JP5620225B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、作業車両に関し、より詳細にはタイヤまたはクローラの回転状態に起因する振動を抑制する技術に関する。
従来、トラクタやコンバイン等の作業車両には、走行装置であるタイヤまたはクローラが左右一対に具備される。例えば特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載のトラクタに具備されるタイヤの踏面(表面)には、複数のラグ(踏面より外側に突出した突起部)が周方向に等間隔毎に形成されており、一定の規則性を有するラグパターンを成している。ラグが形成されることにより、トラクタが圃場面等の表層の柔らかい路面を走行する場合においても、高いトラクションが発揮される。
しかしながら、左のタイヤに形成されたラグパターンの位相と、右のタイヤに形成されたラグパターンの位相と、が一致した場合(位相差が小さくなった場合)、左のタイヤのラグに起因する振動と、右のタイヤのラグに起因する振動と、が重なり合ってトラクタが上下に大きく振動する虞があった。
特開2008−120167号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、タイヤまたはクローラの回転状態に起因する振動を抑制することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、作業車両本体の振動加速度を検出する振動センサをさらに具備し、前記制御装置は、前記振動センサにより取得した振動加速度が所定の値よりも大きい場合に左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が小さい状態であると判断し、前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたものである。
ここで、「振動センサ」には、振動加速度を直接的に検出するものだけではなく、振動加速度を間接的に検出するものも含まれる。すなわち、例えば作業車両本体の振動速度を検出するセンサ、及び、作業車両本体で発生している振動の振幅の変位を検出するセンサは、本発明に係る「振動センサ」に含まれる。
したがって、作業車両本体の振動加速度が所定の値よりも大きい場合には、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であると判断し、左右いずれか一方のタイヤまたはクローラに制動力を加えて当該位相差を拡大するように調整することができる。換言すれば、左右のタイヤまたはクローラのいずれか一方に制動力を一時的に加える(片ブレーキをかける)ことにより、位相差を拡大することができる。
請求項2においては、エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、前記タイヤまたはクローラの回転位相を検出する回転センサをさらに具備し、前記制御装置は、前記回転センサにより取得した回転位相から算出した左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が所定の範囲内にある場合に前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたものである。
ここで、「回転位相差が所定の範囲内にある場合」とは、左のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンの位相と、右のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンの位相と、の位相差がほとんどない(0に近い)場合を指す。
したがって、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であるとして回転センサにより検出された場合には、左右いずれか一方のタイヤまたはクローラに制動力を加えて当該位相差を拡大するように調整することができる。換言すれば、左右のタイヤまたはクローラのいずれか一方に制動力を一時的に加える(片ブレーキをかける)ことにより、位相差を拡大することができる。
請求項3においては、エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、作業車両本体の振動加速度を検出する振動センサと、前記タイヤまたはクローラの回転位相を検出する回転センサと、をさらに具備し、前記制御装置は、前記振動センサにより取得した振動加速度が所定の値よりも大きく、かつ、前記回転センサにより取得した回転位相から算出した左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が所定の範囲内にある場合に、前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたものである。
したがって、作業車両の振動加速度が所定の値よりも大きい場合であるとして振動センサにより検出され、かつ、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であるとして回転センサにより検出された場合には、左右いずれか一方のタイヤまたはクローラに制動力を加えて当該位相差を拡大するように調整することができる。
請求項4においては、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車両において、前記作業車両本体の走行速度を検出する速度センサをさらに具備し、前記制御装置は、前記速度センサにより取得した走行速度から算出した前記タイヤまたはクローラのラグによる振動周波数が、前記作業車両本体の固有振動数の共振発生領域にあると判断した場合にのみ、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を行う、としたものである。
したがって、上記の位相差を拡大する制御は、作業車両の走行速度から算出したタイヤまたはクローラのラグによる振動周波数が作業車両の固有振動数の共振発生領域にある状況下に限り、実行される。
請求項5においては、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両において、旋回を行う際に操作する操向操作具と、前記操向操作具の操作量を検出する操向センサと、をさらに具備し、前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加えた後に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きくなった場合、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を中止する、としたものである。
したがって、上記の位相差を拡大する制御が実行されている場合において、所定の操作量以上の旋回操作が開始されたことが操向センサにより検出された場合には、当該制御が中止される。
請求項6においては、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両において、旋回を行う際に操作する操向操作具と、前記操向操作具の操作量を検出する操向センサと、をさらに具備し、前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える際に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きい場合、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を禁止する、としたものである。
したがって、上記の位相差を拡大する制御は、所定の操作量以上の旋回操作が行われている場合であるとして操向センサにより検出された場合には、実行されない。
請求項7においては、請求項6に記載の作業車両において、前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える際に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きい場合、前記変速装置を制御して走行速度を低下させる、としたものである。
