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは30〜200nmであり、40〜100nm程度とすることが特に好ましい。
一方、誘電率調整層の誘電率を変えることにより、等しい厚さであっても各検出領域における吸収ピーク波長を異ならせることもできる。被検出物に対して感受性(又は非感受性)を有する層が、表面処理や分子膜ではなく、誘電率調整層の表面に設けられた実体的厚さを有している層である場合には、感受性層や非感受性層の誘電率の影響も加味して総合的に所望のSPR条件を得るために誘電率調整層の誘電率を設計調整することが好ましい。
また、感受性層の材料として、各検出領域においてそれぞれポリアクリル酸、ポリアリルアミンを用いることで、前者はアンモニアに対して感受性を有し、後者は二酸化窒素に対して感受性を有するため、アンモニアと二酸化窒素とを区別して検出することができる。
さらに、このような2以上の感受性層を応用することで、例えば二酸化窒素を検出する際の湿度の干渉も検知することができる。すなわち、一方の感受性層として水溶性ポリマーなど、他方の感受性層として二酸化窒素検出のためのpH指示薬を使用することで、前者は湿度に感応し、後者は湿度および二酸化窒素に感応する。前者で湿度をモニタして、後者の測定結果において湿度の寄与を差し引き、二酸化窒素の正確な吸着量を求めることができる。
ここで、誘電率調整層が被検出物に対して感受性を有しない非感受性層として機能するとは、誘電率調整層自体又はその表面が被検出物に対して非感受性を有し、被検出物が誘電率調整層近傍に来た場合に、その表面に吸着される、表面層に吸収される、誘電率調整層に吸収される、表面で化学反応を起こす、化学反応によって結合を生じる、などすることを通して、誘電率調整層のSPR共鳴条件が変動しないことを意味する。例えば、被検出物質を選択的吸着(分野によっては、特異吸着という表現を用いることも多い)が起こらないものであれば、SPR共鳴条件が変動しないので、採用できる。例えば、波長スペクトルとして観測している場合であれば、共鳴ピークの波長がシフトしないことになる。
波長シフトを、スペクトル観測によって検出してもよいし、共鳴ピーク近傍の特定の波長位置での出射光強度をモニターし、強度の大小によって検出してもよい。また、共鳴ピーク付近で特定の波長特性を有するフィルタによって分別された光強度をモニターすることで検出してもよい。
この場合の非感受性層として機能する誘電率調整層を構成する材料としては、ガラス膜、無アルカリガラス膜、酸化ケイ素膜、石英ガラス膜、フッ化マグネシウム膜、アルミナ膜、チタニア膜、シリコン窒化膜、ITO(インジウムスズ酸化物)膜からなる群より選択される1種から構成されていることが好ましい。また、これらの層において、各層の材料物質と、それを表す組成式とは一致しているとは限らない。例えば蒸着などの成膜では、形成される膜の組成が組成式通りになるとは限らないからである。
非感受性層として機能する誘電率調整層は、少なくとも表面が被検出物質に対して非感受性を有していればよく、1層であっても、2層以上であってもよい。最上層が非感受性層で、その他の層は、感受性層であってもかまわない。
前記非感受性層の厚さとしては、1〜2000nmとすることができ、10〜1500nmとすることが好ましい。
また、非感受性層は、既述の誘電率調整層と同様の方法により形成することができる。
また、光路の上側面と右側面とすることもでき、この場合は偏波成分で検出(分波)することができる。これは、表面プラズモンがp偏波成分により励起されることに基づく。上または右それぞれの検出領域においてp偏波となる成分を検出することで、検出箇所を選択できる。また、導波モードを用いる場合ではpとs偏波双方で励起できるが、励起条件は一般に異なるので、それぞれの偏波成分で検出が可能である。
また、光路の上下左右4側面に検出領域を設けることもできる。ただし、この場合は、検出領域を設定するに際し、上記同様偏波面を考慮することが必要である。
また、本発明のSPRセンサーは、1つの光路で多チャンネル検出可能であることに特徴を有するが、以上のような構成とすることで、1つの光路で多チャンネル検出のみならず、参照光の検出も行うことができ、小型化、低コスト化を目的とする本発明には特に有用である。
また、上記同様の構成において、入射光を特定方向の直線偏波として、検出光は全ての偏波成分とすれば、入射光の偏波方向が上下方向の場合に、上側面の検出領域、入射光の偏波方向が左右方向の場合に、右側面の検出領域の検出信号を選択的に得ることができる。また、入射光を偏波面が回転するようにして入射すると、検出光を時分割で、上側面の検出領域、右側面の検出領域の検出信号を交互に検出することができる。
また、複数の検出領域の検出波長に合わせた複数の波長の光源を用いることもでき、この場合、合分波器など波長多重装置を用いて入射、出射で信号を分別することができる。また、この態様は、センサ部分に電源の供給を必要としないこと、入射光と出射光とを光ファイバを用いて遠隔地から入出力することが可能であることなどの点で、光ファイバでの遠隔検出との相性がよい。一方、光路部分(光導波路)と合分波器部分を集積化することで小型デバイスを実現することができる。
さらに、同一波長で異なる偏波を同時入射することができ、この場合、無偏光の光源、又は偏波スクランブルとの併用が必要である。
また、複数の検出領域に同一の検体(被検出物)を導く場合であっても、その検体とは異なる検体の検出をも可能とするため、異なる検体に適合する検出領域を形成してもよい。この構成により、ある検体の複数の性質の同時検出をしたり、混合物検体の成分検出をしたりすることができる。
さらに、複数の検出領域に互いに異なる検体が導かれるようにしてもよい。この構成により、多数検体の同時検出、二次元スポッティングされたDNA検体の検出・抗原抗体反応検出などをすることができる。二次元で利用するときは、1本のジグザグ光路とするか、複数のアレイとすればよい。
