JP2005257455A - 測定装置および測定ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料を供給する流路を選択的に使用可能な測定装置および測定チップにおいて、1つの測定チップ内で2種類の測定を同時に行うことを可能とし、また、測定チップ内に試料を溜めて行う通常の測定に加え、測定チップ内に試料を連続的に供給して行う測定も可能とする。
【解決手段】 測定チップ9の金属膜12を2つの領域12aおよび12bに分け、そのうちの一方の領域12b上にセンシング物質30が固定する。また、測定チップ9の試料保持部10c内に、液体試料を供給するための供給路52および液体試料を排出するための排出路53を備えた流路ユニット50を取り付け、金属膜12およびセンシング物質30上に流路を形成する。測定時には、流路ユニット50により金属膜12上に液体試料11を供給し、誘電体ブロック10と金属膜12の領域12aとの界面10a、および誘電体ブロック10と金属膜12の領域12bとの界面10bに対して、並列的に光ビーム13を入射させて測定を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、試料に接した薄膜層と誘電体ブロックとの界面で光ビームを全反射させてエバネッセント波を発生させ、それにより全反射した光ビームの強度に表れる変化を測定して試料の分析を行う測定装置およびこの装置に用いる測定ユニットに関するものである。
従来より、エバネッセント波を利用した測定装置の1つとして、表面プラズモンセンサーが知られている。金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。表面プラズモンセンサーは、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料の特性を分析するものであり、種々のタイプのセンサーが提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。
上記の系を用いる表面プラズモンセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を検出する光検出手段と、該光検出手段の検出結果に基づいて表面プラズモン共鳴の状態を測定する測定手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサーによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサーによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモンセンサーにおいて、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この光強度の低下が生じる全反射角以上の特定入射角θSP(以後全反射減衰角θSPと記載)より表面プラズモンの波数が解ると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
Figure 2005257455
試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料の屈折率等が分かるので、結局、全反射減衰角θSPを知ることにより、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求めることができる。
また、エバネッセント波を利用した類似のセンサーとして、漏洩モードセンサーも知られている(例えば非特許文献1参照)。この漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定する光検出手段と、該光検出手段の検出結果に基づいて導波モードの励起状態を測定する測定手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰角θSPを知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
また、上述した表面プラズモンセンサーや漏洩モードセンサーは、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモンセンサーの場合は金属膜であり、漏洩モードセンサーの場合はクラッド層および光導波層)上にセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体の溶液(液体試料)を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角θSPを測定している。液体試料中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角θSPを測定し、全反射減衰角θSPに変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合が行われているか否か、すなわち被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体あるいは抗体と抗体が挙げられ、そのようなものに関する具体的な測定としては、一例として、センシング物質をウサギ抗ヒトIgG抗体とし、被検体であるヒトIgG抗体との結合の有無検出とその定量分析を行う測定が挙げられる。
