JP2012202195A - 桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁 - Google Patents

桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁 Download PDF

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Abstract

【課題】フランジプレートとコンクリート床版との接合をずれ止め性能を低下させずに従来よりも施工性よく行うことができる、桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁を提供する。
【解決手段】フランジプレート12と、フランジプレート12の長手方向に設けられ、フランジプレート12の下面に接合する波形鋼板ウェブプレート14と、フランジプレート12の長手方向に設けられ、ウェブ部16Aがフランジプレート12の上面に接合された外面突起付きT形鋼16と、を有してなる桁構造10であって、外面突起付きT形鋼16のフランジ部16Bには突起16Cが設けられ、かつ、外面突起付きT形鋼16のウェブ部16Aの少なくとも一部は波形鋼板ウェブプレート14の直上に位置するように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁に関し、詳しくは、桁構造の長手方向の水平せん断力に対するコンクリートとのずれ止め性能を備え、かつ、施工性に優れる、桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、該接合部構造を備えたコンクリート床版、桁橋および橋梁に関する。
鋼材とコンクリートの合成構造では、鋼材とコンクリート間に生じる水平せん断力が卓越するため、それに対するずれ止めが重要であり、現状では鋼材とコンクリートのずれ止めとしてスタッドジベルが一般的に用いられている。
図7は、スタッドジベルを用いてコンクリート床版と波形鋼板ウェブの接合を行った従来の接合部構造を示す斜視図である(非特許文献1参照)。
この接合部構造100は、フランジプレート102の下面に波形鋼板ウェブプレート104が溶接により接合されており、フランジプレート102の上面にスタッドジベル106が溶接により接合されている。そして、フランジプレート102の上面にコンクリートが打設されてコンクリート床版(図示せず)が設けられる。このコンクリート床版はスタッドジベル106を介してフランジプレート102と一体化する。
また、図8は、スタッドジベルを用いてコンクリート床版とI桁の接合を行った従来の接合部構造を示す斜視図である。
この接合部構造110は、フランジプレート112の下面に平鋼ウェブプレート114が溶接により接合されており、フランジプレート112の上面にスタッドジベル116が溶接により接合されている。そして、フランジプレート112の上面にコンクリートが打設されてコンクリート床版118が設けられている。このコンクリート床版118はスタッドジベル116を介してフランジプレート112と一体化する。なお、図8では、スタッドジベル116は実際にはコンクリート床版118の内部に含まれているが、図示をわかりやすくするため実線で描いている。
「波形鋼板ウェブ橋に関するQ&A」、平成14年6月、波形鋼板ウェブ合成構造研究会、12頁
しかしながら、フランジプレート102、112とコンクリート床版との接合がスタッドジベル106、116を用いてなされている従来技術では、フランジプレート102、112の上面に多数のスタッドジベル106、116が人力による溶接で1本1本取り付けられており、施工性が悪かった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、フランジプレートとコンクリート床版との接合をずれ止め性能を低下させずに従来よりも施工性よく行うことができる、桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁を提供することを課題とする。
本発明は、以下の桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係る桁構造は、フランジプレートと、前記フランジプレートの長手方向に設けられ、前記フランジプレートの下面に接合するウェブプレートと、前記フランジプレートの長手方向に設けられ、ウェブ部が前記フランジプレートの上面に接合されたT形鋼と、を有してなる桁構造であって、前記T形鋼のフランジ部には突起が設けられ、かつ、前記T形鋼のウェブ部の少なくとも一部は前記ウェブプレートの直上に位置することを特徴とする桁構造である。ここで、「直上に位置する」とは、鉛直方向上方への延長線上に位置することである。
