JP5621850B2 - 紙用耐水耐油剤および紙処理方法 - Google Patents

紙用耐水耐油剤および紙処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な紙用耐水耐油剤、該耐水耐油剤による紙加工方法、および該方法で得られた加工紙に関する。
従来、紙用耐水耐油剤としては、炭素数6〜12程度の長鎖ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す。)を含む共重合体組成物が用いられてきた。
一方、長鎖のRf基からは、環境への影響があるとされるPerfluoro-octanoic acid(以下、「PFOA」と略す)の生成がUS EPA(米国環境保護庁)から指摘された。
そのため、短鎖のRf基を有する含フッ素共重合体を用いる紙用耐水耐油剤の開発が模索されてきた。しかしながら、Rf基の炭素数が小さいほど、耐水性や耐油性は低下する傾向があり、短鎖のRf基を含む共重合体の耐水耐油特性は満足できるものではなく、紙に十分な耐水耐油性を付与するためには種々の工夫を要する。
例えば、山口らは、好ましくは炭素数4〜16のRf基を有する含フッ素(メタ)アクリレートモノマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素カチオン性モノマー、N−ビニルピロリドン(NVP)、並びにアクリル酸等のアニオン性モノマーを必須成分とする含フッ素共重合体を含む紙用耐水耐油剤を提案している(WO2003/106519号)。
この紙用処理剤は、粘度が低く、カチオン性紙力増強剤を併用しても性能低下が少ないという優れた特徴を有するものの、耐水耐油性の更なる向上が求められている。
また、ジャン−マルクらは、好ましくは炭素数4〜16のRf基を有する含フッ素(メタ)アクリレートモノマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素カチオン性モノマーおよび酢酸ビニル等のビニル誘導体を必須成分とする含フッ素共重合体を含む紙用耐水耐油剤について、更に油脂に対するバリア効果を改善するために、該耐水耐油剤に過酸化水素を作用させることを提案している(WO98/23657号)。この紙用耐水耐油剤の耐水性および耐油性はかなり改良されたものの、長時間におよぶ耐油性の向上等、更なる性能向上が求められる。
WO2003/106519号 WO98/23657号
本発明の目的は、耐水耐油性がさらに向上した紙用耐水耐油剤を提供することにある。
本発明者らは、短鎖のRf基を有する特定の重合単位を含む含フッ素共重合体を必須成分とする紙用処理剤が、驚くべきことに、優れた耐水耐油性を示すことを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(a)一般式:
CH2=C(−X)−C(=O)−Y−Z−Rf (1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX12基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であり;
Yは、−O−または−NH−であり;
Zは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、
-CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または
-CH2CH(OZ1) CH2−基(但し、Z1は水素原子またはアセチル基である。)または
-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基 または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10である)、
Rfは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
で表される、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体、
(b)一般式:
Figure 0005621850
[式中、R21、R22、R23、R24、R25およびR26は、同じかまたは異なっており、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。]
で表されるビニルピロリドン単量体、
(c)アニオン供与基を有する単量体、および
(d)非フッ素(メタ)アクリレート単量体、
から誘導された繰り返し単位を必須成分として含有する含フッ素共重合体を含んでなる紙用耐水耐油剤を提供するものである。
また、本発明は、上記紙用耐水耐油剤を用いて紙を処理する方法、および該処理によって得られる耐水耐油性加工紙を提供するものである。
本発明は、紙に優れた耐水性および耐油性を付与する、含フッ素共重合体からなる紙用耐水耐油剤を提供すると共に、該耐水耐油剤を用いる紙の処理方法、および、該耐水耐油剤を用いて得られた耐水耐油性加工紙を提供する。
本発明において、含フッ素共重合体の組成は紙用耐水耐油剤としての耐水耐油特性に大きな影響を及ぼす。本発明で用いる含フッ素共重合体について説明する。
含フッ素単量体(a)は、アクリレートまたはメタクリレートのα位がハロゲン原子などで置換されていることがある。したがって、式(1)において、Xは、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX12基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であってよい。
上記式(1)において、Rf基が、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。Rf基の炭素数は、1〜6、特に4〜6、特別には6であってよい。Rf基の例は、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF3)2、−C(CF3)3、−(CF2)4CF3、−(CF2)2CF(CF3)2、−CF2C(CF3)3、−CF(CF3)CF2CF2CF3、−(CF2)5CF3、−(CF2)3CF(CF3)2等である。特に、−(CF2)5CF3が好ましい。
