JP5620812B2 - 高周波モジュールおよび無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、高周波モジュールおよび無線通信システムに関し、特に、GSMおよびW−CDMA等のような複数の周波数帯(マルチバンド)に対応した高周波モジュールおよび無線通信システムに適用して有効な技術に関する。
例えば、特許文献1には、GSMのロウバンドとハイバンドに対応したアンテナスイッチが示されている。
特開2010−114837号公報
近年、携帯電話機等の無線通信システムでは、小型化と共に多様化が進んでおり、複数の周波数帯(マルチバンド)に対応したシステムが必要とされている。このようなシステムにおいて、アンテナの直近には、例えばアンテナスイッチやその前段に設けられる送信用のパワーアンプ等を搭載した電子部品(高周波モジュールと呼ぶ)が配置される。アンテナスイッチでは、マルチバンド化の進行に伴い、1個のアンテナ用端子に対して2対の送信端子および受信端子(計4個)のいずれかを接続する所謂SP4T(Single Pole Four Throw)の構成を拡張して、SP5T、SP6T、…といった構成が必要となってくる。
SP4T構成を持つアンテナスイッチとして、代表的にはGSM(Global System for Mobile communication)のロウバンドとハイバンドに対応したものが挙げられる。GSMのロウバンドでは、例えば、略824MHz〜略915MHzの送信周波数と、略869MHz〜略960MHzの受信周波数が用いられる。GSMのハイバンドは、DCS(Digital Cellular System)等とも呼ばれ、当該バンドでは、略1710MHz〜略1910MHzの送信周波数と、略1805MHz〜略1990MHzの受信周波数が用いられる。一方、SP5T、SP6T、…等では、このような各バンドに加えて、例えば、第3世代(3G又はUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等と呼ばれるW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)のバンド等が加わる。W−CDMAでは、10種類を超えるバンドが規定され、システムは、通常、この中から選択された幾つかのバンドに対応することになる。
ここで、SP4Tのアンテナスイッチは、アンテナ用端子と送信(受信)端子の間にHEMT(High Electron Mobility Transistor)等で構成されるスイッチを配置し、当該スイッチのオン・オフを適宜制御することで実現される。この際に、送信時におけるスイッチの挿入損失を低減すると共に、スイッチによる送信信号の歪みを抑制するため、通常の電源電圧(例えば3V程度)よりも高い電源電圧(例えば5V近く)を用いることが知られている。その一つの方式として、例えば、HEMTの送信端子(ソースノード)とゲートノードの間に昇圧回路を設け、GSMの送信信号を利用して昇圧電圧を生成し、当該昇圧電圧でゲートノードを駆動する方式が挙げられる。
しかしながら、このような方式を用いた場合、GSM時には、十分なオン電圧およびオフ電圧でスイッチを駆動することができるが、W−CDMA時には、それが実現できない恐れがある。これは、通常、GSM用の送信信号よりもW−CDMA用の送信信号の方が信号レベルが小さいため、昇圧動作が不十分になり得るためである。その一方で、W−CDMAでは、GSMに比べて送信信号の歪み特性を更に低減することが求められる。これは、特に、W−CDMAでは、GSMと異なりFDD((Frequency Division Duplex)方式が用いられているため、送信信号と受信信号による相互変調歪み(IMD:Inter modulation Distortion)が問題となるためである。
そこで、W−CDMA時の送信信号の歪み特性を低減するため、アンテナスイッチに対して何らかの形で昇圧電圧を供給する必要がある。その一例として、例えば、高周波モジュールの外部にDC−DCコンバータ等を設け、当該DC−DCコンバータによって生成した昇圧電圧を高周波モジュールに供給し、この電圧でアンテナスイッチを駆動する方式が考えられる。しかしながら、この場合、DC−DCコンバータ等の設置に伴うシステム全体の大型化やコストの増大等が懸念される。
本発明は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、低コスト化または小型化を実現可能なマルチバンド対応の高周波モジュールおよび無線通信システムを提供することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による高周波モジュールは、それぞれ異なる半導体チップで構成された高周波電力増幅装置とアンテナスイッチ装置が同一の配線基板上に実装されたものとなっている。高周波電力増幅装置は、第1周波数帯の送信信号を増幅する回路と、第1周波数帯か第2周波数帯かを選択するモード設定信号を受けて、アンテナスイッチ装置用の制御信号を第1電圧レベルか第2電圧レベルで出力する回路を備える。第2電圧レベルは、発振回路からのクロック信号を用いて第1電圧レベルを昇圧することで生成される。ここで、高周波電力増幅装置は、モード設定信号によって第1周波数帯が選択された際には、発振回路を停止させると共に第1電圧レベルの制御信号をアンテナスイッチ装置に出力し、モード設定信号によって第2周波数帯が選択された際には、発振回路を用いて第2電圧レベルの制御信号をアンテナスイッチ装置に出力する。
これによって、アンテナスイッチ装置では、第2周波数帯の送信信号をアンテナに接続する際に、昇圧された第2電圧レベルの制御信号を用いることでオンスイッチを低挿入損失に設定し、オフスイッチを深いオフ状態に設定できる。一方、第1周波数帯の送信信号をアンテナに接続する際には、例えば、第1電圧レベルの制御信号を当該送信信号を利用して昇圧することで、オンスイッチを低挿入損失に設定し、オフスイッチを深いオフ状態に設定できる。この際に、高周波電力増幅装置では増幅回路が活性化されるが、発振回路が停止しているため、スプリアス等の問題は生じない。このようなことから、高周波電力増幅装置に昇圧回路を問題なく集積化することができ、高周波モジュールの低コスト化または小型化、強いては、無線通信システムの低コスト化または小型化が図れる。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、マルチバンド対応の高周波モジュールおよび無線通信システムにおいて、低コスト化または小型化が実現可能になる。
本発明の一実施の形態による無線通信システムにおいて、その主要部の概略構成例を示すブロック図である。 図1の無線通信システムにおいて、W−CDMA選択時の動作例を示す説明図である。 図1の無線通信システムにおいて、GSM選択時の動作例を示す説明図である。 図1の無線通信システムにおいて、そのGSM用高周波電力増幅装置に含まれるアンテナスイッチ用電圧制御回路周りの詳細な構成例を示す回路図である。 図4における昇圧回路の詳細な動作例を示す波形図である。 図4における全体制御回路およびアンテナスイッチ制御回路の詳細な動作例を示す真理値表である。 図1の無線通信システムにおいて、そのアンテナスイッチ装置の主要部の詳細な構成例を示す回路図である。 (a)は、図7のアンテナスイッチ装置において、W−CDMAの送信動作時の動作例を示す説明図であり、(b)は(a)におけるオフスイッチのバイアス状態の一例を示す補足図である。 図7のアンテナスイッチ装置において、GSMの送信動作時の動作例を示す説明図である。 図1の無線通信システムを用いることによる相互変調歪みの低減効果を検証した結果を示す図である。 図1の無線通信システムにおいて、その高周波モジュールの模式的な外形例を示す平面図である。 図1の無線通信システムにおいて、その高周波モジュール内に含まれるGSM用のパワーアンプ回路の構造例を示す断面図である。 図1および図7の無線通信システムにおいて、その高周波モジュール内に含まれるアンテナスイッチ装置の構造例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態による無線通信システムにおいて、それを適用した携帯電話システムの構成例を示すブロック図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態では、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の一例としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(MOSトランジスタと略す)を用いるが、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《無線通信システム全体の主要部の概略構成》
図1は、本発明の一実施の形態による無線通信システムにおいて、その主要部の概略構成例を示すブロック図である。図1に示す無線通信システムは、高周波信号処理装置RFICと、高周波モジュールRFMDと、高周波電力増幅装置HPAIC2と、デュプレクサDPXと、アンテナANTを備えている。RFMDは、例えば、1個の配線基板によって実現され、当該配線基板上に、高周波電力増幅装置HPAIC1とアンテナスイッチ装置ANTSWを備えている。RFICは、例えば、一つの半導体チップで構成され、ロウノイズアンプ回路LNAl,LNAh,LNAwと、受信用のミキサ回路MIXrl,MIXrh,MIXrwと、可変利得増幅回路VGAと、アナログ・デジタル変換回路ADCと、デジタル・アナログ変換回路DACと、送信用のミキサ回路MIXtl,MIXth,MIXtwを備えている。
