近年、こうした排煙用レンジフードにおいても、デザインの多様化が求められるようになり、煙の吸引能力及び排出能力を落とさない範囲内で、様々なデザイン開発がなされている。これはレンジフード本体に限らず、ダクトにおいても同様である。ダクトに関しては、基本的にはその存在が意匠面においてマイナスに作用する傾向にあるから、その改善にあたっては、その存在が目立たなくなるよう、従来はダクトカバーを設けてダクトを覆って隠すことにより意匠性の低下を防止することが試みられてきた。しかしながら、従来にない新しいデザインを実現するためには、ダクトカバーにも新たなデザインの発想を持ち込む必要がある。
ただし、新たなデザインのダクトカバーを開発しても、現場サイドでその組み付けが困難であったり、組み付けられる室内条件がシビアであったり、量産性が悪かったりすれば、商品そのものの価値が無くなってしまうという問題もある。
一方で、ダクトを要するレンジフードは、基本的には天井や壁面までの距離があるものが多いため、従来のダクトカバーは、その荷重がレンジフード本体にも加わっており、それらすべての荷重を別の支持部材を用いて支持していた。つまり、ダクトによる荷重増大によって、支持部材の数が増したり、形状が大きくなったりと、支持部材の存在感が増し、かえって目立ってしまうこともあった。
本発明の課題は、従来にないデザイン性を有しつつレンジフードの支持にも貢献可能で、組み付け性・量産性にも優れたダクトカバーと、これを備える排煙用レンジフードを提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の排煙用レンジフードは、
下方からの煙を吸引する煙吸引口を有したフード下部と、該煙吸引口から煙を吸引するための吸引駆動部を内部に有したフード上部と、該吸引駆動部が吸引した煙を排出するダクトと、を備える排煙用レンジフードであって、
前記ダクトは、前記フード上部のダクト接続部から天井もしくは壁面へと延出して、その外周に四面を有する形で形成され、一面毎にトラス状に折り曲げられた形状をなす棒部材が連続するトラス状棒部材を有したダクトカバーを備え、
前記ダクトカバーは、外周をなす四面のうちの三面に設けられるトラス状棒部材が着脱不可に一体固定される一方で、残り一面に設けられるトラス状棒部材が着脱可能もしくは開閉可能な形で取り付けられていることを特徴とする。
上記本発明の排煙用レンジフードは、ダクトの外側が、四面を形成するダクトカバーにより被われ、その四面にトラス状の棒部材が設けられた構造が前提となる。これにより、ダクトの外周を被うダクトカバーは、トラス構造を有しており、ダクト本体が視認できる配置で、従来にないデザインのレンジフードとなる。ところが、トラス構造で外周を被うダクトカバー内にダクトを収容する組み付け作業は非常に面倒である。これに対し、上記本発明の構成によれば、外周にトラス構造を有するダクトカバーは、外周をなす四面のうち一面を取り外したり、開いたりすることが可能になるので、そこから内部にダクトを容易に配置することができる。このため、例えばダクトカバーを、天井や壁面に一端を固定し、他端をレンジフード側に固定した状態であっても、簡単にダクトをダクトカバー内に収容することができるから、現場での組み付け作業能率は格段に増す。なお、本発明において、トラス状に折り曲げられた形状とは、必ずしも折り曲げにより形成されている必要はなく、形状(見た目)として折れ曲がったような形を有して見えればよい。
本発明におけるダクトカバーは、予め定められた複数種のダクトカバーパーツの中から使用するもの選択し、選択されたダクトカバーパーツをダクト長さ方向に連結する形で形成されるよう構成できる。上記構成によれば、ダクトカバーは、複数種のパーツの組み合わせによって形成することができるため、組み付け現場での作業性や、量産性にも優れる。
本発明におけるダクトカバーは、その延出途中に延出方向が屈曲する形で、天井もしくは壁面へと延出するものとすることができる。パーツの連結により組み立てられる本発明のダクトカバーは、例えば屈曲部に対応する屈曲用のパーツが事前に用意されてさえいれば、仮に屈曲が必要となる場合であっても、現場での組み付け作業は容易である。
本発明におけるフード上部は略直方体状に形成され、その外周をなす一方の側面に、前記ダクトと接続する前記ダクト接続部を設けることができる。この構成によれば、フードの上方に構造物が無いので、フード全体が浮いた状態に見える。ダクトカバーがその支持部に見えたとしても、上方から支持していないため、非常に軽量な印象を与えることができる。ただし、本発明のダクトカバーは、外周をなす側面(正面・左右側面・背面)から延出するものに限らず、上面から延出するものにも対応可能である。
本発明におけるダクトカバーパーツは、ダクト長さ方向の端部に、直線棒部材が長方形状もしくは一辺が省略された長方形状に一体結合された入口枠及び出口枠を有するとともに、それら入口枠と出口枠のそれぞれ4つの角部のうち前記ダクト長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材によって外周に四面を形成しており、互いに異なるダクトカバーパーツの前記入口枠と前記出口枠とを連結可能に構成できる。これにより、ダクト長さ方向に各パーツを枠同士の連結によって効率的に連結することが可能となる。また、入口枠及び出口枠のいずれか又は双方が、一辺が省略された長方形状に直線棒部材を一体結合して構成されていれば、その省略された辺の部分からダクトを入れやすくなる。また、入口枠と出口枠とが同形状を有していれば、その量産も容易となる。
本発明におけるダクトカバーパーツには、前記入口枠から前記出口枠に向けて直線状に延出し、前記四面に前記トラス状棒部材が設けられる直線状のメインパーツを含むことができる。これにより、ダクトカバー全体に直線的なイメージ、シンプルなイメージが付与される。なお、トラス状棒部材が設けられるものが、このメインパーツのみとされていれば、量産が容易となる。この場合、残りのパーツが屈曲用のパーツとなる。また、メインパーツも、長さの異なる様々な規格のものを事前に複数種のものが用意されていれば、現場では最小限の加工で組み付けが可能となる。
