JP5621508B2 - サンドイッチ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、上鋼板及び下鋼板と、これらの間において配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体に関するものである。
従来より提案されている鋼材とコンクリートの合成構造体の一つとして、ダイヤフラムを用いたサンドイッチ構造体が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。図10は、従来のダイヤフラム115を用いたサンドイッチ構造体101の構成を示す側面断面図である。
このサンドイッチ構造体101は、上鋼板111及び下鋼板113と、これらの間において方向Aに間隔を空けて配設された複数のダイヤフラム115と、これらにより囲まれた空間117内に充填されたコンクリート119とを備えている。
このサンドイッチ構造体101に対して、図11に示すように、方向Aに間隔を空けた部位について逆向きの力であるせん断力Vが作用したとき、上鋼板111、下鋼板113及び複数のダイヤフラム115がなす箱形断面の対角線方向C両側の隅角部121において、コンクリート119が強固に拘束されることになる。そして、これにより、その対角線方向Cに沿うような圧縮力Fcがコンクリート119に作用するとともに、この圧縮力Fcの反力として上鋼板111等の各鋼板には引張力Ft(Ft1、Ft2)が作用することになる。なお、図11において、コンクリート119について太線で囲んだ範囲Pは、コンクリート119に作用する圧縮力Fcの範囲を模式的に表したものである。
この結果、このサンドイッチ構造体101では、コンクリート119が圧縮斜材として抵抗し、上鋼板111等の各鋼板が引張材として抵抗するようなトラス的なメカニズムによりせん断力Vに対して抵抗することが可能となり、これにより、優れたせん断耐力を発揮することが可能となっている。
ここで、上述のような構成からなるサンドイッチ構造体101のせん断耐力は、コンクリート119の圧縮耐力と、上鋼板111等の各鋼板の引張耐力とのうち最も小さい耐力によって決定される。従って、サンドイッチ構造体101のせん断耐力が不足する場合、各々の部材の耐力を増大させる必要がある。
このとき、上鋼板111等の各鋼板の引張耐力の不足を補う方法としては、これらの材料として更に高強度のものを用いるか、これらとして更に板厚の厚いものを用いる方法が考えられる。
また、コンクリート119の圧縮耐力の不足を補う方法としては、コンクリート119の材料として更に高強度のものを用いる方法が考えられる。また、上鋼板111、下鋼板113及び複数のダイヤフラム115がなす箱形断面の対角線に対するダイヤフラム115の角度θが小さくなるほど、コンクリート119に作用する圧縮力Fcのせん断力Vと平行な方向の成分が増大し、せん断力Vに対して圧縮力Fcにより効果的に抵抗することでせん断耐力の向上を図ることが可能となる。このため、コンクリート119の圧縮耐力の不足を補う他の方法としては、角度θを低減させること、即ち、上鋼板111と下鋼板113との間の間隔Hを増大させるか、複数のダイヤフラム115間の間隔Sを低減させることが考えられる。
(社)土木学会著、「鋼コンクリートサンドイッチ構造設計指針」、(社)土木学会出版・平成4年7月発行、p.55-57
ここで、上述のようなコンクリート119の圧縮耐力の不足を補う方法の問題点について検討する。
まず、コンクリート119の材料として高強度のものを用いる方法を採用した場合は、コンクリート119の強度を高くしてもせん断耐力がコンクリート強度の1/2乗又は1/3乗に比例して大きくなるだけであるうえ、せん断耐力にある上限値が存在している。このため、高強度のコンクリートを採用するだけでは、大幅なせん断耐力の向上を図ることが期待できない。また、この場合は、コンクリート119の材料コストの大幅な増大を招くことになるので、経済性に劣ることになる。
また、上鋼板111と下鋼板113との間の間隔Hを増大させる方法を採用した場合は、最大でも上鋼板111と下鋼板113との間の間隔Hの増大と同程度しかせん断耐力の向上を期待できない。また、間隔Hの増大によりせん断耐力の大幅な向上を期待する場合は、上鋼板111と下鋼板113との間の間隔Hを極端に大きくする必要があるため、コンクリート119の使用量が増大するばかりか、ダイヤフラム115の使用量の増大を招き、経済性に劣ることになる。また、この場合は、敷地制限等の観点からサンドイッチ構造体101の桁高の増大させることが困難な場合があるため、そもそも適用可能となる条件に制限があることになる。