図3は、検出領域を3箇所設けた3チャンネルの同時検出が可能なSPRセンサーの例を示す。図3に示すSPRセンサー40は、透明基材11上に検出領域を3箇所有し、この3箇所の検出領域の金属層41、42、43上に、それぞれ、誘電率調整層44、45、46が形成されている。誘電率調整層44、45、46は、それぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、いずれも最外層はそれぞれ材質が異なる感受性層として形成されてなる。また、誘電率調整層44及び46はそれぞれ誘電率調整層45と厚さを異ならせている。以上の構成から、SPRセンサー40は、図3のSPRセンサーの下方に示すように、吸収ピーク波長が各検出領域において異なっており、各検出領域における被検出物を同時検出することができる。以上の構成は、誘電率調整層はいずれも感受性層として機能する構成であるが、少なくとも1箇所の領域において非感受性層として構成することもできる。
なお、金属層41、42、43を形成する金属の種類はそれぞれ異なっていてもよい。
図3の構成は、検出領域が3箇所の構成であるが、同様の手法により検出領域を4箇所以上とすることも可能である。
また、図4に示す構成では、光路の光伝搬方向に2箇所の検出領域を設ける構成(図1参照)と比較して、奥行きにおいて小型化が可能である。
金属層84は、既述の通り、表面プラズモン波の発生に使用されるが、本構成においてはQCM電極をも兼ねており、また、QCM水晶82の他方の面にはQCM電極94が形成されている。つまり、QCM水晶82は2つの電極84、94に挟まれた構成となっており、電極84、94及びQCM水晶82とでQCMセンサーを構成する。QCM電極94は透明基材たるQCM水晶に接しており光路と兼用されるため、鏡面となるよう厚め(200nm以上)に形成することが好ましい。
以上より、SPRセンサー80は、SPRセンサーとしての機能と、QCMセンサーとしての機能とを併せ持つ。
なお、金属層104、106を形成する金属の種類はそれぞれ異なっていても良い。
図8の構成は、検出領域が2箇所の構成であるが、異なる誘電率調整層を用いる手法により検出領域を3箇所以上とすることも可能である。
まず、透明基材としてスライドガラス(26mm×26mm)を用意し、このスライドガラスに対し真空蒸着法により50nmのAgの層からなる金属層を形成した。このとき、マスクを用いて、検出領域として形成しようとする領域2箇所に7mm×18mmの金属層を形成し、それ以外の領域には金属層が形成されないようにした。次に、図1に示すように、2箇所ある金属層のうち、一方の金属層上の半分の領域に10mg/mlのPVK溶液(溶媒:トルエン)を塗布液として、キャスト法により塗布し20nmの誘電率調整層(感受性層)を形成した。また、他方の金属層上の半分の領域に真空蒸着法によりMgF2の層を100nm形成し、さらに形成したMgF2の層上に20mg/mlのPVA溶液(溶媒:純水)をキャスト法により塗布し10nmの感受性層を形成してMgF2層とPVA層の誘電率調整層を形成し、実施例1のSPRセンサーを作製した。
スライドガラス上に2箇所の金属層を形成するまでの工程は実施例1と同様に行い、その後、2箇所ある金属層のうち、一方の金属層上の半分の領域に20mg/mlのPVA溶液(溶媒:純水)を塗布液として、キャスト法により塗布し10nmの誘電率調整層(感受性層)を形成した。また、他方の金属層上の半分の領域に真空蒸着法によりMgF2の層を90nm形成し、さらに形成したMgF2の層上に6mg/mlのPMMA溶液(溶媒:アセトン)をキャスト法により塗布し10nmのPMMA層(感受性層)を堆積し、MgF2層とPMMA層からなる誘電率調整層を形成した。
次いで、実施例1と同様にして、図2に示すような検出装置を作製した。そして、検出用のガスである導入ガスとして、シリカゲルを通過させた乾燥窒素、純水中でバブリングしたウェット窒素、トルエン中でバブリングしたトルエン−窒素を交互に導入した。具体的には、乾燥窒素を5分間、ウェット窒素を15分間、乾燥窒素を15分間、アセトン−窒素を60分間導入した。さらに、アセトンの飽和蒸気を10分間、乾燥窒素を30分間の順に導入した。次いで、実施例1と同様に検出して得られた吸収スペクトルを図11に示す。また、図12(a)(b)は、それぞれ、図11の吸収スペクトルの短波長側、長波長側における吸収ピーク付近を拡大して示す。図11、図12において、短波長側のピークはPVAを堆積した部分、長波長側はMgF2とPMMAを堆積した部分での表面プラズモン励起によるものである。これらの短波長、長波長側のピークはそれぞれ異なった応答をしていることがわかる。すなわち、短波長側のピークはPVAの吸湿性が強いため湿度に強く応答してピークが長波長側にシフトしており、乾燥時には元に戻っている。また、アセトンにはあまり応答性が無い。これに対して、長波長側のピークはPMMAの吸湿性が強くないため湿度に対する応答はPVAよりも小さい。また、PMMAはアセトンを吸着するため、アセトン蒸気への暴露に対してピークが長波長側にシフトしていることが分かる。このように、異なる感受性層を用いることで異なるガスに別の応答を観測することができる。
スライドガラス上に2箇所の金属層を形成するまでの工程は実施例1と同様に行い、その後、2箇所ある金属層のうち、一方の金属層上の半分の領域に5mg/mlのPVKと10mg/mlオクタデカン溶液(溶媒:トルエン)を塗布液として、ディップコート法により塗布し40nmの誘電率調整層(感受性層)を形成した。また、他方の金属層上の半分の領域に真空蒸着法によりMgF2の層を100nm形成し、さらに形成したMgF2の層上に10mg/mlのPVA溶液(溶媒:純水)をディップコート法により塗布し55nmのPVA層(感受性層)を堆積し、MgF2層とPVA層からなる誘電率調整層を形成した。