含フッ素単量体(a)の具体例としては、例えば以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−C6H4−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2N(−CH3) SO2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2N(−C2H5) SO2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−CH2CH(−OH) CH2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−CH2CH(−OCOCH3) CH2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−H)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−C6H4−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2N(−CH3) SO2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2N(−C2H5) SO2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−CH2CH(−OH) CH2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−CH2CH(−OCOCH3) CH2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−F)−C(=O)−NH−(CH2)3−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CF2H)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CN)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−CF2CF3)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
[上記式中、Rfは、炭素数1〜6、好ましくは、4〜6のフルオロアルキル基である。]
含フッ素単量体(a)におけるフルオロアルキル基(Rf基)は、好ましくは、パーフルオロアルキル基であり、特に好ましくは、炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基であってよい。
含フッ素単量体(a)は、2種類以上の混合物であってもよい。
一般式(2)で表されるビニルピロリドン単量体(b)は、N−ビニル−2−ピロリドン、または環上に炭素数1〜4のアルキル置換基、好ましくは、メチル基、を有してよいN−ビニル−2−ピロリドン誘導体であり、好ましくは、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1つである。
単量体(c)は、アニオン供与基および炭素−炭素二重結合を有する化合物である。アニオン供与基はカルボキシル基またはスルホン酸基であってよい。モノマー(c)は2〜15の炭素原子を含んでよい。単量体(c)は、好ましくは、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、アクリルアミドターシャリーブチルスルホン酸、およびそれらの塩からなる群から選択された少なくとも1つであってよい。特に好ましい単量体(c)としては、メタアクリル酸またはアクリル酸が例示され得る。
非フッ素(メタ)アクリレート単量体(d)は、フッ素原子を含有しない(メタ)アクリレート単量体であり、一般式:
CH2=CX1C(=O)−O−(RO)n−X2 (2a)
および
CH2=CX1C(=O)−O−(RO)n−C(=O)CX1=CH2 (2b)
[式中、
1は、水素原子またはメチル基、
2は、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基
Rは、炭素数2〜6のアルキレン基、
nは、1〜90の整数
である。]
で表わされる少なくとも1つのオキシアルキレン(メタ)アクリレートもしくはオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも1つであってよい。
非フッ素単量体(d)の他の例は、アルキル基を有する(メタ)アクリレートエステルであってよい。アルキル基の炭素原子の数は1〜30であってよい。例えば、(メタ)アクリレートエステル単量体は、一般式:
CH=CACOOA
[式中、Aは、水素原子またはメチル基であり、
は、C2n+1(n=1〜30)によって表されるアルキル基である。]
で示される(メタ)アクリレートであってよい。その具体例は、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートである。
非フッ素単量体(d)の別の例は、ヒドロキシアルキル基を有する(ジ)(メタ)アクリレートエステルであってよい。ヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜30であってよい。その具体例は、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートである。
非フッ素単量体(d)は、好ましくは、一般式(2a)で表されるX2が水素原子、Rが炭素数2〜6、好ましくは炭素数2の飽和の炭化水素基、オキシアルキレンの数(n)が平均10以下、例えば1であるオキシアルキレン(メタ)アクリレートであってよい。特に好ましくは、非フッ素単量体(d)は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度n=2〜10である。)の1つもしくは混合物であってよい。ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレートの例としては、例えば、日油社製ブレンマーAE−200(n=4.5)などが挙げられる。
非フッ素単量体(d)は、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの一つまたは混合物でもよい。
含フッ素共重合体を構成する単量体の合計に対して、単量体(a)、(b)、(c)、(d)の重量比(a):(b):(c):(d)は40〜90:1〜30:1〜30:1〜40重量%であってよい。
好ましくは、重量比(a):(b):(c):(d)は45〜85:1〜20:1〜20:1〜30重量%であってよい。より好ましくは、(a):(b):(c):(d)は60〜85:1〜15:1〜15:1〜25重量%であってよい。
