JP5621612B2 - シリコン単結晶の検査方法および製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の検査方法および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法により育成されたシリコン単結晶の検査方法に関するものであり、詳しくは、チョクラルスキー法により育成された低酸素濃度のシリコン単結晶において、L/D領域およびB−band領域を高感度に検出し得るシリコン単結晶の検査方法に関するものである。
更に本発明は、上記検査方法による検査結果を利用することによりL/D領域およびB−band領域を含まないシリコン単結晶を提供する、シリコン単結晶の製造方法に関するものである。
半導体ウェーハ製造用のシリコン単結晶の育成方法としては、原料融液からシリコン単結晶を引き上げながら成長させるチョクラルスキー法(以下、「CZ法」ともいう)が広く用いられている。
上記CZ法については、シリコン単結晶育成時に結晶内部に導入される欠陥の種類および分布は、結晶の引き上げ速度Vと固液界面の温度勾配Gに依存することが知られている。図6は、V/Gと欠陥の種類および分布との一般的な関係を示す図である。図6に示すように、V/Gがある値以上になると空孔が過剰となり、原子空孔が集まったボイド欠陥であるCOP(Crystal Originated Particle)が発生する。一方、V/Gが小さい場合は格子間シリコン原子が過剰となり、格子間シリコンの凝集体であるL/D(Large Dislocation)と呼ばれる転位クラスタが発生する。
更に、上記COPが発生する領域とL/Dが発生する領域(L/D領域)との間には、熱処理された場合の挙動が異なる複数の領域が含まれている。図6に示すように、COPが発生する領域とL/Dが発生する領域の間には、V/Gが大きい方から順に、OSF領域、Pv領域、Pi領域の三つの領域が存在する。OSF領域とは、as-grown状態(結晶成長後に何の熱処理も行っていない状態)で板状酸素析出物(OSF(Oxidation Induced Stacking Fault)核)を含み、高温(一般的には1000℃〜1200℃程度)で熱酸化した場合にOSFが発生する領域である。Pv領域とは、as-grown状態で酸素析出核を含んでおり、低温および高温(例えば、800℃程度および1000℃程度)の2段階の熱処理を施した場合に酸素析出物が発生し易い領域である。Pi領域とは、as-grown状態で殆ど酸素析出核を含んでおらず、熱処理を施されても酸素析出物が発生し難い領域である。更にV/Gを下げていくと、Pi領域の一部でありながら酸素析出物が発生しやすい領域であるB−band領域がL/D領域に隣接して出現する。
上記COPおよびL/Dは、シリコン単結晶ウェーハの表層部に集積回路を形成した際にデバイス特性に大きな影響を与えるため、これらの欠陥が発生しない条件でシリコン単結晶を育成することが望ましい。そのためには、育成したシリコン単結晶の検査を行い各領域の分布を正確に把握し、結晶育成に対して必要なフィードバックをかけることが重要である。例えば、OSF領域が発生しているのであれば、引き上げ速度Vを下げるように育成条件を修正し、B−bandが発生しているのであれば引き上げ速度Vを上げるように育成条件を修正することで、結晶欠陥のないシリコン単結晶を歩留まりよく安定生産することが可能となる。
現在、シリコン単結晶中の各領域を判別する方法としてはCuデコレーション法が広く用いられている(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。Cuデコレーション法は、サンプル表面に付着させたCuを熱処理によりサンプル内部に拡散させた後に急冷によって結晶表面の欠陥を顕在化させるものであり、必要に応じて微細な欠陥の検出のために選択エッチングが行われる。
特開2001−81000号公報
Luciano Mule'Stagno, "A Technique For Delineating Defects in Silicon." Solid State Phenomena Vols.82-84 (2002) pp753-758
ところで、従来は酸素析出物密度を高密度に形成したゲッタリング能力に優れるウェーハの提供が強く求められてきた。しかしながら、酸素析出物はいわゆる結晶欠陥の一種であり、デバイスが形成されるウェーハ表層部に酸素析出物が存在するとデバイス不良をもたらす要因となる。近年、デバイスにおけるクリーン化が進み不純物汚染の危険性も大幅に低減されたため、ウェーハに要求される品質としてゲッタリング能力を不問とし、COP、L/Dに限らず、結晶欠陥の一種である酸素析出物さえも限りなく低減させたウェーハが次世代ウェーハとして今後要求されることが予想される。