なお、液体試料中の被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、必ずしも全反射減衰角θSPの角度そのものを検出する必要はない。例えばセンシング物質に被検体が含まれた液体試料を添加し、その後の全反射減衰角θSPの角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。
また、本発明者等は、使い勝手のよいウェル形状の測定チップを用いて、上記全反射減衰の状態の測定を行うセンサーを提案している。(例えば特許文献2参照)。このようなウェル形状の測定チップを用いることにより、例えば試料として液体試料を用いる場合であれば、測定チップ内に入る少量の液体試料を準備するのみで、測定を行うことができる。また測定チップを複数個保持可能なテーブルを用いることにより、短時間で容易に多種の試料の測定を行うことができる。
特開平6−167443号公報 特開2002−296172号公報 「分光研究」第47巻 第1号(1998)
一方、上記のような測定装置としては、センシング物質が固定された平板上の測定チップ上に流路機構を用いて、液体試料を連続的に供給して測定を行うセンサーが知られている。この形態のセンサーを用いれば、センシング物質と特定物質との結合状態を測定する際に、常に新しい液体試料が測定チップ上に供給されるため、液体試料中の被検体の濃度が変化せず、結合状態の測定を精度良く行うことができる。また、センシング物質と特定物質の結合状態を測定したのち、結合が行われている場合には、この結合体が固定されている測定チップ上に、特定物質が含まれていない液体試料を流すことより、センシング物質と特定物質との解離状態を測定することができる。さらに、例えば試料として気体を用いる場合、あるいは気体が溶在している液体試料を用いる場合に、流路機構を用いて、容易に測定チップ上に試料を供給することができる。
さらに、近年、被検出反応の多様化に伴って、測定試料の溶媒にも様々なものが用いられるようになってきており、この中には例えば水等のように比較的蒸発しやすい溶媒も含まれ、この際の水の蒸発は測定試料の屈折率の変化を意味し、測定信号も変化してしまうために正確な測定が困難となる場合があるため、このような場合にも上記の流路機構を設けることにより、測定試料の蒸発を最低限に抑え信号の安定化を図ることが可能である。
このように流路機構を設けることにより、種々の効果が得られるが、一方で測定チップ上に連続的に試料を供給するために、多量の試料を準備しなければならない、あるいは多種の試料の測定を短時間で行うことが困難であるなどの欠点もある。
一方、表面プラズモン共鳴の起こる金属膜には、被検出反応の種類に応じて、各種のタンパク質を固定する必要がある。この際、このようなタンパク質を含む溶液は多くの場合高価であり、複数ウェルにおけるタンパク質固定化のために何度も用いたいという要請がある。
ここで、金属膜の上面が広く開いていれば、一般的に用いられているピペッター等によって上記タンパク質溶液を供給し、固定に必要な一定時間後に吸入して(場合によっては固定を速やかに進行させるべくその場で吸入、排出を繰り返してもよい)回収することができ、この回収したタンパク質溶液を別のウェルのタンパク質固定に使用することができる。このように、複数ウェルのタンパク質固定をコストの無駄なく簡便に行うためには、金属膜の上面は広く開放できることが望ましい。
また、測定目的に応じては、流路によって金属膜に試料溶液を供給する方がよいときと、流路を設けずウェル内に直接試料溶液を供給する方がよいときと両方あり、装置として選択できることが望ましい。
さらに、バルク効果、温度変化または光源変動等による測定結果の誤差をなくすため、リファレンスを設けて測定精度を向上させる方法が知られているが、この場合、試料測定用の測定チップと、リファレンス用の測定チップの2つを用意しなくてはならない。
また、リファレンス測定以外にも、表面プラズモンセンサーや漏洩モードセンサーなどの測定装置は微小な角度精度が要求されるため、比較実験等のときに測定条件が略一致する1つの測定チップ内で2種類の測定を同時に行うことが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、試料を供給する流路を選択的に使用可能な測定装置および測定チップにおいて、1つの測定チップ内で2種類の測定を同時に行うことを可能とし、また、測定チップ内に試料を溜めて行う通常の測定に加え、測定チップ内に試料を連続的に供給して行う測定も可能とすることを目的とする。
本発明の測定装置は、光ビームを発生させる光源と、光ビームに対して透明な誘電体ブロック、誘電体ブロックの一面に形成される薄膜層、および薄膜層の表面上に試料を保持可能に形成された試料保持機構を備えてなり、薄膜層が前記表面上に特性の異なる2つの領域を有する、ウェル形状の測定チップと、薄膜層の前記表面上に試料を供給する供給路、および前記表面上から試料を排出する排出路を備え、ウェル形状の測定チップに出入自在に装填される流路ユニットと、薄膜層の異なる2つの領域のうちの一方の領域と誘電体ブロックとの第1界面、および2つの領域のうちの他方の領域と誘電体ブロックとの第2界面の各々に対して、全反射条件が得られる角度で並列的に前記光ビームを入射させる光学系と、第1界面および第2界面で全反射した光ビームの強度を各々独立して検出する光検出手段と、光検出手段の検出結果に基づいて、薄膜層上の測定対象物の屈折率情報を求める屈折率情報取得手段とを備えてなることを特徴とするものである。