前記突起は、前記T形鋼の長手方向と略直交する線状の突起を含むことが好ましい。
また、前記突起は、前記T形鋼のフランジ部の上面に設けられた外面突起を含むようにしてもよい。
また、前記突起は、前記T形鋼のフランジ部の下面と前記T形鋼のウェブ部の側面とに接合したリブ状の内面突起を含むようにしてもよい。
前記ウェブプレートは、例えば波形鋼板としてもよく、また、平鋼としてもよい。
前記T形鋼は、前記フランジプレートの上面に溶接で取り付けてもよい。
本発明に係る桁構造とコンクリート床版の接合部構造は、前記桁構造の前記フランジプレートの上面に、前記T形鋼のフランジ部の上面よりも所定の高さだけ上方までコンクリートが打設されてなることを特徴とする桁構造とコンクリート床版の接合部構造である。
ここで、「所定の高さだけ上方までコンクリートが打設され」とは、桁構造の長手方向の水平せん断力に対してコンクリート縁端部の破壊の起こらない高さ位置までコンクリートが打設されることを意味する。
本発明に係るコンクリート床版は、前記接合部構造を備えてなることを特徴とするコンクリート床版である。
本発明に係る桁橋は、前記接合部構造を備えてなることを特徴とする桁橋である。
本発明に係る橋梁は、前記桁橋を備えてなることを特徴とする橋梁である。
本発明に係る桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁は、フランジプレートの長手方向に設けられ、ウェブ部が該フランジプレートの上面に接合されたT形鋼を有し、該T形鋼のフランジ部には突起が設けられているので、該T形鋼全体で引き抜き力に抵抗することができ、桁構造の長手方向の水平せん断力に対するコンクリートとのずれ止め性能に優れている。また、前記T形鋼をフランジプレートの上面に接合するだけでよいので、使用する部材の数を従来よりも少なくでき、溶接箇所を減少させることができる。このため、本発明に係る桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁を用いることにより、スタッドジベルを用いた従来技術と比べて、同等以上のずれ止め性能をより施工性良く実現することができる。
さらに、本発明に係る桁構造、桁構造とコンクリート床版の接合部構造、コンクリート床版、桁橋および橋梁は、前記T形鋼のウェブ部の少なくとも一部が前記ウェブプレートの直上に位置するので、該T形鋼は前記ウェブプレートが負担する荷重を分担することができる。また、前記T形鋼のフランジ部は前記フランジプレートが負担する荷重を分担することができる。このため、前記ウェブプレート、前記フランジプレートの荷重負担能力を前記T形鋼が負担する分だけ落とすことができ、コストダウンさせることができる。
本発明の第1実施形態に係る桁構造を示す斜視図 同じく正面図 前記桁構造の外面突起付きT形鋼のフランジ部を側方から見た拡大断面図 本発明の第2実施形態に係る桁構造を示す正面図 前記桁構造に用いられているリブ状内面突起付きT形鋼を拡大して示す斜視図 本発明の第3実施形態に係る桁構造とコンクリート床版の接合部構造を模式的に示す斜視図 スタッドジベルを用いてコンクリート床版と波形鋼板ウェブの接合を行った従来の接合部構造を示す斜視図 スタッドジベルを用いてコンクリート床版とI桁の接合を行った従来の接合部構造を示す斜視図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る桁構造を示す斜視図であり、図2は同じく正面図である。
この桁構造10は、フランジプレート12と、波形鋼板ウェブプレート14と、外面突起付きT形鋼16と、を有してなる。フランジプレート12の上面に、外面突起付きT形鋼16がフランジプレート12の長手方向に設けられ、そのウェブ部16Aがフランジプレート12の上面に溶接されている。図1、図2に示すように、外面突起付きT形鋼16のウェブ部16Aの一部は波形鋼板ウェブプレート14の直上に位置している。
図3は、外面突起付きT形鋼16のフランジ部16Bを側方から見た拡大断面図である。フランジ部16Bの上面には、外面突起付きT形鋼16の長手方向と直交する方向に線状の外面突起16Cが所定の間隔で設けられている。外面突起付きT形鋼16の長手方向鉛直面による外面突起16Cの断面形状は特に限定されず、例えば矩形状でも台形状でも半円形状でもよい。