したがって、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であるとして振動センサまたは回転センサにより検出され、かつ、所定の操作量以上の旋回操作が行われている場合であるとして操向センサにより検出された場合には、作業車両(機体)の走行速度が低下される。
請求項8においては、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の作業車両において、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を行うか否かを選択できる選択スイッチをさらに具備し、前記制御装置は、前記選択スイッチが入状態である場合に限り前記ブレーキ装置または前記変速装置の制御を行う、としたものである。
したがって、上記の位相差を拡大する制御は、選択スイッチがONに設定されている場合に限り実行される。
請求項1に記載の発明によれば、左のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、右のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、が同位相となる(位相が略一致した状態となる)可能性を低減できる。したがって、左のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、右のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、が重なり合ってトラクタに大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。よって、トラクタの運転フィーリング(乗り心地)を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、左のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、右のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、の位相差が小さくなっている状態を解消できる。したがって、左のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、右のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、が重なり合ってトラクタに大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。よって、トラクタの運転フィーリングを向上させることができる。また、回転センサを用いることにより、上記の位相差を拡大する制御を実行するべき状況を適切に把握することができる。このことは、特にクローラ式の作業車両に本発明を適用する場合に有利な点となる。一般にクローラ式の作業車両の場合、車軸とクローラの位置合わせを精度良く行うことができ、車軸の回転位相と、クローラに形成されたラグパターンの位相と、の相関関係が高いためである。
請求項3に記載の発明によれば、左のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、右のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、の位相差が小さくなっている状態を解消できる。したがって、左のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、右のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、が重なり合ってトラクタに大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。よって、トラクタの運転フィーリングを向上させることができる。また、振動センサ及び回転センサの双方のセンサを用いることにより、上記の位相差を拡大する制御を実行するべき状況をより厳密に把握することができる。
請求項4に記載の発明によれば、タイヤまたはクローラのラグに起因する振動が、作業車両全体の振動に大きく影響する状況下に限り、上記の位相差を拡大する制御が実行される。つまり、ブレーキ装置を作動させる(片ブレーキをかける)期間を極力短くすることができ、作業車両の操向操作性が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、オペレータによる旋回操作や走行方向の補正が開始された場合には、上記の位相差を拡大する制御が中止されるので、オペレータは、当該制御により妨げられることなく、作業車両の走行方向を操向操作具の操作に応じて適宜に調整することができる。
請求項6に記載の発明によれば、オペレータによる旋回操作が行われている場合には、上記の位相差を拡大する制御が実行されないので、オペレータの意図に従って操向操作をすることができる。
請求項7に記載の発明によれば、オペレータによる旋回操作が行われている場合において、左のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、右のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンと、の位相差が小さくなっている状態を解消できる。よって、左のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、右のタイヤまたはクローラのラグに起因する振動と、が重なり合ってトラクタに大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。また、タイヤまたはクローラのラグによる振動周波数が作業車両本体の固有振動数の共振発生領域にある状況下となることを回避することができ、タイヤまたはクローラのラグに起因する振動が、作業車両全体の振動に与える影響を少なくすることができる。よって、トラクタの運転フィーリングを向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、オペレータは上記の位相差を拡大する制御を実行する使用態様と、実行しない使用態様と、のいずれかを状況に応じて選択することができるので、オペレータの意図に従って操向操作をすることができる。
ホイル式トラクタの全体構成を示す図。 クローラ式トラクタの全体構成を示す図。 ホイル式トラクタの動力伝達機構の構成を示す図。 ホイル式トラクタの制御システムの構成を示す図。 本発明の第一実施形態に係るホイル式トラクタにおいて実行される制御フローを示す図。 ホイル式トラクタの固有振動数と走行速度との相関関係を示す図。 本発明の第二実施形態に係るホイル式トラクタにおいて実行される制御フローを示す図。
まず、本発明の第一実施形態に係るホイル式トラクタ100並びにクローラ式トラクタ200の全体構成について簡単に説明する。なお、本発明の技術的思想は、以下に説明するホイル式トラクタ100やクローラ式トラクタ200に限るものではなく、その他の農業機械や建設機械等、作業車両全般に適用することが可能である。
図1は、ホイル式トラクタ100の全体構成を示した図である。なお、図1に示す矢印Aの方向は、ホイル式トラクタ100の前進方向を示している。
図1に示すように、ホイル式トラクタ100は、長手方向を前後方向として配置された車体フレーム1と、回転動力を発生させるエンジン2と、変速や前後進の切替えを行うトランスミッション3と、前輪4・4と、該前輪4・4に回転動力を伝達するフロントアクスル5と、後輪6・6と、該後輪6・6に回転動力を伝達するリアアクスル7と、運転操作具が配置されたキャビン8と、を主として具備する。
車体フレーム1は、ホイル式トラクタ100の主たる構造体であり、該ホイル式トラクタ100の骨格を成すものである。
エンジン2は、燃料を燃焼させることで膨張エネルギーを発生させ、回転動力を得る動力源である。エンジン2は、車体フレーム1の前部、詳しくは、フロントアクスル5の上方であって、車体フレーム1の中央部側に配置されている。
トランスミッション3は、本ホイル式トラクタ100の変速や前後進の切替えを行う動力伝達装置である。トランスミッション3は、ミッションケースに収容されるとともに車体フレーム1の中央部から後部にかけて配置されている。なお、本トランスミッション3においては、変速装置として油圧機械式の無段変速装置31(HMT)(図3参照)を用いているが、例えば静油圧式の無段変速装置(HST)であっても良く、これに限定するものではない。