本発明におけるメインパーツの前記入口枠及び前記出口枠は、前記四面のうち着脱可能もしくは開閉可能な形で前記トラス状棒部材が取り付けられている一面側の辺が省略された長方形状をなすように構成できる。これにより、メインパーツ内へのダクトの収容がより容易になる。なお、複数種のダクトカバーパーツのうち、メインパーツのみにトラス状棒部材が形成される構成とすることにより、他のパーツをよりシンプルな形状とすることができる。
本発明におけるダクトカバーパーツには、前記入口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記出口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が予め決められた角度をなす方向転換パーツを含むことができる。これにより、ダクトの方向転換に対応でき、現場での組み付け作業が容易となる。
特に、本発明におけるフード上部やフード下部が、直方体状や平板状等のように水平方向及び垂直方向を意識させやすい形状である場合には、前記入口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記出口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなす45度の方向転換パーツを含むことができる。45度の方向は、水平方向と垂直方向のちょうど中間の方向であるため、全体が水平方向及び垂直方向のラインを意識させやすいデザインの場合に、そのデザイン性を損ない難い。本発明のフード下部は水平方向に延出する形態を無し、また、フード上部は垂直上方に突出する形態を有し、全体が水平方向及び垂直方向のラインを意識させやすいため、この45度の方向転換パーツは、デザインを損なう要因にはなりにくい。また、この45度の方向転換パーツには、ダクト長さ方向において前記入口枠と前記出口枠のみが連結されたシンプルな形状とすることで、余計な長さが省略された方向転換に特化されたパーツとなり、量産化にも優れる。
本発明におけるダクトパーツは、前記入口枠と前記出口枠に加えて、直線棒部材が長方形状もしくは一辺が省略された長方形状に一体結合された中間枠を有し、前記入口枠から前記中間枠に向けて直線状に延出する一方、前記中間枠から前記出口枠に向けて、前記中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記出口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなす形で方向転換される基端用45度の方向転換パーツを含むことができる。基端側(ダクト接続側)でいきなり45度の方向転換を生じる場合に、当該パーツがあることで、組み付け作業が容易となる。
本発明におけるダクトカバーパーツは、前記入口枠と前記出口枠に加えて、直線棒部材が長方形状もしくは一辺が省略された長方形状に連結された中間枠を有し、前記入口枠から前記中間枠に向けて、前記中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記第二中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなす形で方向転換され、なおかつ前記中間枠から前記出口枠に向けて、前記中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記出口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなす形で方向転換される90度の方向転換パーツを含むことができる。ダクトに90度の屈曲が必要な場合に、当該パーツがあることで、組み付け作業が容易となる。
本発明におけるダクトパーツは、前記入口枠と前記出口枠に加えて、直線棒部材が長方形状もしくは一辺が省略された長方形状に一体結合された第一中間枠と第二中間枠を有し、前記入口枠から前記第一中間枠に向けて直線状に延出する一方、前記第一中間枠から前記第二中間枠に向けて、前記第一中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記第二中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなす形で方向転換され、なおかつ前記第二中間枠から前記出口枠に向けて、前記第二中間枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と前記出口枠の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなす形で方向転換される基端用90度の方向転換パーツを含むことができる。基端側(ダクト接続側)でいきなり90度の方向転換を生じる場合に、当該パーツがあることで、組み付け作業が容易となる。
本発明におけるダクトカバーパーツは、外周をなす四面のうちの三面に設けられるトラス状棒部材が着脱不可に一体固定される一方で、残り一面に設けられるトラス状棒部材が着脱可能に固定される構成とすることができる。これにより、組み付け時に、ダクトを内部に収納する作業が容易となる。特に、上記のメインパーツにおいて有効である。
本発明における方向転換パーツは、外周に形成される四面のうちの一面においてダクト長さ方向に延出する2辺をなす直線棒部材を連結する部材が非形成とすることができる。これにより、組み付け時に、ダクトを内部に収納する作業が容易となる。
本発明におけるダクトカバーは、前記フード上部と連結する一方で、前記天井もしくは壁面と連結して、前記フード下部及び前記フード上部の荷重の一部または全体を支持している。トラス構造は、デザイン面での効果のみならず、それ自体が高い強度を有する構造であるため、構造体の支持や揺れ防止に適する。
本発明におけるダクトカバーは、前記フード上部の2か所以上で、ワイヤーにより天井吊りされる形で、前記フード下部及び前記フード上部の荷重が支持されている。これにより、フード全体を浮いたような状態に見せることが可能となる。
本発明のダクトカバーは、上記構成を有するダクトカバーであり、上記した各種の効果を有する。
