JP5869814B2 - 梁と柱との接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管柱に対して、異なる高さの梁を接合するための梁と柱との接合構造に関するものである。
従来、鋼管柱を用いた構造物において、H形鋼からなる梁を接合する場合がある。柱と梁とを接合する場合には、接合部において、梁からの応力を柱に効率良く伝達させるために、梁のフランジ部の高さに応じた通しダイアフラムが設けられる。通しダイアフラムは、柱と柱の間に溶接等で接合される板状部材である。通常、梁のフランジ部は、通しダイアフラムの側面で突きあわされて溶接される。
しかし、柱に接合される梁のサイズ(高さ)が全ての方向で同じではない場合がある。例えば、一方向の梁のみ、高さが低い梁を接合する場合がある。このような場合には、当該梁の上下のフランジ部の内、少なくとも一方は他の梁が接合される通しダイアフラムと接合することができない。
したがって、このような高さの異なる梁を接合するためには柱内部に内ダイアフラムを接合する等の必要がある。
また、このような高さの異なる梁を接合するための柱梁接合構造として、角形断面管と、該角形断面管の並行する2辺を支持する十字プレートと、該角形断面管の角部を挟む2辺を支持する斜めプレートとが鋳造により一体的に成形され、且つ外周面の少なくとも梁が取り付けられる範囲が平坦に形成された柱梁接合金物の端部が角形断面管からなる柱に溶接接合され、H形鋼からなる梁が前記柱梁接合金物の外周面にノンスカラップ溶接により接合される柱梁接合構造がある(特許文献1)。
特開2001−329613号公報
しかし、柱内部に内ダイアフラムを設ける作業は、溶接量が多く、作業性が悪いという問題がある。また、特許文献1に記載の構造では、柱梁接合部を一体成型する必要があり、金物の質量が大きくなるとともに高価なものとなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、異なる高さの梁を柱に接合する場合において、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、また、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な梁と柱との接合構造を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、梁と柱との接合構造であって、柱に形成される一対のダイアフラムと、上下の前記ダイアフラムにそれぞれのフランジ部が接合される第1の梁と、前記第1の梁と高さが異なり、前記第1の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第2の梁と、梁接合部材と、を具備し、前記第2の梁の一方のフランジ部は一方の前記ダイアフラムと接合され、前記梁接合部材は、他方の前記ダイアフラムとの干渉を避けるための幅方向に切欠き部を有する柱接合面と、前記第2の梁の一方のフランジ部と接触する梁設置面とを有し、前記梁接合部材が、他方の前記ダイアフラムをまたいで、上下の前記柱の外周面に接合され、前記梁接合部材を介して、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の応力伝達が行われることを特徴とする梁と柱との接合構造である。
前記切欠き部において干渉を防止した他方の前記ダイアフラムの延長部と前記梁接合部材との交差部における前記梁接合部材の厚みが前記柱の厚みより大きくなるように設定されてもよい。
前記柱接合面側に凹部が設けられ、前記凹部の深さは前記梁接合部材の全厚さの半分以上の深さであってもよい。
前記梁接合部材の厚さは前記切欠き部で最も厚く、両端に向かって厚みが徐々に薄くなってもよい。
第2の発明は、梁と柱との接合構造であって、柱に形成される一対のダイアフラムと、上下の前記ダイアフラムにそれぞれのフランジ部が接合される第1の梁と、前記第1の梁と高さが異なり、前記第1の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第2の梁と、を具備し、前記第2の梁の一方のフランジ部は一方の前記ダイアフラムと接合され、少なくとも前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の前記柱の外面側に梁接合部材が接合され、前記梁接合部材を介して、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の応力伝達が行われることを特徴とする梁と柱との接合構造であって、前記梁接合部材は、少なくとも一対の側板と、前記側板を連結するように形成される底板とを有し、前記側板および前記底板は前記柱の外面と接合されることを特徴とする梁と柱との接合構造である。