DACは、ベースバンドユニットBBUからの送信ベースバンド信号(デジタル信号)をアナログベースバンド信号に変換し、MIXtl又はMIXth或いはMIXtwに送信する。MIXtlは、DACからのアナログベースバンド信号をGSMのロウバンド(例えば略824MHz〜略915MHz)に周波数変換し、ロウバンド用電力入力信号Pin_LBとしてRFMDに出力する。MIXthは、DACからのアナログベースバンド信号をGSMのハイバンド(DCS)(例えば略1710MHz〜略1910MHz)に周波数変換し、ハイバンド用電力入力信号Pin_HBとしてRFMDに出力する。MIXtwは、DACからのアナログベースバンド信号をW−CDMAのバンドに周波数変換し、W−CDMA用電力入力信号Pin_WとしてHPAIC2に出力する。
LNAlは、RFMDから出力されたGSMのロウバンド(例えば略869MHz〜略960MHzz)用の受信信号(RXLB)を増幅し、MIXrlは、当該受信信号をベースバンド信号に周波数変換する。LNAhは、RFMDから出力されたGSMのハイバンド(例えば略1805MHz〜略1990MHz)用の受信信号(RXHB)を増幅し、MIXrhは、当該受信信号をベースバンド信号に周波数変換する。なお、実際には、この周波数帯の選択に伴い、RFMDとRFICの間には、バンドパスフィルタ(例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ)等が配置される。LNAwは、RFMDから出力されたW−CDMA用の受信信号(TRXA)をDPXを介して受け、当該信号を増幅する。MIXrwは、LNAwの出力信号をベースバンド信号に周波数変換する。VGAは、MIXrl又はMIXrh或いはMIXrwから出力されたアナログベースバンド信号を所定のゲインで増幅する。ADCは、VGAからのアナログベースバンド信号を受信ベースバンド信号(デジタル信号)に変換し、BBUに出力する。
高周波電力増幅装置HPAIC2は、W−CDMA用であり、例えば、一つの半導体チップ(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)で構成される。HPAIC2は、例えば複数段の電力増幅回路と、最終段の増幅回路に接続されたインピーダンス整合回路MNを備え、前述したW−CDMA用電力入力信号Pin_Wを受けて増幅動作を行い、DPXに向けてMNを介してW−CDMA用電力出力信号Pout_Wを出力する。各電力増幅回路は、例えば、ガリウム砒素(GaAs)やシリコンゲルマニウム(SiGe)等を代表とする化合物半導体を用いて形成されたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)で構成される。特にW−CDMAでは、GSMに比べて高い電力付加効率(PAE)や低い歪み特性が求められるため、HBTを用いることが有益となる。デュプレクサDPXは、HPAIC2からのPout_W(送信信号)をRFMD(ANTSW)に出力し、またRFMD(ANTSW)から入力された信号(受信信号)を前述したRFIC内のLNAwに出力する。すなわち、例えば送信バンド用のバンドパスフィルタ回路と受信バンド用のバンドパスフィルタ回路を備え、送信信号と受信信号の分離を行う。
高周波モジュールRFMDにおいて、HPAIC1は、例えば、一つの半導体チップで構成され、2個の電力増幅回路部(パワーアンプ回路部)PABK_LB,PABK_HBと、全体制御回路CTLCと、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLと、アンテナスイッチ用電圧制御回路VCTLを備えている。PABK_LBは、GSMのロウバンド用であり、複数段(ここでは3段)の電力増幅回路(パワーアンプ回路)PA1l〜PA3lを備える。PABK_LBは、前述したロウバンド用電力入力信号Pin_LBを受けて増幅動作を行い、PA3lからANTSWに向けてGSMのロウバンド用の電力出力信号Pout_LBを出力する。PABK_HBは、GSMのハイバンド用であり、複数段(ここでは3段)の電力増幅回路(パワーアンプ回路)PA1h〜PA3hを備える。PABK_HBは、前述したハイバンド用電力入力信号Pin_HBを受けて増幅動作を行い、PA3hからANTSWに向けてGSMのハイバンド用の電力出力信号Pout_HBを出力する。
全体制御回路CTLCは、ベースバンドユニットBBUからRFICを介して入力されたモード設定信号Mctlを受け、これに応じて、PABK_LB,PABK_HBの活性化・非活性化の制御や、アンテナスイッチ用電圧制御回路VCTLの制御や、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLに向けた各種制御信号の出力を行う。ここで、Mctlは、例えば、GSMのロウバンドの送信モード又は受信モードか、GSMのハイバンドの送信モード又は受信モードか、あるいはW−CDMAの送受信モードかを選択的に設定する信号となっている。CTLCは、このMctlの情報に応じて、アンテナスイッチANTSW内の各スイッチのオン・オフ状態を表す各種制御信号を出力し、ANTCTLは、この各種制御信号の電圧レベルを、VCTLで定められるアンテナスイッチ用電圧VSWの電圧レベルに設定したのち、アンテナスイッチ制御信号Sctlとして出力する。
アンテナスイッチ用電圧制御回路VCTLは、発振回路OSCと、昇圧回路BSTと、電圧生成回路VGEN1と、電圧選択回路VSELを備えている。VGEN1は、第1アンテナスイッチ用電圧VSW1(例えば3.1V)を生成する。BSTは、OSCからのクロック信号を用いて、VSW1よりも高電圧となる第2アンテナスイッチ用電圧VSW2(例えば4.7V)を生成する。VSELは、このVSW1かVSW2のいずれか一方をVSWとして選択し、ANTCTLに供給する。ここで、HPAIC1は、例えばMOSプロセス(シリコンプロセス)によって形成され、これに伴い、パワーアンプ回路PA1l〜PA3l,PA1h〜PA3hは、LDMOSFET(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)によって構成される。このように、パワーアンプ回路をMOSFETで構成すると共に、各種制御回路(CTLC,ANTCTL,VCTL)を含めて集積化することで、化合物半導体等を用いる場合と比較して、高周波モジュールRFMDの低コスト化や小型化が実現でき、強いては無線通信システムの低コスト化や小型化が可能になる。すなわち、GSMは、W−CDMAに比べると、電力付加効率や歪みの特性が要求されないため、このようなMOSプロセスを利用することが有益となる。
高周波モジュールRFMDにおいて、アンテナスイッチ装置ANTSWは、例えば、一つの半導体チップ(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)で構成され、ガリウム砒素(GaAs)を代表とする化合物半導体基板上に形成される。ANTSWは、ここでは、1個のアンテナANT接続用端子PNantと、2個の送信端子(TXLB,TXHB)と2個の受信端子(RXLB,RXHB)と1個の送受信端子TRXAを備えたSP5T構成となっている。PNantと、TXLB,TXHB,RXLB,RXHB,TRXAの間には、それぞれアンテナスイッチ回路SWtl,SWth,SWrl,SWrh,SWtrが設けられる。各アンテナスイッチ回路は、例えばHEMTによって構成され、前述したアンテナスイッチ制御信号Sctlによってオン・オフが個別に制御される。
送信端子TXLBには、前述したPABK_LBからのロウバンド用の電力出力信号Pout_LBが入力され、送信端子TXHBには、前述したPABK_HBからのハイバンド用の電力出力信号Pout_HBが入力される。受信端子RXLBは、前述したRFIC内のLNAlに接続され、受信端子RXHBは、前述したRFIC内のLNAhに接続される。送受信端子TRXAは、前述したDPXに接続される。なお、ここでは、GSMのロウバンドおよびハイバンドにW−CDMA用の1バンドを加えてSP5Tとしたが、例えば、W−CDMA用の2バンドを加えてSP6Tとしたり、W−CDMA用の3バンドを加えてSP7Tとする等、適宜拡張可能である。例えば、SP6Tとする場合には、ANTSW内にスイッチ回路が追加され、また、デュプレクサおよび高周波電力増幅装置が追加され、更に、RFIC内にロウノイズアンプ回路やミキサ回路が適宜追加されることになる。この際に、当該高周波電力増幅装置は、例えば、HPAIC2と同一半導体チップ内に形成することも可能である。
このような構成例において、本実施の形態による無線通信システムおよび高周波モジュールの主要な特徴の一つは、GSM用の高周波電力増幅装置HPAIC1内にアンテナスイッチ用電圧制御回路VCTLを設けた点にある。具体的には、VCTLは、モード設定信号MctlによってGSMのロウバンドおよびハイバンドが選択された際には、CTLCの制御に応じて発振回路OSCの動作を停止する(OSC,BSTを非活性化する)と共にVSELによってVSW1を選択する。一方、MctlによってW−CDMAが選択された際には、VCTLは、CTLCの制御に応じてOSCおよびBSTを動作させる(OSC,BSTを活性化する)と共にVSELによってVSW2を選択する。