以下、本発明の排煙用レンジフードの一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態である排煙用レンジフードと厨房台を備えたシステムキッチンの斜視図であり、図1(b)はその側面図である。また、図2は、図1の排煙用レンジフードの視点上方となる第一の斜視図、図3は、その視点下方となる第二の斜視図、図4はその正面図、図5はその背面図、図6はその右側面図、図7はその左側面図、図8はその平面図、図9はその底面図である。
図1のシステムキッチン300は、厨房台200と、厨房台200の加熱機器203の上方に配置された排煙用レンジフード100とを備えて構成される。図2〜図9(例えば図4)に示す排煙用レンジフード100は、フード本体部1と排煙部10とを有して構成され、フード本体部1は、下方から煙を吸引する吸引駆動部21(シロッコファン:図10参照)を内部に有したフード上部2と、フード上部2の下端から拡がる形で設けられる上側カバー部材3と該上側カバー部材3によって上方から被われる形で設けられる下側受け部材4とを有したフード下部34と、を備えて構成される。そして、フード下部34の外周側面側において、上側カバー部材3と下側受け部材4との双方の端縁間に形成される、少なくとも下方を臨む形の煙吸引隙間が煙吸引口3hとされ、吸引された煙が該フード下部34の内部空間3kを通って吸引駆動部21へと導かれる。図1における排煙用レンジフードでは、図9に示すように、フード下部の外端部に、環状をなす略四角形状の煙吸引口3hが形成される。
上側カバー部材3は、金属製の平板部材を屈曲する形で形成され、受け皿形状の下側受け部材4を上方にて被う形で配置される。本実施形態の上側カバー部材3は、図4,図5及び図9に示すように、平坦な板状の中央部3cに対する第一側の端部3aとその逆の第二側の端部3aが斜め下方(ここでは外側斜め下方)に直線状に屈曲する、台形状の傘形状を有する。なお、ここでいう第一側は左側、第二側は右側であり、ここでの上側カバー部材3は、それら第一側と第二側が対称の形状をなしている。
下側受け部材4も、金属製の平板部材を屈曲する形で形成され、傘形状の上側カバー部材3内に収容される形で配置される。本実施形態の下側受け部材4は、図9,図10及び図11に示すように、平坦な板状の中央部4cに対する第三側の端部4aとその逆の第四側の端部4aが外側斜め上方に屈曲する、逆台形状の受け皿形状を有する。ここでいう第三側は正面側、第四側は背面側であり、下側受け部材4は、それら第三側と第四側が対称の形状をなしている。なお、図10は、図8のA−A断面図であり、図11は、図10のB−B部分拡大図である。
ただし、第一側及び第二側の側面から見た場合(即ち、左右側面から見た場合:図6及び図7参照)、上側カバー部材3の第一側及び第二側の外側へ斜め下方に屈曲する端部3aは、下側受け部材4の逆台形状の受け皿形状をなす外周側面(左右側面)を、外側(第一側及び第二側)から被っているので、下側受け部材4の当該逆台形状の受け皿形状を直接視認することはできない。ところが、上側カバー部材3の端部3aは、下側角部が直線的に切り欠かれており、第一側及び第二側から見た場合(即ち、左右側面から見た場合:図6及び図7参照)、下側受け部材4の逆台形状の受け皿形状をなす外周側面と同様の逆台形状に見えるよう形成されている。
他方、第三側及び第四側から見た場合(即ち、正面又は背面から見た場合:図4及び図5参照)、上側カバー部材3の外周側面(正面及び背面)は台形状の傘形状として視認される。そして、上側カバー部材3の内側に収容される下側受け部材4も、第三側及び第四側から見た場合(即ち、正面又は背面から見た場合:図4及び図5参照)には、上側カバー部材3の台形状の傘形状と同様の台形状に見えるよう、第三側及び第四側へ斜め上方へと屈曲する端部4aが、その上側角部を直線的に切り欠いた台形状にて形成されている。
図4及び図5に示すように、上側カバー部材3と下側受け部材4との第一側と第二側には、煙を吸引する吸い込み口となる煙吸引口3hが設けられている。具体的に言えば、図9及び図10に示すように、上側カバー部材3の第一側斜め下方の端縁3a1と下側受け部材4の下端面4bの該第一側の端縁4b1との間には、少なくとも下方を臨む(向く)第一側開口3h1が形成され、また、上側カバー部材3の第二側斜め下方の端縁3a1と下側受け部材4の下端面4bの該第二側の端縁4b1との間には、少なくとも下方を臨む(向く)第二側開口3h1が形成されており、これらが煙吸引口3hとなって、内部空間3kへと煙を導入する構造となっている。
なお、第一側及び第二側の煙吸引口3h1は、外側斜め下方や内側斜め下方を臨むように構成してもよいが、ここでは真下を臨むように開口している。つまり、ここでは、上側カバー部材3の第一側と第二側の端縁3a1と下側受け部材4の下端面4bの第一側と第二側の端縁4b1とが同じ高さとなっていることにより、第一側及び第二側の煙吸引口3h1は、真下を臨むように開口している。
また、図9及び図10に示すように、上側カバー部材3と下側受け部材4との第三側と第四側にも、煙を吸引する吸い込み口となる煙吸引口3hが設けられている。具体的に言えば、下側受け部材4の第三側斜め上方の端縁4a1と上側カバー部材3の上端面3dの該第三側の端縁3d1との間には、第三側斜め下方を臨む(向く)第三側開口3h2が形成され、また、下側受け部材4の第四側斜め上方の端縁4a1と上側カバー部材3の下端面3dの該第四側の端縁3d1との間の第四側斜め下方を臨む(向く)開口3h2が形成されており、これらが煙吸引口3hとなって、内部空間3kへと煙を導入する構造となっている。
なお、第三側及び第四側の煙吸引口3h2は、外側斜め下方を臨むように構成されている。ここでは、下側受け部材4の第三側と第四側の端部をなす、外側斜め上方に屈曲する部分4aにおいて、その下面4a2は、その上側に位置する煙吸引口3h2へと煙を導く、外側上方に向かって傾斜した斜面となっており、その斜面をなす下面4a2の延長した先に、上側カバー部材3の第三側と第四側のそれぞれの端縁3d1が位置している。つまり、上側カバー部材3の第三側と第四側のそれぞれの端縁3d1が、下側受け部材4の第三側と第四側の端縁4a1よりも外側に位置しているので、斜面4a2に沿って中央側から流出してくる煙を、その外側上方に位置する上側カバー部材3の第三側と第四側のそれぞれの端部3dが、逃すことなく煙吸引口3h2に吸引させることができる。
