JP5617964B2 - クリアファイル中間製品 - Google Patents
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Description
これらの樹脂性のクリアファイルは、使用後にゴミとして廃棄して燃やされた場合に、化学物質を発生させて人体に悪影響を与える危険性があり自然環境上の問題がある。
また、2枚の紙材のシートを重ね合わせて接着剤で接着させたクリアファイルでは、収納させた書類の先端部分がその接着部に挟み込まれてしまい、抜き取る際に簡単に抜けにくくなり、樹脂性のシートを用いた場合に比べて作業性の点で不便になるという問題もある。
この場合、クリアファイルの表面に画一的なデザインや文字を印刷するよりも、それらの書類を渡す相手が特定している場合には、クリアファイルの表面に書類を渡す相手に応じて個々の異なるデザインや文字をプリンタでプリントできるようにしたクリアファイルを利用したいという要望がある。
特に、販売促進用に用いるクリアファイルでは、しわの寄った部分があるクリアファイルでは顧客に対してイメージが悪くなるという問題もある。
更に、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルをプリンタでプリントする場合でも、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近に、しわが寄ってしまうことを防止したクリアファイル中間製品を提供する。
また、本発明のクリアファイル中間製品は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たす紙基材を使用する場合には、最終製品のクリアファイルにした際において、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせることができるという効果がある。
またさらに、本発明のクリアファイル中間製品は、第1の紙基材と第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、収納する用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられているので、最終製品のクリアファイルにした際において、収納させた書類の先端部分がシートの接着部に挟み込まれてしまうことを防止することができるという効果がある。
最終製品であるクリアファイル1は、図1乃至図4に示すように、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材2と、前記第1の紙基材2の下側に重ね合わされ、前記第1の紙基材2と略同じ大きさを有する第2の紙基材3とからなる。
そして、第1の紙基材2と第2の紙基材3とが、少なくとも略四角形状を有しており、第1の紙基材2と第2の紙基材3は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤4と、その底縁部に設けられた接着剤5とにより接着されている。
図示した場合には、左側の側縁部に接着剤4が設けられている。
第1の紙基材2の右側辺の一部には、クリアファイル1を開く際に指を入れて開けられるように湾曲した形状の切り欠き部8が形成されている。
また、第2の紙基材3の厚さは、第1の紙基材2の厚さと略同じかまたは、第1の紙基材2よりも厚い基材から構成されている。
これは、クリアファイル1に入れる用紙として、坪量60〜70g/m2のPPC用紙を入れる場合が一般的であることと、透過濃度測定の結果で透過濃度0.09以下が、透明性が良好となることから、第1の紙基材2を、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たしている基材を用いることが、紙基材を用いたクリアファイルとして最適であるからである。
この凹部6a又は凸部6bからなる凹凸が複数設けられていることで、クリアファイル1内に収納する用紙を押し込んだ際でも、接着剤4,5にその用紙がくい込んで取り出しにくくなることを防止することができる。
尚、凹部6a又は凸部6bからなる凹凸の形状については、三角、四角、円形、ジグザグ状態、など様々な形状を用いることができる。
この受容層7が第1の紙基材2の表面に設けられているので、第1の紙基材2の表面にプリンタでプリントする際に安定した画像形成を行うことができ、乾燥性にも優れている。
この半製品のクリアファイル1aは、この状態で販売することができ、販売後にその購入者が文字や絵柄をプリントする場合もあるので、販売時に最終製品になる場合もある。
図示した場合には、左側の側縁部に接着剤4が設けられている。
そして、クリアファイル1の底縁部に設けられた接着剤5の塗布部分だけが接着状態となっていて、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されている接着剤4の部分は、第1の紙基材2と第2の紙基材3とが接着されていない状態となっている。
これに対して、縦方向の接着剤4の部分を接着させない状態にしておいて、プリンタにかける際に、プリンタ内で加熱、加圧ローラによる加熱、加圧を利用して、予め塗布されている接着剤4の熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤の部分を接着するようにすることで、第1の紙基材2にしわが寄りにくくできるという効果がある。
図5は、本発明のクリアファイル中間製品において、第1の紙基材と第2の紙基材を示す斜視図、図6は、クリアファイルの製造工程を示す図である。
図5及び図6に示すように、クリアファイル中間製品10を構成する第1の紙基材2と第2の紙基材3とは、ロール状態からなる連続用紙を搬送させて重ね合わせ、接着させて製造する。
図5には、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3の一部分が示されているが、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3の左右側には、それぞれ搬送用の送り穴が所定間隔で形成されているマージナルパンチ部9a,9b,10a,10bが設けられている。
また、図5において、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bの内側に縦方向に示されている一点鎖線の部分は、最終製品であるクリアファイル1を製造する際に、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3に対して、スリットを入れてマージナルパンチ部9a,9b,10a,10bを後で切り離す位置となるスリット予定線11a,11b,12a,12bである。