また、複数のダイヤフラム115間の間隔Sの低減によりせん断耐力の大幅な向上を期待する場合は、ダイヤフラム115間の間隔Sを極端に小さくする必要があるため、ダイヤフラム115の個数の増大を招き、経済性に劣ることになる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、経済性の大きな低下を招くことなくコンクリートの圧縮耐力の大幅な向上を図ることを可能とし、ひいてはせん断耐力の大幅な向上を図ることを可能とするサンドイッチ構造体を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討の末、下記のサンドイッチ構造体を発明した。
第1発明に係るサンドイッチ構造体は、上鋼板及び下鋼板と、これらの間において前記上鋼板及び前記下鋼板に対して略垂直に配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体において、前記上鋼板及び前記下鋼板の相対向する一対の内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されているとともに、前記ずれ止めは、前記複数のダイヤフラム間の間隔をSとしたときに、前記上鋼板及び前記下鋼板の相対向する一対の内面に対して、前記隅角部から0.1×S以上0.45×S以下の範囲にのみ接合されていることを特徴とする。
第2発明に係るサンドイッチ構造体は、上鋼板及び下鋼板と、これらの間において前記上鋼板及び前記下鋼板に対して略垂直に配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体において、前記複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されているとともに、前記ずれ止めは、前記上鋼板と前記下鋼板との間の間隔をHとしたときに、前記複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に対して前記隅角部から0.1×H以上0.45×H以下の範囲に接合されていることを特徴とする。
第3発明に係るサンドイッチ構造体は、上鋼板及び下鋼板と、これらの間において前記上鋼板及び前記下鋼板に対して略垂直に配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体において、前記上鋼板及び前記下鋼板と前記複数のダイヤフラムとの両方の相対向する一対の内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されていることを特徴とする。
第4発明に係るサンドイッチ構造体は、第3発明において、前記ずれ止めは、前記複数のダイヤフラム間の間隔をSとし、前記上鋼板と前記下鋼板との間の間隔をHとしたときに、前記上鋼板及び前記下鋼板の相対向する一対の内面に対して前記隅角部から0.1×S以上0.45×S以下の範囲に接合され、前記複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に対して前記隅角部から0.1×H以上0.45×H以下の範囲に接合されていることを特徴とする。
第5発明に係るサンドイッチ構造体は、第1発明〜第4発明の何れか一つにおいて、前記ずれ止めは、前記上鋼板、前記下鋼板及び前記複数のダイヤフラムがなす箱形断面の二つの対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみ接合されていることを特徴とする。
第1発明〜第5発明によれば、上鋼板及び下鋼板や複数のダイヤフラムの内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されているため、隅角部においてのコンクリートの応力の局所的な増大を緩和させることができ、コンクリートの圧縮耐力の大幅な向上を図ることが可能となる。また、これにより、コンクリートのせん断耐力の向上を図ることも可能となる。また、ずれ止めが接合される範囲が一部の範囲のみとされているので、経済性の大きな低下を招くことなく、このようなコンクリートの圧縮耐力の大幅な向上を図ることが可能となる。