本発明の測定装置において、薄膜層の前記2つの領域の一方は、試料と反応しない参照信号測定領域とすることが好ましい。
また、薄膜層の前記2つの領域は、供給路の出口の中心および排出路の入口の中心を通る直線を対称軸とする線対称の形状としてもよいし、供給路の出口の中心および排出路の入口の中心を通る直線の垂直2等分線を対称軸とする線対称の形状としてもよい。
さらに、光検出手段を、流路ユニットへの試料の供給が停止している際に、光ビームの強度を検出するものとしてもよい。
本発明の測定ユニットは、光ビームに対して透明な誘電体ブロック、誘電体ブロックの一面に形成される薄膜層、および薄膜層の表面上に試料を保持可能に形成された試料保持機構を備えてなり、薄膜層が前記表面上に特性の異なる2つの領域を有する、ウェル形状の測定チップと、薄膜層の前記表面上に試料を供給する供給路、および前記表面上から試料を排出する排出路を備え、ウェル形状の測定チップに出入自在に装填される流路ユニットとを備えてなることを特徴とするものである。
本発明の測定ユニットにおいて、薄膜層の前記2つの領域の一方は、試料と反応しない参照信号測定領域とすることが好ましい。
また、薄膜層の前記2つの領域は、供給路の出口の中心および排出路の入口の中心を通る直線を対称軸とする線対称の形状としてもよいし、供給路の出口の中心および排出路の入口の中心を通る直線の垂直2等分線を対称軸とする線対称の形状としてもよい。
本発明の測定装置および測定ユニットは、薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行う、所謂表面プラズモンセンサーとして構成されたものとすることができる。また、薄膜層を、誘電体ブロックの前記一面に形成されたクラッド層とクラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行う、所謂漏洩モードセンサーとして構成されたものとすることができる。
なお、「測定対象物の屈折率情報を取得する」とは、例えば、薄膜層上に配される試料の屈折率自体を取得するものであってもよいし、あるいは薄膜層上に抗体等のセンシング物質を固定し、抗原抗体反応による屈折率の変化や変化の有無を取得するものであってもよい。
屈折率情報の取得方法は、誘電体ブロックと薄膜層との界面に対して種々の入射角度で入射させた光ビームの該界面での反射光を検出して、全反射減衰角もしくはその角度変化を検出することにより屈折率もしくは屈折率変化を取得するものであってもよいし、また、D.V.Noort,K.johansen,C.-F.Mandenius, Porous Gold in Surface Plasmon Resonance Measurement, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.585-588 に記載されているように、複数の波長の光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させ、各波長毎に前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、各波長毎の全反射減衰の程度を検出することにより屈折率もしくは屈折率変化を取得するものであってもよい。さらに、P.I.Nikitin,A.N.Grigorenko,A.A.Beloglazov,M.V.Valeiko,A.I.Savchuk,O.A.Savchuk, Surface Plasmon Resonance Interferometry for Micro-Array Biosensing, EUROSENSORS XIII, 1999, pp.235-238 に記載されているように、光ビームを前記界面で全反射条件が得られる入射角で入射させるとともに、この光ビームの一部を、この光ビームが前記界面に入射する前に分割し、この分割した光ビームを、前記界面で全反射した光ビームと干渉させて、その干渉後の光ビームの干渉縞の変化を検出することにより屈折率の変化を取得するものであってもよい。
すなわち、「測定対象物の屈折率情報」とは、測定対象物の屈折率に応じて変化するものであればいかなるものでもよく、測定対象物の屈折率に応じて変化する全反射減衰角や全反射減衰を生じる光ビーム波長、測定対象物の屈折率変化に応じて変化する全反射減衰角の変化や全反射減衰を生じる光ビーム波長の変化あるいは干渉縞の変化等がその例である。
本発明の測定装置によれば、薄膜層に特性の異なる2つの領域を設け、薄膜層の異なる2つの領域のうちの一方の領域と誘電体ブロックとの第1界面、および2つの領域のうちの他方の領域と誘電体ブロックとの第2界面の各々に対して、全反射条件が得られる角度で並列的に光ビームを入射させて、薄膜層上の測定対象物の屈折率情報を求めるようにしたので、一つの測定チップを用いて2種類の測定を同時に行うことが可能である。
また、薄膜層の表面上に試料を供給する供給路、および薄膜層の表面上から試料を排出する排出路を備え、ウェル形状の測定チップに出入自在に装填される流路ユニットを設けたことにより、測定チップ内に試料を溜めて行う通常の測定に加え、測定チップ内に試料を連続的に供給して行う測定も可能となる。
さらに、薄膜層の2つの領域の一方を、試料と反応しない参照信号測定領域とすることにより、一つの測定チップを用いてリファレンスをとることが可能である。
また、本発明の測定ユニットによれば、薄膜層に特性の異なる2つの領域を設けているため、一つの測定ユニットを用いて2種類の測定を同時に行うことが可能である。
