JP5621241B2 - 酸素吸収性積層フィルムおよび包装容器 - Google Patents
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Description
上記現状に鑑み、臭味がなく、酸素吸収性を有し、加熱調理器として電子レンジで加熱することができ、容器用包装材や蓋材などとして有用な酸素吸収性積層フィルムを提供することを目的とする。
また、このような酸素吸収性積層フィルムに更にガスバリア性などが確保された酸素吸収性積層体、ガスバリア性酸素吸収性積層体を提供することを目的とする。
(a)焼成後、X線回折パターンの少なくとも一つのピークが1.8nmより大きいd間隔を示し、6.7kPa(50トール)および25℃で物質100gあたり15gより大きいベンゼン吸着容量を有する無機質、多孔質、非層状の下記式(1)で示す組成の結晶相物質、
nは酸化物として表わされるMを除いた組成の電荷であり、
qはMの重量モル平均原子価であり、
n/qはMのモル数またはモル分率である。)
または、
(b)直径が少なくとも1.3nmの均一な寸法の細孔の六方構造配列を有し、焼成後、1.8nmより大きいd100値で示され得る六方構造の電子回折パターンを示す無機質、多孔質の上記記式(1)で示す組成の結晶相物質、
または、
(c)酸化物のモル比で下記表の組成を有する反応混合物を結晶化した結晶相物質を焼成処理したものである、上記酸素吸収性積層フィルムを提供するものである。
式:R1R2R3R4Q+(但し、Qは窒素またはリンであり、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは炭素数6〜36のアリール基またはアルキル基であり、R1、R2、R3およびR4の残りのそれぞれは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれる。)を有する有機誘導剤からなる全有機物である。)
また、上記酸素吸収性積層フィルムの前記熱可塑性樹脂層(I)の外側に、基材樹脂層を積層したことを特徴とする、酸素吸収性積層体を提供するものである。
さらに、上記酸素吸収性積層フィルム、上記酸素吸収性積層体、または上記ガスバリア性酸素吸収性積層体を製袋してなる、包装容器を提供するものである。
本発明の酸素吸収性積層フィルムは、共押出フィルムであるためラミネート接着剤による臭気の発生がなく、内容物の保存性に優れる。
また、本発明の第三は、上記酸素吸収性積層体の基材樹脂層の内側または外側に、ガスバリア性フィルムが積層されることを特徴とする、ガスバリア性酸素吸収性積層体である。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酸素吸収性積層フィルムは、図1に示す層構成の共押出フィルムであり、熱可塑性樹脂層(I)(20)、酸素吸収層(10)、熱可塑性樹脂層(II)(20)、臭味バリア層(I)(30)およびヒートシール層(50)とからなる。なお、本発明において、熱可塑性樹脂層(I)と熱可塑性樹脂層(II)とは、同じものであっても異なっていてもよい。
本発明の酸素吸収性積層フィルムを構成する酸素吸収層は、ポリアミド系樹脂と遷移金属触媒とからなる。
遷移金属としては、Co、Cu、Feまたはその混合物から選択される組成物、また、周期律表第VIII族金属成分が好ましいが、他に第I族金属:錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウム等の第V族、クロム等の第VI族、マンガン等の第VII族を好適に使用することができる。なお、上記の遷移金属の低価数の無機酸塩あるいは有機酸塩あるいは錯塩の形で使用する場合、無機酸塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンのオキシ酸塩、ケイ酸塩等がある。また、有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等がある。
(3)臭味バリア層
本発明の酸素吸収性積層フィルムに使用される臭味バリア層は、メソポーラスシリカを0.01〜1質量%含有する樹脂からなり、このメソポーラスシリカは、吸油量が201ml/100g以上かつ595ml/100g以下である。
前記メソポーラスシリカを配合する樹脂としては、広く、熱可塑性樹脂を使用することができる。共押出による製造が容易だからである。このような熱可塑性樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のポリオレフィン系樹脂等を使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂を例示することができる。
本発明で使用するメソポーラスシリカとは、細孔直径が2〜50nmの細孔を有するシリカ多孔体である。一般に、多孔体は、細孔に他の分子を吸着し、クラッキングやハイドロクラッキングを行うことができ、脱臭用吸着剤、触媒、酵素用担体、香料・生理活性物質の担体その他に使用することができるが、特に、細孔直径が2〜50nmであれば、従来のゼオライトに比べて細孔直径が大きく、ゼオライトでは吸着できなかった大分子も吸着することができる。
(a) 焼成後、X線回折パターンの少なくとも一つのピークが1.8nmより大きいd間隔を示し、6.7kPa(50トール)および25℃で物質100gあたり15gより大きいベンゼン吸着容量を有する無機質、多孔質、非層状の下記式(1)で示す組成の結晶相物質、
nは酸化物として表わされるMを除いた組成の電荷であり、
qはMの重量モル平均原子価であり、
n/qはMのモル数またはモル分率である。)
または、