図2は、図1の無線通信システムにおいて、W−CDMA選択時の動作例を示す説明図であり、図3は、図1の無線通信システムにおいて、GSM選択時の動作例を示す説明図である。図2に示すように、まず、モード設定信号MctlによってW−CDMAが選択された際には、高周波電力増幅装置HPAIC2が活性化されると共に、アンテナスイッチ回路SWtrを介してDPXとアンテナANTとの間の接続経路が構築される。ここで、高周波電力増幅装置HPAIC1内では、発振回路OSCおよび昇圧回路BSTが活性化され、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLにVSW2(例えば4.7V)が供給される。PABK_LB,PABK_HBは、Pin_LB,Pin_HBに高周波信号が入力されないため、特に増幅動作を行わないが、省電力化等のため、CTLCの制御に応じてスリープ状態等に設定されることが望ましい。スリープ状態では、PABK_LB,PABK_HB内の各パワーアンプ回路PA1l〜PA3l,PA1h〜PA3hに対するゲートバイアスの供給やあるいは電源電圧の供給が停止される。
一方、アンテナスイッチ装置ANTSWでは、各スイッチ回路のオン・オフが、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLから出力されたVSW2の電圧レベルを持つアンテナスイッチ制御信号Sctlによって制御される。具体的には、SWtrがオンに制御され、残りのアンテナスイッチ回路SWtl,SWth,SWrl,SWrhはオフに制御される。この場合、高電圧であるVSW2を用いているため、SWtrでの挿入損失は小さくなり、また、SWtl,SWth,SWrl,SWrhは深いオフ状態に駆動されるため、SWtrを介して伝送される送信信号(Pout_W)に生じる歪みを小さくすることが可能になる。
次に、図3に示すように、モード設定信号MctlによってGSMのロウバンド(送信モード又は受信モード)あるいはハイバンド(送信モード又は受信モード)が選択された際(ここではロウバンドの送信モードが選択された場合を例とする)には、高周波電力増幅装置HPAIC1内のPABK_LBが活性化される。そして、アンテナスイッチ回路SWtlを介してPABK_LBとアンテナANTとの間の接続経路が構築される。ここで、発振回路OSCおよび昇圧回路BSTは非活性化され、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLにVSW1(例えば3.1V)が供給される。PABK_HBは、Pin_HBに高周波信号が入力されないため、特に増幅動作を行わないが、省電力化等のため、CTLCの制御に応じて前述したスリープ状態等に設定されることが望ましい。また、高周波電力増幅装置HPAIC2も、特に増幅動作を行わず、HPAIC2用の制御回路(図示せず)によってスリープ状態等に設定されることが望ましい。
一方、アンテナスイッチ装置ANTSWでは、各スイッチ回路のオン・オフが、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLから出力されたVSW1の電圧レベルを持つアンテナスイッチ制御信号Sctlによって制御される。具体的には、SWtlがオンに制御され、残りのアンテナスイッチ回路SWth,SWrl,SWrh,SWtrはオフに制御される。ここで、詳細は後述するが、SWtl,SWthには、そのオン・オフ制御端子(ゲートノード)部分にゲート昇圧回路が備わっている。したがって、ANTCTLからはVSW1の電圧レベルを持つSctlが出力されるが、実際上、各スイッチ回路を制御する電圧レベルは、このゲート昇圧回路によって昇圧された電圧レベルとなる。これによって、SWtlにおける挿入損失の低減と、SWtlを介して伝送される送信信号(Pout_LB)に生じる歪みの低減が可能となる。
更に、HPAIC1では、OSCおよびBSTが非活性状態とされているため、PABK_LBの増幅動作に伴うスプリアス(不要波)を低減することが可能になる。すなわち、比較例として、仮にOSCおよびBSTが動作している状態で、PABK_LBが増幅動作を行う場合、PABK_LBとOSCおよびBSTは同一半導体チップ上に形成されているため、OSCからのクロック信号がスプリアスとしてPABK_LB内に混入し、これが増幅されてアンテナから放射される恐れがある。OSCおよびBSTを非活性状態とすることで、このような事態を防止することが可能になる。なお、ここでは、ロウバンドの送信モードが選択された場合を例としたが、ハイバンドの送信モードが選択された場合にはPABK_HB側が活性化され、これに応じて前述したロウバンド時と同様な動作が行われる。
以上のように、本実施の形態による無線通信システムおよび高周波モジュールは、GSM用の増幅回路とアンテナスイッチ制御用の昇圧回路を持つ高周波電力増幅装置HPAIC1を備え、それを、GSM時にはGSM用の増幅回路として機能させ、W−CDMA時にはアンテナスイッチ制御用の昇圧回路として機能させる構成となっている。この際に、詳細は後述するが、GSM時のアンテナスイッチ用の昇圧電圧は、アンテナスイッチ装置ANTSW内で生成させる。また、W−CDMA時のアンテナスイッチ用の昇圧電圧は、前述したように、GSMとW−CDMAの送信電力レベルの違いからANTSW内で生成させることが容易でないため、HPAIC1内で生成させ、W−CDMA時の増幅動作は、HPAIC1内の昇圧回路からのスプリアスが影響しない別のチップ(HPAIC2)で行わせる。これによって、マルチバンド対応であり、歪み特性やノイズ特性等の性能を十分に満足することが可能な無線通信システムおよび高周波モジュールを低コストまたは小面積で実現可能になる。
図1の構成例の比較例として、HPAIC1やANTSW内に昇圧回路を設けず、外部のDC−DCコンバータ等によって昇圧電圧を生成する方式が考えられる。この場合、無線通信システムの大型化やコストの増大を招く恐れがある。また、別の比較例として、HPAIC1に含まれている昇圧回路部分(OSCおよびBST)をHPAIC1の代わりにANTSW内に設ける方式が考えられる。この場合、例えば化合物半導体基板等で構成されるANTSWに当該昇圧回路部分を設けることは、コストの増大に繋がり、また、当該昇圧回路部分がノイズ源となってアンテナANTからの送信・受信信号に影響を及ぼす恐れがある。したがって、図1の構成例は、このような方式と比較して有益となる。なお、ここでは、高周波モジュールRFMDを、HPAIC1とANTSWで構成したが、場合によってはHPAIC2やDPXも加えて構成することも可能である。ただし、例えば、GSMとW−CDMAとの組み合わせ方法に柔軟性を持たせる観点等からは、分離して構成する方が望ましい。
《アンテナスイッチ用電圧制御回路VCTL周りの詳細構成》
図4は、図1の無線通信システムにおいて、そのGSM用高周波電力増幅装置に含まれるアンテナスイッチ用電圧制御回路VCTL周りの詳細な構成例を示す回路図である。図4に示すように、VCTL内の電圧生成回路VGEN1は、例えば、負帰還構成のアンプ回路AMPaによって実現される。AMPaは、基準電圧生成回路(バンドギャップリファレンス回路)BGRから生成された、外部環境(電源電圧(バッテリ電圧)や温度等)に依存しない基準電圧Vrefを受け、抵抗R1a,R2aの比率によって、(Vref×(R2a)/(R1a+R2a))で定められるアンテナスイッチ用電圧VSW1(例えば3.1V)を生成する。すなわち、仮にバッテリ電圧が4V前後で変動したような場合でも、常に一定の電圧レベルを生成する。
VCTL内の発振回路OSCは、負帰還構成のアンプ回路AMPbと、AMPbからの出力電圧を電源電圧として動作し、リング状に接続された複数段(奇数段)のインバータ回路で構成されたリングオシレータ回路ROSCを備えている。AMPbは、AMPaと同様に、基準電圧生成回路BGRからのVrefを受け、抵抗R1b,R2bの比率に応じた出力電圧を生成する。ROSCは、この出力電圧に応じた発振周波数(例えば10MHz等)を持つクロック信号を生成する。当該クロック信号は、インバータ回路IV10,IV11を介して正極クロック信号CLK1となり、インバータ回路IV20を介して負極クロック信号CLK2となる。
VCTL内の昇圧回路BSTは、ダイオードD1,D2および容量C1,C2からなる所謂ディクソン型の第1チャージポンプ回路と、同様にダイオードD3,D4および容量C3,C4からなり、第1チャージポンプ回路と逆相で動作する第2チャージポンプ回路と、これらの出力電圧を合成するスイッチ回路S1,S2および容量C5を備える。D1は、VGEN1の出力ノード(VSW1)とノードNaの間に、VSW1側をアノード(Na側をカソード)として接続され、D2は、NaとノードNbの間に、Na側をアノードとして接続される。C1は、一端にNaが接続され、他端にCLK2が供給され、C2は、一端にNbが接続され、他端にCLK1が供給される。