第1の発明及び第2の発明によれば、梁と柱との接合部が、柱の外部に設けられる梁接合部材によって行われるため、柱の外部のみで作業を行うことが可能である。したがって、柱への梁の接合作業性に優れる。
本発明によれば、異なる高さの梁を柱に接合する場合において、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、また、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な梁と柱との接合構造を提供することができる。
柱と梁の接合構造1を示す斜視図。 柱と梁の接合構造1を示す立面図であり、図1のA−A線断面図。 柱と梁の接合構造1を示す立面図であり、図1のB−B線断面図。 他の実施の形態の柱と梁の接合構造1aを示す立面図。 他の実施の形態の柱と梁の接合構造1bを示す立面図。 柱と梁の接合構造10を示す斜視図。 柱と梁の接合構造10を示す立面図であり、図6のC−C線断面図。 柱と梁の接合構造10を示す立面図であり、図6のD−D線断面図。 他の実施の形態の柱と梁の接合構造10aを示す立面図。 他の実施の形態の柱と梁の接合構造10bを示す立面図。 梁接合部材21を示す斜視図であり、(a)は上面斜視図、(b)は底面斜視図。 柱と梁の接合構造20を示す立面図。 (a)は柱と梁の接合構造20を示す立面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図。 梁接合部材21aを示す斜視図であり、(a)は上面斜視図、(b)は底面斜視図。 柱と梁の接合構造20aを示す立面図。 (a)は柱と梁の接合構造20aを示す立面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図。
以下、本発明の実施の形態にかかる柱と梁の接合構造1について説明する。図1は、柱と梁の接合構造1を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図である。柱と梁の接合構造1は、柱5に複数の梁7a、7bが接合された構造である。
柱5は中空の角形鋼管であり、梁7a、7bはH形鋼である。梁7aと梁7bとは、梁の高さが異なる。なお、図1の例では、梁7aが柱5の三方向に形成され、梁7bが一方向に形成される例を示すが、本発明ではこれに限られず、梁7bを複数方向に設けてもよい。
柱5には、一対のダイアフラム3a、3bが接合される。なお、ダイアフラム3a、3bは、柱5の外方に突出する通しダイアフラムである。ダイアフラム3a、3bは、柱5に所定の間隔をあけて上下に設けられる。
梁7aの上下のフランジ部の端部は、それぞれダイアフラム3a、3bと溶接によって接合される。すなわち、ダイアフラム3a、3bの設置間隔は梁7aのフランジ部間隔と一致する。したがって、梁7aからの応力を柱に確実に伝達することができる。
梁7bの上方のフランジ部8aの端部は、上方のダイアフラム3aと溶接によって接合される。梁7bは梁7aよりも高さが低いため、梁7bの下方のフランジ部8bとダイアフラム3bとの間には隙間が生じる。
本発明では、ダイアフラム3bと梁7bのフランジ部8bとの間に梁接合部材9が接合される。すなわち、梁接合部材9を介して梁7bのフランジ部8bとダイアフラム3bとが接合される。したがって、梁7bからの応力を柱に確実に伝達することができる。
図2に示すように、梁接合部材9は、上面が梁7bのフランジ部8bの下面と接触するように柱5に接合される。すなわち、梁接合部材9は、通しダイアフラムであるダイアフラム3bの突出部上面と梁7b下面との間を埋めるように固定される。
なお、梁接合部材9のダイアフラム3bとの接合部に対応する部位は、あらかじめ切欠き部12が形成される。このため、梁接合部材9とダイアフラム3bとが干渉することがない。ここで、切欠き部12の位置は問わないが、梁接合部材9の下端が、ダイアフラム3bよりも下方に位置し、梁接合部材9がダイアフラム3bをまたいで柱5の外周面と接合されることが望ましい。
また、図3に示すように、梁接合部材9は、一対の側板13aとこれら側板を接続する底板13b(図3では側板13aの上部同士が底板13bで接合される)とから構成される。すなわち、梁接合部材9は略コの字状部材である。すなわち、梁接合部材9としては、通常の溝形鋼(チャンネル)や山形鋼(アングル)を用いることができる。
なお、梁7b下面と梁接合部材9上面との接触面は、必ずしも溶接する必要はない。また、梁7b下面と梁接合部材9上面との間に隙間を形成してもよい。このようにしても、梁7bからの応力は柱5に伝わり、柱の面外変形を抑制し、応力をダイアフラムへ伝えることができる。