前輪4・4は、車体フレーム1の前部を下方から支持するタイヤであり、後述するドライブシャフト52・52の左右両端部に固定されたホイルに取り付けられる。前輪4・4は前記ホイルに対して位置決めされている。前輪4・4の踏面(表面)には複数のラグL・L・・・(踏面より外側に突出した突起部)が周方向に等間隔毎に形成されている。該ラグL・L・・・は、一定の規則性を有するラグパターンを成している。
フロントアクスル5は、エンジン2の回転動力を前輪4・4に伝達する動力伝達装置である。フロントアクスル5は、車体フレーム1の前部に懸架されており、トランスミッション3を介してエンジン2の回転動力が入力される。なお、フロントアクスル5には、操舵装置55・55が並設されており、オペレータがハンドル82を操作することによって前輪4・4を操向操作(操舵)することができる。ハンドル82は、ホイル式トラクタ100の旋回操作を行う際等に操作される。ハンドル82は、本発明に係る「操向操作具」の実施の一形態である。
後輪6・6は、車体フレーム1の後部を下方から支持するタイヤであり、後述するドライブシャフト72・72の左右両端部に固定されたホイルに取り付けられる。後輪6・6は前記ホイルに対して位置決めされている。後輪6・6の踏面(表面)には複数のラグL・L・・・(踏面より外側に突出した突起部)が周方向に等間隔毎に形成されている。該ラグL・L・・・は、一定の規則性を有するラグパターンを成している。したがって、前記ホイルの回転位相を検出することにより、後輪6・6のラグパターンの位相を把握することができる。
リアアクスル7は、エンジン2の回転動力を後輪6・6に伝達する動力伝達装置である。リアアクスル7は、トランスミッション3と一体となって車体フレーム1の後部に懸架されており、トランスミッション3を介してエンジン2の回転動力が入力される。
キャビン8は、本ホイル式トラクタ100の運転操作具が配置された操縦室である。キャビン8は、車体フレーム1の中央部、詳しくは、車体フレーム1の中央部の上方からリアアクスル7の上方にかけて配置されている。キャビン8には、上述したハンドル82に加えて、選択スイッチ83(図4参照)や、駐車ブレーキレバーや、ブレーキペダル等の、本ホイル式トラクタ100の運転操作に用いるその他の操向操作具が配置されている。
図2は、クローラ式トラクタ200の全体構成を示した図である。なお、図2に示す矢印Aの方向は、クローラ式トラクタ200の前進方向を示している。
図2に示すように、クローラ式トラクタ200は、長手方向を前後方向として配置された車体フレーム11と、回転動力を発生させるエンジン12と、変速や前後進の切替えを行うリアトランスミッション13と、駆動スプロケット14・14に回転動力を伝達するフロントトランスミッション15と、駆動スプロケット14・14と従動スプロケット16・16に巻装されたクローラ17・17と、運転操作具が配置されたキャビン18と、を主として具備する。
車体フレーム11は、クローラ式トラクタ200の主たる構造体であり、該クローラ式トラクタ200の骨格を成すものである。
エンジン12は、燃料を燃焼させることで膨張エネルギーを発生させ、回転動力を得る動力源である。エンジン12は、車体フレーム11の前部、詳しくは、フロントトランスミッション15の上方であって、車体フレーム11の中央部側に配置されている。
フロントトランスミッション15は、エンジン12の回転動力を駆動スプロケット14・14に伝達する動力伝達機構である。フロントトランスミッション15は、車体フレーム11の前部に懸架されており、リアトランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なおフロントトランスミッション15には、操向用の無段変速装置が取り付けられており、オペレータがハンドル181を操作することによって駆動スプロケット14・14を左右独立して駆動させることができる。
クローラ17・17は、無端帯状に連結された、いわゆる無限軌道式の走行装置である。クローラ17・17は、駆動スプロケット14・14と従動スプロケット16・16に架け渡すように巻装されており、駆動スプロケット14・14の回転動力によって駆動される。なお、駆動スプロケット14・14はドライブシャフト(車軸)の左右両端部に固定されており、クローラ17・17は前記駆動スプロケット14・14に対して位置決めされている。クローラ17・17の踏面(表面)には複数のラグL・L・・・(踏面より外側に突出した突起部)が周方向に等間隔毎に形成されている。該ラグL・L・・・は、一定の規則性を有するラグパターンを成している。したがって、駆動スプロケット14・14の回転位相を検出することにより、クローラ17・17のラグパターンの位相を把握することができる。
キャビン18は、本クローラ式トラクタ200の運転操作具が配置された操縦室である。キャビン18は、車体フレーム11の中央部、詳しくは、車体フレーム11の中央部の上方から従動スプロケット16・16の上方にかけて配置されている。キャビン18には、上述したハンドル181に加えて、選択スイッチ(ホイル式トラクタ100における選択スイッチ83に相当するスイッチ)や、駐車ブレーキや、ブレーキペダル等の、クローラ式トラクタ200の運転操作に用いるその他の運転操作具が配置されている。
次に、ホイル式トラクタ100の動力伝達機構の構成について説明する。また、クローラ式トラクタ200の動力伝達機構については説明を省略する。クローラ式トラクタ200の動力伝達機構は、フロントトランスミッション15をフロントアクスル5の代わりに備える等の一部の差異点を除いて、ホイル式トラクタ100の動力伝達機構と略同様だからである。
図3は、ホイル式トラクタ100の動力伝達機構の構成を示した図である。なお、図3は、簡単のために一部の構成を省略しており、動力伝達機構の全てを図示したものではない。
図3に示すように、エンジン2の回転動力を前輪4・4及び後輪6・6に伝達する機構は、トランスミッション3、フロントアクスル5、及びリアアクスル7等により構成される。
まず、トランスミッション3について詳細に説明する。トランスミッション3は、走行用の無段変速装置31、前後進切替装置32、副変速装置33、及び前輪駆動切替装置34等により構成される。
無段変速装置31は、本ホイル式トラクタ100の走行速度を変速可能とするものである。そのため、無段変速装置31は、入力軸311と出力軸312の回転速度の比、すなわち、変速比を連続的に変更可能としている。無段変速装置31は、入力軸311や出力軸312の他、油圧アクチュエータ31A、油圧ポンプ31P、及び油圧モータ31M等を具備する。
入力軸311は、エンジン2の回転動力を油圧ポンプ31Pに伝達する。入力軸311の一端部は、エンジン2の出力軸と連結され、入力軸311の他端部は、油圧ポンプ31Pの駆動軸と連結されている。出力軸312は、油圧モータ31Mの回転動力を前後進切替装置32へ伝達する。出力軸312の一端部は、油圧モータ31Mの駆動軸と連結され、出力軸312の中途部に設けられた第一出力ギヤ313等は、前後進切替装置32の前進用ギヤ324等と歯合されている。
無段変速装置31は、油圧ポンプ31Pの作動油の吐出量を変化させることで変速比の変更を行う。具体的に説明すると、無段変速装置31は、油圧アクチュエータ31Aが油圧ポンプ31Pの斜板角度を調整して作動油の吐出量を変化させ、油圧モータ31Mの回転速度を変えることで変速比を変更する。
このように、無段変速装置31は、入力軸311の回転速度に対して出力軸312の回転速度を変更することができる。こうして、無段変速装置31は、ホイル式トラクタ100の走行速度を変速可能としているのである。
前後進切替装置32は、本ホイル式トラクタ100の走行方向を前進または後進のいずれかに切替可能とするものである。そのため、前後進切替装置32は、前進用クラッチ321と後進用クラッチ322を備えて、各クラッチ321・322を独立して作動可能としている。前後進切替装置32は、前進用クラッチ321や後進用クラッチ322の他、カウンタ軸323、前進用ギヤ324、後進用ギヤ325、及び逆転用ギヤ326等を具備する。