本発明においては、含フッ素共重合体の分子量に特に制限はない。耐水耐油特性および紙処理剤の粘度等を考慮すると、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めた(ポリスチレン換算の)重量平均分子量は、通常、3,000以上、好ましくは5,000〜1,000,000の範囲である。
本発明に係る含フッ素共重合体の好ましい実施態様を以下に示す。
含フッ素共重合体の組成の好ましい実施態様の1つとしては、例えば、
一般式(1)で示される単量体(a)が、Rfが4〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基である少なくとも1種の含フッ素単量体であり、
単量体(b)が、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1つであり、
単量体(c)が(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸からなる群から選択された少なくとも1つであり、
単量体(d)が、X2が水素原子、Rが炭素数2の飽和の炭化水素基、nが平均10以下である一般式(2a)で表されるオキシアルキレン(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも1つであるものが挙げられる。
具体的には、例えば、含フッ素単量体(a)が、F(CF2)4CH2CH2OCOCH=CH2もしくはF(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2、またはこれらの混合物であり、単量体(b)がN−ビニル−2−ピロリドンであり、単量体(c)がメタアクリル酸またはアクリル酸であり、単量体(d)が2−ヒドロキシエチルメタクリレートもしくはω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度n=2〜10である。)、またはそれらの混合物である含フッ素共重合体が挙げられる。
この実施態様において、さらに好ましくは、単量体(a)が、F(CF2)4CH2CH2OCOCH=CH2もしくはF(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2またはこれらの混合物であり、単量体(b)がN−ビニル−2−ピロリドンであり、単量体(c)がアクリル酸であり、単量体(d)が2−ヒドロキシエチルメタクリレートもしくはω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度n=2〜10である。)、またはそれらの混合物であって、これらの重量比(a):(b):(c):(d)が60〜85:1〜15:1〜15:1〜25であるものが挙げられる。
単量体(a)〜(d)の組合せの好適な実施形態は、以下の通りである。
単量体(a)は、一般式(1)においてRfがC−Cのパーフルオロアルキル基である少なくとも1種の含フッ素単量体であり、
単量体(b)は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1種であり、
単量体(c)は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸からなる群から選択された少なくとも1種であり、そして、
単量体(d)は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン・アクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度(n)が2〜10である。)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートおよびt−ブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも1種である。
単量体(a)〜(d)の組合せの他の好適な実施形態は、以下の通りでもよい:
含フッ素単量体(a)は、F(CFCHCHOCOCH=CHまたはF(CFCHCHOCOCH=CHまたはその混合物であり、
単量体(b)は、N−ビニル−2−ピロリドンであり、
単量体(c)は、メタクリル酸またはアクリル酸であり、そして、
単量体(d)は、2−ヒドロキシエチル・メタクリレートまたはω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン・アクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度(n)が2〜10である)またはその混合物である。
本発明における含フッ素共重合体は、溶剤に均一に溶解している「溶剤型」および水に分散している「水分散型」のいずれかであってもよい。水分散型についてはポリマーを中和した塩の形で水に分散させてもよいし、乳化剤を使用して乳化してもよい。本発明の含フッ素共重合体は、(c)成分としてカルボキシル基またはスルホン酸基等のアニオン供与基含有単量体を用いることから、アルカリ中和によって塩型の水分散型とすることができるため、揮発性溶剤の使用を減らし、もしくは使用せず、環境に優しい紙用耐水耐油処理剤とすることもできる。
本発明は、本発明に係る紙用耐水耐油剤を、紙の内部を含む紙全体に適用する工程を含む、紙を耐水耐油処理する方法を提供する。この処理方法を、以後、「内添法」と称する。この方法においては、本発明の含フッ素共重合体からなる紙用耐水耐油剤を、紙の抄造段階でパルプに適用する。具体的には、該紙用耐水耐油剤を、パルプ重量に対するフッ素原子の割合が、例えば、0.01〜1.0重量%になるような量で使用することが好ましい。
本発明はまた、本発明に係る紙用耐水耐油剤を紙の表面に適用する工程を含む、紙を耐水耐油処理する方法を提供する。この処理方法を、以後、「表面適用法」または「外添法」と称する。この方法においては、本発明の含フッ素共重合体からなる紙用耐水耐油剤を、紙の重量に対するフッ素原子の割合が、例えば、0.005〜0.6重量%になるような量で適用することが好ましい。
本発明の紙用耐水耐油剤の使用方法としては、外添法および内添法のどちらであってもよい。紙の内部を含む紙全体に適用する内添法は、紙用耐水耐油剤とパルプとの混和性が良好で、紙の折目、しわによる耐水および耐油性能低下をより抑えることができる点で、好ましい。一方、外添法は、紙の表面近傍に処理するため含フッ素共重合体が表面近傍で効率的に耐水耐油性を向上し、また処理の工程に多量の水を使用しなくて済むため廃液水等も減らす事ができ、かつ簡便で応用範囲が広い。
