以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略斜視図、図3はその遊技機の概略ブロック図、図4はその遊技機の演出制御基板の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、本体部1と、その本体部1の前面側に開閉可能に設けられたドア部2とを有する。図1はそのドア部2を正面から見たときの回胴式遊技機を示しており、図2はそのドア部2が開けられた状態の回胴式遊技機を示している。かかる回胴式遊技機は、図1乃至図4に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、精算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、ドア部開閉スイッチ71と、開閉状況確認ボタン81と、開閉状況確認ボタン操作検出センサ82と、電源ユニット90と、主制御基板110と、演出制御基板120と、サブ中継基板160とを備える。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが並べて配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板110により行われる。尚、主制御基板110は、各回胴リール11a,11b,11cが表示窓12内の所定の位置に表示している図柄をステッピングモータのステップ数で把握することが可能であり、かかる表示図柄の把握には公知の方法が用いられる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、青色の数字「7」図柄(青7図柄)、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。この表示窓12は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に回胴リールの回転方向に沿って三つの図柄を、その回転方向に直交する方向に沿って三つの図柄を表示することができる。すなわち、遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄(合計九つの図柄)を目視することができる。
回胴式遊技機では、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるというゲーム(遊技)が行われる。すなわち、三つの回胴リール11a,11b,11cが回転を開始した後に三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが表示窓12に停止表示されれば、ゲームの結果は当該役の入賞となる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる投入メダル検出センサ61からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。主制御基板110は、ゲームの結果が所定の役の入賞になると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
本実施形態の回胴式遊技機では、メダルを1枚、2枚又は3枚投入することにより、一回のゲームを行うことができる。1枚、2枚又は3枚のメダルを投入することは、ゲームを行うための条件である。このため、遊技者は、ゲームを行う際に、1枚、2枚又は3枚のメダルをメダル投入口13から投入するか、或いは、現在のメダルのクレジット数からメダル1枚分、メダル2枚分又はメダル3枚分のクレジット数を使用しなければならない。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、クレジットされているメダルの中から1枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、クレジットされているメダルの中から2枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。
MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各ボタン操作検出センサ62,63からの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる検出信号を受けると、何枚のメダルを使用してゲームを行うのかを認識すると共に、現在のクレジット数からその認識したメダル枚数分のクレジット数を減算し、その減算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームに使用するメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板110に送る。主制御基板110は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号が送られて、ゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されていることを認識しているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板110は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。このように、スタートレバー18は、三つの回胴リール11a,11b,11cの変動表示動作を開始する契機を与える変動指示手段としての役割を果たしている。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。すなわち、各停止ボタン19a,19b,19cは、当該回胴リールが停止表示する契機を与える停止指示手段としての役割を果たす。また、第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚使用してゲームを行うかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。1枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。2枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、3枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄の組合せが揃えば、ゲームの結果はその組合せに対応する役の入賞となる。