次いで、実施例1と同様にして、図2に示すような検出装置を作製した。そして、検出用のガスである導入ガスとして、シリカゲルを通過させた乾燥窒素、純水中でバブリングしたウェット窒素、トルエン中でバブリングしたトルエン−窒素を交互に導入した。具体的には、乾燥窒素を5分間、ウェット窒素を15分間、乾燥窒素を15分間、アセトン−窒素を2分間、さらに乾燥窒素を50分間の順に導入した。次いで、実施例1と同様に検出して得られた吸収スペクトルを図13に示す。また、図14は、図13の吸収スペクトルの短波長側における吸収ピーク付近を拡大して示す。図13、図14において、短波長側のピークはPVKとオクタデカンの混合膜を堆積した部分、長波長側はMgF2とPVAを堆積した部分での表面プラズモン励起によるものである。これらの短波長、長波長側のピークはそれぞれ異なった応答をしていることがわかる。すなわち、長波長側のピークはPVAの吸湿性が強いため湿度に強く応答してピークが長波長側にシフトしており、乾燥時には元に戻っている。また、トルエンにはあまり応答性が無い。これに対して、短波長側のピークはPVKとオクタデカンの混合膜の吸湿性が強くないため湿度に対する応答はPVAよりも小さい。また、この混合膜はトルエンを吸着するため、トルエン蒸気への暴露に対してピークが長波長側にシフトし、また観測窒素導入時には元に戻っていることが分かる。このように、異なる感受性層を用いることで異なるガスに別の応答を観測することができる。
スライドガラス上に2箇所の金属層を形成するまでの工程は実施例1と同様に行い、その後、2箇所ある金属層のうち、一方の金属層上の半分の領域に6mg/mlのPMMA溶液(溶媒:アセトン)を塗布液として、ディップコート法により塗布し65nmの誘電率調整層(感受性層)を形成した。また、他方の金属層上の半分の領域に真空蒸着法によりMgF2の層を100nm形成し、さらに形成したMgF2の層上に10mg/mlのPVA溶液(溶媒:純水)をディップコート法により塗布し60nmのPMMA層(感受性層)を堆積して、MgF2層とPVA層からなる誘電率調整層を形成した。
次いで、実施例1と同様にして、図2に示すような検出装置を作製した。そして、検出用のガスである導入ガスとして、シリカゲルを通過させた乾燥窒素、純水中でバブリングしたウェット窒素、ヘキサン中でバブリングしたヘキサン−窒素を交互に導入した。具体的には、乾燥窒素を5分間、ウェット窒素を20分間、乾燥窒素を20分間、アセトン−窒素を25分間、さらに乾燥窒素を60分間の順に導入した。次いで、実施例1と同様に検出して得られた吸収スペクトルを図15に示す。図15において、短波長側のピークはPMMAを堆積した部分、長波長側はMgF2とPVAを堆積した部分での表面プラズモン励起によるものである。これらの短波長、長波長側のピークはそれぞれ異なった応答をしていることがわかる。すなわち、長波長側のピークはPVAの吸湿性が強いため湿度に強く応答してピークが長波長側にシフトしており、乾燥時には元に戻っている。また、ヘキサンにはあまり応答性が無い。これに対して、短波長側のピークはPMMAの混合膜の吸湿性が強くないため湿度に対する応答はPVAよりも小さい。また、この混合膜はヘキサンを吸着するため、ヘキサン蒸気への暴露に対してピークが長波長側にシフトし、また観測窒素導入時には元に戻っていることが分かる。このように、異なる感受性層を用いることで異なるガスに別の応答を観測することができる。
本実施例は、3箇所の検出領域を有するSPRセンサーの実施例である。図18に示すSPRセンサー110は、透明基材112上に検出領域を3箇所有し、いずれの検出領域も、それぞれの金属層114上に、誘電率調整層116A、116B、116Cが積層されてなる。誘電率調整層116A、116B、116Cはそれぞれ膜厚が異なり、膜厚を異ならせることでそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように調整されている。当該SPRセンサーを以下のようにして作製し、被検出物の検出に供した。
まず、実施例1と同様にして、スライドガラス上に3箇所の金属層を形成した(図18参照)。その後、3箇所ある金属層上に、それぞれ、5mg/ml、20mg/ml、35mg/mlの濃度のポリビニルアルコール(PVA)水溶液をスピンコート法により塗布し、それぞれ、厚み22nm、58nm、94nmのPVA層(感受性層)からなる誘電率調整層を形成した。
また、以上のように、短波長側、中間波長域、長波長側における各ディップ波長が湿度変化によりシフトするが、図20に、短波長側、中間波長域、長波長側のそれぞれのディップの時間に対する波長のシフト量を示した。
さらに、図22に、図21に示した各波長に対する透過率変化(delta T)の自然対数をとってグラフ化したものを示す。このように、膜厚を異ならせたPVA層はそれぞれ異なる応答を示す。
ここで、図22の傾きから算出した吸着過程・脱離過程における時定数を表1に示す。この時定数は、時間をtとして透過率変化がe-t/τに比例するとした時のτであり、吸着・脱離過程で変化量が約65%に至るまでの時間を意味し、吸着が単一の過程のみでない場合は、複数の時定数を有することがある。さらに詳細に説明すると、透過率(%)の数値をT、その飽和値Tsat(データとしては、透過率が減少する場合には、透過率の数値の最低値を採用する。)としたとき、ln(T-Tsat)を横軸時間t(s)でプロットして、1本あるいは2本(時定数が2以上観測される場合)の直線で近似された場合の傾きの逆数が時定数として与えられる。このとき、T−TsatをΔTとし、ΔTの初期値をΔTini=Tini - Tsat と表記すれば、ΔT=ΔTini exp[-t/τ]を計算していることとなる。なお、expの中の符号が−か、+かは、吸着過程の時と脱着過程の時とで異なるが、時定数が+となるように定義される。
本実施例においては、吸着過程では、10%の平衡吸着量と考えられるドライ吹き付けで安定した時における透過率をTini、90%の平衡吸着量と考えられるウェット吹き付けで安定した時における透過率をTsatとして、上式のようにしてτを計算した。脱着過程では、90%をTini、10%をTsatとして、同様にしてτを計算した。
