JP5620225B2 - 作業車両 - Google Patents
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- B62D11/08—Steering non-deflectable wheels; Steering endless tracks or the like by differentially driving ground-engaging elements on opposite vehicle sides by means of a single main power source using brakes or clutches as main steering-effecting means
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Description
ここで、「振動センサ」には、振動加速度を直接的に検出するものだけではなく、振動加速度を間接的に検出するものも含まれる。すなわち、例えば作業車両本体の振動速度を検出するセンサ、及び、作業車両本体で発生している振動の振幅の変位を検出するセンサは、本発明に係る「振動センサ」に含まれる。
したがって、作業車両本体の振動加速度が所定の値よりも大きい場合には、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であると判断し、左右いずれか一方のタイヤまたはクローラに制動力を加えて当該位相差を拡大するように調整することができる。換言すれば、左右のタイヤまたはクローラのいずれか一方に制動力を一時的に加える(片ブレーキをかける)ことにより、位相差を拡大することができる。
ここで、「回転位相差が所定の範囲内にある場合」とは、左のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンの位相と、右のタイヤまたはクローラに形成されたラグパターンの位相と、の位相差がほとんどない(0に近い)場合を指す。
したがって、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であるとして回転センサにより検出された場合には、左右いずれか一方のタイヤまたはクローラに制動力を加えて当該位相差を拡大するように調整することができる。換言すれば、左右のタイヤまたはクローラのいずれか一方に制動力を一時的に加える(片ブレーキをかける)ことにより、位相差を拡大することができる。
したがって、作業車両の振動加速度が所定の値よりも大きい場合であるとして振動センサにより検出され、かつ、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であるとして回転センサにより検出された場合には、左右いずれか一方のタイヤまたはクローラに制動力を加えて当該位相差を拡大するように調整することができる。
したがって、上記の位相差を拡大する制御は、作業車両の走行速度から算出したタイヤまたはクローラのラグによる振動周波数が作業車両の固有振動数の共振発生領域にある状況下に限り、実行される。
したがって、上記の位相差を拡大する制御が実行されている場合において、所定の操作量以上の旋回操作が開始されたことが操向センサにより検出された場合には、当該制御が中止される。
したがって、上記の位相差を拡大する制御は、所定の操作量以上の旋回操作が行われている場合であるとして操向センサにより検出された場合には、実行されない。
したがって、左右のタイヤまたはクローラのラグパターンの位相差が小さい状態であるとして振動センサまたは回転センサにより検出され、かつ、所定の操作量以上の旋回操作が行われている場合であるとして操向センサにより検出された場合には、作業車両(機体)の走行速度が低下される。
したがって、上記の位相差を拡大する制御は、選択スイッチがONに設定されている場合に限り実行される。
なお、本実施形態においては、後輪6・6と、該後輪6・6が取り付けられるホイルと、にはそれぞれマークが付されており、対応するマークを合わせて位置決めすることにより、後輪6・6とホイル(ひいてはドライブシャフト72・72)の位相を合わせることができる構成となっている。
なお、本実施形態の制御フロー400では、フラグを利用した制御が実行されている。制御フロー400の実行前においては、フラグが初期値である「0」に設定されている(F=0)。
選択スイッチ83がONである場合、続いてステップS402に移行する。一方、選択スイッチ83がONではない場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
閾値Glを越える振動が発生している場合、続いてステップS403に移行する。一方、振動の大きさが閾値Gl以下である場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
閾値Glを超える振動が時間T以上継続して発生している場合、左右の後輪6・6のラグパターンの位相差が小さくなっている(略一致している)可能性があると判断し、その状態を解消するために続いてステップS404に移行する。一方、閾値Glを超える振動が継続する時間がT未満である場合、左右の後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
走行状態が直進状態である場合、ブレーキ装置73・74の制御によって後輪6・6の回転状態を調整するべき状況であると判断し、続いてステップS405に移行する。一方、走行方向が直進状態でない場合、無段変速装置31の制御によって後輪6・6の回転状態を調整するべき状況であると判断し、続いてステップS410に移行する。
ステップS407により左右の後輪6・6の回転状態を調整した後、続いてステップS408に移行する。