また、本実施形態の上側カバー部材3は金属色をなす一方、下側受け部材4は黒色をなして形成されており、下側受け部材4の印象が希薄化されている。つまり、上側カバー部材のみが存在しているかのように見えるから、フード下部34の薄さが一層強調される。黒色の塗装は撥油塗装により実現されているため、油落ちがよく、清掃性に優れる。
上側カバー部材3と下側受け部材4との固定は、それぞれの中央部3c、4cの外周側の複数の所定位置にて、連結部材6を介する形で双方が固定されている。具体的に言えば、図11に示すように、下側受け部材4の中央部4cの上面4dの外周側4か所に、上方へと突出する下側連結部材64(6)がネジ等の締結部材46により、あるいは溶接により一体固定されている。さらに、下側連結部材64(6)の上端部には、上側連結部材63(6)の下端部が密着する形で、ネジ等の締結部材60により、あるいは溶接により双方が一体固定されている。上側連結部材63(6)は、その下端部の一方の端部から上方に延出し、さらにその先端から、下端部と同方向に延出する上端部を有する。上側カバー部材3は、中央部3cの下面3dの外周側6か所に、この上側連結部材63(6)の上端部がネジ等の締結部材36,61により固定されている。ここでの締結部材36はネジ部材であり、締結部材61は中央部にネジ孔(雌ネジ)を有したネジ孔部材(例えば、ブラインドナット(クリンプナット)等)である。上側カバー部材3の中央部3cの下面3dに密着する形でネジ孔部材61を配置し、上側カバー部材3の中央部3cの上面3b側からこのネジ孔部材61のネジ孔にネジ部材36をねじ込むことにより、上側カバー部材3を挟み込む形でネジ孔部材61とネジ部材36が一体固定されている。そして、ネジ孔部材61には、外周に板材を上下に2段の突起部が形成されている。他方、下側受け部材4には、上記したような形で下側連結部材64(6)と上側連結部材63(6)とが一体に固定されている。そして、上側連結部材63(6)の上端部には、中央に円形の孔部が形成されている。このため、下側に位置する上側連結部材63(6)の孔部に対し、上側に位置するネジ孔部材61が下端から挿入されるように、下側受け部材4を上方に(上側カバー部材3に向けて)押込むことにより、上側連結部材63(6)の孔部の外周部分が、ネジ孔部材61の下側の突起部を乗り越えて、ネジ孔部材61の溝部に嵌る。このようにして、下側連結部材64と上側連結部材63とが連結されている連結部材6を介して、下側受け部材4と上側カバー部材3とが固定されている。
下側受け部材4は、図9に示すように、その中央部4cの下端面4bに開口4h7を形成する形で、該開口4h7内に、照明部7を、該下端面4bから下方に非突出となる形で配置している。また、本実施形態における照明部7は、下側受け部材4とは別体に形成されており、上側カバー部材3(もしくはフード上部2でもよい)に一体固定されている。このため、フード下部34の内部3kに対し大がかりな清掃をするために、下側受け部材4を取り外すような場合に、照明部7が上側カバー部材3側に残るため、下側受け部材4を容易に取り外すことができる。具体的に言えば、図10に示すように、照明部7は、光源を有する照明本体70とこれを収容する筒状の照明収容部71とを有して構成される。照明収容部71の上端には外周側に屈曲した屈曲部が形成され、この屈曲部と上側カバー部材3の中央部3cとがネジ等の締結部材37により固定されている。
また、下側受け部材4は、図9に示すように、その中央部4cの下端面4bに開口4h8を形成する形で、該開口4h8内に該下端面4bから下方に非突出となる形で、フード上部2の直下領域に設けられた、下方からの着脱が可能な油受けボックス8を有する。開口4h8は、平板状の下側受け部材4の中心部4cに設けられた開口であり、油受けボックス8は、当該開口4h8の周縁部の上面に、外周側端部480aが載置されるフランジ部480を有しており、そのフランジ部480の中央上側に、油を受けとめる油受け部482を形成するための上方に突出した環状壁部481を一体に有する。つまり、油受けボックス8は、油受け部482の外側に形成されるフランジ部480が、下側受け部材4の開口周縁部に乗っかる形で配置されており、この状態をずらすことにより、開口4h8を通って下方に外すことができる。なお、フランジ部480の下面には、開口4h8内に収容され、なおかつ下側受け部材4の中心部4cの下面4bに対し下方に非突出となる形で設けられた、水平方向への横ズレを防止するズレ防止部483が形成されているから、油受けボックス8を取り外す際には、油受けボックス8をやや上に持ち上げる形で水平方向にずらすことにより、開口4h8を通って下方に外すことができる。
なお、本実施形態においては、組み付けなどの精度を考慮して、本発明においては、基準面に対する±1mmの凹凸については、基準面に対し平坦(面一)・非突出であると定めるものとする。
上側カバー部材3の上面には、吸引駆動部21をなすシロッコファンを駆動させるための駆動用ON/OFFスイッチ3Sが設けられており、さらには、リモコン操作のために信号受信部4Sが下側受け部材4の一方の屈曲部4aに設けられている。
フード上部2は、上側カバー部材3の上部に固定(ここでは溶接固定)されており、図4〜図8に示すように、全体が直方体状をなす。具体的に言えば、直方体状をなすその上端角部に斜めに切り取る形で形成された平坦面をなす面取り部2ab、2ac、2adを有する。ただし、ここでのフード上部2は、該吸引駆動部21が吸引した煙を排出するダクト9と接続するダクト接続部5を一方の側面2eに有しており、当該側面2eを除く外周面2b、2c、2dの上端角部においてのみ面取り部2ab、2ac、2adを有する。
なお、ダクト接続部5が設けられる面は、フード上部2の上面2aや、他の外周側面2b、2c、2dとすることもできる。