本発明はまた、本発明に係る紙用耐水耐油剤を含んでなる、紙処理用組成物を提供するものである。紙処理用組成物は、紙用耐水耐油剤以外に、添加剤、例えば、サイジング剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤(染料・顔料)、蛍光着色剤、スライムコントロール剤、防滑剤および消泡剤等を含んでよい。
本発明はまた、本発明に係る紙用耐水耐油剤で処理された耐水耐油性加工紙を提供するものである。
本発明はまた、上記内添法または外添法で得られる耐水耐油性加工紙を提供するものである。
本発明の含フッ素共重合体の製造は、単量体(a)、(b)、(c)、および(d)を、液体媒体中で重合することによって行うことができる。液体媒体は、水溶性または水分散性の溶媒であることが好ましい。液体媒体は、水溶性または水分散性の有機溶媒を含む混合物であってよい。単量体および液体媒体は、単量体が液体媒体に溶解または分散した溶液の形態であることが好ましい。重合は、溶液重合でも乳化重合でもよいが、重合反応の安定性の点から溶液重合が好ましい。
本発明において、共重合を行った後に、無機または有機塩基の水溶液を添加して単量体(c)からの構成単位(アニオン供与基)を中和するか;または、予め塩基で中和した単量体(c)を用いて共重合を行ってよい。単量体(c)を予め塩基で中和した後、単量体を重合する場合には、塩基水溶液による中和を要しない(しなくてもよい)。
無機または有機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノー2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ビス(ヒドロキシメチル)メチルアミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン等の有機塩基類を挙げることができる。これらの内、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等が、得られる含フッ素共重合体の水または水性媒体への分散性向上の点で好ましい。
共重合後の重合体混合物は、必要に応じて、液体媒体(例えば、水、あるいは無機または有機塩基の水溶液)を加えて、希釈してよい。
共重合を行うために使用される液体媒体である水溶性または水分散性の有機溶媒の非限定的な例として、ケトン類(例えば、アセトンまたはメチルエチルケトン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールやプロピレングリコールのメチルまたはエチルエーテル、およびその酢酸エステル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ブチロラクトン及びジメチルスルホキシドを挙げることができる。メチルエチルケトン(MEK)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、またはN−メチル−2−ピロリドンとアセトンの混合物、イソプロパノール、またはメタノールを溶媒として使用することが好ましい。溶液中の全単量体の濃度は、20〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲をとることができる。
共重合は、少なくとも一種類の開始剤を、全単量体重量に対して0.1〜3.0%の割合で使用することで行ってよい。開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化スクシニル、過ピバリン酸−t−ブチルなどの過酸化物、または、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾジカーボンアミドなどのアゾ化合物を使用することができる。
共重合体の分子量を調節する場合には、連鎖移動剤を用いてよい。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン(ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等)、アミノエタンチオール、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、共重合反応における全単量体重量100部に対して、0.001〜5重量部、例えば0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部の範囲で用いてよい。
共重合は、通常、40℃から反応混合物の沸点までの温度範囲で行うことができる。
希釈段階は、含フッ素共重合体の溶液に、液体媒体、例えば、水、強いまたは中強度の無機あるいは有機塩基水溶液を加えることによって行うことができる。このような塩基として、上述と同様の塩基類を挙げることができる。それらの中でも、水酸化ナトリウムまたはアンモニアを使用することが好ましい。使用する水溶液の量とその塩基の濃度は、一つは単量体(c)のカルボキシル基またはスルホン酸基を中和し、安定な水分散をするため充分な量であることが好ましい。カルボキシル基またはスルホン酸基を中和するためには、塩基の量を、単量体(c)に対して0.05〜5当量、好ましくは0.1〜3当量とすると好都合である。
希釈後の最終含フッ素共重合体溶液の固形分含量は広範な範囲とすることができるが、例えば、5〜35重量%、好ましくは10〜25重量%とすることができる。
本発明に係る含フッ素共重合体を有効成分とする紙用耐水耐油剤を適用する紙は、従来既知の抄造方法によって製造できる。抄造前のパルプスラリーに処理剤を添加する内添法、または抄造後の紙に処理剤を適用する外添法を用いることができる。
本発明の紙用耐水耐油剤を紙の内部を含む紙全体に適用する場合(内添法)には、紙用耐水耐油剤を、パルプ重量に対するフッ素原子の割合が0.01〜1.0重量%、例えば、0.02〜0.6重量%になるような量で使用することが好ましい。一方、紙用耐水耐油剤を紙の表面に適用する場合(外添法)には、耐水耐油剤を、紙の重量に対するフッ素原子の割合が、0.005〜0.6重量%、例えば、0.01〜0.4重量%になるような量で使用することが好ましい。
このように処理された紙基材は、通常、室温または高温での熱処理にて乾燥され、基材の性質に依存して70℃以上の温度範囲を取り得る熱処理を伴うことで、優れた耐水性および耐油性を示す。