(b) 直径が少なくとも1.3nmの均一な寸法の細孔の六方構造配列を有し、焼成後、1.8nmより大きいd100値で示され得る六方構造の電子回折パターンを示す無機質、多孔質の上記式(1)で示す組成の結晶相物質である。
上記ケルビン式は、細孔構造における吸着を毛管凝縮現象として取り扱い、吸着が起こる圧力を表面張力と吸着質(ここではアルゴン)の接触角とにより細孔直径に関係付けたものである。ケルビン式が基にする原理は、直径が5から100nmの範囲の細孔において有効である。ケルビン式を適切に適用できない細孔壁部の吸着質の表面層の効果を修正して細孔直径を正確に測定するため、細孔寸法の測定に使用されるケルビン式の特別の適用として、ドリモアおよびヒール(D.Dollimore and G.R.Heal)の「ジェイ・アプライド・ケム(J.Applied Chem.)、14巻、108頁、1964年」を適用する。ドリモアとヒールの方法は脱着等温線に適用するために導出されたものであるが、単にデータを逆に入れることにより吸着等温線にも良好に適用することができる。
式:R1R2R3R4Q+(但し、Qは窒素またはリンであり、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは−C6H13、−C10H21、−C16H33および−C18H37等炭素数6〜36のアリール基またはアルキル基であり、R1、R2、R3およびR4の残りのそれぞれは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれる。)を有する有機誘導剤からなる全有機物である。
式:R1R2R3R4Q+(但し、Qは窒素またはリンであり、R1、R2、R3およびR4は水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれる。)を有する付加的有機誘導剤を併用してもよい。このような付加的有機誘導剤としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウムおよびテトラブチルアンモニウム化合物などがある。
nは酸化物として表わされるMを除いた組成の電荷であり、
qはMの重量モル平均原子価であり、
Rは、イオンとしてMに含まれず、物質の合成において助けるために使用される全有機物、rはRの係数、即ち、Rのモル数またはモル分率である。)
MとRの成分は結晶化の際にそれらが存在する結果として物質に取り込まれており、容易に除去することができ、またはMについては、後結晶化法などにより交換することができる。例えば、合成したままの形態の物質の元のM、例えば、ナトリウムまたは塩素のイオンは、イオン交換によって他のイオンに交換する。好ましい交換イオンは、金属イオン、水素イオン、水素前駆体、例えば、アンモニウムイオン、およびこれらの混合物である。特に好ましいイオンは、炭化水素転化反応のために触媒活性を仕立てるものである。これは、元素周期表のIA族(例えば、K)、IIA族(例えば、Ca)、VIIA族(例えば、Mn)、VIIIA族(例えば、Ni)、IB族(例えば、Cu)、IIB族(例えば、Zn)、IIIB族(例えば、In)、IVB族(例えば、Sn)およびVIIB族(例えば、F)の金属、希土類金属、および水素、ならびにこれらの混合物を包含する。
前記結晶化固体は、特にその金属、水素およびアンモニウム形態において、焼成処理して使用する。この焼成処理としては、一般に、400〜750℃の温度で、1分以上で20時間以下、好ましくは1〜10時間である。減圧条件下でもよいが、常圧で、空気、窒素、アンモニアなどが存在してもよい。
この結晶性物質の平均細孔直径は、3.54nmである。
本発明の酸素吸収性積層フィルムにおいて、メソポーラスシリカは、樹脂に0.01〜50質量%配合することが好ましく、本発明では0.01〜1質量%である。0.01質量%を下回ると臭味の除去効果が十分でない場合がある。また、本発明の酸素吸収性積層フィルムは、共押出フィルムであり、ドライラミネート接着剤を使用せずに積層できる点に特徴がある。メソポーラスシリカの含有量が50質量%を超えると、製膜性が低下する場合がある。
(iv)臭味バリア性を有するヒートシール層
本発明の酸素吸収性積層フィルムにおいて、前記臭味バリア層をそのまま臭味バリア性を有するヒートシール層として使用することができる。臭味バリア層を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であり、ヒートシール性を有する。このため、前記臭味バリア層をそのまま臭味バリア性を有するヒートシール層として使用し、ヒートシール層の積層を回避することができる。
(4)接着性樹脂層
接着性樹脂としては、酸素吸収層(10)の両面に積層され、前記熱可塑性樹脂層(I)、熱可塑性樹脂層(II)と酸素吸収層(10)とを接着する樹脂層である。酸素吸収層がポリアミド系樹脂を主体とするものであるから、本発明で使用する接着性樹脂としては、ポリアミドに密着しうるものを好適に使用することができる。具体的にはオレフィン樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマー、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレンーα・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。上記接着性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であり、本発明の酸素吸収性積層体を構成するヒートシール層と同質である。したがって、上記接着剤樹脂によって熱可塑性樹脂層と酸素吸収層とを接着することができる。