役の種類には、ベル小役と、チェリー小役と、スイカ小役と、リプレイ役(再遊技役)と、ビッグボーナス(BB)と、チャレンジタイムビッグボーナス(CT)とがある。このうち、ベル小役、チェリー小役及びスイカ小役は、小当りである小役と称されるものである。主制御基板110による役の抽選処理によりベル小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、ベル小役の入賞となる。また、主制御基板110による役の抽選処理によりチェリー小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄を有効な入賞ライン上に停止表示させることが可能になる。そして、チェリー図柄・任意の図柄・任意の図柄という図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うと、チェリー小役の入賞となる。更に、主制御基板110による役の抽選処理によりスイカ小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、スイカ小役の入賞となる。このように小役に入賞すると、当該小役の種類に応じて所定枚数のメダルが払い出される。
また、主制御基板110による役の抽選処理によりリプレイ役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのリプレイ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、リプレイ役の入賞となる。リプレイ役に入賞すると、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームで使用したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されたものとみなされ、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイ役はメダルの払出しがないことから、リプレイ役を小役に含めていないが、次のゲームのための新たなメダルの投入操作が不要なので、そのゲームに使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイ役を小役として取扱うことも可能である。
BB及びCTは、いわゆるボーナスと称される大役である。主制御基板110による役の抽選処理によりBBに当選すると、遊技者は、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、BBの入賞となる。BBに入賞すると、回胴式遊技機では、BBゲームが実行される。BBゲームでは、小役の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板110による役の抽選処理によりCTに当選すると、遊技者は、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTの入賞となる。CTに入賞すると、回胴式遊技機では、CTゲームが実行される。CTゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。このCTゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば150枚を超えたときに終了する。
払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板110により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が精算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構を利用してメダルを一枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板110により制御される。
画像表示部(表示手段)30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図3に示すように、液晶パネル31と、液晶制御基板32とを有する。液晶パネル31は表示窓12の上側中央に配置されている。液晶制御基板32は液晶パネル31を制御するものである。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を液晶パネル31の画面に変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の演出制御は、主制御基板110からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板120により行われる。また、画像表示部30は、ドア部2の開閉状況を示すドア部開閉状況管理情報を表示する。このドア部開閉状況管理情報の表示は、開閉状況確認ボタン81が押されたときに演出制御基板120により行われる。尚、ドア部開閉状況管理情報の内容については後に詳述する。
電飾表示部40は、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode)を用いている。かかる電飾表示部40は、図1に示すように、前扉の裏側であってその外周の各部に設けられている。この電飾表示部40の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。
ここで、演出制御基板120は、サブ中継基板160を介して画像表示部30に信号を送信すると共に、サブ中継基板160を介して電飾表示部40に信号を送信している。すなわち、サブ中継基板160は、演出制御基板120からの信号送信を中継する役割を果たす。このサブ中継基板160は、図2に示すように、ドア部2の裏側中央に設けられている。
スピーカ部50は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。かかるスピーカ部50は、図1、図2及び図3に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、ドア部2の裏側上部の左側、右側に設けられている。また、背面スピーカ53は本体部1の背面側に設けられている。
電源ユニット(電源供給手段)90は、外部から供給される交流の電圧100Vの電力を直流の各種電圧に変換して、各部に外部電力を供給するものである。ここで、各部には、本遊技機を構成し、電力の供給を必要とする全ての部品及びユニットが該当する。この電源ユニット90は、図2に示すように、本体部1の左側下部に配置されている。電源ユニット90には電源スイッチ91が設けられている。この電源スイッチ91は、電源ユニット90のオン状態、オフ状態を切り替えるものである。電源スイッチ91がオンされると、電源ユニット90がオン状態になり、電源ユニット90から各部に外部電力が供給されて、回胴式遊技機は動作を開始することになる。具体的に、電源ユニット90から各部への電力供給は、主制御基板110を経由して行われる。電源ユニット90は、電源スイッチ91がオンされたときに、遊技機外から供給される外部電力の供給を開始する旨の電源投入信号を主制御基板110に出力すると共に、各部への電力供給を開始してオン状態となる。一方、電源ユニット90は、電源スイッチ91がオフされたときに、外部電力の供給を停止する旨の電源遮断信号を主制御基板110に出力すると共に、各部への電力供給を停止してオフ状態となる。尚、図3及び図4では、各部が出力する信号線のみを示しており、電源ユニット90が各部に供給する外部電力の電力線については省略して示している。