第1実施形態に係るサンドイッチ構造体の構成を示す斜視断面図である。 第1実施形態に係るサンドイッチ構造体の構成を示す側面断面図である。 第1実施形態に係るサンドイッチ構造体の作用効果を説明するための側面断面図である。 上鋼板及び下鋼板の相対向する一対の内面にのみずれ止めが接合されているサンドイッチ構造体の構成を示す側面断面図である。 複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面にのみずれ止めが接合されているサンドイッチ構造体の構成を示す側面断面図である。 上鋼板、下鋼板及び複数のダイヤフラムがなす箱形断面の二つの対角線方向の両側にずれ止めが接合されているサンドイッチ構造体の構成を示す側面断面図である。 上鋼板及び下鋼板の相対向する一対の内面に接合されるずれ止めの範囲とせん断耐力との関係を示す図である。 複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に接合されるずれ止めの範囲とせん断耐力との関係を示す図である。 上鋼板及び下鋼板と複数のダイヤフラムとの両方の一対の内面に接合されるずれ止めの範囲とせん断耐力との関係を示す図である。 従来のサンドイッチ構造体の構成を示す側面断面図である。 従来のサンドイッチ構造体の作用効果を説明するための側面断面図である。
本発明者は、ダイヤフラムを用いたサンドイッチ構造体について、経済性の大きな低下を招くことなくコンクリートの圧縮耐力の大幅な向上を図ることを可能とするために鋭意検討を行なった。この結果、従来のサンドイッチ構造体101においては、図11に示すように、そのサンドイッチ構造体101に作用するせん断力Vが、上鋼板111等のなす箱形断面の隅角部121からコンクリート119に圧縮力として伝達されることになるため、その隅角部121においてコンクリート119の応力の局所的な増大を招き、その結果、隅角部121においてのコンクリート119の圧縮破壊が促進されることを知見した。
そこで、本発明者は、このような知見に基づき更に検討を行なったところ、図3に示すように、そのコンクリート19の応力が局所的に増大する隅角部21から一部に亘る範囲においてのみずれ止め41を設けることにより、その局所的な応力を緩和させることができ、ひいては経済性の大きな低下を招くことなくコンクリート19の圧縮耐力の大幅な向上を図ることが可能となることを知見した。
本発明は、上述のような知見に基づくものであり、以下、その本発明を適用したサンドイッチ構造体を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明に係るサンドイッチ構造体の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るサンドイッチ構造体1の構成を示す斜視断面図であり、一部のコンクリート19を省略したものを示している。また、図2は、第1実施形態に係るサンドイッチ構造体1の構成を示す側面断面図であり、図3は、その作用効果を説明するための側面断面図である。
サンドイッチ構造体1は、例えば、土木分野、建築分野で用いられる沈埋管、セグメント、地下壁等として用いられる。
サンドイッチ構造体1は、間隔を空けて配置された上鋼板11及び下鋼板13と、上鋼板11及び下鋼板13に両端が接合され、これらの間において前記上鋼板および下鋼板に対して略垂直かつ方向Aに間隔を空けて配設された複数のダイヤフラム15と、上鋼板11、下鋼板13及び複数のダイヤフラム15により囲まれた空間17内に充填されたコンクリート19とを備えている。
上鋼板11及び下鋼板13は、第1実施形態において、平板状の鋼板から構成されているが、これに限定するものではなく、例えば、円弧状の鋼板から構成されていてもよい。このような形状の上鋼板11及び下鋼板13と複数のダイヤフラム15とを組み合わせて構成されるサンドイッチ構造体1は、その上鋼板11、下鋼板13及び複数のダイヤフラム15とがなす断面が矩形状、円弧状等の箱形断面に形成される。
ダイヤフラム15は、上鋼板11と下鋼板13との間の空間を方向Aに複数に区分けするものとして配設されるものであり、鋼板から構成されている。ダイヤフラム15は、上鋼板11や下鋼板13に対して、例えば、溶接等により接合される。
サンドイッチ構造体1は、上鋼板11、下鋼板13及び複数のダイヤフラム15の内面11a、13a、15aに対して、それらがなす箱形断面の対角線方向Cの両側の隅角部21から一部に亘る範囲にのみずれ止め41が接合されている。第1実施形態においては、上鋼板11及び下鋼板13と複数のダイヤフラム15との両方の相対向する一対の内面11a、13a、15aに対してずれ止め41が接合されている。