また、薄膜層の表面上に試料を供給する供給路、および薄膜層の表面上から試料を排出する排出路を備え、ウェル形状の測定チップに出入自在に装填される流路ユニットを設けたことにより、測定チップ内に試料を溜めて行う通常の測定に加え、測定チップ内に試料を連続的に供給して行う測定も可能となる。
さらに、薄膜層の2つの領域の一方を、試料と反応しない参照信号測定領域とすることにより、一つの測定ユニットを用いてリファレンスをとることが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明の一実施の形態の測定装置は、複数のウェルに光ビームを並列的に入射させることにより複数の試料の分析を同時に行うことが可能な表面プラズモンセンサーであり、図1は本実施の形態の表面プラズモンセンサーの概略構成を示す平面図であり、図2はこの表面プラズモンセンサーの測定系の平面図であり、図3は表面プラズモンセンサーの測定系の側面図である。
上記表面プラズモンセンサー1は、同様の構成の複数の表面プラズモン測定系1A、1B…により構成されている。各測定系の構成について、個別の要素を表す符号であるA、B…の符号は省略して説明する。各測定系は、例えば概略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属膜12とからなるウェル形状の測定チップ9を有している。
誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等からなり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた形とされ、この嵩上げされた部分は液体試料11を貯える試料保持部10cとして機能する。また、金属膜12は2つの領域12aおよび12bに分けられ、そのうちの一方の領域12b上にセンシング物質30が固定されるが、このセンシング物質30については後述する。
測定チップ9の試料保持部10c内には、金属膜12およびセンシング物質30上に流路を形成するための流路ユニット50が取り付けられている。この流路ユニット50は、図3に示すように、誘電体ブロック10の試料保持部10cの内側と嵌合する流路ホルダ51に、液体試料を供給するための供給路52および液体試料を排出するための排出路53が取り付けられ、測定チップ9内に簡単に着脱することができる。流路ホルダ51の下部には、供給路52の出口と排出路53の入口が開口され、また流路ホルダ51の下面の金属膜12およびセンシング物質30の表面と接する領域に、この供給路52の出口と排出路53の入口を囲むシール部54が設けられている。このため、この流路ユニット50を測定チップ9に取り付けた場合には、図3に示すように、このシール部54内に測定流路55が形成される。なお、シール部54は、流路ホルダ51の上部部分と一体形成されたものであってもよいし、上部部分とは異なる素材により形成され、後付されたものであってもよく、例えばOリング等を流路ホルダ51の下部部分に取り付けたものであってもよい。
図4に示すように、金属膜12上の2つの領域12aおよび12bは、供給路52の出口の中心と排出路53の入口の中心を通る直線Aを対称軸とする線対称の形状となっており、さらにシール部54により形成される測定流路55も上記と同様の線対称の形状となっているため、領域12aおよび12bに対する液体試料11の供給状態を等しくすることができる。なお、シール部54内に形成される測定流路55内の上記直線Aと直交する方向の間隔をあまり広くすると、測定流路55内での液体試料11の均一性が悪くなるため、この間隔はなるべく狭めることが望ましい。
流路ユニット50の供給路52には、パイプ61によってポンプ62が接続され、該ポンプ62には液溜部60が接続されている。液溜部60には予め被検体を含む液体試料11が準備されている。また、排出路53には、流路ユニット50から排出された液体試料11を不図示のドレインへ流出させるためのパイプ63が接続されている。
測定系は、上記誘電体ブロック10に加えてさらに、1本の光ビーム13を発生させる半導体レーザ等からなる光源14(以下、レーザ光源14という)と、上記光ビーム13を誘電体ブロック10に通し、この誘電体ブロック10と金属膜12の領域12aとの界面10a、および誘電体ブロック10と金属膜12の領域12bとの界面10bに対して、種々の入射角が得られるように並列的に入射させる光学系15と、上記界面10aおよび10bで全反射した光ビーム13を各々平行光化する2つのコリメーターレンズ16と、この平行光化された光ビーム13を各々検出する2つのフォトダイオードアレイ17と、2つのフォトダイオードアレイ17に接続された差動アンプアレイ18と、ドライバ19と、コンピュータシステム等からなる信号処理部20と、この信号処理部20に接続された表示部21とを備えている。
入射光学系15は、レーザ光源14から発散光状態で出射した光ビーム13を平行光化するコリメーターレンズ15aと、該平行光化された光ビーム13を分光するハーフミラー15cと、ハーフミラー15cにより反射された光ビーム13を測定チップ9方向に反射させるミラー15dと、ハーフミラー15cを透過した光ビーム13、およびミラー15dにより反射された光ビーム13を上記界面10aおよび10b上で各々収束させる2つの集光レンズ15bとから構成されている。なお、光ビーム13は、集光レンズ15bにより測定流路55内の界面10aおよび10bに集光される。