ダクト接続部5は、図6に示すように、ダクト9と連結するために円筒状に突出するダクト連結部分の基端部(フード側端部)として、フード上部2の面(ここでは面2e)と連結するための板状の固定部25を有している。固定部25は、フード上部2の面(ここでは面2e)に形成された開口26の外周縁部と面接触した状態で配置され、ネジ穴25bに対し図示しないネジ等の締結部材をねじ込むことにより、フード上部2に対し締結固定される。
また、図6に示すように、ダクト接続部5が一体固定されたフード上部2の面(ここでは面2e)には、ダクトカバー90を接続するためのネジ穴25aがダクト接続部5の外周周りに形成されており、図14〜図16に示すような形で、ダクト9を取り付けることができる。
ダクト9は、図1及び図2に示すように、ダクト接続部5から天井(もしくは壁面)401へと延出しており、その外側に、外周に四面を有する形で形成され、一面毎にトラス状に折り曲げられた形状をなす棒部材が連続するトラス状棒部材91bを有したダクトカバー90を備え、ダクト9とダクトカバー90により排煙部10が形成されている。なお、トラス状に折り曲げられた形状とは、必ずしも折り曲げにより形成されている必要はなく、形状として折り曲げたような形に見えればよい。
ダクトカバー90は、予め定められた複数種のダクトカバーパーツの中から使用するもの選択し、選択されたダクトカバーパーツをダクト長さ方向に連結する形で形成される。本実施形態においては、6種類のダクトカバーパーツ91〜96(図17〜図22)を有する。これら91〜96は、図17〜図22に示すように、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状の一辺が省略されることでコの字状や凹状をなす)に連結された入口枠91c〜96c及び出口枠91c〜96cを有し、互いに異なるダクトカバーパーツ91〜96の入口枠91c〜96cと出口枠91c〜96cとを、ネジ等の締結部材による締結固定によって連結できるよう、それら入口枠91c〜96cと出口枠91c〜96cの双方には当該締結固定のために締結部材をねじ込むことが可能なネジ孔91c1〜96c1が設けられている。また、入口枠91c〜96cは、フード上部2に設けられたダクト接続部5を有する面2eともネジ等の締結部材による締結固定によって連結できるようになっており、フード上部2の面2eには当該締結固定のために締結部材をねじ込むことが可能なネジ孔25aが設けられている(図6参照)。なお、入口枠91c〜96cと出口枠91c〜96cとは同一形状・同一構造を有しているため、各ダクトカバーパーツ91〜96は入口枠91c〜96cと出口枠91c〜96cとを入れ替えて使用しても問題ない。
図17に示すダクトカバーパーツ91は、直線状に形成されるメインパーツである。なお、図17の(a)はメインパーツ91の平面図、(b)はその正面図(背面図、底面図も同様にあらわれる)、(c)はその左側面図(右側面も同様にあられる)、(d)はその分解斜視図である。
直線状のメインパーツ91は、ダクト9の長さ方向の端部に、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された入口枠91c及び出口枠91cを有するとともに、それら入口枠91cから出口枠91cに向けて直線状に延出する。外周を形成する四面は、それら入口枠91cと出口枠91cのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材91aによって形成されており、それら各四面には、トラス状棒部材91bが設けられている。本実施形態のトラス状棒部材91bは、直線状のダクト9の長さ方向に対し所定角度(ここでは45度)をなす形で交互に屈曲を繰り返す形を有し、それらトラス状棒部材91bが形成される四面のうちの隣接する面において、それぞれのトラス状棒部材91bの屈曲部が同じ位置となっている。なお、トラス状棒部材91bは、他のダクトカバーパーツに設けてもよいが、本実施形態においては、このメインパーツ91にのみ設けられている。また、メインパーツ91は、長さの異なる様々な規格のものを複数種のものを用意しておいてもよい。
直線状のメインパーツ91は、外周を形成する四面のうち三面にトラス状棒部材91b1が着脱不可に一体固定(ここでは溶接固定)される一方で、残り一面にトラス状棒部材91b2が着脱可能もしくは開閉可能な形で取り付けられている。これにより、ダクト9を配置された状態とした上で、そのダクト9を、トラス状棒部材91b2が外された、もしくは開いた状態のダクトカバーパーツ91の内部に収容し、その上でトラス状棒部材91b2を固定する、もしくは閉じた状態とすることができるから、ダクトカバーパーツ91内へのダクト9の配置が容易となる。逆に、ダクトカバーパーツ91を天井(もしくは壁面)401に固定した状態で、トラス状棒部材91b2を外す、もしくは開いた状態とすることにより、ダクトカバーパーツ91の内部にダクト9を配置してもよい。
本実施形態においては、図17(d)に示すように、メインパーツ91は、一面に設けられたトラス状棒部材91b2の屈曲部に、屈曲外向きに突出する突出部91mが一体に形成される。ここでは溶接固定により一体に形成されている。そして、その突出部91mにはネジ孔が設けられており、そのネジ孔を貫通する形でネジ部材91mを配置するとともに、そのネジ先端を、直線棒部材91aに設けられたネジ穴91lにねじ込むことにより、メインパーツ91に固定(締結固定)される。逆にこのネジ部材91mを取り外せは、再びトラス状棒部材91b2を取り外すことができる。
なお、本実施形態のメインパーツ91は、図17(b)及び(d)に示すように、ダクト9の長さ方向の端部をなす入口枠91cに、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された直線棒部材を有する。なお、出口枠91cも、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合されたものとしてもよい。そして、外周に四面を有するこのメインパーツ91において、この省略される一辺側の面が、着脱可能もしくは開閉可能な形で取り付けられたトラス状棒部材91b2の面である。