ドア部開閉スイッチ71は、ドア部2の開閉に応じて自動的にオン・オフされる機械式のスイッチである。例えば、ドア部開閉スイッチ71としては、機械的な動作で電気回路を開閉する機能をもつリミットスイッチ等が用いられる。このドア部開閉スイッチ71は、図2に示すように、ドア部2の所定の端部に対向する本体部2に設けられている。また、ドア部開閉スイッチ71は、演出制御基板120に形成されたドア部開閉信号生成回路に接続されている。このドア部開閉信号生成回路については後に詳述する。尚、ドア部開閉スイッチ71及びドア部開閉信号生成回路が本発明の異常検出手段に該当する。
開閉状況確認ボタン(表示指示手段)81は、ドア部開閉状況管理情報を画像表示部30の液晶パネル31に表示する旨を指示するためのものである。この開閉状況確認ボタン81は、図2に示すように、ドア部2の裏側に設けられたサブ中継基板160上に設けられている。また、開閉状況確認ボタン操作検出センサ82は、開閉状況確認ボタン81が押されたことを検出するものである。開閉状況確認ボタン操作検出センサ82からの検出信号は、演出制御基板120に送られる。演出制御基板120は、開閉状況確認ボタン操作検出センサ82からの検出信号を受け取ると、画像表示部30を制御して、ドア部開閉状況管理情報を液晶パネル31に表示させる。
次に、主制御基板110について説明する。主制御基板110は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板110は、図3に示すように、乱数発生手段111と、ROM(read-only memory)112と、RAM(random access memory)113と、CPU(central processing unit)114と、第一バックアップ電源115とを備える。ROM112には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM113は、遊技の制御に用いられる複数の遊技データを一時的に記憶する作業用のメモリである。遊技データとしては、例えば、投入メダル数に関する遊技データ、メダルのクレジット数に関する遊技データ、遊技状態に関する遊技データ等がある。
第一バックアップ電源115は、電源ユニット90がオフ状態のときに、RAM113に記憶されている各種のデータを保持するためにRAM113に電力を供給するものである。ここで、第一バックアップ電源115は、例えば電圧3Vのバックアップ電力をRAM113に供給する。このため、電源ユニット90の電源スイッチ91をオフにした後に電源スイッチ91をオンにすると、回胴式遊技機は電源オフ時の状態に復帰することになる。尚、第一バックアップ電源115は、電源ユニット90がオン状態のときに、その電源ユニット90から供給される外部電力により充電される。
CPU114は、ROM112に格納されたプログラムを実行することにより、複数の遊技データを更新しながら当該複数の遊技データに基づいて遊技内容の制御等を行う。具体的に、CPU114は、乱数値に基づく役抽選処理を行う役抽選手段としての役割と、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、遊技状態の管理、演出制御基板120へのコマンドの送信処理等を行う遊技制御手段としての役割とを果たす。
まず、遊技状態の管理について説明する。CPU114は、ゲームが開始されたときに行われる役抽選の結果やそのゲームの結果等に基づいて遊技状態の移行を制御する。そして、CPU114は、現在の遊技状態の内容を、遊技状態に関する遊技データで管理している。この遊技状態に関する遊技データはRAM113に記憶される。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技状態として、「一般遊技状態」、「BB内部中状態」、「CT内部中状態」、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。「一般遊技状態」とは、通常のゲームを行う通常の遊技状態のことである。かかる通常のゲームでは、役抽選により小役に当選し、そのゲームにおいて当該小役に入賞すると、メダルの獲得が可能である。遊技機が一般遊技状態にある場合、乱数値に基づく役抽選によりBBに当選すると、CPU114は直ちに遊技状態を一般遊技状態からBB内部中状態に移行させ、また、CTに当選すると、CPU114は直ちに遊技状態を一般遊技状態からCT内部中状態に移行させる。
「BB内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、BB内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技機がBB内部中状態にある場合、三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CPU114は直ちに遊技状態をBB内部中状態からBB遊技状態に移行させる。また、「CT内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、CT内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技機がCT内部中状態にある場合、三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CPU114は直ちに遊技状態をCT内部中状態からCT遊技状態に移行させる。
「BB遊技状態」は、小役の当選確率が飛躍的に向上したBBゲームが行われることにより遊技者が最も多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。BBゲームは、メダルの累積払出枚数が345枚を超えたときに終了する。そして、BBゲームが終了すると、CPU114は直ちに遊技状態をBB遊技状態から一般遊技状態に移行させる。また、「CT遊技状態」は、CTゲームが行われることによりBB遊技状態に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。CTゲームは、メダルの累積払出枚数が150枚を超えたときに終了する。そして、CTゲームが終了すると、CPU114は直ちに遊技状態をCT遊技状態から一般遊技状態に移行させる。このように回胴式遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
次に、乱数値に基づく役の抽選処理を説明する。乱数発生手段111は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU114に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段111として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段111の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。かかる乱数発生手段111は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号が送られたときに、乱数値を取得する。その乱数値はCPU114に送られ、CPU114はその送られた乱数値に基づいて役の抽選処理を行う。