光ビーム13は、上述のように集光されるので、界面10aおよび10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10aおよび10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。なお、上記光学系15は、光ビーム13を界面10aおよび10bにデフォーカス状態で入射させるように構成されてもよい。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出の誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
なお光ビーム13は、界面10aおよび10bに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ光源14をその偏光方向が所定方向となるように配設すればよい。その他、波長板で光ビーム13の偏光の向きを制御してもよい。
以下、上記構成の表面プラズモンセンサーによる試料分析について説明する。測定に先立ち、恒温室2から測定チップ9がハンドリングされ、測定系のチップ保持部5に固定される。その後、流路ユニット50のシール部54が測定チップ9の金属膜12およびセンシング物質30に密着するように、流路ユニット50を測定チップ9に取り付ける。ポンプ62を作動させ、液溜部60に準備されている液体試料11を流路ユニット50の供給路52を介して測定流路55へ連続的に供給する。測定流路55を通過した液体試料11は、排出路53を介してドレインへ排出される。
測定流路55内に、液体試料11が供給された後、測定を開始する。なお、前述したように、測定を行っている間は、液体試料11は連続的に供給される。図1に示す通り、レーザ光源14から発散光状態で出射した光ビーム13は、光学系15の作用により、測定流路55の下の誘電体ブロック10と金属膜12との界面10aおよび10b上で収束する。この際、光ビーム13は、界面10aおよび10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10aおよび10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。
界面10aおよび10bで全反射した後、2つのコリメーターレンズ16によって各々平行光化された2本の光ビーム13は、2つのフォトダイオードアレイ17により各々検出される。本例におけるフォトダイオードアレイ17は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に並設されてなり、図3の図示面内において、平行光化された光ビーム13の進行方向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる向きに配設されている。したがって、上記界面10aおよび10bにおいて種々の反射角で全反射した光ビーム13の各成分を、それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……が受光することになる。
図5は、この表面プラズモンセンサーの電気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドライバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力されるマルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジタル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20からの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコントローラ26から構成されている。なお、差動アンプアレイ18、ドライバ19、信号処理部20は、2つのフォトダイオードアレイ17からの入力に対して、同様の処理を並列的に行うように構成されている。
上記フォトダイオード17a、17b、17c……の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アンプに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方向に関して微分したものと考えることができる。
各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c……により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c……の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して信号処理部20に入力する。
図6は、界面10a(または10b)で全反射した光ビーム13の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c……の出力との関係を説明するものである。ここで、光ビーム13の界面10a(または10b)への入射角θと上記光強度Iとの関係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとする。