本発明において処理される紙基材は、石膏ボード原紙、コート原紙、中質紙、一般ライナー及び中芯、中性純白ロール紙、中性ライナー、防錆ライナー及び金属合紙、クラフト紙などである。さらに紙基材としては、中性印刷筆記用紙、中性コート原紙、中性PPC用紙、中性感熱用紙、中性感圧原紙、中性インクジェット用紙及び中性情報用紙も挙げられる。また、モールドを使用して成型するモールド紙、特にモールド容器も挙げられる。パルプモールド容器は、例えば、特開平9−183429号公報に記載された方法によって製造することができる。
紙を形成するパルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等の古紙パルプ、バガスパルプ、ケナフパルプ、竹パルプ等の非木材パルプのいずれも使用することができる。また、上記パルプ原料と石綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物も使用することができる。
外添法または内添法を適用する際には、耐水耐油剤の他、必要に応じサイズ剤を加えることで、紙の耐水性をさらに向上させることができる。サイズ剤の例は、カチオン性サイズ剤、アニオン性サイズ剤、ロジン系サイズ剤(例えば、酸性ロジン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤)である。スチレン−アクリル酸系共重合体、アルケニルコハク酸無水物、アルキルケテンダイマーが好ましい。サイズ剤の量は、パルプに対して0.001〜5重量%であってよい。
またその他必要に応じて、紙用処理剤に製紙用薬品として通常使用される、澱粉、各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン(PAE)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(poly−DADMAC)、ポリアクリルアミド(PAM)等の紙力増強剤、歩留り向上剤、染料、蛍光染料、填料、顔料、スライムコントロール剤、防滑剤、消泡剤等を使用してもよい。
外添法としてはサイズプレス、コーティング(ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、バーコーターなど)、スプレー装置等で紙に処理することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。「部」および「%」は、特記しなければ、「重量部」および「重量%」である。
以下において使用した試験方法は次のとおりである。
「安定性試験」
含フッ素共重合体の水分散安定性(水性分散体)の安定性を確認した。まず固形分濃度が20重量%となるように調整した水分散液を110mlの透明ガラス製サンプル瓶に入れて7日間、室温にて静置し沈降や凝集の有無を目視にて確認した。沈降、凝集の無いものを「○」、わずかに沈降、凝集のあるものを「△」、沈降、凝集の多いものを「×」として評価した。
「耐水性試験: コッブ(Cobb)試験 JIS P 8140」
1センチメートルの水の高さを支える100平方センチメートルの紙により1分間に吸収される水の重量(g)を測定し、その数値を1平方メートルあたりの重量(g/m)に換算する。
「耐油性試験(Kit Test)」
耐油性は、TAPPI T−559cm−02法に従って測定した。表1に示す試験油1滴を紙の上におき、15秒後に油の浸透状態を観察する。浸透を示さない試験油が与える耐油度の最高点を耐油性とする。
Figure 0005621850
「AGR(Aggressive-grease Resistance)テスト」
このテストは、ペット食品包装用の耐油紙の適性を検証するために特に有用である。要約すれば、このテストは、ペット食品とテストされる紙試料との標準条件における接触を意味する。
テスト用のペット食品としてサイエンスダイエット(Hill's社製)(登録商標)を使用した。テストに際してこのペット食品を予めミキサーで製粉しておく。耐油紙を10×10cmの寸法でテスト用に切り出し、テストされる試料のそれに正確に等しい表面を有する、100の小四角の格子が印刷されているコート紙上に置く。
格子上に位置あわせする前に、試料に僅かに折り目を入れる。まず向かい合う2辺の各々の中心を結ぶ線に沿って折り曲げ、次いで折り目を、重量2450±110g、直径8cmおよび幅7cmを有し、厚さ0.6cmを有する調節された硬度のゴム層で覆われた適切なロールで平滑にする。折り目付け中のロールの速度は50〜60cm/秒である。
両方の向かい合う2辺の各々の中心を結ぶ線に沿って第一の折り目を付けられ、第二の折り目を紙の反対側に別の向かい合う2辺の各々の中心を結ぶ線に沿って折り目付けをすることで成す。折り目を有する試料を、格子表面を完全に覆うように格子上に置く。7.2cmに等しい内径と2.5cmに等しい高さを有する金属環を、試料の真ん中に置く。
次いで、製粉されたペット食品36gを採取し、テストされる紙片の上の環の内部に均一に置く。次いで、筒形状の1.5kgに等しいおもりを、紙片上に置かれた製粉されたペット食品の上に置く。
試料と砂を、60℃、相対湿度50%の恒温槽中に24時間入れる。この時間が経過したのち、おもりとペット食品を除去し、格子が印刷されているコート紙表面に発生した脂肪の浸透を検査する。テスト結果は、脂肪の浸透を下敷きの格子表面のパーセンテージにより表現する。低い数値ほど染み出しがなく良好な耐油性であることを示す。有意義な結果を得るために、同じ処理に供された少なくとも4試料についてテストを行い、最終結果を4テストの平均とする。
「RP−2テスト」
このテストは、ペット食品包装用の耐油紙の適性を検証するために主に利用される。
耐油紙を10×10cm寸法でテスト用に切り出し、テストされる試料のそれに正確に等しい表面を有する、100の小四角の格子が印刷されているコート紙上に置く。
格子上に位置あわせする前に、試料に僅かに折り目を入れる。まず向かい合う2辺の各々の中心を結ぶ線に沿って折り曲げ、次いで折り目を、重量2450±110g、直径8cmおよび幅7cmを有し、厚さ0.6cmを有する調節された硬度のゴム層で覆われた適切なロールで補強する。折り目付け中のロールの速度は50〜60cm/秒である。
両方の向かい合う2辺の各々の中心を結ぶ線に沿って第一の折り目を付けられ、第二の折り目を紙の同じ側に、別の向かい合う2辺の各々の中心を結ぶ線に沿って折り目付けをすることで成す。折り目を有する試料を、格子表面を完全に覆うように格子上に置く。
内径2.5cm、高さ5cmの樹脂製パイプを試料の中心に配置し、次いで5gの砂(相馬標準砂:500〜850μm)をパイプ内に注いだ後、パイプを取り除いて砂山を形成する。次に砂山の上に1.3mlの赤色染料を含んだ合成油(ラルストンピューリナ社製)を垂らし砂山に染み込ませる。