実施例5におけるウェット窒素を60分間導入する代わりに、エタノール中でバブリングしたエタノール−窒素を10分間導入したこと以外は実施例5と同様に検出を行った。得られた透過率スペクトルを図23に示す。また、図24に、短波長側、中間波長域、長波長側のそれぞれのディップの時間に対する波長のシフト量を示した。
また、実施例5と同様に、エタノール−窒素の導入開始直前から導入終了直後までにおける、各誘電率調整層の検出光(透過率ディップ波長)に対する透過率の経時変化と、その透過率変化(delta T)の自然対数をとってグラフ化したものを図25、26に示す。図25、26からも、膜厚が異なる3つのPVA層が感受性層としてエタノールに対して応答性を示し、エタノールを検出可能であることが分かる。さらに、本実施例における吸着過程・脱離過程における時定数を表2に示す。
厚み22nm、34nm、48nmのPVA層(感受性層)からなる誘電率調整層を形成したこと以外は実施例5と同様にして検出を行った。得られた透過率スペクトルを図27に示す。図27からも、1つの光路に3箇所の検出領域を設けた場合であっても、3箇所の検出領域に位置する被検出物を同時に検出することができることが分かる。
11 スライドガラス(透明基材)
12 14 検出領域
16 金属層
18 PVK層(誘電率調整層)
20 金属層
22 MgF2層(誘電率調整層)
24 PVA層(誘電率調整層)
30 ケーシング
32 ガス導入口
35 ガス排出口
36 光源
38 検出器
Claims (24)
- 光路と、
前記光路の側面に、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層が積層されてなる検出領域と、
を有するSPRセンサーであって、
前記検出領域が、1つの光路に対して2箇所以上形成されていること、
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域にはさらに誘電率調整層が積層されて、各検出領域においてそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域に積層された誘電率調整層が、それ自体又はその最表面が被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能すること、及び
前記誘電率調整層の膜厚が1〜200nmであり、かつ/または、前記誘電率調整層の構成材料の誘電率が1.2〜4であること、
を特徴とするSPRセンサー。 - 光路と、
前記光路の側面に、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層が積層されてなる検出領域と、
を有するSPRセンサーであって、
前記検出領域が、1つの光路に対して2箇所以上形成されていること、及び
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域にはさらに膜厚が均一である誘電率調整層が積層されて、各検出領域においてそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域に積層された誘電率調整層が、それ自体又はその最表面が被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能すること、
を特徴とするSPRセンサー。 - 前記2箇所以上の検出領域のうち、少なくとも1箇所の検出領域は表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層からなる検出領域であって、前記金属層からなる検出領域とは異なる少なくとも一つの検出領域は、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層及び誘電率調整層が積層されてなる検出領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載のSPRセンサー。
- 前記検出領域が、表面プラズモン共鳴現象を起こすように形成された金属層、及び誘電率調整層が積層されてなる検出領域であって、
1つの光路に対して2箇所以上形成されていること、及び
前記2箇所以上の検出領域に積層された誘電率調整層が、各検出領域においてそれぞれ異なる表面プラズモン共鳴を有するように誘電率が調整されており、
前記2箇所以上の検出領域のうち少なくとも1箇所の検出領域に積層された誘電率調整層が、それ自体又はその最表面が被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のSPRセンサー。 - 前記2箇所以上の検出領域に誘電率調整層が積層され、該誘電率調整層が、それ自体又はその最表面が各検出領域においてそれぞれ異なる被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記2箇所以上の検出領域に誘電率調整層が積層され、該誘電率調整層が各検出領域において材質が異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記2箇所以上の検出領域のうち、前記被検出物に対して感受性を有する感受性層として機能する誘電率調整層が積層された検出領域とは異なる少なくとも1つの検出領域に、被検出物に対して感受性を有しない非感受性層として機能する誘電率調整層が積層されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 検出領域が2箇所以上形成された光路を用いての検出に際し、検出光としてはp偏波成分を用い、参照光としてはs偏波成分を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記誘電率調整層が各検出領域において厚さが異なることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記誘電率調整層が、透明媒質からなる請求項1〜9のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記光路が透明基材中に位置することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記透明基材が無機ガラスからなることを特徴とする請求項11に記載のSPRセンサー。
