JP4124465B2 - 測定ユニット - Google Patents

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本発明は、試料に接した薄膜層と誘電体ブロックとの界面で光ビームを全反射させてエバネッセント波を発生させ、それにより全反射した光ビームの強度に表れる変化を測定して試料の分析を行う測定装置に用いる測定ユニットに関するものである。
従来より、エバネッセント波を利用した測定装置の1つとして、表面プラズモンセンサーが知られている。金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。表面プラズモンセンサーは、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料の特性を分析するものであり、種々のタイプのセンサーが提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。
上記の系を用いる表面プラズモンセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を検出する光検出手段と、該光検出手段の検出結果に基づいて表面プラズモン共鳴の状態を測定する測定手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサーによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサーによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモンセンサーにおいて、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この光強度の低下が生じる全反射角以上の特定入射角θSP(以後全反射減衰角θSPと記載)より表面プラズモンの波数が解ると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
Figure 0004124465
試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料の屈折率等が分かるので、結局、全反射減衰角θSPを知ることにより、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求めることができる。
また、エバネッセント波を利用した類似のセンサーとして、漏洩モードセンサーも知られている(例えば非特許文献1参照)。この漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定する光検出手段と、該光検出手段の検出結果に基づいて導波モードの励起状態を測定する測定手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰角θSPを知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
また、本発明者等は、使い勝手のよいウェル形状の測定チップを用いて、上記全反射減衰の状態の測定を行うセンサーを提案している(例えば特許文献2参照)。このようなウェル形状の測定チップを用いることにより、例えば試料として液体試料を用いる場合であれば、測定チップ内に入る少量の液体試料を準備するのみで、測定を行うことができる。また測定チップを複数個保持可能なテーブルを用いることにより、短時間で容易に多種の試料の測定を行うことができる。
ところで、近年、被検出反応の多様化に伴って、測定試料の溶媒にも様々なものが用いられるようになってきた。この中には、例えば水等のように比較的蒸発しやすい溶媒も含まれる。この際の水の蒸発は、測定試料の屈折率の変化を意味し、測定信号も変化してしまうため、正確な測定が困難となる場合がある。
そこで、この場合、反応時の測定試料は、流路を設けてそれを通じて金属膜へと供給することとし、これにより蒸発を最低限に抑え信号の安定化を図ることが望ましい。
一方、表面プラズモン共鳴の起こる金属膜には、被検出反応の種類に応じて、各種のタンパク質を固定する必要がある。この際、このようなタンパク質を含む溶液は多くの場合高価であり、複数ウェルにおけるタンパク質固定化のために何度も用いたいという要請がある。
ここで、金属膜の上面が広く開いていれば、一般的に用いられているピペッター等によって上記タンパク質溶液を供給し、固定に必要な一定時間後に吸入して(場合によっては固定を速やかに進行させるべくその場で吸入、排出を繰り返してもよい)回収することができ、この回収したタンパク質溶液を別のウェルのタンパク質固定に使用することができる。このように、複数ウェルのタンパク質固定をコストの無駄なく簡便に行うためには、金属膜の上面は広く開放できることが望ましい。
また、測定目的に応じては、流路によって金属膜に試料溶液を供給する方がよいときと、流路を設けずウェル内に直接試料溶液を供給する方がよいときと両方あり、装置として選択できることが望ましい。
上記のような要望を満たすものとして、本発明者等は、特許文献3に記載されている装置を提案している。すなわち、測定試料の供給は流路を設けて行うこととする一方で、流路部はウェルに対して着脱可能に形成されているものである。
特開平6−167443号公報 特開2002−296172号公報 特開2003−254906号公報 特表2003−527580号公報 「分光研究」第47巻 第1号(1998)
しかしながら、上記の装置は下記のような課題を有している。すなわち、上記のようなウェル形状の測定チップを用いて測定を行った場合、測定後に試料を排出しなければならないため、測定装置から測定チップを外して廃液を処理するか、試料保持部に廃液配管を設けて廃液を処理する必要があり、新しい試料を注入して連続的に測定を繰り返す場合には効率が悪く、改善が望まれていた。
このような問題を解消するものとして、液溜めをフローセル出口に設け、測定後の廃液をこの液溜めに貯留させるフローセルが開示されている(特許文献4参照)。しかしこれは廃液処理については簡素化されるものの、流路を設けない方が好ましい場合の形態を実現できず、全体として不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、試料を供給する流路を選択的に使用可能な測定チップにおいて、測定チップ内に注入され測定後不要となった試料を排出するために、廃液用の配管等を設置することなく、廃液の処理を容易に行うことを可能とすることを目的とするものである。