界面10a(または10b)にある特定の入射角θSPで入射した光は、金属膜12と液体試料11との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。つまりθSPが全反射減衰角であり、この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。この反射光強度Iの低下は、図3にDで示すように、反射光中の暗線として観察される。
また図6の(2)は、フォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応している。
そしてフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
信号処理部20は、A/D変換器24から入力された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18b、18c……の中から、全反射減衰角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図6の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出力する微分値I’に所定の補正処理を施してから、その値を表示部21に表示させる。なお、場合によっては微分値I’=0を出力している差動アンプが存在することもあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
以後、所定時間が経過する毎に上記選択された差動アンプ18dが出力する微分値I’が、所定の補正処理を受けてから表示部21に表示される。この微分値I’は、測定チップの金属膜12に接している物質の誘電率つまりは屈折率が変化し、全反射減衰角θSPが変化して、図6(1)に示す曲線が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とともに測定し続けることにより、金属膜12の屈折率変化、および金属膜12に接しているセンシング物質30の屈折率変化を調べることができる。
特に本実施形態では液体試料11に含まれる被検体が、センシング物質30と結合する特定物質であれば、センシング物質30と被検体との結合状態に応じてセンシング物質30の屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続けることにより、被検体がセンシング物質30と結合する特定物質であるか否かを検出することができる。
また、本実施の形態においては、金属膜12上にセンシング物質30が固定されていない領域12aと、センシング物質30が固定された領域12bを有し、リファレンスの測定とセンシング物質30と被検体との結合状態の測定を同時に行っているため、2つの領域12aおよび12bにおける測定値の差を求めることにより、液体試料の温度変化等の影響で生じる測定誤差を相殺した測定結果を得ることができる。
なお、ここではリファレンスの測定面として金属膜12を例示しているが、非測定物質である液体試料11と結合しない機能を有している方が好ましい。そのような測定面としては、例えばアルキルチオールをリファレンスの測定面に固定し、被検体の測定面にセンシング物質として抗体を固定する構造にしてもよい。
なお、本実施の形態は、上述したように、リファレンスの測定とセンシング物質30と被検体との結合状態の測定に使用方法が限定されるものではない。また、測定の態様によっては、測定時に連続的に液体試料11を供給するのではなく、測定流路55に液体試料11が満たされたらポンプ62を停止させ、測定が終了した後、再度ポンプ62を作動させるようにして、測定時に液体試料11の流れを停めることにより、振動の発生に起因するノイズ等の影響を抑えることができるため、測定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態の変型例として、図7(a)にその側面図を示すように、2つの液溜部70および71を用意し、バルブ74で供給路を切り替えることによって、流路ユニット50に供給する液体試料の種類を変えてもよい。また、液溜部からポンプで液体試料を供給する代わりに、図7(b)に示すようにディスポーサブル型のピペットを用いて液体試料を供給してもよい。
また、本実施の形態の他の変型例として、流路ホルダ51の下面にシール部54を設けず、また、流路ホルダ51の下面が金属膜12およびセンシング物質30と接しないように流路ユニット50を測定チップ9に取り付け、流路ホルダ51の下面と金属膜12およびセンシング物質30との間の空間を測定流路として機能させてもよい。
さらに、複数種類の液体試料を切り替えて使用する際に、供給路52内に供給路52の内径に等しい大きさの気泡を混入することによって、切替前後の液体試料の混合を防止することができる。このような気泡の混入方法としては、ピペットあるいはポンプに空気を吸入し、この空気を供給路52内へ供給すればよい。
次に、図8を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なおこの図8において、図3中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
この第2の実施の形態の測定装置は、第1の実施の形態で説明した表面プラズモンセンサーを漏洩モードセンサーに変更したものであり、本例でも測定チップ化された誘電体ブロック10を用いるように構成されている。この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)にはクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層41が形成されている。
誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やBK7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とクラッド層40との界面10aおよび10bで全反射するが、クラッド層40を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10aおよび10bで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
光導波層41における導波光の波数は、該光導波層41の上のセンシング物質30の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、センシング物質30の屈折率を知ることができる。また、差動アンプアレイ18の各差動アンプが出力する微分値I’に基づいてセンシング物質30と液体試料11の中の被検体との結合状態の変化の様子を調べることができる。
上記第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に図9を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、この図9において、図3中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。本実施の形態の測定装置は、表面プラズモンセンサーであり、上記第1の実施の形態の表面プラズモンセンサーと比べ測定方法を変更したものである。
図9は、本実施の形態の表面プラズモンセンサーの側面形状を示すものであり、本表面プラズモンセンサーの測定位置には、レーザ光源120 とCCD121 が配設されており、レーザ光源120 とCCD121 との間には、コリメーターレンズ122 、干渉光学系123 、集光レンズ124 およびアパーチャー125 が配設されている。なお、これらは測定チップ9の界面10aおよび10bに対して並列的に測定可能なように、各々2つずつ設けられている。
上記干渉光学系123 は、偏光フィルタ131 、ハーフミラー132 、ハーフミラー133 およびミラー134 により構成されている。さらに、CCD121 は測定手段135 に接続されており、測定手段135 は表示部21に接続されている。
以下、本実施の形態の表面プラズモンセンサーにおける測定動作について説明する。レーザ光源120 が駆動されて光ビーム140 が発散光の状態で出射される。この光ビーム140 はコリメーターレンズ122 により平行光化されて偏光フィルタ131 に入射する。偏光フィルタ131 を透過して界面10aおよび10bに対してp偏光で入射するようにされた光ビーム140 は、ハーフミラー132 により一部がレファレンス光ビーム140Rとして分割され、ハーフミラー132 を透過した残りの光ビーム140Sは界面10aおよび10bに入射する。界面10aおよび10bで全反射した光ビーム140Sおよびミラー134 で反射したレファレンス光ビーム140Rはハーフミラー133 に入射して合成される。合成された光ビーム140'は集光レンズ124 により集光され、アパーチャー125 を通過してCCD121 によって検出される。このとき、CCD121 で検出される光ビーム140'は、光ビーム140Sとレファレンス光ビーム140Rとの干渉の状態に応じて干渉縞を発生させる。
ここで、液体試料11中の被検体が金属膜12の表面に固定されているセンシング物質30と結合するか否かを、液体試料11を測定チップ9へ供給後、継続的に測定を行い、CCD121 により検出される干渉縞の変化を検出することにより、判定することができる。
すなわち、上記液体試料11中の被検体とセンシング物質30との結合状態に応じてセンシング物質30の屈折率が変化するため、界面10aおよび10bで全反射した光ビーム140Sおよびレファレンス光ビーム140Rがハーフミラー133 により合成される際に、干渉の状態が変化するため、上記干渉縞の変化に応じて結合反応の有無を検出することができる。測定手段135 は、以上の原理に基づいて上記反応の有無を検出し、その結果が表示部21に表示される。
上記第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第1から第3の実施の形態において、金属膜12上の2つの領域12aおよび12bの形状は、図10に示す測定チップ9´のように、供給路52の出口の中心と排出路53の入口の中心を通る直線Aの垂直2等分線Bを対称軸とする線対称の形状としてもよく、このような態様とした場合、領域12aおよび12bに各々入射させる光ビームの間隔を広げることができるため、装置構成上有利である。