D3は、VGEN1の出力ノード(VSW1)とノードNcの間に、VSW1側をアノードとして接続され、D4は、NcとノードNdの間に、Nc側をアノードとして接続される。C3は、一端にNcが接続され、他端にCLK1が供給され、C4は、一端にNdが接続され、他端にCLK2が供給される。S1は、一端がNbに、他端がノードNeにそれぞれ接続され、S2は、一端がNdに、他端がNeにそれぞれ接続され、C5は、一端がNeに、他端が接地電源電圧GNDにそれぞれ接続される。S1は、CLK1の‘H’レベルに応じてオンに駆動され、S2は、CLK2の‘H’レベルに応じてオンに駆動され、Neからアンテナスイッチ用電圧VSW2(例えば4.7V)が生成される。
VCTL内の電圧選択回路VSELは、ここではpチャネル型MOSトランジスタMP1で構成される。MP1は、ソースが容量C5の一端(ノードNe)に、ドレインがVGEN1の出力ノード(VSW1)にそれぞれ接続される。また、MP1のゲートは、レベルシフト回路LSを介して出力された全体制御回路CTLCからの制御信号によって駆動される。LSは、CTLCの信号レベル(例えば3.1Vレベル)をMP1のソース(C5の一端となるノードNe)の電圧レベルに変換する。
全体制御回路CTLCは、モード設定信号Mctlを構成する各種制御信号TX_EN,BS1,BS2,TR_SW_ENを受け、これに応じて、前述した電圧選択回路VSELの制御と、アンテナスイッチ制御回路ANTCTLに向けた各種制御信号の出力と、発振回路OSCに向けた発振イネーブル信号EN_OSCの出力を行う。ANTCTLは、前述したCTLCからの各種制御信号を受け、当該制御信号の電圧レベルをレベルシフト回路LSを用いてアンテナスイッチ用電圧VSWの電圧レベルに変換し、アンテナスイッチ制御信号Sctlとして出力する。アンテナスイッチ用電圧VSWは、前述したMP1のソース(C5の一端となるノードNe)から得られる。
次に図4の動作例について説明する。まず、モード設定信号Mctl(TX_EN,BS1,BS2,TR_SW_ENの組み合わせ)によってGSMのロウバンド又はハイバンドが選択された場合、全体制御回路CTLCは、発振イネーブル信号EN_OSCを用いて発振回路OSCの動作を停止させる。具体的には、例えば、EN_OSCの非活性レベルに応じてアンプ回路AMPbの動作を停止させ、その出力電圧をGNDレベル(又は‘H’レベルでもよい)に固定する。これに伴い、OSCは発振動作を停止し、CLK1が‘L’レベル(GNDレベル)に、CLK2が‘H’レベルに固定される。また、CTLCは、MP1のゲートに‘L’レベル(GNDレベル)を印加し、MP1をオンに駆動する。これにより、VSWの電圧レベルは、MP1を介したVSW1の電圧レベルとなる。この際に、ノードNeとVGEN1の出力ノード(VSW1)との間にD3,D4およびS2を介した接続経路が存在するが、D3,D4は逆バイアスされることになるため、実質的に当該接続経路は遮断状態となる。ANTCTLは、このVSW1(例えば3.1V)の電圧レベルを用いてSctlを出力する。
一方、Mctl(TX_EN,BS1,BS2,TR_SW_ENの組み合わせ)によってW−CDMAが選択された場合、CTLCは、EN_OSCを用いてOSCを活性化し、BSTに昇圧動作を行わせる。これによって、ノードNeには、昇圧電圧となるVSW2が生成される。また、CTLCは、MP1のゲートに‘H’レベル(レベルシフト回路LSを介してVSW2の電圧レベルとなる)を印加し、MP1をオフに駆動する。これにより、VSWの電圧レベルは、BSTを介したVSW2の電圧レベルとなる。ANTCTLは、このVSW2(例えば4.7V)の電圧レベルを用いてSctlを出力する。このように、図4の構成例は、電圧選択回路VSELとして1個のトランジスタ(MP1)を用いてVSW1とVSW2の選択を行うものとなっている。これによって、例えば単純に2個のスイッチを相補的に制御することで選択を行うような方式と比較して回路面積の低減が可能になる。
《昇圧回路BSTの詳細動作》
図5は、図4における昇圧回路BSTの詳細な動作例を示す波形図である。図5に示すように、ここでは、3.1Vレベルのクロック信号CLK1,CLK2を用いるものとし、各ダイオードD1〜D4の順方向電圧をVFとして、まず、ノードNaの電圧は、CLK2が‘L’レベルの際にC1によって(3.1−VF)Vに充電される。次いで、CLK2が‘H’レベルに遷移すると、Naの電圧は、C1の充電電圧にこのCLK2の遷移分が加算され、(2×3.1−VF)Vに昇圧される。Naの電圧は、CLK2の‘L’レベルおよび‘H’レベルへの遷移に応じて、(3.1−VF)Vと(2×3.1−VF)Vの間で遷移する。ただし、実際には、CLK2の発振周波数やアンテナスイッチ制御回路ANTCTLの消費電流等に応じた放電電圧ΔVが存在するため、Naにおける昇圧電圧は、(2×3.1−VF−ΔV)Vとなる。
同様に、ノードNbの電圧は、CLK1が‘L’レベルの際にC2によって(Naの電圧−VF)(=2×3.1−2×VF−ΔV)Vに充電される。次いで、CLK1が‘H’レベルに遷移すると、Nbの電圧は、C2の充電電圧にこのCLK1の遷移分が加算され、(3×3.1−2×VF−ΔV)Vに昇圧される。ただし、実際には、前述した放電電圧ΔVが存在するため、昇圧電圧は(3×3.1−2×VF−2×ΔV)Vとなる。Nbの電圧は、CLK1の‘L’レベルおよび‘H’レベルへの遷移に応じて、(2×3.1−2×VF−ΔV)Vと(3×3.1−2×VF−2×ΔV)Vの間で遷移する。
一方、ノードNcの電圧は、ノードNaの場合とは逆相のクロック信号CLK1に応じてNaの場合と同様の動作を行うため、CLK1の‘L’レベルおよび‘H’レベルへの遷移に応じて、(3.1−VF)Vと(2×3.1−VF−ΔV)Vの間で遷移する。同様に、ノードNdの電圧は、ノードNbの場合とは逆相のクロック信号CLK2に応じてNbの場合と同様の動作を行うため、CLK2の‘L’レベルおよび‘H’レベルへの遷移に応じて、(2×3.1−2×VF−ΔV)Vと(3×3.1−2×VF−2×ΔV)Vの間で遷移する。
ノードNeには、CLK1が‘H’レベルの際にノードNbの電圧が伝送され、CLK2が‘H’レベルの際にノードNdの電圧が伝送されるため、Neの電圧は、(3×3.1−2×VF−2×ΔV)Vの一定電圧レベルとなる。このように、2個のチャージポンプ回路をインターリーブ動作させ、その出力を合成することで、昇圧電圧(VSW2)としてリプルが小さい電圧レベルを生成することが可能になる。VSW2にリプルが生じると、アンテナスイッチ装置ANTSWを介してアンテナANTから不要波が生じ得るため、このようなインターリーブ方式を用いることが有益となる。なお、VSW2の電圧レベルは、図5から判るように、D1〜D4の順方向電圧VFやOSCの発振周波数(ΔV)等で適宜調整可能である。また、図5では省略しているが、図4のインバータ回路IV20,IV10,IV11の電源電圧(すなわちCLK1,CLK2の信号レベル)を用いて調整することも可能である。
《全体制御回路CTLCおよびアンテナスイッチ制御回路ANTCTLの詳細動作》
図6は、図4における全体制御回路CTLCおよびアンテナスイッチ制御回路ANTCTLの詳細な動作例を示す真理値表である。ここでは、ベースバンドユニットBBUからのモード設定信号Mctl(TX_EN,BS1,BS2,TR_SW_ENの組み合わせ)に応じて、9個のモード(A〜E,G,H,J,K)が設定可能となっている。また、このMctlに応じて、ANTCTLは、アンテナスイッチ制御信号Sctlとしてそれぞれ電圧レベルが適宜制御された8本の制御信号(TXLBC,TXLBL,TXHBC,TXHBL,RX1800,RX900,TRXAC,TRXBC)を出力する。
詳細は後述するが、TXLBC,TXLBLは、GSMのロウバンドにおける送信用アンテナスイッチ回路の制御信号であり、TXHBC,TXHBLは、GSMのハイバンドにおける送信用アンテナスイッチ回路の制御信号である。RX1800は、GSMのハイバンドにおける受信用アンテナスイッチ回路の制御信号であり、RX900は、GSMのロウバンドにおける受信用アンテナスイッチ回路の制御信号である。TRXACは、W−CDMAのバンドAにおける送受信用アンテナスイッチ回路の制御信号であり、TRXBCは、W−CDMAのバンドBにおける送受信用アンテナスイッチ回路の制御信号である。特に限定はされないが、W−CDMAのバンドAは、3GPPで規定されるバンド1(送信周波数:1920〜1980MHz、受信周波数:2110〜2170MHz)等であり、W−CDMAのバンドBは、3GPPで規定されるバンド5(送信周波数:824〜849MHz、受信周波数:869〜894MHz)等である。
Mctlによって選択されるモードAは、スリープモードであり、この場合、8本の制御信号は全て‘L’レベル(GNDレベル)に駆動されることに加えて、アンテナスイッチ用電圧VSWの生成動作も行われない。モードBおよびモードDは。GSM(ロウバンドおよびハイバンド)のアイソレーションモードであり、この場合、VSW(VSW1)の生成動作は行われるが、8本の制御信号は全て‘L’レベルに駆動される。モードCは、GSMのロウバンドの送信モードであり、この場合、8本の制御信号の内、TXLBCおよびTXLBLが‘H’レベル(VSW1レベル)およびハイインピーダンス状態(HiZ)にそれぞれ制御される。モードEは、GSMのハイバンドの送信モードであり、この場合、8本の制御信号の内、TXHBCおよびTXHBLが‘H’レベル(VSW1レベル)およびHiZにそれぞれ制御される。