振動が閾値以下に低減されている場合、左右の後輪6・6の回転状態が適宜に調整されたと判断し、左右の後輪6・6のラグパターンの位相差を保持するために、ブレーキ装置73・74の作動を停止し、一連の処理を終了する。一方、振動が閾値以下に低減されていない場合、続いてステップS409に移行する。
例えば、ステップS407にて片ブレーキをかける処理が行われた結果、ホイル式トラクタ100の走行方向が想定外の方向へずれてしまった場合、オペレータは、走行方向を元の方向に戻すためにハンドル82の操作を行う。このような場合、走行方向の調整が行われていると判断される。
方向補正が行われている場合、ブレーキ装置73・74の作動状態を制御する処理を続行するべき状況ではないと判断し、一連の処理を終了する。すなわち、ブレーキ装置73・74が自動的に作動することにより方向補正が妨げられることを回避するため、当該制御が中止される。一方、方向補正が行われて場合、さらにブレーキ装置73・74の制御を継続することによって振動を低減し得ると判断し、再度ステップS407を繰り返す。
振動周波数Wが共振発生領域にある場合、ホイル式トラクタ100の走行速度を増減することにより振動を低減し得ると判断し、ステップS411においてフラグを「2」に変更した後(F=2)、続いてステップS412に移行する。一方、振動周波数Wが共振発生領域にない場合、走行速度を増減しても現在発生している振動を低減しきれないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
具体的には、例えば、ホイル式トラクタ100の走行速度Vと、キャビン8内において発生する振動の振動加速度Gと、の相関関係が図6に示す如き関係にある場合、走行速度がVxに近似する値、Vyに近似する値、またはVzに近似する値、のときに振動周波数Wが共振発生領域X・Y・Zとなる。例えば、ホイル式トラクタ100の走行速度がVxのとき、上記の走行速度を減速する制御を行うことにより、振動加速度の値がピーク時のGxから急速に減少し、共振発生領域Xから外れた値(Glよりも小さい値)とすることができる。
振動が閾値以下に低減されている場合、振動を充分に低減できたと判断し、無段変速装置31の変速比を小さくする制御を停止し、一連の処理を終了する。一方、振動が閾値以内に低減されていない場合、続いてステップS414に移行する。
閾値を越える速度変化が発生している場合、無段変速装置31の作動状態を制御する処理を続行するべき状況ではないと判断し、一連の処理を終了する。すなわち、大きな速度変化が発生することによりオペレータの運転フィーリングを損なうことを回避するため、当該処理が中止される。一方、閾値を越える速度変化が発生していない場合、さらに無段変速装置31の作動状態の制御を継続することによって振動を低減し得ると判断し、再度ステップS412を繰り返す。
よって、左の後輪6に形成されたラグパターンと、右の後輪6に形成されたラグパターンと、が同位相となる(位相が略一致した状態となる)可能性を低減できる。したがって、左の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、右の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、が重なり合ってキャビン8に大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。その結果、ホイル式トラクタ100の運転フィーリングを向上させることができる。
よって、オペレータによる旋回操作や走行方向の補正が開始された場合には、制御フロー400が中止されるので、オペレータは、当該制御により妨げられることなく、ホイル式トラクタ100の走行方向をハンドル82の操作に応じて適宜に調整することができる。
よって、オペレータによる旋回操作が行われている場合には、制御フロー400(ステップS407)が実行されないので、オペレータの意図に反してブレーキ装置73・74の一方が作動する、といった問題が生じない。
よって、オペレータによる旋回操作が行われている場合において、左の後輪6に形成されたラグパターンと、右の後輪6に形成されたラグパターンと、の位相差が小さくなっている状態を解消できる。よって、左の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、右の後輪6のラグL・L・・・に起因する振動と、が重なり合ってキャビン8に大きな振動及び騒音が発生することを抑制できる。また、後輪6・6のラグL・L・・・による振動周波数Wがホイル式トラクタ100本体の固有振動数Wnの共振発生領域にある状況下となることを回避することができ、後輪6・6のラグL・L・・・に起因する振動が、ホイル式トラクタ100全体の振動に与える影響を少なくすることができる。その結果、ホイル式トラクタ100の運転フィーリングを向上させることができる。
振動周波数Wが共振発生領域にある場合、続いてステップS502に移行する。一方、振動周波数Wが共振発生領域にない場合、ラグL・L・・・に起因する振動がホイル式トラクタ100全体の振動に与える影響は小さいため、後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
左右の後輪6・6の位相が略一致している場合、後輪6・6の回転状態を調整する必要があると判断し、続いてステップS403に移行する。一方、左右の後輪6・6の位相が異なる場合、後輪6・6の回転状態を調整する必要がないと判断し、STARTに戻ってステップS401の処理を再度行う。
このように、回転センサ93を用いることにより、位相差を拡大する制御(制御フロー500)を実行するべき状況を適切に把握することができる。
よって、後輪6・6のラグL・L・・・に起因する振動が、ホイル式トラクタ100全体の振動に大きく影響する状況下に限り、制御フロー500(ステップS407)が実行される。つまり、ブレーキ装置73・74を作動させる期間を極力短くすることができるから、当該制御の実行によりホイル式トラクタ100の操向操作性を損なう虞が軽減される。