(5)ヒートシール層
ヒートシール層としては、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂等を使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂からなる1種以上のフィルムもしくはシートまたは塗布膜などを使用することができる。
ヒートシール層は、上記樹脂の1種からなる単層でも多層でもよく、2層以上の多層であってもよい。
このような着色層を形成する場合には、着色層の厚さは厚さ5〜60μm、好ましくは10〜40μmであることが望ましい。この範囲であれば目的の着色による効果を得る事ができる。
本発明の酸素吸収性積層フィルムでは、上記した酸素吸収層や臭味バリア層を積層するに際して熱可塑性樹脂層が積層される。
なお、本発明の酸素吸収性積層フィルムにおいて、熱可塑性樹脂層が複数積層される場合には、いずれも同一であっても異なってもよい。
(7)基材樹脂層
本発明では、前記酸素吸収性積層フィルムに更に基材樹脂層を積層して、酸素吸収性積層体とすることができる。このような基材樹脂層は、共押出で積層してもよいが、基材樹脂フィルムをラミネート用接着剤を介して積層するものであってもよい。酸素吸収層の内側に臭味バリア層が積層されるため、ラミネート用接着剤による臭気の内容物への移行を効率的に防止しうるからである。
ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミドであっても、芳香族ポリアミドであっても、これらを混合した組成物であってもよい。好ましいポリアミドの具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ‐ε‐アミノへプタン酸(ナイロン7)、ポリ‐ε‐アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2・6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4・6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6・6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8・6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10・6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10・10)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン12・12)、メタキシレンジアミン‐6ナイロン(MXD6)などを挙げることができ、これらを主成分とする共重合体であってもよく、その例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体などを挙げることができる。これらのポリアミドには、フィルムの柔軟性改質成分として、芳香族スルホンアミド類、p‐ヒドロキシ安息香酸、エステル類などの可塑剤や低弾性率のエラストマー成分やラクタム類を配合することも有効である。ポリアミド系樹脂は、密度が比重1.14〜1.22g/m3であることが好ましい。その理由は、押出し特性などの加工適性に優れるからである。
なお、上記基材樹脂層の製膜化に際して、例えば、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、離形性、難燃性、抗カビ性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
本発明では、酸素や水蒸気の透過を阻止しうる各種のガスバリア性フィルムを積層することができる。
本発明では、ガスバリア性フィルムとして、ポリビニルアルコールを好適に使用することができる。ポリビニルアルコールからなるガスバリア性フィルムの厚さに制限はないが、好ましくは15〜25μmである。
本発明では、ガスバリア性フィルムとして、エチレン・ビニルアルコール共重合体も好適に使用することができる。エチレン・ビニルアルコール共重合体からなるガスバリア性フィルムの厚さに制限はないが、好ましくは10〜30μmである。
本発明で使用するガスバリア性フィルムとして、基材フィルムの一方の面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、該蒸着膜上に一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層フィルムを使用することもできる。ガスバリア性塗布膜をポリビニルアルコール系樹脂またはエチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシドとが相互に化学的に反応して強固な三次元網目状複合ポリマー層を形成しており、前記蒸着膜とが相乗的に作用し、酸素、水蒸気などの透過を阻止するガスバリア性に優れ、耐熱水性にも優れる。
ガスバリア性積層フィルムを構成する基材フィルムとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂を使用することができる。特に、ポリエステル系樹脂、またはポリアミド系樹脂を好適に使用することができる。基材フィルムの膜厚としては、6〜100μm、より好ましくは、9〜50μmである。