本発明による測定ユニットは、光ビームに対して透明な誘電体ブロック、誘電体ブロックの一面に形成される薄膜層、および薄膜層の表面上に試料を保持可能に形成された試料保持部を備えてなるウェル形状の測定チップと、薄膜層の表面上に試料を供給する供給路、薄膜層の表面上から試料を排出する排出路および排出路から排出された試料を貯留する試料貯留部を備え、試料保持部に出入自在に装填される流路ユニットとを備えてなることを特徴とするものである。
本発明による測定ユニットにおいて、流路ユニットの供給路の入口は、排出路の出口よりも低い位置に設けることが好ましい。
本発明の測定ユニットは、薄膜層を、金属膜からなるものとし、前述の表面プラズモン共鳴による効果を利用して測定を行う、所謂表面プラズモンセンサーに使用する測定ユニットとして構成されたものとすることができる。また、薄膜層を、誘電体ブロックの前記一面に形成されたクラッド層とクラッド層上に形成された光導波層からなるものとし、光導波層における導波モードの励起による効果を利用して測定を行う、所謂漏洩モードセンサーに使用する測定ユニットとして構成されたものとすることができる。
本発明の測定ユニットによれば、測定チップに、薄膜層の表面上に試料を供給する供給路、薄膜層の表面上から試料を排出する排出路および排出路から排出された試料を貯留する試料貯留部を備え、測定チップの試料保持部に出入自在に装填される流路ユニットを設けたことにより、測定チップ内に注入され測定後不要となった試料を排出するための廃液用の配管等を設置することなく、廃液の処理を行うことができる。
また、測定チップの試料保持部に上記のような流路ユニットを装填することによって、試料保持部内の試料を充填する空間を小さくすることができるため、測定に必要な試料の量を低減させることができる。
さらに、流路ユニットの供給路の入口を、排出路の出口よりも低い位置に設けることにより、一旦流路ユニット内に液体試料を注入し、液体試料を排出路の出口から流出させた後では、高さの低い供給路の入口側は液体試料が満たされた状態となるため、流路ユニット内に再度液体試料を注入する際に、気泡の混入を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態の測定ユニットを用いた測定装置は、表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズモンセンサーであり、図1は表面プラズモンセンサーの側面形状を示す図、図2はこの表面プラズモンセンサーに用いられる測定ユニットの上面図、図3はこの測定ユニットの側面図である。
この表面プラズモンセンサーは、例えば概略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属膜12とからなるウェル形状の測定チップ9を有している。
誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等からなり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた形とされ、この嵩上げされた部分は液体試料11を貯える試料保持部10aとして機能する。なお本例では、金属膜12の上にセンシング物質30が固定されるが、このセンシング物質30については後述する。
測定チップ9の試料保持部10a内には、金属膜12上に流路を形成するための流路ユニット50が取り付けられている。本発明による測定ユニットは、測定チップ9と流路ユニット50により構成される。この流路ユニット50には、ディスポーサブル型のピペット60を用いて液体試料11が供給される。
流路ユニット50は、図2および図3に示すように、誘電体ブロック10の試料保持部10aの内側と嵌合する本体51に、液体試料11を供給するための供給路52、液体試料を排出するための排出路53および排出路53から排出された液体試料11を貯留する試料貯留部56が形成されており、測定チップ9内に簡単に着脱することができる。本体51の下面には、供給路52の出口と排出路53の入口が開口されている。このため、この流路ユニット50を測定チップ9に取り付けた場合には、図1に示すように、本体51の下面と金属膜12との間に測定流路57が形成される。
なお、測定流路の形成にあたっては、本体51の下面の金属膜12(センシング物質30)の表面と接する領域に、供給路52の出口と排出路53の入口を囲むシール部を設け、このシール部内側を測定流路としてもよい。このシール部は、本体51の上部部分と一体形成されたものであってもよいし、上部部分とは異なる素材により形成され、後付されたものであってもよく、例えばOリング等を本体51の下部部分に取り付けたものであってもよい。
また、本体51の上面には供給路52の入口、排出路53の出口および試料貯留部56が形成されているが、供給路52の入口が形成されている面と排出路53の出口が形成されている面とは、仕切部54により分離されており、排出路53の出口から流出した液体試料11が供給路52の入口に流入せずに試料貯留部56に流入するように構成されている。
また、供給路52の入口が形成されている面と排出路53の出口が形成されている面とは段差hが設けられ、供給路52の入口が形成されている面が、排出路53の出口が形成されている面よりも低くなるように形成されている。これにより、一旦流路ユニット50内に液体試料11を注入し、液体試料11を排出路53の出口から流出させた後では、高さの低い供給路52の入口側は液体試料11が満たされた状態となるため、流路ユニット50内に再度液体試料11を注入する際に、不要な気泡の混入を防止することができる。
さらに、仕切部54の上面には突起55が形成されており、流路ユニット50を測定チップ9へ嵌着させる際には突起55を押圧させ、流路ユニット50を測定チップ9から抜脱させる際には突起55を摘んで引き抜きさせるようにして、流路ユニット50の測定チップ9への脱着を容易にしている。