図18に示すダクトカバーパーツ93は、フード上部2に固定される基端用のパーツであって、直線状に短く延びた基端用直線状パーツである。なお、図18の(a)は基端用直線状パーツ93の平面図、(b)はその正面図(背面図、底面図も同様にあらわれる)、(c)はその左側面図(右側面も同様にあられる)、(d)はその斜視図である。
基端用直線状パーツ93は、ダクト9の長さ方向の端部に、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された入口枠93c及び出口枠93cを有する。そして、入口枠93cから出口枠93cに向けて直線状に延出しており、その直線延出方向の長さが、屈曲形状を繰り返すトラス状棒部材91bの、斜めに延びる1つの棒部材が配置できない長さとされている。外周を形成する四面は、それら入口枠93cと出口枠93cのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材93aによって形成されている。
なお、本実施形態の基端用直線状パーツ93は、ダクト長さ方向において入口枠93cと出口枠93cのみが連結された形状をなすとともに、それら入口枠93cと出口枠93cは、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された直線棒部材によって形成されている。これにより、ダクト9を内部に配置しやすくなっている。
図19に示すダクトカバーパーツ92は、ダクト9の延出方向を45度方向転換させるための方向転換パーツである。なお、図19の(a)はメインパーツ91の平面図、(b)はその正面図(背面図、底面図も同様にあらわれる)、(c)はその左側面図(右側面も同様にあられる)、(d)はその斜視図である。
45度の方向転換パーツ92は、ダクト9の長さ方向の端部に、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された入口枠92c及び出口枠92cを有する。入口枠92cの開口面(枠内の面)に対し垂直なダクト挿通方向と、出口枠92cの開口面(枠内の面)に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなしており、内部を通るダクト9を45度方向転換させるパーツである。外周を形成する四面は、それら入口枠92cと出口枠92cのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材92b,92aによって形成されている。なお、屈曲内側の直線棒部材92bの方が屈曲外側の直線状部材92aよりも短い。
なお、本実施形態の45度の方向転換パーツ92は、ダクト長さ方向において入口枠92cと出口枠92cのみが連結された形状をなすとともに、それら入口枠92cと出口枠92cは、一辺(ここでは屈曲内側となる一辺)が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された直線棒部材によって形成されている。これにより、ダクト9を内部に配置しやすくなっている。
図20に示すダクトカバーパーツ94は、フード上部2に固定される基端用のパーツであるとともに、ダクト9の延出方向を45度方向転換させるための方向転換パーツでもある。なお、図20の(a)はパーツ94の平面図、(b)はその正面図(背面図、底面図も同様にあらわれる)、(c)はその左側面図(右側面も同様にあられる)、(d)はその斜視図である。
基端用の45度の方向転換パーツ94は、ダクト9の長さ方向の端部に、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された入口枠94c及び出口枠94cを有する。そして、それら入口枠94cと出口枠94cに加えて、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された中間枠94dを有し、入口枠94cから中間枠94dに向けて直線状に延出する一方、中間枠94dから出口枠94cに向けて、中間枠94dの開口面に対し垂直なダクト挿通方向と出口枠94cの開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなしており、内部を通るダクト9を45度方向転換させ、フード上部2に固定されるパーツである。外周を形成する四面は、入口枠94cと中間枠94dのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材94a2と、中間枠94dと出口枠94cのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材94a1,94b1とによって形成される。なお、屈曲内側の直線棒部材94b1の方が屈曲外側の直線状部材94a1よりも短い。
なお、本実施形態の基端用の45度の方向転換パーツ94は、入口枠94cと出口枠94cと中間枠94dは、同一側の一辺(ここでは屈曲内側となる一辺)が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された直線棒部材によって形成されている。これにより、ダクト9を内部に配置しやすくなっている。
図21に示すダクトカバーパーツ95は、フード上部2に固定される基端用のパーツであるとともに、ダクト9の延出方向を90度方向転換させるための方向転換パーツでもある。なお、図21の(a)はパーツ95の平面図、(b)はその正面図(背面図、底面図も同様にあらわれる)、(c)はその左側面図(右側面も同様にあられる)、(d)はその斜視図である。