一般的に、ウェーハ中の酸素析出物は、結晶中の酸素濃度を低下させることにより低減することができる。しかしながら本発明者の検討により、低酸素濃度のシリコン単結晶サンプルでは、従来のCuデコレーション法ではL/D領域とB−band領域との識別が困難であることが判明した。
そこで本発明の目的は、低酸素濃度のシリコン単結晶において、L/D領域およびB−band領域を高感度に検出し得る手段を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の新たな知見を得た。
(1)B−band領域で酸素析出物が発生しないような低温でCuデコレーションを行うことでB−band領域に酸素析出物が発生することを回避したうえで、拡散速度の速いCuがL/D領域から外方拡散しないように急速に冷却することで、L/Dのみを選択的に顕在化することができ、これにより低酸素濃度のシリコン単結晶においてL/D領域を高感度に検出することができる。
(2)上記(1)のCuデコレーション前に所定の前処理(熱処理)を行うことにより、CuデコレーションによりB−band領域とL/D領域を顕在化させることができ、ここで顕在化された領域から上記(1)で検出したL/D領域を差し引くことにより、従来検出が困難であった低酸素濃度のシリコン単結晶におけるB−bandの検出が可能になる。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]チョクラルスキー法により育成された格子間酸素濃度(旧ASTM)が12E17atoms/cm3未満のシリコン単結晶インゴットから切り出された略同一の結晶領域分布を有する2つのサンプルの一方に、750〜900℃の温度域で加熱した後に1000〜1150℃の温度域で加熱する前処理を施すこと、
前記2つのサンプルの表面を銅で汚染すること、
上記汚染後のサンプルに、700℃以上800℃未満の温度域で5分間以上加熱した後に該温度域から2.5℃/分を超える降温速度で急冷する加熱冷却処理を施すこと、
上記加熱冷却処理後の前記サンプル表面を選択エッチングすること、
前記前処理を施したサンプルと前処理なしのサンプルとの、上記選択エッチング後のサンプル表面のピットの局在状態の対比結果に基づき、L/D領域およびB−band領域を特定すること、
を含むことを特徴とする、シリコン単結晶の検査方法。
]前記選択エッチングをライトエッチングにより行う、[1]に記載のシリコン単結晶の検査方法。
]前記銅汚染を、銅濃度が3E20atoms/cm3以上の銅含有溶液中に前記サンプルを浸漬することにより行う、[1]または[2]に記載のシリコン単結晶の検査方法。
]チョクラルスキー法により検査用シリコン単結晶を育成すること、
上記検査用シリコン単結晶に対して[1]〜[]のいずれかに記載の方法による検査を行うこと、
検査の結果に基づきシリコン単結晶の引き上げ条件を決定すること、
決定された引き上げ条件でチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成することにより、L/D領域およびB−band領域を含まないシリコン単結晶を得ること、
を含むことを特徴とする、シリコン単結晶の製造方法。
本発明によれば、CZ法により育成された低酸素濃度シリコン単結晶中のL/D領域およびB−band領域を高感度検出することができる。得られた結果をCZ法における結晶育成条件にフィードバックすることで高品質なシリコン単結晶を安定的に量産することが可能となる。
実施例において使用したシリコン単結晶引き上げ装置の構成を示す説明図である。 実施例1におけるピット局在状態の観察結果を示す。 実施例2におけるピット局在状態の観察結果を示す。 実施例2におけるライフタイム測定結果(左図)および前処理の異なるサンプルにおけるライフタイム測定結果(右図)を示す。 実施例3におけるピット局在状態の観察結果を示す。 CZ法における結晶育成条件とシリコン単結晶インゴット内に発生する領域の種類および分布との関係を示す説明図である。
以下の方法2は本発明であり、方法1は参考態様である。
チョクラルスキー法により育成された格子間酸素濃度(旧ASTM)が12E17atoms/cm3未満のシリコン単結晶インゴットから切り出されたサンプルの表面を銅で汚染すること、
上記汚染後のサンプルに、700℃以上800℃未満の温度域で5分間以上加熱した後に該温度域から2.5℃/分を超える降温速度で急冷する加熱冷却処理を施すこと、
上記加熱冷却処理後の前記サンプル表面を選択エッチングすること、