ずれ止め41は、サンドイッチ構造体1にせん断力Vが作用して、上鋼板11、下鋼板13、ダイヤフラム15に面内方向の力が作用したときに、これらに接するコンクリート19に対するずれを防止するために接合されるものであり、これにより、上鋼板11等の面内方向の力をコンクリート19に対して伝達させることが可能となる。ずれ止め41は、このような機能を有するものであれば、その構成について特に限定するものではなく、例えば、スタッドジベル、鉄筋、スタッド鉄筋、縞鋼板、孔あき鋼板ジベル等の公知のずれ止めや、他の部材から構成されていてもよく、第1実施形態においては、スタッドジベルにより構成されている。ずれ止め41は、例えば、溶接等により上鋼板11等に接合される。
次に、第1実施形態に係るサンドイッチ構造体1の作用効果について説明する。
サンドイッチ構造体1に対して、図3に示すように、方向Aに間隔を空けた部位について逆向きの力であるせん断力Vが作用したとき、上鋼板11、下鋼板13及び複数のダイヤフラム15がなす箱形断面の対角線方向C両側の隅角部21においてコンクリート19が強固に拘束されることになる。そして、これにより、その対角線方向Cに沿うような圧縮力Fcがコンクリート19に作用するとともに、この圧縮力Fcの反力として上鋼板11等の各鋼板には引張力Ft(Ft1、Ft2)が作用することになる。なお、図3において、コンクリート19について太線で囲んだ範囲Pは、コンクリート19に作用する圧縮力Fcの範囲を模式的に表したものである。
このとき、第1実施形態においては、上鋼板11、下鋼板13及び複数のダイヤフラム15の内面11a、13a、15aに対して、それらがなす箱形断面の対角線方向Cの両側の隅角部21から一部に亘る範囲にのみずれ止め41が接合されているため、隅角部21においてのコンクリート19の応力の局所的な増大を緩和させることができ、コンクリート19の圧縮耐力の大幅な向上を図ることが可能となる。また、これにより、コンクリート19のせん断耐力の大幅な向上を図ることも可能となる。
また、第1実施形態によれば、ずれ止め41が接合される範囲が一部の範囲のみとされているので、経済性の大きな低下を招くことなく、上述のようなコンクリート19の圧縮耐力の大幅な向上を図ることが可能となる。
特に、サンドイッチ構造体1に作用するせん断力Vの向きが一定である場合、複数のダイヤフラム15間の間隔をS、上鋼板11と下鋼板13との間の間隔をHとしたとき、上鋼板11及び下鋼板13の内面11a、13aに接合されるずれ止め41は隅角部21から0.5×S以下の範囲、ダイヤフラム15の内面15aに接合されるずれ止め41は隅角部21から0.5×H以下の範囲であれば、コンクリート19の圧縮耐力の大幅な向上を十分に図ることが可能である。このため、この場合、ずれ止め41を上鋼板11等の内面11a、13a、15aの全面に亘り接合する必要がないことから、経済性の大きな低下を招かないという点で特に優れた効果を発揮することが可能となる。
なお、上述の第1実施形態においては、上鋼板11及び下鋼板13と複数のダイヤフラム15との両方の相対向する一対の内面11a、13a、15aに対してずれ止め41が接合されている例について説明したが、ずれ止め41は、上鋼板11及び下鋼板13と複数のダイヤフラム15とのうち少なくとも一方の相対向する一対の内面11a、13a、15aに対して接合されていればよい。このため、ずれ止め41は、図4に示すように、上鋼板11及び下鋼板13の相対向する一対の内面11a、13aのみに接合されていてもよいし、図5に示すように、複数のダイヤフラム15の相対向する一対の内面15aにのみ接合されていてもよい。
因みに、図4、図5においては、サンドイッチ構造体1にせん断力Vが作用したときに、上鋼板11等がなす箱形断面の対角線方向C両側の隅角部21においてコンクリート19が拘束されることにより作用する圧縮力と、ずれ止め41によってコンクリート19が拘束されることにより作用する圧縮力との合力として圧縮力Fcを図示している。
また、図1〜図5の実施形態においては、上鋼板11及び下鋼板13と複数のダイヤフラム15とのうち少なくとも一方の相対向する一対の内面11a、13a、15aにずれ止め41が接合されている例について説明したが、ずれ止め41の接合される箇所は、これらの相対向する一対の内面11a、13a、15aに限定するものではない。このため、図示はしないが、ずれ止め41は、上鋼板11等がなす箱形断面の対角線方向C両側の隅角部21から一部に亘る範囲にのみ接合されていれば、例えば、対角線方向Cの片側の上鋼板11の内面11aと、その対角線方向Cの他方側のダイヤフラム15の内面15aに接合されていてもよい。
また、上述の第1実施形態においては、上鋼板11、下鋼板13及び複数のダイヤフラム15がなす箱形断面の一つの対角線L1の両側にのみずれ止め41が接合されている例について説明したが、ずれ止め41は、図6に示すように、その箱形断面の二つの対角線L1、L2の対角線方向Cの両側に接合されていてもよい。この場合、地震時のように、サンドイッチ構造体1に作用するせん断力Vの向きが一定でないときでもコンクリート19の圧縮耐力の向上を図ることが可能となる点で有効となる。