本実施形態の表面プラズモンセンサーは、上記誘電体ブロック10に加えてさらに、1本の光ビーム13を発生させる半導体レーザ等からなる光源14(以下、レーザ光源14という)と、上記光ビーム13を誘電体ブロック10に通し、該誘電体ブロック10と金属膜12との界面10bに対して、種々の入射角が得られるように入射させる光学系15と、上記界面10bで全反射した光ビーム13を平行光化するコリメーターレンズ16と、この平行光化された光ビーム13を検出するフォトダイオードアレイ17と、フォトダイオードアレイ17に接続された差動アンプアレイ18と、ドライバ19と、コンピュータシステム等からなる信号処理部20と、この信号処理部20に接続された表示部21とを備えている。
入射光学系15は、レーザ光源14から発散光状態で出射した光ビーム13を平行光化するコリメーターレンズ15aと、該平行光化された光ビーム13を上記界面10b上で収束させる集光レンズ15bとから構成されている。なお、光ビーム13は、集光レンズ15bにより流路エリア51内の界面10bに集光される。
光ビーム13は、上述のように集光されるので、界面10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。なお、上記光学系15は、光ビーム13を界面10bにデフォーカス状態で入射させるように構成されてもよい。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出の誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ光源14をその偏光方向が所定方向となるように配設すればよい。その他、波長板で光ビーム13の偏光の向きを制御してもよい。
以下、上記構成の表面プラズモンセンサーによる試料分析について説明する。測定に先立ち、測定チップ9をチップ保持部5に嵌合固定する。その後、流路ユニット50を測定チップ9に取り付け、ディスポーサブル型のピペット60を用いて流路ユニット50の供給路52の入口から液体試料11を供給し、測定流路57に液体試料11が満たされた後、測定を開始する。
図1に示す通り、レーザ光源14から発散光状態で出射した光ビーム13は、光学系15の作用により、測定流路57の下の誘電体ブロック10と金属膜12との界面10b上で収束する。この際、光ビーム13は、界面10bに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。
界面10bで全反射した後、コリメーターレンズ16によって平行光化された光ビーム13は、フォトダイオードアレイ17により検出される。本例におけるフォトダイオードアレイ17は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に並設されてなり、図1の図示面内において、平行光化された光ビーム13の進行方向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる向きに配設されている。したがって、上記界面10bにおいて種々の反射角で全反射した光ビーム13の各成分を、それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……が受光することになる。
図4は、この表面プラズモンセンサーの電気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドライバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力されるマルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジタル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22c……とを駆動する駆動回路25、および信号処理部20からの指示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコントローラ26から構成されている。
上記フォトダイオード17a、17b、17c……の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アンプに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方向に関して微分したものと考えることができる。
各差動アンプ18a、18b、18c……の出力は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、22c……により所定のタイミングでサンプルホールドされ、マルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23は、サンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、18c……の出力を、所定の順序に従ってA/D変換器24に入力する。A/D変換器24はこれらの出力をデジタル化して信号処理部20に入力する。
図5は、界面10bで全反射した光ビーム13の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c……の出力との関係を説明するものである。ここで、光ビーム13の界面10bへの入射角θと上記光強度Iとの関係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとする。
界面10bにある特定の入射角θSPで入射した光は、金属膜12と液体試料11との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。つまりθSPが全反射減衰角であり、この角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。この反射光強度Iの低下は、図1にDで示すように、反射光中の暗線として観察される。
また図5の(2)は、フォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応している。
そしてフォトダイオード17a、17b、17c……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