また、図2において、梁7bの上方のフランジ部8aとダイアフラム3aの接触部とを溶接し、梁7bのウェブ部およびフランジ部8bの端部と柱5の外周面との接触部とを溶接し、梁接合部材9と柱5およびダイアフラム3bとの接触部を溶接してもよいが、梁接合部材9は、柱5の外周面と溶接されれば良く、梁接合部材9とダイアフラム3bとは、必ずしも溶接する必要はない。この場合には、切欠き12を大きくし、梁接合部材9とダイアフラム3bとの間には隙間が形成されてもよい。
このように、ダイアフラム3bと梁7bとの間に梁接合部材9を設けることで、梁7bからの下方に向かう応力や、ダイアフラム3aとの接合部を起点としたモーメント等を確実に柱5に伝達することができる。
なお、本実施の形態では、梁7bが梁7aよりも高さが低い例を示したが、梁7bが梁7aよりも高い場合でも本発明は適用可能である。この場合には、梁7bのウェブを所定範囲切欠いて、梁接合部材9を柱5に接合すればよい。この場合には、例えば図3の例では、梁接合部材9の接合の向きを上下反転し、梁接合部材9の底板を梁7bのフランジ部8bの上面に接合すればよい。
また、梁接合部材9は、梁7bの下部に設置する必要はなく、上部に設けてもよい。この場合には、図2、図3の上下が反転した状態で、梁7bと梁接合部材9とを接合すればよい。この場合には、梁接合部材9の底板と梁7bとの接触面とは溶接等で接合する必要がある。
次に、柱と梁との接合構造1の変形例を示す。なお、以下の説明において、柱と梁との接合構造1と同様の機能を奏する構成については図1〜図3と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4は、梁接合部材9に代えて梁接合部材9aを用いた柱と梁の接合構造1aを示す図(図3に対応する)である。梁接合部材9aは、梁接合部材9と略同様であるが、一対の側板13aと、これら側板13aを接続する一対の底板13bとから構成される。すなわち、梁接合部材9aは略ロの字状部材である。すなわち、梁接合部材9aは通常の角形鋼管を用いることができる。なお、ダイアフラム3bとの干渉を避けるための切欠き部12や溶接部等は、梁接合部材9と同様である。
また、図5に示すように、梁接合部材9に代えて梁接合部材9bを用いた柱と梁の接合構造1bとしてもよい。梁接合部材9bは、梁接合部材9と略同様であるが、一体のブロックから構成される。すなわち、梁接合部材9のコの字部を鋼材で埋めた形状である。すなわち、梁接合部材9bは通常の角形鋼材を用いることができる。なお、ダイアフラム3bとの干渉を避けるための切欠き部12や溶接部等は、梁接合部材9と同様である。
以上説明したように、本発明によれば、高さの異なる梁7bを柱5に接合する場合において、柱5の内部に内ダイアフラムを設けることを必要とせず、また、特殊な接合金物を柱の一部に接合する必要がない。このため、梁と柱との接合作業性に優れる。
また、梁接合部材9、9a、9bは、一般の鋼材を用いることができるため、安価である。また、通しダイアフラムの突出部上面(または下面)と梁7b下面(または上面)との鉛直方向の空間を梁接合部材で確実に埋めて、柱5と梁7bとが接合されるため、梁7bからの鉛直方向の力やモーメントを確実に梁接合部材が受けることができる。したがって、簡易な構造で確実に梁7bからの応力を柱5に伝達することができる。なお、梁接合部材と梁7bとの間に隙間を形成することで、梁7bからの応力を梁接合部材が直接受けることがなく、梁接合部材を小型化することができる。すなわち、梁接合部材は、梁7bからの応力を受ける柱の面外変形を抑制するように、柱の外周面に接合されればよい。
次に、他の実施の形態について説明する。図6は、柱と梁の接合構造10を示す斜視図であり、図7は、図6のC−C線断面図、図8は図6のD−D線断面図である。なお、以下の説明において、柱と梁の接合構造1(梁接合部材9等)と同様の機能を奏する構成については、図1〜図3等と同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
柱と梁の接合構造10では、梁接合部材11が用いられる。図7に示すように、梁接合部材11の下部はダイアフラム3bと溶接され、柱5と接触する梁接合部材11の端面が柱5に対して溶接される。なお、梁接合部材11の下部には切欠き部12が形成される。このため、梁接合部材11とダイアフラム3bとが干渉することがない。また、梁接合部材11は、ダイアフラム3b上面と梁7b下面との間に形成されるのみではなく、梁接合部材11の上部が梁7bのフランジ部8bを超えてフランジ部8bの上方まで設けられる。ここで、梁接合部材11とダイアフラム3bとは必ずしも接合される必要はなく、梁接合部材11は少なくとも柱5の外周面に接合されれば良い。