本発明において、上記の基材フィルムの一方の面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を形成するが、予め基材フィルムに表面処理をおこなってもよい。これによって前記蒸着膜やガスバリア性塗布膜との密着性を向上させることができる。このような表面処理としては、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理などがある。
本発明における蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法、物理気相成長法またはこれらを複合して、有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができる。
本発明では、プラズマ化学気相成長装置221の真空チャンバー222内に配置された巻き出しロール223から基材フィルム201を繰り出し、更に、該基材フィルム201を、補助ロール224を介して所定の速度で冷却・電極ドラム225周面上に搬送する。一方、ガス供給装置226、227および、原料揮発供給装置228等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスその他等を供給して蒸着用混合ガス組成物を調製し、これを原料供給ノズル229を通して真空チャンバー222内に導入する。該蒸着用混合ガス組成物を上記冷却・電極ドラム225周面上に搬送された基材フィルム201の上に供給し、グロー放電プラズマ230によってプラズマを発生させ照射し、蒸着膜を製膜化する。次いで、上記で蒸着膜を形成した基材フィルム201を補助ロール233を介して巻き取りロール234に巻き取れば、プラズマ化学気相成長法による有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を形成することができる。なお、冷却・電極ドラム225は、真空チャンバー222の外に配置されている電源231から所定の電力が印加され、冷却・電極ドラム225の近傍には、マグネット232を配置してプラズマの発生が促進されている。このように冷却・電極ドラムに電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバー内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成される。このグロー放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態で基材フィルムを一定速度で搬送させると、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を形成することができる。なお、図11中、符号235は真空ポンプを表す。
上記の異種の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を設け、次いで、該蒸着膜の上に、物理気相成長法による金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる蒸着膜を構成することが好ましいものである。上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる蒸着膜を構成することもできる。
本発明で使用するガスバリア性塗布膜としては、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合してなるガスバリア性組成物からなる塗布膜であり、該組成物を上記基材フィルム上の蒸着膜の上に塗工して塗布膜を設け、20℃〜180℃、かつ上記の基材フィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して形成することができる。
本発明においてケイ素であることが好ましい。この場合、本発明で好ましく使用できるアルコキシドとしては、上記一般式R1 nM(OR2)mにおいてn=0の場合には、一般式Si(ORa)4(ただし、式中、Raは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で表されるものである。上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。このようなアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシランSi(OCH3)4、テトラエトキシシランSi(OC2H5)4、テトラプロポキシシランSi(OC3H7)4、テトラブトキシシランSi(OC4H9)4等を例示することができる。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合し、ガスバリア性組成物を調製する。混合により、ガスバリア性組成物(塗工液)は、重縮合反応が開始および進行する。
ガスバリア性組成物として配合されたアルコキシシランや金属アルコキシドは、添加された水によって加水分解される。加水分解の際には、酸が加水分解の触媒として作用する。次いで、ゾルゲル法触媒の働きによって、加水分解によって生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
(9)印刷層
本発明では、酸素吸収性積層フィルムを構成するいずれかの層に印刷層を形成してもよく、好ましくはガスバリア性フィルムに印刷層を形成することである。裏印刷によれば印刷層を保護することができる。
(10)ラミネート用接着剤
上記において、基材樹脂層やガスバリア性フィルムを積層するためにラミネート用接着剤を使用することができる。ラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2一エチルへキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンーブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。