信号処理部20は、A/D変換器24から入力された微分値I’の値に基づいて、差動アンプ18a、18b、18c……の中から、全反射減衰角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い出力が得られているもの(図5の例では差動アンプ18dとなる)を選択し、それが出力する微分値I’に所定の補正処理を施してから、その値を表示部21に表示させる。なお、場合によっては微分値I’=0を出力している差動アンプが存在することもあり、そのときは当然その差動アンプが選択される。
以後、所定時間が経過する毎に上記選択された差動アンプ18dが出力する微分値I’が、所定の補正処理を受けてから表示部21に表示される。この微分値I’は、測定チップの金属膜12に接している物質の誘電率つまりは屈折率が変化し、全反射減衰角θSPが変化して、図5(1)に示す曲線が左右方向に移動する形で変化すると、それに応じて上下する。したがって、この微分値I’を時間の経過とともに測定し続けることにより、金属膜12に接しているセンシング物質30の屈折率変化を調べることができる。
特に本実施形態では液体試料11に含まれる被検体が、センシング物質30と結合する特定物質であれば、センシング物質30と被検体との結合状態に応じてセンシング物質30の屈折率が変化するので、上記微分値I’を測定し続けることにより、被検体がセンシング物質30と結合する特定物質であるか否かを検出することができる。
上記の測定後、新しい液体試料11を供給する場合には、ディスポーサブル型のピペット60を用いて流路ユニット50の供給路52の入口から新しい液体試料11を供給することにより、測定流路57内に新しい液体試料11が供給されるとともに、流路ユニット50内に残存していた古い液体試料11が排出路53から排出されて試料貯留部56に貯留される。
なお、本実施の形態は、上述したように、センシング物質30と被検体との結合状態の測定に使用方法が限定されるものではない。また、液体試料11の中の特定物質とセンシング物質30との結合状態の変化の様子を時間経過とともに調べるためには、所定時間が経過する毎の微分値I’を求めて表示するほか、最初に計測した微分値I’(0)と所定時間経過時に計測した微分値I’(t)との差ΔI’を求めて表示してもよい。
また、流路ユニット50への液体試料11の供給は、ディスポーサブル型のピペット60による供給以外にも、流路ユニット50の供給路52の入口に配管を接続し、試料貯留部からポンプにより供給してもよい。さらに、試料貯留部56に配管を配し、試料貯留部56に溜まった液体試料11をドレインに排出させることにより、試料貯留部56の許容量を超える液体試料11を供給して測定を行えるようにしてもよい。
次に、図6を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なおこの図6において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
この第2の実施の形態の測定ユニットを用いた測定装置は、第1の実施の形態で説明した表面プラズモンセンサーを漏洩モードセンサーに変更したものであり、本例でも測定チップ化された誘電体ブロック10を用いるように構成されている。この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)にはクラッド層40が形成され、さらにその上には光導波層41が形成されている。
誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やBK7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とクラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
光導波層41における導波光の波数は、該光導波層41の上のセンシング物質30の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、センシング物質30の屈折率を知ることができる。また、差動アンプアレイ18の各差動アンプが出力する微分値I’に基づいてセンシング物質30と液体試料11の中の被検体との結合状態の変化の様子を調べることができる。
上記第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態の測定ユニットを備えた表面プラズモンセンサーの側面図 上記測定ユニットの上面図 上記測定ユニットの側面図 上記表面プラズモンセンサーの測定系の電気的構成を示すブロック図 上記表面プラズモンセンサーの測定系における光ビーム入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図 本発明の第2の実施の形態による漏洩モードセンサーの測定系の側面図
符号の説明
9 測定チップ
10 誘電体ブロック
10a 試料保持部
10b 界面
11 液体試料
12 金属膜
13 光ビーム
14 レーザ光源
15 光学系
16 コリメーターレンズ
17 フォトダイオードアレイ
17a、17b、17c…… フォトダイオード
18 差動アンプアレイ
18a、18b、18c…… 差動アンプ
19 ドライバ
20 信号処理部
21 表示部
22a、22b、22c…… サンプルホールド回路
23 マルチプレクサ
24 A/D変換器
25 駆動回路
26 コントローラ
30 センシング物質
40 クラッド層
41 光導波層
50 流路ユニット
51 本体
52 供給路
53 排出路
54 仕切部
55 突起
56 試料貯留部
57 測定流路

Claims (1)

  1. 光ビームに対して透明な誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成される薄膜層、および該薄膜層の表面上に試料を保持可能に形成された試料保持部を備えてなるウェル形状の測定チップと、
    前記薄膜層の表面上に前記試料を供給する供給路、前記薄膜層の表面上から前記試料を排出する排出路および該排出路から排出された前記試料を貯留する試料貯留部を備え、前記試料保持部に出入自在に装填される流路ユニットとを備え
    該流路ユニットの前記供給路の入口が、前記排出路の出口よりも低い位置に設けられていることを特徴とする測定ユニット。
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