基端用の90度の方向転換パーツ95は、ダクト9の長さ方向の端部に、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された入口枠95c及び出口枠95cを有する。そして、それら入口枠95cと出口枠95cに加えて、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された第一中間枠95d2及び第二中間枠95d1を有し、入口枠95cから第一中間枠95d2に向けて直線状に延出する一方、第一中間枠95d2から第二中間枠95d1に向けて、第一中間枠95d2の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と第二中間枠95d1の開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなし、さらに、第二中間枠95d2から出口枠95cに向けて、第二中間枠95d1の開口面に対し垂直なダクト挿通方向と出口枠95cの開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなしており、内部を通るダクト9を90度方向転換させ、フード上部2に固定されるパーツである。外周を形成する四面は、入口枠95cと第一中間枠95d2のそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材95a3と、第一中間枠95d2と第二中間枠95d1のそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材95a2,95b2と、第二中間枠95d1と出口枠95cのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材95a1,95b1とによって形成される。なお、屈曲内側の直線棒部材95b2,95b1の方が屈曲外側の直線状部材95a2,95a1よりも短い。
なお、本実施形態の方向転換パーツ95は、入口枠95cと出口枠95cと第一中間枠95d2と第二中間枠95d1とは、同一側の一辺(ここでは屈曲内側となる一辺)が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された直線棒部材によって形成されている。これにより、ダクト9を内部に配置しやすくなっている。
図22に示すダクトカバーパーツ96は、ダクト9の延出方向を90度方向転換させるための方向転換パーツでもある。なお、図22の(a)はメインパーツ96の平面図、(b)はその正面図(背面図、底面図も同様にあらわれる)、(c)はその左側面図(右側面も同様にあられる)、(d)はその斜視図である。
90度の方向転換パーツ96は、ダクト9の長さ方向の端部に、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された入口枠96c及び出口枠96cを有する。そして、それら入口枠96cと出口枠96cに加えて、直線棒部材が、一辺が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された中間枠96dを有し、入口枠96cから中間枠96dに向けて、入口枠96cの開口面に対し垂直なダクト挿通方向と中間枠96dの開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなし、さらに、中間枠96dから出口枠96cに向けて、中間枠96dの開口面に対し垂直なダクト挿通方向と出口枠96cの開口面に対し垂直なダクト挿通方向とのなす角度が45度をなしており、内部を通るダクト9を90度方向転換させるパーツである。外周を形成する四面は、入口枠96cと中間枠96dのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材96a2,96b2と、中間枠96dと出口枠96cのそれぞれ4つの角部のうちダクト9の長さ方向において対向する角部同士を一体に連結する直線棒部材96a1,96b1とによって形成される。なお、屈曲内側の直線棒部材96b2,96b1の方が屈曲外側の直線状部材96a2,96a1よりも短い。
なお、本実施形態の方向転換パーツ96は、入口枠96cと出口枠96cと中間枠96dとは、同一側の一辺(ここでは屈曲内側となる一辺)が省略された長方形状(ここでは正方形状)に一体結合された直線棒部材によって形成されている。これにより、ダクト9を内部に配置しやすくなっている。
また、本実施形態の方向転換パーツ92,94〜96は、外周に形成される四面に、トラス状棒部材が形成されていない。
ダクトカバー90は、図1に示すように、フード上部2と連結する一方で、天井(もしくは壁面でもよい)401と連結して、フード下部34及びフード上部2の荷重の一部または全体を支持することができる。本実施形態においては、フード上部2の3か所以上(ここでは、上面のダクト9の延出側両端に2箇所、その逆側中央に1箇所の計3か所:上面4隅に4箇所設けてもよいが、ワイヤー8Wは少ないほどよい)で、ワイヤー8Wにより天井から吊られることにより、フード下部34及びフード上部2の荷重が支持されており、天井401に接続するダクトカバー90も、その荷重の一部を支持している。このとき、ダクトカバー90は、ワイヤー8Wで吊られたフード下部34及びフード上部2の揺れ防止手段としても機能している。
図14〜図16は、上記のダクトカバーパーツ91,94を用いてダクトカバー90を形成した実施形態である。この場合のダクトカバー90は、フード上部2から一度水平に引き出した後、45度の角度で上方に傾斜して延出するように形成されている。ダクトカバーパーツ94は、上方の面において、ダクト9の長さ方向に延びる直線状棒部材94a2,94b1は存在するが、これらを連結する棒部材は存在していない。また、ダクトカバーパーツ91は、上方の面のトラス状棒部材91bが着脱可能な部材91b2である。このため、ダクト9を配置された状態とした上で、そのダクト9を、トラス状棒部材91b2が外された状態のダクトカバーパーツ91と、ダクトカバーパーツ94の内部に収容し、その上でトラス状棒部材91b2を固定することができるから、ダクトカバーパーツ91,94内へのダクト9の配置は非常に容易となる。逆に、ダクトカバーパーツ91からトラス状棒部材91b2を外した状態でダクトカバーパーツ91,94を連結し、さらにはフード上部2及び天井401にも組み付けた状態で、ダクト9を、ダクトカバー90(91,94)の上方から内部へと配置することも容易にできる。