本発明の共押出フィルムからなる酸素吸収性積層フィルムは、上記熱可塑性樹脂層、酸素吸収層、臭味バリア層、ヒートシール層、接着性樹脂層を構成する樹脂を調製し、それらを、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形することで、熱可塑性樹脂層、接着性樹脂層、酸素吸収層、接着性樹脂層、熱可塑性樹脂層、臭味バリア層、ヒートシール層の順に積層された7層の共押出製膜化フィルムからなる酸素吸収性積層フィルムを製造することができる。
本発明の包装容器は、上記酸素吸収性積層フィルムや酸素吸収性積層体、ガスバリア性酸素吸収性積層体を製袋して製造することができる。袋体は、上記酸素吸収性積層フィルム、酸素吸収性積層体またはガスバリア性酸素吸収性積層体を使用し、そのヒートシール層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺端部をヒートシールしてシール部を形成して製造することができる。その製袋方法としては、上記のような本発明に係る酸素吸収性積層フィルムを、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールして、本発明に係る包装用容器を製造することができる。その他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。
本発明に係る酸素吸収性積層フィルム、酸素吸収性積層体、ガスバリア性酸素吸収性積層体は、強度等を有して耐久性に優れ、かつ防湿性、ヒートシール性、耐突き刺し性、透明性等にも優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有する。
(実施例1)
まず、下記の(イ)〜(ヘ)の樹脂組成物を、4種7層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に4種7層からなる総厚60μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ハ) 第三層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(二) 第四層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)、
(ヘ) 第六層(臭味バリア層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−1.5」、平均細孔直径1.8nm、比表面積1019.0m2/g、細孔容積0.373cm3/g、嵩比重0.281g/cm3、平均粒子径3.2μm、吸油量201ml/100g)をポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に対して1質量%添加した混練樹脂、
(ト) 第七層(ヒートシール層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)を使用した。
実施例1と同様にして、下記(イ)〜(ホ)の樹脂を、4種7層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に4種7層からなる総厚60μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ハ) 第三層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(二) 第四層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)、
(ヘ) 第六層(臭味バリア層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−4」、平均細孔直径4.2nm、比表面積1159.0m2/g、細孔容積1.020cm3/g、嵩比重0.184g/cm3、平均粒子径11.0μm、吸油量595ml/100g)をポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に対して1質量%添加した混練樹脂、
(ト) 第七層(ヒートシール層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)を使用した。
実施例1と同様にして、下記(イ)〜(ホ)の樹脂を、4種6層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に4種6層からなる総厚55μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ハ) 第三層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(二) 第四層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)、
(ヘ) 第六層(臭味バリア性を有するヒートシール層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−4」、平均細孔直径4.2nm、比表面積1159.0m2/g、細孔容積1.020cm3/g、嵩比重0.184g/cm3、平均粒子径11.0μm、吸油量595ml/100g)をポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に対して1質量%添加した混練樹脂を使用した。