モードGは、GSMのハイバンドの受信モードであり、この場合、8本の制御信号の内、RX1800が‘H’レベル(VSW1レベル)に制御される。モードHは、GSMのロウバンドの受信モードであり、この場合、8本の制御信号の内、RX900が‘H’レベル(VSW1レベル)に制御される。モードJは、W−CDMAのバンドAの送受信モードであり、この場合、8本の制御信号の内、TRXACが‘H’レベル(VSW2レベル)に制御される。モードKは、W−CDMAのバンドBの送受信モードであり、この場合、8本の制御信号の内、TRXBCが‘H’レベル(VSW2レベル)に制御される。このように、GSMの際には、VSWとしてVSW1が用いられ、W−CDMAの際にはVSWとしてVSW2が用いられる。
《アンテナスイッチ装置ANTSWの主要部の詳細構成》
図7は、図1の無線通信システムにおいて、そのアンテナスイッチ装置ANTSWの主要部の詳細な構成例を示す回路図である。図7に示すアンテナスイッチ装置ANTSWは、ここでは、10個のHEMT素子Qtl,Qth,Qsl,Qsh,Qrl,Qrh,Qtwa,Qtwb,Qswa,Qswbと、2個のゲート昇圧回路GBSTtl,GBSTthと、各種結合容量Ctl,Cth,Csl,Csh,Cswa,Cswbを備えている。Qtlは、GSMのロウバンド用の送信端子TXLBとアンテナANT用接続端子PNantの間にソース・ドレイン経路を備え、Qthは、GSMのハイバンド用の送信端子TXHBとPNantの間にソース・ドレイン経路を備える。Qrlは、GSMのロウバンド用の受信端子RXLBとPNantの間にソース・ドレイン経路を備え、Qrhは、GSMのハイバンド用の受信端子RXHBとPNantの間にソース・ドレイン経路を備える。Qtwaは、W−CDMAのバンドA用の送受信端子TRXAとPNantの間にソース・ドレイン経路を備え、Qtwbは、W−CDMAのバンドB用の送受信端子TRXBとPNantの間にソース・ドレイン経路を備える。Ctlは、TXLBとQtlの間に挿入され、Cthは、TXHBとQthの間に挿入される。
Qslは、QtlのTXLB側のノード(ここではソース)と接地電源電圧GNDの間にソース・ドレイン経路を備え、Qshは、QthのTXHB側のノード(ここではソース)とGNDの間にソース・ドレイン経路を備える。Qswaは、QtwaのTRXA側のノード(ここではソース)とGNDの間にソース・ドレイン経路を備え、Qswbは、QtwbのTRXB側のノード(ここではソース)とGNDの間にソース・ドレイン経路を備える。Cslは、QtlとQslの間に挿入され、Cshは、QthとQshの間に挿入される。Cswaは、QtwaとQswaの間に挿入され、Cswbは、QtwbとQswbの間に挿入される。
このように、10個のHEMT素子の内の6個(Qtl,Qth,Qrl,Qrh,Qtwa,Qtwb)は、各送信/受信/送受信端子をANTに接続するスルー用スイッチであり、残りの4個(Qsl,Qsh,Qswa,Qswb)は、各送信/受信/送受信端子をGNDに接続するシャント用スイッチである。したがって、当該構成は、SP6T構成のアンテナスイッチとなる。なお、ここでは、記載の簡素化のため、GSMの受信側に対応するQrl,Qrhの詳細は、省略されており、また、Qrl,Qrhに対しても同様にシャント用スイッチが設けられる場合があるが、これも省略している。
各HEMT素子(ここではQtlを代表に説明する)は、ディプレッション型の特性を持ち、ソース・ドレイン間に高抵抗となる抵抗Rdsを備え、構造上、ゲート・ドレイン間にショットキーバリアダイオードSBDを備えている。Qslのドレイン(抵抗Rdsを介してソース)は、Qtlのゲートと共通に接続され、Qshのドレイン(抵抗Rdsを介してソース)は、Qthのゲートと共通に接続される。また、Qswaのドレイン(抵抗Rdsを介してソース)は、Qtwaのゲートと共通に接続され、Qswbのドレイン(抵抗Rdsを介してソース)は、Qtwbのゲートと共通に接続される。Qsl,Qsh,Qswa,Qswbのゲートは、GNDに接続される。
W−CDMAの送信用となるQtwaのゲートは、図6に示した制御信号TRXACで駆動され、同じくW−CDMAの送信用となるQtwbのゲートは、図6に示した制御信号TRXBCで駆動される。一方、GSMの送信用となるQtlのゲートは、図6に示した制御信号TXLBC,TXLBLからゲート昇圧回路GBSTtlを介して駆動され、同じくGSMの送信用となるQthのゲートは、図6に示した制御信号TXHBC,TXHBLからゲート昇圧回路GBSTthを介して駆動される。GBSTtl,GBSTthは、GBSTtlを代表に説明すると、容量C10と、ダイオードD10〜D12等を含んで構成される。C10は、一端がQtlのゲートに抵抗を介して結合され、他端がTXLBLに接続される。D10は、アノードがC10の他端に接続され、カソードがTXLBに抵抗および容量を介して交流的に結合される。D11は、アノードがTXLBに抵抗および容量を介して交流的に結合され、カソードがC10の一端に接続される。D12は、アノードがTXLBCに抵抗を介して接続され、カソードがTXLBLに接続される。なお、C10の両端には抵抗が備わっている。
《アンテナスイッチ装置ANTSWの主要部の詳細動作》
図8(a)は、図7のアンテナスイッチ装置ANTSWにおいて、W−CDMAの送信動作時の動作例を示す説明図であり、図8(b)は図8(a)におけるオフスイッチのバイアス状態の一例を示す補足図である。図8(a)に示すように、例えば、送信端子TRXAとアンテナANT間で送信信号が通過する場合、スルー用のQtwaのゲートには、前述したように4.7V(VSW2レベル)の制御信号TRXACが印加されるため、Qtwaは、強いオン状態となる。この時、Qtwaのドレイン電圧およびソース電圧は、ゲート−ドレイン(ソース)間のSBDに伴い、その順方向電圧VF(約0.5V)分下がった約4.2Vとなる。また、TRXAに接続されたシャント用のQswaのドレインおよびソースは抵抗Rdsを介してTRXACと接続されているため、4.7Vが印加される。Qswaのゲートは0Vであることから、QswaはVgs(Vgd)=−4.7Vの逆バイアスとなり深いオフ状態となる。
一方、TRXBに接続されたスルー用のQtwbは、ドレインおよびソース電圧が4.2Vであり、ゲートがTRXBCによって0Vに駆動されていることから、Vgs(Vgd)=−4.2Vの逆バイアスとなり、深いオフ状態となる。また、TRXBに接続されたシャント用のQswbは、TRXBCの0Vに伴いVgs(Vgd)=0Vであることからオン状態となる。他の端子(TXLB,TXHB,RXLB,RXHB)に接続されているスルー用のQtl,Qth,Qrl,Qrh(およびシャント用のQsl,Qsh(省略))に関しても、前述したTRXBに接続されたQtwb,Qswbと同じ回路構成および動作状態となる。すなわち、スルー用のHEMT素子はオフに制御され、シャント用のHEMT素子はオンに制御される。このように動作することで、TRXAに入力された送信信号は低挿入損失で伝達され、他の端子への電力漏れや歪みの発生を大きく低減した状態でアンテナANTに出力される。
ここで、歪みの発生に関し、その発生要因として、オフ状態のHEMT素子の影響が挙げられる。オフ状態のHEMT素子は、図8(b)に示すようなオフ容量Coff特性を持っている。仮にオフ状態のVgsがしきい値電圧Vth(例えば−0.8V)近辺の場合、Coffの特性が非線形領域となるため、この影響でスルー用のHEMT素子からの送信信号に歪みが生じてしまう。このような歪みを抑制するためには、オフ状態のHEMT素子のVgsをCoffの非線形性が小さくなる領域(例えばVgs=−4.2V等)にバイアスすればよい。オフ状態のHEMT素子がCoffの線形領域にバイアスされていれば、外部から大信号が入力されたとしても、特に歪みの問題は生じない。
図9は、図7のアンテナスイッチ装置ANTSWにおいて、GSMの送信動作時の動作例を示す説明図である。ここでは、送信端子TXLBとアンテナANT間で送信信号が通過する場合を例とする。まず、TXLBに接続されたスルー用のQtlを駆動するゲート昇圧回路GBSTtlは、TXLBから入力された大信号の電力信号を検波ならびに整流することでQtlのゲート電圧を昇圧する回路である。これによって、オフ状態にあるスルー用のHEMT素子に対し、十分な電力耐量を確保することができ、高調波歪を抑制することが可能となる。
昇圧回路GBSTtlでは、図6等で述べたように、制御信号TXLBCは3.1Vに設定され、制御信号TXLBLはHiZに設定される。TXLBに入力された送信信号の振幅がプラス(TXLB>TXLBC)の場合、TXLBCに対しTXLBの電位が高い為、ダイオードD10はオフ状態となり、ダイオードD11はオン状態となる。この際に、TXLBから抵抗を介して減衰した送信信号はD11を通過することで半波整流され、これに伴い、容量C10のD11側にはプラスの電荷が蓄積される。一方、TXLBに入力された送信信号の振幅がマイナス(TXLB<TXLBC)の場合、D10はオン状態となり、D11はオフ状態となる。この際に、TXLBから抵抗を介して減衰した送信信号はD10を通過することで半波整流され、これに伴い、容量C10のD10側にはマイナスの電荷が蓄積される。このようにC10において電荷の蓄積を繰り返すことにより、C10の電荷は保持され、Qtlのゲートに、昇圧された一定の電圧を印加することが可能となる。