外面突起付きT形鋼16のフランジ部16B上面に設けられた線状の外面突起16Cは、外面突起付きT形鋼16の長手方向(橋軸方向)と直交する方向に配置されている。このため、フランジプレート12の上面に、外面突起付きT形鋼16のフランジ部16Bの上面よりも所定の高さだけ上方まで(桁構造の長手方向の水平せん断力に対してコンクリート縁端部の破壊の起こらない高さ位置まで)コンクリートが打設された場合、フランジ部16B上面に設けられた線状の外面突起16Cは、打設されたコンクリートとの付着・支圧・摩擦により橋軸方向の水平せん断力に対する強力な抵抗となり、外面突起付きT形鋼16全体で引き抜き力に抵抗することができ、外面突起付きT形鋼16は橋軸方向の水平せん断力に対してスタッドジベル106、116(図7、図8参照)と同等以上のずれ止め性能を発揮する。また、外面突起付きT形鋼16は、上揚力に対してもフランジ部16Bの下面とコンクリートとの支圧で抵抗することができ、この点でもずれ止め性能を発揮する。
このため、本実施形態に係る桁構造10を用いることにより、桁構造とコンクリート床版との接合部にずれ止め防止用のスタッドジベルを設けなくても十分なずれ止め性能を発揮することができるので、使用する部材の数を従来よりも少なくでき、溶接箇所を減少させることができる。このため、本実施形態に係る桁構造10を用いることにより、スタッドジベルを用いた従来技術と比べて、同等以上のずれ止め性能をより施工性良く実現することができる。
また、本実施形態では、外面突起付きT形鋼16が、フランジプレート12の上面にフランジプレート12の長手方向に設けられ、そのウェブ部16Aがフランジプレート12の上面に取り付けられ、さらに、外面突起付きT形鋼16のウェブ部16Aの一部は波形鋼板ウェブプレート14の直上に位置しており、この部分は波形鋼板ウェブプレート14が負担する荷重を分担することができるので、外面突起付きT形鋼16は波形鋼板ウェブプレート14が負担する荷重を分担することができる。このため、本実施形態では、外面突起付きT形鋼16が負担する荷重の分だけ波形鋼板ウェブプレート14の荷重負担能力を落とすことができ、コストダウンさせることができる。
さらに、外面突起付きT形鋼16はフランジ部16Bを有しているので、外面突起付きT形鋼16はフランジプレート12が負担する曲げモーメントも分担することができる。このため、本実施形態では、外面突起付きT形鋼16が負担する荷重の分だけフランジプレート12の荷重負担能力を落とすことができ、コストダウンさせることができる。
即ち、本実施形態に係る桁構造10を用いることにより、(スタッドジベル106、116を用いた)従来技術と比べて同等以上のずれ止め性能を桁構造全体としてより安価に実現することができる。
図4は本発明の第2実施形態に係る桁構造20を示す正面図であり、図5は桁構造20に用いられているリブ状内面突起付きT形鋼26を拡大して示す斜視図である。
第2実施形態に係る桁構造20は、フランジプレート22と、平鋼ウェブプレート24と、リブ状内面突起付きT形鋼26と、を有してなる。フランジプレート22の上面に、リブ状内面突起付きT形鋼26がフランジプレート22の長手方向に設けられ、そのウェブ部26Aがフランジプレート22の上面に溶接されている。図4に示すように、リブ状内面突起付きT形鋼26のウェブ部26Aの全部が平鋼ウェブプレート24の直上に位置している。
第1実施形態の外面突起付きT形鋼16では、フランジ部16Bの上面に外面突起16Cが設けられていたが、第2実施形態のリブ状内面突起付きT形鋼26では、第1実施形態における外面突起16Cに替えて、ウェブ部26Aの側面とフランジ部26Bの下面とに接合した三角形状のリブ状内面突起26Cが所定の間隔で設けられている。
第2実施形態では、リブ状内面突起26Cがコンクリートとの付着・支圧・摩擦により橋軸方向の水平せん断力に対する抵抗となり、ずれ止め性能を発揮する。
なお、第2実施形態に係る桁構造20では、第1実施形態における外面突起16Cに替えて、三角形状のリブ状内面突起26Cを設けたが、外面突起16Cとリブ状内面突起26Cを併用してもよい。
図6は、本発明の第3実施形態に係る桁構造30とコンクリート床版40の接合部構造42を模式的に示す斜視図である。第3実施形態で用いる外面突起付きT形鋼は第1実施形態で用いたものと同一であり、第3実施形態で用いる外面突起付きT形鋼の符号およびその各部分の符号は第1実施形態で用いた符号と同一の符号を付して以下説明する。
第3実施形態に係る桁構造30は、フランジプレート32と、平鋼ウェブプレート34と、外面突起付きT形鋼16と、を有してなる。フランジプレート32の上面に、外面突起付きT形鋼16がフランジプレート32の長手方向に設けられ、そのウェブ部16Aがフランジプレート32の上面に溶接されている。図6に示すように、外面突起付きT形鋼16のウェブ部16Aの全部が平鋼ウェブプレート34の直上に位置している。なお、図6では、外面突起付きT形鋼16は実際にはコンクリート床版40の内部に含まれているが、図示をわかりやすくするため実線で描いている。