役の抽選処理は所定の役抽選テーブルを用いて行われる。かかる役抽選テーブルは、各種の役に対応する乱数値の範囲を当該役の抽選確率に応じて定めたものであり、遊技状態毎に設けられている。各役抽選テーブルはROM112に格納されている。各役抽選テーブルにおいては、0から65535までの合計65536個の全数値データが、各種の役や、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に振り分けられている。CPU114は、乱数発生手段111から送られた乱数値が、役抽選テーブルにおいていずれの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。CPU114は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板120に送ったりする。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理を説明する。CPU114は、遊技の制御の一つとして、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU114のリール制御には、リール駆動開始制御、リール駆動停止制御がある。リール駆動開始制御とは、所定枚数のメダルが投入されることを条件に、スタートレバー18が押下されたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動動作を開始させる制御である。また、リール駆動停止制御とは、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押されたときに、当該回胴リールの駆動を停止させる制御である。ここで、CPU114は、各ゲームにおいて、そのゲームの開始の際に役抽選により決定された役の入賞を許容するように、リール駆動停止制御を行う。但し、役抽選で決定された役が大役である場合には、その決定が行われたときから当該大役に入賞するまでゲームの結果が当該大役の入賞となることを許容するようにリール駆動停止制御を行う。
また、リール駆動停止制御には、小役、リプレイ役、大役のいずれかの役に当選した場合に行われるリール引込み制御、不当選に当選した場合に行われる外れ制御等が含まれる。リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役に入賞することはない。
一方、外れ制御とは、有効な入賞ラインには小役、リプレイ役、大役のいずれの役も成立しないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が小役、リプレイ役、大役のいずれかの役を狙って停止ボタンを押したとしても、当該役には入賞せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU114は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU114が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けて、1枚、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことをすでに認識していれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板120へのコマンド送信処理について説明する。CPU114から演出制御基板120に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。CPU114は、これらのコマンドを演出制御基板120に送信することにより、演出制御基板120に様々な情報を伝えて、演出制御基板120を制御している。
CPU114は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の役抽選処理を行うと共に、その役抽選の結果に応じた演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板120に出力する。この演出コマンドの内容は役抽選の結果等を示すものであり、演出制御基板120はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。
また、CPU114は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを生成し、その生成した操作コマンドを演出制御基板120に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが生成される。
更に、CPU114は、電源ユニット90から電源遮断信号を受け取ったときに、外部電力の供給を停止する旨の電源遮断コマンドを生成し、その生成した電源遮断コマンドを演出制御基板120に送信する。一方、CPU114は、電源ユニット90から電源投入信号を受け取ったときに、外部電力の供給を開始する旨の電源投入コマンドを生成し、その生成した電源投入コマンドを演出制御基板120に送信する。
次に、演出制御基板120について説明する。演出制御基板120は、主に遊技の演出に関する制御を行うものである。演出制御基板120は、図4に示すように、ROM(read-only memory)121と、RAM(random access memory)122と、CPU(central processing unit)123と、第二バックアップ電源124と、ドア部開閉信号生成回路131と、時計モジュール141とを有する。CPU123は、ROM121、RAM122、ドア部開閉信号生成回路131及び時計モジュール141と接続されている。また、ドア部開閉信号生成回路131は、CPU123と接続されていると共に、時計モジュール141とも後述する専用の入力端子143b(図6参照)を介して接続されている。更に、第二バックアップ電源124は、RAM122、ドア部開閉信号生成回路131及び時計モジュール141と電力線で接続されている。尚、図4では、第二バックアップ電源124がRAM122、ドア部開閉信号生成回路131及び時計モジュール141に電力を供給するための電力線については省略して示している。
ROM121には、遊技演出の制御等に関する各種のプログラムの他に、電飾表示部40を制御するための複数の電飾演出用パターンデータや、スピーカ部50を制御するための複数の音声演出用パターンデータ等の各種のデータが格納されている。RAM122は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。このRAM122には、例えば、時計モジュール141から送られたドア部開閉情報や電源オン・オフ情報が記憶される。これらの情報の内容については後述する。