このQtlのゲート電圧は、ゲート−ドレイン(ソース)間のSBDを介してアンテナ用接続端子PNantの電圧Vdを昇圧する。具体的には、Vdは、GBSTtlによる昇圧電圧をΔV、SBDの順方向電圧をVFとして、Vd=(3.1+ΔV−VF)Vとなる。この時、TXHB,RXLB,RXHB,TRXA,TRXBに接続される各スルー用のQth,Qrl,Qrh,Qtwa,Qtwbのソースおよびドレイン電圧は、抵抗Rdsを介してVdと同電位となり、また、これらのゲート電圧は、0Vとなっているため、深いオフ状態となる。これによって、TXLBから入力された大信号の送信信号に対しても、オフ状態を安定に保ち続けることができ、オフ容量Coffに伴う歪みの量も特に問題が無いレベルを確保することが可能となる。なお、TXLBに接続されたシャント用のQslは、Qtlのゲート電圧が(3.1+ΔV)Vであるため、Vgs=−(3.1+ΔV)Vにバイアスされ、深いオフ状態となる。また、その他のシャント用のHEMT素子は、Vgs=0Vであるため、オン状態となる。
このように、アンテナスイッチ装置ANTSWにおいては、GSMの送信用アンテナスイッチのゲート部分にゲート昇圧回路を設けることで、GSM時にアンテナスイッチ制御回路ANTCTLからの制御信号の電圧レベルが3.1Vであっても、特に問題なく動作を行うことが可能になる。なお、ここでは、各アンテナスイッチ回路を1個のHEMT素子で構成したが、実際には、耐圧確保等の観点から、直列接続された複数のHEMT素子で構成することもある。
《本実施の形態による効果》
図10は、図1の無線通信システムを用いることによる相互変調歪み(IMD:Inter modulation Distortion)の低減効果を検証した結果を示す図である。図10は、アンテナスイッチ装置ANTSWの送信端子から20dBmの送信信号(836MHz)を入力すると共にアンテナから−15dBmの妨害波(791MHz)を入力し、受信端子に現れる所定の周波数(881MHz=2×836−791)の電力レベルを観測したものである。この際には、アンテナスイッチ(HEMT素子)のゲート電圧(アンテナスイッチ用電圧VSW)を変動させて観測を行っている。W−CDMAでは、IMD特性の値として例えば−101dBm未満の値が望まれる。図10に示すように、VSWが小さい場合には、オフ状態のアンテナスイッチにおけるオフ容量Coffの影響でIMD特性が悪化する。例えば、VSW=3.1Vの場合には、−97dBmとなる。そこで、例えばVSW=4.7Vに設定すると、約7dBm程度改善効果により−104dBmを実現でき、W−CDMA時の目標を十分に満たすことが可能になる。
《高周波モジュールの外観》
図11は、図1の無線通信システムにおいて、その高周波モジュールRFMDの模式的な外形例を示す平面図である。RFMDは、複数の配線層を含んだ配線基板(例えばセラミック基板やガラスエポキシ基板等)PCB上に、2個の半導体チップ(HPAIC1,ANTSW)が実装され、これらが配線層を介して適宜接続されることで構成される。前述したように、HPAIC1は、例えばシリコン基板等で実現され、ANTSWは、例えばGaAsを代表とする化合物半導体基板等で実現される。ここでは、HPAIC1の左側にGSMのロウバンド用の各種端子等が配置され、右側にGSMのハイバンド用の各種端子等が配置される。また、HPAIC1の上側にアンテナスイッチ制御信号Sctl用の各種端子が配置され、その上のANTSWが実装されている。
HPAIC1の左側では、ロウバンド用電力入力信号Pin_LBの入力端子が配置され、それがボンディングワイヤBWを介してHPAIC1に接続されている。HPAIC1は、Pin_LBを増幅し、ロウバンド用電力出力信号Pout_LBをBWを介して出力端子に出力する。当該出力端子(Pout_LB)の先には、インピーダンス整合回路MN_LBやカプラCPL_LBが配置される。MN_LB,CPL_LBは、PCB上の配線パターンや、SMD(Surface Mount Device)等で構成される各種外付け部品(容量等)によって実現される。CPL_LBは、Pout_LBの電力レベルを検出する回路であり、この検出結果がHPAIC1にフィードバックされることでPout_LBの電力レベルが所定のレベルに調整される。
HPAIC1の右側では、ハイバンド用電力入力信号Pin_HBの入力端子が配置され、それがBWを介してHPAIC1に接続されている。HPAIC1は、Pin_HBを増幅し、ハイバンド用電力出力信号Pout_HBをBWを介して出力端子に出力する。当該出力端子(Pout_HB)の先には、インピーダンス整合回路MN_HBやカプラCPL_HBが配置される。MN_HB,CPL_HBは、PCB上の配線パターンや、SMD等で構成される各種外付け部品(容量等)によって実現される。CPL_HBは、Pout_HBの電力レベルを検出する回路であり、この検出結果がHPAIC1にフィードバックされることでPout_HBの電力レベルが所定のレベルに調整される。
HPAIC1の上側には、図6等で述べたSctl用の複数の端子が配置され、HPAIC1は、当該端子にBWを介してSctlを出力し、それがPCB上で伝送されたのち、BWを介してANTSWに入力される。ANTSWの周りには、図1、図7等に示した各種端子(TXLB,TXHB,RXLB,RXHB,TRXA,TRXB,PNant)が配置され、これらがBWを介してANTSWに接続されている。この内、GSMのロウバンド用の送信端子TXLBには、前述したMN_LBを介して伝送された信号が入力され、GSMのハイバンド用の送信端子TXHBには、前述したMN_HBを介して伝送された信号が入力される。
《LDMOSFETの構造》
図12は、図1の無線通信システムにおいて、その高周波モジュールRFMD内に含まれるGSM用のパワーアンプ回路PAの構造例を示す断面図である。前述したように、GSM用のパワーアンプ回路PA1l〜PA3l,PA1h〜PA3hは、LDMOSFET(横方向拡散MOSFET)を用いて構成することができる。図12に示すように、p+型単結晶シリコンからなる半導体基板101の主面には、p−型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層102が形成され、エピタキシャル層102の主面の一部には、LDMOSFETのドレイン領域からソース領域への空乏層の延びを抑えるパンチスルーストッパとしてのp型ウェル106が形成されている。p型ウェル106の表面には、酸化シリコン膜などからなるゲート絶縁膜107を介してLDMOSFETのゲート電極108が形成されている。ゲート電極108は、例えばn型の多結晶シリコン膜あるいはn型の多結晶シリコン膜と金属シリサイド膜の積層膜などからなり、ゲート電極108の側壁には、酸化シリコン膜などからなるサイドウォール111が形成されている。
エピタキシャル層102の内部のチャネル形成領域を挟んで互いに離間する領域には、LDMOSFETのソース領域とドレイン領域が形成されている。ドレイン領域は、チャネル形成領域に接するn−型オフセットドレイン領域109と、n−型オフセットドレイン領域109に接し、チャネル形成領域から離間して形成されたn型オフセットドレイン領域112と、n型オフセットドレイン領域112に接し、チャネル形成領域からさらに離間して形成されたn+型ドレイン領域113とからなる。これらn−型オフセットドレイン領域109、n型オフセットドレイン領域112およびn+型ドレイン領域113のうち、ゲート電極108に最も近いn−型オフセットドレイン領域109は不純物濃度が最も低く、ゲート電極108から最も離間したn+型ドレイン領域113は不純物濃度が最も高くなっている。
LDMOSFETのソース領域は、チャネル形成領域に接するn−型ソース領域110と、n−型ソース領域110に接し、チャネル形成領域から離間して形成され、n−型ソース領域110よりも不純物濃度が高いn+型ソース領域114とからなる。n−型ソース領域110の下部には、p型ハロー領域(図示せず)を形成することもできる。n+型ソース領域114の端部(n−型ソース領域110と接する側と反対側の端部)には、n+型ソース領域114と接するp型打抜き層104が形成されている。p型打抜き層104の表面近傍には、p+型半導体領域115が形成されている。p型打抜き層104は、LDMOSFETのソース領域と半導体基板101とを電気的に接続するための導電層であり、例えばエピタキシャル層102に形成した溝103の内部に埋め込んだp型多結晶シリコン膜によって形成される。
LDMOSFETのp型打抜き層104(p+型半導体領域115)、ソース領域(n+型ソース領域114)およびドレイン領域(n+型ドレイン領域113)のそれぞれの上部には、絶縁膜121(層間絶縁膜)に形成されたコンタクトホール122内のプラグ123が接続されている。p型打抜き層104(p+型半導体領域115)およびソース領域(n+型ソース領域114)には、プラグ123を介してソース電極124aが接続され、ドレイン領域(n+型ドレイン領域113)には、プラグ123を介してドレイン電極124bが接続されている。