全てのものを、60℃、相対湿度50%の恒温槽中に24時間入れる。この時間が経過したのち、油を染み込ませた砂山を除去し、格子が印刷されているコート紙表面に発生した合成油の浸透を検査する。テスト結果は、合成油の浸透を下敷きの格子表面のパーセンテージにより表現する。低い数値ほど染み出しがなく良好な耐油性であることを示す。有意義な結果を得るために、同じ処理に供された少なくとも4試料についてテストを行い、最終結果を4テストの平均とする。
合成例1
撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積300mlの反応器を準備し、溶媒のメチルエチルケトン(MEK)を100部添加した。続いて、撹拌下、F(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2(「C6FA」と称する。)72部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15部、およびアクリル酸(AA)5部からなる単量体(単量体合計100部)、および開始剤の過ピバリン酸−t−ブチル1部をこの順に添加し、この混合物を60℃の窒素雰囲気下で12時間混合撹拌して共重合を行なった。次にこの反応混合物を室温まで冷却し、含フッ素共重合体溶液(S1)を得た。この溶液の固形分濃度は50重量%であった。
合成例2
F(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2(C6FA)72部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15部、およびアクリル酸(AA)5部からなる単量体(単量体合計100部)に、連鎖移動剤のラウリルメルカプタン(L−SH)を0.03部追加し、開始剤の過ピバリン酸−t−ブチル1部をこの順に添加する以外は、合成例1と同様に共重合および後処理を行なって、含フッ素共重合体溶液(S2)を得た。
合成例3
F(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2(C6FA)72部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)10部、アクリル酸(AA)8部、ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(日油社製ブレンマーAE−200:ポリオキシエチレン基の平均重合度n≒4.5)2部、開始剤の過ピバリン酸−t−ブチル1部をこの順に添加する以外は、合成例1と同様に共重合および後処理を行なって、含フッ素共重合体溶液(S3)を得た。
比較合成例1
合成例1におけるN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)8部に代えて、ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(日油社製ブレンマーAE−200:ポリオキシエチレン基の平均重合度n≒4.5)を8部使用する以外は、合成例1と同様に共重合および後処理を行なって、含フッ素共重合体溶液(R1)を得た。
比較合成例2
合成例1の単量体組成に代えて、F(CF2)8CH2CH2OCOCH=CH2(C8FA)77部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5部およびジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)10部からなる単量体(単量体合計100部)を用いる以外は、合成例1と同様に共重合および後処理を行なって、含フッ素共重合体溶液(R2)を得た。
比較合成例3
合成例1において、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15部およびアクリル酸(AA)5部に代えて、HEMAを10部、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を10部用いる他は、合成例1と同様に共重合および後処理を行って、含フッ素共重合体溶液(R3)を得た。
比較合成例4
合成例1において、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15部およびアクリル酸(AA)5部に代えて、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を12部、AAを8部用いる他は、合成例1と同様に共重合および後処理を行って、含フッ素共重合体溶液(R4)を得た。
調製例1
合成例1で得られた含フッ素共重合体溶液(S1)の50gに塩基として10%NaOH水溶液を4.9gとイオン交換水90gを添加し、乳化分散させた後、エバポレーターを用いて加熱、減圧下でMEKを留去し、淡黄色透明な含フッ素共重合水分散液(揮発性有機溶媒の含有量は1重量%以下)を得た。この水分散液にさらにイオン交換水を加えて固形分濃度20wt%である水分散液(SD1)を得た。
得られたSD1の分散安定性を前記の方法で評価した結果を表3に示す。
調製例2および3
合成例2および3で得られた含フッ素共重合体溶液(S2およびS3)について、塩基として10%NaOH水溶液を4.9g、イオン交換水を90g用いる他は、調製例1と同様に実施して固形分濃度20wt%である無色透明な水分散液(SD2およびSD3)をそれぞれ得た。
得られたSD2およびSD3の分散安定性を測定した結果を表3に示す。
比較調製例1
比較合成例1で得られた含フッ素共重合体溶液(R1)について、調製例1と同様に実施して固形分濃度20wt%である水分散液(RD1)を得た。
得られたRD1の分散安定性を測定した結果を表3に示す。
比較調整例2〜4
比較合成例2〜4で得られた含フッ素共重合体溶液(R2〜R4)各50gについて、酸として酢酸0.4gおよびイオン交換水90gを添加する以外は、比較調整例1と同様に実施して、固形分濃度20wt%である淡黄色の水分散液(RD2〜RD4)をそれぞれ得た。
得られたRD2〜RD4の分散安定性を測定した結果を表3に示す。
実施例1(内添法での評価)