カウンタ軸323は、無段変速装置31の入力軸311及び出力軸312に対して平行となるように回動自在に支持されている。カウンタ軸323には、前進用ギヤ324が回転自在に支持されており、該前進用ギヤ324は、前進用クラッチ321と固設されている。また、カウンタ軸323には、後進用ギヤ325が回転自在に支持されており、該後進用ギヤ325は、後進用クラッチ322と固設されている。なお、前進用ギヤ324は、出力軸312に設けられた第一出力ギヤ313と歯合され、後進用ギヤ325は、逆転用ギヤ326を介して出力軸312に設けられた第二出力ギヤ314と歯合されている。
前進用クラッチ321が作動した場合は、前進用ギヤ324とカウンタ軸323とが連結されて、エンジン2の回転動力が該カウンタ軸323へ伝達される。一方、後進用クラッチ322が作動した場合は、後進用ギヤ325とカウンタ軸323とが連結されて、エンジン2の回転動力が該カウンタ軸323へ伝達される。また、前進用クラッチ321及び後進用クラッチ322のいずれもが作動しない場合は、エンジン2の回転動力はカウンタ軸323へ伝達されない。
このように、前後進切替装置32は、前進用クラッチ321と後進用クラッチ322の作動を切替えることで、カウンタ軸323へ伝達されるエンジン2の回転動力を反転させることができる。こうして、前後進切替装置32は、ホイル式トラクタ100の走行方向を前進または後進のいずれかに切替可能としているのである。
副変速装置33は、本ホイル式トラクタ100の走行速度を変速可能とするものである。そのため、副変速装置33は、高速用ギヤ331と低速用ギヤ332とを備えて、いずれかのギヤ331・332によってエンジン2の回転動力を伝達可能としている。副変速装置33は、高速用ギヤ331や低速用ギヤ332の他、出力軸333及び副変速シフタ334等を具備する。
出力軸333は、前後進切替装置32のカウンタ軸323に対して平行となるように回動自在に支持されている。出力軸333には、高速用ギヤ331及び低速用ギヤ332が回転自在に支持されている。なお、高速用ギヤ331は、カウンタ軸323に設けられた第一出力ギヤ327と歯合され、低速用ギヤ332は、カウンタ軸323に設けられた第二出力ギヤ328と歯合されている。また、高速用ギヤ331と低速用ギヤ332の間には、副変速シフタ334が配置されている。
副変速シフタ334がハブスリーブを一方向に摺動させた場合は、高速用ギヤ331と出力軸333とが連結されて、エンジン2の回転動力が該出力軸333へ伝達される。一方、副変速シフタ334がハブスリーブを他方向に摺動させた場合は、低速用ギヤ332と出力軸333とが連結されて、エンジン2の回転動力が出力軸333へ伝達される。また、副変速シフタ334がハブスリーブをいずれの方向にも摺動させない場合は、エンジン2の回転動力は出力軸333へ伝達されない。
このように、副変速装置33は、副変速シフタ334がハブスリーブを摺動させることで、出力軸333の回転速度を変更させることができる。こうして、副変速装置33は、ホイル式トラクタ100の走行速度を変更可能としているのである。
前輪駆動切替装置34は、本ホイル式トラクタ100の前輪4・4を駆動させるか否か切替可能とするものである。そのため、前輪駆動切替装置34は、駆動クラッチ341を備えて、エンジン2の回転動力を伝達または遮断可能としている。前輪駆動切替装置34は、駆動クラッチ341の他、中間軸342、中間ギヤ343、駆動ギヤ344、出力軸345、及び従動ギヤ346等を具備する。
中間軸342は、副変速装置33の出力軸333に対して平行となるように回動自在に支持されている。中間軸342には、中間ギヤ343及び駆動ギヤ344が固設されている。なお、中間ギヤ343は、出力軸333に設けられた出力ギヤ335と歯合され、駆動ギヤ344は、出力軸345に回転自在に支持された従動ギヤ346と歯合されている。また、従動ギヤ346は、駆動クラッチ341と固設されている。
駆動クラッチ341が作動した場合は、従動ギヤ346と出力軸345とが連結されて、エンジン2の回転動力が該出力軸345へ伝達される。一方、駆動クラッチ341が作動しない場合は、従動ギヤ346と出力軸345とが連結されず、エンジン2の回転動力は出力軸345へ伝達されない。
このように、前輪駆動切替装置34は、駆動クラッチ341の作動の有無によって、エンジン2の回転動力を出力軸345に伝達するか否かを切替えることができる。こうして、前輪駆動切替装置34は、ホイル式トラクタ100の前輪4・4を駆動させるか否か切替可能としているのである。
次に、フロントアクスル5について詳細に説明する。フロントアクスル5は、差動装置51及びドライブシャフト52・52等で構成される。
差動装置51は、本ホイル式トラクタ100が旋回等する際に生じる前輪4・4の回転差を吸収可能とするものである。そのため、差動装置51は、ピニオンギヤ511・511とサイドギヤ512・512を備えて、左右の前輪4・4の回転差を吸収可能としている。差動装置51は、ピニオンギヤ511・511やサイドギヤ512・512の他、ファイナルギヤ513及びディファレンシャルケース514等を具備する。
ファイナルギヤ513は、前輪駆動切替装置34の出力軸345に設けられた出力ギヤ347と歯合されている。ファイナルギヤ513の側面には、ディファレンシャルケース514が固設されており、ディファレンシャルケース514は、ファイナルギヤ513とともに回転する。ディファレンシャルケース514には、回転自在に設けられた二つのピニオンギヤ511・511が対向して配置され、該ピニオンギヤ511・511に二つのサイドギヤ512・512が歯合されている。そして、各サイドギヤ512・512は、前輪4・4に連結されたドライブシャフト52・52と固設されている。
直進時においては、ディファレンシャルケース514がサイドギヤ512・512を介して左右のドライブシャフト52・52へ等しい回転動力を伝達する。一方、旋回時においては、ディファレンシャルケース514がサイドギヤ512・512を介して左右のドライブシャフト52・52へ回転動力を伝達する際に、ピニオンギヤ511・511が回転することによって左右のドライブシャフト52・52の回転速度を調整する。
このように、差動装置51においては、ピニオンギヤ511・511とサイドギヤ512・512の回転によって、左右の前輪4・4の回転速度を調整することができる。こうして、差動装置51は、ホイル式トラクタ100が旋回等する際に生じる左右の前輪4・4の回転差を吸収可能としているのである。
左のドライブシャフト52には、ブレーキ装置53が具備される。ブレーキ装置53は、左のドライブシャフト52の回転に制動力を付与するものである。ブレーキ装置53は、制動アームと、ディスク板531と、制動パッド532と、を備えたものであり、その構成は後述するブレーキ装置73と同様であるため、説明を省略する。
右のドライブシャフト52には、ブレーキ装置54が具備される。ブレーキ装置54は、右のドライブシャフト52の回転に制動力を付与するものである。ブレーキ装置54は、制動アームと、ディスク板541と、制動パッド542と、を備えたものであり、その構成は後述するブレーキ装置74と同様であるため、説明を省略する。
次に、リアアクスル7について詳細に説明する。リアアクスル7は、差動装置71及びドライブシャフト72・72等で構成される。
差動装置71は、本ホイル式トラクタ100が旋回等する際に生じる後輪6・6の回転差を吸収可能とするものである。そのため、差動装置71は、ピニオンギヤ711・711とサイドギヤ712・712を備えて、左右の後輪6・6の回転差を吸収可能としている。差動装置71は、ピニオンギヤ711・711やサイドギヤ712・712の他、ファイナルギヤ713及びディファレンシャルケース714等を具備する。
ファイナルギヤ713は、副変速装置33の出力軸333に設けられた出力ギヤ336と歯合されている。ファイナルギヤ713の側面には、ディファレンシャルケース714が固設されており、ディファレンシャルケース714は、ファイナルギヤ713とともに回転する。ディファレンシャルケース714には、回転自在に設けられた二つのピニオンギヤ711・711が対向して配置され、該ピニオンギヤ711・711に二つのサイドギヤ712・712が歯合されている。そして、各サイドギヤ712・712は、後輪6・6に連結されたドライブシャフト72・72と固設されている。