ソース電極124aおよびドレイン電極124bのそれぞれには、ソース電極124aおよびドレイン電極124bを覆う絶縁膜(層間絶縁膜)125に形成されたスルーホール126内のプラグ127を介して配線128が接続されている。配線128の上部には、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜からなる表面保護膜(絶縁膜)129が形成されている。図示はしないが、表面保護膜129に形成された開口部から露出する配線128(およびその上に形成した金膜など)により、パッド電極(ボンディングパッド)が形成されている。また、半導体基板101の裏面には裏面電極(ソース裏面電極)130が形成されている。
《HEMTの構造》
図13は、図1および図7の無線通信システムにおいて、その高周波モジュールRFMD内に含まれるアンテナスイッチ装置ANTSWの構造例を示す断面図である。前述したように、ANTSW内の各アンテナスイッチ回路は、HEMT素子を用いて構成することができる。図13において、半絶縁性基板200上には、エピタキシャル層201が形成されている。半絶縁性基板200とは、化合物半導体であるGaAs基板から構成される以下に示すような基板である。つまり、禁制帯幅の大きい化合物半導体では、ある種の不純物を添加すると、禁制帯の内部に深い準位が形成される。そして、この深い準位の電子および正孔が固定され、伝導帯の電子密度あるいは価電子帯の正孔密度が非常に小さくなり絶縁体に近くなる。このような基板を半絶縁性基板と呼ぶ。GaAs基板では、Cr、In、酸素などを添加したり、過剰に砒素を導入することにより深い準位が形成され、半絶縁性基板となる。
半絶縁性基板200上に形成されているエピタキシャル層201は、例えば、GaAs層から形成されている。そして、このエピタキシャル層201上にバッファ層202が形成され、このバッファ層202上にAlGaAs層203が形成される。このAlGaAs層203はメサ形状に加工され素子分離がなされている。そして、AlGaAs層203上にゲート電極206が形成されている。ゲート電極206は、例えば、Pt(白金)を最下層とする金属層から形成され、下層よりPt、Ti(チタン)、Pt、Au(金)を順次積層した積層膜が用いられる。これにより、AlGaAs層203とゲート電極206(最下層のPt)とは、ショットキー接合を形成することになる。さらに、ゲート電極206を離間して挟むように、n型GaAs層204が形成されており、このn型GaAs層204上にオーミック電極205a、205bが形成されている。このオーミック電極205aと205bは、n型GaAs層204とオーミック接触するように構成されている。
前述した高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、半絶縁性基板(化合物半導体基板)200上に、高抵抗なエピタキシャル層201(GaAs層)とAlGaAs層203を積層して形成し、GaAs層とAlGaAs層とのヘテロ結合界面にできる三角形の井戸型ポテンシャルを利用するものである。この高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、AlGaAs層203の表面に金属膜を形成してショットキー障壁型のゲート電極206を有し、このゲート電極206を挟んで、ヘテロ接合面に電流を流すためのオーム性のソース電極(オーミック電極205a)とドレイン電極(オーミック電極205b)を設けた構造をしている。
高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、この井戸型ポテンシャルに形成される2次元電子ガスをキャリアとして利用する。ヘテロ接合界面に存在する井戸型ポテンシャルの幅が電子の波長と同程度の幅しかなく、電子は、ほぼ界面に沿った2次元的な運動しかできないため、大きな電子移動度が得られるという特性がある。したがって、2次元電子ガスの高移動度特性により、高周波特性および高速特性に優れ、雑音が非常に少ないことから、高速性を要求されるアンテナスイッチに使用されている。
《携帯電話システム(無線通信システム)の全体構成》
図14は、本発明の一実施の形態による無線通信システムにおいて、それを適用した携帯電話システムの構成例を示すブロック図である。図14の携帯電話システムは、ベースバンドユニットBBU、高周波システム部RFSYS、アンテナANT、スピーカSPK、およびマイクMICを備えている。BBUは、例えば、SPKやMICで用いるアナログ信号をデジタル信号に変換したり、通信に伴う様々なデジタル信号処理(変調、復調、デジタルフィルタ処理等)を行ったり、通信に伴う各種制御信号の出力等を行う。この各種制御信号の中には、前述した送信・受信等の各種動作モードを切り替えるモード設定信号Mctlや、送信電力を指示する電力指示信号Vrampが含まれている。
RFSYSは、高周波信号処理装置RFICと、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタと、高周波モジュールRFMDと、高周波電力増幅装置HPAIC2と、デュプレクサDPXを備えている。RFICは、図1等に示したように、送信用ミキサ回路、受信用ミキサ回路、ロウノイズアンプ回路等を含み、主にBBUで用いるベースバンド信号と、RFMDで用いる高周波信号との間で周波数変換(アップコンバート、ダウンコンバート)等を行う。RFMDは、例えば、一つのモジュール配線基板で実現され、当該基板上に、高周波電力増幅装置HPAIC1、カプラCPL、ロウパスフィルタLPF、アンテナスイッチ装置ANTSW等が実装されている。図1等に示したように、HPAIC2は、RFICから出力されたW−CDMA用の送信信号を増幅し、DPXは、このW−CDMA用の送信信号をANTSWに出力すると共にANTSWからの入力されたW−CDMA用の受信信号をRFICに出力する。
HPAIC1は、RFICの送信用ミキサ回路等から出力された送信信号を増幅するパワーアンプ回路部PABKと、その送信電力を制御する自動パワー制御回路APCを備えている。APCは、図1に示した全体制御回路CTLC内に備わっている。カプラCPLは、PABKの送信電力を検出し、その検出結果をAPCに出力する。APCは、BBUから通知されたVrampとCPLによる検出結果に基づいてPABKの制御を行う。LPFは、PABKの送信信号に対してフィルタリングやインピーダンス整合等を行い、ANTSWに出力する。ANTSWは、BBUからのMctlに応じてHPAIC1が生成したアンテナスイッチ制御信号Sctlに基づいてスイッチの切り替えを行う。ANTSWは、Sctlに基づいて、LPFからのGSM用の送信信号をアンテナANTに伝送し、ANTからのGSM用の受信信号をSAWフィルタに伝送し、更に、DPXとANTの間でW−CDMA用の送受信信号を伝送する。SAWフィルタは、GSM用の受信信号から必要な帯域のみを抽出し、RFICに出力する。RFICは、このSAWフィルタからの受信信号をロウノイズアンプ回路で増幅し、受信用ミキサ回路によってベースバンド信号に変換する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
101 半導体基板
102 エピタキシャル層
103 溝
104 p型打抜き層
106 p型ウェル
107 ゲート絶縁膜
108 ゲート電極
109 n−型オフセットドレイン領域
110 n−型ソース領域
111 サイドウォール
112 n型オフセットドレイン領域
113 n+型ドレイン領域
114 n+型ソース領域
115 p+型半導体領域
121 絶縁膜
122 コンタクトホール
123 プラグ
124a ソース電極
124b ドレイン電極
125 絶縁膜
126 スルーホール
127 プラグ
128 配線
129 表面保護膜
130 裏面電極
200 半絶縁性基板
201 エピタキシャル層
202 バッファ層
203 AlGaAs層
204 n型GaAs層
205a オーミック電極
205b オーミック電極
206 ゲート電極
ADC アナログ・デジタル変換回路
AMP アンプ回路
ANT アンテナ
ANTCTL アンテナスイッチ制御回路
BBU ベースバンドユニット
BGR 基準電圧生成回路
BST 昇圧回路
BW ボンディングワイヤ
C 容量
CPL カプラ
CTLC 全体制御回路
D ダイオード
DAC デジタル・アナログ変換回路
DPX デュプレクサ
GBST ゲート昇圧回路
HPAIC 高周波電力増幅装置
IV インバータ回路
LNA ロウノイズアンプ回路
LPF ロウパスフィルタ
LS レベルシフト回路
MIC マイク
MIX ミキサ回路
MN インピーダンス整合回路
MP PMOSトランジスタ
OSC 発振回路
PA パワーアンプ回路
PABK パワーアンプ回路部
PCB 配線基板
PNant アンテナ接続用端子
Q HEMT素子
R 抵抗
RFIC 高周波信号処理装置
RFMD 高周波モジュール
RFSYS 高周波システム部
ROSC リングオシレータ回路
RXLB,RXHB 受信端子
S スイッチ回路
SAW SAWフィルタ
SBD ショットキーバリアダイオード
SPK スピーカ
SW アンテナスイッチ回路
TRXA,TRXB 送受信端子
TXLB,TXHB 送信端子
VCTL アンテナスイッチ用電圧制御回路
VGEN 電圧生成回路
VSEL 電圧選択回路

Claims (13)

  1. 第1および第2半導体チップと、
    前記第1および第2半導体チップが実装される配線基板とを備え、