接合部構造42は、外面突起付きT形鋼16のフランジ部16Bの上面から所定の高さだけ上方まで(桁構造の長手方向の水平せん断力に対してコンクリート縁端部の破壊の起こらない高さ位置まで)、フランジプレート32の上面にコンクリートを打設してコンクリート床版40を形成してなる構造である。
外面突起付きT形鋼16のフランジ部16B上面に設けられた線状の外面突起16Cは、外面突起付きT形鋼16の長手方向(橋軸方向)と直交する方向に配置されている。このため、フランジ部16B上面に設けられた線状の外面突起16Cは、コンクリート床版40との付着・支圧・摩擦により橋軸方向の水平せん断力に対する強力な抵抗となり、外面突起付きT形鋼16は橋軸方向の水平せん断力に対してスタッドジベル106、116(図7、図8参照)と同等以上のずれ止め性能を発揮する。また、外面突起付きT形鋼16は、上揚力に対してもフランジ部16Bの下面とコンクリートとの支圧で抵抗することができ、この点でもずれ止め性能を発揮する。
なお、第3実施形態では外面突起付きT形鋼16を用いたが、外面突起付きT形鋼16に替えてリブ状内面突起付きT形鋼26を用いることもできる。
また、図6において、桁構造30とコンクリート床版40の接合部のみに着目せず、図6に示す構造を上部工全体と捉えれば、図6は、桁構造30とコンクリート床版40とからなる桁橋50を示していることとなる。この桁橋50を用いて、下部工も含めた橋梁を構成することができる。
以上説明した実施形態では、外面突起付きT形鋼16およびリブ状内面突起付きT形鋼26は、フランジプレート12、22、32の上面に溶接により取り付けられているが、いずれも工場溶接、現場溶接のどちらでもよく、また、工場溶接、現場溶接を併用してもよい。また、取り付け方法は溶接に限定されず、例えばアングル鋼材等の接合部材を介してボルトで接合してもよい。
10、20、30…桁構造
12、22、32…フランジプレート
14…波形鋼板ウェブプレート
16…外面突起付きT形鋼
16A、26A…ウェブ部
16B、26B…フランジ部
16C…外面突起
24、34…平鋼ウェブプレート
26…リブ状内面突起付きT形鋼
26C…リブ状内面突起
40…コンクリート床版
42…接合部構造
50…桁橋

Claims (11)

  1. フランジプレートと、
    前記フランジプレートの長手方向に設けられ、前記フランジプレートの下面に接合するウェブプレートと、
    前記フランジプレートの長手方向に設けられ、ウェブ部が前記フランジプレートの上面に接合されたT形鋼と、
    を有してなる桁構造であって、
    前記T形鋼のフランジ部には突起が設けられ、かつ、前記T形鋼のウェブ部の少なくとも一部は前記ウェブプレートの直上に位置することを特徴とする桁構造。
  2. 前記突起は、前記T形鋼の長手方向と略直交する線状の突起を含むことを特徴とする請求項1に記載の桁構造。
  3. 前記突起は、前記T形鋼のフランジ部の上面に設けられた外面突起を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の桁構造。
  4. 前記突起は、前記T形鋼のフランジ部の下面と前記T形鋼のウェブ部の側面とに接合したリブ状の内面突起を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の桁構造。
  5. 前記ウェブプレートは、波形鋼板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の桁構造。
  6. 前記ウェブプレートは、平鋼であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の桁構造。
  7. 前記T形鋼は、前記フランジプレートの上面に溶接で取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の桁構造。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の桁構造の前記フランジプレートの上面に、前記T形鋼のフランジ部の上面よりも所定の高さだけ上方までコンクリートが打設されてなることを特徴とする桁構造とコンクリート床版の接合部構造。
  9. 請求項8に記載の接合部構造を備えてなることを特徴とするコンクリート床版。
  10. 請求項9に記載の接合部構造を備えてなることを特徴とする桁橋。
  11. 請求項10に記載の桁橋を備えてなることを特徴とする橋梁。
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