第二バックアップ電源124は、電源ユニット90が各部に外部電力を供給しないオフ状態にあるときに、RAM122に記憶されている各種のデータを保持するためにRAM122に電力を供給すると共に時計モジュール141を常時駆動させるために時計モジュール141に電力を供給するものである。ここで、第二バックアップ電源124は、例えば電圧3Vのバックアップ電力をRAM122、時計モジュール141に供給する。第二バックアップ電源124は、電源ユニット90が各部に外部電力を供給するオン状態にあるときに、その電源ユニット90から供給される外部電力により充電される。第二バックアップ電源124は、この充電された電力を使って、RAM122及び時計モジュール141に電力を供給するのである。また、第二バックアップ電源124は、電源ユニット90がオン状態であるかオフ状態であるかにかかわらず、常時、ドア部開閉信号生成回路131に電力を供給する。尚、この第二バックアップ電源124は本発明のバックアップ電源手段に該当する。
具体的に、第二バックアップ電源124は、図4に示すように、入力部124aと、出力部124bと、抵抗124cと、ダイオード124dと、二次電池124eとを有する。入力部124aには、電源ユニット90からの外部電力が入力する。ここで、電源ユニット90からの外部電力の電圧Vddは例えば3.3Vである。入力部124aは抵抗124cを介してダイオード124dのアノードに接続されている。出力部124bはダイオード124dのカソードに接続されている。また、二次電池124eの陽極はダイオード124dのカソードと出力部124bとの間の電力線に接続され、二次電池124eの陰極は接地されている。電源ユニット90がオン状態にあるときには、電源ユニット90からの外部電力はダイオード124dで電圧降下して、例えば電圧3V(=Vb)のバックアップ電力として出力部124bから出力される。また、このとき、二次電池124eは、電源ユニット90からの外部電力により充電される。ここで、抵抗124cは、充電電流制限抵抗としての役割を果たしている。一方、電源ユニット90がオフ状態にあるときには、充電された二次電池124eからの電圧3V(=Vb)のバックアップ電力が出力部124bから出力される。このように、第二バックアップ電源124は、電源ユニット90がオン状態であるかオフ状態であるかにかかわらず、常時、電圧3Vのバックアップ電力を出力する。
CPU123は、ROM121に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行う。すなわち、CPU123は、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する演出制御手段としての役割を果たす。具体的に、CPU123は、主制御基板110から演出コマンドを受けたとき、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。そして、CPU123は、その決定した演出内容に対応する画像演出制御用コマンドを作成し、液晶制御基板32に送出する。これにより、液晶制御基板32は、その画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御する。また、CPU123は、その決定した演出内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM121から読み出した後、その電飾演出用パターンデータに基づいて所定の点灯指令信号を生成する。そして、CPU123がその生成した点灯指令信号を電飾表示部40に送出すると、電飾表示部40はその点灯指令信号に基づいて所定の点灯表示を行う。更に、CPU123は、その決定した演出内容に対応する音声演出用パターンデータをROM121から取得し、その取得した音声演出用パターンデータに基づいてスピーカ部50を制御する。
また、CPU123は、主制御基板110から電源遮断コマンドを受け取ったときに、電源遮断コマンドを時計モジュール141に送信する処理を行い、一方、主制御基板110から電源投入コマンドを受け取ったときに、電源投入コマンドを時計モジュール141に送信する処理を行う。ここで、CPU123が電源投入コマンドを時計モジュール141に送信すると、後述するように、ドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報が時計モジュール141からCPU123に送られてくる。CPU123は、かかるドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報を受け取ると、それらの情報をRAM122に記憶する。
ドア部開閉情報は、ドア部2が開けられたときの日付及び時刻を示す開日時情報と、ドア部2が閉じられたときの日付及び時刻を示す閉日時情報とを含むものである。また、電源オン・オフ情報は、電源ユニット90の電源スイッチ91がオンされたときの日付及び時刻を示すオン日時情報と、電源ユニット90の電源スイッチ91がオフされたときの日付及び時刻を示すオフ日時情報とを含むものである。ここで、開日時情報、閉日時情報、オン日時情報、オフ日時情報としてはそれぞれ、当該日付及び時刻を年・月・日・時・分・秒で表した情報を用いている。尚、厳密に言うと、開日時情報は、ドア部2が開けられた旨を示す情報(異常情報)と、そのときの日時情報(時刻情報)とから構成され、閉日時情報は、ドア部2が閉じられた旨を示す情報(異常情報)と、そのときの日時情報(時刻情報)とから構成されている。そして、オン日時情報は、電源スイッチ91がオンされた旨を示す情報と、そのときの日時情報とから構成され、オフ日時情報は、電源スイッチ91がオフされた旨を示す情報と、そのときの日時情報とから構成されている。
更に、CPU123は、ドア部開閉状況管理情報を生成する処理を行う。このドア部開閉状況管理情報には、ドア部開閉情報が含まれる。すなわち、ドア部開閉状況管理情報は、ドア部2が開閉されたときの日時情報(開日時情報、閉日時情報)と、そのときに供給されている電力が外部電力であるかバックアップ電力であるかを示す供給電力識別情報とを関係付けたものである。具体的に、CPU123は、電源ユニット90が各部に電力を供給するオン状態にある場合、開閉状況確認ボタン操作検出センサ82からの検出信号を受けると、まず、RAM122からドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報を読み出す。次に、CPU123は、その読み出した電源オン・オフ情報に基づいて外部電力が供給されている期間とバックアップ電力が供給されている期間とを認識すると共に、その読み出したドア部開閉情報に含まれる各日時情報について、当該日時がその認識した外部電力供給期間とバックアップ電力供給期間とのいずれに該当するかを調べることにより、当該日時での供給電力が外部電力であるかバックアップ電力であるかを判断する。そして、CPU123は、各日時情報について、その判断結果(供給電力識別情報)を当該日時情報に付加するという処理を行うことにより、ドア部開閉状況管理情報を生成する。その後、CPU123は、その生成したドア部開閉状況管理情報を画像表示部30の液晶制御基板32に送り、液晶パネル31上に表示させる。すなわち、CPU123は本発明の表示制御手段に該当する。