    前記第1半導体チップは、
    第1周波数帯の入力信号を増幅し、前記第1周波数帯の送信信号を出力する第1電力増幅回路と、
    第1電圧レベルか、第2電圧レベルを選択して出力する電圧選択回路と、
    前記第1周波数帯か第2周波数帯を表すモード設定信号を受けて、前記第1電力増幅回路および前記電圧選択回路の制御と、前記電圧選択回路の出力を用いて第1制御信号及び第2制御信号の出力を行う制御回路とを有し、
    前記第2半導体チップは、
    前記第1電力増幅回路からの前記第1周波数帯の送信信号が入力される第1送信端子と、
    前記第2周波数帯の送信信号が入力される第2送信端子と、
    アンテナ接続用端子と、
    前記第1送信端子と前記アンテナ接続用端子の間に設けられ、前記第1制御信号の電圧レベルによってオン・オフが制御される第1スイッチと、
    前記第2送信端子と前記アンテナ接続用端子の間に設けられ、前記第2制御信号の電圧レベルによってオン・オフが制御される第2スイッチとを有し、
    前記電圧選択回路は、発振回路を含み、前記発振回路からのクロック信号を用いて前記第1電圧レベルを昇圧することで前記第2電圧レベルを生成し、
    前記制御回路は、
    前記モード設定信号によって前記第2周波数帯が選択された際には、前記電圧選択回路に前記第2電圧レベルを選択させ、接地電圧レベルと前記第2電圧レベルの振幅を持つ前記第1および第2制御信号を出力することで、前記第1スイッチをオフに、前記第2スイッチをオンにそれぞれ駆動し、
    前記モード設定信号によって前記第1周波数帯が選択された際には、前記電圧選択回路の前記発振回路を停止させると共に前記電圧選択回路に前記第1電圧レベルを選択させ、前記接地電圧レベルと前記第1電圧レベルの振幅を持つ前記第1および第2制御信号を出力することで、前記第1スイッチをオンに、前記第2スイッチをオフにそれぞれ駆動し、
    前記第2半導体チップは、更に、前記第1スイッチをオンに制御する際に、前記第1送信端子に入力される電力を用いて前記第1制御信号の電圧レベルを昇圧し、当該昇圧電圧を用いて前記第1スイッチをオンに制御する第1昇圧回路を有する、ことを特徴とする高周波モジュール。
  2. 請求項記載の高周波モジュールにおいて、
    前記第1および第2スイッチは、HEMT素子であることを特徴とする高周波モジュール。
  3. 請求項記載の高周波モジュールにおいて、
    前記第1電力増幅回路は、増幅素子としてMISFETを備えることを特徴とする高周波モジュール。
  4. 請求項1記載の高周波モジュールにおいて、
    前記電圧選択回路は、前記発振回路に加えて更に、
    外部環境に依存しない基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記基準電圧を用いて前記第1電圧レベルを生成する第1電圧生成回路と、
    前記第1電圧レベルと前記発振回路からの前記クロック信号を用いてチャージポンプ動作を行うことで前記第2電圧レベルを生成する第2昇圧回路と、
    前記第1電圧レベルか前記第2電圧レベルかを選択する選択スイッチとを有することを特徴とする高周波モジュール。
  5. 請求項記載の高周波モジュールにおいて、
    前記第2昇圧回路は、
    前記第1電圧レベルと前記発振回路からの前記クロック信号の正極側を用いてチャージポンプ動作を行う第1チャージポンプ回路と、
    前記第1電圧レベルと前記発振回路からの前記クロック信号の負極側を用いてチャージポンプ動作を行う第2チャージポンプ回路と、
    前記第1チャージポンプ回路からの出力電圧と前記第2チャージポンプ回路からの出力電圧を前記クロック信号の半周期毎に交互に合成することで前記第2電圧レベルを生成する合成回路とを有することを特徴とする高周波モジュール。
  6. 請求項1記載の高周波モジュールにおいて、
    前記第1周波数帯は、GSM用の周波数帯であり、
    前記第2周波数帯は、W−CDMA用の周波数帯であることを特徴とする高周波モジュール。
  7. それぞれ異なる半導体チップで構成された第1電力増幅装置、第2電力増幅装置およびアンテナスイッチ装置と、デュプレクサとを備え、
    前記第2電力増幅装置は、第2周波数帯の入力信号を増幅し、前記第2周波数帯の送信信号を前記デュプレクサに向けて出力する第2電力増幅回路を有し、
    前記第1電力増幅装置は、
    第1周波数帯の入力信号を増幅し、前記第1周波数帯の送信信号を出力する第1電力増幅回路と、
    第1電圧レベルか、第2電圧レベルを選択して出力する電圧選択回路と、
    前記第1周波数帯か前記第2周波数帯を表すモード設定信号を受けて、前記第1電力増幅回路および前記電圧選択回路の制御と、前記電圧選択回路の出力を用いて第1制御信号及び第2制御信号の出力を行う制御回路とを有し、
    前記アンテナスイッチ装置は、
    前記第1電力増幅回路からの前記第1周波数帯の送信信号が入力される第1送信端子と、
    前記第2電力増幅回路から前記デュプレクサを介して出力された前記第2周波数帯の送信信号が入力されると共に、前記デュプレクサに向けて前記第2周波数帯の受信信号を出力する第1送受信端子と、
    アンテナ接続用端子と、
    前記第1送信端子と前記アンテナ接続用端子の間に設けられ、前記第1制御信号の電圧レベルによってオン・オフが制御される第1スイッチと、
    前記第1送受信端子と前記アンテナ接続用端子の間に設けられ、前記第2制御信号の電圧レベルによってオン・オフが制御される第2スイッチとを有し、
    前記電圧選択回路は、発振回路を含み、前記発振回路からのクロック信号を用いて前記第1電圧レベルを昇圧することで前記第2電圧レベルを生成し、
    前記制御回路は、
    前記モード設定信号によって前記第2周波数帯が選択された際には、前記電圧選択回路に前記第2電圧レベルを選択させ、接地電圧レベルと前記第2電圧レベルの振幅を持つ前記第1および第2制御信号を出力することで、前記第1スイッチをオフに、前記第2スイッチをオンにそれぞれ駆動し、
    前記モード設定信号によって前記第1周波数帯が選択された際には、前記電圧選択回路の前記発振回路を停止させると共に前記電圧選択回路に前記第1電圧レベルを選択させ、前記接地電圧レベルと前記第1電圧レベルの振幅を持つ前記第1および第2制御信号を出力することで、前記第1スイッチをオンに、前記第2スイッチをオフにそれぞれ駆動し、
    前記アンテナスイッチ装置は、更に、前記第1スイッチをオンに制御する際に、前記第1送信端子に入力される電力を用いて前記第1制御信号の電圧レベルを昇圧し、当該昇圧電圧を用いて前記第1スイッチをオンに制御する第1昇圧回路を有する、ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 請求項記載の無線通信システムにおいて、
    前記第1および第2スイッチは、HEMT素子であることを特徴とする無線通信システム。
  9. 請求項記載の無線通信システムにおいて、
    前記第1電力増幅回路は、増幅素子としてMISFETを備え、
    前記第2電力増幅回路は、増幅素子としてヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えることを特徴とする無線通信システム。
  10. 請求項記載の無線通信システムにおいて、
    前記電圧選択回路は、前記発振回路に加えて更に、
    外部環境に依存しない基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記基準電圧を用いて前記第1電圧レベルを生成する第1電圧生成回路と、
    前記第1電圧レベルと前記発振回路からの前記クロック信号を用いてチャージポンプ動作を行うことで前記第2電圧レベルを生成する第2昇圧回路と、
    前記第1電圧レベルか前記第2電圧レベルかを選択する選択スイッチとを有することを特徴とする無線通信システム。
  11. 請求項10記載の無線通信システムにおいて、
    前記第2昇圧回路は、
    前記第1電圧レベルと前記発振回路からの前記クロック信号の正極側を用いてチャージポンプ動作を行う第1チャージポンプ回路と、
    前記第1電圧レベルと前記発振回路からの前記クロック信号の負極側を用いてチャージポンプ動作を行う第2チャージポンプ回路と、
    前記第1チャージポンプ回路からの出力電圧と前記第2チャージポンプ回路からの出力電圧を前記クロック信号の半周期毎に交互に合成することで前記第2電圧レベルを生成する合成回路とを有することを特徴とする無線通信システム。
  12. 請求項記載の無線通信システムにおいて、
    前記第1周波数帯は、GSM用の周波数帯であり、
    前記第2周波数帯は、W−CDMA用の周波数帯であることを特徴とする無線通信システム。
  13. 請求項記載の無線通信システムにおいて、
    前記第1電力増幅装置と前記アンテナスイッチ装置は、同一のモジュール配線基板上に実装され、
    前記第2電力増幅装置および前記デュプレクサは、前記モジュール配線基板以外の箇所に配置されていることを特徴とする無線通信システム。
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