ろ水度が450cc(カナディアンフリーネス)に、叩解した40部の広葉樹漂白クラフトパルプと60部の針葉樹漂白クラフトパルプとの混合物の0.5重量%の水分散液875gをかき混ぜながら添加し、次いでカチオン化スターチ(SANGUAN WONGSE IND.CO.,LTD製SB GUM−POSIT300)の1%固形分水溶液を3.1g添加して1分間攪拌し続け、次いでポリアミドアミン-エピクロルヒドリン(日本PMC(株)製WS-4020、湿潤紙力増強剤)の1%固形分水溶液を1.3g添加して1分間撹拌し続け、次いで調製例1の含フッ素共重合体の水分散液(SD1)を水で固形分1%に希釈したもの1.3gを添加して撹拌を1分間続けた。
このパルプスラリーをJIS P8222記載の手すき機(手すき機は紙の形が25cm×25cmになるように改造した。)を用いて抄紙した。
抄いた紙を濾紙の間に挟んで3.5kg/cmの圧力でプレスし、充分水を吸い取ってから、ドラム式ドライヤーで乾燥(115℃×70秒)して耐水耐油紙を得た。
得られた手抄紙の坪量は70g/mであった。またこの手抄紙の耐水性(Cobb値)は25g/m 、耐油性(Kit値)は、耐油性(AGR値)は%、耐油性(RP−2値)は%であった。



実施例2および3(内添法での評価)
実施例1における含フッ素共重合体水分散液のSD1に代えて、調製例2および3で得られた含フッ素共重合体水分散液SD2およびSD3をそれぞれ用いる他は、実施例1と同様に実験を行った。得られた耐水耐油紙の耐水性および耐油性を評価した結果を表2に示す。
比較例1〜4(内添法での評価)
実施例1における含フッ素共重合体水分散液のSD1に代えて、比較調製例1〜4で得られた含フッ素共重合体水分散液RD1〜RD4をそれぞれ用いる他は、実施例1と同様に実験を行った。得られた耐水耐油紙の耐水性および耐油性の評価結果を表2に示す。
Figure 0005621850
1) pbw: 重量部
表2より実施例1〜3は耐油性、耐水性および安定性ともに優れているのに対し、比較例1は耐油性(AGR、RP−2)が、比較例2、3、4は耐油性(AGR、RP−2)と安定性が、それぞれ劣っていることがわかる。
実施例4(外添法での評価)
試験紙の作製
米国のウエストミシガン大学内にある試験抄紙機を用いて作製した。製造方法を以下に示す。
パルプの種類は、LBKB(=広葉樹さらしクラフトパルプ)とNBKP(=針葉樹さらしクラフトパルプ)を使用し、比率は6/4(L/N)であり、かつ、パルプのろ水度が400ml(Canadian Standard Freeness)のパルプを使用した。パルプ濃度が約2%のスラリーの中に、カチオン化スターチStayloc400(Tate and Lyle社製)を乾燥パルプに対して2重量%添加し、さらにサイズ剤Hercon70(Hercules社製)を乾燥パルプに対して0.0375重量%添加したパルプスラリーを使用して長網抄紙機により紙を作製した。得られた紙の坪量は60g/m、厚みは0.01mmであった。またこの紙の耐水性(Cobb値)は80、耐油性(Kit値)は0であった。
調製例1で得られた含フッ素共重合体水分散液(SD1)を耐水耐油剤として用い、以下の処方により、含浸加工により耐水耐油紙(加工紙)を製造した。
エチレート化スターチ PenfordGum 290(Penford Products社製)を80℃以上の熱水で30分溶解したものを準備する。このスターチ水溶液の固形分濃度が1.5重量%、調製例1で得られた含フッ素共重合体の水分散液(SD1)の固形分濃度が0.2重量%となるように水で希釈して耐水耐油剤組成物を調製した。
この耐水耐油剤組成物に、上記で作成した紙を5秒間含浸し、ドラムドライヤーを用いて、115℃、70秒間の乾燥を行ったものを試験用の原紙とした。
得られた耐水耐油紙の耐水性および耐油性の評価結果を表3に示す。
実施例5および6(外添法での評価)
調製例2〜3で得られた含フッ素共重合体の水分散液(SD2および3)を耐水耐油剤として用い、実施例4と同様に実施して、それぞれ、固形分濃度が0.2重量%となるように希釈して、耐水耐油剤組成物を調製し、それぞれの組成物を用いて、実施例4と同様に耐水性および耐油性の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例5〜8(外添法での評価)
比較調製例1〜4で得られた含フッ素共重合体の水分散液(RD1〜4)を耐水耐油剤として用い、実施例4と同様にして、それぞれ、固形分濃度が0.2重量%となるように希釈して、耐水耐油剤組成物を調製し、それぞれの組成物を用いて、実施例4と同様に耐水性および耐油性の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0005621850
1) pbw: 重量部
表3より実施例4〜6は耐油性、耐水性および安定性ともに優れているのに対し、比較例5は耐油性(AGR、RP−2)が、比較例6、7、8は耐油性(AGR、RP−2)と安定性が、それぞれ劣っていることがわかる。
本発明は、環境に優しい炭素数1〜6のフルオロアルキル基を有する含フッ素共重合体からなり、紙に優れた耐水性および耐油性を付与する紙用耐水耐油剤に利用できる。本発明は、該耐水耐油剤を用いる紙の処理方法、および該耐水耐油剤を用いる耐水耐油性加工紙の分野にも利用できる。

Claims (21)

  1. (a)一般式:
    CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf (1)
    [式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX12基(但し、X1およびX2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基であり;
    Yは、−O−または−NH−であり;
    Zは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、
    -CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または
    -CH2CH(OZ1) CH2−基(但し、Z1は水素原子またはアセチル基である。)または
    -(CH2)m−SO2−(CH2)n−基 または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10である)、
    Rfは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
    で表される、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体、
    (b)一般式:
    Figure 0005621850