上記選択エッチング後のサンプル表面のピットの局在状態に基づきL/D領域を特定すること、
を含むことを特徴とする、シリコン単結晶の検査方法(以下、「方法1」という);
チョクラルスキー法により育成された格子間酸素濃度(旧ASTM)が12E17atoms/cm3未満のシリコン単結晶インゴットから切り出された略同一の結晶領域分布を有する2つのサンプルの一方に、750〜900℃の温度域で加熱した後に1000〜1150℃の温度域で加熱する前処理を施すこと、
前記2つのサンプルの表面を銅で汚染すること、
上記汚染後のサンプルに、700℃以上800℃未満の温度域で5分間以上加熱した後に該温度域から2.5℃/分を超える降温速度で急冷する加熱冷却処理を施すこと、
上記加熱冷却処理後の前記サンプル表面を選択エッチングすること、
前記前処理を施したサンプルと前処理なしのサンプルとの、上記選択エッチング後のサンプル表面のピットの局在状態の対比結果に基づき、L/D領域およびB−band領域を特定すること、
を含むことを特徴とする、シリコン単結晶の検査方法(以下、「方法2」という)
本発明のシリコン単結晶の検査方法において、検査対象とされるシリコン単結晶は、チョクラルスキー法(CZ法)により育成された格子間酸素濃度(旧ASTM)が12E17atoms/cm3未満のシリコン単結晶である。このように酸素濃度の低いシリコン単結晶は、従来のCuデコレーション法ではL/D領域とB−band領域の識別が困難であるため、L/D領域が小さく検出されてしまうことやB−band領域の検出が困難であることが課題であった。
これに対し本発明によれば、方法1によりL/D領域の高感度検出が可能となり、更に方法2によりL/D領域とともにB−band領域も高感度に検出することが可能となる。これは、比較的低温での加熱と急冷とを含むCuデコレーションによりL/D領域を選択的にCuデコレーションできることと、Cuデコレーション前に前処理として低温および高温の2段階からなる熱処理を行うことでL/D領域とともに隣接するB−band領域もCuデコレーションできることによるものである。
以下、本発明のシリコン単結晶の検査方法について、更に詳細に説明する。
Cuデコレーションを施すサンプルは、CZ法により育成されたシリコン単結晶インゴットを軸方向に垂直に切断した縦割りサンプルでもよく、ワイヤソー等を用いて横方向にスライスしたウェーハサンプルでもよい。その格子間酸素濃度は、上記のとおり旧ASTM換算で12E17atoms/cm3未満である。12E17atoms/cm3以上となると、後述する本発明におけるCuデコレーションではL/D領域以外に酸素析出物の発生しやすい領域もCuデコレーションされてしまうためL/D領域を高感度に検出することができない。即ち本発明の検査方法は、低酸素濃度のシリコン単結晶を対象とするものである。検査対象となるシリコン単結晶の格子間酸素濃度(旧ASTM)の下限値は、例えば10E17atoms/cm3程度であることがL/D領域を隣接する領域と明確に区別するために好ましい。
方法2では、略同一の結晶領域分布を有する2つのサンプルを使用する。これは後述するように、一方のサンプルで特定したL/D領域を他方のサンプルでピットを形成した領域と対比することでB−band領域を特定するためには、略同一の結晶領域分布を有するサンプルである必要があるからである。略同一の結晶領域分布を有する2つのサンプルとは、例えば、インゴットを中心軸を通過するように2等分に縦割りしたサンプルの一方と他方であり、またはウェーハサンプルを幾何中心を通過するように2等分ないし四等分に分割したサンプル同士である。
方法2は方法1と共通の工程を含むため、以下、主に方法1について説明した後に、方法2について説明する。
上記のとおり方法1は、「Cu汚染」、「加熱冷却処理」、「選択エッチング」、「L/D領域の特定」を含む。以下に、各工程について順次説明する。
Cu汚染は、一般的なCuデコレーションと同様に行うことができる。具体的には、例えばサンプルを銅含有溶液中に浸漬した後、該溶液から取り出し所定時間自然乾燥等により乾燥させる。前記銅含有溶液としては、硝酸銅水溶液や硝酸銅とフッ酸(HF)との混合溶液等を用いることができる。該溶液中の銅濃度は、L/D領域(方法2ではL/D領域+B−band領域)を均一にデコレーションする観点からは、3E20atoms/cm3以上とすることが好ましい。銅含有溶液の銅濃度が高いほど均一なデコレーションの観点からは好ましく、例えば、溶解度上限まで銅を含有する溶液を使用することも可能である。なお銅の溶解度は温度に依存し、例えば0℃では44E20atoms/cm3程度である。