下記(イ)〜(ト)の樹脂を、4種7層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に4種7層からなる総厚75μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(臭味バリア層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−4」、平均細孔直径4.2nm、比表面積1159.0m2/g、細孔容積1.020cm3/g、嵩比重0.184g/cm3、平均粒子径11.0μm、吸油量595ml/100g)をポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に対して1質量%添加した混練樹脂、
(ハ) 第三層(熱可塑性樹脂層)として三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ニ) 第四層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)として三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ヘ) 第六層(臭味バリア層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−4」、平均細孔直径4.2nm、比表面積1159.0m2/g、細孔容積1.020cm3/g、嵩比重0.184g/cm3、平均粒子径11.0μm、吸油量595ml/100g)をポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に対して1質量%添加した混練樹脂、
(ト) 第七層(ヒートシール層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)を使用した。
まず、下記の(イ)〜(ヘ)の樹脂組成物を、5種7層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に5種7層からなる総厚75μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ハ) 第三層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(二) 第四層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディックM545」、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に顔料として酸化チタン60%を含有する乳白マスターバッチ30%を混練した樹脂、
(ヘ) 第六層(臭味バリア層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−1.5」、平均細孔直径1.8nm、比表面積1019.0m2/g、細孔容積0.373cm3/g、嵩比重0.281g/cm3、平均粒子径3.2μm、吸油量201ml/100g)をポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)に対して1質量%添加した混練樹脂、
(ト) 第七層(ヒートシール層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)を使用した。
まず、下記の(イ)〜(ヘ)の樹脂組成物を、4種7層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に4種7層からなる総厚60μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディック AP P555」、
(ハ) 第三層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(二) 第四層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディック AP P555」、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)としてポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名「PF380A」)、
(ヘ) 第六層(臭味バリア層)として、メソポーラスシリカ(太陽化学社製、商品名「TMPS−1.5」、平均細孔直径1.8nm、比表面積1019.0m2/g、細孔容積0.373cm3/g、嵩比重0.281g/cm3、平均粒子径3.2μm、吸油量201ml/100g)をポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名「PF380A」)に対して1質量%添加した混練樹脂、
(ト) 第七層(ヒートシール層)としてポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名「PF380A」)を使用した。
実施例1と同様にして、下記(イ)〜(ト)の樹脂を、3種7層のTダイ共押出製膜機を用い設定温度260℃でそれぞれ共押出して製膜化して、片面にコロナ処理を実施した後に3種7層からなる総厚60μmの酸素吸収性積層フィルムを製造した。
(ロ) 第二層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディック
M545」、
(ハ) 第三層(酸素吸収層)として、ポリメタキシリレンアジパミド100.0質量部に遷移金属触媒としてコバルト2−エチルヘキサノエート0.04質量部を混練した組成物、