図7には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3が示されており、それぞれロール状に巻かれている。
まず、連続状態の第2の紙基材3を搬送させて、3ヵ所に設けられている接着剤塗布部13,14,15で、第2の紙基材3に接着剤4,5,16を塗布させる。
図8には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3に接着剤4,5を塗布させた後の状態が示されており、接着剤4,5として、加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤を塗布する。
この際に、接着剤4は、第2の紙基材3の左側の側縁部に縦方向に塗布し、接着剤5は、第2の紙基材3の底部分に横方向に塗布し、更に、接着剤16は、第2の紙基材3の右側の側縁部であって、スリット予定線12bに沿ってその外側に塗布する。
この接着剤16を塗布しない領域16aは、第1の紙基材2に形成する切込みの直線部19に対して、指抜き部8として紙基材の内側方向に歪曲させて形成した切込みが形成されている間の領域である。
尚、図9には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3に接着剤16を塗布させた後の状態が示されている。
そして、接着剤塗布部13,14,15を通過させた連続状態の第2の紙基材3は、連続状態にある第1の紙基材2と重ね合わせられて、加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着剤塗布部分を接着状態にする接着工程を有している。
前者の場合には、特に完成させたクリアファイルに対してプリンタでプリントする必要がないクリアファイルに適する。
また、後者の場合には、クリアファイルを使用する用途に応じて、後から所望の内容の文字や絵柄などプリンタでプリントする場合に適する。
いずれにしても、上記の接着工程を有している。
次に、図6に示すように、第1の紙基材2及び第2の紙基材3のスリット予定線11a,11b,12a,12bに切込みを入れる切込み刃ローラ20から、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bに連続的に切込みを入れて、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bを分離させてカス取りを行うカス取り工程を有している。
ここで、クリアファイル1は、接着剤4,5で接着された状態のものであり、半製品のクリアファイル1aは、接着剤4の塗布部分がまだ接着されていない状態のものをいう。
したがって、半製品のクリアファイル1aは、プリンタで第1の紙基材2の表面上にプリントする際に、縦方向に帯状に設けられた接着剤4の部分については、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されているだけで接着されていないことから、予め接着剤4の部分が接着されている従来のクリアファイルにプリントする場合に比べて、プリントの際にしわがよりにくく、体裁のよいクリアファイルをプリンタ熱定着部により作成できるように構成されている。
1a 半製品のクリアファイル
2 第1の紙基材
3 第2の紙基材
4,5,16 接着剤
6a 凹部
6b 凸部
7 受容層
8 指抜き部
9a,9b,10a,10b マージナルパンチ部
10 クリアファイル中間製品
11a,11b,12a,12b スリット予定線
13,14,15 接着剤塗布部
16 接着剤
16a 接着剤を塗布しない領域
17 加熱・加圧ローラ
20 切込み刃ローラ
21 断裁刃
Claims (6)
- いずれも左右側に搬送用のマージナルパンチ部を有し搬送方向に対して連続状態にある第1の紙基材と第2の紙基材とが、前記第1の紙基材を上側にして重ね合わせされ、単位毎のクリアファイルにする各スリット予定線のうち、前記第2の紙基材の搬送方向に平行する一方の側縁部スリット予定線に沿って塗布した接着剤によりそのクリアファイル領域側において第1と第2の紙基材が接着しており、搬送方向に平行する他方の側縁部スリット予定線に沿って塗布した接着剤により該クリアファイル領域の外側が単位毎のクリアファイルについて一部接着剤を塗布しない領域を有するように第1と第2の紙基材が断続的に接着しており、前記各スリット予定線のうち前記第2の紙基材の搬送方向に直交する単位毎のクリアファイルの境界内側に沿って塗布した接着剤によりそのクリアファイルの底縁部となる部分において第1と第2の紙基材が接着しており、前記第2の紙基材の前記接着剤を塗布しない領域と対応する第1の紙基材の領域には、指抜き部となる切込みが形成されていることを特徴とするクリアファイル中間製品。
- いずれも左右側に搬送用のマージナルパンチ部を有し搬送方向に対して連続状態にある第1の紙基材と第2の紙基材とが、前記第1の紙基材を上側にして重ね合わせされ、単位毎のクリアファイルにする各スリット予定線のうち、前記第2の紙基材の搬送方向に平行する一方の側縁部スリット予定線に沿って加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤がクリアファイル領域側に塗布されており、搬送方向に平行する他方の側縁部スリット予定線に沿って塗布した接着剤により該クリアファイル領域の外側が単位毎のクリアファイルについて一部接着剤を塗布しない領域を有するように第1と第2の紙基材が断続的に接着しており、前記各スリット予定線のうち前記第2の紙基材の搬送方向に直交する単位毎のクリアファイルの境界内側に沿って塗布した接着剤によりそのクリアファイルの底縁部となる部分において第1と第2の紙基材が接着しており、前記第2の紙基材の前記接着剤を塗布しない領域と対応する第1の紙基材の領域には、指抜き部となる切込みが形成されていることを特徴とするクリアファイル中間製品。
- 第1の紙基材がプリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のクリアファイル中間製品。
- 前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1の請求項記載のクリアファイル中間製品。
- 前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1の請求項記載のクリアファイル中間製品。
- 前記第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1の請求項記載のクリアファイル中間製品。
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