    [式中、R21、R22、R23、R24、R25およびR26は、同じかまたは異なっており、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。]
    で表されるビニルピロリドン単量体、
    (c)アニオン供与基を有する単量体、および
    (d)非フッ素(メタ)アクリレート単量体であって、
    オキシアルキレン(メタ)アクリレート、および一般式:
    CH =CA COOA
    [式中、A は、水素原子またはメチル基であり、
    は、C 2n+1 (n=1〜30)によって表されるアルキル基である。]
    で示される(メタ)アクリレートである、アルキル基を有する(メタ)アクリレートエステルからなる群から選択された少なくとも1つの非フッ素(メタ)アクリレート単量体
    から誘導された繰り返し単位を必須成分として含有する含フッ素共重合体を含んでなる紙用耐水耐油剤。
  2. 単量体(a)におけるフルオロアルキル基(Rf基)がパーフルオロアルキル基である、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  3. 単量体(a)におけるフルオロアルキル基(Rf基)が炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基である、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  4. 単量体(b)が、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  5. 単量体(c)がアニオン供与基および炭素−炭素二重結合を有する化合物である、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  6. アニオン供与基がカルボン酸基またはスルホン酸基である、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  7. 単量体(c)が、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、アクリルアミドターシャリーブチルスルホン酸およびそれらの塩からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  8. 非フッ素(メタ)アクリレート単量体(d)が、
    一般式:
    CH2=CX1C(=O)−O−(RO)n−X2 (2a)
    [式中、
    1は、水素原子またはメチル基、
    2は、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基
    Rは、炭素数2〜6のアルキレン基、
    nは、1〜90の整数
    である。]
    で表わされる少なくとも1つのオキシアルキレン(メタ)アクリレートである、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  9. 非フッ素(メタ)アクリレート単量体(d)が、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度n=2〜10である。)の1つもしくは混合物である、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  10. 含フッ素共重合体中の単量体(a)、(b)、(c)、(d)間の重量比(a):(b):(c):(d)が40〜90:1〜30:1〜30:1〜40である、 請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  11. 単量体(a)が、一般式(1)においてRfが4〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基を示す少なくとも1種の含フッ素単量体であり、
    単量体(b)が、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1つであり、
    単量体(c)が(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸からなる群から選択された少なくとも1つであり、
    単量体(d)が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度n=2〜10である。)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  12. 単量体(a)が、F(CF2)4CH2CH2OCOCH=CH2 もしくはF(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2またはこれらの混合物であり、
    単量体(b)がN−ビニル−2−ピロリドンであり、
    単量体(c)がメタアクリル酸またはアクリル酸であり、
    単量体(d)が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンアクリレート(ポリオキシエチレン基の平均重合度n=2〜10である。)のいずれか、もしくはこれらの混合物である、請求項1に記載された紙用耐水耐油剤。
  13. 請求項1〜1のいずれか1つに記載された紙用耐水耐油剤を、紙の内部を含む紙全体に適用する工程を含む、紙を耐水耐油処理する方法。
  14. 紙用耐水耐油剤を紙の内部を含む紙全体に適用する工程が、紙の抄造段階で紙用耐水耐油剤をパルプに適用する工程である、請求項1に記載された方法。
  15. 紙用耐水耐油剤を、パルプ重量に対するフッ素原子の割合が0.01〜1.0重量%になる量で使用する、請求項1に記載された方法。
  16. 請求項1〜1のいずれか1つに記載された紙用耐水耐油剤を紙の表面に適用する工程を含む、紙を耐水耐油処理する方法。
  17. 紙用耐水耐油剤を、紙の重量に対するフッ素原子の割合が0.005〜0.6重量%になる量で使用する、請求項1に記載された方法。
  18. 請求項1〜1のいずれか1つに記載された紙用耐水耐油剤で処理された加工紙。
  19. 請求項1〜1のいずれか1つに記載された方法で得られる内添加工紙。
  20. 請求項1または1に記載された方法で得られる外添加工紙。
  21. 請求項1〜1のいずれか1つに記載された紙用耐水耐油剤および添加剤を含んでなる、紙処理用組成物。
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