- 前記透明基材がポリマーからなることを特徴とする請求項11に記載のSPRセンサー。
- 前記光路が2次元光導波路のコア層の一部であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記光路が3次元光導波路のコアであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記光路が光ファイバーのコアであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記金属層を構成する金属として、Au、Ag、Pt、Cu、及びAlからなる群より選択される少なくとも1種を用いたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記感受性層に含有される感受性を有する物質が溶媒可溶の物質であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記溶媒可溶の物質が親水性物質であることを特徴とする請求項18に記載のSPRセンサー。
- 前記親水性物質として、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアミド酸、及びポリイミド前駆体からなる群より選択される少なくとも1種を用いたことを特徴とする請求項19に記載のSPRセンサー。
- 前記溶媒可溶の物質が疎水性物質であることを特徴とする請求項18に記載のSPRセンサー。
- 前記疎水性物質が、ポリビニルカルバゾール、ポリメチルメタクリレート、ろう、ポリイミド、及びテフロン(登録商標)からなる群より選択される1種であることを特徴とする請求項21に記載のSPRセンサー。
- 前記感受性層が、感受性を有する物質をポリマー中に含む層であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
- 前記非感受性層が、ガラス膜、無アルカリガラス膜、酸化ケイ素膜、石英ガラス膜、フッ化マグネシウム膜、アルミナ膜、チタニア膜、シリコン窒化膜、及びITO膜からなる群より選択される1種から構成されていることを特徴とする請求項7〜23のいずれか1項に記載のSPRセンサー。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008224114 | 2008-09-01 | ||
JP2008224114 | 2008-09-01 | ||
PCT/JP2009/064662 WO2010024202A1 (ja) | 2008-09-01 | 2009-08-21 | Sprセンサー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2010024202A1 JPWO2010024202A1 (ja) | 2012-01-26 |
JP5621983B2 true JP5621983B2 (ja) | 2014-11-12 |
Family
ID=41721370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010526685A Expired - Fee Related JP5621983B2 (ja) | 2008-09-01 | 2009-08-21 | Sprセンサー |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8564781B2 (ja) |
JP (1) | JP5621983B2 (ja) |
WO (1) | WO2010024202A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016125696A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-11 | 日東電工株式会社 | 計測装置 |
Families Citing this family (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2264438A1 (en) * | 2009-06-19 | 2010-12-22 | The European Union, represented by the European Commission | A surface plasmon resonance sensing method and sensing system |
TWI424156B (zh) * | 2009-09-14 | 2014-01-21 | Forward Electronics Co Ltd | 光學感測元件之改良方法 |
TWI424155B (zh) * | 2009-12-31 | 2014-01-21 | Forward Electronics Co Ltd | Surface plasmon resonance sensor |
SG185248A1 (en) * | 2011-05-05 | 2012-11-29 | Agency Science Tech & Res | A photodetector and a method of forming the same |
JP5948746B2 (ja) * | 2011-07-08 | 2016-07-06 | セイコーエプソン株式会社 | 検出装置 |