次いで、上記汚染後のサンプルに加熱冷却処理を施す。加熱冷却処理は、シリコンウェーハの熱処理に処理に通常使用される卓上型電気炉、横型酸化炉等の各種熱処理炉を使用して行うことができる。なお本発明においてサンプルの熱処理に関して記載する温度および速度は、特記しない限り、サンプルが晒される雰囲気(例えば熱処理炉の炉内雰囲気)についての温度および速度をいうものとする。また、本発明では特記しない限りサンプルが晒される雰囲気は特に限定されるものではなく、空気中等の任意の雰囲気であることができる。
上記Cu汚染後の加熱処理により、サンプル内にCuを熱拡散させることができる。本発明において上記汚染後のサンプルの加熱温度は、700℃以上800℃未満とする。この加熱温度が800℃以上では、加熱によりB−band領域において酸素析出物が発生してしまうためL/D領域を選択的にCuデコレーションすることが困難となり、700℃未満ではL/D領域のCuデコレーションが不十分となる。上記加熱温度での熱処理時間が5分未満ではL/D領域の境界を明確に顕在化させることが困難となるため、熱処理時間は5分間以上とする。5分間以上であれば長くしても効果に大きな違いはないので上限は特に限定されるものではない。例えば10分間程度行うことも可能であるが、検査を短時間で行うためには5分間とすることが最も好ましい。加熱中に温度を一定に維持することは必須ではなく、700℃以上800℃未満の範囲内であれば温度を変化させてもかまわない。なお、サンプルを導入する前の加熱炉は、上記加熱温度に昇温しておいてもよく、サンプル導入後に上記加熱温度に昇温してもよい。サンプル導入後に昇温する場合には、昇温速度は2〜7℃/分程度とすることが、その後の急冷時のCu化合物の析出の観点から好ましい。
本発明では上記加熱後にサンプルを急冷することでL/D(転位クラスタ)にCu化合物を析出させることができる。通常のCuデコレーションでは、例えば前述の特許文献1に記載されているように、サンプルを加熱炉から取り出し放置することで室温まで冷却する。これに対し本発明では、冷却時の降速速度が2.5℃/分を超えるように冷却速度を制御する。好ましくは、上記加熱温度域(700℃以上800℃未満)から50〜100℃低い温度まで降温する際の降温速度を2.5℃/分超とする。これは、上記加熱温度域からの冷却時の降温速度が2.5℃以下では、拡散速度の速いCuがL/D領域から外方拡散してL/D領域のCuデコレーションが不十分となり、その結果、隣接する領域との境界が不明確となってL/D領域の識別が困難となるからである。降温速度は、熱処理炉の設定により制御可能である。
上記降温速度はCuの拡散を抑えるためには速いほど望ましく、例えば100℃/分以上、更には200℃以上、特に300℃以上とすることができる。一般的な熱処理炉の性能を考慮すると500℃/分以下程度が上限となり得るが、上記のとおりCuの拡散を抑えるためには速いほど好ましいため上限は特に限定されるものではない。所定温度まで冷却したサンプルは、熱処理炉から取り出し室温放置することができる。
上記Cu汚染と加熱冷却処理を施したサンプル表面を選択エッチングすると、サンプル表面から、CuデコレーションによりL/Dに析出したCu化合物が除去される。これによりL/Dをピットとして検出することが可能となる。そこで本発明では、選択エッチング後のサンプル表面におけるピットの局在状態に基づき、L/D領域を特定する。例えば、選択エッチング後のサンプル表面を集光灯下で観察した際に、ピットが局在している領域をL/D領域と特定することができる。また、本発明における領域特定には、ライフタイムマップ(再結合ライフタイム分布)測定を併用することもできる。ライフタイムマップ測定は結晶中の領域を識別することができ、その手法は公知である(例えば特許第4200845号明細書参照)。領域の境界が明確に現れるという利点がある反面、ライフタイム値の大小で相対的な判断を行うため、ライフタイム測定のみではL/D領域やB−band領域を確実に特定することは困難である。これに対し本発明では、上記の通り、従来は識別が困難であった、CZ法により育成された低酸素濃度シリコン単結晶中のL/D領域およびB−band領域を高感度検出することができ、更にライフタイムマップ測定を併用することで、L/D領域やB−Band領域の他領域との境界をより明確に確定することができる。
上記選択エッチングは、セコ液によって行ってもよく(セコエッチング(Secco etching:例えば、HF=100cc、K2Cr27=50g(0.15mol/リットル)の組成のもの))、ライト液によって行ってもよい(ライトエッチング(Wright etching:例えば、HF=60cc、HNO3=30cc、Cr23=30cc(5mol/リットル)、Cu(NO32=2.2g、H2O=60cc、CH3COOH=60ccの組成のもの))。エッチング液の安定性の観点からはライトエッチングを行うことが好ましい。ピットの観察は、目視で行ってもよく顕微鏡下で行ってもよい。