また、この測定チップ9´を用いて測定を行う場合には、上述したように供給路52内に供給路52の内径に等しい大きさの気泡を混入し、さらに測定時に液体試料11の流れを停めることによって、測定流路55内で液体試料11の濃度分布に斑が生じた場合でも、液体試料11の流れを停めている間に液体試料11の濃度分布を均一にさせることができ、正確な測定を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態による表面プラズモンセンサーの概略構成を示す平面図 上記表面プラズモンセンサーの測定系の平面図 上記表面プラズモンセンサーの測定系の側面図 測定チップ内における液体試料の流路を示す平面図 上記表面プラズモンセンサーの測定系の電気的構成を示すブロック図 上記表面プラズモンセンサーの測定系における光ビーム入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図 上記表面プラズモンセンサーにおける他の試料供給方法を示す側面図 本発明の第2の実施の形態による漏洩モードセンサーの測定系の側面図 本発明の第3の実施の形態による表面プラズモンセンサーの測定系の側面図 測定チップ内における液体試料の流路の他の態様を示す平面図
符号の説明
9 測定チップ
10 誘電体ブロック
10a、10b 界面
10c 試料保持部
11 液体試料
12 金属膜
13 光ビーム
14 レーザ光源
15 光学系
16 コリメーターレンズ
17 フォトダイオードアレイ
17a、17b、17c…… フォトダイオード
18 差動アンプアレイ
18a、18b、18c…… 差動アンプ
19 ドライバ
20 信号処理部
21 表示部
22a、22b、22c…… サンプルホールド回路
23 マルチプレクサ
24 A/D変換器
25 駆動回路
26 コントローラ
30 センシング物質
40 クラッド層
41 光導波層
50 流路ユニット
51 流路ホルダ
52 供給路
53 排出路
54 シール部
55 測定流路
60、70、71 液溜部
61、72 パイプ
62、73 ポンプ
63 パイプ
74 バルブ
120 レーザ光源
121 CCD
122 コリメーターレンズ
123 干渉光学系
124 集光レンズ
125 アパーチャー
134 ミラー
135 測定手段
140 光ビーム

Claims (9)

  1. 光ビームを発生させる光源と、
    前記光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成される薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持可能に形成された試料保持機構を備えてなり、前記薄膜層が前記表面上に特性の異なる2つの領域を有する、ウェル形状の測定チップと、
    前記薄膜層の前記表面上に前記試料を供給する供給路、および前記表面上から前記試料を排出する排出路を備え、前記ウェル形状の測定チップに出入自在に装填される流路ユニットと、
    前記薄膜層の異なる2つの領域のうちの一方の領域と前記誘電体ブロックとの第1界面、および前記2つの領域のうちの他方の領域と前記誘電体ブロックとの第2界面の各々に対して、全反射条件が得られる角度で並列的に前記光ビームを入射させる光学系と、
    前記第1界面および前記第2界面で全反射した光ビームの強度を各々独立して検出する光検出手段と、
    該光検出手段の検出結果に基づいて、前記薄膜層上の測定対象物の屈折率情報を求める屈折率情報取得手段とを備えてなることを特徴とする測定装置。
  2. 前記薄膜層の前記2つの領域の一方が、前記試料と反応しない参照信号測定領域であることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  3. 前記薄膜層の前記2つの領域が、前記供給路の出口の中心および前記排出路の入口の中心を通る直線を対称軸とする線対称の形状であることを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
  4. 前記薄膜層の前記2つの領域が、前記供給路の出口の中心および前記排出路の入口の中心を通る直線の垂直2等分線を対称軸とする線対称の形状であることを特徴とする請求項1または2記載の測定装置。
  5. 前記光検出手段が、前記流路ユニットへの前記試料の供給が停止している際に、前記光ビームの強度を検出するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の測定装置。
  6. 光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成される薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持可能に形成された試料保持機構を備えてなり、前記薄膜層が前記表面上に特性の異なる2つの領域を有する、ウェル形状の測定チップと、
    前記薄膜層の前記表面上に前記試料を供給する供給路、および前記表面上から前記試料を排出する排出路を備え、前記ウェル形状の測定チップに出入自在に装填される流路ユニットとを備えてなることを特徴とする測定ユニット。
  7. 前記薄膜層の前記2つの領域の一方が、前記試料と反応しない参照信号測定領域であることを特徴とする請求項6記載の測定ユニット。
  8. 前記薄膜層の前記2つの領域が、前記供給路の出口の中心および前記排出路の入口の中心を通る直線を対称軸とする線対称の形状であることを特徴とする請求項6または7記載の測定ユニット。
  9. 前記薄膜層の前記2つの領域が、前記供給路の出口の中心および前記排出路の入口の中心を通る直線の垂直2等分線を対称軸とする線対称の形状であることを特徴とする請求項6または7記載の測定ユニット。
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