直進時においては、ディファレンシャルケース714がサイドギヤ712・712を介して左右のドライブシャフト72・72へ等しい回転動力を伝達する。一方、旋回時においては、ディファレンシャルケース714がサイドギヤ712・712を介して左右のドライブシャフト72・72へ回転動力を伝達する際に、ピニオンギヤ711・711が回転することによって左右のドライブシャフト72・72の回転速度を調整する。
このように、差動装置71は、ピニオンギヤ711・711とサイドギヤ712・712の回転によって、左右の後輪6・6の回転速度を調整することができる。こうして、差動装置71は、ホイル式トラクタ100が旋回等する際に生じる左右の後輪6・6の回転差を吸収可能としているのである。
左のドライブシャフト72には、ブレーキ装置73が具備される。ブレーキ装置73は、左のドライブシャフト72の回転に制動力を付与するものであり、駐車ブレーキレバーやブレーキペダルの操作と、自動制御と、の二つの系統によって、左の後輪6にブレーキをかけることができるように構成される。ブレーキ装置73は、リアアクスル7を収容しているミッションケースの左側面部に回動可能に配置されたL字形状の制動アーム734(図4参照)と、左のドライブシャフト72に固定されたディスク板731(図3参照)と、制動アーム734の回動に連動してディスク板731の回転平面に接離するように移動可能な制動パッド732と、を備えている。制動アーム734の一端部はワイヤやリンク等を介して駐車ブレーキレバーと連動連結されている。制動アーム734の他端部はワイヤやリンク等を介してブレーキペダルと連動連結されている。さらに、制動アーム734は、制御装置9に接続された制動バルブの切替駆動にて制動シリンダが伸縮作動することによっても回動される。
右のドライブシャフト72には、ブレーキ装置74が具備される。ブレーキ装置74は、左のドライブシャフト72の回転に制動力を付与するものであり、駐車ブレーキレバーやブレーキペダルの操作と、自動制御と、の二つの系統によって、右の後輪6にブレーキをかけることができるように構成される。ブレーキ装置74は、リアアクスル7を収容しているミッションケースの右側面部に回動可能に配置されたL字形状の制動アーム744(図4参照)と、右のドライブシャフト72に固定されたディスク板741(図3参照)と、制動アーム744の回動に連動してディスク板741の回転平面に接離するように移動可能な制動パッド742と、を備えている。制動アーム744の一端部はワイヤやリンク等を介して駐車ブレーキレバーと連動連結されている。制動アーム744の他端部はワイヤやリンク等を介してブレーキペダルと連動連結されている。さらに、制動アーム744は、制御装置9に接続された制動バルブの切替駆動にて制動シリンダが伸縮作動することによっても回動される。
同様に、クローラ式トラクタ200には、クローラ17・17を左右独立して制動する左右一対のブレーキ装置が具備される。このうち、左のブレーキ装置は、ホイル式トラクタ100におけるブレーキ装置73に相当するものであり、構成及び機能の点においてブレーキ装置73と同じである。また、右のブレーキ装置は、ホイル式トラクタ100におけるブレーキ装置74に相当するものであり、構成及び機能の点においてブレーキ装置74と同じである。
次に、ホイル式トラクタ100の制御システムの構成について説明する。なお、クローラ式トラクタ200の制御システムの構成については説明を省略する。クローラ式トラクタ200の制御システムの構成は、ホイル式トラクタ100の制御システムの構成と同様だからである。
図4は、ホイル式トラクタ100の制御システムの構成を示したブロック図である。なお、図4は、簡単のために一部の構成を省略しており、制御システムの全てについて図示したものではない。
制御装置9は、中央演算処理装置(CPU)や記憶装置等で構成される。制御装置9は、ハンドル82、選択スイッチ83、駐車ブレーキレバー、及びブレーキペダル等の運転操作具の他、振動センサ91、速度センサ92、回転センサ93、及び操向センサ94等とインターフェイス部95を介して電気的に接続されている。そして、制御装置9は、各運転操作具や、振動センサ91、速度センサ92、回転センサ93、及び操向センサ94等からの入力信号に基づいて出力信号を作成し、エンジン2、無段変速装置31、左のブレーキ装置73、及び右のブレーキ装置74等に出力信号を送信する。また、制御装置9は、時計機能部を備えており、これによってタイマー機能を実現している。
振動センサ91は、キャビン8(ホイル式トラクタ100本体)の振動加速度を検出するものである。振動センサ91は、圧電素子を用いて振動を電圧値として検出し、該電圧値を入力信号として制御装置9へ送信する。なお、本実施形態における振動センサ91は、圧電素子を用いて振動加速度を検出する、いわゆる圧電型振動センサとしているが、動電型振動センサや渦電流型振動センサ等であってもよく、これに限定するものではない。さらに、本実施形態の振動センサ91はキャビン8に取り付けられるとしているが、例えば車体フレーム1等に取り付けられるとしても良い。
速度センサ92は、ホイル式トラクタ100の走行速度を検出するものである。速度センサ92は、回転するパルス盤の凹凸に応じて変化する起電力を入力信号として制御装置9へ送信する。なお、本実施形態の速度センサ92は、トランスミッション3に取り付けられて、出力軸333の回転速度を検出するとしている。
回転センサ93は、左右の各ドライブシャフト72の回転角度を検出することにより、左右の後輪6・6の位相差(回転位相の差)を検出するものである。回転センサ93は、例えばロータリエンコーダにより構成され、ドライブシャフト72・72の回転角度を入力信号として制御装置9へ送信する。
なお、本実施形態においては、後輪6・6と、該後輪6・6が取り付けられるホイルと、にはそれぞれマークが付されており、対応するマークを合わせて位置決めすることにより、後輪6・6とホイル(ひいてはドライブシャフト72・72)の位相を合わせることができる構成となっている。
操向センサ94は、オペレータによるハンドル82の回動操作量(回動操作角度)を検出するものである。操向センサ94は、例えばロータリエンコーダにより構成され、検出した回動操作量を制御装置9へ送信する。ただし、この構成に代えて、操向センサを操向操作具の回動操作角度が所定量に到達したときにONとなるリミットスイッチにより構成してもよい。
さらに、制御装置9には、インターフェイス部95を介して選択スイッチ83が接続されている。選択スイッチ83は、後述する制御フロー400を行うか否かを設定可能とするスイッチである。なお、選択スイッチ83は、オペレータが操縦席に着座した状態で操作することができるよう、キャビン8内のコントロールパネルに配置されている。
次に、以上のような構成のホイル式トラクタ100において、後輪6・6の回転状態に起因する振動を抑制するために実行される制御フロー400について図5を参照して説明する。
なお、本実施形態の制御フロー400では、フラグを利用した制御が実行されている。制御フロー400の実行前においては、フラグが初期値である「0」に設定されている(F=0)。
まず初めにステップS401において、制御装置9は、選択スイッチ83がONであるか否かを判定する。「選択スイッチがONであるか」は、選択スイッチ83がONに設定されているときに出力される信号が、制御装置9に入力されたか否かで判定される。
選択スイッチ83がONである場合、続いてステップS402に移行する。一方、選択スイッチ83がONではない場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS402において、制御装置9は、ホイル式トラクタ100の走行中においてキャビン8に所定の閾値を越える振動が発生しているか否かを判定する。「所定の閾値を越える振動が発生しているか」は、振動センサ91から取得した振動加速度Gが予め設定した閾値Glよりも大きい(G>Gl)か否かで判定される。ここで、閾値Glは、車体フレーム1やキャビン8の剛性及び構造等に基づいて設計段階で認識可能な振動で、オペレータに不快感を与える程度の大きさの振動である。例えば、オペレータに認識されない程度の大きさの振動は、閾値以下の振動として処理される。
