JP5617340B2 - 金属含有共重合体の製造方法 - Google Patents
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無機金属化合物(a1)は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2)及び非重合性有機酸(a3)と反応して金属塩を形成する化合物であれば、特に限定されない。例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マンガン(II)、酸化銅(II)、酸化亜鉛等の金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マンガン(II)、水酸化銅(II)、水酸化亜鉛等の金属水酸化物;塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マンガン(II)、塩化銅(II)、塩化亜鉛等の金属塩化物等が挙げられる。これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、得られる金属含有エチレン性不飽和単量体(A)の溶液透明性や貯蔵安定性、及び、得られる金属含有共重合体の溶剤溶解性が向上する傾向にある亜鉛化合物やマグネシウム化合物が好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2)は、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば、特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸、5−メチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルシュウ酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルシュウ酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体;無水イタコン酸、無水マレイン酸等のカルボン酸無水基含有エチレン性不飽和単量体;イタコン酸モノアルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル等)、マレイン酸モノアルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル等)等のジカルボン酸モノエステル類等が挙げられる。これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、エチレン性不飽和単量体(B)、後述するエチレン性不飽和単量体(C)との共重合性が良好な(メタ)アクリル酸が好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」を、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル又はメタクリロイル」をそれぞれ意味する。
非重合性有機酸(a3)は、分子内に重合性官能基を持たない有機酸であれば、特に限定されない。例えば、酢酸、モノクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、バーサチック酸、イソステアリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、パルミチン酸、クレソチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、ブラシジン酸、エルカ酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、安息香酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、キノリンカルボン酸、ニトロ安息香酸、ニトロナフタレンカルボン酸、プルビン酸等が挙げられる。これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、得られる金属含有エチレン性不飽和単量体(A)の溶液透明性や貯蔵安定性、及び、得られる金属含有共重合体の溶剤溶解性が向上する傾向にあるオクチル酸が好ましい。
(酸のモル当量)={(酸のモル数)×(酸の官能基数)}/{(無機金属化合物(a1)のモル数)×(無機金属化合物(a1)中の金属の酸化数)}・・・(2)
例えば、無機金属化合物(a1)として金属の酸化数が+2の酸化亜鉛を1モル使用する場合は、一塩基酸の使用量が2モルの時、1モル当量となる。
エチレン性不飽和単量体(B)は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2)以外のエチレン性不飽和単量体であって、無機金属化合物(a1)とは反応しない化合物である。したがって、エチレン性不飽和単量体(B)は、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)を製造する工程においては溶媒であり、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の重合によって金属含有共重合体を製造する工程においては、その構成成分である単量体の一つとして使用される。該製造方法によれば、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)は、余分な揮発性有機溶剤を含まないため、水性媒体中で重合を行う懸濁重合、乳化重合、分散重合、水溶液重合等への適用が可能である。更に、得られた金属含有共重合体は、塗料の低VOC化や水性化にも好適に使用される。
エチレン性不飽和単量体(B)の中で、無機金属化合物(a1)をカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2)及び非重合性有機酸(a3)と反応させる際の反応温度は、特に限定されないが、20〜180℃であることが好ましく、40〜140℃であることがより好ましく、60〜100℃であることが更に好ましい。反応温度が20℃以上であれば、反応速度が向上し、生産性が向上する傾向にある。一方、180℃以下であれば、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2)及びエチレン性不飽和単量体(B)の重合反応が抑制される傾向にある。
本発明においては、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)と前記金属含有エチレン性不飽和単量体(A)を製造する際に使用されるエチレン性不飽和単量体(B)を水性媒体中に分散し、重合することにより金属含有共重合体を製造する。なお、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)及びエチレン性不飽和単量体(B)以外にも、必要に応じて、その他のエチレン性不飽和単量体(C)を混合して使用することができる。