図23は、上記のダクトカバーパーツ91,95を用いてダクトカバー90を形成した実施形態である。この場合のダクトカバー90は、フード上部2から一度水平に引き出した後、90度の角度で真上に延出するように形成されている。ダクトカバーパーツ95は、上方の面において、ダクト9の長さ方向に延びる直線状棒部材95a2,95b1,95b2は存在するが、これらを連結する棒部材は存在していない。また、ダクトカバーパーツ91は、第一側(左側)の面のトラス状棒部材91bが着脱可能な部材91b2である。このため、ダクト9を配置された状態とした上で、そのダクト9を、トラス状棒部材91b2が外された状態のダクトカバーパーツ91と、ダクトカバーパーツ95の内部に収容し、その上でトラス状棒部材91b2を固定することができるから、ダクトカバーパーツ91,95内へのダクト9の配置は非常に容易となる。逆に、ダクトカバーパーツ91からトラス状棒部材91b2を外した状態でダクトカバーパーツ91,95を連結し、さらにはフード上部2及び天井401にも組み付けた状態で、ダクト9を、ダクトカバー90(91,95)の上方から内部へと配置することも容易にできる。
なお、ダクトカバーパーツ94,95を使用する場合には、それに代わって、ダクトカバーパーツ92,93を連結して使用してもよい。ただし、作業効率を考慮すれば、既に組み上がったダクトカバーパーツ94,95を用いたほうが効率的である。
また、ダクトカバーを直線的にのみ使用する場合には、例えば図24のように、直線状のメインパーツ91のみを使用すればよい。また、ダクトカバーを直線的にする場合、フード上部2のある特定の側面2eからのみ延出できるだけでなく、他の面からも延出させることが可能である。例えば図25のように、背面2dから延出させたり、図26及び図27のように、上面2aから延出させたりしてもよい。
図28に、ダクトカバーパーツの様々な組み合わせ例を示す。(a)及び(b)は、フード上部2の外周側面のうちの一面から直線的に突出させた上で、水平方向に直角に曲がって延出するよう構成されており、ダクトカバーパーツ91,92,93を組み合わせて使用している。ダクトカバーパーツ92,93に代わってダクトカバーパーツ95を用いてもよい。(c)及び(d)は、フード上部2の外周側面のうちの一面から直線的に突出させた上で、水平方向に45度曲がって延出するように構成されており、ダクトカバーパーツ91,92,93を組み合わせて使用している。また、(c)及び(d)は、延出先端にダクトカバーパーツ92を設けており、これにより、例えば壁面に対して面接触の形で固定できる。(e)は、フード上部2の外周側面のうちの一面から直線的に比較的長く突出させるために、(a)及び(b)において使用したダクトカバーパーツ93の代わりに、ダクトカバーパーツ91を使用している。
なお、本実施形態においては、入口枠91c〜96cと出口枠91c〜96cが正方形状をなしているので、各種ダクトカバーパーツ91〜96の連結に際しては、連結対象となっている一方の入口枠91c〜96cと他方の出口枠91c〜96cにおいて、互いの辺さえ一致していれば、ビス等の締結部材で連結することができるから、例えば他方を90度回転させても組み付けることが可能である。ただし、本実施形態の入口枠91c〜96cと出口枠91c〜96cは、正方形状をなすものの一辺が省略されているので、連結に際しては、省略されている辺を一致させる形で双方を連結していくことが望ましい。
ここで、図1の(a)及び(b)は、水洗202及び加熱機器203を備える厨房台200及び上述した排煙用レンジフード100を備えるシステムキッチン300である。
厨房台は、床面402上から直線的に上方へ延びる支持部205と、その上方で水平方向に広がる形で形成される天板部201とを有した一体の支持構造体210を備える。この支持構造体210は、第一側及び第二側から見た場合に(即ち、左右側面視において)略T字状に形成される。天板部201については、第一側端面(正面)と第二側端面(背面)が外側上方から内側下方に向けて傾斜する斜面として形成されているため、第一側及び第二側から見た場合に(即ち、左右側面視において)、逆台形状に見える。これは、排煙用レンジフード100のフード下部34も同様で、逆台形状に見えるため、統一感のあるデザインを得ている。なお、厨房台200の収納部204は、支持構造体210の正面側にて、床面402に非接触となる上方位置に取り付けられている。
従来にないデザイン性を有しつつ一定の煙吸引能力が確保され、構造も複雑化しない排煙用レンジフードを提供したいという、近年のレンジフード開発の課題から見れば、上記本実施形態は、その課題を解決するに十分な構成となっている。従来にない斬新なデザインの排煙用レンジフードを実現するべく、例えば形状変更等を行った場合には、煙の吸引能力及び排出能力を確保することが難しかったり、構造が複雑化したりといった問題が生ずるものであり、容易なことではないが、上記実施形態によれば、それらの問題を解決する排煙用レンジフード及びそれを備えるシステムキッチンが実現されている。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
上記実施形態においては、第一側と第二側から見たときに上記のような逆台形状に見え、第三側と第四側から見たときに上記のような台形状に見える構成となっているが、第一側〜第四側全てにおいて逆台形状に見えるよう第三側と第四側を第一側と第二側と同様に構成することも可能である。逆に、第一側〜第四側全てにおいて台形状に見えるよう第一側と第二側を第三側と第四側と同様に構成してもよい。
上記実施形態においては、ダクトカバーパーツとして6種のものを採用しているが、これより少なくてもいいし、これとは別の新たなパーツを採用してもよい。例えばダクトカバーパーツ93は、使用する頻度が少なければ省略してもよい。
上記実施形態において、ダクトカバーパーツ91〜96は、入口枠91c〜96c、中間枠(第一中間枠及び第二中間枠を含む)94d,95d1,95d2,96d、出口枠91c〜96cが、一辺を省略した長方形状(コの字状)に形成されているが、図29のダクトカバーパーツ91’〜96’のように、入口枠91c〜96c、中間枠(第一中間枠及び第二中間枠を含む)94d,95d1,95d2,96d、出口枠91c〜96cを、一辺を省略しない長方形状(例えば正方形状等)にて形成してもよい。ただし、ダクトの組み付け作業性を考慮すれば、一辺が省略されている方が望ましい。