通常、L/D領域は外周部分のB−band領域との境界付近ではL/Dのサイズが小さくなるため、エッチング量を多くすると外周部分のL/D由来のピットが除去されてL/D領域を小さく特定してしまう場合がある。したがって、L/D領域の検出感度を高めるためには、エッチング量は5μm以下とすることが好ましい。
以上説明した方法1は、選択エッチング後のサンプル表面におけるピットの局在状態に基づきL/D領域を特定するものである。方法1には、ピットの局在が観察されない場合には同サンプルにはL/D領域が含まれないと判定する態様が含まれるものとする。
方法2は、同一のシリコン単結晶インゴットから切り出された2つのサンプルに異なる処理を施す。一方のサンプルに施す処理は、上記方法1における処理と同様である。これにより、該サンプルにおいてL/D領域を特定することができる。他方のサンプルには、L/D領域特定用のサンプルと同様の処理を行う前に、CuデコレーションによりL/D領域とともにB−band領域を顕在化させるための前処理を施す。該前処理は、Cu汚染を施す前のサンプルを、750〜900℃の温度域で加熱(以下、「低温加熱」という)した後に1000〜1150℃の温度域で加熱(以下、「高温加熱」という)することにより行う。上記温度域での2段階加熱を行うことにより、B−band領域において酸素析出物を生成することができるため、その後のCu汚染および加熱冷却処理によりL/Dとともに酸素析出物もCuデコレーションすることができる。この結果、選択エッチングによりL/Dに析出したCu化合物とともにB−band領域において酸素析出物に析出したCu化合物も除去されるため、「L/D領域+B−band領域」にピットが局在することとなる。この「L/D領域+B−band領域」を顕在化させたサンプル表面を、他方のL/D領域のみを顕在化させたサンプルと対比すれば、L/D領域以外のピットが局在化した領域をB−band領域と特定することができる。これにより従来困難であった、低酸素濃度のシリコン単結晶におけるL/D領域およびB−band領域の高感度検出が可能となる。他方、1段階加熱や上記温度域を外れる温度での加熱では、B−band領域において酸素析出物を生成することができず、B−band領域の特定が困難となる。なお、このB−band領域の特定に際して、前述のようにライフタイムマップ測定を併用することも可能であり、併用することで領域の境界を、より明確に確定することができる。
上記前処理における低温加熱は、臨界サイズの析出核が成長するに足る時間行うことが好ましく、3時間程度が好適である。3時間以上行うことも、もちろん可能であるが析出核の密度はあまり変化しないため3時間程度で十分である。一方、高温加熱は、低温加熱により形成した析出核が析出物に成長するに足る時間行うことが好ましく、16時間程度が好適である。16時間以上行うことも、もちろん可能であるが析出物の密度はあまり変化しないため、16時間程度で十分である。低温加熱から高温加熱へ移行する際の昇温速度は、例えば1〜10℃/min.程度とすることができる。また、前処理は、析出物の成長を良好に進行させる観点から酸素を含む雰囲気(酸化性雰囲気)で行うことが好ましい。酸化性雰囲気の酸素濃度は、例えば10〜100体積%である。また、ドライ酸化にて上記前処理を行うことが、析出物の成長を良好に進行させるうえで好ましい。
上記前処理からCuデコレーションに移行する際には、前処理後に直ちにサンプルを熱処理炉から取り出してもよいが、急冷によるスリップ等の発生を防止するためには降温速度を制御することが好ましい。この点から、高温加熱後に熱処理炉内で例えば900〜950℃まで1〜10℃/min.程度の降温速度で冷却した後、サンプルを熱処理炉から取り出し、その後室温放置することが好ましい。
方法2は、略同一の結晶領域分布を有する2つのサンプルにおいて、一方のサンプルでは「L/D領域+B−band領域」を顕在化させ、他方の領域ではL/D領域のみを顕在化させることで、L/D領域とともにB−band領域の検出を可能とするものであって、以下の態様も含まれるものとする。
(1)前処理を行ったサンプルのみでピットが局在している領域が出現し、他方のサンプルにはピットの局在が見られない場合に、上記ピットの局在している領域がB−band領域であって、これらサンプルにはL/D領域は存在しないと判定すること。
(2)上記(1)とは逆の場合には、これらサンプルにはL/D領域は存在するがB−band領域は存在しないと判定すること。