また、図8に示すように、柱と梁の接合構造10では、板状の梁接合部材11は一対用いられ、梁接合部材11でフランジ部8bを挟み込むように設けられる。すなわち、梁接合部材11は、略平行に設けられ、略鉛直方向に配置される。梁接合部材11と梁7bとの接触部は溶接によって接合される。ここで、梁接合部材11と梁7bとは必ずしも接触(接合)される必要はなく、梁接合部材11と梁7bとの間に隙間が形成されてもよい。
なお、柱と梁の接合構造10は、梁7bが梁7aよりも高い場合にも適用可能である。この場合には、図8において梁接合部材11を上限反転させて設ければよい。
また、梁接合部材11は、梁7bの下部に設置する必要はなく、上部に設けてもよい。この場合には、図7、図8の上下が反転した状態で、梁7bと梁接合部材11とを接合すればよい。梁接合部材11を用いることで、異なる高さの梁7bに対しても、同一の梁接合部材で対応することができる。
図9は、梁接合部材11に代えて梁接合部材11aを用いた柱と梁の接合構造10aを示す図(図7に対応)である。梁接合部材11aは、梁接合部材11と略同様であるが、切欠き部12よりも下方側に延長される。したがって、梁接合部材11aを柱5に接合すると、梁接合部材11aは、切欠き部12でダイアフラム3bをまたぐように柱5に接合される。すなわち、梁接合部材11aは、ダイアフラム3bの上下の柱5外周面と接合される。
このようにすることで、梁接合部材11aによって、梁7bからの応力を、より確実に柱5に伝達することができる。
また、図10に示すように、梁接合部材11に代えて梁接合部材11bを用いた柱と梁の接合構造10bとしてもよい。梁接合部材11bは、梁接合部材9と略同様であるが、上端がダイアフラム3aまで延長される。したがって、梁接合部材11bを柱5に接合すると、梁接合部材11bは、上下のダイアフラム3a、3bにまたがるように接合される。
このようにすることで、梁接合部材11bによって、梁7bからの応力を、さらに確実に柱5に伝達することができる。
以上、本実施の形態によれば、前述した、柱と梁の接合構造1等と同様の効果を得ることができる。また、異なる高さの梁7bに対しても、同一の梁接合部材で対応することができる。また、前述したように、上下反転させた場合でも容易に対応が可能である。
また、ダイアフラム3bからフランジ部8bまでの高さの精度が出なくても、切欠き部12から梁7bとの接合部高さには自由度があるため、高い精度は不要である。
次に、他の実施の形態について説明する。図11は、梁接合部材21を示す斜視図であり、図11(a)は上面斜視図、図11(b)は底面斜視図である。梁接合部材21は、底面側が柱接合面24となり、一方の側面が梁設置面26となる。すなわち、柱接合面24と梁設置面26とは略垂直に形成される。
柱接合面24は、柱の表面と接合される部位である。柱接合面24には、幅方向に渡って切欠き部12が形成される。切欠き部12は、ダイアフラムとの干渉を避けるものである。
梁接合部材21の両側面の柱接合面24との縁部近傍には、けがき線23が設けられる。けがき線23は、梁接合部材21と柱5との溶接範囲を特定するためのものである。溶接代が小さすぎると、溶接強度を確保することができず、また、溶接代が大きすぎると、梁接合部材等の歪が大きくなるとともに、過剰なコストを要するためである。したがって、適切な溶接代を示すための溶接範囲特定部が形成される。
なお、梁接合部材21の外形は、図示した例に限られず、梁接合部材21の外形や切欠き部12の位置等は適宜設定される。
図12、図13(a)は、柱と梁の接合構造20を示す図である。図12、図13(a)に示すように、梁接合部材21は、上面(梁設置面26)が梁7bのフランジ部8bの下面と接触するように柱5に接合される。すなわち、梁接合部材21は、通しダイアフラムであるダイアフラム3bの突出部上面と梁7b下面との間を埋めるように固定される。
前述の通り、梁接合部材21のダイアフラム3bとの接合部に対応する部位は、切欠き部12が形成される。このため、梁接合部材21とダイアフラム3bとが干渉することがない。梁接合部材21の下端は、ダイアフラム3bよりも下方に位置する。すなわち、梁接合部材21は、ダイアフラム3bをまたいで柱5の外周面と接合される。
また、図12において、梁7bの上方のフランジ部8aとダイアフラム3aの接触部とを溶接し、梁7bのウェブ部およびフランジ部8bの端部と柱5の外周面との接触部とを溶接し、梁接合部材21と柱5およびダイアフラム3bとの接触部を溶接してもよいが、梁接合部材21は、柱5の外周面と溶接されれば良く、梁接合部材21とダイアフラム3bとは、必ずしも溶接する必要はない。この場合には、切欠き部12を大きくし、梁接合部材21とダイアフラム3bとの間には隙間が形成されてもよい。