(二) 第四層(接着性樹脂層)として、三菱化学株式会社製、商品名「モディック
M545」、
(ホ) 第五層(熱可塑性樹脂層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)、
(ヘ) 第六層(熱可塑性樹脂層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)、
(ト) 第七層(ヒートシール層)としてポリエチレン(プライムポリマー社製、商品名「SP4020」)を使用した。
実施例1〜4で製造したガスバリア性酸素吸収性積層体を130mm×170mmの大きさに2枚切り取り、ヒートシール層を最内層として重ね、充填口を残して他をシール幅10mmで四方をシールして包装袋を製造した。
この包装体を60℃で1週間保存し、臭気の有無を官能評価した。結果を表1に示す。
比較例1で得た比較ガスバリア性酸素吸収性積層体を使用した以外は実施例5と同様に操作して、比較包装体を得た。実施例5と同様にして臭気の有無を官能評価した。結果を表4に示す。
実施例1で製造したガスバリア性酸素吸収性積層体を130mm×170mmの大きさに2枚切り取り、ヒートシール層を最内層として重ね、充填口を残して他をシール幅10mmで四方をシールして包装袋を製造した。
温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。なお、酸素透過度の単位は、〔cc/m2/day・23℃・90%RH〕である。
20・・・熱可塑性樹脂層、
30・・・臭味バリア層(I)、臭味バリア性(II)、
40・・・臭味バリア性を有するヒートシール層、
50・・・ヒートシール層、
60・・・基材樹脂層、
70・・・接着性樹脂層、
80・・・ラミネート接着剤層、
90・・・ガスバリア性フィルム
Claims (9)
- 外層から内層に向かって熱可塑性樹脂層(I)、酸素吸収層、熱可塑性樹脂層(II)、臭味バリア層(I)およびヒートシール層がこの順に積層された共押出フィルム、
または、外層から内層に向かって熱可塑性樹脂層(I)、酸素吸収層、熱可塑性樹脂層(II)および臭味バリア性を有するヒートシール層がこの順に積層された共押出フィルムであって、
前記酸素吸収層は、ポリアミド系樹脂と遷移金属触媒とからなる酸素吸収性の樹脂組成物からなり、
前記臭味バリア層または臭味バリア性を有するヒートシール層は、メソポーラスシリカを0.01〜1質量%含有する樹脂からなり、
前記メソポーラスシリカは、吸油量が201ml/100g以上かつ595ml/100g以下であることを特徴とする酸素吸収性積層フィルム。 - 前記メソポーラスシリカは、
焼成後、X線回折パターンの少なくとも一つのピークが1.8nmより大きいd間隔を示し、6.7kPa(50トール)および25℃で物質100gあたり15gより大きいベンゼン吸着容量を有する無機質、多孔質、非層状の下記式(1)で示す組成の結晶相物質、
nは酸化物として表わされるMを除いた組成の電荷であり、
qはMの重量モル平均原子価であり、
n/qはMのモル数またはモル分率である。)
または、
直径が少なくとも1.3nmの均一な寸法の細孔の六方構造配列を有し、焼成後、1.8nmより大きいd100値で示され得る六方構造の電子回折パターンを示す無機質、多孔質の上記記式(1)で示す組成の結晶相物質、
または、
酸化物のモル比で表して下記組成を有する反応混合物を結晶化した結晶相物質を焼成処理したものである、請求項1記載の酸素吸収性積層フィルム。
式:R1R2R3R4Q+(但し、Qは窒素またはリンであり、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは炭素数6〜36のアリール基またはアルキル基であり、R1、R2、R3およびR4の残りのそれぞれは水素および炭素数1〜5のアルキル基から選ばれる。)を有する有機誘導剤からなる全有機物である。) - 前記酸素吸収層は、ポリアミド系樹脂に前記遷移金属触媒を300〜500質量ppm含有するものである、請求項1または2記載の酸素吸収性積層フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂層(I)の外側に、更に臭味バリア層(II)および熱可塑性樹脂層(III)が共押出によって積層されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収性積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性積層フィルムの前記熱可塑性樹脂層(I)の外側に、基材樹脂層を積層したことを特徴とする、酸素吸収性積層体。
- 前記基材樹脂層は、ポリアミド系樹脂またはポリエステル系樹脂であることを特徴とする、請求項5記載の酸素吸収性積層体。
- 請求項6記載の酸素吸収性積層体の基材樹脂層の内側または外側に、ガスバリア性フィルムが積層されることを特徴とする、ガスバリア性酸素吸収性積層体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性積層フィルム、請求項5または6記載の酸素吸収性積層体、または請求項7のガスバリア性酸素吸収性積層体を製袋してなる、包装容器。
- 容器本体と蓋材とからなる容器であって、
蓋材は、請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性積層フィルム、請求項5または6記載の酸素吸収性積層体、または請求項7のガスバリア性酸素吸収性積層体であることを特徴とする、包装容器。
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