6 後輪(タイヤ)
9 制御装置
31 無段変速装置(変速装置)
73 ブレーキ装置(左のブレーキ装置)
74 ブレーキ装置(右のブレーキ装置)
91 振動センサ
100 ホイル式トラクタ
L ラグ(タイヤのラグ)
Claims (8)
- エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、
前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、
前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、
前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、
作業車両本体の振動加速度を検出する振動センサをさらに具備し、
前記制御装置は、前記振動センサにより取得した振動加速度が所定の値よりも大きい場合に左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が小さい状態であると判断し、前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたことを特徴とする作業車両。 - エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、
前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、
前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、
前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、
前記タイヤまたはクローラの回転位相を検出する回転センサをさらに具備し、
前記制御装置は、前記回転センサにより取得した回転位相から算出した左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が所定の範囲内にある場合に前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたことを特徴とする作業車両。 - エンジンからの回転動力を受けて駆動される変速装置と、
前記変速装置によって駆動される左右一対のタイヤまたはクローラと、
前記タイヤまたはクローラを左右独立して制動するブレーキ装置と、
前記ブレーキ装置を制御可能とする制御装置と、を具備する作業車両であって、
作業車両本体の振動加速度を検出する振動センサと、
前記タイヤまたはクローラの回転位相を検出する回転センサと、をさらに具備し、
前記制御装置は、前記振動センサにより取得した振動加速度が所定の値よりも大きく、かつ、前記回転センサにより取得した回転位相から算出した左右一対の前記タイヤまたはクローラの回転位相差が所定の範囲内にある場合に、前記ブレーキ装置を制御して左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える、としたことを特徴とする作業車両。 - 前記作業車両本体の走行速度を検出する速度センサをさらに具備し、
前記制御装置は、前記速度センサにより取得した走行速度から算出した前記タイヤまたはクローラのラグによる振動周波数が、前記作業車両本体の固有振動数の共振発生領域にあると判断した場合にのみ、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を行う、としたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車両。 - 旋回を行う際に操作する操向操作具と、
前記操向操作具の操作量を検出する操向センサと、をさらに具備し、
前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加えた後に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きくなった場合、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を中止する、としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両。 - 旋回を行う際に操作する操向操作具と、
前記操向操作具の操作量を検出する操向センサと、をさらに具備し、
前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える際に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きい場合、左右いずれか一方の該タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を禁止する、としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両。 - 前記制御装置は、左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える際に、前記操向センサにより取得した操作量が所定の値よりも大きい場合、前記変速装置を制御して走行速度を低下させる、としたことを特徴とする請求項6に記載の作業車両。
- 左右いずれか一方の前記タイヤまたはクローラに制動力を加える制御を行うか否かを選択できる選択スイッチをさらに具備し、前記制御装置は、前記選択スイッチが入状態である場合に限り前記ブレーキ装置または前記変速装置の制御を行う、としたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の作業車両。
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