(3)2つのサンプルのどちらにもピットの局在が見られない場合に、これらサンプルはL/D領域もB−band領域も含まないと判定すること。
上記の通り、方法2ではL/D領域およびB−band領域の存在の有無を判定することもできる。
以上説明した工程の前後には、混酸(HF、HNO3系)を用いたミラーエッチング、純水による洗浄、HF洗浄、SC−1洗浄等の前処理ないし後処理を任意に施すことができる。例えば、熱処理前のサンプルに対して自然酸化膜を除去するための洗浄ないしエッチング処理を施すことができ、選択エッチング前のサンプルに対して表面に残留したCuを除去するための洗浄ないしエッチング処理を施すことができる。
本発明の検査方法による検査結果は、CZ法によるシリコン単結晶育成時の引き上げ条件の最適化のために利用することができる。L/D領域もB−band領域も検出されないのであれば、同引き上げ条件(具体的にはV/G)は、これら領域を含まないシリコン単結晶の育成のために最適な条件であると判定することができる。他方、L/D領域および/またはB−band領域が検出された場合には、例えば引き上げ速度を高めることによりV/Gを大きくするように引き上げ条件を調整することで、L/D領域もB−band領域も含まないシリコン単結晶を育成することができる。
即ち本発明により、チョクラルスキー法により検査用シリコン単結晶を育成すること、上記検査用シリコン単結晶に対して本発明の検査方法による検査を行うこと、検査の結果に基づきシリコン単結晶の引き上げ条件を決定すること、決定された引き上げ条件でチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成することにより、L/D領域およびB−band領域を含まないシリコン単結晶を得ること、を含むシリコン単結晶の製造方法、も提供される。本発明のシリコン単結晶の製造方法は、上記のとおりチョクラルスキー法における引き上げ条件を決定する点を除けば、チョクラルスキー法による公知の製造工程によりシリコン単結晶を製造することができる。なお、本発明では適宜、COP領域、OSF領域、Pv領域、Pi領域を検出可能な公知の検査方法を組み合わせて引き上げ条件の決定を行うことも可能である。これにより、結晶欠陥や酸素析出物の発生のない高品質なシリコン単結晶を、より高い信頼性をもって提供することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
実施例1:ウェーハサンプルにおけるL/D領域およびB−band領域の検出
(1)チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の育成
図1に示すシリコン単結晶引き上げ装置を用いて格子間酸素濃度11.8E17atoms/cm3(旧ASTM))のシリコン単結晶インゴット(単結晶直径:300mm、結晶方位:<100>、極性:p型(ボロンドープ)、単結晶直胴部長さ:2000mm)を育成した。以下、図1に示すシリコン単結晶引き上げ装置の詳細を説明する。
図1に示すシリコン単結晶引き上げ装置10は、チャンバー11と、チャンバー11の底部中央を貫通して鉛直方向に設けられた支持回転軸12と、支持回転軸12の上端部に固定されたグラファイトサセプタ13と、グラファイトサセプタ13内に収容された石英るつぼ14と、グラファイトサセプタ13の周囲に設けられたヒーター15と、支持回転軸12を昇降および回転させるための支持軸駆動機構16と、種結晶を保持するシードチャック17と、シードチャック17を吊設する引き上げワイヤー18と、ワイヤー18を巻き取るためのワイヤー巻き取り機構19と、ヒーター15および石英るつぼ14からの輻射熱によるシリコン単結晶インゴット20の加熱を防止すると共にシリコン融液21の温度変動を抑制するための熱遮蔽部材22と、各部を制御する制御装置23とを備えている。
チャンバー11の上部には、Arガスをチャンバー11内に導入するためのガス導入口24が設けられている。Arガスはガス管25を介してガス導入口24からチャンバー11内に導入され、その導入量はコンダクタンスバルブ26により制御される。
チャンバー11の底部には、チャンバー11内のArガスを排気するためのガス排出口27が設けられている。密閉したチャンバー11内のArガスはガス排出口27から排ガス管28を経由して外へと排出される。排ガス管28の途中にはコンダクタンスバルブ29および真空ポンプ30が設置されており、真空ポンプ30でチャンバー11内のArガスを吸引しながらコンダクタンスバルブ29でその流量を制御することでチャンバー11内の減圧状態が保たれている。