ドア部開閉信号生成回路131は、ドア部2の開閉を検出して、ドア部開閉信号(異常検出信号)を生成・出力するものである。図5(a)はドア部開閉信号生成回路131の回路構成を説明するための図、図5(b)はドア部開閉信号生成回路131の動作を説明するためのタイミングチャートである。
ドア部開閉信号生成回路131は、図5(a)に示すように、二つの抵抗135a,135bと、一つのコンデンサ136と、一つのNOT回路137とから構成される。また、ドア部開閉スイッチ71には、図5(a)に示すように、三つの端子T1,T2,T3が設けられている。ドア部2が開くと、端子T1と端子T2とが接触状態となり、ドア部2が閉じると、端子T1と端子T3とが接触状態になる。ここで、端子T1,T3は接地されている。
ドア部開閉信号生成回路131における二つの抵抗135a,135bは、ドア部開閉スイッチ71の端子T2に対して並列に接続されている。抵抗135aの他端は第二バックアップ電源124に接続されている。また、抵抗135bの他端には、コンデンサ136とNOT回路137の入力端子とが並列に接続されている。コンデンサ136の他端は接地されており、一方、NOT回路137の出力端子は、図4に示すように、CPU123及び時計モジュール141に接続されている。このNOT回路137の出力端子から出力される信号がドア部開閉信号である。尚、ドア部開閉信号生成回路131を第二バックアップ電源124と接続していることから分かるように、ドア部開閉信号生成回路131は、電源ユニット90がオン状態であるかオフ状態であるかにかかわらず、第二バックアップ電源124からの電力(電圧3V(=Vb)のバックアップ電力)の供給を受けて常時駆動可能である。
いま、ドア部開閉信号生成回路131の動作について、図5(b)に示すタイミングチャートを参照して説明する。ドア部2が閉じているとき、ドア部開閉スイッチ71の端子T1は端子T3と接触している。したがって、ドア部2が閉じているときには、ドア部開閉信号生成回路131のA点における電圧はHighとなるので、NOT回路137の入力端子にはHigh信号が入力されて、NOT回路137は、その出力端子からドア部開閉信号としてLow信号を出力する。また、ドア部2が閉じた状態から開いた状態に変化すると、ドア部開閉スイッチ71の端子T1は端子T2と接触するようになる。このとき、抵抗135bとコンデンサ136とで構成されるCR回路(遅延回路)の時定数に応じて、ドア部開閉信号生成回路131のA点における電圧はHighからLowに徐々に変化する。このため、NOT回路137は、ドア部開閉スイッチ71の端子T1が端子T2と接触した時点から若干時間が経過した後に、その出力端子からドア部開閉信号としてHigh信号を出力する。すなわち、ドア部開閉信号におけるLowからHighへの立ち上がりエッジが、ドア部2が開いたことを表す。一方、ドア部2が開いた状態から閉じた状態に変化すると、ドア部開閉スイッチ71の端子T1は端子T3と接触するようになる。このとき、上記CR回路の時定数に応じて、ドア部開閉信号生成回路131のA点における電圧はLowからHighに徐々に変化する。このため、NOT回路137は、ドア部開閉スイッチ71の端子T1が端子T3と接触した時点から若干時間が経過した後に、その出力端子からドア部開閉信号としてLow信号を出力する。すなわち、ドア部開閉信号におけるHighからLowへの立ち下がりエッジが、ドア部2が閉じたことを表す。
尚、ドア部開閉信号生成回路131に、抵抗135bとコンデンサ136とから構成されるCR回路を設けているのは、例えば回胴式遊技機の搬送中に振動等によりドア部開閉スイッチ71における端子T1の接触状態が瞬間的に変化したような場合に、ドア部開閉信号生成回路131がその瞬間的な変化を検出してしまわないようにするためである。これにより、ドア部開閉信号生成回路131は、ドア部2の開閉を確実に検出して、ドア部開閉信号を出力することができる。また、ドア部開閉信号生成回路131の最終段にNOT回路137を設けているのは、ドア部開閉信号を安定して出力するためである。
ところで、上述したように、ドア部開閉信号生成回路131は、CPU123及び時計モジュール141と接続されているため、ドア部開閉信号生成回路131からのドア部開閉信号は、CPU123と時計モジュール141とに送られる。すなわち、CPU123の作動時には、CPU123自身がドア部開閉信号を受信して、ドア部2の開閉を認識することができる。例えば、CPU123は、ドア部開閉信号生成回路131からのドア部開閉信号を受信したときに、ドア部2が開けられた旨又は閉じられた旨を示す情報(異常情報)を生成する等の処理を行い、その旨を画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50に報知させることとなる。この点で、CPU123は異常情報を処理する異常情報処理手段としての役割を果たし、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は異常状態(ドア部2の開閉)についての異常情報を報知する報知手段としての役割を果たしているといえる。一方、時計モジュール141は、常時駆動可能であるので、CPU123が作動中であるか否かにかかわらず、ドア部開閉信号生成回路131からドア部開閉信号を受信することができる。そして、時計モジュール141がドア部開閉信号を受信すると、以下に詳述するように、時計モジュール141内のコントローラ149が、そのドア部開閉信号に基づいてドア部開閉情報を生成し、時計モジュール141内のSRAM148に記憶することになる。
時計モジュール(時計手段)141は、日付及び時刻を刻む機能であるカレンダー機能を備えた集積回路素子である。この時計モジュール141は、例えばCPU123のために時刻情報を提供する。本実施形態では、時計モジュール141として、例えばエプソン株式会社製のRX−5411LDに改良を加えた集積回路素子を用いている。図6は時計モジュール141の概略ブロック図である。時計モジュール141は、図6に示すように、入出力端子143aと、入力端子143bと、クロック生成部144と、ドライブ部145と、カレンダー部146と、電源切替部147と、SRAM(static RAM)148と、コントローラ149とを備える。
入出力端子(入出力手段)143aは、コントローラ149とCPU123との間で信号の送信を行うためのものである。ここで、コントローラ149とCPU123との間における信号の送受はシリアル通信方式で行われる。また、入力端子(入力手段)143bは、ドア部開閉信号生成回路131からのドア部開閉信号の入力を受けるためのものである。すなわち、入力端子143bは、時計モジュール141の外部から入力信号を受けるためのものであり、入出力端子143aとは別個に設けられている。尚、入出力端子143aとコントローラ149との間、入力端子143bとコントローラ149との間にはそれぞれ、インタフェース回路151a,151bが設けられている。