なお、梁接合部材21が接合されるダイアフラム3bの延長部(梁接合部材21を鉛直方向の柱に接合した際に、これと直交する方向の延長部)と梁接合部材21との交差部における梁接合部材21の厚みをTとすると、Tは、柱5の厚みtよりも大きくなるように設定される。このように、ダイアフラム3bと梁7bとの間に梁接合部材21を設けることで、梁7bからの下方に向かう応力や、ダイアフラム3aとの接合部を起点としたモーメント等を確実に柱5に伝達することができる。
図13(b)は、図13(a)のE−E線断面図である。前述の通り、梁接合部材21は、柱5と溶接部22で溶接される。この際、梁接合部材21の側面のけがき線23が溶接範囲特定部として機能する。すなわち、けがき線23の部位が溶接代となる。したがって、適切な溶接代で梁接合部材21と柱5とを溶接することができる。なお、梁7bのフランジ部8bの下面と梁設置面26との接触面は、必ずしも溶接する必要はない。
以上、梁接合部材21によれば、前述した、柱と梁の接合構造1等と同様の効果を得ることができる。また、溶接範囲がけがき線で特定されるため、適切な溶接代で溶接を行うことができる。
次に、さらに他の実施の形態について説明する。図14は、梁接合部材21aを示す斜視図であり、図14(a)は上面斜視図、図14(b)は底面斜視図である。梁接合部材21aは、梁接合部材21と略同様であるが、テーパ部25および凹部27が形成される点で異なる。
柱接合面24には、凹部27が形成される。凹部27の深さは、梁接合部材21aの本体厚みの半分以上の深さであることが望ましい。
また、柱接合面24には、幅方向に渡って切欠き部12が形成される。また、切欠き部12の近傍において、凹部27には、必要に応じて幅方向にリブ29が設けられる。リブ29の端面は、柱接合面24と同一面となってもよく、または、リブ29の高さが、凹部27の深さよりも低くてもよい。リブ29は、梁接合部材の変形を防止して梁接合部材を補強するものである。
梁接合部材21aの両側面の柱接合面との縁部には、テーパ部25が設けられる。テーパ部25は、梁接合部材21aと柱5との溶接代を示すものである。すなわち、テーパ部25は、適切な溶接代を示すための溶接範囲特定部となる。
梁接合部材21aは、切欠き部12において、最も厚みが厚く、両端に向かって厚みが徐々に薄くなるように形成される。なお、梁接合部材21aの形状は、図示した例に限られず、凹部27の形状や梁接合部材21aの外形などは、前述した構成を有する限り、適宜設定される。
図15、図16(a)は、柱と梁の接合構造20aを示す図である。図15に示すように、梁接合部材21aは、上面(梁設置面26)が梁7bのフランジ部8bの下面と接触するように柱5に接合される。すなわち、梁接合部材21aは、通しダイアフラムであるダイアフラム3bの突出部上面と梁7b下面との間を埋めるように固定される。
なお、梁接合部材21aが接合されるダイアフラム3bの延長部(梁接合部材21aを鉛直方向の柱に接合した際に、これと直交する方向の延長部)と梁接合部材21aとの交差部における梁接合部材21aの厚み(当該部位における凹部27の底部における厚み)をTとすると、Tは、柱5の厚みtよりも大きくなるように設定される。すなわち、凹部27の深さは、梁接合部材21aの本体全厚の半分以上の深さであり、かつ、Tがtよりも大きくなるように設定される。
このように、ダイアフラム3bと梁7bとの間に梁接合部材21aを設けることで、梁接合部材21と同様に、梁7bからの下方に向かう応力や、ダイアフラム3aとの接合部を起点としたモーメント等を確実に柱5に伝達することができる。
図16(b)は、図16(a)のC−C線断面図である。梁接合部材21aと柱5とは、前述したテーパ部25において、溶接部22によって接合される。なお、梁7bのフランジ部8bの下面と梁設置面26との接触面は、必ずしも溶接する必要はない。この状態で、梁から柱に力が加わった場合には、梁接合部材21aにも力が付与される。
例えば、図15において、梁7bが柱5cから離れる方向(図中右方向)に力が付与されるとする。この場合、図16(b)に示すように、柱5および梁接合部材21aの厚み方向の中心(図中G)よりも内方側(図中H)には引張方向の力が付与される。また、梁接合部材21aの厚み方向の中心(図中G)よりも外方側(図中I)には、圧縮力が付与される。
この場合には、引張力は柱5が受け持つことができるため、梁接合部材21aの中心Gよりも内方側Hにおいては、過剰な強度は不要である。一方、梁接合部材21aの中心Gよりも外方側Iにおいては、梁接合部材21aのみで圧縮力を受け持つため、高い強度が必要である。
本発明に係る梁接合部材21aは、この高い強度が要求される部位(I)を厚肉とし、強度を要さない部位(H)においては、肉を薄くするために凹部27が形成される。すなわち、柱5に接合された状態で、柱5の接合面から遠い部位の肉厚を厚くすることで、効率的に補強を行うとともに、凹部27によって、軽量化を達成することができる。特に、柱から遠い部位の肉厚を厚くすることで補強した柱の面外方向の耐力を向上させることができる。