さらに、チャンバー11の外側にはシリコン融液21に磁場を印加するための磁場供給装置31が設けられている。磁場供給装置31から供給される磁場は、水平磁場であっても構わないし、カスプ磁場であっても構わない。
(2)検査用サンプルの作製
上記(1)で育成したシリコン単結晶インゴットをワイヤソーを用いて横方向にスライスしウェーハサンプルを得た。得られたサンプルを扇状の4等分のサンプル片に分割し、1つを下記(3)の処理に付し、他の1つを下記(4)の処理に付した。
(3)L/D領域の検出のための加熱冷却処理
上記(2)で作製したサンプルの1つ(以下、「サンプル1」という)に対して以下の処理を行った。
(i)サンプルを純水で超音波洗浄した後、HNO3:HF=5:1(体積比)のエッチング液で5分間ミラーエッチングし、次いで10分間の水洗リンスを行った。
(ii)Cuデコレーション用の銅含有溶液として、水5リットルに硝酸銅3水和物(Cu(NO32・3H2O)30gを溶解した硝酸銅水溶液を調製した。調製した硝酸銅水溶液に上記(i)の処理を施したサンプルを5分間浸漬した後、引き上げて自然乾燥させた。
(iii)上記(ii)の処理を施したサンプルを卓上型電気炉(炉内温度660℃、炉内雰囲気:空気)にローディングし、5℃/min.で昇温し750℃で5分間保持した。その後、5℃/min.の降温速度で660℃まで冷却した後、卓上型電気炉からアンロードした。
(iv)上記(iii)の処理を施したサンプル表面を、HNO3:HF=5:1(体積比)のエッチング液で5分間エッチングし、10分水洗リンスして表面のCu析出物を除去した。
(4)L/D領域+B−band領域検出のための前処理および加熱冷却処理
上記(2)で作製したサンプルの1つ(以下、「サンプル2」という)に対して以下の処理を行った。
(i) サンプルを純水で超音波洗浄した後、HNO3:HF=5:1(体積比)のエッチング液で5分間ミラーエッチングし、次いで10分間水洗リンスを行った。
(ii)上記(i)の処理を施したサンプルを熱処理炉にローディングし、酸化性雰囲気(ドライO2(=乾燥酸素100%))780℃で3時間保持後、5℃/min.で1000℃まで昇温し、同温度で16時間保持した。その後2℃/min.で950℃まで降温し、熱処理炉からアンロードして室温まで冷却した。
(iii)上記(ii)の処理を施したサンプルを、H2O:HF=1:1(体積比)のエッチング液で3分間エッチングし、表面の酸化膜を除去した。
(iv)上記(iii)の処理を施したサンプルを、HNO3:HF=5:1(体積比)のエッチング液で5分間ミラーエッチングし、次いで10分間の水洗リンスを行った。その後、上記(3)の(ii)〜(iv)の処理を施した。
(5)選択エッチングによるピット形成
上記(3)、(4)の処理後のウェーハ表面をライト液によりエッチング量5μmで選択エッチングした。エッチング後の表面を集光灯下で観察して撮影した写真を図2に示す。図2左図は、上記(3)の処理を施したウェーハ表面の観察結果であり、図2右図は、上記(4)の処理を施したウェーハ表面の観察結果である。
図2に示すように、上記(3)の処理を施したウェーハ表面にはL/D領域にピットの局在が確認され、上記(4)の処理を施したウェーハ表面には「L/D領域+B−band領域」にピットの局在が確認された。上記(4)の処理を施したウェーハ表面のピットの局在領域から上記(3)の処理を施したウェーハ表面のピットの局在領域を差し引くことで、B−band領域を特定することができる。
以上の結果から、本発明により低酸素濃度のシリコン単結晶におけるL/D領域およびB−band領域の特定が可能となることが示された。
なお、図2右図では、Pv領域にもピットの存在が確認された。これは前処理によってPv領域に発生した酸素析出物がCuデコレーションされたことによるものであるが、Pv領域とL/D領域およびB−band領域は公知の通り発生位置および形状が異なるため、容易に区別することができる。また、図2右図においてB−band領域とPv領域の間に存在する、ピットが確認されない領域は、析出抑制領域であるPi領域である。このように本発明によれば、L/D領域、B−band領域とともに、Pv領域およびPi領域を検出することもできる。
実施例2:ウェーハサンプルにおけるL/D領域およびB−band領域の判定および検出
実施例1とは異なる育成条件で育成したシリコン単結晶インゴットから得たサンプルを使用した点以外、実施例1と同様の処理を行った。処理後のウェーハ表面をライト液によりエッチング量5μmで選択エッチングした。エッチング後の表面を集光灯下で観察して撮影した写真を図3に示す。図3左図は、上記(3)の処理(L/D領域の検出のための加熱冷却処理)を施したウェーハ表面の観察結果であり、図3右図は、上記(4)の処理(L/D領域+B−band領域検出のための前処理および加熱冷却処理)を施したウェーハ表面の観察結果である。