KR101257309B1 (ko) * | 2011-11-11 | 2013-04-23 | 한국과학기술연구원 | 광섬유 표면 플라즈몬 공진 센서 및 이를 이용한 센싱 방법 |
JP5789527B2 (ja) * | 2012-01-18 | 2015-10-07 | 株式会社アマダホールディングス | レーザ加工装置及びレーザ発振制御方法 |
EP2626691A1 (en) * | 2012-02-08 | 2013-08-14 | Stichting IMEC Nederland | Surface Wave Sensing |
CN104350375B (zh) * | 2012-03-26 | 2016-11-16 | 柯尼卡美能达株式会社 | 棱镜以及传感器芯片 |
US9829425B2 (en) * | 2013-04-22 | 2017-11-28 | The Regents Of The University Of California | Optofluidic devices and methods for sensing single particles |
JP2015127697A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-07-09 | 日東電工株式会社 | 光導波路ならびに該光導波路を用いたsprセンサセルおよび比色センサセル |
JP6363680B2 (ja) * | 2016-11-16 | 2018-07-25 | ファナック株式会社 | レーザ装置 |
FR3071061B1 (fr) * | 2017-09-14 | 2019-09-13 | Aryballe Technologies | Systeme de detection perfectionne pour nez electronique et nez electronique comprenant un tel systeme |
TWI759573B (zh) * | 2018-01-15 | 2022-04-01 | 美商羅門哈斯電子材料有限公司 | 聲波感測器及感測氣相分析物之方法 |
EP3821232A4 (en) * | 2018-07-11 | 2022-07-06 | Ofek - Eshkolot Research and Development Ltd. | METHOD AND DEVICE FOR DETECTING EXTRACELLULAR VESICLES |
CN113661425B (zh) * | 2018-11-29 | 2024-06-11 | 乐卓博大学 | 显微术方法和系统 |
CN110346333A (zh) * | 2019-08-07 | 2019-10-18 | 东北大学 | 一种lrspr高灵敏度光纤传感器 |
CN111368480B (zh) * | 2020-03-11 | 2023-12-22 | 深圳大学 | Spr传感器灵敏度检测分析的方法及系统 |
WO2021229432A1 (en) * | 2020-05-12 | 2021-11-18 | Moresense S.R.L. | Spr sensor with waveguide and mirrors for coupling light into and out of the waveguide |
CN111457862A (zh) * | 2020-05-25 | 2020-07-28 | 重庆三峡学院 | 一种方向识别的光纤spr曲率传感器及使用制作方法 |
CN112285825A (zh) * | 2020-10-19 | 2021-01-29 | 东南大学 | 一种光耦合芯片及其制备方法 |
CN113075165B (zh) * | 2021-03-18 | 2022-10-18 | 重庆理工大学 | 一种u形湿敏光纤传感器及制作方法 |
CN113916836B (zh) * | 2021-11-02 | 2023-07-21 | 东北石油大学 | 基于光子准晶体光纤spr的甲烷和氢气同步测量传感器 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001041881A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-16 | Japan Science & Technology Corp | 偏光を用いたspr装置及びspr測定方法 |
JP2001337036A (ja) * | 2000-05-25 | 2001-12-07 | Masao Karube | 差動式sprセンサー及び該センサーを用いた測定法 |
JP2003294610A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-15 | Fuji Photo Film Co Ltd | 測定チップ及びその製造方法 |
WO2007105771A1 (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-20 | Omron Corporation | 表面プラズモン共鳴センサ用チップおよび表面プラズモン共鳴センサ |
WO2008075578A1 (ja) * | 2006-12-19 | 2008-06-26 | Omron Corporation | 表面プラズモンセンサ |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE462408B (sv) * | 1988-11-10 | 1990-06-18 | Pharmacia Ab | Optiskt biosensorsystem utnyttjande ytplasmonresonans foer detektering av en specific biomolekyl, saett att kalibrera sensoranordningen samt saett att korrigera foer baslinjedrift i systemet |