以上説明したように、梁接合部材21aによれば、梁接合部材21と同様の効果を得ることができる。特に、溶接範囲がテーパ部25で特定されるため、適切な溶接代で溶接を行うことができる。
また、また、柱接合面側に凹部27が形成されるため、軽量であり、また、特に強度が必要な部位の肉厚が厚いため、効率的に補強を行うことができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した各実施形態の構成は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。例えば、梁接合部材11aと11bとを組み合わせ、梁接合部材を下方のダイアフラム3b下部から、上方のダイアフラム3aまで延長してもよい。
また、溶接範囲特定部として、けがき線やテーパ部を梁接合部材9、9a、9b、11、11a、11bに形成してもよい。また、溶接範囲特定部としては、けがき線やテーパ部のみに限られず、視認可能であれば、面粗度を変化させたり、色を変えたりしてもよい。
1、1a、1b、10、10a、10b、20、20a………柱と梁の接合構造
3a、3b………ダイアフラム
5………柱
7a、7b………梁
8a、8b………フランジ部
9、9a、9b………梁接合部材
11、11a、11b………梁接合部材
12………切欠き部
13a………側板
13b………底板
21、21a………梁接合部材
22………溶接部
23………けがき線
24………柱接合面
25………テーパ部
26………梁設置面
27………凹部
29………リブ

Claims (5)

  1. 梁と柱との接合構造であって、
    柱に形成される一対のダイアフラムと、
    上下の前記ダイアフラムにそれぞれのフランジ部が接合される第1の梁と、
    前記第1の梁と高さが異なり、前記第1の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第2の梁と、
    梁接合部材と
    を具備し、
    前記第2の梁の一方のフランジ部は一方の前記ダイアフラムと接合され、
    前記梁接合部材は、他方の前記ダイアフラムとの干渉を避けるための幅方向に切欠き部を有する柱接合面と、前記第2の梁の一方のフランジ部と接触する梁設置面とを有し、
    前記梁接合部材が、他方の前記ダイアフラムをまたいで、上下の前記柱の外周面に接合され、
    前記梁接合部材を介して、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の応力伝達が行われることを特徴とする梁と柱との接合構造。
  2. 前記切欠き部において干渉を防止した他方の前記ダイアフラムの延長部と前記梁接合部材との交差部における前記梁接合部材の厚みが前記柱の厚みより大きくなるように設定されたことを特徴とする請求項1記載の梁と柱との接合構造。
  3. 前記柱接合面側に凹部が設けられ、前記凹部の深さは前記梁接合部材の全厚さの半分以上の深さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の梁と柱との接合構造。
  4. 前記梁接合部材の厚さは前記切欠き部で最も厚く、両端に向かって厚みが徐々に薄くなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の梁と柱との接合構造。
  5. 梁と柱との接合構造であって、
    柱に形成される一対のダイアフラムと、
    上下の前記ダイアフラムにそれぞれのフランジ部が接合される第1の梁と、
    前記第1の梁と高さが異なり、前記第1の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第2の梁と、
    を具備し、
    前記第2の梁の一方のフランジ部は一方の前記ダイアフラムと接合され、少なくとも前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の前記柱の外面側に梁接合部材が接合され、前記梁接合部材を介して、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の応力伝達が行われ、
    前記梁接合部材は、少なくとも一対の側板と、前記側板を連結するように形成される底板とを有し、
    前記側板および前記底板は前記柱の外面と接合されることを特徴とする梁と柱との接合構造。
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