閾値Glを越える振動が発生している場合、続いてステップS403に移行する。一方、振動の大きさが閾値Gl以下である場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS403において、制御装置9は、キャビン8に閾値Glを越える振動が発生している状態が所定の時間以上継続しているか否かを判定する。「所定の時間以上継続しているか否か」は、振動センサ91から時々刻々と取得する振動加速度Gが閾値Glよりも大きい状態が、予め設定した時間T以上にわたって続いているか否かで判定される。ここで、時間Tは、それ以上の時間にわたって振動が継続するとオペレータに不快感を与える程度の時間であり、例えば1秒程度に設定することができる。なお、ホイル式トラクタ100が走行する圃場面の凹凸等に起因する短期間の突発的な振動は、所定の時間Tよりも短い振動として処理される。
閾値Glを超える振動が時間T以上継続して発生している場合、左右の後輪6・6のラグパターンの位相差が小さくなっている(略一致している)可能性があると判断し、その状態を解消するために続いてステップS404に移行する。一方、閾値Glを超える振動が継続する時間がT未満である場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS404において、制御装置9は、ホイル式トラクタ100の走行状態が直進状態であるか否かを判定する。「走行状態が直進状態であるか」は、操向センサ94から取得した回動操作量が予め設定した範囲内にあるか(直進走行中であるとみなすことができる程度に小さいか)否かで判定される。
走行状態が直進状態である場合、ブレーキ装置73・74の制御によって後輪6・6の回転状態を調整するべき状況であると判断し、続いてステップS405に移行する。一方、走行方向が直進状態でない場合、無段変速装置31の制御によって後輪6・6の回転状態を調整するべき状況であると判断し、続いてステップS410に移行する。
ステップS405において、制御装置9は、フラグが「0」または「2」に設定されているか否かを判定する。フラグが「0」または「2」である場合、続いてステップS406に移行し、該ステップS406にてフラグが「1」に変更された後(F=1)、続いてステップS407に移行する。一方、フラグが「0」でも「2」でもない場合、当該制御(片ブレーキをかける処理)を無用に繰り返すことを防止するために、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS407において、制御装置9は、左右いずれか一方の後輪6に制動力を付与するために、ブレーキ装置73またはブレーキ装置74のいずれか一方を一時的に作動させる。より具体的には、例えば左右のうちの左の制動バルブを切り替えて制動シリンダを伸縮作動させることにより、ブレーキ装置73を作動する。左のブレーキ装置73を一時的に作動させることにより、左の後輪6が一時的に制動されて、左の後輪6の回転位相が右の後輪6の回転位相に対して遅角されることとなる。その結果、左右の後輪6・6のラグパターンの位相差が拡大される。
ステップS407により左右の後輪6・6の回転状態を調整した後、続いてステップS408に移行する。
ステップS408において、制御装置9は、キャビン8において発生している振動の大きさが所定の閾値以下に低減されたか否かを判定する。「振動の大きさが所定の閾値以下に低減されたか」は、振動センサ91から取得した振動加速度Gが予め設定した閾値Gl以下(G≦Gl)であるか否かで判定される。
振動が閾値以下に低減されている場合、左右の後輪6・6の回転状態が適宜に調整されたと判断し、左右の後輪6・6のラグパターンの位相差を保持するために、ブレーキ装置73・74の作動を停止し、一連の処理を終了する。一方、振動が閾値以下に低減されていない場合、続いてステップS409に移行する。
ステップS409において、制御装置9は、オペレータによる走行方向の調整(方向補正)が行われている状況であるか否かを判定する。「走行方向の調整が行われているか」は、操向センサ94から取得した回動操作量が予め設定した所定の範囲内にあるか(方向補正が行われている状況ではないとみなすことができる程度に小さいか)否かで判定される。
例えば、ステップS407にて片ブレーキをかける処理が行われた結果、ホイル式トラクタ100の走行方向が想定外の方向へずれてしまった場合、オペレータは、走行方向を元の方向に戻すためにハンドル82の操作を行う。このような場合、走行方向の調整が行われていると判断される。
方向補正が行われている場合、ブレーキ装置73・74の作動状態を制御する処理を続行するべき状況ではないと判断し、一連の処理を終了する。すなわち、ブレーキ装置73・74が自動的に作動することにより方向補正が妨げられることを回避するため、当該制御が中止される。一方、方向補正が行われて場合、さらにブレーキ装置73・74の制御を継続することによって振動を低減し得ると判断し、再度ステップS407を繰り返す。
ステップS410において、制御装置9は、後輪6・6のラグL・L・・・に起因する振動周波数がホイル式トラクタ100の固有振動数の共振発生領域にあるか否かを判定する。「ホイル式トラクタ100の固有振動数の共振発生領域にあるか」は、速度センサ92から取得した走行速度Vに基づいてラグL・L・・・に起因する振動周波数Wを算出するとともに、当該振動周波数Wとホイル式トラクタ100の固有振動数Wnとが近似するか否かで判定される。具体的には、例えばWがWn±0.2km/hの範囲内となる領域((Wn−0.2)≦W≦(Wn+0.2))を、共振発生領域と設定することができる。
振動周波数Wが共振発生領域にある場合、ホイル式トラクタ100の走行速度を増減することにより振動を低減し得ると判断し、ステップS411においてフラグを「2」に変更した後(F=2)、続いてステップS412に移行する。一方、振動周波数Wが共振発生領域にない場合、走行速度を増減しても現在発生している振動を低減しきれないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS412において、制御装置9は、ホイル式トラクタ100の走行速度を減速するために、無段変速装置31を作動させる。より具体的には、油圧アクチュエータ31Aを適宜に作動させることにより油圧ポンプ31Pの斜板角度を調整し、変速比を小さくする。走行速度が減速されることにより、振動周波数Wが固有振動数Wnとは近似しない値となり(WとWnとの差が拡大し)、その結果、キャビン8において発生する振動が低減される。
具体的には、例えば、ホイル式トラクタ100の走行速度Vと、キャビン8内において発生する振動の振動加速度Gと、の相関関係が図6に示す如き関係にある場合、走行速度がVxに近似する値、Vyに近似する値、またはVzに近似する値、のときに振動周波数Wが共振発生領域X・Y・Zとなる。例えば、ホイル式トラクタ100の走行速度がVxのとき、上記の走行速度を減速する制御を行うことにより、振動加速度の値がピーク時のGxから急速に減少し、共振発生領域Xから外れた値(Glよりも小さい値)とすることができる。
ステップS413において、制御装置9は、キャビン8において発生している振動の大きさが所定の閾値以下に低減されたか否かを判定する。「振動の大きさが所定の閾値以下に低減されたか」は、振動センサ91から取得した振動加速度Gが予め設定した閾値Gl以下(G≦Gl)であるか否かで判定される。
振動が閾値以下に低減されている場合、振動を充分に低減できたと判断し、無段変速装置31の変速比を小さくする制御を停止し、一連の処理を終了する。一方、振動が閾値以内に低減されていない場合、続いてステップS414に移行する。
ステップS414において、制御装置9は、ステップS413の処理を行う前後におけるホイル式トラクタ100の速度変化が所定の範囲内か否かを判定する。「速度変化が所定の範囲内か」は、ステップS413の処理を行う直前において速度センサ92から取得した走行速度Vn−1と、ステップS413の処理を行った直後において速度センサ92から取得した走行速度Vと、の差が、予め設定した閾値Vlよりも大きい((Vn−1−V)>Vl)か否かで判定される。ここで、閾値Vlは、速度変化がそれ以上に大きいとオペレータに不快感を与える程度の大きさの振動である。例えば、オペレータの運転フィーリングを害することなく滑らかに減速できる程度の速度変化の場合、閾値以下の速度変化として処理される。