JP3576093B2 (ja) | 2000-11-22 | 2004-10-13 | 日本電信電話株式会社 | 光導波路型spr現象測定装置 |
JP2004061211A (ja) * | 2002-07-26 | 2004-02-26 | Shimadzu Corp | 蛍光検出方法及び装置 |
WO2005054826A1 (ja) | 2003-12-08 | 2005-06-16 | Omron Corporation | 光分析装置及び光分析デバイス |
WO2007015556A1 (en) * | 2005-08-01 | 2007-02-08 | Canon Kabushiki Kaisha | Target substance detecting device, target substance detecting method using the same, and detecting apparatus and kit therefor |
US7407817B2 (en) * | 2006-01-19 | 2008-08-05 | The Chinese University Of Hong Kong | Surface plasmon resonance sensors and method for detecting samples using the same |
JP4893032B2 (ja) * | 2006-03-15 | 2012-03-07 | オムロン株式会社 | 光学部品、光学センサ及び表面プラズモンセンサ |
JP2007263736A (ja) | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Fdk Corp | 表面プラズモン共鳴センサを用いた測定システム |
JP5397577B2 (ja) * | 2007-03-05 | 2014-01-22 | オムロン株式会社 | 表面プラズモン共鳴センサ及び当該センサ用チップ |
JP5180703B2 (ja) * | 2008-06-27 | 2013-04-10 | 富士フイルム株式会社 | 検出方法、検出用試料セルおよび検出用キット |
US20090325315A1 (en) * | 2008-06-30 | 2009-12-31 | Arkray, Inc. | Detection method of target substance, detection reagent used for the same, and the uses thereof |
-
2009
- 2009-08-21 WO PCT/JP2009/064662 patent/WO2010024202A1/ja active Application Filing
- 2009-08-21 US US13/061,620 patent/US8564781B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2009-08-21 JP JP2010526685A patent/JP5621983B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001041881A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-16 | Japan Science & Technology Corp | 偏光を用いたspr装置及びspr測定方法 |
JP2001337036A (ja) * | 2000-05-25 | 2001-12-07 | Masao Karube | 差動式sprセンサー及び該センサーを用いた測定法 |
JP2003294610A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-15 | Fuji Photo Film Co Ltd | 測定チップ及びその製造方法 |
WO2007105771A1 (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-20 | Omron Corporation | 表面プラズモン共鳴センサ用チップおよび表面プラズモン共鳴センサ |
WO2008075578A1 (ja) * | 2006-12-19 | 2008-06-26 | Omron Corporation | 表面プラズモンセンサ |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6009046819; KOBAYASHI,Y. et al: 'Humidity Sensing Using Surface Plasmon Excitation in Fluorescent Microsphere Films' Trans Mater Res Soc Jpn Vol.32, No.2, 2007, p.317-320 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016125696A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-11 | 日東電工株式会社 | 計測装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2010024202A1 (ja) | 2012-01-26 |
US20110157593A1 (en) | 2011-06-30 |
US8564781B2 (en) | 2013-10-22 |
WO2010024202A1 (ja) | 2010-03-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5621983B2 (ja) | Sprセンサー | |