図3左図に示すように、上記(3)の処理を施したウェーハ表面にはピットの局在が観察されなかったことから、評価したサンプルにはL/D領域が含まれないと判定することができる。これに対し図3右図のピットの局在状態から、評価したサンプルにはB−band領域とPv領域が存在することが確認できる。加えて図3右図から、B−band領域とPv領域の間に存在する、ピットが確認されない領域を、Pi領域と判定することができる。
ライフタイムマップ測定
セミラボ社製ライフタイム測定器WT−2000を用いて、実施例2において、上記(4)の処理(L/D領域+B−band領域検出のための前処理および加熱冷却処理)および上記(5)(選択エッチング)を施したサンプルの再結合ライフタイム測定を行い、ライフタイムマップを得た。結果を図4左図に示す。これとは別に、上記(4)(ii)における前処理に代えて1000℃で10時間の熱処理を行った点以外は、上記(4)および(5)と同様の処理を施したサンプルについて、同様にライフタイムマップを得た。結果を図4右図に示す。
図4右図では、B−band領域は検出されなかったのに対し、図4左図では、B−band領域も含め図3右図と同様の領域分布が確認できる。このようにライフタイムマップ測定の結果と組み合わせることで、各領域の境界を、より明確に識別することが可能となる。
実施例3:縦割りサンプルにおけるL/D領域およびB−band領域の検出
実施例1と同様の方法で育成したシリコン単結晶インゴットを軸方向にインゴット中心軸を含むように切断して縦割りサンプルを得た。得られたサンプルをインゴット中心軸にて二等分し、一方のサンプルには実施例1の(3)の処理を、他方のサンプルには実施例1の(4)の処理を、それぞれ施した後、実施例1の(5)の選択エッチングを行った。選択エッチング後の表面を集光灯下で観察して撮影した写真を図5に示す。図5中、「CE」はインゴット中心軸方向、「ED」はインゴット外周面方向を意味する。
図5上左図は、上記(3)の処理を施したサンプル表面の観察結果であり、図5上右図は、上記(4)の処理を施したサンプル表面の観察結果である。図5下図は、上左図および上右図における領域特定結果を重ね合わせた結果である。このように重ね合わせにより、図5下図に示すようにB−band領域を特定することができる。
本発明は、シリコン単結晶ウェーハの製造分野において有用である。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により育成された格子間酸素濃度(旧ASTM)が12E17atoms/cm3未満のシリコン単結晶インゴットから切り出された略同一の結晶領域分布を有する2つのサンプルの一方に、750〜900℃の温度域で加熱した後に1000〜1150℃の温度域で加熱する前処理を施すこと、
    前記2つのサンプルの表面を銅で汚染すること、
    上記汚染後のサンプルに、700℃以上800℃未満の温度域で5分間以上加熱した後に該温度域から2.5℃/分を超える降温速度で急冷する加熱冷却処理を施すこと、
    上記加熱冷却処理後の前記サンプル表面を選択エッチングすること、
    前記前処理を施したサンプルと前処理なしのサンプルとの、上記選択エッチング後のサンプル表面のピットの局在状態の対比結果に基づき、L/D領域およびB−band領域を特定すること、
    を含むことを特徴とする、シリコン単結晶の検査方法。
  2. 前記選択エッチングをライトエッチングにより行う、請求項1に記載のシリコン単結晶の検査方法。
  3. 前記銅汚染を、銅濃度が3E20atoms/cm3以上の銅含有溶液中に前記サンプルを浸漬することにより行う、請求項1または2に記載のシリコン単結晶の検査方法。
  4. チョクラルスキー法により検査用シリコン単結晶を育成すること、
    上記検査用シリコン単結晶に対して請求項1〜のいずれか1項に記載の方法による検査を行うこと、
    検査の結果に基づきシリコン単結晶の引き上げ条件を決定すること、
    決定された引き上げ条件でチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成することにより、L/D領域およびB−band領域を含まないシリコン単結晶を得ること、
    を含むことを特徴とする、シリコン単結晶の製造方法。
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