懸濁重合法で製造する際に使用される分散剤は、特に限定されない。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸スルホアルキルのアルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸スルホアルキルのアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸スルホアルキルのアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩とスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、あるいはこれら単量体の組み合わせからなる共重合体や、ケン化度70〜100%のポリビニルアルコール、メチルセルロース等が挙げられる。これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、懸濁重合時の分散安定性が良好な(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸スルホアルキルのアルカリ金属塩と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が好ましい。
本発明の金属含有共重合体の製造方法において、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)及びエチレン性不飽和単量体(B)との重合の際に使用される重合開始剤は、特に限定されない。例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等のアゾ化合物;クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、重合安定性が向上する傾向にある1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートが好ましい。
本発明の金属含有共重合体の製造方法においては、重合体の分子量調整を目的として、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、特に限定されない。例えば、ビス(ボロンジフルオロジメチルジオキシイミノシクロヘキサン)コバルト(II)、ビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキシメイト)コバルト(II)、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)、ビシナルイミノヒドロキシイミノ化合物のコバルト(II)錯体、テトラアザテトラアルキルシクロテトラデカテトラエンのコバルト(II)錯体、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノコバルト(II)錯体、ジアルキルジアザジオキソジアルキルドデカジエンのコバルト(II)錯体、コバルト(II)ポルフィリン錯体等のコバルト錯体;n−ブチルメルカプタン、sec−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)等のチオグリコール酸エステル類;β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)等のメルカプトプロピオン酸エステル類;α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が挙げられる。これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、鎖移動能が高く、得られた金属含有共重合体の耐ブロッキング性などの物性への影響が少ないことから、コバルト錯体が好ましい。
本発明の金属含有共重合体の製造方法において、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)及びエチレン性不飽和単量体(B)とを重合する際の重合温度は、特に限定されないが、30〜150℃であることが好ましく、50〜130℃であることがより好ましい。重合温度が30℃以上であれば、重合速度が向上し、生産性が向上する傾向にある。一方、重合温度が150℃以下であれば、重合発熱が緩和され、重合温度の制御が容易となる傾向にある。
本発明における金属含有共重合体の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、2000〜50000であることが好ましく、3000〜30000であることがより好ましい。金属含有共重合体の質量平均分子量が2000以上であれば、得られる塗膜の耐水性が向上する傾向にある。一方、質量平均分子量が50000以下であれば、溶剤溶解性や得られる塗膜の外観が向上する傾向にある。
本発明に係る方法により製造される金属含有共重合体を防汚塗料等の塗料用途に使用する場合は、該金属含有共重合体を有機溶剤に溶解し、溶液とする必要がある。
得られた混合物(M)を直径5cmのガラス瓶に入れ、20℃に設定した恒温水槽内で2時間保持した後、溶液の透明性を目視にて観察し、以下の基準により判定した。
○:透明である。
×:白濁している。
得られた混合物(M)を直径5cmのガラス瓶に入れ、25℃に設定した恒温水槽内で1週間保持した後、不溶解物の発生の有無を目視にて観察し、以下の基準により判定した。
○:不溶解物は全く発生していない。
×:多量の不溶解物が発生している。
金属含有エチレン性不飽和単量体(A)、エチレン性不飽和単量体(B)の重合後に、重合装置内壁、撹拌翼、温度計等に付着した金属含有共重合体の二次凝集物の質量を測定し、仕込み単量体質量に対する比率を算出し、以下の基準により判定した。
◎:5質量%未満である。
○:5質量%以上、10質量%未満である。
△:10質量%以上、15質量%未満である。
×:15質量%以上である。
金属含有エチレン性不飽和単量体(A)、エチレン性不飽和単量体(B)の重合後に得られた金属含有共重合体を含む水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、遠心脱水機で脱水した。得られた金属含有共重合体の濾過物を40℃の乾燥機に入れ、16時間保持した後、金属含有共重合体のブロッキング状態を目視及び指触にて観察し、以下の基準により判定した。
◎:全くブロッキングなく、全て一次粒子である。
○:部分的にブロッキングしているが、容易に一次粒子に解砕できる。
△:全体的にブロッキングしているが、容易に一次粒子に解砕できる。
×:全体的に強固にブロッキングしており、一次粒子に解砕できない塊がある。
得られた金属含有共重合体をプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)に溶解し、固形分30質量%の溶液を調製した。該溶液を直径5cmのガラス瓶に入れ、20℃に設定した恒温水槽内で2時間保持した後、溶液の透明性を目視にて観察し、以下の基準により判定した。なお、本評価に用いたPGMは、金属含有共重合体の溶解性に比較的優れたアルコール系の有機溶剤である。
◎:透明である。
○:極僅かに濁りがある。
△:半透明である。
×:白濁している。
前記(5)の溶剤溶解性試験で得られた固形分30質量%のPGM溶液をガラス板にバーコーターNo.44で塗布し、室温で30分間保持した後、90℃で1時間乾燥して塗膜を得た。得られた塗膜の外観を目視にて観察し、以下の基準により判定した。
○:ブツがなく、光沢が良好である。
△:ブツが僅かにあり、光沢がやや劣る。
×:ブツが多く、光沢が劣る。