閾値を越える速度変化が発生している場合、無段変速装置31の作動状態を制御する処理を続行するべき状況ではないと判断し、一連の処理を終了する。すなわち、大きな速度変化が発生することによりオペレータの運転フィーリングを損なうことを回避するため、当該処理が中止される。一方、閾値を越える速度変化が発生していない場合、さらに無段変速装置31の作動状態の制御を継続することによって振動を低減し得ると判断し、再度ステップS412を繰り返す。
上記の態様の制御フロー400が実行されることにより、ホイル式トラクタ100においては、左の後輪6に形成されたラグパターンと、右の後輪6に形成されたラグパターンと、の位相差が小さくなった場合に、その状態を迅速に解消することができる。よって、ホイル式トラクタ100の振動を低減することができる。
以上の如く、本発明の第一実施形態に係るホイル式トラクタ100は、一つの観点からみると、エンジン2からの回転動力を受けて駆動される無段変速装置31と、無段変速装置31によって駆動される左右一対の後輪6・6と、後輪6・6を左右独立して制動するブレーキ装置73・74と、ブレーキ装置73・74を制御可能とする制御装置9と、を具備するトラクタ(作業車両)であって、トラクタ本体の振動加速度を検出する振動センサ91をさらに具備するものである。そして、制御装置9は、振動センサ91により取得した振動加速度Gが閾値Glよりも大きい場合(ステップS402、Yes)に左右一対の後輪6・6の回転位相差が小さい状態であると判断し、ブレーキ装置73・74を制御して左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える(ステップS407)ものである。
よって、左の後輪6に形成されたラグパターンと、右の後輪6に形成されたラグパターンと、が同位相となる(位相が略一致した状態となる)可能性を低減できる。したがって、左の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、右の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、が重なり合ってキャビン8に大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。その結果、ホイル式トラクタ100の運転フィーリングを向上させることができる。
また、本発明の第一実施形態に係るホイル式トラクタ100は、別の一つの観点からみると、旋回を行う際に操作するハンドル82と、ハンドル82の操作量を検出する操向センサ94と、を具備するものである。そして、制御装置9は、左右いずれか一方の後輪6に制動力を加えた後に、操向センサ94により取得した操作量が所定の値よりも大きくなった場合(ステップS409、Yes)、左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える制御を中止するものである。
よって、オペレータによる旋回操作や走行方向の補正が開始された場合には、制御フロー400が中止されるので、オペレータは、当該制御により妨げられることなく、ホイル式トラクタ100の走行方向をハンドル82の操作に応じて適宜に調整することができる。
さらに、本発明の第一実施形態に係るホイル式トラクタ100は、別の一つの観点からみると、制御装置9は、左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える際に、操向センサ94により取得した操作量が所定の値よりも大きい場合(ステップS404、No)、左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える制御を禁止する、としたものである。
よって、オペレータによる旋回操作が行われている場合には、制御フロー400(ステップS407)が実行されないので、オペレータの意図に反してブレーキ装置73・74の一方が作動する、といった問題が生じない。
さらに、本発明の第一実施形態に係るホイル式トラクタ100は、別の一つの観点からみると、制御装置9は、左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える際に、操向センサ94により取得した操作量が所定の値よりも大きい場合(ステップS404、No)、無段変速装置31を制御して走行速度を低下させる(ステップS412)、としたものである。
よって、オペレータによる旋回操作が行われている場合において、左の後輪6に形成されたラグパターンと、右の後輪6に形成されたラグパターンと、の位相差が小さくなっている状態を解消できる。よって、左の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、右の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、が重なり合ってキャビン8に大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。また、後輪6・6のラグL・L・・・による振動周波数Wがホイル式トラクタ100本体の固有振動数Wnの共振発生領域にある状況下となることを回避することができ、後輪6・6のラグL・L・・・に起因する振動が、ホイル式トラクタ100全体の振動に与える影響を少なくすることができる。その結果、ホイル式トラクタ100の運転フィーリングを向上させることができる。
以下では、本発明の第二実施形態に係るホイル式トラクタ100について、図7を参照して説明する。なお、第二実施形態に係るホイル式トラクタ100においては、制御フロー400に代えて制御フロー500が実行される点で、第一実施形態とは相違する。
制御フロー500は、(1)ステップS405・S406・S410・S411が実行されない点、並びに、(2)ステップS402とステップS403の間においてステップS501・S502が実行される点で、制御フロー400とは相違する。以下では、制御フロー400と同様のステップについては説明を省略する。
ステップS402において、キャビン8に閾値Glを越える振動が発生している場合、続いてステップS501に移行する。一方、振動の大きさが閾値Gl以下である場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS501において、制御装置9は、後輪6・6のラグL・L・・・に起因する振動周波数がホイル式トラクタ100の固有振動数の共振発生領域にあるか否かを判定する。「ホイル式トラクタ100の固有振動数の共振発生領域にあるか」は、速度センサ92から取得した走行速度Vに基づいてラグL・L・・・に起因する振動周波数Wを算出するとともに、当該振動周波数Wとホイル式トラクタ100の固有振動数Wnとが近似するか否かで判定される。
振動周波数Wが共振発生領域にある場合、続いてステップS502に移行する。一方、振動周波数Wが共振発生領域にない場合、ラグL・L・・・に起因する振動がホイル式トラクタ100全体の振動に与える影響は小さいため、後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
ステップS502において、制御装置9は、左右の後輪6・6の位相(ラグパターンの位相)が略一致している状態であるか否かを判定する。「左右の後輪6・6の位相が略一致しているか」は、回転センサ93から取得した左のドライブシャフト72の回転角度Pと、右のドライブシャフト72の回転角度Pと、の差が0に近似するか否かで判定される。具体的には、例えばPとPの差が3°以内である場合(−3°≦(P−P)≦+3°)を、位相が略一致している状態と設定することができる。
左右の後輪6・6の位相が略一致している場合、後輪6・6の回転状態を調整する必要があると判断し、続いてステップS403に移行する。一方、左右の後輪6・6の位相が異なる場合、後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