クロック生成部144は、例えば32.768kHzの周波数のクロック信号を発生するものである。ドライブ部145は、クロック生成部144で発生されたクロック信号を増幅等して所定電圧のクロック信号を生成するものである。ドライブ部145で生成されたクロック信号は、カレンダー部146とコントローラ149とに送られる。カレンダー部146は、ドライブ部145からのクロック信号が入力する度にその入力するクロック信号の数を計数することにより、日付及び時刻(年・月・日・時・分・秒)を刻むものである。
電源切替部(切替え手段)147には、電源ユニット90からの外部電力(例えば電圧3.3Vの電力)と第二バックアップ電源124からのバックアップ電力(例えば電圧3Vの電力)とが入力する。ここで、図6では、外部電力の電力線及びバックアップ電力の電力線については省略して示している。電源切替部147は、外部電力とバックアップ電力とを自動的に切り替えて、電力を時計モジュール141内の各部に出力するものである。具体的に、電源切替部147は、電源ユニット90からの外部電力が入力されているときに、その外部電力を出力し、一方、電源ユニット90からの外部電力が入力されていないときには、第二バックアップ電源124からのバックアップ電力を出力する。このように、時計モジュール141には電源遮断時であっても電力が供給されるので、時計モジュール141は常時駆動可能である。
例えば、電源切替部147は、図6に示すように、二つの入力部147a,147bと、一つの出力部147cと、一つのダイオード147dとを有する。入力部147aには、電源ユニット90からの外部電力(電圧3.3V(=Vdd)の電力)が入力し、一方、入力部147bには、第二バックアップ電源124からのバックアップ電力(電圧3V(=Vb)の電力)が入力する。入力部147aと出力部147cとは電力線で接続されている。入力部147bはダイオード147dのアノードに接続され、そのダイオード147dのカソードは入力部147aと出力部147cとの間の電力線に接続されている。かかる構成により、二つの入力部147a,147bから入力される電力のうち電圧の大きい方が出力部147cから出力されることになる。したがって、第二バックアップ電源124からのバックアップ電力は入力部147bから常時入力するので、電源切替部147は、電源ユニット90からの外部電力が入力部147aから入力されているときに、その外部電力を出力部147cから出力し、電源ユニット90からの外部電力が入力部147aから入力されていないときに、第二バックアップ電源124からのバックアップ電力を出力部147cから出力する。
尚、この外部電力とバックアップ電力とを自動的に切替える回路の実施例については、本出願人が先に出願したPCT/JP2007/55489の図9、図14に詳細に開示されている。かかる開示例から明らかなように、バックアップ電源は二次電池、即ちコンデンサであってもよい。また、バックアップ電源を、電源切替部147の切替え用回路の一回路部品として常備することが可能である。すなわち、第二バックアップ電源124を、電源ユニット90がオフ状態にあるときに時計モジュール141に電力を供給するバックアップ電源とRAM122及びドア部開閉信号生成回路131に電力を供給するバックアップ電源とに分けて別個に構成し、且つ、時計モジュール141に電力を供給するバックアップ電源をその時計モジュール141内に設けるようにしてもよい。これにより、時計モジュール141に電力を供給するバックアップ電源は、電源ユニット90がオフ状態にあるときに、時計モジュール141に集中して電力を供給すればよいので、このバックアップ電源の消費電力は少なくて済む。このため、時計モジュール141は、より小容量の二次電池を有するバックアップ電源を用いて、不正行為や異常状態の発生の監視を行うことが可能となる。
SRAM148には、ドア部開閉情報(開日時情報、閉日時情報)を記憶するドア部開閉情報記憶領域と、電源オン・オフ情報(オン日時情報、オフ日時情報)を記憶する電源オン・オフ情報記憶領域とが設けられている。このSRAM148はコントローラ149によって管理されている。
コントローラ149は、多数の論理回路により構成されたものであり、外部からの信号に基づいて所定の処理を行う。具体的に、コントローラ149は、入力端子143bから入力するドア部開閉信号についてLowからHighへの立ち上がりエッジを検出すると、ドア部2が開いたことを認識する。そして、その立ち上がりエッジを検出した日付及び時刻を、内部バスを通じてカレンダー部146から取得した後、その取得した日付及び時刻の情報及びドア部2が開けられた旨の情報を、開日時情報(ドア部開閉情報)として生成し、SRAM148のドア部開閉情報記憶領域に記憶する。一方、コントローラ149は、入力端子143bから入力するドア部開閉信号についてHighからLowへの立ち下がりエッジを検出すると、ドア部2が閉じたことを認識する。そして、その立ち下がりエッジを検出した日付及び時刻を、内部バスを通じてカレンダー部146から取得した後、その取得した日付及び時刻の情報及びドア部2が閉じられた旨の情報を、閉日時情報(ドア部開閉情報)として生成し、SRAM148のドア部開閉情報記憶領域に記憶する。このように、コントローラ149は、ドア部開閉信号に基づいてドア部開閉情報を生成し、SRAM148に記憶する。すなわち、コントローラ149は本発明の日時情報生成手段に該当し、SRAM148は本発明の記憶手段に該当する。
また、コントローラ149は、CPU123から入出力端子143aを介して電源遮断コマンドが送られると、そのときの日付及び時刻を、内部バスを通じてカレンダー部146から取得した後、その取得した日付及び時刻の情報を、オフ日時情報(電源オン・オフ情報)として生成し、SRAM148の電源オン・オフ情報記憶領域に記憶する。一方、コントローラ149は、CPU123から入出力端子143aを介して電源投入コマンドが送られると、そのときの日付及び時刻を、内部バスを通じてカレンダー部146から取得した後、その取得した日付及び時刻の情報を、オン日時情報(電源オン・オフ情報)として生成し、SRAM148の電源オン・オフ情報記憶領域に記憶する。
更に、コントローラ149は、CPU123からの電源投入コマンドを受け取ったときに、ドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報をCPU123に送信する処理を行う。具体的に、コントローラ149は、CPU123から入出力端子143aを介して電源投入コマンドが送られると、上述したオン日時情報を生成する処理を行った後、SRAM148のドア部開閉情報記憶領域に記憶されているドア部開閉情報と、SRAM148の電源オン・オフ情報記憶領域に記憶されている電源オン・オフ情報とを読み出し、入出力端子143aを介してシリアル通信方式によりCPU123に送信する。
尚、上記の時計モジュール141では、ドライブ部145からのクロック信号がコントローラ149に出力されている。このため、コントローラ149は、そのクロック信号との同期をとって、内部バスを通じてSRAM148にデータを書き込む等の処理を行うことができる。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において、演出制御基板120のCPU123が行う電源投入時処理の手順について説明する。図7は演出制御基板120のCPU123が行う電源投入時処理を説明するためのフローチャートである。
例えば遊技店の係員が回胴式遊技機の電源ユニット90の電源スイッチ91をオンにすると、電源ユニット90は、電源投入信号を主制御基板110に送信する。主制御基板110のCPU114は、電源ユニット90からの電源投入信号を受け取ると、電源投入コマンドを演出制御基板120に送信する。そして、演出制御基板120のCPU123は、主制御基板110からの電源投入コマンドを受け取ったときに、図7に示す電源投入時処理を開始する。CPU123は、まず、電源投入コマンドを、入出力端子143aを介して時計モジュール141に送信する(S1)。その後、CPU123は、信号受信待ち処理を行う(S2)。すなわち、時計モジュール141のコントローラ149は、電源投入コマンドを受け取ると、SRAM148のドア部開閉情報記憶領域に記憶されているドア部開閉情報とSRAM148の電源オン・オフ情報記憶領域に記憶されている電源オン・オフ情報とをCPU123に送信する。ステップS2の処理では、CPU123はかかるドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報が送られてくるのを待つのである。そして、CPU123は、時計モジュール141から送られるドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報を受け取ると、それらの情報をRAM122に記憶する(S3)。以上で、図7に示す電源投入時処理が終了する。
こうして、演出制御基板120のRAM122に記憶されたドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報は、当該回胴式遊技機に対して不正行為が行われた可能性の有無を判断するために用いられる。具体的には、遊技店の係員が開閉状況確認ボタン81を押すと、CPU123は、RAM122に記憶されているドア部開閉情報及び電源オン・オフ情報に基づいてドア部開閉状況管理情報を生成し、その内容を画像表示部30の液晶パネル31上に表示させる。図8は画像表示部30の液晶パネル31上に表示されるドア部開閉状況管理情報の一例を示す図である。図8に示すように、ドア部開閉状況管理情報には、ドア部2が開閉されたときの各日時情報とそのときの供給電力が外部電力であるかバックアップ電力であるかを示す供給電力識別情報とが含まれている。そして、各日時情報は時系列的に配列・表示されている。ここで、図8の例では、画面の中央から左側にかけての範囲に日時情報が表示され、画面の右側に供給電力識別情報が表示されている。
遊技店の係員は、液晶パネル31上に表示されたドア部開閉状況管理情報の内容を見て、ドア部2が何ら理由もなく開閉されているかどうかを調べる。そして、遊技店の係員は、正当な理由なくドア部2が開閉されたという事実を確認すると、当該回胴式遊技機に対して不正行為が行われた可能性があると判断し、当該回胴式遊技機のチェックを入念に行う。かかるチェックによって不正行為の存在が明らかになれば、当該回胴式遊技機は新たな回胴式遊技機と交換されることになる。
本実施形態の回胴式遊技機は、第二バックアップ電源からの電力の供給を受けて駆動可能に構成され、ドア部の開閉を検出してドア部開閉信号を出力するドア部開閉スイッチ及びドア部開閉信号生成回路と、時計モジュール内に設けられた、ドア部開閉信号生成回路からのドア部開閉信号に基づいてドア部開閉情報を生成するコントローラと、時計モジュール内に設けられた、コントローラによって生成されたドア部開閉情報を記憶するSRAMとを備えている。このため、かかる回胴式遊技機では、外部電力が各部に供給されていないときであっても、ドア部の開閉を検出して、ドア部開閉情報を時計モジュールのSRAMに記憶しておくことができるので、ドア部の開閉を常時監視することができ、セキュリティの向上を図ることができる。また、演出制御基板のCPUは、電源ユニットがオン状態の場合、開閉状況確認ボタン操作検出センサからの検出信号を受けたときに、ドア部開閉情報の内容を画像表示部に表示させる。このため、遊技店の係員は画像表示部に表示された内容に基づいてドア部の開閉状況を容易に把握することができる。更に、電源ユニットがオフ状態のときには、第二バックアップ電源は、演出制御基板のRAM、時計モジュール及びドア部開閉信号生成回路に集中して電力を供給することにより、第二バックアップ電源の消費電力を節約することができるので、ドア部の開閉を長時間にわたって監視することができる。
また、時計モジュールとしては、ドア部開閉信号生成回路からのドア部開閉信号の入力を受ける入力端子を備える集積回路素子を用いている。これにより、本実施形態の回胴式遊技機にドア部の開閉を監視する機能を容易に組み込むことができる。
また、時計モジュールは、電力の供給を電源ユニットから受けるか第二バックアップ電源から受けるかを自動的に切替える電源切替部を備えている。これにより、電源ユニットがオフ状態になると同時に、時計モジュールは速やかに第二バックアップ電源からの電力の供給を受けて、不正行為や異常状態の発生の監視を行うことが可能となり、異常状態の発生を検出したときにその異常状態に関する情報を確実に記憶することができる。
更に、時計モジュールは、第二バックアップ電源とともに演出制御用の制御基板、すなわち演出制御基板に実装されている。これにより、回胴式遊技機の基板構成を簡素化することができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、異常検出手段としてドア部開閉スイッチ及びドア部開閉信号生成回路を用い、その異常検出手段がドア部の開閉を検出する場合について説明したが、一般に、異常検出手段としては、ドア部の開閉以外の異常状態の発生を検出するものを用いてもよい。具体的に、かかる異常検出手段が検出する他の異常状態としては、主制御基板を収容する基板ボックスの着脱、遊技機の移動等により生じる遊技機の異常な傾きや振動、本体部内への不正用具の挿入等による異常な圧力負荷などを挙げることができる。また、異常検出手段は一つに限らず、複数設けるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、演出制御基板のCPUは、開閉状況確認ボタンが押されたときに、ドア部開閉状況管理情報の内容を画像表示部に表示する場合について説明したが、例えば、演出制御基板のCPUは、図7に示す電源投入時処理に引き続いて、ドア部開閉状況管理情報を生成する処理を行い、その生成したドア部開閉状況管理情報の内容を画像表示部に自動的に表示するようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用してもよい。また、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。