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(商品名:HLC−8220、東ソー(株)製)を用いて測定した。カラムは、TSKgelα−M(商品名、東ソー(株)製、7.8mm×30cm)、TSKguardcolumnα(商品名、東ソー(株)製、6.0mm×4cm)を使用した。検量線は、F288/F128/F80/F40/F20/F2/A1000(商品名、東ソー(株)製、標準ポリスチレン)、及びスチレンモノマーを使用して作成した。ポリマーを0.4質量%溶解したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調製し、調製したDMF溶液を100μl使用して、40℃で測定を行った。標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)を算出した。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた反応装置中に、メチルメタクリレート124部、酸化亜鉛81部を加え、撹拌しながら75℃に昇温した。次に、滴下ロートからメタクリル酸69部、アクリル酸58部、オクチル酸58部、水12部からなる混合物を3時間かけて等速滴下し、更に75℃で2時間撹拌した後、室温に冷却して、透明な金属含有エチレン性不飽和単量体(A)及びエチレン性不飽和単量体(B)を含む混合物M1を得た。結果を表1に示す。
表1に示す原料に変更したこと以外は、前記混合物M1と同様にして反応を行い、透明な混合物M2〜M5、M7及びM8を得た。結果を表1に示す。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた反応装置中に、メチルメタクリレート111部、酸化亜鉛81部を加え、撹拌しながら75℃に昇温した。次に、滴下ロートからメタクリル酸86部、アクリル酸72部、水12部からなる混合物を3時間かけて等速滴下し、更に75℃で2時間撹拌した後、室温に冷却して、金属含有エチレン性不飽和単量体(A)及びエチレン性不飽和単量体(B)を含む混合物M6を得た。しかし、該混合物M6は、白濁しており、更に、貯蔵安定性試験後に多量の不溶解物が発生したため、以降の試験を中止した。結果を表1に示す。
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた反応装置中に、プロピレングリコールモノメチルエーテル130部、酸化亜鉛81部を加え、撹拌しながら75℃に昇温した。次に、滴下ロートからメタクリル酸60部、アクリル酸50部、オクチル酸87部、水12部からなる混合物を3時間かけて等速滴下し、更に75℃で2時間撹拌した後、室温に冷却して、透明な金属含有エチレン性不飽和単量体(A)を含む混合物M9を得た。結果を表1に示す。
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
OA:オクチル酸
MMA:メチルメタクリレート
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル。
撹拌機、温度計、冷却管を備えた反応装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物1.00g、ジフェニルグリオキシム1.93g、予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル80mlを加え、室温で30分間攪拌した。次に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体10mlを加え、更に室温で6時間攪拌した後、室温に冷却した。得られた混合物を濾過し、濾過物をジエチルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体である連鎖移動剤1(ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II))を2.12g得た。
撹拌機、温度計、冷却管を備えた重合装置中に、脱イオン水900部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60部、メタクリル酸カリウム10部、メチルメタクリレート12部を加えて撹拌し、重合装置内を窒素置換し、50℃に昇温した。続いて、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。該重合開始剤の添加と同時に、滴下ポンプを使用して、メチルメタクリレートを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下し、60℃で6時間撹拌した後、室温に冷却して、固形分10%の透明なポリマー水溶液である分散剤1を得た。
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水170部、硫酸ナトリウム0.2部、分散剤1(固形分10%)0.8部を加えて撹拌し、均一な水溶液とした。次に、混合物M1 32.4部(金属含有エチレン性不飽和単量体(A)20部、メチルメタクリレート10部、水2.4部)、n−ブチルメタクリレート40部、2−エトキシエチルメタクリレート30部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート1.5部、連鎖移動剤1 0.01部を加えて撹拌し、重合装置内を窒素置換し、80℃に昇温して1時間反応させた。次に、重合率を上げるため、90℃に昇温して1時間反応させた後、40℃に冷却して、金属含有共重合体を含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄、脱水し、40℃で16時間乾燥して、真球状の金属含有共重合体を得た。この金属含有共重合体の質量平均分子量(Mw)は17,600であった。結果を表2に示す。
表2に示す単量体、開始剤、連鎖移動剤を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属含有共重合体を得た。結果を表2に示す。
表2に示す単量体、開始剤、連鎖移動剤を使用したこと以外は、実施例1と同様にして重合を行ったが、重合中に金属含有共重合体が二次凝集し、系全体が固化したため、以降の試験を中止した。結果を表2に示す。
ETMA:2−エトキシエチルメタクリレート
パーオクタO:1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)
MSD:α−メチルスチレンダイマー。
Claims (4)
- 金属含有エチレン性不飽和単量体(A)とエチレン性不飽和単量体(B)を水性媒体中に分散して重合する金属含有共重合体の製造方法であって、
金属含有エチレン性不飽和単量体(A)が、
無機金属化合物(a1)と、
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a2)と
前記化合物(a1)に対して0.15〜0.4モル当量の非重合性有機酸(a3)を
前記単量体(a2)以外のエチレン性不飽和単量体(B)中で反応させたものである金属含有共重合体の製造方法。 - 前記式(1)で表されるコバルト錯体のR1〜R4がフェニル基であり、XがF原子である請求項2に記載の金属含有共重合体の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の方法により製造される金属含有共重合体。
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