以上の如く、本発明の第二実施形態に係るホイル式トラクタ100は、一つの観点からみると、後輪6・6の回転位相を検出する回転センサ93を具備するものである。そして、制御装置9は、回転センサ93により取得した回転位相から算出した左右一対の後輪6・6の回転位相差が所定の範囲内にある場合(ステップS502、Yes)にブレーキ装置73・74を制御して左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える(ステップS407)ものである。
このように、回転センサ93を用いることにより、位相差を拡大する制御(制御フロー500)を実行するべき状況を適切に把握することができる。
また、本発明の第二実施形態に係るホイル式トラクタ100は、別の一つの観点からみると、トラクタ本体の走行速度を検出する速度センサ92を具備するものである。そして、制御装置9は、速度センサ92により取得した走行速度から算出した後輪6・6のラグL・L・・・による振動周波数Wが、トラクタ本体の固有振動数Wnの共振発生領域X・Y・Zにあると判断した場合(ステップS501、Yes)にのみ、左右いずれか一方の後輪6に制動力を加える制御を行う(ステップS407)ものである。
よって、後輪6・6のラグL・L・・・に起因する振動が、ホイル式トラクタ100全体の振動に大きく影響する状況下に限り、制御フロー500(ステップS407)が実行される。つまり、ブレーキ装置73・74を作動させる期間を極力短くすることができるから、当該制御の実行によりホイル式トラクタ100の操向操作性を損なう虞が軽減される。
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、上記の実施形態に代えて以下の構成とすることも可能である。
上記の実施形態においては、ホイル式トラクタ100の4つのタイヤのうち、後輪6・6についてのみ制御フロー400(左右のタイヤの位相差を拡大する制御)を実行するものとした。しかしながら、この構成に代えて、前輪4・4及び後輪6・6の両方について、左右のタイヤの位相差を拡大する制御を実行するものとしてもよい。
2 エンジン
6 後輪(タイヤ)
9 制御装置
31 無段変速装置(変速装置)
73 ブレーキ装置(左のブレーキ装置)
74 ブレーキ装置(右のブレーキ装置)
91 振動センサ
100 ホイル式トラクタ
L ラグ(タイヤのラグ)

Claims (8)

  1. エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、
    前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、
    前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、
    前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、
    作業車両本体の振動加速度を検出する振動センサをさらに具備し、
    前記制御装置は、前記振動センサにより取得した振動加速度が所定の値よりも大きい場合に左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が小さい状態であると判断し、前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたことを特徴とする作業車両。
  2. エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、
    前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、
    前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、
    前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、
    前記タイヤまたはクローラの回転位相を検出する回転センサをさらに具備し、
    前記制御装置は、前記回転センサにより取得した回転位相から算出した左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が所定の範囲内にある場合に前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたことを特徴とする作業車両。
  3. エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、
    前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、
    前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、
    前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、
    作業車両本体の振動加速度を検出する振動センサと、
    前記タイヤまたはクローラの回転位相を検出する回転センサと、をさらに具備し、
    前記制御装置は、前記振動センサにより取得した振動加速度が所定の値よりも大きく、かつ、前記回転センサにより取得した回転位相から算出した左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が所定の範囲内にある場合に、前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたことを特徴とする作業車両。
  4. 前記作業車両本体の走行速度を検出する速度センサをさらに具備し、
    前記制御装置は、前記速度センサにより取得した走行速度から算出した前記タイヤまたはクローラのラグによる振動周波数が、前記作業車両本体の固有振動数の共振発生領域にあると判断した場合にのみ、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を行う、としたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車両。
  5. 旋回を行う際に操作する操向操作具と、
    前記操向操作具の操作量を検出する操向センサと、をさらに具備し、
    前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加えた後に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きくなった場合、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を中止する、としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両。
  6. 旋回を行う際に操作する操向操作具と、
    前記操向操作具の操作量を検出する操向センサと、をさらに具備し、
    前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える際に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きい場合、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を禁止する、としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両。
  7. 前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える際に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きい場合、前記変速装置を制御して走行速度を低下させる、としたことを特徴とする請求項6に記載の作業車両。
  8. 左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を行うか否かを選択できる選択スイッチをさらに具備し、前記制御装置は、前記選択スイッチが入状態である場合に限り前記ブレーキ装置または前記変速装置の制御を行う、としたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の作業車両。
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