次に、ずれ止め41の接合される好ましい範囲について説明する。
本発明者は、図7、図8、図9のそれぞれに係るサンドイッチ構造体1について、ずれ止め41の接合される範囲が、サンドイッチ構造体1のせん断耐力に対してどのような影響を及ぼすのか構造解析により調査した。
この構造解析は、FEM解析により行なうこととし、具体的には、図7〜図9に示す位置にずれ止め41を接合した場合に、そのずれ止め41が接合される範囲s、hを変動させたときのせん断耐力Vuを求める解析を行なった。図9に示す位置にずれ止め41を接合する場合、ずれ止め41が接合される範囲s、hについては、s/Sとh/Hとが同じ数値となるような条件の下で範囲s、hを変動させた。
解析結果を評価するうえでは、図11に示すようなずれ止め41を接合しない場合のせん断耐力Vuoも併せて求めておき、解析により求めたせん断耐力Vuをせん断耐力Vuoで除算したVu/Vuoの数値により評価することとした。
このとき、上鋼板11、111、下鋼板13、113の板厚を5mm、ダイヤフラム15、115の板厚を6mm、上鋼板11、111と下鋼板13、113との間の間隔Hを150mm、複数のダイヤフラム15、115間の間隔Sを300mm、上鋼板11、111、下鋼板13、113及びダイヤフラム15、115の材質をSM490、コンクリート19、119の強度を22.4N/mm2と設定して解析を行なった。
この結果、図7に示すように、上鋼板11及び下鋼板13の相対向する一対の内面11a、13aに対してのみずれ止め41が接合される構造の場合、このずれ止め41が接合される範囲sは、隅角部21から0.33×S以上0.45×S以下の範囲であると、その範囲の増大に対するせん断耐力の向上する勾配が最大となる。このことに基づき、本発明においては、この構造の場合のずれ止め41が接合される範囲sとして、隅角部21から0.1×S以上0.45×S以下の範囲を好ましい条件として設定している。これが隅角部21から0.1×S未満の範囲では、加工精度の低減、加工コストの増大を招くので好ましくない。また、これが隅角部21から0.45×S超の範囲では、その範囲の増大に対するせん断耐力が向上する勾配が小さくなるのみであり、経済性の低下を招くので好ましくない。なお、加工精度の低減、加工コストの増大を抑える観点からは、隅角部21から0.2×S以上の範囲とすることがより好ましい。また、ずれ止め41の接合範囲が広すぎると加工コストの増大を招くうえ、ずれ止め41を溶接により接合するときの入熱量の増大により矯正加工時の負担が増大し、経済性の低下を招くので、これらの改善を図る観点からは、隅角部21から0.4×S以下の範囲とすることがより好ましい。
また、図8に示すように、複数のダイヤフラム15の相対向する一対の内面15aに対してのみずれ止め41が接合される構造の場合、このずれ止め41が接合される範囲hは、0.2×H以上0.4×H以下の範囲のときに、その範囲の増大に対するせん断耐力の向上する勾配が最大となる。このことに基づき、本発明においては、この構造の場合のずれ止め41が接合される範囲hとして、隅角部21から0.1×H以上0.4×H以下の範囲を好ましい条件として設定している。これが隅角部21から0.1×H未満の範囲では、加工精度の低減、加工コストの増大を招くので好ましくない。また、これが隅角部21から0.4×H超の範囲では、その範囲の増大に対するせん断耐力の向上する勾配が小さくなるのみであり、経済性の低下を招くので好ましくない。なお、加工精度の低減、加工コストの増大を抑える観点からは、隅角部21から0.2×H以上の範囲とすることがより好ましい。また、ずれ止め41の接合範囲が広すぎると加工コストの増大を招くうえ、ずれ止め41を溶接により接合するときの入熱量の増大により矯正加工時の負担が増大し、経済性の低下を招くので、これらの改善を図る観点からも、隅角部21から0.4×H以下の範囲とすることが好ましい。