US6421128B1 (en) | Coupled plasmon-waveguide resonance spectroscopic device and method for measuring film properties in the ultraviolet and infrared special ranges | |
US5991488A (en) | Coupled plasmon-waveguide resonance spectroscopic device and method for measuring film properties | |
US6330387B1 (en) | Coupled plasmon-waveguide resonance spectroscopic device and method for measuring film properties in the ultraviolet and infrared spectral ranges | |
JP3076604B2 (ja) | 表面プラズモン共鳴装置 | |
JP4842930B2 (ja) | 寄生反射を低減する光呼掛け装置および寄生反射を除去する方法 | |
US7817278B2 (en) | Surface plasmon resonance sensor apparatus having multiple dielectric layers | |
JP5920996B2 (ja) | 2次元試料配列を検出及び撮像するためのシステム及び方法 | |
TWI322264B (en) | Method to generate electromagnetic field distributions,platform for generating electromagnetic field distribution,measuring system,and sensor with the platform | |
JPH06300683A (ja) | 伝搬特性測定プロセス及び装置 | |
US8629983B2 (en) | Assembly with absorbing sensor layer | |
US20100208253A1 (en) | Multi-Modal Surface Plasmon Polariton - Raman Scattering Based Bio-Detection | |
JPWO2012098758A1 (ja) | 検出装置 | |
US20100065732A1 (en) | Analytical system with photonic crystal sensor | |
JP2005257455A (ja) | 測定装置および測定ユニット | |
WO2013056137A1 (en) | Systems and methods enabling high-throughput, real time detection of analytes | |
JP2004506893A (ja) | センサ装置 | |
EP2546633A1 (en) | Laminated structure for measurement of intensity of reflected light, device equipped with laminated structure for measurement of reflected light, and method for determination of thickness and/or mass and/or viscosity of thin film | |
JP2007178442A6 (ja) | イメージングの装置及び方法 | |
JP2004170095A (ja) | 導波路構造及びその製造方法、並びにそれを用いた表面プラズモン共鳴センサと屈折率変化測定方法 | |
JP2004239715A (ja) | 測定装置 | |
Han et al. | An ellipsometric surface plasmon resonance system for quantitatively determining the normal of a sensor surface and multi-channel measurement | |
JP4173725B2 (ja) | エバネッセント波を利用したセンサー | |
JP4219689B2 (ja) | イメージングの装置及び方法 | |
WO2013089624A1 (en) | Systems and methods for high throughput detection and imaging of sample arrays using surface plasmon resonance |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130416 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130617 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130617 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140414 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140812 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140909 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5621983 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |