JP5619937B2 - 摺動面構造 - Google Patents

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Description

本発明は、摺動面構造に関するものである。
表面テクスチャリングは流体潤滑領域の拡大や摩擦低減など、摺動特性の改善手法の一つとなっている。サブミクロンの周期ピッチと溝深さをもつグレーティング状の周期構造部はサブミクロンの油膜厚さにおいて、極めて高い負荷能力と剛性をもつことが知られており、往復摺動や回転摺動に利用されている。
しかし、起動直後や停止直前など十分な動圧が得られない場面では、周期構造部による攻撃性が問題となる。ここで、周期構造部による攻撃性とは、相手側部材に対する摩耗増大性や損傷性等である。周期構造部の攻撃性を緩和するためには、周期構造部の凸部高さを周期構造未形成部分と面一な高さより低くすることが有効である。
そこで、従来においては、摺動面よりも高さ位置が高位となる凸部を回転中心部に設けたスラスト軸受がある(特許文献1)。このスラスト軸受では、回転停止時において、摺動面(相手側の摺動面に対面する面)の全体がこの相手側の摺動面に接触することなく、凸部の頂点の接触となる。このため、起動時において、凸部の頂点と相手側の摺動面との接触が、回転中心付近に限定され、摩擦による起動トルクへの影響を小さいものとしている。
特開2001−12456号公報
特許文献1に記載のものでは、摺動面上に凸部を形成する必要がある。この場合の形成方法として、凸部を別部材として形成した後、この摺動面に接合する方法、又は凸部を残すように切削や研削する方法等がある。このため、いずれの形成方法もその加工工程が多く、生産性に劣るものであった。
また、凸部を形成することによって、油膜が厚くなる傾向にある。このように、油膜が厚くなると、低負荷容量および低剛性を招くことになる。
周期構造部の凸部高さを周期構造未形成部分と面一な高さより低くしすぎると負荷容量に悪影響が出る。そのため、負荷容量に影響が出にくいパターニングの開発と適正な高さの設定が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みて、負荷容量の低減を抑えながら周期構造部の攻撃性を緩和できる摺動面構造を提供する。
本発明の摺動面構造は、第1部材の摺動面と第2部材の摺動面とが潤滑剤下で相対的に摺動する摺動面構造であって、第1部材と第2部材との少なくともいずれか一方の摺動面に、摺動面周縁に連通して摺動面周縁から潤滑剤の摺動面内方への導入を可能とするグレーティング状凹凸の周期構造部と、周期構造部との境界部において摺動方向に圧力勾配を生じさせる周期構造未形成部とが摺動方向に沿って交互に形成され、かつ、周期構造部の凸部高さ位置を未形成部の高さ位置よりも低く設定するとともに、前記周期構造未形成部の形状を周期構造部が連通する摺動面周縁全体からの潤滑剤の引き込みを可能とする鋸刃形状としたものである。
本発明の摺動面構造によれば、周期構造部の凸部高さ位置を未形成部の高さ位置よりも低く設定したことによって、2面間の接触がともなう混合潤滑において、周期構造部の摩耗や攻撃性が緩和される。ここで、周期構造部による攻撃性とは、相手側部材に対する摩耗増大性や損傷性等である。また、周期構造部が摺動面周縁に連通されているので、第1部材と第2部材の摺動動作によって、摺動面周縁から潤滑剤を摺動面内方へ導入することができる(この作用を流体導入効果(ポンピング効果)と呼ぶ)。周期構造部と周期構造未形成部とが摺動方向に沿って交互に形成され、しかも、周期構造部の凸部高さ位置を未形成部の高さ位置よりも低く設定することによって、周期構造部と未形成部との境界で圧力が発生し、摺動方向に圧力勾配ができる(この作用をステップ効果と呼ぶ)。ステップ効果による負荷容量はポンピング効果による負荷容量に比べて、段差高さ(周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差)による影響が小さいため、負荷容量の低減を低く抑えながら周期構造の摩耗や攻撃性を緩和することができる。このように、周期構造部と未形成部とを設けることによって、周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を大きくしても負荷容量の減少を少なくできる。特に、周期構造未形成部を鋸刃形状としたことによって、摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができる。
したがって、本発明の摺動面構造では、流体導入効果とステップ効果とを併せ持つことになる。ステップ効果による負荷容量は流体導入効果の負荷容量に比べて、周期構造部の凸部高さ位置が周期構造未形成部の高さ位置よりも低くなることによる影響が小さい。
また、前記周期構造部の摺動方向上流側に、この周期構造部の凹部深さよりも深くポンピング効果を有する流体導入溝を形成するのが好ましい。このように構成することによって、高速・低荷重時において流体導入溝による動圧が効率的に発生する。なお、流体導入溝がない場合、周期構造部の摺動方向上流側に負圧領域が発生するが、流体導入溝を設けることで負圧領域が消滅し、負荷容量を大幅に増加することができる。
前記周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を前記摺動面の算術平均粗さ以上とするのが好ましい。また、前記周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を前記摺動面の最大高さ粗さ以下とするのが好ましい。
周期構造部の周期ピッチを10μm以下とするのが好ましく、周期構造部の凹部の深さが1μm以下とするのが好ましい。また、周期構造部の全凹部の一方の端部が外部に開口して流体導入口となるのが好ましい。
前記流体導入溝の深さを、前記周期構造部の凹部深さの3倍以上100倍以下とするのが好ましい。溝深さが油膜厚さと同程度のとき負荷容量が最大となるため、周期構造部による負荷容量は油膜厚さがミクロンオーダになると急激に低下する。このときポンピング効果を有する流体導入溝の深さをこのように設定することによって、油膜厚さがミクロンオーダになった場合でも、油膜保持に十分な負荷容量を得ることができる。流体導入溝の深さが周期構造部の凹部深さの3倍未満では、高速・低荷重時の摩擦係数低減効果が小さくなり、負圧領域の解消にも支障がでる。また、流体導入溝の深さが周期構造部の凹部深さの100倍を越えると、ミクロンオーダの油膜厚さで負荷容量がほとんど得られなくなる。
周期構造部は、加工閾値近傍の照射強度で直線偏光のレーザを照射し、その照射部分をオーバラップさせながら走査して、自己組織的に形成されているのが好ましい。また、周期構造部と前記高低差とは同時加工により形成されてなるのが好ましい。
本発明の摺動面構造では、周期構造部による攻撃性が緩和され、相手側部材の摩耗増大を防止でき、摺動面構造として長期にわたって安定した機能を発揮することができる。また、流体導入効果(ポンピング効果)とステップ効果とを併せ持つことになり、負荷容量の低減を低く抑えながら周期構造部の攻撃性を有効に緩和でき、高品質の摺動面構造の提供が可能となる。摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができ、負圧を発生することなく効率的にポンピング効果とステップ効果による負荷容量を得ることができる。
特に、周期構造部の摺動方向上流側に、ポンピング効果を有する流体導入溝を設けることによって、優れた流体・混合潤滑特性を備えることになる。しかも、流体導入溝に摩耗粉を回収することができ、摩耗粉による潤滑摺動性の低下を防止できる。
周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を前記摺動面の算術平均粗さ以上とすれば、2面間の接触がともなう混合潤滑状態において周期構造がほとんど荷重支持することなく摺動する。このため、周期構造部の攻撃性を大幅に低減することができる。
前記周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を前記摺動面の最大高さ粗さ以下とすれば、負荷容量の大幅な低下を防止することができる。
周期構造部の凹凸ピッチを10μm以下とした場合、摺動面のうねり等に起因する潤滑剤の漏れ(側方漏れ)を冗長的に抑えることができ、効率的に動圧を得ることができる。周期構造部の凹部の深さを1μm以下とした場合、油膜変動が小さく、高い負荷容量と剛性を得ることができる。また、混合潤滑においても固体接触部の荷重を低下させる作用があり、摩擦低減効果を発揮する。周期構造部の全凹部の一方の端部が外部に開口しているものでは、摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができる。
流体導入溝の深さを、前記のように設定することによって、高速・低荷重時の摩擦係数を低減でき、しかも、ミクロンオーダの油膜厚さで負荷容量を得ることができる。
周期構造部は、加工閾値近傍の照射強度で直線偏光のレーザを照射し、その照射部分をオーバラップさせながら走査して、自己組織的に形成したものでは、機械加工では困難なサブミクロンの周期ピッチと凹凸深さを持つものを容易に形成できる。
周期構造部と前記高低差とが同時加工により形成されるものでは、加工時間を短縮できて生産性の向上及び低コスト化を図ることができる。また、同時加工は、レーザの出力を調整することにより可能で安定して高精度に、周期構造形成と同時に周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を摺動面の粗さオーダで形成することができる。
本発明の第1の実施形態を示す摺動面構造の要部拡大断面図である。 前記図1に示す摺動面構造の周期構造部を有する摺動面の簡略図である。 前記摺動面に形成される周期構造部の拡大図である。 前記周期構造部を形成するためのレーザ表面加工装置の簡略図である。 算術平均粗さの定義を説明するためのグラフ図である。 最大高さ粗さの定義を説明するためのグラフ図である。 摺動面に形成される周期構造部と未形成部との変形例を示し、(a)は未形成部のコーナ部が第1部材の外周縁に一致している簡略図であり、(b)は未形成部にコーナ部が形成されない簡略図である。 本発明の第2の実施形態を示す摺動面構造の要部拡大断面図である。 前記図8に示す摺動面構造の周期構造部を有する摺動面の簡略図である。 油膜厚さと負荷容量との関係を示すグラフ図である。 比較例を示し、(a)はスパイラルパターンの周期構造部が形成された摺動面の模式図であり、(b)はステップパターンの周期構造部が形成された摺動面の模式図である。 段差高さと負荷容量との関係を示すグラフ図である。 スパイラルパターンと鋸刃スパイラルパターンとの平均摩擦係数の比較を示すグラフ図である。 スパイラルパターンと(溝+鋸刃スパイラル)パターンとの平均摩擦係数の比較を示すグラフ図である。 流体導入溝のみ形成した試験片と鋸刃スパイラルパターンと(溝+鋸刃スパイラル)パターンとの平均摩擦係数の比較を示すグラフ図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図15に基づいて説明する。
本発明に係る摺動面構造は、図1に示すように、第1部材1の摺動面1aと第2部材2の摺動面2aとが潤滑剤L下で相対的に摺動するものである。この場合、第1部材1及び第2部材2は、炭素鋼、銅、アルミニウム、白金、超硬合金等であっても、炭化ケイ素や窒化ケイ素等のシリコン系セラミックスであっても、エンジニアプラスチック等であってもよい。また、潤滑剤Lとしても、水やアルコールであっても、さらにはエンジンオイル等の潤滑油等であってもよい。すなわち、第1・第2部材1、2の材質、使用する環境等に応じて種々の潤滑剤を用いることができる。また、第1部材1を例えば図2に示すようにリング体とし、第2部材2を例えば円盤形状体で構成した。
第1部材1の上面が摺動面1aとなり、第2部材2の下面が摺動面2aとなる。第1部材1の摺動面1aにグレーティング状凹凸の周期構造部3と、周期構造部が形成されない周期構造未形成部8とが設けられる。すなわち、第1部材1の摺動面1aに、複数の前記周期構造部3を有するリング状の周期構造集合部7と、内径側のリング部9と周方向に沿って所定ピッチで配設される複数の周期構造未形成部8とからなる周期構造未形成集合部4とが形成される。この場合、周期構造未形成部8は鋸刃形状としている。すなわち、周期構造未形成部8は、直線状の底辺8aと円弧状の斜辺8bとを備えた複数個の扇形状体からなる。
周期構造部3は図3に示すように、微小の凹部5と微小の凸部6とが交互に所定ピッチで配設されてなるものである。周期構造部3の凹凸ピッチを10μm以下とし、凹部5の深さを1μm以下とするのが好ましい。この場合、周期構造部3の凹部5は、第1部材1の外周縁(摺動面周縁)1bに連通(開口)している。第1部材1の内周縁1cには開口していない。また、周期構造未形成部8の中心角αを例えば、19degとし、隣合う周期構造未形成部8間の間隔の中心角βを例えば、26degとしている。また、周期構造未形成部8の底辺8aと斜辺8bとのコーナ部8cは、第1部材1の外周縁よりも内径寄りに配置されている。
周期構造部3の凹部5はスパイラル状に湾曲し、その湾曲方向が未形成部8の斜辺8bの湾曲方向に合わされている。そして、第1部材1と第2部材2との少なくもいずれか一方がその軸心廻りに回転することによって、第1部材1の周期構造部3が、摺動面1aの外周縁側から潤滑剤が第1部材1の内部に導入されるように設定される。この場合、周期構造部3の全凹部5が第1部材1の外周縁1bに開口しているので、摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができる。
周期構造部3は、加工閾値近傍の照射強度で直線偏光のレーザを照射し、その照射部分をオーバラップさせながら走査して、自己組織的に形成している。具体的には、図4に示すフェムト秒レーザ表面加工装置を使用する。レーザ発生器11(チタンサファイアフェムト秒レーザ発生器)で発生したレーザ(例えば、パルス幅:120fs、中心波長800nm、繰り返し周波数:1kHz、パルスエネルギー:0.25〜400μJ/pulse)は、ミラー12により加工材料Wに向けて折り返され、メカニカルシャッタ13に導かれる。レーザ照射時はメカニカルシャッタ13を開放し、レーザ照射強度は1/2波長板14と偏光ビームスプリッタ16によって調整可能とし、1/2波長板15によって偏光方向を調整し、集光レンズ(焦点距離:150mm)17によって、XYθステージ19上の加工材料W表面に集光照射する。なお、フェムト秒レーザはフェムト秒(1000兆分の1秒)オーダーという極端に短い時間単位の中にエネルギーを圧縮した光源である。
すなわち、アブレーション閾値近傍のフルエンスで直線偏光のレーザをワーク(加工材料)Wに照射した場合、入射光と加工材料Wの表面に沿った散乱光またはプラズマ波の干渉により、波長オーダのピッチと溝深さを持つグレーティング状の周期構造部を偏光方向に直交して自己組織的に形成する。このとき、フェムト秒レーザをオーバラップさせながら走査させることで、周期構造部を広範囲に拡張することができる。
レーザのスキャンは、レーザを固定して加工材料Wを支持するXYθステージ19を移動させても、XYθステージ19を固定してレーザを移動させてもよい。あるいは、レーザとXYθステージ19を同時移動させてもよい。なお、前記図3は、前記フェムト秒レーザ表面加工装置にて形成した周期構造部3を電子顕微鏡で撮像した図である。
そして、本発明の摺動面構造では、図1に示すように、周期構造部3の凸部高さ位置を未形成部8の高さ位置よりも低く設定している。周期構造部3の凸部高さ位置Aと未形成部8の高さ位置Bとの高低差を摺動面1a(第1部材1の上面における未形成部8及び周期構造部3より内径側の面)の算術平均粗さRa以上としている。また、この高低差を摺動面1aの最大高さ粗さRz以下としている。
算術平均粗さRaは、図5に示すように、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線mの方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の数1の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
また、最大高さ粗さRzは、図6に示すように、粗さ曲線からその平均線mの方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定し、この値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。すなわち、(Rz=Rp+Rv)となる。
本発明において、図1に示すように、摺動面1aから周期構造部3の凸部高さ位置Aまでを段差高さ(高低差)Tと呼び、周期構造部3の凸部6の高さ(周期構造部3の凹部5の深さ)を周期構造部深さT1と呼び、摺動運動中の摺動面間隙間を平滑部すきまSと呼ぶ。
また、周期構造部3と前記高低差(段差高さ)Tとは同時加工により形成することができる。すなわち、フェムト秒レーザ表面加工装置において、周期構造部3を形成する際に、レーザの出力を調整することによって、その同時加工が可能となる。
本発明の摺動面構造では、周期構造部3の凸部高さ位置Aを未形成部8の高さ位置Bよりも低く設定したことによって、2面間の接触がともなう混合潤滑において、周期構造部による攻撃性が緩和される。ここで、周期構造部3による攻撃性とは、相手側部材に対する摩耗増大性や損傷性等である。また、周期構造部3が摺動面周縁1bに連通されているので、第1部材と第2部材の摺動動作によって、摺動面周縁1bから潤滑剤Lを摺動面内方へ導入することができる(この作用を流体導入効果(ポンピング効果)と呼ぶ)。ステップ効果による負荷容量はポンピング効果による負荷容量に比べて、段差高さ(周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差)による影響が小さいため、負荷容量の低減を低く抑えながら周期構造の摩耗や攻撃性を緩和することができる。このように、周期構造部3と未形成部8とが摺動方向に沿って交互に形成され、しかも、周期構造部3の凸部高さ位置Aを未形成部8の高さ位置Bよりも低く設定することによって、周期構造部3と未形成部8との境界で圧力が発生し、摺動方向に圧力勾配ができる(この作用をステップ効果と呼ぶ)。このように、周期構造部3と未形成部8とを設けることによって、周期構造部3の凸部高さ位置Aと未形成部8の高さ位置Bとの高低差を大きくしても負荷容量の減少を少なくできる。特に、周期構造未形成部を鋸刃形状としたことによって、摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができる。
したがって、本発明の摺動面構造では、流体導入効果とステップ効果とを併せ持つことになる。ステップ効果による負荷容量は流体導入効果の負荷容量に比べて、周期構造部3の凸部高さ位置Aが周期構造未形成部8の高さ位置Bよりも低くなることによる影響が小さい。
すなわち、本発明の摺動面構造では、周期構造部3による攻撃性が緩和され、相手側部材(この場合、第2部材2)の摩耗増大を防止でき、摺動面構造として長期にわたって安定した機能を発揮することができる。また、流体導入効果(ポンピング効果)とステップ効果とを併せ持つことになり、負荷容量の低減を低く抑えながら周期構造部3の攻撃性を有効に緩和でき、高品質の摺動面構造の提供が可能となる。摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができ、負圧を発生することなく効率的にポンピング効果とステップ効果による負荷容量を得ることができる。
周期構造部3の凸部高さ位置Aと未形成部8の高さ位置Bとの高低差を前記摺動面の算術平均粗さ以上とすれば、2面間の接触がともなう混合潤滑状態において周期構造がほとんど荷重支持することなく摺動する。このため、周期構造部3の攻撃性を大幅に低減することができる。
前記周期構造部3の凸部高さ位置Aと未形成部8の高さ位置Bとの高低差を摺動面1aの最大高さ粗さ以下とすれば、負荷容量の大幅な低下を防止することができる。
周期構造部3の凹凸ピッチを10μm以下とした場合、摺動面のうねり等に起因する潤滑剤Lの漏れ(側方漏れ)を冗長的に抑えることができ、効率的に動圧を得ることができる。周期構造部3の凹部5の深さを1μm以下とした場合、油膜変動が小さく、高い負荷容量と剛性を得ることができる。また、混合潤滑においても固体接触部の荷重を低下させる作用があり、摩擦低減効果を発揮する。周期構造部の全凹部の一方の端部が外部に開口しているものでは、摺動面周縁全体から潤滑剤を引き込むことができる。
周期構造部は、加工閾値近傍の照射強度で直線偏光のレーザを照射し、その照射部分をオーバラップさせながら走査して、自己組織的に形成したものでは、機械加工では困難なサブミクロンの周期ピッチと凹凸深さを持つものを容易に形成できる。
周期構造部3と前記高低差とは同時加工により形成されるものでは、加工時間を短縮できて生産性の向上及び低コスト化を図ることができる。また、同時加工は、レーザの出力を調整することにより可能で安定して高精度に、周期構造形成と同時に周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を摺動面の粗さオーダで形成することができる。
次に、図7は変形例を示し、図7(a)では、未形成部8の底辺8aと斜辺8bとのコーナ部8cが、第1部材1の外周縁に一致している場合である。また、図7(b)では、未形成部8がエッジ部8cを形成しないものである。つまり、未形成部8の底部8aの外周端20と未形成部8の斜辺8bの外周縁21とが、周方向にずれた状態で、第1部材1の外周縁1bに一致するものである。この図7(a)(b)に示すものであっても、前記図2に示すものと同様の作用効果を奏する。
次に、図8と図9は摺動面構造の第2の実施形態を示す。この摺動面構造では、周期構造部3が形成された第1部材1に、周期構造部3の摺動方向上流側に流体導入溝30が設けられている。すなわち、流体導入溝30は、未形成部8の円弧状の斜辺8bに沿って形成される円弧状の凹溝であって、第1部材1の外周縁1bに開口し、第1部材1の内周縁1cには開口しない。
流体導入溝30の深さ寸法dとしては、周期構造部3の凹部深さT1の3倍以上100倍以下としている。例えば、流体導入溝30の幅寸法W1を0.6mm程度、流体導入溝30の深さ寸法dを3μm程度としている。また、流体導入溝30の深さ寸法dとしては、周期構造部3の凸部高さ位置Aと未形成部8の高さ位置Bとの高低差Tの3倍以上100倍以下であってもよい。この場合、凹部深さT1と高低差Tとは、同一であっても、T1>Tであっても、T1<Tであってもよい。
この流体導入溝30を設けることによって、高速・低荷重時において流体導入溝30による動圧が効率的に発生する。なお、流体導入溝30がない場合、周期構造部の摺動方向上流側に負圧領域が発生する場合があるが、流体導入溝30を設けることで負圧領域が消滅し、負荷容量を大幅に増加することができる。このため、流体導入溝30を設けることによって、優れた流体・混合潤滑特性を備えることになる。
また、流体導入溝30を設けることによって、摺動時等に発生するおそれがある摩耗粉を、この流体導入溝30に回収することができ、摩耗粉による潤滑摺動性の低下を防止できる。
前記流体導入溝30の深さとしては、前記したように、周期構造部3の凹部深さT1の3倍以上100倍以下とするのが好ましい。溝深さが油膜厚さと同程度のとき負荷容量が最大となるため、周期構造部3による負荷容量は油膜厚さがミクロンオーダになると急激に低下する。このときポンピング効果を有する流体導入溝30の深さをこのように設定することによって、油膜厚さがミクロンオーダになった場合でも、油膜保持に十分な負荷容量を得ることができる。流体導入溝30の深さが周期構造部3の凹部深さの3倍未満では、高速・低荷重時の摩擦係数低減効果が小さくなり、負圧領域の解消にも支障がでる。また、流体導入溝30の深さが周期構造部3の凹部深さの100倍を越えると、ミクロンオーダの油膜厚さで負荷容量がほとんど得られなくなる。このため、流体導入溝30の深さを前記した深さに設定すれば、高速・低荷重時の摩擦係数を低減でき、しかも、ミクロンオーダの油膜厚さで負荷容量を得ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、周期構造部3を第1部材1側に設けていたが、周期構造部3を第2部材2側に形成してもよく、第1部材1及び第2部材2の両側に設けてもよい。また、第1部材1と第2部材2の形状としても、図例のものに限らず、他の種々の形状のものにて構成できる。周期構造部3の大きさや形状、未形成部8の数、大きさ、又は形状等は図2及び図7に限るものではなく、すなわち、未形成部8が三角形状等であってもよく、使用する第1・第2部材の大きさ、材質、潤滑剤の種類、摺動速度等に応じて種々変更することができる。もちろん、図7に示すような周期構造部3を備えた摺動面構造においても、図8に示すような流体導入溝30を設けるのが好ましい。
第1部材1と第2部材2の相対的な摺動運動は、第1部材1を固定して第2部材2を摺動(回転)させるものであっても、逆に第2部材2側を固定して、第1部材側を摺動(回転)させるものであってもよい。すなわち、周期構造部3が形成されている方を摺動させても、周期構造部3が形成されない方を摺動(回転)させてもよい。また、第1部材1と第2部材2の双方を摺動(回転)させるものであってもよい。
また、前記実施形態では、図1等に示す周期構造部3においては、凹部5を第1部材1の内周縁1cに開口させることなく外周縁1bに開口させて、外周側から内周側に潤滑剤を引き込むものとしていたが、逆に、凹部5を外周縁1bに開口させることなく内周縁1cに開口させて、内周側から外周側に潤滑剤を引き込むものであってもよい。
前記実施形態では、周期構造部3の凹部5はスパイラル状に湾曲し、その湾曲方向が未形成部8の斜辺8bの湾曲方向に合わされているが、合わされない場合であってもよい。すなわち、周期構造部3の湾曲方向が、未形成部8の斜辺8bの湾曲方向に対して、周方向に沿ってねていたり、たっていたりしてもよい。
さらに、未形成部8の中心角αや隣合う未形成部8間の間隔の中心角βも任意に設定できるが、ステップ効果を有効に発揮する上で、α:β=1:2〜1:1程度とするのが好ましい。
ところで、前記実施形態では、周期構造部3を形成する際に、パルスレーザであるフェムト秒レーザを用いたが、フェムト秒レーザ以外のピコ秒レーザやナノ秒レーザといったパルスレーザを使用することもできる。
本発明の摺動面構造によれば、流体導入効果及びステップ効果を発揮して低摩擦を得ることができる。このため、本発明の摺動面構造は、各種の自動車部品、機械部品、ポンプ等の種々の機器に使用可能である。
図8と図9に示す摺動面構造では、各流体導入溝30の深さ寸法および幅寸法を同一に設定していたが、深さ寸法や幅寸法が相違する流体導入溝30を有するものであってもよい。相違する流体導入溝30を有する場合、第1部材1と第2部材2とがアンバランスの回転摺動にならないように、相違する流体導入溝30をバランスよく配置するのが好ましい。このように、深さ寸法等が相違する流体導入溝30を配置すれば、相違する流体導入溝30毎に相違するポンピング効果を発揮でき、使用する機器に対して最適機能を発揮させることができる。また、図8と図9に示す摺動面構造では、周期構造部3毎に流体導入溝30が連設されていたが、周期構造部3毎に設けることなく、所望の周期構造部3にものみ流体導入溝30を連設してもよい。
周期構造部3の摩耗や相手攻撃性を緩和するめには段差高さT(図1参照)を設け、周期構造部3の凸部高さ位置Aを周期構造未形成部8の高さ位置Bより低くすることが有効である。しかし、段差高さTを大きくすると負荷容量が減少し、油膜の荷重分担率が低下するため、混合潤滑特性にも悪影響が出る。そのため、負荷容量に段差高さの影響が出にくいパターンニングの開発が望まれている。また、同時に流体潤滑時の低摩擦化も強く望まれている。
後述する図11(a)に示すようにスパイラル状の周期構造では、一般的なミクロンサイズの溝深さをもつスパイラルグルーブ軸受よりも薄く高剛性な油膜が形成される。スパイラルパターンの溝深さを200nmおよび6μmとし、相対負荷容量を計算した結果を図10に示す。油膜厚さが薄くなると、溝深さ200nmの方が圧倒的に高負荷容量・高剛性となることがわかる。溝深さ6μmの場合、油膜厚さの減少にともなう負荷容量の増加が少ないため,負荷変動や振動により容易に2面間の接触が生じる。一方、溝深さ200nmの場合、油膜厚さが1μmから0.1μmに減少すると負荷容量は3桁増大するため,平面度の高いしゅう動面では2面間の接触をほぼ回避することができる。
サブミクロンの周期ピッチと溝深さをもつグレーティング状の周期構造は油膜厚さが数ミクロンまで増加すると負荷容量がほとんど発生しなくなるため、低速・高荷重から高速・低荷重まで油膜厚さの変動が小さく、常に薄い油膜形成が求められるメカニカルシールや工作機械の案内面には好適な特性である。しかしながら、高速・低荷重での摩擦係数は流体潤滑としては比較的高い値となる。そこで、流体潤滑〜混合潤滑にわたる広い摺動条件において優れた潤滑特性が得られる摺動面構造を検討した。
試験片(リング試験片)として、図11(a)に示すように周期構造部3がスパイラルパターンであるものと、図11(b)に示すように周期構造部3がステップパターンであるものを使用した。すなわち、図11(b)では、同心円状に周期構造部3(3A)を周方向に沿って所定ピッチで、6個配置したものあり、未周期構造部4は、試験片(リング試験片)の内径側に配設されるリング部4aと、周期構造部3A間に配設される略矩形状の未形成部8(8A)とからなる
図11(a)の試験片は、周期構造部(ピッチ0.7μm、深さ0.2μm)をスパイラル状に形成したものであり、図11(b)の試験片は同心円状の周期構造部を周方向に沿って間欠的に形成したものである。この図11は各パターンの模式図を示し、各パターン(スパイラルパターン、ステップパターン)の負荷容量を無限溝数理論を用いて計算した。
平滑部すきまS(図1参照)を0.2μmとし、スパイラルパターンとステップパターンの周期構造形成領域を最適化した際の段差高さと負荷容量の関係を図12に示す。スパイラルパターンは段差高さ0では大きな負荷容量が得られるが、段差高さの増加に対して負荷容量が指数的に減少する。ステップパターンでは段差高さの増加によって負荷容量が一旦増加した後、緩やかに減少に転じている。ステップパターンの負荷容量はスパイラルパターンと比較して段差高さの影響を受けにくく、段差高さ0.1μmではステップパターンの負荷容量の方がスパイラルパターンより若干大きくなっている。しかし、ステップパターンはポンピング効果を有していない。なお、図12の縦軸は任意単位(a.u.)である。
そこで、スパイラル状周期構造が摺動縁全周に連通し,ポンピング効果とステップ効果も併せもつパターニングとして鋸刃スパイラルパターン(図2に示すパターン)を作成した。ポンピング効果とステップ効果を併せもたせることで、負荷容量の低減を低く抑えつつ周期構造の攻撃性を緩和できる摺動面構造とすることができる。
さらに、ポンピング効果と負圧解消効果を併せもつスパイラル状の流体導入溝と鋸刃スパイラルとを組み合わせた(溝+鋸刃スパイラル)パターン(図9に示すパターン)を作成した。(溝+鋸刃スパイラル)パターンでは,スパイラル溝によって、高速・低荷重時の潤滑特性向上のほかに、混合潤滑時の摩耗粉回収効果、潤滑剤保持効果も期待される。
リングオンディスク試験装置を用いて実験を行った。リング試験片を回転側試験片(SUS440C)、ディスク試験片(アルミナ)を固定側試験片とした。各試験片の表面粗さはRa0.02μm以下とした。ディスク試験片は全て鏡面とし、リング試験片(外径16mm、内径10mm)はスパイラル(図11(a)に示すパターン)、鋸刃スパイラル(図2に示す本発明に係るパターン)、および(溝+鋸刃スパイラル)(図9に示すパターン)の3パターンとした。摺動方向に対する周期構造の傾斜角はθ=45°とした。周期構造のピッチは約0.7μm、深さは約0.2μmとし、段差高さは約0.1μmとした。流体導入溝30の幅は0.6mmとし、流体導入溝30の深さを3μmとした。なお、比較のため、流体導入溝30(幅が0.6mm、深さが3μm)のみ形成した試験片も作成した。基本的な潤滑特性を評価するため、潤滑剤には極性を持たず熱的・化学的に安定なPAO4(18.82cP @37℃)を用いた。荷重は40N(0.33MPa)とし、摺動速度を81.5mm/sから3.3mm/sまで段階的に低下させながら、各摺動速度における5minの平均摩擦係数を測定した。なお、鋸刃スパイラルパターンにおいては、未形成部8の中心角αを19degとし、隣合う未形成部8間の間隔の中心角βを26degとしている。
スパイラルと鋸刃スパイラルの平均摩擦係数の比較を図13に示す。鋸刃スパイラルは最小油膜厚さとなる鏡面部分がスパイラルより広いにもかかわらず流体潤滑領域の摩擦係数が低下していることから、負荷容量増大に有効なパターンと言える。また、混合潤滑となる低速しゅう動域の摩擦係数の上昇勾配も小さくなった。負荷容量増大の要因として、周期構造に起因するポンピング効果、段差高さに起因するステップ効果に加えて、内周側に行くにつれて先細りしている周期構造形成領域形状に起因する負荷容量が生じている可能性が考えられる。図14は、スパイラルと(溝+鋸刃スパイラル)の平均摩擦係数の比較を示している。流体潤滑域の摩擦係数において、(溝+鋸刃スパイラル)の場合、スパイラルの約1/3に低下する。
また、鋸刃スパイラル、(溝+鋸刃スパイラル)、及び流体導入溝30のみ形成した試験片の平均摩擦係数の比較を図15に示す。深さ3μmの流体導入溝30のみ形成した試験片は、比較的厚い油膜が形成される高速域では鋸刃スパイラルより低摩擦となった。しかし、油膜が薄くなる低速域では負荷容量が小さく、焼き付きを生じた。流体導入溝と鋸刃スパイラルを複合した(溝+鋸刃スパイラル)は両者の中間的な特性ではなく、全ての速度域で最も低摩擦となった。高速域では流体導入溝30のみの特性に漸近し、低速域まで流体潤滑が支配的となった。(溝+鋸刃スパイラル)の3.3mm/sにおける平均摩擦係数0.002から算出した平均等価すきまは86nmであった。このような極めて薄い油膜を介したしゅう動状態は周期構造3の高負荷容量と理想的ななじみの進行によって実現されたと考えられる。平均等価すきまが小さくなるにしたがって、流体導入溝30によるポンピング効果はほとんど無視できるようになるが,流体導入溝30による負圧解消効果、異物のトラップ効果、潤滑剤保持効果が理想的ななじみに寄与したとものと考えられる。
1 第1部材
1a 摺動面
1b 摺動面周縁
1c 内周縁
2 第2部材
2a 摺動面
3 周期構造部
5 凹部
6 凸部
8 周期構造未形成部
30 流体導入溝

Claims (10)

  1. 第1部材の摺動面と第2部材の摺動面とが潤滑剤下で相対的に摺動する摺動面構造であって、第1部材と第2部材との少なくともいずれか一方の摺動面に、摺動面周縁に連通して摺動面周縁から潤滑剤の摺動面内方への導入を可能とするグレーティング状凹凸の周期構造部と、周期構造部との境界部において摺動方向に圧力勾配を生じさせる周期構造未形成部とが摺動方向に沿って交互に形成され、かつ、周期構造部の凸部高さ位置を未形成部の高さ位置よりも低く設定するとともに、前記周期構造未形成部の形状を周期構造部が連通する摺動面周縁全体からの潤滑剤の引き込みを可能とする鋸刃形状としたことを特徴とする摺動面構造。
  2. 前記周期構造部の摺動方向上流側に、この周期構造部の凹部深さよりも深くポンピング効果を有する流体導入溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の摺動面構造。
  3. 前記周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を前記摺動面の算術平均粗さ以上としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摺動面構造。
  4. 前記周期構造部の凸部高さ位置と未形成部の高さ位置との高低差を前記摺動面の最大高さ粗さ以下としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摺動面構造。
  5. 周期構造部の周期ピッチが10μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の摺動面構造。
  6. 前記周期構造部の凹部の深さが1μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の摺動面構造。
  7. 前記周期構造部の全凹部の一方の端部が外部に開口して流体導入口となる請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の摺動面構造。
  8. 前記流体導入溝の深さを、前記周期構造部の凹部深さの3倍以上100倍以下としたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の摺動面構造。
  9. 前記周期構造部は、加工閾値近傍の照射強度で直線偏光のレーザを照射し、その照射部分をオーバラップさせながら走査して、自己組織的に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の摺動面構造。
  10. 前記周期構造部と前記高低差とは同時加工により形成されてなることを特徴とする請求項9に記載の摺動面構造。
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