また、図9に示すように、上鋼板11及び下鋼板13と複数のダイヤフラム15との両方の相対向する一対の内面11a、13a、15aに対してずれ止め41が接合される構造の場合、上鋼板11及び下鋼板13にずれ止め41が接合される範囲sは、隅角部21から0.33×S以上0.45以下の範囲であるときに、その範囲の増大に対するせん断耐力の向上する勾配が最大となる。また、複数のダイヤフラム15にずれ止め41が接合される範囲hは、隅角部21から0.33×H以上0.45以下の範囲のときに、その範囲の増大に対するせん断耐力の向上する勾配が最大となる。このことに基づき、本発明においては、この構造の場合の上鋼板11及び下鋼板13にずれ止め41が接合される範囲sとしては、隅角部21から0.1×S以上0.45×S以下の範囲を好ましい条件とし、複数のダイヤフラム15にずれ止め41が接合される範囲hとしては、隅角部21から0.1×H以上0.45以下の範囲を好ましい条件として設定している。これが隅角部21から0.1×S未満又は0.1×H未満の範囲では、加工精度の低減、加工コストの増大を招くので好ましくない。また、これが隅角部21から0.45×S超又は0.45×H超の範囲では、その範囲の増大に対するせん断耐力の向上する勾配が小さくなるのみであり、経済性の低下を招くので好ましくない。なお、加工精度の低減、加工コストの増大を抑える観点からは、隅角部21から0.2×S以上、0.2×H以上の範囲とすることがより好ましい。また、ずれ止め41の接合範囲が広すぎると加工コストの増大を招くうえ、ずれ止め41を溶接により接合するときの入熱量の増大により矯正加工時の負担が増大し、経済性の低下を招くので、これらの改善を図る観点からは、隅角部21から0.4×S以下、0.4×H以下の範囲とすることがより好ましい。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :サンドイッチ構造体
11 :上鋼板
13 :下鋼板
15 :ダイヤフラム
17 :空間
19 :コンクリート
21 :隅角部
41 :ずれ止め
C :対角線方向
Fc :圧縮力
Ft :引張力
L1、L2 :対角線
V :せん断力

Claims (5)

  1. 上鋼板及び下鋼板と、これらの間において前記上鋼板及び前記下鋼板に対して略垂直に配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体において、
    前記上鋼板及び前記下鋼板の相対向する一対の内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されているとともに、
    前記ずれ止めは、前記複数のダイヤフラム間の間隔をSとしたときに、前記上鋼板及び前記下鋼板の相対向する一対の内面に対して、前記隅角部から0.1×S以上0.45×S以下の範囲にのみ接合されていること
    を特徴とするサンドイッチ構造体。
  2. 上鋼板及び下鋼板と、これらの間において前記上鋼板及び前記下鋼板に対して略垂直に配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体において、
    記複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されているとともに、
    前記ずれ止めは、前記上鋼板と前記下鋼板との間の間隔をHとしたときに、前記複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に対して前記隅角部から0.1×H以上0.45×H以下の範囲に接合されていること
    を特徴とするサンドイッチ構造体。
  3. 上鋼板及び下鋼板と、これらの間において前記上鋼板及び前記下鋼板に対して略垂直に配設された複数のダイヤフラムとにより囲まれた空間内にコンクリートが充填されたサンドイッチ構造体において、
    前記上鋼板及び前記下鋼板と前記複数のダイヤフラムとの両方の相対向する一対の内面に対して、それらがなす箱形断面の対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみずれ止めが接合されていること
    を特徴とするサンドイッチ構造体。
  4. 前記ずれ止めは、前記複数のダイヤフラム間の間隔をSとし、前記上鋼板と前記下鋼板との間の間隔をHとしたときに、前記上鋼板及び前記下鋼板の相対向する一対の内面に対して前記隅角部から0.1×S以上0.45×S以下の範囲に接合され、前記複数のダイヤフラムの相対向する一対の内面に対して前記隅角部から0.1×H以上0.45×H以下の範囲に接合されていること
    を特徴とする請求項3記載のサンドイッチ構造体。
  5. 前記ずれ止めは、前記上鋼板、前記下鋼板及び前記複数のダイヤフラムがなす箱形断面の二つの対角線方向両側の隅角部から一部に亘る範囲にのみ接合されていること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のサンドイッチ構造体。
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